JP2997210B2 - 接着剤ゲルに架橋され得るシリコーン組成物 - Google Patents

接着剤ゲルに架橋され得るシリコーン組成物

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水素置換基及びエ
チレン式不飽和基即ちアルケニル基特にビニル型のもの
が関与する付加又はヒドロシリル化反応によって架橋す
ることができるポリオルガノシロキサン(POS)基材
組成物に関する。ヒドロシリル化は、一般には、金属化
合物例えば白金型化合物によって触媒される。より具体
的に言えば、本発明は、室温においてヒドロシリル化に
よって接着剤ゲルに架橋させることができるシリコーン
組成物に関するものである。
【0002】また、本発明は、上記の組成物の架橋から
得られるゲルに関する。本発明において、用語「シリコ
ーンゲル」は、例えば10〜50mmの針入度によって
特徴づけられる架橋シリコーン生成物を表わす(AST
M D−217針入度測定法)。最後に、本発明は、か
かるシリコーンゲルを得るための貯蔵可能な前駆物質系
に関する。
【0003】
【従来の技術】これらの半固体で半液体のゲルは、これ
まで、振動、機械的衝撃及び温度に、そして一般には周
囲温度による物理的及び化学的攻撃に敏感な電子装置を
保護するのに使用されている。この用途で使用されるた
めには、シリコーンゲルは、電子部品を封入(注封)
し、そしてそれらの防振性、誘電性、絶縁性及び熱除去
能が特に利用される。また、これらのゲルは、保護され
るべき敏感な部材を含む基体及び/又はかかる部材それ
自体に対してある程度の接着性を有することが極めて望
ましい。これは、接着が注封の有効性を保証するためで
ある。というのは、それは、攻撃する外部の媒体に対し
て絶縁を補充するからである。シリコーンゲルに期待さ
れる他の規格は、工業的な実施可能性及び採算性並びに
使用の容易さに対して関係する高い架橋速度である。最
後に、この用途においてシリコーンゲルを暴露させる可
能性がある極端な条件特に温度条件を与える場合には、
これらのゲルは、極めて低い温度(−60℃)において
それらの物理化学的特性、特に、それらのゲル組織をそ
れに関係するすべての粘弾性と共に保持しなければなら
ない。
【0004】敏感な電子部品に対するこの封入及び保護
の用途の他に、シリコーンゲルは、他の用途もあるけれ
ども、 ・それらの接着性が有意である限り、接着剤として、 ・衝撃吸収材として、 ・基本的な医療材料、特に人工補装器及び移植材料を作
るためのものとして、 ・二次セメントとして又はシールマスチックとして、も
使用されることができる。
【0005】米国特許4072635に開示されるよう
に、シリコーンゲルは、従来は、 ・末端シロキシル単位又は基M=R2ViSiO1/2、単位D=
R2 SiO2/2 及びRViSiO2/ 2 並びにシロキシル単位T(シ
リコーン樹脂トピックス)=RSiO3/2 [ここで、Rはメ
チル(Me)又はフェニル(Phe )基に相当しそしてViは
ビニル基を表わす]を含有する共重合体によって形成さ
れそして25℃で10〜10,000センチストークの
粘度を有するポリオルガノシロキサン、 ・式XRMeSiO(R2SiO)x - (RHSiO)mSiMeRX(ここで、Rは
先に規定した通りでありそしてXはH又はRに相当す
る)を有するポリヒドロゲノオルガノシロキサン液、及
び ・白金基材触媒、を本質上含む混合物中で行われるヒド
ロシリル化反応の生成物として形成されている。
【0006】この米国特許は、水素を有しないPOSの
両端におけるビニル官能基(ヒドロシリル化反応性官能
基)の存在下における正確な架橋速度の達成に関するも
のである。
【0007】鎖の端部及びに内部にビニル基を有するこ
れらのPOSから、また鎖の端部及びに内部にも水素を
有するPOSから得られたゲルはかなりの速さの架橋速
度を有するが、しかしこの架橋速度は、弾性、経時及び
低温でのこれらの弾性の安定性、並びにこれらのゲルで
確証された低い粘着性に関して該ゲルの不適切性を隠す
ことができない。
【0008】ヨーロッパ特許出願69451からPOS
シリコーンゲルも知られているが、この意図する用途は
