JP4968044B2 - ポリイミド化合物の製造方法、熱硬化性樹脂組成物並びにこれを用いたプリプレグ及び積層板 - Google Patents
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Description
また、近年の環境問題から、鉛フリーはんだによる電子部品の搭載やハロゲンフリーによる難燃化が要求され、そのため従来のものよりも高い耐熱性及び難燃性が必要とされる。さらに、製品の安全性や作業環境の向上化のため、毒性の低い成分のみで構成され、毒性ガス等が発生しない熱硬化性樹脂組成物が望まれている。
メラミン、グアナミン化合物を使用した熱硬化性樹脂に関する多くの事例が開示されている(例えば、特許文献1〜5参照)。
これらの文献では、メラミン樹脂又は、グアナミン化合物をホルムアルデヒド等のアルデヒド類を用いて縮合させた熱硬化性樹脂であり、有機溶剤への溶解性は改良されているものの、熱分解温度が低く、毒性の分解ガスを発生するため作業環境を悪化させたり、近年要求される鉛フリーはんだへの耐熱性や銅付き耐熱性に不足する。また微細な加工処理・配線形成において、銅箔接着性や可とう性、靭性が不足し、回路パターンが断線や剥離を生じたり、ドリルや打ち抜きにより穴あけ等の加工をする際にクラックが発生する等の不具合が生じる。
また、メチロール化グアナミン樹脂に関する事例が開示されているが(例えば、特許文献6参照)、これも上記と同様に耐熱性や接着性、加工性等の問題がある。
1.有機溶媒中で、一般式(I)で表される不飽和二重結合炭化水素基を有する6−置換グアナミン化合物(a)と、前記6−置換グアナミン化合物(a)以外の分子構造中に少なくとも2個の1級アミノ基を有するアミン化合物(b)を反応させ、次いで、分子構造中に少なくとも2個の不飽和N−置換マレイミド基を有するマレイミド化合物(c)を反応させることを特徴とする、ポリイミド構造中に2,4−ジアミノトリアジン基と不飽和N−置換マレイミド基を有するポリイミド化合物の製造方法。
3.上記2の熱硬化性樹脂組成物を、基材に含浸又は塗工した後、Bステージ化して得られたプリプレグ。
4.上記3のプリプレグを積層成形して得られた積層板。
5.上記3のプリプレグの少なくとも一方に金属箔を重ねた後、加熱加圧成形して得られた金属張積層板である上記4の積層板。
また、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、金属箔接着性、耐熱性、耐湿性、難燃性、金属付き耐熱性、比誘電率及び誘電正接の全てにおいてバランスがとれたものであり、また、毒性が低く、安全性や作業環境にも優れるものである。
このため本発明により、該熱硬化性樹脂組成物を用いて、優れた性能を有するプリプレグや積層板などを提供することができる。
先ず、本発明のポリイミド化合物の製造方法は、有機溶媒中で、一般式(I)で表される不飽和二重結合炭化水素基を有する6−置換グアナミン化合物(a)と、前記6−置換グアナミン化合物(a)以外の分子構造中に少なくとも2個の1級アミノ基を有するアミン化合物(b)を反応させ、次いで、分子構造中に少なくとも2個の不飽和N−置換マレイミド基を有するマレイミド化合物(c)を反応させることを特徴とするものであり、ポリイミド構造中に2,4−ジアミノトリアジン基と不飽和N−置換マレイミド基を有するポリイミド化合物が得られる。
このようなアミン化合物(b)の例としては、ベンジジン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルエーテル、ジアミノジフェニルスルホン、3,3'−ジクロロ−4,4'−ジアミノビフェニル、3,3'−ジメトキシ−4,4'−ジアミノビフェニル、3,3'−ジメチル−4,4'−ジアミノビフェニル、3,3'−ジクロロ−4,4'−ジアミノビフェニル、3,3'−ジメチル−4,4'−ジアミノビフェニル−6,6'−ジスルホン酸、2,2' ,5,5'−テトラクロロ−4,4'−ジアミノビフェニル、4,4'−メチレン−ビス(2−クロロアニリン)、1,3'−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2'−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、4,4'−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2'−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、1,4'−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4'−ジアミノジフェニルスルフィド、2,2'−ジメチル−4,4'−ジアミノビフェニル、4,4'−ジアミノ−3,3'−ビフェニルジオール、9,9'−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、o‐トリジンスルホン等のジアミン類等が挙げられる。
