JP4964435B2 - 現像器の冷却装置、及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
複写機やプリンタ等の画像形成装置は従来にも増して白黒コピーに加えてカラーコピーの需要も高まり、しかも高速化の要求も大きい。この高速化に対応して、上述のごとく複写機内の一連のプロセスである作像プロセスから、現像、定着といたる工程で種々の熱問題が発生してきた。
とくに、現像器は内部の粉体である現像剤が、高速回転する攪拌手段によって攪拌されるため、摩擦熱の発生による温度上昇が著しく、現像剤中のトナーの帯電量が変化したり、あるいは熱で特性が変化しコピー画像の品質が損なわれる場合がある。
この原因は、コピー速度が高速になるにつれて、現像ローラや現像スリーブに対してトナーを安定供給するために現像剤の攪拌・搬送を高速で行う必要があるからである。特に、2成分の現像方式では、磁化した鉄の酸化物であるキャリアにトナーを混在させ、攪拌してトナーを電気的に帯電させる工程が必須である。そのため、現像剤中のキャリアとトナーは常時攪拌や搬送が高速で行われ、トナーの帯電量や濃度を一定でしかも温度に対しても安定に保つことが要求される。その結果、パドルやスクリュ等が高速に回転することによって、現像剤に摩擦熱が発生し現像部内の温度上昇が大きくなる。
これを冷却するために現像器の枠体や回転体であるパドルやスクリュの回転軸を中空にして空冷することが特許文献1に開示されている。また、特許文献2では高速回転に伴うトナー飛散防止と発熱防止が開示されている。
そこで、本発明の目的は、液体を冷媒として利用する熱交換器等の冷却装置を備え、液体によって熱を除去することが可能なように冷却流路を設け、効率よく冷却し、かつトナー等の現像剤の飛散による汚染を防止する現像器の冷却装置及びこれを備えた画像形成装置を提供することにある。
請求項2の発明は、前記カートリッジ式循環器は、圧縮した空気を導入して前記現像器の流路内の液体を排出させる空気圧縮器を備えていることを特徴とする。
請求項3の発明は、前記カートリッジ式循環器は、画像形成装置に装備される現像器と同数備わっていることを特徴とする。
請求項4の発明は、前記カートリッジ式循環器は、液抜き口、及び空気口を備えていることを特徴とする。
請求項5の発明は、前記流路は、現像器枠体を中空構造にし、前記液体を循環させることによって形成されていることを特徴とする。
請求項6の発明は、前記流路は、現像剤攪拌・搬送部等の発熱量の多いホットスポットと接触する現像器枠体の一部を中空構造とし、液体を循環させる構成を備えていることを特徴とする。
請求項7の発明は、前記ホットスポットは、ドクタブレード、あるいはそれを保持するガイド板であり、これに流路を設け、液体を循環させることを特徴とする。
請求項8の発明は、前記現像器の枠体に前記流路を設け、前記流路の流路壁と接続し、かつ現像剤や他の構成部材と熱交換可能なヒートパイプを設けることを特徴とする。
この現像剤中には、比較的重量の大きい磁性粉であるキャリアが800g程度入っており、これを攪拌したり、現像ローラの磁気ブラシとして回転させたりするために摩擦熱が発生し、著しく温度が上昇する。
図1は現像器の断面図である。この現像器は高速機用であり、上現像スリーブ1及び下現像スリーブ2の2本の現像スリーブを用いている。パドルローラ3は現像剤を汲み上げ、攪拌し、混合し、かつ搬送するのに使用する。ドクタ4は、ドクタブレードとも称されるものであり、汲み上げた現像剤を適量に制限するものである。
ドクタブレード4で規制された残りの現像剤はセパレータ5へと流れ、このセパレータ5に設けられた斜めのガイド5aによって前から奥へと搬送される。斜めのガイド5aの終端部には搬送スクリュ7が設けられる。そして補充されたトナーを現像剤と混合させるための攪拌ローラ8がさらに設けられる。
フィルタ6は現像器10内の圧力が高くなるために使用する空気抜きであり、そのさい、トナーが飛散しないようにしている。攪拌ローラ8の下方にはトナーの濃度を一定するためのトナーセンサ9が配置される。
この現像剤を攪拌し、搬送し、汲み上げそして磁気ブラシ回転等の一連の現像工程の過程で摩擦熱が生じる。この摩擦熱によって現像器内の温度が上昇した結果生じる、種々の画像への悪影響を防止し、品質の安定を図るようにする。
現像器内部で発生する熱をファンで冷却するのが困難であるために、これに代えて液体を現像器に循環させて高効率に冷却することを試みる。現像器には液体によって熱を除去することが可能なように冷却流路を種々の方法で設ける。また、液体を冷却する熱交換器等の冷却装置も付帯させるようにする。
現像器10、冷却装置A(メインポンプ13、熱交換器14)の間をチューブで連結し、必要に応じてチューブにバルブ12等を設置する。現像器10は液体が循環して除熱するための流路(図示せず)を有し、冷却装置とは図2のような流入口15と流出口16で連結している。