電子集成部品の封入(注封)である。この特許出願の課
題である発明の目的は、本質的には、室温又はそれより
も高い温度での急速な架橋から得られそして低温物理的
安定性を示す誘電性シリコーンゲルを提供することであ
る。それ故に、この目的を達成するために、この発明者
等は、次の化合物 ・80〜96.5モル%のシロキシル単位D=(CH3)2Si
O 、2〜10モル%のシロキシル単位T=CH3SiO3/2
1.25〜6モル%の末端シロキシル単位M=(CH3)3Si
1/2 及び0.25〜4モル%の末端シロキシル単位M=
(CH3)2(CH2=CH)Si1/2 を含むポリオルガノシロキサン、
及び ・珪素原子あたり1個よりも多くの水素原子を有さずそ
してメチル型のアルキル基で又はフェニル若しくは3,
3,3−トリフルオルプロピル残基によって置換された
水素含有ポリオルガノシロキサン(SiO/SiVi比は0.2
〜5である)、及び ・白金基材触媒、の緊密な混合物によって形成される架
橋性ポリオルガノシロキサン組成物を提案している。
【0009】この従来技術の文献は、ゲルの低温安定性
に関してタイプT=MeSiO3/2のシロキシ単位の必須特性
を強調していることに注目される。その上、この文献
は、これらの公知の組成物から調製されたシリコーンゲ
ルの可能性のある接着性に関しては何ら言及していな
い。要するに、この従来技術の提案は、物理的安定性、
防振能及び高い架橋速度の総合規格を満たすのに完全に
は満足でないことを証明している。更に、それは粘着性
については何ら言及していない。
【0010】ヨーロッパ特許出願532362に記載さ
れる発明の動機も、シリコーンゲルの粘着性の探求では
なかった。これに記載されるシリコーンゲル組成物は、 A.90〜97モル%の単位D=R(CH3)SiO2/2、0.1
〜2.5モル%の単位T=RSiO3/2 及び0.1〜4モル
%の末端単位M=(CH3R)Si1/2 (ここで、R=メチル、
フェニル又はCF3CH2CH2-基、但し、残りの2個のR基は
R基の全体の0.5〜10モル%を表わすものとする)
を含むポリオルガノシロキサン、 B.分子当たり少なくとも1個のSiH を含みしかもSiF/
SiVi比が0.5〜1.5であるポリヒドロゲノオルガノ
シロキサン、及び C.白金基材触媒、を含有する。
【0011】水素を含有するBのPOSは、α,ω−
(ジメチルヒドロゲノシロキシ)ポリ(ジメチルシロキ
シ)型のPOSによって、そして場合によってはα,ω
−(ジメチルヒドロゲノシロキシ)ポリ(メチルヒドロ
ゲノシロキシ)ポリ(ジメチルシロキシ)型のPOSに
よって形成されることができる。この出願では、一方に
おいてα,ω−ビニル−及びフェニル置換POSと、他
方において鎖中に且つ鎖端に水素を含有するPOSとの
混合物のみの例が与えられているだけである。使用され
るAのPOSの粘度は1000mPa.s 程度であるが、こ
れに対してゲルの調製に使用されるBのPOSの粘度は
100mPa.s 程度である。低温でのゲルの物理的安定性
の促進剤としてここで使用されるT(樹脂)単位の存在
は、この従来技術の提案の必須特性のうちの1つであ
る。最後に、問題のゲルの接着性については何ら言及さ
れていないことを強調したい。
【0012】米国特許5371163からもシリコーン
組成物が知られているが、これは、低い粘度を有し、ゲ
ルに架橋されることができ、そして次の化合物、 ・A.SiVi(α,ω−ビニルポリジメチルシロキサン)
型のPOS、 ・B.SiH 型のエキステンダーPOS又はα,ω−(C
H3)2HSiO型のPOS ・C.SiH ( 又はSiVi) 型の架橋剤POS、及び ・ヒドロシリル化触媒(Pt)、を含むが、但し、珪素
原子に結合した水素原子の数はエキステンダーB及び架
橋剤C(SiH(B)/[SiH(B)+SiH(C)])に存在する水素原子
及びビニル基の水素原子の数の80%以上を表わし、そ
してSiH(B)/SiVi(A) モル比は0.8〜1.2であるも
のとする。
【0013】この組成物は、ヒドロゲノ型ヒドロシリル
化反応性官能基(これらは化合物Aにおいてビニル基と
相補的である)に関してエキステンダーの高いSiH(B)/
