JP6376458B2 - 現像装置、画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents
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Description
図2は、本発明を適用可能な画像形成装置としての複写機500の概略構成を説明する構成図である。
図2に示す複写機500は、四つの画像形成ユニット11(Y,M,C,K)が並列に配置された画像形成部1を有している。画像形成ユニット11(Y,M,C,K)は、潜像担持体たるドラム状の感光体18(Y,M,C,K)、ドラムクリーニングユニット12(Y,M,C,K)、帯電ユニット13(Y,M,C,K)、現像装置40(Y,M,C,K)等を不図示の枠体に収めている。現像装置40(Y,M,C,K)は、トナーとキャリアとからなる二成分現像剤を用いる二成分現像方式である。
一方、二次転写ニップでトナー像を転写した後の中間転写ベルト15は、中間転写ベルトクリーニングユニット90によって、中間転写ベルト15上に残留する残留トナーを除去され、再度の画像形成に備える。
また、供給搬送路49と回収搬送路47とも第一仕切り壁133によって仕切られているが、第一仕切り壁133における供給搬送路49と回収搬送路47とを仕切っている部分には開口部を設けていない。
攪拌搬送路44から現像剤の供給を受けた供給搬送路49では、現像ローラ45に現像剤を供給しながら、供給スクリュ48の現像剤搬送方向下流側に現像剤を搬送する。そして、現像ローラ45に供給されずに供給搬送路49の現像剤搬送方向下流側端部まで搬送された余剰現像剤は第一仕切り壁133の余剰開口部92より攪拌搬送路44に供給される(図7中矢印E)。
そして、図7に示すように、現像装置40の下段から上段への現像剤の移動は矢印Dのみである。矢印Dで示す現像剤の移動は、攪拌スクリュ43の回転で攪拌搬送路44の下流側に現像剤を押し込むことによって、現像剤を盛り上がらせて供給搬送路49に現像剤を供給するものである。
このような気流を発生させることにより、現像ローラ45の保持力から遊離してしまった現像剤も、現像装置40内に向かう気流に乗せることで、現像装置40の外へ飛散させることなく現像装置40内に回収することが可能となる。
上述した現像装置40内に向かう気流(以下、「吸い込み気流」という。)は、現像ローラ45に保持されて搬送される現像剤の磁気ブラシの移動によって生じる。しかし、現像ローラ45と現像ケーシングとの間が広すぎると、ケーシングギャップ領域の全域で吸い込み気流を生じさせることができなくなり、現像剤の飛散を抑制する効果が十分に得られなくなる。
このため、吸い込み気流による現像剤の飛散抑制効果を得るためには、現像剤の磁気ブラシと現像ケーシングが接触していることが望ましい。
さらに、本実施形態の現像装置40ではケーシング本体部121にはアルミニウムの押し出し材を用いているが、アルミニウムの押し出し材は加工精度上、寸法を決めるのが難しいという問題もある。
一方、上記クリアランスが狭すぎると、回転する現像剤搬送スクリュとケーシング本体部121の内壁面との間に現像剤が挟まれ、加圧されることで、凝集や固着を生じてしまう。さらに、クリアランスが全くなくなる、すなわち、現像剤搬送スクリュがケーシング本体部121の内壁面に接触する状態となると、回転する現像剤搬送スクリュがケーシング本体部121の内壁面をこすって、破損等の種々の不具合を引き起こすことは自明である。
特に、近年の画像形成装置にて省エネルギー化が求められるにつれ、画像形成装置で最もエネルギーを消費する定着プロセスで必要な熱量を下げるため、トナーの低融点化が進められている。その結果、現像装置40の軸受部での発熱があると、トナーの凝集、固着が発生しやすくなるため、軸受部での負荷トルクは極力抑えることが求められる。
現像装置40では、ギャップ形成部材112における感光体18との対向面のギャップ調整ネジ501の頭部を覆うようにカバー部材として機能する入口シール50を設けている。これにより、ギャップ形成部材112における感光体18との対向面にキャリアが付着することを防止できる。