この製造方法において、6−置換グアナミン化合物(a)とアミン化合物(b)の使用量は、アミン化合物(b)の一級アミノ基の当量が、6−置換グアナミン化合物(b)の不飽和二重結合炭化水素基の当量を超える範囲であることが望ましい。アミン化合物(b)の使用量がこれより少ない範囲であると、未反応の6−置換グアナミン化合物(b)が生じて、耐熱性が低下することがある。
6−置換グアナミン化合物(a)とアミン化合物(b)の反応の温度は100〜200℃とすることが好ましく、反応時間は0.5〜10時間とすることが好ましい。
この際のマレイミド化合物(c)の使用量は、マレイミド化合物(c)のマレイミド基の当量が、アミン化合物(b)の一級アミノ基の当量を超える範囲であることが望ましい。マレイミド化合物(c)の使用量がこれより少ない範囲であると、ゲル化を起こしたり、耐熱性が低下する場合がある。
マレイミド化合物(c)の反応の温度は70〜200℃とすることが好ましく、反応時間は0.5〜10時間とすることが好ましい。
これらの中で、溶解性の点からシクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、メチルセロソルブ、γ−ブチロラクトンが好ましく、低毒性であることや揮発性が高くプリプレグの製造時に残溶剤として残りにくい点から、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジメチルアセトアミドが特に好ましい。
有機溶媒の使用量は、6−置換グアナミン化合物(a)、アミン化合物(b)およびマレイミド化合物(c)の合計量100質量部当たり、25〜1000質量部とすることが好ましく、40〜700質量部とすることがより好ましい。有機溶剤の使用量を上記範囲とすることにより、溶解性が不足することがなく、また反応時間に長時間を要することがない。
上記反応により、例えば、下記の一般式(II)で表される6−置換グアナミン化合物が付加反応されたポリイミドが合成され、これより銅箔接着性、耐熱性、耐湿性、難燃性及び誘電特性に優れる熱硬化性樹脂組成物が得られる。
1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(B)としては、例えば、ビスフェノールA系、ビスフェノールF系、ビフェニル系、ノボラック系、多官能フェノール系、ナフタレン系、脂環式系及び、アルコール系のグリシジルエーテル、グリシジルアミン系並びにグリシジルエステル系エポキシ樹脂等が挙げられ、1種又は2種以上を混合して使用することができる。
これらの中で、誘電特性、耐熱性、耐湿性及び銅箔接着性の点からビスフェノールF型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン環含有エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂及びクレゾールノボラック型エポキシ樹脂等が好ましく、良好な誘電特性や低熱膨張性を有する点からビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂がより好ましい。
エポキシ樹脂の硬化剤としては、無水マレイン酸、無水マレイン酸共重合体等の酸無水物、ジシアノジアミド等のアミン化合物、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等のフェノール化合物等が挙げられる。これらの中で、耐熱性が良好となるフェノールノボラック、クレゾールノボラック等のフェノール化合物が好ましく、難燃性や接着性が向上することからクレゾールノボラック型フェノール樹脂が特に好ましい。
エポキシ樹脂の硬化促進剤としては、イミダゾール類及びその誘導体、第三級アミン類及び第四級アンモニウム塩等が挙げられる。
無機充填剤(C)の含有量は、固形分換算で、ポリイミド化合物(A)とエポキシ樹脂(B)の合計量100質量部に対し、0〜300質量部とすることが好ましく、20〜200質量部とすることがより好ましく、20〜150質量部とすることが特に好ましい。無機充填剤(C)の含有量を300質量部以下とすることにより、成形性や接着性が低下することがない。
熱可塑性樹脂の例としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリフェニレンエーテル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、キシレン樹脂、石油樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。
基材の厚さは、特に制限されないが、例えば、約0.03〜0.5mmのものを使用することができ、シランカップリング剤等で表面処理したもの又は機械的に開繊処理を施したものが、耐熱性や耐湿性、加工性の面から好適である。該基材に対する樹脂組成物の付着量が、乾燥後のプリプレグの樹脂含有率で、20〜90質量%となるように、基材に含浸又は塗工した後、通常、100〜200℃の温度で1〜30分加熱乾燥し、半硬化(Bステージ化)させて、本発明のプリプレグを得ることができる。