[SiH(B)+SiH(C)]の優勢、数値で>80%によって特徴
づけられる。加えて、エキステンダーのSiH /基本PO
SのSiVi比は比較的高いことに注目されたい。これらの
構造上の特性は、多分、防振性、低温及び高温物理的安
定性、架橋速度及び誘電性に関するこの組成物及びこれ
らから得られるゲルの平均性能の原因の少なくとも一部
分になっている。なお、この組成物は、接着剤ゲルを得
ることができない。
【0014】最後に、特願平6−16942を挙げるこ
とができるが、これは、SiVi型のPOS、SiH 型のPO
S、シラン型(モノカルボキシル化アルコキシシラン)
の接着促進剤及び白金基材触媒を含みそしてゲルに架橋
させ得るシリコーン組成物を記載している。この組成物
のSiH /SiVi比は0.2〜0.3である。この出願は、
立証されていない接着性に関して仮定をなしている。更
に、接着促進性シランの存在は、この組成物を架橋させ
ることによって得られるゲルの他の特性に対して望まし
くない影響を及ぼす可能性がある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】この知識の状態におい
て、本発明の必須目的のうちの1つは、ヒドロシリル化
によってゲルに架橋させ得るシリコーン組成物であっ
て、少なくとも従来技術の製品で期待される品質、即
ち、防振性、速い架橋速度、ゲルの低温物理的安定性、
及び工業的実施可能性を持つシリコーンゲルをもたらす
シリコーン組成物を提供することである。本発明の範囲
内におけるこれらの望ましい特性は、これまで得られた
ものよりも一層優れている。更に、向上した接着性(粘
着性)を有するシリコーンゲルを得ることが意図される
が、これらは、敏感な電子装置を保護するためのゲルの
用途に、また医療及び理学療法用途においても特に望ま
しい。
【0016】本件発明者は、この目的を達成するために
広範囲の研究及び多くの実験を行った。この結果とし
て、全く驚いたことに、予想外にも、本件発明者は、注
意深く選択した量的条件下に特定の水素含有ポリオルガ
ノシロキサンをゲルの前駆物質シリコーン組成物中に導
入するのが望ましいことを見い出した。この特定の水素
含有POSは、実際に、組成物中の他のPOSと完全に
相容性である(混乱をもたらす接着促進剤とは反対に)
機能性添加剤である。この添加剤は、架橋間に網状構造
のセルの寸法を増大させるという効果を持つエキステン
ダーとして働く。
【0017】本発明の他の目的は、製造するのが簡単で
あり、安価であり、貯蔵安定性であり、しかも最終のユ
ーザーが現場でゲルに変換させる直前に使用するのが容
易である接着剤ゲル前駆物質シリコーン組成物を提供す
ることである。
【0018】本発明の更に他の目的は、上記種類の組成
物を基材とする接着剤シリコーンゲル前駆物質系を提供
することである。かかる系は、貯蔵安定な形態でなけれ
ばならず、しかも取扱いが容易で且つゲルの製造に使用
するのが容易でなければならない。
【0019】本発明の更に他の目的は、 ・電子装置を封入して保護する手段として(注封、即
ち、浸没、又は被覆若しくは外装)、 ・有用な医療材料として、例えば、移植材料、人工補装
器、二次セメント等の製造用の、又は整形外科用品若し
くは理学療法用品の製造用の医療材料として、 ・シールモルタル及び/又はマスチックとして、及び ・接着剤として、等の上記組成物及びゲルの用途を提供
することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】発明の開示 これらの目的は、 (I) △タイプM=(R)(Fhr)SiO1/2 [式中、 ・Rは互いに同種又は異種であり、そして置換若しくは
未置換アリール及び/又はC〜C線状若しくは分岐
状アルキル基に相当し、 ・Fhrはアルケニル基に相当する]の末端シロキシル
単位、及び △タイプD=(R(Fhr)SiO2/2 [式中、Fhrは先に規定した通りであり、RはRと
同じ規定を満足し、p=1又は2、q=0又は1、そし
てp+q=2]の同種又は異種のシロキシル単位、を含
有する少なくとも1種のポリオルガノシロキサンPOS
