JP4964842B2 - カメラ及びカメラの焦点調節方法 - Google Patents

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本発明は、撮影レンズを通過した被写体像を分割した二像の光量分布を検出し、合焦時の二像の光量分布からのズレ量に基づいて撮影レンズのデフォーカス量を求める焦点検出装置を有するカメラ及びカメラの焦点調節方法に関する。
カメラの焦点調節に関する技術としては、例えば特許文献1、2に開示されている。このうち特許文献1は、カメラにおける焦点検出装置の温度補償装置について開示する。この温度補償装置は、位相差方式の焦点検出装置において、プラスチックにより一体成形されたレンズの温度変化によるデフォーカス量の変化を電気的に補正するもので、カメラの環境温度を測定し、この環境温度と基準温度との差に定数を乗じて補正値を算出することで、カメラの環境温度によるデフォーカス量の変化を補正する。
特許文献2は、位相差方式の焦点検出装置において、環境温度を測定する温度検出手段の代わりに光電変換を行う焦点検出素子と同一のICチップ上に温度検出手段を設け、焦点検出素子の電源を投入してからの所定の時間以内に繰り返し測定した温度に基づいてデフォーカス量を補正する技術を開示している。
特開昭60−235110号公報 特開2005−316187号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている温度補償装置及び特許文献2に開示されている焦点調節装置には、以下のような問題点がある。特許文献1、2は、カメラの環境温度に対するデフォーカス量の補正を行っている。ところが、実際にはカメラの電源を投入すると、カメラボディ内の電気基板等の発熱部から熱が発生し、この熱が時間経過と共にカメラボディ内に伝導してカメラボディ内の温度が上昇する。そして、カメラボディ内の温度は、その温度分布が変化する過渡的な状態を経たのちに安定な平衡状態に推移する。このため、環境温度に対するデフォーカス量補正の基準値を平衡状態で決定したとしても、過渡的な状態ではデフォーカス量の補正精度が低下してしまう。
カメラの焦点調節装置は、撮影レンズを通過した被写体像を焦点検出光学系により二像に分割して二像の光量分布を形成し、この二像の光量分布を焦点検出素子により光電変換し、この焦点検出素子の出力に基づいて合焦時の光量分布の相対位置からのズレ量に基づいて撮影レンズのデフォーカス量を演算して求めている。
このようなカメラの焦点調節装置では、例えば焦点検出素子などの発熱部における発熱量が大きく、電源投入とともに焦点検出素子の温度が急激に上昇する。これに対して焦点検出光学系は、例えば焦点検出素子などの発熱部からの熱伝導を受けて緩慢に温度が上昇する。
このため、カメラボディ内の温度上昇が平衡状態に達して温度分布が安定するまでの過渡状態では、カメラボディ内の焦点検出光学系や焦点検出素子、これら焦点検出光学系や焦点検出素子を保持する保持部材、接着剤などが持つ線膨張係数等の熱的特性に応じてデフォーカス量が変化してしまい、このデフォーカス量の変化によって当該デフォーカス量に対する補正が十分に行えないという問題がある。
更に、過渡状態としては、長い時間電源を切断し、カメラ内の温度が環境温度とほぼ等しい状態から再び電源を投入するコールド・スタートからの過渡状態と、カメラが暖まっている状態から短時間だけ電源を切断し、再び電源を投入するウォーム・スタートからの過渡状態とがある。これらコールド・スタートとウォーム・スタートとの各過渡状態では、デフォーカス量に対するそれぞれ異なる補正が必要であるが、かかる過渡状態の違いに全く対応できないという問題がある。
本発明の目的は、カメラの電源を投入してからカメラボディ内の温度が平衡状態に達するまでの過渡状態においても正確な温度補正が可能で高精度の焦点調節を行うことができるカメラ及びカメラの焦点調節方法を提供することにある。
本発明の主要な局面に係るカメラは、撮影レンズを通過した被写体像のデフォーカス量に応じて相対位置が変化する被写体像を分割した二像の光量分布を形成する焦点検出光学系と、焦点検出光学系により形成された光量分布を検出する焦点検出素子と、焦点検出素子の出力に基づいて合焦時の光量分布の相対位置からのズレ量に基づいて撮影レンズのデフォーカス量を求めるデフォーカス量演算手段とから成る焦点調節装置を備えたカメラであって、焦点検出素子から離間されると共に、焦点検出光学系の近傍に設けられ、カメラボディ内の温度を検出する第1の温度検出手段と、カメラボディ内の発熱部及び焦点検出素子から離間されると共に、カメラボディの外装部を含む部位に設けられ、カメラボディの周囲環境温度を検出する第2の温度検出手段と、焦点検出素子に電源投入してからの経過時間を計測する時間計測手段とを具備し、デフォーカス量演算手段は、電源投入時に第1の温度検出手段により検出されたカメラボディ内の温度と第2温度検出手段により検出された周囲環境温度とに基づいてデフォーカス量補正初期値を求め、当該デフォーカス量補正初期値と時間計測手段により計測された経過時間とに基づいてデフォーカス量補正値を求め、当該デフォーカス量補正値によってデフォーカス量を補正する。
本発明の他の主要な局面に係るカメラの焦点調節方法は、撮影レンズを通過した被写体像のデフォーカス量に応じて相対位置が変化する被写体像を分割した二像の光量分布を検出し、合焦時の二像の光量分布のズレ量に基づいて撮影レンズのデフォーカス量を求めるカメラの焦点調節方法であって、焦点検出素子から離間されると共に、焦点検出光学系の近傍に設けられた第1の温度検出手段によってカメラボディ内の温度を検出し、カメラボディ内の発熱部及び焦点検出素子から離間されると共に、カメラボディの外装部を含む部位に設けられた第2の温度検出手段によってカメラボディの周囲環境温度を検出し、時間計測手段によって電源投入してからの経過時間を計測し、デフォーカス量演算手段によって電源投入時に第1の温度検出手段により検出されたカメラボディ内の温度と第2温度検出手段により検出された周囲環境温度とに基づいてデフォーカス量補正初期値を求め、当該デフォーカス量補正初期値と時間計測手段により計測された経過時間とに基づいてデフォーカス量補正値を求め、当該デフォーカス量補正値によってデフォーカス量を補正する。