このようにすると、48℃を超えていた現像器10内の現像剤の温度は、液体循環によって冷却することにより、30℃以下にすることが可能となる。また、従来はファン空冷を用いていたため、機内の粉塵が機内外に飛散し汚染していたが、この構成では清浄環境を提供することが可能となる。
冷却装置と現像器10の流路の出入り口を接続した場合には、紙ジャムや機内メンテナンス時現像器10を機外に外すさいに液体の配管・チューブ等の取り外しが煩雑である。そのため、現像器の前面に取り外し自由なカートリッジ式の循環器11(図3)を設け、メンテナンス時には簡易に外すことができるようにする。
カートリッジを取り付けない状態では、通常の現像器と同一である。図中、流路差し込み口17と18を、カートリッジ式循環器11に設けた流入口15と流出口16に差し込み、液体を現像器10の流路に循環させるものである。
液体による冷却ではチューブの配管接続や連結等が強固であるため、紙ジャムや現像剤の新品交換などで現像器10の取り外しが煩雑となることが予想されるが、本発明により従来同様の扱いが可能であり、メンテナンスも容易となる。
タンデム式カラー機などのように、4つの現像器がある場合など、各現像器に上述したカートリッジ式の循環器を設け、各々個別に外せるようにして取り扱いを容易で簡便にする。
タンデム式のカラー機などは、4つの現像器が設けられているが、カートリッジ式循環器付きの現像器をその個数分だけ設け、全てを液体による冷却を可能にする。
4つの現像器が機内に備わっており、直列に液体循環が繋がっていては、メンテナンス時に煩雑である。この現像器に並列に本冷却装置を連結することで個々が独立にメンテナンスできるため、ハンドリングが容易となる。
また、カートリッジ式の循環器11内に補助ポンプを設けることも考えられる。冷却装置にもポンプがついているが、現像器内の流路の圧力損出が大きく、補助的な役割を担うポンプを設けることで、流量を多くし冷却効果をさらに大きくするように試みることが好ましい。
通常は冷却装置の方に付帯しているポンプで循環は可能であるが、現像器の枠体流路などでは圧力損出が大きいので、液体が殆ど流れない可能性がある。しかしながら、かかる補助ポンプを追加することによって十分な流量を得ることができ、冷却効果も大きくすることができる。
図4には、空気口20及び水(液)抜き口21が設けられている。これらは、カートリッジ式循環器11内に、メンテナンス時にこのカートリッジ式循環器11を取り外すさいに、現像器(図示せず)の液を排出するために利用され、取り外しと取り付け時にも極めて作業性をよくすることができる。
上述のごとく、現像器を取り外す場合には、本体冷却装置のバルブ(例えば、図2のバルブ12)を閉め、カートリッジ式循環器11の空気口20及び液抜き口21の栓をとり、現像器内の液体を抜く。さらにカートリッジ式循環器11を取り外してから、現像器を取り外すことが可能となる。なお、空気口20及び液抜き口21の取り付け位置は本実施の形態に限るものではない。
本発明では、現像器を液体循環にして冷却効果を得たが、紙ジャムや現像剤交換等のメンテナンス時に液体漏れを起こしたのでは問題である。そこでこの実施の形態のように、カートリッジ式循環器11内に液抜き口とさらに空気抜き口を設けることによって、現像器枠体の流路内の液をすべて抜くことができるので取り扱いが容易となる。
現像器の流路内にある液を抜くため圧縮した空気を空気口20から導入し、メンテナンスの作業性を向上させてもよい。このために、空気口20から、圧力を加えて現像器の流路内の液体を排出できるように、スポイトや注射器(図示せず)のような加圧できる器具を備え付けておいても良い。上述した液抜きをさらに著しく迅速に行うために、簡易な空気圧縮器を使うことによって液抜きを短時間に行うことができる。
液体の流路Aは現像器10のケース、つまり枠体10aの肉厚を利用し、中空構造にして液体を流し、内部の熱を冷却する。枠体10aに設けることによって効率よく熱交換が行われ、高効率な冷却が可能である。枠体10aを中空二重構造にして中に液体を循環させることにより、現像器を大きくすることなく、効率の良い冷却が可能となる。
図6は現像器内の温度上昇が大きなパドルローラ底部に流路を形成した場合を示す図1と同様な現像器の内部構造を示す断面図である。図6は先に記載した図1の詳細な説明に加えて、枠体の部分的流路Dを示している。ここで、図1と同一部分には同一符号を付して不要な説明は省略する。
図6では、枠体10aの中でも発熱によって温度上昇が大きな部分、すなわち、パドルローラ3底部に対応する枠体部分に流路Dを設けて効率よく冷却するものである。かかる流路は現像剤攪拌・搬送部等の発熱量の多いホットスポットと接触する枠体の一部を中空構造とし、液体を循環させる。