(I)、 (II) △末端シロキシル単位M=(Fhr)(RSiO1/2 [式中、 ・Fhrは水素に相当し、 ・RはRと同じ規定を満足し、 ・s=0、1、2又は3、t=0、1、2又は3、そし
てs+t=3]、及び △同種又は異種のシロキシル単位D=(Fhr)(RSiO2/2 [式中、 ・Fhrは水素に相当し、 ・RはRと同じ規定を満足し、 ・u=0、1又は2、v=0、1又は2、そしてu+v=2]、 を含む少なくとも1種のポリオルガノシロキサンPOS
(II)(但し、POS(II)のD単位のうちの少な
くとも1個はFhr(u=1、=1)を有するものと
する)、 (III) △末端シロキシル単位M=(Fhr)(RSiO1/2 [式中、 ・Fhrは水素に相当し、 ・RはRと同じ規定を満足し、 ・w=1、2又は3、x=0、1又は2、そしてw+x
=3]、及び△シロキシル単位D=(RSiO
2/2 [式中、 ・RはRと同じ規定を満足する]を有する少なくとも
1種のポリオルガノシロキサンPOS(III)(“エ
キステンダーPOS”と称する)(このPOS(II
I)のFhrは、 ・それらが少なくともポリオルガノシロキサンPOS
(I)の末端M単位のFhrと反応し、そして ・比率r1=[(POS(III)中のFhrの数)]
/[(POS(II)+POS(III)中のFhrの
数)]×100が80%未満、好ましくは50%以下、
そしてより好ましくは0.5〜30%になる、 ように選択される)、 (IV) POS(I)に対する希釈剤として特に有用
でありそして末端シロキシル単位M=(RSiO
1/2及びシロキシル単位D=(RSiO2/2
(式中、R、Rは互いに同種又は異種であり、そし
てRと同じ規定を満足する)を含有する随意成分として
の少なくとも1種のポリオルガノシロキサンPOS(I
V)、及び (V) 有効量の、好ましくは白金型のヒドロシリル化
触媒、を含むことを特徴とするヒドロシリル化によって
接着剤ゲルに架橋させ得るシリコーン組成物、に関する
本発明によって達成される。
【0021】
【発明の実施の形態】これらの特定的に選択されるPO
Sの使用は、向上した特性を有するシリコーンゲルを得
ることを可能にするが、このうちの幾つかのものについ
て以下に記載する。
【0022】先ず第一に、これらのゲルの架橋速度は高
く、しかして特に環境条件に敏感な電子部品の注封適用
に対して工業的実施可能性及び採算性の要件を満足する
ものである。
【0023】加えて、本発明に従った組成物から作った
ゲルの粘弾性は、所望の半固体/半液体の状態に十分に
対応する。この状態は、衝撃や振動の完全吸収を可能に
する適当な減衰性を提供するのに好適である。
【0024】更に、得られたゲルは、外部条件特に温度
条件が何であろうとも安定であるという利点を有する。
特に、これらは低温に十分に耐え、しかしてそれらのゲ
ル化した組織は低温によって影響されない。
【0025】本発明に従った組成物及びゲルのこれらの
特性は、T単位を含むPOSの必要な不在にもかかわら
ず得られるが、このことは従来技術の教示とは相反する
ものである。
【0026】最後に、とりわけ、本発明の組成物の大き
な利益のうちの1つは、それらが付着性又は粘着性シリ
コーンをもたらすことである。これは、特にエポキシ及
びアルミニウム基体に対するそれらの接着性が公知のゲ
ルと比較して向上されるという事実によって表わされ
る。いかなる理論によっても拘束されることを望まない
が、この接着性の向上は、問題の組成物中でのエキステ
ンダー(III )の存在に恐らく関係していると思われ
る。
【0027】このエキステンダー(III )(これはその
両端にのみFhr を含むのが好ましい)は、POS(I)
の所有である Fhr(相補的な)と反応するという目的を
有する。実際に、エキステンダー(III )は、架橋した
網状構造のセルの増大をもたらし、しかしてそれ自身P
OS(I)中に結合する。かくして、エキステンダー
(III )は、ゲルの弾性モジュラスや損失モジュラスの
向上をもたらし、その上、得られる tanδは実質状1に
等しい値を有する。
【0028】その上、多くの基体に対するゲルの接着性
は有意に向上される。この性能は、接着性を評価するた
めの所定の剥離試験のわく内において、公知のゲルの場
合のように界面で起こるいわゆる接着層破損ではなく、