本発明によれば、カメラの電源を投入してからカメラボディ内の温度が平衡状態に達するまでの過渡状態においても正確な温度補正が可能で高精度の焦点調節を行うことができるカメラ及びカメラの焦点調節方法を提供できる。
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
図1はレンズ交換式のカメラ(一眼レフレックスカメラ)の構成図を示す。このカメラ1は、カメラボディ(以下、カメラボディと称する)2と、交換レンズ3とから成る。
カメラボディ2内には、主にサブミラー4を有するメインミラー5と、カメラボディ2の上部に配置され、ペンタプリズム6を有するファインダ7と、シャッタ8と、撮像素子9と、カメラボディ2の下部に配置された焦点検出ユニット10と、カメラボディ側コントローラ11等が設けられている。
交換レンズ3は、カメラボディ2に対して着脱自在である。この交換レンズ3は、フォーカスレンズ12とズーム系レンズ13とからなる撮影レンズ14と、絞り15と、ズームリング16と、図示しないが交換レンズ側コントローラ等を備える。
このようなカメラ1であれば、ファインダ観察状態時、撮影レンズ14を通過した被写体からの光束は、メインミラー5により一部が反射し、他の一部が透過する。メインミラー5で反射した光束は、ペンタプリズム6を介してファインダ7の接眼部に導かれる。
一方、メインミラー5を透過した光束は、サブミラー4で反射して焦点検出ユニット10に導かれる。撮影時には、レリーズスイッチに対する操作によってメインミラー5とサブミラー4とは、撮影レンズ14の光軸P上から退避する。これと同時に、シャッタ8が開口することにより撮像素子9に光束が導かれて露光が行われる。
焦点検出ユニット10は、TTL位相差検出方式を採用した焦点検出手段である。この焦点検出ユニット10は、撮影レンズ14を通過した光束を絞り込む視野マスク20と、赤外光をカットする赤外カットフィルタ21と、光束を集めるためのコンデンサレンズ22と、光束を全反射する全反射ミラー23と、光束を制限するセパレータ絞り24と、光束を再結像させるセパレータレンズ25と、オートフォーカス(AF)センサ26などからなる。
図2は焦点検出ユニット10における焦点検出光学系の構成を示す。この焦点検出光学系は、被写体側(図2の左側)から撮影レンズ14と、視野マスク20と、コンデンサレンズ22と、セパレータ絞り24と、セパレータレンズ25とが配置されている。このうちセパレータ絞り24は、撮影レンズ14の光軸Pに対して略対称に配置された各開口部24a、24bを有する。セパレータレンズ25は、セパレータ絞り24の各開口部24a、24bに対応して配置された各セパレータレンズ25a、25bを有する。なお、全反射ミラー23と、赤外カットフィルタ21とは、説明の簡単化のため省略する。
このような焦点検出光学系であれば、例えば撮影レンズ14の領域14a又は領域14bを介して入射された被写体からの光束は、視野マスク20、コンデンサレンズ22、セパレータ絞り24の開口部24aとセパレータレンズ25a、又はセパレータ絞り24の開口部24bとセパレータレンズ25bを通ってAFセンサ26に入射する。
このAFセンサ26は、焦点検出素子である光電変換素子アレイ27を有する。この光電変換素子アレイ27は、第1の光電変換素子アレイ27aと第2の光電変換素子アレイ27bとをライン状に配列して成る。これら第1の光電変換素子アレイ27aと第2の光電変換素子アレイ27bとは、各セパレータレンズ25a、25bに対応して配置されている。従って、AFセンサ26に入射した光束は、第1の光電変換素子アレイ27a上と第2の光電変換素子アレイ27b上とに再結像される。
撮影レンズ14が合焦位置にあって、結像面G上に被写体像Iが形成される場合、この被写体像Iは、コンデンサレンズ22及びセパレータレンズ25a、25bによって光軸Pに対して垂直な2次結像面の第1と第2の光電変換素子アレイ27a、27b上に再結像されて第1の像I1、第2の像I2になる。
撮影レンズ14が前ピン位置にあって、結像面Gの前方に被写体像Fが形成される場合、この被写体像Fは、お互いにより光軸Pに近付いた形で光軸Pに対して垂直に再結像されて第1の像F1、第2の像F2になる。
さらに、撮影レンズ14が後ピン位置にあって、結像面Gの後方に被写体像Rが形成される場合、この被写体像Rは、お互いにより光軸Pから離れた形で光軸Pに対して垂直に再結像されて第1の像R1、第2の像R2になる。
これら第1の像I1と第2の像I2、第1の像F1と第2の像F2、又は第1の像R1と第2の像R2の各間隔を検出することにより、撮影レンズ14の合焦状態を前ピン、後ピンを含めて検出することができる。具体的には、第1の像I1と第2の像I2、第1の像F1と第2の像F2、又は第1の像R1と第2の像R2の光強度分布を光電変換素子アレイ27の出力信号により求めて両像の間隔を測定することによって合焦状態を検出する。
なお、各セパレータレンズ25a、25bは、アクリルやポリカーボネイト等の光学プラスチック材料により一体化されて形成されているので、環境温度によって収縮膨張する。このため、合焦状態での第1の像I1と第2の像I2、第1の像F1と第2の像F2、又は第1の像R1と第2の像R2の間隔は、温度により変化し、これによってピント検出誤差となる。