しかし、上述したように、ギャップ形成部材112とケーシング本体部121とはアルミニウム製であり、ケーシング本体部121に固定されたギャップ形成部材112は、ケーシング本体部121を介して接地されている。このため、現像バイアスが印加されている現像ローラ45とギャップ形成部材112との間には電位差があり、トナーが現像ローラ45側からギャップ形成部材112側へと向かう電界が形成される。そして、十分な吸い込み気流を確保するように、ケーシングギャップ領域の隙間を小さくすると、現像ローラ45の表面に担持された現像剤に含まれるトナーが、ギャップ形成部材112に静電的に付着する現象が生じることがあった。
現像装置40では、ギャップ形成部材112を含む現像ケーシングが接地されているので、現像ローラ45側からギャップ形成部材112側にトナーTが静電的に移動する電界が形成されている。このため、図10に示すように、ケーシングギャップG1が狭い場合は、ケーシングギャップ領域で大量のトナーTがギャップ形成部材112に静電的に付着してしまう。
図1に示すように、現像装置40は、現像剤を表面上に担持して表面移動することにより感光体18の表面と対向する現像領域へ現像剤を搬送する現像ローラ45を備える。また、現像ローラ45の表面に供給する現像剤を収容する供給搬送路49、回収搬送路47及び攪拌搬送路44等の現像剤収容部を形成するケーシング本体部121及びギャップ形成部材112等から構成される現像ケーシングを備える。さらに、現像ローラ45に現像バイアスを印加する現像バイアス印加手段である現像バイアス電源141を備える。
すなわち、絶縁層123の層厚分だけギャップ形成部材112を現像ローラ45の表面から遠ざけることで、現像ローラ45の表面と導電性材料からなるギャップ形成部材112の距離が絶縁層123の層厚分だけ遠くなる。二つの電極間の電位差が同じであってもその距離が遠くなるほど電界は弱くなるため、絶縁層123を設けることで電界が弱くなり、トナーをギャップ形成部材112へ向けて移動させる静電的な力が弱くなる。これにより、ギャップ形成部材112への静電的なトナー付着が抑制され、現像ローラ45に担持された現像剤でのカウンターチャージの発生も抑制され、現像剤の現像ローラ45に対する静電的な付着力が増加することを抑制される。よって、分離部における現像ローラ45からの現像剤の分離が促され、現像剤の連れ回りの発生が抑制され、画像濃度低下の発生を抑制することができる。
すなわち、絶縁層123を備えない構成では、ギャップ形成部材112と現像ローラ45との間には電界が形成され、現像ローラ45表面上のトナーがギャップ形成部材112に静電的に移動すると、トナーの電荷がギャップ形成部材112に流入する。その結果、ギャップ形成部材112の表面上のトナー層は接地と同電位(0[V])となり、更なるトナーの静電的な移動の妨げとはならない。
そして、現像剤の連れ回りの発生を抑制することで、画像濃度低下の発生を抑制することができる。
本発明者らは、十分な吸い込み気流を確保するように、ケーシングギャップ領域の隙間を小さくした現像装置40で、黒ベタ画像の画像濃度の低下が生じている現像装置40を用いて次のような実験を行った。
ギャップ形成部材112をフロートにする構成としては、ギャップ形成部材112とケーシング本体部121との間に絶縁部材を挟み、ギャップ形成部材112とケーシング本体部121との間に電流が流れないように構成した。
また、絶縁層123を設ける構成としては、ギャップ形成部材112の現像ローラ45との対向面にPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)テープを貼り付ける構成とした。
すなわち、従来の現像装置40では、ケーシングギャップ領域において現像ローラ45に担持された現像剤に含まれるトナーが、現像ローラ45とギャップ形成部材112との間で形成される電界によって静電的にギャップ形成部材112に移動する。そして、現像ローラ45側に残った現像剤(キャリア)にカウンターチャージが発生することにより、現像剤の現像ローラ45に対する付着力が増大し、現像剤の連れ回りが発生する。現像剤の連れ回りが生じることで、現像領域を通過してトナー濃度が低下した現像剤が現像ローラ45に担持されたまま再び現像領域に供給されるため、黒ベタ画像を出力したときに画像濃度の低下は発生した、と考えられる。
