JP4960620B2 - ポリシロキサン組成物 - Google Patents
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Description
Si−CH=CH2+H−Si→Si−CH2−CH2−Si
縮合硬化
Si−OH+HO−Si→Si−O−Si+H2O
従って、本発明の目的には、長い作業時間及びポリウレタン表面を含めた種々の表面に対する優れた接着性のような利点を有するシロキサン組成物の開発が含まれる。これらの利点は、加硫温度での硬化の遅延、又は例えば、感触、弾力性、凝集強度、及び耐久弾力性のような硬化ポリシロキサンの他の有利な特徴を失うことなく、理想的に与えられる。
(A) 1分子当たり少なくとも2個の不飽和炭化水素基を有するポリジオルガノシロキサン、
(B) 1分子当たり少なくとも3個のSi−H結合を有するポリオルガノヒドロシロキサン、
(C) 少なくとも一つの−SiH3基を有する化合物、及び
(D) 有効な量のヒドロシレーション触媒、
からなり、然も
(A)の量は約10重量%〜95重量%(好ましくは約10重量%〜80重量%、最も好ましくは約15重量%〜35重量%)であり、
(B)の量は約0.1重量%〜約50重量%(好ましくは約0.4重量%〜約10重量%)であり、
(C)の量は約0.01重量%〜約5.0重量%(好ましくは約0.01重量%〜約1.0重量%、最も好ましくは約0.05重量%〜約0.5重量%)であり、
(A)〜(C)の量は、互いに相対的なものである。
R′−SiR2−O(SiR2−O)n−SiR2−R′
〔式中、RはC1〜C20飽和基(好ましくはC1〜C12)、R′は、ヒドロシレーション反応を受けることができるC1〜C20不飽和基(好ましくはC1〜C12)であり、nは約100より大きい(好ましくは約200〜約2,000である)。〕
で表すことができる。
又は
のような環式構造体、(RSiHO)y、によって表すことができ、ここでRはC1〜C20飽和基(好ましくはC1〜C12)であり、xは1より大きく(好ましくは約1〜約100)であり、yは少なくとも3であり、eとgの合計は少なくとも3であり、a、c、d、e、f、及びgは正の数である(好ましくは、aは約0〜約100である)。
R4(SiH3)k、又は
H3Si(CH2)uSiH3、又は
Ar(SiH3)m、
によって表すことができ、ここでR4はC3〜C20炭化水素基であり、Arはアリール環であり、k及びmは少なくとも1であり、uは約1〜約20である。
SiH3含有シラン又はシロキサンは、付加的に硼素、アルミニウム、錫、窒素、燐、アンチモン、硫黄、セレンのようなヘテロ原子を含んでいてもよく、但しこれらのヘテロ原子含有シラン及びシロキサンは、架橋反応を完全には阻止することはなく、或は如何なるやり方でも本発明の利点を減ずることはないものとする。C4H9N(SiH3)2及び(CH3)3BN(SiH3)2は適切な例である。
ここで、RはC1〜C20飽和基(好ましくはC1〜C12)であり、pは約50〜約1,500(好ましくは約100〜約500)であり、
(E)の量は、約30重量%〜約90重量%(好ましくは約70重量%〜約85重量%)であり、
(A)、(B)、(C)、及び(E)の量は互いに相対的な量である。
更に、組成物は補強用無機充填剤、非補強性無機充填剤及び(又は)チキソトロピー添加剤、及び顔料及び(又は)染料を含んでいてもよい。
(1) 表面下塗りを用いることなく、ポリウレタン・ポリエステル基体に対する硬化シロキサンの優れた接着性、
(2) 感触、弾力性、モジュラス、及び凝集強度のような希望の特徴を劣化又は失うことなく、外用胸部補綴材の製造に用いられるポリウレタン・ポリエステル包みに対する硬化シロキサンの優れた接着性、及び
(3) 特に指による変形を受けた時の外用胸部補綴材の優れた弾力性。
更に別の態様として、本発明は、上記組成物の基体に対する接着を促進する方法において、前記組成物を基体に接触させたまま硬化することからなる方法に関する。
成分(A)は、1分子当たり少なくとも二つの不飽和炭化水素基を有するポリジオルガノシロキサンにすることができる。特に、成分(A)は、式:
R′−SiR2−O(SiR2−O)n−SiR2−R′
〔式中、RはC1〜C20飽和基(好ましくはC1〜C12)であり、R′は、ヒドロシレーション反応を受けることができるC1〜C20不飽和基(好ましくはC1〜C12)であり、nは約100より大きい(好ましくは約200〜約2,000である)。〕
によって表すことができる。例えば、Rは、メチル、エチル、フェニル、トリル、トリフルオロプロピル、又はヘプタフルオロプロピルでもよく、R′はビニル、アリル、ビニルシクロヘキシル、スチリル、又はプロパルギルでもよい。
好ましくは、ポリジオルガノシロキサンは、各鎖末端の珪素原子にビニル基が結合した直鎖ポリジメチルシロキサンである。更に、ポリジオルガノシロキサンは上で定義したように、オルガノ基Rの全てが同じではない共重合体、ブロック共重合体、又は混合置換重合体でもよい。
成分(A)の例には、次のもの:
R′−SiMe2−O−(SiMe2−O) h−(SiArMe−O)j−SiMe2R′
R′−SiMeArO−(SiMe2−O)n−(SiMeRf−O)j−SiMeAr−R′
(式中、R′は上に定義したのと同じ意味を有し、Meはメチルであり、Arはフェニルのようなアリール基であり、Rfは、例えばトリフルオロプロピルのようなフルオロアルキル基である。)
が含まれる。下側の記号h及びjは正の数である。
成分(A)は、一つの山を持つ分子量分布を有するオレフィン系末端ポリジオルガノシロキサンである。これらの材料は当分野でよく知られており、市販されている。代表的な合成は、例えば、Polymer Preprints, No.10(1969) p.1,361、及びActa Polymerica.42(1991)pp. 107−109(その完全な記載は参考のためここに入れてある)に報告されている。