カメラボディ2には、第1の温度センサ30と、第2の温度センサ31とが設けられている。このうち第1の温度センサ30は、焦点検出素子としてのAFセンサ26の光電変換素子アレイ27から離間されると共に、焦点検出ユニット10における焦点検出光学系の近傍に設けられている。この第1の温度センサ30は、カメラボディ2内の温度を検出し、そのカメラボディ内の温度検出信号を出力する。
第2の温度センサ31は、カメラボディ2内の発熱部、例えばAFセンサ26の光電変換素子アレイ27、カメラボディ側コントローラ11、電源系等から離間されると共に、カメラボディ2の外装部を含む部位、例えばカメラボディ2の正面に設けられている。この第2の温度センサ31は、カメラボディ2の外装近傍の温度を検出し、その外装近傍の温度検出信号を出力する。なお、温度センサは一般的によく知られているサーミスタ等の素子を使用すればよい。
図3はAFセンサ26及びカメラボディ側コントローラ11のブロック構成図を示す。AFセンサ26は、第1と第2の光電変換素子アレイ27a、27bと、センサ処理回路40とを有する。センサ処理回路40は、第1と第2の光電変換素子アレイ27a、27bの出力信号から被写体像に応じた画像信号を発生し、この発生した画像信号をカメラボディ側コントローラ11に出力する。
カメラボディ側コントローラ11は、本カメラのシーケンスプログラムに従ってカメラの一連の動作制御を行うもので、例えばCPU(中央処理装置)50と、ROM51と、RAM52と、EEPROM53と、A/Dコンバータ54と、タイマー55とを有する。CPU50は、ROM51に格納されたカメラのシーケンスプログラムを実行することによってカメラの一連の動作制御を行う。EEPROM53には、AF制御、測光等に関する補正データが記憶される。
又、カメラボディ側コントローラ11には、AFセンサ26と、測光部56と、ストロボ部57と、ミラー駆動部58と、シャッタ駆動部59と、撮像素子駆動部60と、表示部61と、ファーストレリーズスイッチ62と、セカンドレリーズスイッチ63と、第1の温度センサ30と、第2の温度センサ31とが接続されている。
カメラボディ側コントローラ11は、交換レンズ3内のレンズコントローラとの間で通信を行い、カメラボディ2内及び交換レンズ3内の各種調整、補正データの授受や、交換レンズ3内のフォーカス、絞り駆動の制御信号の授受を行い、各制御を行う。
タイマー55は、焦点検出素子としての焦点検出素子としてのAFセンサ26の光電変換素子アレイ27に電源投入してからの経過時間を計測する時間計測手段としての機能を有する。
測光部56は、被写体の輝度に応じた出力を発生する。カメラボディ側コントローラ11は、測光部56の出力をA/Dコンバータ54によりA/D変換して測光値としてRAM52に格納する。
ストロボ部57は、低輝度時の撮影に使用されるもので、カメラボディ側コントローラ11によって充電、発光タイミング、発光量の制御が行われる。このストロボ部57は、AF動作時の補助光としても使用され、AFセンサ26の蓄積タイミングに同期して所定の発光量で間欠発光する。
ミラー駆動部58、シャッタ駆動部59及び撮像素子駆動部60は、それぞれカメラボディ側コントローラ11により制御されるもので、それぞれシャッタ8の駆動、撮像素子9の駆動、メインミラー5及びサブミラー4の駆動動作を行う。
表示部61は、LCD、LED等を内蔵して、カメラの撮影モード、シャッタ速度、絞り値等の表示を行う。
ファーストレリーズスイッチ(1RSW)62とセカンドレリーズスイッチ(2RSW)63とは、レリーズ釦操作に連動するスイッチであり、レリーズ釦の第一段階の押し下げによってファーストレリーズスイッチ62がオンし、引続いて第二段階の押し下げによってセカンドレリーズスイッチ63がオンする。カメラボディ側コントローラ11は、ファーストレリーズスイッチ62のオンで測光、AFを行う。カメラボディ側コントローラ11は、セカンドレリーズスイッチ63のオンで露出動作と撮像素子9からの画像読出し動作を行う。
カメラボディ側コントローラ11のROM51には、予め当該カメラの焦点調節プログラムが記憶されている。CPU50は、かかるROM51に記憶されているカメラの焦点調節プログラムを実行することによりカメラボディ側コントローラ11は、例えば図4に示すデフォーカス量演算手段70の機能を有するものとなる。
このデフォーカス量演算手段70は、電源投入時に、第1の温度センサ30により検出されたカメラボディ2内の温度と第2の温度センサ31により検出された当該カメラ1の外装近傍温度とに基づいてデフォーカス量補正初期値を求める。
次に、デフォーカス量演算手段70は、電源投入時からの時間経過に従って変化する温度変化に応じたデフォーカス量補正値を求めるために、デフォーカス量補正初期値とタイマー55により計測された電源投入時からの経過時間とに基づいてデフォーカス量補正値を求め、このデフォーカス量補正値によって撮影レンズ14のデフォーカス量を補正する。
すなわち、図5はカメラボディ2内の温度が平衡状態にあるときの焦点検出ユニット10の温度とデフォーカス量との関係を示す。デフォーカス量は、焦点検出ユニット10の温度が低下するのに従って小さくなっている。例えば基準温度Trに対するデフォーカス量を「0」に設定すると、例えば測距時の温度がTeのときのデフォーカス量は、基準温度Trに対するデフォーカス量「0」との差のFeになる。
図6は電源オンオフによるAFセンサ26の温度変化Tafと、第1の温度センサ30により検出されるカメラボディ2内の温度変化T1と、第2の温度センサ31により検出されるカメラボディ2の外装近傍温度T2の変化とを示す。AFセンサ26の温度Tafは、電源オンと同時に環境温度Tfから急激に上昇して平衡状態になり、電源オンと同時に急激に低下して環境温度Tfに戻る。第1の温度センサ30により検出されるカメラボディ2内の温度T1は、電源オン時から環境温度Tfから徐々に上昇し、電源オン時から徐々に低下して環境温度Tfに戻る。このカメラボディ2内の温度T1の変化は、AFセンサ26の温度Tafの変化よりも緩慢である。第2の温度センサ31により検出されるカメラボディ2の外装近傍温度T2は、カメラボディ2の周囲環境の温度Tfと略一致して変化する。
