JP4964842B2 - カメラ及びカメラの焦点調節方法 - Google Patents
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Description
このようなカメラの焦点調節装置では、例えば焦点検出素子などの発熱部における発熱量が大きく、電源投入とともに焦点検出素子の温度が急激に上昇する。これに対して焦点検出光学系は、例えば焦点検出素子などの発熱部からの熱伝導を受けて緩慢に温度が上昇する。
図1はレンズ交換式のカメラ(一眼レフレックスカメラ)の構成図を示す。このカメラ1は、カメラボディ(以下、カメラボディと称する)2と、交換レンズ3とから成る。
カメラボディ2内には、主にサブミラー4を有するメインミラー5と、カメラボディ2の上部に配置され、ペンタプリズム6を有するファインダ7と、シャッタ8と、撮像素子9と、カメラボディ2の下部に配置された焦点検出ユニット10と、カメラボディ側コントローラ11等が設けられている。
交換レンズ3は、カメラボディ2に対して着脱自在である。この交換レンズ3は、フォーカスレンズ12とズーム系レンズ13とからなる撮影レンズ14と、絞り15と、ズームリング16と、図示しないが交換レンズ側コントローラ等を備える。
一方、メインミラー5を透過した光束は、サブミラー4で反射して焦点検出ユニット10に導かれる。撮影時には、レリーズスイッチに対する操作によってメインミラー5とサブミラー4とは、撮影レンズ14の光軸P上から退避する。これと同時に、シャッタ8が開口することにより撮像素子9に光束が導かれて露光が行われる。
このAFセンサ26は、焦点検出素子である光電変換素子アレイ27を有する。この光電変換素子アレイ27は、第1の光電変換素子アレイ27aと第2の光電変換素子アレイ27bとをライン状に配列して成る。これら第1の光電変換素子アレイ27aと第2の光電変換素子アレイ27bとは、各セパレータレンズ25a、25bに対応して配置されている。従って、AFセンサ26に入射した光束は、第1の光電変換素子アレイ27a上と第2の光電変換素子アレイ27b上とに再結像される。
撮影レンズ14が前ピン位置にあって、結像面Gの前方に被写体像Fが形成される場合、この被写体像Fは、お互いにより光軸Pに近付いた形で光軸Pに対して垂直に再結像されて第1の像F1、第2の像F2になる。
さらに、撮影レンズ14が後ピン位置にあって、結像面Gの後方に被写体像Rが形成される場合、この被写体像Rは、お互いにより光軸Pから離れた形で光軸Pに対して垂直に再結像されて第1の像R1、第2の像R2になる。
なお、各セパレータレンズ25a、25bは、アクリルやポリカーボネイト等の光学プラスチック材料により一体化されて形成されているので、環境温度によって収縮膨張する。このため、合焦状態での第1の像I1と第2の像I2、第1の像F1と第2の像F2、又は第1の像R1と第2の像R2の間隔は、温度により変化し、これによってピント検出誤差となる。
第2の温度センサ31は、カメラボディ2内の発熱部、例えばAFセンサ26の光電変換素子アレイ27、カメラボディ側コントローラ11、電源系等から離間されると共に、カメラボディ2の外装部を含む部位、例えばカメラボディ2の正面に設けられている。この第2の温度センサ31は、カメラボディ2の外装近傍の温度を検出し、その外装近傍の温度検出信号を出力する。なお、温度センサは一般的によく知られているサーミスタ等の素子を使用すればよい。
又、カメラボディ側コントローラ11には、AFセンサ26と、測光部56と、ストロボ部57と、ミラー駆動部58と、シャッタ駆動部59と、撮像素子駆動部60と、表示部61と、ファーストレリーズスイッチ62と、セカンドレリーズスイッチ63と、第1の温度センサ30と、第2の温度センサ31とが接続されている。
タイマー55は、焦点検出素子としての焦点検出素子としてのAFセンサ26の光電変換素子アレイ27に電源投入してからの経過時間を計測する時間計測手段としての機能を有する。