別法として、成分(A)は、生成物の混合物で、その混合物が二つの山を持つか、又は一層多い山の分子量分布を有するような混合物でもよい。成分(A)の粘度は、単一生成物として、又は混合物として、約150〜約500,000センチストークス、好ましくは約500〜約100,000センチストークスにすることができる。成分(A)は、シラノール基、SiOHを実質的に含まないのが望ましい。シラノール含有量は、150ppm より少なく、好ましくは50ppmより少ないのがよい。
又は
のような環式構造体、(RSiHO)y、によって表すことができ、ここでRはC1〜C20飽和基(好ましくはC1〜C12)であり、xは1より大きく(好ましくは約1〜約100)であり、yは少なくとも3であり、eとgの合計は少なくとも3であり、a、c、d、e、f、及びgは正の数である(好ましくはaは約0〜約100である)。
(式中、R、Rf、Me、及びArは、上で定義したのと同じ意味を有する)。下側の記号x及びrは、約1〜約100であり、好ましくは約15〜約75にすることができる。下側の記号cは、正の数である。分岐鎖ポリオルガノヒドリドシロキサンでは、xとrの合計は約15〜約75であるのが好ましい。下側の記号q、y及びzは、1分子当たりのSi−H結合の合計が少なくとも3である限り、どのような正の数でもよい。
一つの山を持つ分子量分布及び架橋のための明確な官能基を持つ単一のポリオルガノヒドリドシロキサンを使用するのが慣例であるが、官能性及び分子量が大きいポリオルガノヒドリドシロキサンと小さいものとの混合物が、当業者によって容易に決定されるように、時々均衡のとれた凝集ゲル強度、柔らかさ、及び接着性を有するゲルを与えることができる。
成分(B)の官能性は、1分子当たりのSi−H結合の数である。星形分岐架橋剤も好ましい網状架橋剤であり、例えば、:
Si[OSi(CH3)2H]4、又は
Si[O(Si(CH3)2O)4Si(CH3)2H]4
のようなものがある。
成分(B)のための条件を満足する生成物は当分野でよく知られており、市販されている。これら生成物の合成は、例えばW.ノル(Noll)による Chemistry and Technology of Silicones(1968年、ニューヨーク、Academic Press)(その完全な記載は参考のためここに入れてある)に公表されている。
接着促進性架橋剤として有用な適当な第一級シランには、アミルシラン(C5H11SiH3)、ヘキシルシラン(C6H13SiH3)、オクチルシラン(C8H17SiH3)(好ましい)、シクロヘキシルシラン(C6H11SiH3)、フェニルシラン(C6H5SiH3)、及びオクタデシルシラン(C18H37SiH3)が含まれる。付加的第一級シランには、H3Si(CH2)uSiH3(式中、uは約1〜約20である)及びC6H4(SiH3)2のオルト、メタ、及びパラ異性体が含まれる。
接着促進性架橋剤として有用な適当なSiH3含有シロキサンには、H3SiOSi(CH3)3、H3SiOSi(C5H11)3、H3SiOSi(C2H3) (CH3)2、H3SiOSi(C2H3)3、H3SiO[Si(CH3)2O]4SiH3、及びH3SiO[Si(Ar)2O]3Si(C3H5)(C8H17)2が含まれる。
成分(C)は、硬化ポリシロキサン組成物と、接触表面、特にポリウレタン及び(又は)ポリエステルを含む重合体基体の表面との間の接着性を改良する点で、接着促進剤として有用である。この目的から、接着促進性架橋剤(C)の一種類以上を用いるか、又は別法として、他の慣用的接着促進用化合物と組合せて接着促進性架橋剤(C)の一種類以上を用いてもよい。
成分(C)は、ヒドロシレーション反応で触媒活性を一時的に阻止するのにも極めて有用である。成分(C)の一種類以上の成分を用いるか、別法として、下に述べるように、他の慣用的接着促進用化合物と組合せて成分(C)の化合物の一種類以上を用いてもよい。
特に、成分(E)は、式:
〔式中、RはC1〜C20飽和基(好ましくはC1〜C12)であり、pは約50〜約1,500(好ましくは約100〜約500)である〕
によって表すことができる。
成分(E)の例には、
(式中、pは約50〜約1,500、好ましくは約100〜約500であり、sは約0.1〜約50、好ましくは約0.5〜約20であり、tは約20〜約1,500、好ましくは約20〜約500であり、wは約20〜約1,500、好ましくは約20〜約500であり、Me、Ar及びRは、上で定義したのと同じ意味を有する。)
が含まれる。
(A)1分子当たり少なくとも二つの不飽和炭化水素基を含み、式:
R′−SiR2−O(SiR2−O)n−SiR2−R′
(式中、RはC1〜C12飽和基であり、R′は、ヒドロシレーション反応を受けることができるC1〜C12不飽和基であり、nは約200〜約2,000である。)
で表すことができるポリジオルガノシロキサンで、(A)の量は約10重量%〜80重量%であり、
(B)1分子当たり少なくとも三つのSi−H結合を有し、式:
(式中、RはC1〜C12飽和基であり、xは約1〜約100であり、yは少なくとも3であり、eとgの合計は少なくとも3であり、aは約0〜約100であり、c、d、e、f、及びgは正の数である。)
によって表されるポリオルガノヒドロシロキサンであり、(B)の量は約0.4重量%〜約10重量%であり、
(C)少なくとも一つの−SiH3基を有し、式:
R4(SiH3)k、
H3Si(CH2)uSiH3、
Ar(SiH3)m、
H3SiOSiR5 3、
H3SiO(SiR5 2O)aSiH3又は
H3SiO(SiR5 2O)aSiR5 3
(式中、R4はC3〜C20炭化水素基であり、R5はC1〜C20炭化水素基であり、Arはアリール環であり、k及びmは少なくとも1であり、uは約1〜約20であり、aは正の数である。)
によって表される化合物で、(C)の量は約0.01重量%〜約5.0重量%であり、
(D)有効な量のヒドロシレーション触媒、及び
(E)式:
(式中、RはC1〜C12飽和基であり、pは約50〜約1,500である。)
によって表されるポリジオルガノシロキサン化合物であり、(E)の量は約30重量%〜約90重量%であり、
(A)、(B)、(C)、及び(E)の量は互いに相対的なものである。