図7は電源オンからカメラボディ2内の温度が過渡状態から平衡状態に移行するときのデフォーカス量の変化を示す。このデフォーカス量は、電源オンから次第に大きくなる過渡状態を過ぎてから一定となる平衡状態に移る。なお、過渡状態におけるデフォーカス量は、焦点検出ユニット10の持つ温度特性によって変化量が相違し、例えば平衡状態における焦点検出ユニット10の温度が高い場合には過渡的なデフォーカス量の変化が小さく、温度が低い場合には過渡的なデフォーカス量の変化が大きくなる。
図8は電源オンオフに伴う焦点検出ユニット10の温度変化を示す。この焦点検出ユニット10の温度変化は、カメラボディ2内の温度T1が環境温度Tfとほぼ等しい状態から電源をオンするコールド・スタートと、カメラボディ2が暖まっている状態から短時間だけ電源を切断し、再び電源をオンするウォーム・スタートとを示す。
第1の温度センサ30により検出されるカメラボディ2内の温度すなわち焦点検出ユニット10の温度T1(=T1−1)は、電源がオンすると、環境温度Tf(=Tf1)から次第に大きくなる過渡状態を過ぎてから一定となる平衡状態に移る(コールド・スタート)。
次に、電源がオフされ、この電源オフ時から短時間の時間経過の後、再び電源がオンされると、焦点検出ユニット10の温度T1(=T1−1)は、電源オフ時から再電源オン時までの時間経過での低下した温度Tgから次第に大きくなる過渡状態を過ぎてから一定となる平衡状態に移る(ウォーム・スタート)。
コールド・スタートとウォーム・スタートとにおいて電源オン時のスタート時から所定時間、例えば時間t1経過後の焦点検出ユニット10の温度T1(=T1−1)の各温度変化は、コールド・スタートでΔTon_aであり、ウォーム・スタートでΔTon_bである。なお、コールド・スタートでの温度変化ΔTon_aは、環境温度Tf(=Tf1)との温度差であり、ウォーム・スタートでの温度変化ΔTon_bは、再電源オン時の温度Tgとの温度差である。又、焦点検出ユニット10の温度T1(=T1−1)とT1(=T1−2)とは、それぞれ電源オン時の各環境温度Tf(=Tf1)、Tf(=Tf2)が相違する。
本カメラ1は、コールド・スタート又はウォーム・スタートであっても電源投入からカメラボディ2内の温度が平衡状態に達するまでの過渡状態においても正確なデフォーカス量の補正を可能とする。このために本カメラ1は、上記デフォーカス量演算手段70の機能を有する。
具体的に、デフォーカス量演算手段70は、図9に示すように電源投入時の第1の温度センサ30により検出された焦点検出ユニット10の温度T1、又は第2の温度センサ31により検出されたカメラボディ2の外装近傍温度T2のいずれか一方の温度に基づいてデフォーカス量補正最大値Comp maxを求め、次に、図10に示すようにデフォーカス量補正最大値Comp max及び焦点検出ユニット10の温度T1とカメラボディ2の外装近傍温度T2との差(T1−T2)とに基づいてデフォーカス量補正初期値Comp iniを求める。
すなわち、デフォーカス量演算手段70は、図9に示すように第1の温度センサ30により検出された焦点検出ユニット10の温度T1又は第2の温度センサ31により検出されたカメラボディ2の外装近傍温度T2が高くなるに従って補正最大値Haが低下する関係を予め記憶する。なお、図9は焦点検出ユニット10の温度T1に対する補正最大値Haを示す。この補正最大値Haは、焦点検出ユニット10の温度T1がT1(=Tn)以下において上限値Hamが設定され、かつ補正上限温度Tm1以上において「0」となる。補正最大値Haの上限値Hamは、焦点検出ユニット10の温度T1が例えば氷点下数十度の異常な低温になったときの誤補正を防止するために設定されている。
しかるに、デフォーカス量演算手段70は、図9に示す焦点検出ユニット10の温度T1に対する補正最大値Haの関係に従い、電源投入時の第1の温度センサ30により検出された焦点検出ユニット10の温度T1に対応するデフォーカス量補正最大値Comp maxを求める。
又、デフォーカス量演算手段70は、図10に示すように第1の温度センサ30により検出された焦点検出ユニット10の温度T1と第2の温度センサ31により検出されたカメラボディ2の外装近傍温度T2との差(T1−T2)が大きくなるに従ってデフォーカス量補正初期値Hbがデフォーカス量補正最大値Comp maxから低下する関係を作成する。
この焦点検出ユニット10の温度T1とカメラボディ2の外装近傍温度T2との温度差(T1−T2)に対するデフォーカス量補正初期値Hbの関係は、温度差(T1−T2)が「0」以下、すなわちカメラボディ2の外装近傍温度T2が焦点検出ユニット10の温度T1よりも高い(T2>T1)場合において一定のデフォーカス量補正最大値Comp maxに設定される。又、温度差(T1−T2)が予め設定された上限温度差Tm2以上になると、デフォーカス量補正初期値Hbは、「0」に設定されている。
しかるに、デフォーカス量演算手段70は、図10に示す温度差(T1−T2)に対するデフォーカス量補正初期値Hbの関係に従い、焦点検出ユニット10の温度T1とカメラボディ2の外装近傍温度T2との温度差(T1−T2=ΔT)に対応するデフォーカス量補正初期値Comp iniを求める。このデフォーカス量補正初期値Comp iniは、焦点検出ユニット10の温度T1とカメラボディ2の外装近傍温度T2との温度差(T1−T2=ΔT)が小さい程、大きく設定される。
又、デフォーカス量補正初期値Hbは、温度差(T1−T2)が予め設定された上限温度差Tm2以上になると「0」に設定されるので、デフォーカス量演算手段70は、温度差(T1−T2)が予め設定された上限温度差Tm2以下であるときにのみデフォーカス量の補正を行うように設定される。