ストロボ部57は、低輝度時の撮影に使用されるもので、カメラボディ側コントローラ11によって充電、発光タイミング、発光量の制御が行われる。このストロボ部57は、AF動作時の補助光としても使用され、AFセンサ26の蓄積タイミングに同期して所定の発光量で間欠発光する。
表示部61は、LCD、LED等を内蔵して、カメラの撮影モード、シャッタ速度、絞り値等の表示を行う。
次に、デフォーカス量演算手段70は、電源投入時からの時間経過に従って変化する温度変化に応じたデフォーカス量補正値を求めるために、デフォーカス量補正初期値とタイマー55により計測された電源投入時からの経過時間とに基づいてデフォーカス量補正値を求め、このデフォーカス量補正値によって撮影レンズ14のデフォーカス量を補正する。
次に、電源がオフされ、この電源オフ時から短時間の時間経過の後、再び電源がオンされると、焦点検出ユニット10の温度T1(=T1−1)は、電源オフ時から再電源オン時までの時間経過での低下した温度Tgから次第に大きくなる過渡状態を過ぎてから一定となる平衡状態に移る(ウォーム・スタート)。
具体的に、デフォーカス量演算手段70は、図9に示すように電源投入時の第1の温度センサ30により検出された焦点検出ユニット10の温度T1、又は第2の温度センサ31により検出されたカメラボディ2の外装近傍温度T2のいずれか一方の温度に基づいてデフォーカス量補正最大値Comp maxを求め、次に、図10に示すようにデフォーカス量補正最大値Comp max及び焦点検出ユニット10の温度T1とカメラボディ2の外装近傍温度T2との差(T1−T2)とに基づいてデフォーカス量補正初期値Comp iniを求める。
又、デフォーカス量補正初期値Hbは、温度差(T1−T2)が予め設定された上限温度差Tm2以上になると「0」に設定されるので、デフォーカス量演算手段70は、温度差(T1−T2)が予め設定された上限温度差Tm2以下であるときにのみデフォーカス量の補正を行うように設定される。
しかるに、デフォーカス量演算手段70は、当該経過時間に対するデフォーカス量補正値Hcの関係に従ってタイマー55により計測された経過時間に対応するデフォーカス量補正値Comp(t)を求める。この場合、デフォーカス量補正値Hcは、予め設定された上限時間tmaxになると「0」に設定されているので、デフォーカス量演算手段70は、タイマー55により計測された経過時間が所定時間内すなわち予め設定された上限時間tmax内のときのみにデフォーカス量の補正を行うものとなる。
カメラボディ側コントローラ11は、電源オン時に、ステップS1において、初期化を行う。この初期化は、図13に示す初期化ルーチンのフローチャートに従って行う。すなわち、カメラボディ側コントローラ11は、ステップS20において、コントローラ内の各ブロック、例えばRAM52、EEPROM53、A/Dコンバータ54、タイマー55等の初期化を行う。
次に、カメラボディ側コントローラ11は、ステップS21において、第1の温度センサ30により検出された焦点検出ユニット10の温度T1を読み込むと共に、第2の温度センサ31により検出されたカメラボディ2の外装近傍温度T2を読み込む。カメラボディ側コントローラ11は、焦点検出ユニット10の温度T1とカメラボディ2の外装近傍温度T2とを例えばRAM52に記憶する。
次に、デフォーカス量演算手段70は、図10に示す温度差(T1−T2)に対するデフォーカス量補正初期値Hbの関係に従い、焦点検出ユニット10の温度T1とカメラボディ2の外装近傍温度T2との温度差(T1−T2=ΔT)に対応するデフォーカス量補正初期値Comp iniを求める。
次に、カメラボディ側コントローラ11は、ステップS25において、タイマー55のカウントをスタートする。
撮影レンズ14が前ピン位置にあって、結像面Gの前方に被写体像Fが形成される場合、この被写体像Fは、お互いにより光軸Pに近付いた形で光軸Pに対して垂直に再結像されて第1の像F1、第2の像F2になる。
撮影レンズ14が後ピン位置にあって、結像面Gの後方に被写体像Rが形成される場合、この被写体像Rは、お互いにより光軸Pから離れた形で光軸Pに対して垂直に再結像されて第1の像R1、第2の像R2になる。