なお、以下の実施例で得られた銅張積層板は、以下の方法で性能を測定・評価した。
銅張積層板を銅エッチング液に浸漬することにより、1cm幅の帯部分を残して銅箔を取り除いた評価基板を作製し、オートグラフ〔島津製作所(株)製AG−100C〕を用いて帯部分のピール強度を測定した。
(2)ガラス転移温度(Tg)の測定
銅張積層板を銅エッチング液に浸漬することにより銅箔を取り除いた5mm角の評価基板を作製し、TMA試験装置〔デュポン(株)製TMA2940〕を用い、評価基板の熱膨張特性を観察することにより評価した。
銅張積層板を銅エッチング液に浸漬することにより銅箔を取り除いた5cm角の評価基板を作製し、プレッシャー・クッカー試験装置〔平山製作所(株)製〕を用いて、121℃、0.2MPaの条件に4時間放置し、次いで温度288℃のはんだ浴に20秒間浸漬した後、評価基板の外観を観察することによりはんだ耐熱性を評価した。
(4)銅付き耐熱性(T−288)の評価
銅張積層板から5mm角の評価基板を作製し、TMA試験装置〔デュポン(株)製TMA2940〕を用い、288℃で評価基板の膨れが発生するまでの時間を測定することにより評価した。
銅張積層板を銅エッチング液に浸漬することにより銅箔を取り除いた評価基板を作製し、プレッシャー・クッカー試験装置〔平山製作所(株)製〕を用いて、121℃、0.2MPaの条件に4時間放置した後、評価基板の吸水率を測定した。
(6)難燃性の評価
銅張積層板を銅エッチング液に浸漬することにより銅箔を取り除いた評価基板から、長さ127mm、幅12.7mmに切り出した評価基板を作製し、UL94の試験法(V法)に準じて評価した。
(7)比誘電率及び誘電正接の測定
得られた銅張積層板を銅エッチング液に浸漬することにより銅箔を取り除いた評価基板を作製し、比誘電率測定装置(Hewllet・Packerd社製、HP4291B)を用いて、周波数1GHzでの比誘電率及び誘電正接を測定した。
温度計、攪拌装置、還流冷却管の付いた加熱及び冷却可能な容積2リットルの反応容器に、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−s−トリアジン:223.0g、ジアミノジフェニルメタン:198.0g及びジメチルアセトアミド:421.0gを入れ、160℃で5時間反応させた。次いで、ビス(4−マレイミドフェニル)メタン:358.0g及びジメチルアセトアミド:358.0gを入れ、100℃で2時間反応させ、ポリイミド構造中に2,4−ジアミノトリアジン基と不飽和N−置換マレイミド基を有するポリイミド(A−1)の溶液を得た。
温度計、攪拌装置、還流冷却管の付いた加熱及び冷却可能な容積3リットルの反応容器に、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−s−トリアジン:223.0g、3,3'−ジメチル−4,4'−ジアミノビフェニル:212.0g及びプロピレングリコールモノメチルエーテル:435.0gを入れ、還流温度で10時間反応させた。次いで、2,2'−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン:570.0g及びプロピレングリコールモノメチルエーテル:570.0gを入れ、100℃で2時間反応させ、ポリイミド構造中に2,4−ジアミノトリアジン基と不飽和N−置換マレイミド基を有するポリイミド(A−2)の溶液を得た。
温度計、攪拌装置、還流冷却管の付いた加熱及び冷却可能な容積3リットルの反応容器に、2,4−ジアミノ−6−アクリロイルオキシエチル−s−トリアジン:209.0g、3,3'−ジメチル−4,4'−ジアミノビフェニル:212.0g及びプロピレングリコールモノメチルエーテル:421.0gを入れ、還流温度で10時間反応させた。次いで、3,3−ジメチル−5,5−ジエチル−4,4−ジフェニルメタンビスマレイミド:442.0g及びプロピレングリコールモノメチルエーテル:442.0gを入れ、100℃で2時間反応させ、ポリイミド構造中に2,4−ジアミノトリアジン基と不飽和N−置換マレイミド基を有するポリイミド(A−3)の溶液を得た。
温度計、攪拌装置、還流冷却管の付いた加熱及び冷却可能な容積3リットルの反応容器に、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−s−トリアジン:223.0g、4,4'−ジアミノ−3,3'−ビフェニルジオール:216.0g及びジメチルアセトアミド:439.0gを入れ、160℃で5時間反応させた。次いで、3,3−ジメチル−5,5−ジエチル−4,4−ジフェニルメタンビスマレイミド:442.0g及びプロピレングリコールモノメチルエーテル:442.0gを入れ、100℃で2時間反応させ、ポリイミド構造中に2,4−ジアミノトリアジン基と不飽和N−置換マレイミド基を有するポリイミド(A−4)の溶液を得た。