又、デフォーカス量補正初期値Hbは、カメラボディ2の外装近傍温度T2が焦点検出ユニット10の温度T1よりも高い(T2>T1)場合において一定のデフォーカス量補正最大値Comp maxに設定されるので、デフォーカス量演算手段70は、当該(T2>T1)場合、デフォーカス量補正初期値Hbを一定のデフォーカス量補正最大値Comp maxに制限する。
デフォーカス量演算手段70は、図11に示すようにデフォーカス量補正初期値Comp iniを最大値に設定し、タイマー55による経過時間の計測と共にデフォーカス量補正値Comp(t)を小さく設定する。すなわち、デフォーカス量演算手段70は、図11に示すようにタイマー55により計測された経過時間が過ぎるに従ってデフォーカス量補正値Hcがデフォーカス量補正初期値Comp iniから低下する関係を作成する。このデフォーカス量補正値Hcは、デフォーカス量補正初期値Comp iniから時間の経過と共に低下し、予め設定された上限時間tmaxになると、「0」に設定される。
しかるに、デフォーカス量演算手段70は、当該経過時間に対するデフォーカス量補正値Hcの関係に従ってタイマー55により計測された経過時間に対応するデフォーカス量補正値Comp(t)を求める。この場合、デフォーカス量補正値Hcは、予め設定された上限時間tmaxになると「0」に設定されているので、デフォーカス量演算手段70は、タイマー55により計測された経過時間が所定時間内すなわち予め設定された上限時間tmax内のときのみにデフォーカス量の補正を行うものとなる。
次に、上記の如く構成されたカメラ1の動作について図12に示すメインルーチンのフローチャートに従って説明する。
カメラボディ側コントローラ11は、電源オン時に、ステップS1において、初期化を行う。この初期化は、図13に示す初期化ルーチンのフローチャートに従って行う。すなわち、カメラボディ側コントローラ11は、ステップS20において、コントローラ内の各ブロック、例えばRAM52、EEPROM53、A/Dコンバータ54、タイマー55等の初期化を行う。
次に、カメラボディ側コントローラ11は、ステップS21において、第1の温度センサ30により検出された焦点検出ユニット10の温度T1を読み込むと共に、第2の温度センサ31により検出されたカメラボディ2の外装近傍温度T2を読み込む。カメラボディ側コントローラ11は、焦点検出ユニット10の温度T1とカメラボディ2の外装近傍温度T2とを例えばRAM52に記憶する。
次に、カメラボディ側コントローラ11のデフォーカス量演算手段70は、ステップS22において、例えばRAM52から焦点検出ユニット10の温度T1を読み出し、図9に示す焦点検出ユニット10の温度T1に対する補正最大値Haの関係に従い、電源投入時の第1の温度センサ30により検出された焦点検出ユニット10の温度T1に対応するデフォーカス量補正最大値Comp maxを求める。
次に、デフォーカス量演算手段70は、ステップS23において、図10に示すようにカメラボディ2の外装近傍温度T2が焦点検出ユニット10の温度T1よりも高い(T2>T1)場合において一定のデフォーカス量補正最大値Comp maxに設定され、かつ当該デフォーカス量補正最大値Comp maxから焦点検出ユニット10の温度T1とカメラボディ2の外装近傍温度T2との差(T1−T2)が大きくなるに従って低下する関係のデフォーカス量補正初期値Hbを作成する。
次に、デフォーカス量演算手段70は、図10に示す温度差(T1−T2)に対するデフォーカス量補正初期値Hbの関係に従い、焦点検出ユニット10の温度T1とカメラボディ2の外装近傍温度T2との温度差(T1−T2=ΔT)に対応するデフォーカス量補正初期値Comp iniを求める。
次に、カメラボディ側コントローラ11は、ステップS24において、AFセンサ26の電源をオンする。
次に、カメラボディ側コントローラ11は、ステップS25において、タイマー55のカウントをスタートする。
次に、カメラボディ側コントローラ11は、図12に示すフローチャートのステップS2に移り、ファーストレリーズスイッチ62がオンになったか否かを判断する。この判断の結果、ファーストレリーズスイッチ62がオンされると、カメラボディ側コントローラ11は、ステップS3に移り、図14に示す測距動作のフローチャートに従って測距動作を行う。すなわち、カメラボディ側コントローラ11は、ステップS30において、AFセンサ26に対して積分動作を開始させる。
次に、カメラボディ側コントローラ11は、ステップS301においてAFセンサ26からの積分終了を示す信号をチェックし、積分終了していなければ、ステップS31において、AFセンサ26に対して積分動作を開始してからの時間が所定の積分リミット時間を経過したか否かを判断する。この判断の結果、AFセンサ26の積分時間が所定の積分リミット時間を経過していなければ、カメラボディ側コントローラ11は、ステップS301に移り、積分終了をチェックする。一方、AFセンサ26の積分時間が所定の積分リミット時間を経過すれば、カメラボディ側コントローラ11は、ステップS32に移り、AFセンサ26に対する積分動作を強制的に終了し、ステップS33において、AFセンサ26の出力信号を読み出す。また、ステップS301において積分終了していた場合には、ステップS33に進み、AFセンサ26の出力信号を読み出す。
すなわち、図2に示すように撮影レンズ14の領域14a又は領域14bを介して入射された被写体からの光束は、視野マスク20、コンデンサレンズ22、セパレータ絞り24の開口部24aとセパレータレンズ25a、又はセパレータ絞り24の開口部24bとセパレータレンズ25bを通ってAFセンサ26に入射する。このAFセンサ26に入射した光束は、第1の光電変換素子アレイ27a上と第2の光電変換素子アレイ27b上とに再結像される。