次に、デフォーカス量演算手段70は、ステップS36において、上記ステップS25においてカウントをスタートしたタイマー55のカウント値、すなわちタイマー55により計測された経過時間を読み出す。
次に、カメラボディ側コントローラ11は、ステップS6において、セカンドレリーズスイッチ63がオンされたか否かを判断する。この判断の結果、セカンドレリーズスイッチ63がオンされると、カメラボディ側コントローラ11は、ステップS7に移り、露光が行われる。すなわち、カメラボディ側コントローラ11は、上記ステップS5で求めた測光値などに基いて決定された絞り値を交換レンズ3に送信する。この交換レンズ3では、撮影レンズ14の絞り15を所定の絞り値に絞り込み、続いて、上記ステップS5で求められた測光値などに基いて決定された所定時間だけシャッタ8を開放して露光動作を行う。この露光時には、上記測光値に基いてストロボ発光が必要であるかが判断され、必要な場合は、シャッタ全開状態でストロボ部57に発光信号を出力して発光を行う。
カメラボディ側コントローラ11は、ステップS9において、スリープ状態に移行するためのスリープ時間が経過したか否かを判断し、スリープ時間が経過していなければ、上記ステップS2に戻り、スリープ時間が経過すれば、スリープ状態に移行する。
又、カメラボディ側コントローラ11は、上記ステップS4での測距動作の結果を参照し、合焦状態でなければ、ステップS11に移って合焦不能であるか否かを参照し、合焦不能でなければ、ステップS12に移り、撮影レンズ14の駆動制御を実行する。
デフォーカス量演算手段70は、第1の温度センサ30によりカメラボディ2内の温度が第2の温度センサ31によりカメラボディ2の外装近傍の温度よりも低いと、図10に示すようにデフォーカス量補正初期値Comp iniをデフォーカス量補正最大値Comp maxに制限するので、第1の温度センサ30及び第2の温度センサ31のばらつきによるコールド・スタート時の誤補正を防止して適切な撮影レンズ14のデフォーカス量を求めることができる。
Claims (11)
- 撮影レンズを通過した被写体像のデフォーカス量に応じて相対位置が変化する前記被写体像を分割した二像の光量分布を形成する焦点検出光学系と、前記焦点検出光学系により形成された前記光量分布を検出する焦点検出素子と、前記焦点検出素子の出力に基づいて合焦時の光量分布の相対位置からのズレ量に基づいて前記撮影レンズの前記デフォーカス量を求めるデフォーカス量演算手段とから成る焦点調節装置を備えたカメラにおいて、
前記焦点検出素子から離間されると共に、前記焦点検出光学系の近傍に設けられ、カメラボディ内の温度を検出する第1の温度検出手段と、
前記カメラボディ内の発熱部及び前記焦点検出素子から離間されると共に、前記カメラボディの外装部を含む部位に設けられ、前記カメラボディの周囲環境温度を検出する第2の温度検出手段と、
前記焦点検出素子に電源投入してからの経過時間を計測する時間計測手段と、
を具備し、
前記デフォーカス量演算手段は、電源投入時に前記第1の温度検出手段により検出された前記カメラボディ内の温度と前記第2温度検出手段により検出された前記周囲環境温度とに基づいてデフォーカス量補正初期値を求め、当該デフォーカス量補正初期値と前記時間計測手段により計測された前記経過時間とに基づいてデフォーカス量補正値を求め、当該デフォーカス量補正値によって前記デフォーカス量を補正する、
ことを特徴とするカメラ。 - 前記デフォーカス量演算手段は、電源投入時の前記第1の温度検出手段により検出された前記カメラボディ内の温度又は前記第2温度検出手段により検出された前記周囲環境温度のいずれか一方の温度に基づいてデフォーカス量補正最大値を求め、当該デフォーカス量補正最大値及び前記カメラボディ内の温度と前記周囲環境温度との差とに基づいて前記デフォーカス量補正初期値を求めることを特徴とする請求項1記載のカメラ。