全ての成分を一つの総合配合物として一緒に混合する場合には、組成物の硬化が早過ぎないように混合順序が重要である。例えば、触媒が抑制されている場合でも、総合配合物に添加する最後の成分とするのが典型的である。別法として、諸成分を二つの部分に分けた配合物として選択的に組み合わせることができる。それら二つの部分の混合は硬化直前に行う。二つの部分を、希望の硬化速度及びゲル又はエラストマー特性を生ずるSi−H/ビニル化学量論性に相当する重量比で混合する。別々の部分を配合するのに用いられる必須の条件は、ヒドロシリル化触媒とSi−H架橋剤との分離である。当業者は余計な実験を行うことなく、適切な混合法を決定することができる。
成分(B)の量は、成分(A)中の不飽和基に対するSi−H基の化学量論的比率が約0.3〜約10、好ましくは約0.8〜約2になるように選択する。それによって配合物中の成分(B)の重量含有量は、約0.1〜約50重量%、好ましくは約0.4〜約10重量%にすることができるのが典型的である。
成分(C)の量は、約0.1〜約5.0重量%、好ましくは約0.01〜約1.0重量%、最も好ましくは約0.05〜約0.5重量%にすることができる。
成分(D)の触媒量は、希望の作業時間及び硬化速度に依存する。配合物の全重量に基づき約0.1〜約100ppm の広い範囲のPtが通常有効である。好ましい範囲は約2.5〜約15ppm のPtである。当業者は最適触媒使用量を決定することができる。
成分(E)は、約30〜約90重量%にすることができ、好ましくは70〜約85重量%である。
成分(F)の効果的含有量も、希望の作業時間及び処理条件により決定される。更に、下の実施例で示すように、一時的触媒抑制剤は異なった固有の抑制傾向を有する。例えば、同じ程度の抑制を達成するのに、白金に対する化学量論的量に基づいて、マレイン酸ジエチル又はメチルビニルシクロシロキサンの必要量は、オクチルシランよりもかなり少ない。充填剤及びチキソトロピー剤(成分G)の効果的な含有量は、全配合物の約0.01〜約5重量%にすることができる。約1.0〜約2.5重量%の量が好ましい。例えば、肉色の明るい色調及び暗い色調の顔料は、当業者によって容易に決定される適切な量で配合物中に場合により含有させることができる。
下塗りにより、自己接着性配合物中に含有させるには余りにも揮発性であるSiH3含有化合物を使用することができるようになる。CH3SiH3、C4H9SiH3、Si2H6、及びH3SiOSiH3はそのような化合物の例である。基体をこれらの下塗り剤溶液で処理するか、又はこれらの揮発性化合物を含有する雰囲気に直接曝してもよい。下塗りは連続製造工程中インラインとして行うことができ、或は別の早い時の単位操作として行うこともできる。どちらの場合でも、処理温度で溶媒を蒸発させるのに充分な時間を与えなければならない。
材料
成分(A)として末端ビニルシロキサン流体を実験で用いた。一つの流体は約2,000〜2,500センチストークスの粘度を有し、約0.24±0.02重量%のビニル含有量を有し、他方の流体は、約60,000〜70,000センチストークスの粘度及び約0.07±0.01重量%のビニル含有量を持っていた。これらの流体を実施例ではビニル流体(2,000センチストークス)及びビニル流体(60,000センチストークス)として夫々言及する。粘度350センチストークスのトリメチルシロキシ末端ジメチルシロキサン油は、成分(D)の可塑剤/レオロジー変性剤であった。網状架橋剤(B)、MD15D′5.5M、MD20D′3.2M、及びMD43.2D′6.8M、〔M=(CH3)3SiO1/2;D=(CH3)2SiO;D′=CH3SiHO〕を実験で用いた。オクチルシラン、C8H17SiH3、フェニルシラン、C6H5SiH3、及びオクタデシルシラン、C18H37SiH3は接着促進性架橋剤(C)であった。
試験で用いたポリウレタン・ポリエステルフイルム及び外用胸部補綴袋は、例えば、アトケム(Atochem)及びスミス・アンド・ネフュー社(Smith & Nephew, Ltd.)から市販されている材料である。これらのフイルムは屡々ポリエチレン又は紙の裏打ちが付いて供給されており、それは下に記載する実験の直前に取り除いた。裏打ちは典型的には静電気を制御し、取扱い易くするために用いられている。硬化性ポリシロキサン配合物と接触させたフイルム表面は、ポリエチレン又は紙裏打ちで覆われていなかった表面であった。
PCAT Iとして言及する白金触媒(E)は、米国特許第3,775,452号明細書にカラステット(Karstedt)によって記載された方法に従って調製された。その文献の完全な記載は参考のためここに入れてある。そのように調製した1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体を500センチストークスのシリコーン油に溶解し、約2.5〜3重量%のPtを含む原料溶液を得た。英国特許第1,228,376号及び第1,228,377号明細書(その完全な記載は参考のためここに入れてある)に記載されているように、PCAT IIとして言及する別の白金触媒を、メチルビニルシロキサン環式テトラマー及び環式トリマー及びイソプロパノールに溶解した六塩化白金酸から製造した。この触媒のPt含有量は3.2重量%であった。或る実験に必要な少量の触媒を導入するため、1ccの注射器を用いた。
ゲルの堅さは、ASTM D1403−86「1/4及び1/2スケールの円錐装置を用いた潤滑グリースの円錐浸透のための標準試験法」(Standard Test Method for Cone Penetration of Lubricating Grease Using One-Quarter and One-Half Scale Cone Equipment)に従い、1/4の大きさの2.5g円錐グリース、7.0gのシャフト具えた硬度計を用いて測定した。測定は当分野の標準単位である1/10mmで示されている。低い値程堅いゲルであることを示している。約70〜約100の値が、外用乳房補綴用として実物そっくりのゲルの感触に相当し、最も望ましいものである。しかし、この範囲外の値も、他の目的で一層堅い又は一層柔らかい必要のあるゲルに対しては許容できる。