現像ケーシングに分離部周辺の可視化用の窓を開ける改造を施した現像装置40を用いて現像ローラ45に現像バイアスを印加し、ケーシングギャップ領域を通過した後の現像ローラ45の表面で現像剤の連れ回りが生じているかを確認した。
実験例2で用いた現像装置40では、観察窓401となる範囲のケーシング本体部121に穴を開け、三つのスクリュ部材を取り外し、図11中の矢印Hで示す方向から確認することで外部から現像ローラ45の分離部となる表面を視認できるようにした。そして、観察窓401の外側に不図示のハイスピードカメラを設置し、観察窓401から分離部近傍の現像ローラ45の表面を撮影した。
また、現像ローラ45の表面の供給部に現像剤を供給する構成として、傾斜板402上に現像剤403を配置して、ある程度の期間、現像ローラ45の表面に現像剤403を供給し続ける構成とした。
以下、実験条件を示す。
・ケーシングギャップ:0.70[mm]
・現像剤汲み上げ量:40[mg/cm2]
・現像ローラ線速:529.2[mm/s]
・現像剤:リコー社製 ProC750用のブラック現像剤(トナー濃度:4[wt%])
・現像バイアス:−400[V]、−500[V]、−600[V]、−700[V]、−800[V]
・ハイスピードカメラ:Casio社製 EXILIM EX−FH20
・撮影条件:フレームレート 210[fps]
絶縁層123を設けない構成では、ギャップ形成部材112の現像ローラ45との対向面に絶縁化処理を施さずに、ケーシングギャップG1が0.70[mm]となるようにギャップ形成部材112の現像ローラ45に対する位置を調節した。
また、絶縁層123を設ける構成としては、絶縁化処理としてギャップ形成部材112の現像ローラ45との対向面にPTFEテープ(住友3M社製 PTFEテープ 型番5490)を貼り付けた。そして、PTFEテープの表面から現像ローラ45の表面までのケーシングギャップG1が0.70[mm]となるようにギャップ形成部材112の現像ローラ45に対する位置を調節した。
実験例2の実験結果を表1に示す。
実験例2では、ギャップ形成部材112の現像ローラ45との対向面に対する絶縁化処理は、PTFEテープを貼り付けている。ギャップ形成部材112の絶縁化処理は、アルミニウムの絶縁化処理として一般的なアルマイト処理でも良いし、他の絶縁性テープを貼ったり、絶縁性材料のコーティング処理を施したりしても良い。
上記実験例2では、絶縁化処理としてギャップ形成部材112の現像ローラ45との対向面もPTFEテープを貼り付けている。しかし、印刷枚数が例えば10[万枚]を超えるような高寿命現像装置などでは、ギャップ形成部材112の現像ローラ45との対向面の絶縁化処理として、絶縁性テープなどの粘着層を持つ部材を貼り付ける構成は好ましくない。これは、以下の理由による。
すなわち、絶縁性テープ表面の現像剤との接触部が磨耗することにより、粘着層が露出すると現像剤がギャップ形成部材112に付着し、ケーシングギャップ領域に現像剤が詰まったり、粘着物が付着した現像剤が凝集体となったり可能性があるためである。
そこで、実験例3では、粘着層のない絶縁化方法として絶縁性の樹脂材料としてETFE(テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体)樹脂のコーティング処理を施したものと、絶縁処理を施さない構成とで現像剤の連れ回りが生じているかを確認した。
以下、実験条件を示す。
・ケーシングギャップ:0.70[mm]
・現像剤汲み上げ量:40[mg/cm2]
・現像ローラ線速:529.2[mm/s]
・現像剤:リコー社製 ProC750用のブラック現像剤(トナー濃度:4[wt%])
・現像バイアス:−400[V]、−500[V]、−600[V]、−700[V]、−800[V]
・ハイスピードカメラ:Casio社製 EXILIM EX−FH20
・撮影条件:フレームレート 210[fps]
・絶縁層:ETFE樹脂(槌屋株式会社製 TC−820)コーティング(膜厚:20[μm])