- 前記デフォーカス量演算手段は、前記第1の温度検出手段により検出された前記カメラボディ内の温度と前記第2温度検出手段により検出された前記周囲環境温度との差が小さい程前記デフォーカス量補正初期値を大きくすることを特徴とする請求項2記載のカメラ。
- 前記デフォーカス量演算手段は、前記第1の温度検出手段により検出された前記カメラボディ内の温度と前記第2温度検出手段により検出された前記周囲環境温度との差が所定値より小さいときにのみ前記デフォーカス量の補正を行うことを特徴とする請求項1記載のカメラ。
- 前記デフォーカス量演算手段は、前記第1の温度検出手段により検出された前記カメラボディ内の温度が前記第2温度検出手段により検出された前記周囲環境温度よりも低いと、前記デフォーカス量補正初期値を前記デフォーカス量補正最大値に制限することを特徴とする請求項3記載のカメラ。
- 前記デフォーカス量演算手段は、前記デフォーカス量補正初期値を最大値に設定し、前記時間計測手段による前記経過時間の計測と共に前記デフォーカス量補正値を小さくすることを特徴とする請求項1記載のカメラ。
- 前記デフォーカス量演算手段は、前記時間計測手段により計測された前記経過時間が所定時間内のときのみに前記デフォーカス量の補正を行うことを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか1項記載のカメラ。
- 前記デフォーカス量演算手段は、前記第1の温度検出手段により検出された前記カメラボディ内の温度又は前記第2温度検出手段により検出された前記周囲環境温度が高くなるに従って補正最大値が低下する関係を予め記憶し、当該予め記憶された関係から電源投入時の前記第1の温度検出手段により検出された前記カメラボディ内の温度又は前記第2温度検出手段により検出された前記周囲環境温度のいずれか一方の温度に対応する前記デフォーカス量補正最大値を求めることを特徴とする請求項2記載のカメラ。
- 前記デフォーカス量演算手段は、前記第1の温度検出手段により検出された前記カメラボディ内の温度と前記第2温度検出手段により検出された前記周囲環境温度との差が大きくなるに従って前記デフォーカス量補正初期値が前記デフォーカス量補正最大値から低下する関係を作成し、当該作成された関係から前記カメラボディ内の温度と前記周囲環境温度との差に対応する前記デフォーカス量補正初期値を求めることを特徴とする請求項2記載のカメラ。
- 前記デフォーカス量演算手段は、前記時間計測手段により計測された前記経過時間が過ぎるに従って前記デフォーカス量補正値が前記デフォーカス量補正初期値から低下する関係を作成し、当該作成された関係から前記時間計測手段により計測された前記経過時間に対応する前記デフォーカス量補正値を求めることを特徴とする請求項1記載のカメラ。
- 撮影レンズを通過した被写体像のデフォーカス量に応じて相対位置が変化する前記被写体像を分割した二像の光量分布を検出し、合焦時の前記二像の光量分布からのズレ量に基づいて前記撮影レンズの前記デフォーカス量を求めるカメラの焦点調節方法において、
前記焦点検出素子から離間されると共に、前記焦点検出光学系の近傍に設けられた第1の温度検出手段によってカメラボディ内の温度を検出し、
前記カメラボディ内の発熱部及び前記焦点検出素子から離間されると共に、前記カメラボディの外装部を含む部位に設けられた第2の温度検出手段によって前記カメラボディの周囲環境温度を検出し、
時間計測手段によって電源投入してからの経過時間を計測し、
デフォーカス量演算手段によって電源投入時に前記第1の温度検出手段により検出された前記カメラボディ内の温度と前記第2温度検出手段により検出された前記周囲環境温度とに基づいてデフォーカス量補正初期値を求め、当該デフォーカス量補正初期値と前記時間計測手段により計測された前記経過時間とに基づいてデフォーカス量補正値を求め、当該デフォーカス量補正値によって前記デフォーカス量を補正する、
ことを特徴とするカメラの焦点調節方法。
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