前述した実施の形態では、現像器10の枠体10aほぼ全体を使って流路C(図5参照)を形成したが、枠体10aの部分的な一部を使って流路にしても冷却効果を得ることができる。とくに除熱しにくいところは局部的に流路を設けて冷却効果を得ることが可能である。
図7にはドクタブレードを保持、固定しているガイド板4aを冷却するために設けたドクタブレード冷却用流路Eを示している。枠体以外でも冷却すべき箇所は現像剤の汲み上げ量を制限するドクタブレード4である。
ドクタブレード4は摩擦による熱が発生するところであり、これを直接冷却するか、またはこれを固定するガイド板4aを冷却する。図7のように部分的に局所冷却でも良いし、あるいは図5または図6と組み合わせた流路でも良く、本実施の形態に限るものではない。
ドクタブレード4も現像剤量を制限するため摩擦熱が発生するところであり、局所的に流路を設けて冷却した。このことによって、ドクタブレード4部の温度上昇は抑えられ、現像剤の動きがスムーズとなり品質の安定した画像を得ることができた。
攪拌中の現像剤を直接冷却するために熱伝導率に優れたヒートパイプ22を用いて冷却を促進する。ヒートパイプ22の一端は水冷却されている枠体10aに接触し熱伝導して冷却するものである。
図8の現像器10内に設置するヒートパイプ22としては、パドルローラ3と攪拌ローラ8間に直径φ8mmの長さL=250mmの棒状ヒートパイプを1〜3本程度横に配置している。それらの端部は液体が循環する枠体10aの一部に熱的に接触して固定されている。現像剤の中にヒートパイプ22を挿入して除熱させることによって、枠体の冷却以上に高効率で冷却が可能となる。
図9は本発明による液体冷却式現像器の複写機への設置を示す概略斜視図である。図10は図9の液体冷却式現像器を示す分解斜視図である。図9及び図10において、複写機本体23に液体冷却式現像器10を取り付ける。流入口15及び流出口16を有するカートリッジ式循環器11はノブ24によって液体冷却式現像器10に固定される。図中、符号25はトナー補給口を示している。
現像器の発熱による温度上昇を防止し、安定した画像品質を得るとともにファンによるトナー飛散等の汚染を防ぐために、図9及び図10に示すような複写機への液冷現像器10を設置する。これにより複写機本体23の枠体を利用することで、大きさも従来と同サイズのまま本体に設置できる。循環の液体と冷却装置も複写機本体内に置くことができる。
Claims (8)
- 冷却することが可能な現像器を有する画像形成装置において、
冷媒としての液体を循環させる冷却装置と、前記液体が循環する流路を有する現像器と、を備え、
前記冷却装置と前記流路との間に循環器を設け、
前記循環器に、前記現像器の差し込み口に差し込んで前記流路に前記液体を循環させる流入口と流出口とを設け、
前記循環器は前記冷却装置と接続し、さらに前記流路とも接続させ、前記現像器の長手方向に沿って該現像器を装着する装着方向手前側に脱着可能に設けられたカートリッジ式循環器であり、
前記カートリッジ式循環器は、液送ポンプを備えていることを特徴とする画像形成装置。 - 前記カートリッジ式循環器は、圧縮した空気を導入して前記現像器の流路内の液体を排出させる空気圧縮器を備えていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記カートリッジ式循環器は、画像形成装置に装備される現像器と同数備わっていることを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
- 前記カートリッジ式循環器は、液抜き口、及び空気口を備えていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の画像形成装置。
- 前記流路は、現像器枠体を中空構造にし、前記液体を循環させることによって形成されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の画像形成装置。
- 前記流路は、現像剤攪拌・搬送部等の発熱量の多いホットスポットと接触する現像器枠体の一部を中空構造とし、液体を循環させる構成を備えていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の画像形成装置。
- 前記ホットスポットは、ドクタブレード、あるいはそれを保持するガイド板であり、これに流路を設け、液体を循環させることを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
- 前記現像器の枠体に前記流路を設け、前記流路の流路壁と接続し、かつ現像剤や他の構成部材と熱交換可能なヒートパイプを設けることを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか一項に記載の画像形成装置。
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