硬化時間及びゲル時間は、次のやり方で測定された。第一の方法は、ゲルの堅さを総合配合物に触媒を添加した後の時間の関数として、又は二部配合物の両方の部分を混合した後の時間の関数として測定した。安定な読みを得るまでに必要な時間が硬化時間である。第二の方法では、硬化するゲル/エラストマーの応力と歪みの間の損失(即ち粘度、G″)、及び貯蔵(即ち弾力性、G′)、モジュラス、動的弾性率、G*、及び位相、δ、を測定するのにボーリン・ストレス・レオメーター(Bholin Stress Rheometer)を用いた。ゲル化時間は、ほぼ損失と貯蔵弾性率が交差する時間である。これらのレオロジー測定に関する文献には、S.K.ベンカタラム(Venkataram)その他によるPolymer Preprints,29(1988)pp. 571−572;C.W.マコスコ(Mackosko)その他によるMacromoleculus, 9(1976)p.199;及びE.E.ホリー(Holly)その他によるJ. Non-Newtonian Fluid Mechanics, 27(1988)pp. 17−26が含まれる。硬化時間は、動的弾性率が一定の又は一定に近い値を得る点である。損失弾性率対貯蔵弾性率の比、G″/G′は、位相の正接、即ちtanδに等しい。tanδは硬化dq又は硬化するポリシロキサン組成物の減衰能力を表している。0.1より小さく、好ましくは約0.01〜約0.08のtanδ値が外用胸部補綴材に含まれるゲルに望ましい。
引張り強度は、硬化したゲルを挟んだものから切り取った試料を用いてインストロン1123型を用いて測定した。ゲルを挟んだものは、11.3cm×7.5cm×3mmの内部大きさを有するステンレス鋼型中で2枚のポリウレタン・ポリエステルフイルムの間に挟むことにより製造した。そのサンドウィッチを型中で密封し、125℃で45分間硬化した。引張り強度測定中、インストロンに試料を取付け易くするため、ポリウレタン・ポリエステルフイルムの長さは型中のゲル境界を超えて伸びていた。このために、冷却した硬化サンドウィッチを11.3cm×2.5cm×3mmの大きさの三つの等しい帯に長手方向に切断した。このようにして製造したサンドウィッチ各々について3回測定を行なった。インストロンの下クランプの高さまで上昇させた小さなラブ・ジャック(lab jack)上に試料を支持した。過剰のポリウレタン・ポリエステルフイルムを、上を抗張力荷重セルに適切に取付け、下をインストロンの静止クランプに取付けた。荷重セルが5in/分で上方へ移動するように引張り力をフイルムの頂部に適用した。力はgで記録した。100gに等しいか又はそれより大きい値が望ましい。更に、ポリウレタン・ポリエステルフイルムに対するゲルの接着強度は、その凝集力よりも大きいのが望ましい。
定性的手動引張り強度試験も行なった。この試験では、ゲルの試料をポリウレタン・ポリエステルフイルムの帯に接触させたまま硬化した。試料を炉から取り出した後、その帯を硬化ゲルから引き離し、接着損傷の位置を決定した。接着したゲルが無いように奇麗にフイルムがゲル表面から引き剥がされた場合、ゲル・フイルム界面で損傷が起き、接着剤損傷が起きた。接着剤損傷は望ましくない。引張り試験中、ゲルが破壊して裂け、ゲルがフイルムにしっかりと接着したままであるならば、凝集損傷が起きた。凝集損傷は望ましい。なぜなら、ゲル・フイルム界面での結合が強いことを示しているからである。
この例は、第一級シラン官能基、SiH3を有する化合物(C)が、ポリウレタン・ポリエステルフイルムに対する硬化ゲルの良好な接着を与えることを例示する。用いたフイルムはアトケムからのU01及びU073であり、スミス・アンド・ネフュー社から供給された試料であった。
次の組成を有する混合物を、記載した原料から作った。
原 料 重量部
ビニルシロキサン流体(2,000センチストークス) 14.67
ビニルシロキサン流体(60,000センチストークス) 7.33
シリコーン油(350センチストークス) 78.00
この混合物の40gの試料を各実験で用いた。網状架橋剤
(MD43.2D′6.8M)、接着促進性架橋剤(オクチルシラン、フェニルシラン、又はオクタデシルシラン)の量は表1に示してある。シリコーン油とビニルシロキサン流体(40g)を一緒にした重量に対する%も報告する。オクチルシランを用いた実験では、0.01gのPCAT I(6.3ppm のPtに相当する)を用いた。フェニルシラン及びオクタデシルシランの場合には、その量の2倍を用いた。
各実験で、諸成分を、175℃までの温度に耐えることができる300mlのワックス塗り紙コップ中で一緒にし、約1,500rpm で約45分間機械的に撹拌した。次に試料を真空中で5分間脱気した。鋭いカミソリの刃を用いて、紙コップをその内容物の水準まで縁を取り、ポリウレタン・ポリエステルフイルムの約8cm幅×10cm長さの部分を静かに液面上においた。次に試料を125℃の炉中で45分間硬化した。ゲル浸透を測定するため、フイルムを重ねることなく二つの試料を硬化した。表1に示した全ての実験では、厚さ75μのU073フイルムを用いた。スミス・アンド・ネフュー社からの50μ厚のポリウレタン・ポリエステルフイルムを用いて行なった試験では、フイルムに対するゲルの優れた接着も観察された。定性的引張り試験の結果は、フイルムに対する硬化ゲルの望ましい接着を達成するには、SiH3官能性化合物が必要であることを示している。データーは、希望の接着性及びゲルの堅さが網状架橋剤、MD43.2D′6.8M、及び接着促進性架橋剤、n−C8H17SiH3、C6H5SiH3、及びC18H37SiH3の広い範囲の濃度に亙って実現されることも示している。網状架橋剤のSi−H当量対SiH3含有化合物のそれの化学量論的比は、0.2〜1.4の範囲にあるのに対し、Si−H当量対ビニル当量の化学量論的比は0.8〜5.5の範囲にあった。