また、絶縁層123を設ける構成としては、絶縁化処理としてギャップ形成部材112の現像ローラ45との対向面にETFE樹脂のコーティング処理を施して、絶縁層123を形成した。このときの絶縁層123の層厚(コーティングの膜厚)は20[μm]である。そして、ETFE樹脂のコーティング層の表面から現像ローラ45の表面までのケーシングギャップG1が0.70[mm]となるようにギャップ形成部材112の現像ローラ45に対する位置を調節した。
実験例3の実験結果を表2に示す。
ギャップ形成部材112の現像ローラ45との対向面への樹脂材料のコーティング方法は、スプレー、電着塗装、静電塗装などがあるが、アルミニウム材料の表面に塗布できる方法であればこれらに限るものではない。
実験例4では、樹脂材料のコーティングによって絶縁層123を形成した構成で、樹脂材料の表面性の違いによるギャップ形成部材112の感光体18との対向面へのトナーの付着状態の違いを確認した。実験例3では、実験用の現像装置40として、リコー社製の画像形成装置であるProC750で用いる現像ユニットに対して、ギャップ形成部材112の現像ローラ45との対向面に絶縁層123を設けた改造機を用いた。
以下、実験条件を示す。
・画像形成装置:リコー社製 ProC750
・現像装置:リコー社製 ProC750用の現像ユニット改造機(現像ケーシングはアース)
・絶縁層のコーティング材料:「PI」、「ETFE」または「PTFE」をコーティング
・ケーシングギャップ:0.8[mm]
印刷条件
・画像面積率:0.5[%]
・印刷枚数:10000[枚]
実験例4では、ギャップ形成部材112の感光体18との対向面にトナーが付着するが、この付着速度が、3[mg/km]以下のトナー付着速度であれば、中間転写ベルト15に意図しない箇所にトナーが落ちることを防止できる。そして、中間転写ベルト15にトナーが落ちることに起因するトナー汚れや黒斑点などの異常画像の発生を防止できる。
ここで、「トナー付着速度」は、トナー付着が最も生じ易い画像面積率(0.5[%])の作像条件で、10000[枚]印刷したときのギャップ形成部材112の感光体18との対向面に付着したトナー量を感光体18の走行距離で割った値とする。
この感光体18との対向面(112f)に付着したトナーが、堆積してある程度の大きさの凝集体となってギャップ形成部材112から剥がれると、中間転写ベルト15の意図しない箇所に落下し、トナー汚れや黒斑点などの異常画像が発生する。
これに対して、ギャップ形成部材112の感光体18との対向面のトナー汚れ(付着)を軽減することで、このような異常画像の発生を抑制できる。
(態様A)
トナーとキャリアとからなる現像剤を表面上に担持して表面移動することにより感光体18等の潜像担持体の表面と対向する現像領域へ現像剤を搬送する現像ローラ45等の現像剤担持体と、現像剤担持体の表面に供給する現像剤を収容する供給搬送路49、回収搬送路47及び攪拌搬送路44等の現像剤収容部を形成し、内部に配置された現像剤担持体の表面移動方向における現像剤担持体の表面の一部を潜像担持体に対向させるための開口部51等の開口部が設けられたケーシング本体部121及びギャップ形成部材112等の現像ケーシングと、現像剤担持体に現像バイアスを印加する現像バイアス電源141等の現像バイアス印加手段と、を備える現像装置40等の現像装置において、現像領域に対して現像剤担持体の表面移動方向下流側の現像剤担持体の表面と現像ケーシングの対向面とが近接するケーシングギャップ領域等のケーシングギャップ部は、現像剤担持体に担持された現像剤が現像ケーシングの対向面に接触するように設定され、現像ケーシングにおけるギャップ形成部材112等のケーシングギャップを形成する部分は導電性材料から形成され、ケーシングギャップ部で現像剤担持体の表面上の現像剤が接触する部分の現像ケーシングの対向面に絶縁層123等の絶縁層を備える。
これによれば、上記実施形態について説明したように、現像領域の下流側における現像剤の飛散を抑制しつつ、画像濃度の安定化を図ることができる。これは以下の理由による。
すなわち、ケーシングギャップ部で現像剤担持体に担持された現像剤を現像ケーシングの対向面に接触させることで、吐き出し気流の発生を防止し、現像領域の下流側に安定した吸い込み気流を発生させることができる。よって、現像領域の下流側における現像剤の飛散を抑制することができる。