このとき、撮影レンズ14が合焦位置にあって、結像面G上に被写体像Iが形成される場合、被写体像Iは、コンデンサレンズ22及びセパレータレンズ25a、25bによって光軸Pに対して垂直な2次結像面の第1と第2の光電変換素子アレイ27a、27b上に再結像されて第1の像I1、第2の像I2になる。
撮影レンズ14が前ピン位置にあって、結像面Gの前方に被写体像Fが形成される場合、この被写体像Fは、お互いにより光軸Pに近付いた形で光軸Pに対して垂直に再結像されて第1の像F1、第2の像F2になる。
撮影レンズ14が後ピン位置にあって、結像面Gの後方に被写体像Rが形成される場合、この被写体像Rは、お互いにより光軸Pから離れた形で光軸Pに対して垂直に再結像されて第1の像R1、第2の像R2になる。
しかるに、カメラボディ側コントローラ11は、ステップS34において、光電変換素子アレイ27の出力信号に基づいて第1の像I1と第2の像I2、第1の像F1と第2の像F2、又は第1の像R1と第2の像R2の光強度分布を求め、この光強度分布から第1の像I1と第2の像I2、第1の像F1と第2の像F2、又は第1の像R1と第2の像R2の間隔を測定して焦点状態を検出し、補正前のデフォーカス量を演算する。
次に、デフォーカス量演算手段70は、ステップS35において、上記ステップS23において求めたデフォーカス量補正初期値Comp iniを読み出し、図11に示すように経過時間が過ぎるに従ってデフォーカス量補正値Hcがデフォーカス量補正初期値Comp iniから低下する関係を作成する。
次に、デフォーカス量演算手段70は、ステップS36において、上記ステップS25においてカウントをスタートしたタイマー55のカウント値、すなわちタイマー55により計測された経過時間を読み出す。
次に、デフォーカス量演算手段70は、ステップS37において、タイマー55により計測された経過時間が図11に示す予め設定された上限時間tmaxに達したか否かを判断する。この判断の結果、経過時間が上限時間tmaxに達していなければ、デフォーカス量演算手段70は、ステップS38に移り、図11に示すタイマー55により計測された経過時間に対するデフォーカス量補正値Hcの関係に従ってタイマー55により計測された現時点の経過時間に対応するデフォーカス量補正値Comp(t)を求める。
次に、カメラボディ側コントローラ11は、デフォーカス量補正値Comp(t)に基いて補正前のデフォーカス量を補正し、補正後のデフォーカス量により合焦状態を検出し合焦の場合は合焦状態を記憶する。また、非合焦の場合は非合焦状態を記憶するとともに、合焦とするためのレンズ駆動量を演算する。さらに信頼性が低い等の理由で焦点状態の検出が不能の際は検出不能であることを記憶する。
次に、カメラボディ側コントローラ11は、図12に示すフローチャートのステップS4に移り、上記上記ステップS3の測距動作の結果を参照し、合焦状態であれば、カメラボディ側コントローラ11は、ステップS5に移り、露出量を決定するために測光部56を動作させて被写体の輝度を測定する測光を行う。
次に、カメラボディ側コントローラ11は、ステップS6において、セカンドレリーズスイッチ63がオンされたか否かを判断する。この判断の結果、セカンドレリーズスイッチ63がオンされると、カメラボディ側コントローラ11は、ステップS7に移り、露光が行われる。すなわち、カメラボディ側コントローラ11は、上記ステップS5で求めた測光値などに基いて決定された絞り値を交換レンズ3に送信する。この交換レンズ3では、撮影レンズ14の絞り15を所定の絞り値に絞り込み、続いて、上記ステップS5で求められた測光値などに基いて決定された所定時間だけシャッタ8を開放して露光動作を行う。この露光時には、上記測光値に基いてストロボ発光が必要であるかが判断され、必要な場合は、シャッタ全開状態でストロボ部57に発光信号を出力して発光を行う。
シャッタ動作が終了すると、カメラボディ側コントローラ11は、ステップS8において、絞り15を閉じた状態に戻した後、撮像素子駆動部60によって撮像素子9から画像データを読み出して一連の撮影動作を終了する。
カメラボディ側コントローラ11は、ステップS9において、スリープ状態に移行するためのスリープ時間が経過したか否かを判断し、スリープ時間が経過していなければ、上記ステップS2に戻り、スリープ時間が経過すれば、スリープ状態に移行する。
なお、カメラボディ側コントローラ11は、上記ステップS2での判断の結果、ファーストレリーズスイッチ62がオンでなければ、ステップS10に移り、上記同様に、図14に示す測距動作のフローチャートに従って測距動作を行う。
又、カメラボディ側コントローラ11は、上記ステップS4での測距動作の結果を参照し、合焦状態でなければ、ステップS11に移って合焦不能であるか否かを参照し、合焦不能でなければ、ステップS12に移り、撮影レンズ14の駆動制御を実行する。
このように上記一実施の形態によれば、第1の温度センサ30によりカメラボディ2内の温度を検出すると共に、第2の温度センサ31によりカメラボディ2の外装近傍の温度を検出し、タイマー55によりAFセンサ26の光電変換素子アレイ27に電源投入してからの経過時間を計測し、デフォーカス量演算手段70によって電源投入時に第1の温度センサ30により検出されたカメラボディ2内の温度と第2の温度センサ31により検出されたカメラボディ2の外装近傍の温度とに基づいてデフォーカス量補正初期値Comp iniを求め、このデフォーカス量補正初期値Comp iniとタイマー55により計測された経過時間とに基づいてデフォーカス量補正値Comp(t)を求め、このデフォーカス量補正値Comp(t)によって撮影レンズ14のデフォーカス量を補正するので、カメラの電源を投入してからカメラボディ2内の温度が平衡状態に達するまでの過渡状態においても正確な温度補正が可能で高精度の焦点調節を行うことができる。