この例は、外用胸部補綴材中のゲルとして有用な自己接着性ポリシロキサン組成物を製造するのに、二種類の付加的網状架橋剤とオクチルシランとを使用する場合を例示する。U073及びスミス・アンド・ネフュー(S&N)社のポリウレタン・ポリエステルフイルムの両方をゲル・フイルム接着性について試験した。各フイルムの4cm幅×8cm長さの試験片を、硬化する前の各試料の表面に適用した。その他の点では、試料の調製及び試験手順は例1に記載した通りであった。ビニルシロキサン流体及びシリコーン油の混合物40gと、6.3ppm の白金濃度を各実験で用いた。表2に、網状架橋剤及びオクチルシランの量及び実験結果を記載する。
それらの結果は、網状架橋剤及び接着促進性架橋剤を含有させると、優れたゲル・フイルム結合性を有するゲルを与えることを示している。
この例は、網状架橋剤(MD43.2D′6.8M)、及び接着促進性架橋剤(n−C8H17SiH3)を含む硬化性ポリシロキサン組成物を用いた外用胸部補綴材の製造を例示する。
二部配合物は、次の組成を持っていた。全ての値はgによる。
各部を別々に、カウレス・ディゾルバー(Cowles Dissolver)を用いて1,500rpm で15分間混合した。各部220gを一緒にし、機械的撹拌器を用いて1,500rpm で5分間混合し、真空中で10分間脱気した。100ml注射器を用いて、U073フイルムで作った外用補綴袋に、136gのピンク肉色の脱気した液体を満たした。後側をU073フイルムで、前側をスミス・アンド・ネフュー・フイルムで作った別の袋に、同様に252gをピンク肉色脱気液体を満たした。両方の袋を加熱密封し、その後で種々の胸部の大きさ及び形に相当する金属型中へクランプした。125℃の炉中で90分間硬化した。使用しなかった反応混合物は、配合物の作業時間を推定するため室温で横で硬化した。
硬化した補綴材は実物にそっくりな感触、弾力性及び敏感性を持っていた。手動引張り試験のために約2cm幅×4cm長さの試験片をカミソリの刃でその成形物を細長く切って分離することにより、各補綴材の前側及び後側についてゲル・フイルム接着性を調べた。どの場合でもゲル凝集破壊が観察された。更にそのゲルは試験片のフイルムから容易に擦り落とすことはできなかった。これらの観察結果は、例1のような小さな試験試料の場合のみならず外用胸部補綴材のような場合にもn−オクチルシランがゲル配合物に対し優れた接着性を与えることを確実に示している。
使用しなかった反応混合物は、室温で16時間後でも依然として流体で、注ぐことができた。従って、配合物の作業時間は16時間を超えていた。
この比較対照は、胸部補綴材配合物から接着促進性架橋剤を除外した場合の影響を例示する。
用いた二部配合物は、A部からn−C8H17SiH3を除外した点を除き、例3で示したものと同じであった。一つの実験では、A部中の網状架橋剤、MD43.2D′6.8Mの重量は3.588gで変化させなかったが、別の実験ではその重量を8.886gに増加し、SiH基対ビニル基の化学量論的比を例3のものと等しくした。B部の組成は変えなかった。
例3に記載したように、室温で補綴材を作り、125℃で硬化した。混合配合物の粘度の観察可能な増加及び注射器で手動で袋に充填する困難さにより示された架橋は、補綴材袋が充填されつつある時に、既に周囲温度で起きつつあった。両方の実験でポットライフは30分より短かった。
硬化した補綴材はゲル・フイルム接着性を全く示していなかった。網状架橋剤の含有量を少なくして作った補綴材は柔らかく、ぐにゃぐにゃであった。含有量を大きくして作った補綴材は堅く、ゴム状であった。両方共、n−C8H17SiH3含有補綴材について例3で記述した実物にそっくりな感触、弾力性及び敏感性を欠いていた。この感触はSiH/ビニル化学量論性を調節することにより得ることができるが、望ましいゲル・フイルム接着性は、接着促進剤を配合しなければ依然として実現することはできない。
この例は、n−オクチルシランを使用することによって得られるゲル化時間の増大を例示する。
例1で定めたビニルシランとシリコーン油との混合物40gを、網状架橋剤(MD43.2D′6.8M)0.288g及び表3に示した量の他の配合成分と一緒に用いた。白金濃度は6.3ppm であった。試料は例1に記載したように調製した。但しフイルム帯は重ねなかった。各反応混合物の少量を、25℃に制御したボーリン・ストレス・レオメーターの円錐及び板台に適用した。
データーは、0.1重量%のn−C8H17SiH3を配合物に添加することにより、ゲル時間はほぼ60倍に増加したことを示している。従って、n−C8H17SiH3は、有力な一時的触媒抑制剤である。
この例は、シロキサン組成物の架橋に対するオクチルシランの一時的抑制効果を更に例示する。
例1に記載したビニルシロキサンとシロキサン油との混合物と、表4に示したSiH/ビニル化学量論性を与える量の網状架橋剤(MD43.2D′6.8M)及び接着促進剤(n−C8H17SiH3)を用いて試料を配合した。SiH/ビニル化学量論性を計算する場合、1モルのn−C8H17SiH3がSiH3当量を与え、1モルの網状架橋剤がSiH6.8当量を与えるものとした。白金濃度はこの例の全ての実験で4〜4.6ppm で一定に保持した。使用した触媒はPCAT Iであった。
25℃から150℃まで2.5℃/分の加熱速度を用いて、ボーリン・ストレス・レオメーターの台上でゲルの硬化を行なった。動的弾性率(G*)は、温度が増大するに従ってS字曲線に従った。G*の急速な増大は、ゲル試料の硬化開始に相当する開始温度で始まった。この開始温度は、一時的触媒抑制剤の特定の性質及び量により決定される。開始温度が高い程、一時的抑制度は大きくなる。開始温度が低い程、シロキサンが益々硬化し易くなることを反映している。
表4の四つの比較例で、SiH/ビニル化学量論性が0.834から2.12へ増大するにつれて、ゲル化は42℃、40℃、37℃、及び34℃で開始した。これらの試料は、網状架橋剤(MD43.2D′6.8M)を含み、n−C8H17SiH3は含んでいなかった。データーは、網状架橋剤が唯一のSiH基源である場合、SiH/ビニル化学量論性の増大により、ゲルの硬化が促進されることを示している。開始温度の対数は、SiH/ビニル化学量論性と負の直線関係にある。表4は、n−C8H17SiH3の存在下で、SiH/ビニル化学量論性が増大するに従って、開始温度が上昇することを示している。実際、開始温度の対数はSiH/ビニル化学量論性と正の直線関係にある。このことは、シロキサン配合物にn−C8H17SiH3を添加すると、その硬化の遅延を引き起こすことを意味している。しかし、n−C8H17SiH3を含有する試料は、U073フイルムとの優れたゲル・フイルム接着性を示し、許容可能なゲルを堅さ、浸透性、及び動的弾性率を示していた。