しかし、現像剤担持体の表面に担持された現像剤をケーシングギャップ部でケーシングに接触させる構成を採用すると、ベタ画像を出力したときに画像濃度が低下する不具合が生じることがあった。本発明者らが鋭意研究を重ねたところ、現像領域の通過時した現像剤担持体の表面上の現像剤が、現像剤担持体から分離すべき分離部で分離することなく、現像剤担持体の表面に現像剤が供給される供給部まで到達する現象が生じていることが分かった。現像領域を通過した現像剤はトナーを消費し、トナー濃度が低くなっており、この現像剤が離間することなく供給部まで到達すると、トナー濃度が低下した現像剤が現像領域に供給されることとなるため、上述した画像濃度が低下する不具合が生じたと考えられる。
現像領域を通過した現像剤が分離部で分離することなく供給部まで到達する現像剤の連れ回りは、現像剤担持体の表面上の現像剤が接触する部分の現像ケーシングの対向面に絶縁層を設けることで抑制できることを本発明者らは実験によって見出した。
現像剤の連れ回りの発生を抑制することで、トナー濃度が低下した現像剤が現像領域に供給されることを抑制し、画像濃度が低下することを抑制出来るので、画像濃度の安定化を図ることができる。
このように態様Aでは、現像領域の下流側における現像剤の飛散を抑制しつつ、画像濃度の安定化を図ることができる。
なお、現像ケーシングの対向面における現像剤担持体の表面上の現像剤が接触する部分の絶縁層を設けることで現像剤の連れ回りを抑制できるのは、以下の理由によるものと考える。
すなわち、ケーシングギャップ部では現像バイアスが印加される現像剤担持体と導電性の現像ケーシングの対向面との間には電界が形成され、現像剤担持体に担持される現像剤中に含まれるトナーに対して現像ケーシングの対向面に向かう静電的な力が作用する。この力の作用によってトナーが現像ケーシングの対向面に静電的に付着してしまうと、現像剤担持体に残った現像剤中のキャリアにトナーとは逆極性のカウンターチャージが発生し、現像剤と現像剤担持体との付着力が増加する。これにより、分離部で現像剤が分離しきれず、現像剤の連れ回りが発生する。
態様Aでは、ケーシングギャップ部が所望の隙間となるように設定すると、導電性材料からなる現像ケーシングの対向面と現像剤担持体の表面との距離が、ケーシングギャップ部が所望の隙間となるように設定した従来の構成よりも絶縁層の層厚分だけ遠くなる。現像ケーシングの対向面と現像剤担持体の表面との電位差が同じであってもその距離が離れるほど電界は弱くなり、トナーを現像ケーシングの対向面へ向けて移動させる静電的な力が弱くなる。これにより、現像ケーシングの対向面への静電的なトナー付着が抑制され、現像剤担持体に担持された現像剤でのカウンターチャージの発生も抑制され、現像担持体に対する現像剤の静電的な付着力が増加することを抑制できる。よって、分離部における現像剤担持体からの現像剤の分離が促され、現像剤の連れ回りの発生が抑制されると考えられる。
態様Aにおいて、絶縁層123等の絶縁層は、ギャップ形成部材112等の現像ケーシングの対向面に絶縁性の樹脂材料をコーティングしたものである。
これによれば、上記実施形態について説明したように、現像ケーシングの対向面に絶縁層を設ける構成を実現出来る。また、絶縁性テープと異なり、粘着層を備えていないため、経時の磨耗によって絶縁層123が薄くなっても粘着物と現像剤とが接触する不具合が発生しない。
態様AまたはBの何れかの態様において、絶縁層123等の絶縁層の表面は、水との接触角が95[°]以上である。
これによれば、上記実施形態について説明したように、ギャップ形成部材112等の現像ケーシングの対向面にトナーが堆積することを防止し、現像ケーシングにおける感光体18等の潜像担持体との対向面にトナーが付着することを防止できる。
態様A乃至Cの何れかの態様において、絶縁層123等の絶縁層の体積抵抗は1×1014[Ω/cm]以上である。
これによれば、上記実施形態について説明したように、現像剤の連れ回りの発生をより確実に防止することが可能となる。
態様A乃至Dの何れかの態様において、絶縁層123等の絶縁層の層厚は30[μm]以上である。