すなわち、上記図8に示すように電源オンオフに伴う焦点検出ユニット10の温度変化は、カメラボディ2内の温度T1が環境温度Tfとほぼ等しい状態から電源をオンするコールド・スタートと、カメラボディ2が暖まっている状態から短時間だけ電源を切断し、再び電源をオンするウォーム・スタートとがあるが、コールド・スタート又はウォーム・スタートのいずれのスタートであってもカメラボディ2内の温度とカメラボディ2の外装近傍の温度との温度差に基づいてデフォーカス量補正初期値Comp iniを求め、さらに電源オンからの時間経過に従ったカメラボディ2内の温度上昇を考慮してデフォーカス量補正初期値Comp iniとタイマー55により計測された経過時間とに基づいてデフォーカス量補正値Comp(t)を求めることができる。
従って、最終的に求められるデフォーカス量補正値Comp(t)は、コールド・スタート又はウォーム・スタートと、電源オンからの時間経過に従ったカメラボディ2内の温度上昇とを考慮して求められる。この結果、当該デフォーカス量補正値Comp(t)によって撮影レンズ14のデフォーカス量を補正することにより、コールド・スタート又はウォーム・スタートのいずれのスタートであっても正確な温度補正が可能で高精度の焦点調節を行うことができる。
デフォーカス量演算手段70は、図10に示すように第1の温度センサ30によりカメラボディ2内の温度と第2の温度センサ31によりカメラボディ2の外装近傍の温度との温度差が小さい程、例えばコールド・スタートよりもウォーム・スタートの方がデフォーカス量補正初期値Comp iniを小さく大きくするので、コールド・スタート又はウォーム・スタートに応じたデフォーカス量補正初期値Comp iniを求め、このデフォーカス量補正初期値Comp iniからカメラボディ2内の温度に応じた適切な撮影レンズ14のデフォーカス量を求めることができる。
デフォーカス量演算手段70は、図10に示すように第1の温度センサ30によりカメラボディ2内の温度と第2の温度センサ31によりカメラボディ2の外装近傍の温度との温度差が所定値より小さいときにのみデフォーカス量の補正を行うので、ウォーム・スタート時における過剰な補正を防止できると共に、このときのデフォーカス量の補正を行うための不要な演算を行うことがない。
デフォーカス量演算手段70は、第1の温度センサ30によりカメラボディ2内の温度が第2の温度センサ31によりカメラボディ2の外装近傍の温度よりも低いと、図10に示すようにデフォーカス量補正初期値Comp iniをデフォーカス量補正最大値Comp maxに制限するので、第1の温度センサ30及び第2の温度センサ31のばらつきによるコールド・スタート時の誤補正を防止して適切な撮影レンズ14のデフォーカス量を求めることができる。
デフォーカス量演算手段70は、図11に示すようにタイマー55により計測された経過時間が所定時間、例えば上限時間tmax内のときのみにデフォーカス量の補正を行うので、過剰な補正や、この過剰な補正のための不必要な演算を行うことがない。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
本発明に係るカメラの一実施の形態を示す構成図。 同カメラにおける焦点検出装置の焦点検出光学系を示す構成図。 同カメラにおけるAFセンサ及びカメラボディ側コントローラを示すブロック構成図。 同カメラにおけるカメラボディ側コントローラに有するデフォーカス量演算手段を示す機能ブロック図。 同カメラにおけるカメラボディ内の温度が平衡状態にあるときの焦点検出装置とデフォーカス量との関係を示す図。 同カメラにおける電源オンオフによるAFセンサの温度とカメラボディ内の温度とカメラボディの環境温度との各温度変化を示す図。 同カメラにおける電源オンからカメラボディ内の温度が過渡状態から平衡状態に移行するときのデフォーカス量の変化を示す図。 同カメラにおける電源オンオフに伴う焦点検出装置の温度変化を示す図。 同カメラにおけるデフォーカス量演算手段によるデフォーカス量補正最大値の算出を示す図。 同カメラにおけるデフォーカス量演算手段によるデフォーカス量補正初期値の算出を示す図。 同カメラにおけるデフォーカス量演算手段によるデフォーカス量補正値の算出を示す図。 同カメラにおけるメインルーチンを示すフローチャート。 同カメラにおける初期化ルーチンを示すフローチャート。 同カメラにおける測距動作のフローチャート。
符号の説明
1:カメラ、2:カメラボディ、3:交換レンズ、4:サブミラー、5:メインミラー、6:ペンタプリズム、7:ファインダ、8:シャッタ、9:撮像素子、10:焦点検出ユニット、11:カメラボディ側コントローラ、12:フォーカスレンズ、13:ズーム系レンズ、14:撮影レンズ、15:絞り、16:ズームリング、20:視野マスク、21:赤外カットフィルタ、22:コンデンサレンズ、23:全反射ミラー、24:セパレータ絞り、25:セパレータレンズ、26:オートフォーカス(AF)センサ、24a,24b:セパレータ絞りの開口、25a,25b:セパレータレンズ、14a,14b:撮影レンズの領域、27:光電変換素子アレイ、27a:第1の光電変換素子アレイ、27b:第2の光電変換素子アレイ、30:第1の温度センサ、31:第2の温度センサ、40:センサ処理回路、50:CPU(中央処理装置)、51:ROM、52:RAM、53:EEPROM、54:A/Dコンバータ、55:タイマー、56:測光部、57:ストロボ部、58:ミラー駆動部、59:シャッタ駆動部、60:撮像素子駆動部、61:表示部、62:ファーストレリーズスイッチ、63:セカンドレリーズスイッチ、70:デフォーカス量演算手段。

Claims (11)