この例は、熱可塑性材料、例えば、ポリウレタン・ポリエステル又はスチレン・オレフィン・ブタジエンブロック共重合体に対するシリコーン被覆に適した付加硬化配合物に対する一時的触媒抑制剤の比較効果を例示する。配合物の全シロキサン組成は表5に示してある。用いた抑制剤及びそれらの濃度は表6に要約してある。用いた触媒はPCAT Iであった。
表6に要約した各実験について、抑制剤及び白金の種々のモル量を、シロキサン組成物80g部分中に手動で混合することにより添加した。試料を、25℃に維持したボーリン・ストレス・レオメーターの台上で等温的に硬化した。上で説明し、例4で例示したように、貯蔵弾性率と損失弾性率との交点でゲル化時間を測定した。ゲル化時間が長い程、触媒抑制度が大きいことを示している。
この例は、ポリウレタン・ポリエステルフイルムに対する下塗り剤としてSiH3含有添加剤を使用した場合を例示する。
例3に記載した二部配合物を、A部にn−オクチルシランを入れずに用いた。等重量のA部及びB部を一緒にし、機械的に撹拌し、次に真空中で10分間脱気した。フイルムはアトケムからのU01及びスミス・アンド・ネフュー(S&N)からの試料であった。下塗りしたフイルム及び下塗りしない対照フイルムを用いてゲルを挟んだものを作り、上で述べたように(上記ゲル試験参照)125℃で45分間硬化した。下塗り剤はそのままの液体としてブラシ掛け又は噴霧により適用した。下塗りしたフイルムを周囲温度で15〜60分間(乾燥時間)放置し、然る後、ゲルサンドウィッチを作った。定性的手動引張り試験の結果を表7に要約する。
結果は、n−オクチルシラン又はフェニルシランを下塗り剤として用いた場合には、いつもゲル・フイルム界面で良好な結合が起きたことを示している。手動引張り試験中の損傷箇所はゲルの内部にあり(凝集破壊)、ゲル・フイルム界面の所ではなかった。下塗りしないフイルムは許容できないゲル・フイルム結合を示し、接着剤の所で破損した。
上で言及した全ての文献の全内容は、参考のためここに入れてある。
本発明に関連して、更に以下の内容を開示する。
(1) (A) 1分子当たり少なくとも2つの不飽和炭化水素基を有するポリジオルガノシロキサン、
(B) 1分子当たり少なくとも3つのSi−H結合を有するポリオルガノヒドロシロキサン、
(C) 少なくとも一つの−SiH 3 基を有する化合物、及び
(D) 有効な量のヒドロシレーション触媒、
からなり、然も(A)の量は約10重量%〜95重量%であり、(B)の量は約0.1重量%〜約50重量%であり、(C)の量は約0.01重量%〜約5.0重量%であり、(A)〜(C)の量は、互いに相対的なものである、組成物。
(2) ヒドロシレーションを受けることができる不飽和基及びシラノール基を本質的に含まない直鎖又は分岐鎖ポリジオルガノシロキサン化合物である化合物(E)を更に含み、然も、前記(E)の量が、約30重量%〜約90重量%であり、(A)、(B)、(C)、及び(E)の量は互いに相対的な量である、(1)に記載の組成物。
(3) 成分(A)が、式:
R′−SiR 2 −O(SiR 2 −O) n −SiR 2 −R′
(式中、RはC 1 〜C 20 飽和基であり、R′は、ヒドロシレーション反応を受けることができるC 1 〜C 20 不飽和基であり、nは約100より大きい。)
で表される、(1)に記載の組成物。
(4) Rが、C 1 〜C 12 飽和基である、(3)に記載の組成物。
(5) Rが、メチル、エチル、フェニル、トリル、トリフルオロプロピル、及びヘプタフルオロプロピルからなる群から選択されたものである、(3)に記載の組成物。
(6) R′が、ビニル、アリル、ビニルシクロヘキシル、スチリル、及びプロパルギルからなる群から選択されたものである、(3)に記載の組成物。
(7) nが、約200〜約2,000である、(3)に記載の組成物。
(8) 成分(A)が、実質的にシラノール基を含まない、(1)に記載の組成物。
(9) 成分(A)の量が約15重量%〜約35重量%である、(1)に記載の組成物。
(10) 成分(B)が、式:
又は
のような環式構造体、(RSiHO) y 、
(式中、RはC 1 〜C 20 飽和基であり、xは1より大きく、yは少なくとも3であり、eとgの合計は少なくとも3であり、a、c、d、e、f、及びgは正の数である。)
によって表される、(1)に記載の組成物。
(11) RがC 1 〜C 12 飽和基である、(10)に記載の組成物。
(12) xが約1〜約100である、(10)に記載の組成物。
(13) aが約0〜約100である、(10)に記載の組成物。
(14) 成分(B)の量が、約0.4重量%〜10重量%である、(1)に記載の組成物。
(15) 成分(C)が、式:
R 4 (SiH 3 ) k 、
H 3 Si(CH 2 ) u SiH 3 、
Ar(SiH 3 ) m 、
H 3 SiOSiR 5 3 、
H 3 SiO(SiR 5 2 O) a SiH 3 又は
H 3 SiO(SiR 5 2 O) a SiR 5 3
(式中、R 4 はC 3 〜C 20 炭化水素基であり、R 5 はC 1 〜C 20 炭化水素基であり、Arはアリール環であり、k及びmは少なくとも1であり、uは約1〜約20であり、aはどのような正の数でもよい。)
によって表される、(1)に記載の組成物。
(16) 成分(C)が第一級シランである、(1)に記載の組成物。
(17) 成分(C)が、アミルシラン、ヘキシルシラン、オクチルシラン、シクロヘキシルシラン、フェニルシラン、及びオクタデシルシランからなる群から選択されたものである、(1)に記載の組成物。