これによれば、上記実施形態について説明したように、経時に渡って絶縁層を維持することができ、現像剤の連れ回りの発生と、これに起因する画像濃度低下の発生とを抑制することができる。
態様A乃至Eの何れかの態様において、現像ローラ45等の現像剤担持体の表面における表面移動方向と直交する方向を幅方向としたときに、絶縁層123等の絶縁層の幅方向の端部は、現像領域の幅方向の端部と同じ位置、または、現像領域の幅方向の端部よりも外側に位置する。
これによれば、上記実施形態について説明したように、現像剤のトナーが消費され得る現像領域の幅方向の全域に渡って現像剤の連れ回りの発生と、これに起因する画像濃度低下の発生とを抑制することができる。
態様A乃至Fの何れかの態様において、ケーシング本体部121及びギャップ形成部材112等の現像ケーシングは、現像ローラ45等の現像剤担持体の表面と対向してケーシングギャップ領域等のケーシングギャップ部を形成し、導電性材料からなるギャップ形成部材112等のギャップ形成部材を、供給搬送路49、回収搬送路47及び攪拌搬送路44等の現像剤収容部を形成するケーシング本体部121等のケーシング本体部とは別部材で備える。
これによれば、上記実施形態について説明したように、ケーシングギャップ部の隙間の広さを任意に調整することが可能となる。
態様Gにおいて、ギャップ形成部材112等のギャップ形成部材は、ギャップ調整ネジ501等の金属製のネジ部材によってケーシング本体部121等のケーシング本体部に固定されており、ギャップ形成部材の表面におけるネジ部材の頭部が露出する面を入口シール50等の非磁性のカバー部材によって覆う。
これによれば、上記実施形態について説明したように、ギャップ形成部材における感光体18等の潜像担持体との対向面等のネジ部材の頭部が露出する面にキャリアが付着することを防止できる。
少なくとも感光体18等の潜像担持体と、潜像担持体の表面を帯電させる帯電装置等の帯電手段と、潜像担持体の表面に静電潜像を形成する露光ユニット9等の潜像形成手段と、静電潜像を現像する現像手段とを有する複写機500等の画像形成装置において、現像手段として、態様A乃至Hの何れかの態様に係る現像装置40等の現像装置を備える。
これによれば、上記実施形態について説明したように、現像領域の下流側における現像剤の飛散を抑制しつつ、画像濃度の安定化を図ることができる。これにより、現像装置の外に出てきた現像剤による異常画像の発生を抑制することができ、さらに、画像濃度の安定化を図ることができるので、画質の向上を図ることができる。また、装置内汚れの発生も抑制することができる。
潜像を担持する感光体18等の潜像担持体と、潜像担持体の表面の潜像を現像する現像手段とを備える複写機500等の画像形成装置における少なくとも潜像担持体と現像手段とを一つのユニットとして共通の保持体に保持させて画像形成装置本体に対して着脱可能にした画像形成ユニット11等のプロセスカートリッジにおいて、現像手段として、態様A乃至Hの何れかの態様に係る現像装置40等の現像装置を備える。
これによれば、上記実施形態について説明したように、現像領域の下流側における現像剤の飛散を抑制しつつ、画像濃度の安定化を図ることができる現像装置の交換性の向上を図ることができる。
2 転写ユニット
3 給紙ユニット
4 二次転写装置
5 両面ユニット
6 搬送ベルト
7 定着ユニット
8 排紙ユニット
9 露光ユニット
10 読取装置
11 画像形成ユニット
12 ドラムクリーニングユニット
13 帯電ユニット
14 レジストローラ対
15 中間転写ベルト
16 転写対向ローラ
17 二次転写ローラ
18 感光体
20 断熱装置
21 受熱板
22 ヒートパイプ
23 放熱板
24 ダクト
25 定着装置
30 液冷装置
31 冷却ポンプ
32 受熱部
32a ケース
32b 流路
33 リザーブタンク
34 循環パイプ
35 冷却部
35a 冷却ファン
35b ラジエータ
40 現像装置
41 排出搬送路
41a 排出スクリュ
42 ドクタブレード
43 攪拌スクリュ
43a 攪拌軸部
43b 攪拌羽部
44 攪拌搬送路
45 現像ローラ
45a 現像スリーブ
45b マグネットローラ
46 回収スクリュ
47 回収搬送路
48 供給スクリュ
49 供給搬送路
50 入口シール