  1. 撮影レンズを通過した被写体像のデフォーカス量に応じて相対位置が変化する前記被写体像を分割した二像の光量分布を形成する焦点検出光学系と、前記焦点検出光学系により形成された前記光量分布を検出する焦点検出素子と、前記焦点検出素子の出力に基づいて合焦時の光量分布の相対位置からのズレ量に基づいて前記撮影レンズの前記デフォーカス量を求めるデフォーカス量演算手段とから成る焦点調節装置を備えたカメラにおいて、
    前記焦点検出素子から離間されると共に、前記焦点検出光学系の近傍に設けられ、カメラボディ内の温度を検出する第1の温度検出手段と、
    前記カメラボディ内の発熱部及び前記焦点検出素子から離間されると共に、前記カメラボディの外装部を含む部位に設けられ、前記カメラボディの周囲環境温度を検出する第2の温度検出手段と、
    前記焦点検出素子に電源投入してからの経過時間を計測する時間計測手段と、
    を具備し、
    前記デフォーカス量演算手段は、電源投入時に前記第1の温度検出手段により検出された前記カメラボディ内の温度と前記第2温度検出手段により検出された前記周囲環境温度とに基づいてデフォーカス量補正初期値を求め、当該デフォーカス量補正初期値と前記時間計測手段により計測された前記経過時間とに基づいてデフォーカス量補正値を求め、当該デフォーカス量補正値によって前記デフォーカス量を補正する、
    ことを特徴とするカメラ。
  2. 前記デフォーカス量演算手段は、電源投入時の前記第1の温度検出手段により検出された前記カメラボディ内の温度又は前記第2温度検出手段により検出された前記周囲環境温度のいずれか一方の温度に基づいてデフォーカス量補正最大値を求め、当該デフォーカス量補正最大値及び前記カメラボディ内の温度と前記周囲環境温度との差とに基づいて前記デフォーカス量補正初期値を求めることを特徴とする請求項1記載のカメラ。
  3. 前記デフォーカス量演算手段は、前記第1の温度検出手段により検出された前記カメラボディ内の温度と前記第2温度検出手段により検出された前記周囲環境温度との差が小さい程前記デフォーカス量補正初期値を大きくすることを特徴とする請求項2記載のカメラ。
  4. 前記デフォーカス量演算手段は、前記第1の温度検出手段により検出された前記カメラボディ内の温度と前記第2温度検出手段により検出された前記周囲環境温度との差が所定値より小さいときにのみ前記デフォーカス量の補正を行うことを特徴とする請求項1記載のカメラ。
  5. 前記デフォーカス量演算手段は、前記第1の温度検出手段により検出された前記カメラボディ内の温度が前記第2温度検出手段により検出された前記周囲環境温度よりも低いと、前記デフォーカス量補正初期値を前記デフォーカス量補正最大値に制限することを特徴とする請求項3記載のカメラ。
  6. 前記デフォーカス量演算手段は、前記デフォーカス量補正初期値を最大値に設定し、前記時間計測手段による前記経過時間の計測と共に前記デフォーカス量補正値を小さくすることを特徴とする請求項1記載のカメラ。
  7. 前記デフォーカス量演算手段は、前記時間計測手段により計測された前記経過時間が所定時間内のときのみに前記デフォーカス量の補正を行うことを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか1項記載のカメラ。
  8. 前記デフォーカス量演算手段は、前記第1の温度検出手段により検出された前記カメラボディ内の温度又は前記第2温度検出手段により検出された前記周囲環境温度が高くなるに従って補正最大値が低下する関係を予め記憶し、当該予め記憶された関係から電源投入時の前記第1の温度検出手段により検出された前記カメラボディ内の温度又は前記第2温度検出手段により検出された前記周囲環境温度のいずれか一方の温度に対応する前記デフォーカス量補正最大値を求めることを特徴とする請求項2記載のカメラ。
  9. 前記デフォーカス量演算手段は、前記第1の温度検出手段により検出された前記カメラボディ内の温度と前記第2温度検出手段により検出された前記周囲環境温度との差が大きくなるに従って前記デフォーカス量補正初期値が前記デフォーカス量補正最大値から低下する関係を作成し、当該作成された関係から前記カメラボディ内の温度と前記周囲環境温度との差に対応する前記デフォーカス量補正初期値を求めることを特徴とする請求項2記載のカメラ。
  10. 前記デフォーカス量演算手段は、前記時間計測手段により計測された前記経過時間が過ぎるに従って前記デフォーカス量補正値が前記デフォーカス量補正初期値から低下する関係を作成し、当該作成された関係から前記時間計測手段により計測された前記経過時間に対応する前記デフォーカス量補正値を求めることを特徴とする請求項1記載のカメラ。
  11. 撮影レンズを通過した被写体像のデフォーカス量に応じて相対位置が変化する前記被写体像を分割した二像の光量分布を検出し、合焦時の前記二像の光量分布からのズレ量に基づいて前記撮影レンズの前記デフォーカス量を求めるカメラの焦点調節方法において、
    前記焦点検出素子から離間されると共に、前記焦点検出光学系の近傍に設けられた第1の温度検出手段によってカメラボディ内の温度を検出し、
    前記カメラボディ内の発熱部及び前記焦点検出素子から離間されると共に、前記カメラボディの外装部を含む部位に設けられた第2の温度検出手段によって前記カメラボディの周囲環境温度を検出し、
    時間計測手段によって電源投入してからの経過時間を計測し、
    デフォーカス量演算手段によって電源投入時に前記第1の温度検出手段により検出された前記カメラボディ内の温度と前記第2温度検出手段により検出された前記周囲環境温度とに基づいてデフォーカス量補正初期値を求め、当該デフォーカス量補正初期値と前記時間計測手段により計測された前記経過時間とに基づいてデフォーカス量補正値を求め、当該デフォーカス量補正値によって前記デフォーカス量を補正する、
    ことを特徴とするカメラの焦点調節方法。
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