温度計、攪拌装置、還流冷却管の付いた加熱及び冷却可能な容積5リットルの反応容器に、2,4−ジアミノ−6−ビニル−s−トリアジン:137.0g、2,2'−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン:410.0g及びγ−ブチロラクトン:547.0gを入れ、160℃で5時間反応させた。次いで、ビス(4−マレイミドフェニル)スルフォン:816.0g及びジメチルアセトアミド:816.0gを入れ、100℃で2時間反応させ、ポリイミド構造中に2,4−ジアミノトリアジン基と不飽和N−置換マレイミド基を有するポリイミド(A−5)の溶液を得た。
温度計、攪拌装置、還流冷却管の付いた加熱及び冷却可能な容積5リットルの反応容器に、2,4−ジアミノ−6−アリル−s−トリアジン:151.0g、2,2'−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン:820.0g及びγ−ブチロラクトン:971.0gを入れ、160℃で5時間反応させた。次いで、ビス(4−マレイミドフェニル)スルフォン:816.0g及びジメチルアセトアミド:816.0gを入れ、100℃で2時間反応させ、ポリイミド構造中に2,4−ジアミノトリアジン基と不飽和N−置換マレイミド基を有するポリイミド(A−6)の溶液を得た。
温度計、攪拌装置、還流冷却管の付いた加熱及び冷却可能な容積3リットルの反応容器に、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−s−トリアジン:223.0g、4,4'−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル:368.0g及びジメチルアセトアミド:591.0gを入れ、160℃で5時間反応させた。次いで、3,3−ジメチル−5,5−ジエチル−4,4−ジフェニルメタンビスマレイミド:442.0g及びジメチルアセトアミド:442.0gを入れ、100℃で2時間反応させ、ポリイミド構造中に2,4−ジアミノトリアジン基と不飽和N−置換マレイミド基を有するポリイミド(A−7)の溶液を得た。
温度計、攪拌装置、還流冷却管の付いた加熱及び冷却可能な容積3リットルの反応容器に、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−s−トリアジン:223.0g、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン:432.0g及びジメチルアセトアミド:591.0gを入れ、160℃で5時間反応させた。次いで、3,3−ジメチル−5,5−ジエチル−4,4−ジフェニルメタンビスマレイミド:442.0g及びジメチルアセトアミド:442.0gを入れ、100℃で2時間反応させ、ポリイミド構造中に2,4−ジアミノトリアジン基と不飽和N−置換マレイミド基を有するポリイミド(A−8)の溶液を得た。
温度計、攪拌装置、還流冷却管の付いた加熱及び冷却可能な容積5リットルの反応容器に、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−s−トリアジン:223.0g、1,4'−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン:584.0g及びジメチルアセトアミド:807.0gを入れ、160℃で5時間反応させた。次いで、ビス(4−マレイミドフェニル)メタン:716.0g及びジメチルアセトアミド:716.0gを入れ、100℃で2時間反応させ、ポリイミド構造中に2,4−ジアミノトリアジン基と不飽和N−置換マレイミド基を有するポリイミド(A−9)の溶液を得た。
温度計、攪拌装置、還流冷却管の付いた加熱及び冷却可能な容積5リットルの反応容器に、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−s−トリアジン:223.0g、4,4'−ジアミノジフェニルスルフィド:432.0g及びジメチルアセトアミド:655.0gを入れ、160℃で5時間反応させた。次いで、ビス(4−マレイミドフェニル)メタン:895.0g及びジメチルアセトアミド:895.0gを入れ、100℃で2時間反応させ、ポリイミド構造中に2,4−ジアミノトリアジン基と不飽和N−置換マレイミド基を有するポリイミド(A−10)の溶液を得た。
温度計、攪拌装置、還流冷却管の付いた加熱及び冷却可能な容積5リットルの反応容器に、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−s−トリアジン:223.0g、o‐トリジンスルホン:274.0g及びγ−ブチロラクトン:497.0gを入れ、160℃で5時間反応させた。次いで、ビス(4−マレイミドフェニル)メタン:716.0g及びジメチルアセトアミド:716.0gを入れ、100℃で2時間反応させ、ポリイミド構造中に2,4−ジアミノトリアジン基と不飽和N−置換マレイミド基を有するポリイミド(A−11)の溶液を得た。