90 中間転写ベルトクリーニングユニット
91 供給開口部
92 余剰開口部
93 回収開口部
112 ギャップ形成部材
113 ギャップ形成部材固定部
121 ケーシング本体部
123 絶縁層
130 熱伝導シート
133 第一仕切り壁
134 第二仕切り壁
141 現像バイアス電源
201 トナー補給口
220 現像ローラ上カバー
230 搬送路上部カバー
240 手前側端部側板
250 奥側端部側板
401 観察窓
402 傾斜板
403 現像剤
500 複写機
501 ギャップ調整ネジ
C キャリア
G1 ケーシングギャップ
T トナー
Claims (9)
- トナーとキャリアとからなる二成分の現像剤を表面上に担持して表面移動することにより潜像担持体の表面と対向する現像領域へ現像剤を搬送する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体の表面に供給する現像剤を収容する現像剤収容部を形成し、内部に配置された前記現像剤担持体の表面移動方向における前記現像剤担持体の表面の一部を前記潜像担持体に対向させるための開口部が設けられた現像ケーシングと、
前記現像剤担持体に現像バイアスを印加する現像バイアス印加手段と、を備える現像装置において、
前記現像領域に対して前記現像剤担持体の表面移動方向下流側の前記現像剤担持体の表面と前記現像ケーシングの対向面とが近接するケーシングギャップ部は、前記現像剤担持体に担持された現像剤が前記現像ケーシングの対向面に接触するように設定され、
前記現像ケーシングにおける前記ケーシングギャップ部を形成する部分は導電性材料から形成され、
前記ケーシングギャップ部で前記現像剤担持体の表面上の現像剤が接触する部分の前記現像ケーシングの対向面に絶縁層を備え、
前記現像ケーシングは、前記現像剤担持体の表面と対向して前記ケーシングギャップ部を形成し、導電性材料からなるギャップ形成部材を、前記現像剤収容部を形成するケーシング本体部とは別部材で備えることを特徴とする現像装置。 - 請求項1の現像装置において、
前記絶縁層は、前記現像ケーシングの対向面に絶縁性の樹脂材料をコーティングしたものであることを特徴とする現像装置。 - 請求項1または2の何れかに記載の現像装置において、
前記絶縁層の表面は、水との接触角が95[°]以上であることを特徴とする現像装置。 - 請求項1乃至3の何れかに記載の現像装置において、
前記絶縁層の体積抵抗は1×1014[Ω/cm]以上であることを特徴とする現像装置。 - 請求項1乃至4の何れかに記載の現像装置において、
前記絶縁層の層厚は30[μm]以上であることを特徴とする現像装置。 - 請求項1乃至5の何れかに記載の現像装置において、
前記現像剤担持体の表面における表面移動方向と直交する方向を幅方向としたときに、
前記絶縁層の幅方向の端部は、前記現像領域の幅方向の端部と同じ位置、または、前記現像領域の幅方向の端部よりも外側に位置することを特徴とする現像装置。 - 請求項1乃至6の何れかに記載の現像装置において、
前記ギャップ形成部材は、金属製のネジ部材によって前記ケーシング本体部に固定されており、前記ギャップ形成部材の表面における前記ネジ部材の頭部が露出する面を非磁性のカバー部材によって覆うことを特徴とする現像装置。 - 少なくとも潜像担持体と、
前記潜像担持体の表面を帯電させる帯電手段と、
前記潜像担持体の表面に静電潜像を形成する潜像形成手段と、
前記静電潜像を現像する現像手段とを有する画像形成装置において、
前記現像手段として、請求項1乃至7の何れかに記載の現像装置を備えることを特徴とする画像形成装置。 - 潜像を担持する潜像担持体と、前記潜像担持体の表面の潜像を現像する現像手段とを備える画像形成装置における少なくとも前記潜像担持体と前記現像手段とを一つのユニットとして共通の保持体に保持させて画像形成装置本体に対して着脱可能にしたプロセスカートリッジにおいて、
前記現像手段として、請求項1乃至7の何れかに記載の現像装置を備えることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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