(18) 成分(C)が、H 3 Si(CH 2 ) u SiH 3 (式中、uは約1〜約20である)及びC 6 H 4 (SiH 3 ) 2 のオルト、メタ、及びパラ異性体からなる群から選択されたものである、(1)に記載の組成物。
(19) 成分(C)が、H 3 SiOSi(CH 3 ) 3 、H 3 SiOSi(C 5 H 11 ) 3 、H 3 SiOSi(C 2 H 3 )(CH 3 ) 2 、H 3 SiOSi(C 2 H 3 ) 3 、H 3 SiO[Si(CH 3 ) 2 O] 4 SiH 3 、及びH 3 SiO[Si(Ar) 2 O] 3 Si(C 3 H 5 )(C 8 H 17 ) 2 からなる群から選択されたものである、(15)に記載の組成物。
(20) aが0〜約100の数である、(15)に記載の組成物。
(21) 成分(C)の量が約0.01重量%〜約1.0重量%である、(1)に記載の組成物。
(22) 成分(C)の量が約0.05重量%〜約0.5重量%である、(1)に記載の組成物。
(23) 成分(D)が、白金族金属、又はそのような金属の化合物である、(1)に記載の組成物。
(24) 成分(D)が、付加硬化ヒドロシレーション触媒である、(1)に記載の組成物。
(25) 成分(E)が、式:
(式中、RはC 1 〜C 20 飽和基であり、pは約50〜約1,500である。)
によって表される、(2)に記載の組成物。
(26) pが100〜約500である、(25)に記載の組成物。
(27) 成分(E)の粘度が成分(A)の粘度より小さい、(2)に記載の組成物。
(28) 成分(E)が、ヒドロシレーションを受けることができる不飽和基及びシラノール基を実質的に含まない、(2)に記載の組成物。
(29) 成分(E)が、
(式中、sは約0.1〜約50であり、
tは約20〜約1,500であり、
wは約20〜約1,500であり、
Meは、メチルであり、そして
Arはアリール基である。)
からなる群から選択されたものである、(2)に記載の組成物。
(30) 成分(E)の量が、約70重量%〜約85重量%である、(2)に記載の組成物。
(31) 更に一時的触媒抑制剤を含む、(1)に記載の組成物。
(32) 一時的触媒抑制剤が、アセチレン系アルコール、環式メチルビニルシロキサン、アルキニルシラン、共役エニン、及びマレイン酸エステルからなる群から選択されたものである、(31)に記載の組成物。
(33) 更に補強用無機充填剤、非補強用無機充填剤、及び(又は)チキソトロピー添加剤を含む、(1)に記載の組成物。
(34) 顔料及び(又は)染料を更に含む、(1)に記載の組成物。
(35) (A) 1分子当たり少なくとも2個の不飽和炭化水素基を有し、式:
R′−SiR 2 −O(SiR 2 −O) n −SiR 2 −R′
(式中、RはC 1 〜C 12 飽和基であり、R′は、ヒドロシレーション反応を受けることができるC 1 〜C 12 不飽和基であり、nは約200〜約2,000である。)
によって表されるポリジオルガノシロキサンで、(A)の量は約10重量%〜80重量%であり、
(B) 1分子当たり少なくとも3個のSi−H結合を有し、式:
(式中、RはC 1 〜C 12 飽和基であり、xは約1〜約100であり、yは少なくとも3であり、eとgの合計は少なくとも3であり、aは約0〜約100であり、c、d、e、f、及びgは正の数である。)
によって表されるポリオルガノヒドロシロキサンで、(B)の量は約0.4重量%〜約10重量%であり、
(C) 少なくとも一つの−SiH 3 基を有し、式:
R 4 (SiH 3 ) k 、
H 3 Si(CH 2 ) u SiH 3 、
Ar(SiH 3 ) m 、
H 3 SiOSiR 5 3 、
H 3 SiO(SiR 5 2 O) a SiH 3 又は
H 3 SiO(SiR 5 2 O) a SiR 5 3
(式中、R 4 はC 3 〜C 20 炭化水素基であり、R 5 はC 1 〜C 20 炭化水素基であり、Arはアリール環であり、k及びmは少なくとも1であり、uは約1〜約20であり、aはどのような正の数でもよい。)
によって表される化合物で、(C)の量は約0.01重量%〜約1.0重量%であり、
(D) 有効な量のヒドロシレーション触媒、及び
(E) 式:
(式中、RはC 1 〜C 12 飽和基であり、pは約50〜約1,500である。)
によって表されるポリジオルガノシロキサン化合物で、(E)の量は約30重量%〜約90重量%であり、
(A)、(B)、(C)、及び(E)の量は互いに相対的なものである、
諸成分からなる組成物。
(36) (1)に記載のポリジオルガノシロキサン組成物及び補綴袋からなる、外用胸部補綴材。
(37) 袋がポリウレタン・ポリエステルフイルムからなる、(36)に記載の補綴材。
(38) (1)に記載の組成物を硬化することにより製造された生成物。
(39) シロキサン組成物の基体に対する接着を促進する方法において、前記シロキサン組成物を前記基体に接触させて硬化することからなり、然も、前記シロキサン組成物が、
(A) 1分子当たり少なくとも2つの不飽和炭化水素基を有するポリジオルガノシロキサン、
(B) 1分子当たり少なくとも3つのSi−H結合を有するポリオルガノヒドロシロキサン、
(C) 少なくとも一つの−SiH 3 基を有する化合物、及び
(D) 有効な量のヒドロシレーション触媒、
からなり、然も(A)の量は約10重量%〜95重量%であり、(B)の量は約0.1重量%〜約50重量%であり、(C)の量は約0.01重量%〜約5.0重量%であり、(A)〜(C)の量は、互いに相対的なものである、接着促進方法。
(40) シロキサン組成物が、更にポリジオルガノシロキサン化合物である化合物(E)を含み、然も、前記(E)の量が、約30重量%〜約90重量%であり、(A)、(B)、(C)、及び(E)の量が互いに相対的な量である、(39)に記載の方法。
(41) 成分(A)、(B)、及び(C)、を混合し、成分(D)をその後で添加する、(39)に記載の方法。