温度計、攪拌装置、還流冷却管の付いた加熱及び冷却可能な容積5リットルの反応容器に、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−s−トリアジン:223.0g、3,3'−ジメトキシ−4,4'−ジアミノビフェニル:245.0g及びγ−ブチロラクトン:468.0gを入れ、160℃で5時間反応させた。次いで、ビス(4−マレイミドフェニル)メタン:716.0g及びジメチルアセトアミド:716.0gを入れ、100℃で2時間反応させ、ポリイミド構造中に2,4−ジアミノトリアジン基と不飽和N−置換マレイミド基を有するポリイミド(A−12)の溶液を得た。
温度計、攪拌装置、還流冷却管の付いた加熱及び冷却可能な容積5リットルの反応容器に、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−s−トリアジン:223.0g、2,2'−ジメチル−4,4'−ジアミノビフェニル:212.0g及びγ−ブチロラクトン:435.0gを入れ、160℃で5時間反応させた。次いで、ビス(4−マレイミドフェニル)メタン:716.0g及びジメチルアセトアミド:716.0gを入れ、100℃で2時間反応させ、ポリイミド構造中に2,4−ジアミノトリアジン基と不飽和N−置換マレイミド基を有するポリイミド(A−13)の溶液を得た。
ポリイミド構造中に2,4−ジアミノトリアジン基と不飽和N−置換マレイミド基を有するポリイミド化合物(A)として、上記の実施例1〜13で製造されたポリイミド、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(B)として、エポキシ樹脂(B−1):フェノールノボラック型エポキシ樹脂〔大日本インキ化学工業(株)製、商品名:エピクロンN−770〕、エポキシ樹脂(B−2):ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂〔日本化薬(株)製、商品名:NC−3000H〕およびエポキシ樹脂(B−3):ビフェニル型エポキシ樹脂〔油化シェルエポキシ(株)製、商品名:YX−4000〕、無機充填剤(C)として破砕シリカ〔C−1:福島窯業(株)製、商品名:F05−30、平均粒径10μm〕および水酸化アルミニウム〔C−2:昭和電工(株)製、商品名:HD−360、平均粒径3μm〕、また、希釈溶剤にメチルエチルケトンを使用して第1表〜第4表に示す配合割合(質量部)で混合して樹脂分65質量%の均一なワニスを得た。
なお、比較例1〜3では、ポリイミド化合物(A)に代えて、ビス(4−マレイミドフェニル)メタン〔大和化成(株)製〕、およびベンゾグアナミン〔日本触媒(株)製〕を使用した。
次に、上記ワニスを厚さ0.2mmのEガラスクロスに含浸塗工し、160℃で10分加熱乾燥して樹脂含有量55質量%のプリプレグを得た。
このプリプレグを4枚重ね、18μmの電解銅箔を上下に配置し、圧力2.45MPa、温度185℃で90分間プレスを行って、銅張積層板を得た。このようにして得られた銅張積層板を用いて、銅箔接着性(銅箔ピール強度)、ガラス転移温度、はんだ耐熱性、吸湿性(吸水率)、難燃性、比誘電率(1GHz)、誘電正接(1GHz)について前記の方法で測定・評価した。結果を第1表〜第4表に示す。
一方、第4表から明らかなように、本発明の比較例では、銅箔接着性、ガラス転移温度、はんだ耐熱性、吸湿性、難燃性、比誘電率及び誘電正接の全てにおいて劣っている。
本発明の熱硬化性樹脂組成物を基材に含浸、又は塗工して得たプリプレグ、及び該プリプレグを積層成形することにより製造した積層板は、銅箔接着性、ガラス転移温度、はんだ耐熱性、吸湿性、難燃性、比誘電率及び誘電正接の全てにおいてバランスがとれており、電子機器用プリント配線板として有用である。
Claims (5)
- 固形分換算で、請求項1に記載の方法により製造されたポリイミド化合物(A)20〜100質量部、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(B)80〜0質量部及び、ポリイミド化合物(A)とエポキシ樹脂(B)の合計量100質量部に対し、0〜300質量部の無機充填剤(C)を含有することを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
- 請求項2に記載の熱硬化性樹脂組成物を、基材に含浸又は塗工した後、Bステージ化して得られたプリプレグ。
- 請求項3に記載のプリプレグを積層成形して得られた積層板。
- 請求項3に記載のプリプレグの少なくとも一方に金属箔を重ねた後、加熱加圧成形して得られた金属張積層板である請求項4に記載の積層板。
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