(42) 成分(A)、(B)、(C)、及び(D)を、硬化する前に二つの部分からなる配合物として組合せ、前記二部配合物の第一部分が成分(C)を含み、前記二部配合物の第二部分が成分(D)を含む、(39)に記載の方法。
(43) ヒドロシリル化反応で触媒活性を一時的に抑制する方法において、
(A) 1分子当たり少なくとも2つの不飽和炭化水素基を有するポリジオルガノシロキサン、
(B) 1分子当たり少なくとも3つのSi−H結合を有するポリオルガノヒドロシロキサン、
(C) 少なくとも一つの−SiH 3 基を有する化合物、及び
(D) 有効な量のヒドロシレーション触媒、
からなり、然も(A)の量は約10重量%〜95重量%であり、(B)の量は約0.1重量%〜約50重量%であり、(C)の量は約0.01重量%〜約5.0重量%であり、(A)〜(D)の量は、互いに相対的なものである、
諸成分からなるシロキサン組成物を硬化することからなる抑制方法。
(44) シロキサン組成物が、ヒドロシレーションを受けることができる不飽和基及びシラノール基を本質的に含まない直鎖又は分岐鎖ポリジオルガノシロキサン化合物である化合物(E)を更に含み、然も、前記(E)の量が、約30重量%〜約90重量%であり、(A)、(B)、(C)、及び(E)の量が互いに相対的な量である、(43)に記載の方法。
(45) 成分(A)、(B)、及び(D)を混合し、成分(C)をその後で添加する、(43)に記載の方法。
(46) 成分(A)、(B)、(C)、及び(D)を、硬化する前に二つの部分からなる配合物として組合せ、前記二部配合物の第一部分が成分(C)を含み、前記二部配合物の第二部分が成分(D)を含む、(43)に記載の方法。
(47) 基体へのシロキサン組成物の接着を促進する方法において、
少なくとも一つの−SiH 3 基を有する化合物を含む第一組成物で基体を下塗りし、
前記第一組成物で下塗りした基体を、
(A) 1分子当たり少なくとも2つの不飽和炭化水素基を有するポリジオルガノシロキサン、
(B) 1分子当たり少なくとも3つのSi−H結合を有するポリオルガノヒドロシロキサン、及び
有効な量のヒドロシレーション触媒、
からなり、然も(A)の量は約10重量%〜95重量%であり、(B)の量は約0.1重量%〜約50重量%であり、少なくとも一つの−SiH 3 基を有する化合物の量は約0.01重量%〜約5.0重量%であり、(A)、(B)及び前記化合物の量は互いに相対的なものである、
諸成分からなるシロキサン組成物と接触させ、そして
前記基体と接触した前記シロキサン組成物を硬化する、
諸工程からなる接着促進方法。
(48) シロキサン組成物が、ヒドロシレーションを受けることができる不飽和基及びシラノール基を本質的に含まない直鎖又は分岐鎖ポリジオルガノシロキサン化合物である化合物(E)を更に含み、然も、前記(E)の量が、約30重量%〜約90重量%であり、第一組成物、(A)、(B)、及び(E)の量が互いに相対的な量である、(47)に記載の方法。
Claims (10)
- (A) 2,000〜2,500センチストークスの粘度を有する末端ビニルシロキサン流体と60,000〜70,000センチストークスの粘度を有する末端ビニルシロキサン流体との混合物である、1分子当たり少なくとも2つの不飽和炭化水素基を有するポリジオルガノシロキサン、
(B) MD 43.2 D′ 6.8 M、又は、MD 15 D′ 5.5 M、又は、MD 20 D′ 3.2 Mの式を有する化合物〔M=(CH 3 ) 3 SiO 1/2 ;D=(CH 3 ) 2 SiO;D′=CH 3 SiHO〕である、1分子当たり少なくとも3つのSi−H結合を有するポリオルガノヒドロシロキサン、
(C) n−C 8 H 17 SiH 3 の式を有するオクチルシランである、少なくとも一つの−SiH3基を有する化合物、及び
(D) 有効な量のヒドロシレーション触媒、
からなり、然も(A)の量は15重量%〜35重量%であり、(B)の量は0.4重量%〜10重量%であり、(C)の量は0.01重量%〜1.0重量%であり、(A)〜(C)の量は、互いに相対的なものである、組成物であって、
350センチストークスの粘度を有するトリメチルシロキシ末端ジメチルシロキサンである、ヒドロシレーションを受けることができる不飽和基及びシラノール基を本質的に含まない直鎖又は分岐鎖ポリジオルガノシロキサン化合物である化合物(E)を更に含み、然も、前記(E)の量が、30重量%〜90重量%であり、(A)、(B)、(C)、及び(E)の量は互いに相対的な量であり、
成分(A)が、式:
R′−SiR2−O(SiR2−O)n−SiR2−R′
(式中、Rは、メチル、エチル、フェニル、トリル、トリフルオロプロピル、及びヘプタフルオロプロピルからなる群から選択されたものであり、R′は、ビニル、アリル、ビニルシクロヘキシル、スチリル、及びプロパルギルからなる群から選択されたものであり、nは200〜2,000であり)
で表され、
成分(D)が、白金族金属、又は前記白金族金属の化合物であり、
成分(D)が、付加硬化ヒドロシレーション触媒であり、
成分(E)の粘度が成分(A)の粘度より小さい、
前記組成物。 - 成分(A)が、実質的にシラノール基を含まない、請求項1に記載の組成物。
- 成分(C)の量が0.05重量%〜0.5重量%である、請求項1に記載の組成物。
- 成分(E)の量が、70重量%〜85重量%である、請求項1に記載の組成物。
- アセチレン系アルコール、環式メチルビニルシロキサン、アルキニルシラン、共役エニン、及びマレイン酸エステルからなる群から選択された少なくとも1つの一時的触媒抑制剤を更に含む、請求項1に記載の組成物。
- 更に補強用無機充填剤、非補強用無機充填剤、及び(又は)チキソトロピー添加剤を含む、請求項1に記載の組成物。
- 顔料及び(又は)染料を更に含む、請求項1に記載の組成物。
- 請求項1に記載のポリジオルガノシロキサン組成物及び補綴袋からなる、外用胸部補綴材。
- 袋がポリウレタン・ポリエステルフイルムからなる、請求項8に記載の補綴材。
- 請求項1に記載の組成物を硬化することにより製造された生成物。
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