正にゲル内で起こるいわゆる凝集破損が生じるような点
に達した。これは、本発明に従ったゲルの接着性に関す
る特に明確な特徴である。
【0029】この接着性の向上は、本発明の組成物及び
ゲルの他の特性の低下を引き起こさないことに注目する
ことが重要である。特に、この特性を得るために1種以
上の接着促進剤を含むある種の接着性シリコーンゲルで
起こることとは違って、ゲルの耐熱性が阻害されない。
【0030】エキステンダー(III )の存在及び特定の
比率r1の使用の他に、本発明は、特定のPOS成分の
選択及び該成分に関してのある量の選択に依存する。
【0031】かくして、POS(I)は、組成物の“構
成”成分と又は主成分と見なすことができる。有益に
は、それは主成分である。
【0032】好ましくは、それが含有するところのヒド
ロシリル化反応性官能基( Fhr)は水素又はアルケニル
のどちらかの単一型のものであり、そしてアルケニル基
の中ではビニル基が最も普通に使用されるものである。
これらは、水素と付加機構でよく反応する。
【0033】より好ましくは、POS(I)は、その鎖
内ではなくその両端においてのみ Fhrを有する(D単位
においてq=0)。本発明の好ましい具体例では、PO
S(I)は、D単位において Fhr=Vi及びq=0を有す
る。
【0034】この好ましい具体例の変形例に従えば、P
OS(I)の末端 Fhrは水素に相当し、また式(I)に
おいてq=0である。
【0035】実施に当たって、使用するのが望ましいP
OS(I)は、好ましい具体例ではα,ω−(ジメチル
ビニルシロキシ)ポリジメチルシロキサン、そして変形
例ではα,ω−(ジメチルヒドロゲノシロキシ)ポリジ
メチルシロキサンである。
【0036】かかるPOS(I)は市場で入手可能であ
る(例えば、ローヌ・プーラン社から商品名「RHODORSI
L 621 V 」)。
【0037】POS(II)に関して言えば、これは組成
物の架橋剤にたとえることができ、そして好ましくは単
一型の Fhrを含有するが、これらは鎖内にそして場合に
よっては鎖端に分布されるのが好ましい(この場合で
は、Fhr を有するD単位ではu=1又は2、そしてM単
位ではs≧1好ましくはs=1)。
【0038】好ましい具体例の範囲内では、POS(I
I)の Fhrは水素であり、そして有益には鎖内及び両端
の両方に見られる。変形例では、ペンダント及び末端 F
hrはビニル基(Vi)によって表わされる。
【0039】好ましくは、POS(II)には2つの異な
るタイプのD単位が存在するが、しかしながら、POS
(II)のD単位について先に記載した式中のu及びvの
組み合わせが許容する範囲の数のD単位が存在すること
は排除されない。
【0040】POS(II)の例として、好ましい具体例
では
【化1】 、そして変形例では
【化2】 を挙げることができる。
【0041】これらのPOS(II)は、例えばローヌ・
プーラン社からの商品名「RHODORSIL 626 V 300 H1.7」
のような市販品であり、そしてそれらの構造及び合成法
は技術文献に広く記載されている。
【0042】有益には、本発明の Fhrは、 ・Fhr=Vi及びその相補的なFhrc=Hか、又は ・Fhr=H 及びFhrc=Vi のどちらかである。Fhr 及びFhrcはPOS(I)及び
(II)中において不均一で且つランダムに分布されるこ
とが考えられる。しかしながら、有益には、POS
(I)、(II)及び( III)の各々の Fhrは互いに同じ
であり、そしてPOS(I)のFhr はPOS(II)及び
(III )のものとは異なる[相補的なFhr、FHRC]。
【0043】エキステンダー(III )は、有益にはその
末端Mシロキシル単位のみFhr を有するポリオルガノシ
ロキサン(POS)である。好ましくは、それは、PO
S(I)よりもずっと低い粘度、例えばPOS(II)の
ものの程度の粘度を有する。エキステンダーPOS(II
I )の末端Fhr は、それらがPOS(I)のFhr と優先
的に反応するように選択されるのが好ましい。それ故
に、この目的に対しては、限定するものではないが、P
OS(III )のこれらのFhr は1つのタイプのみでPO
S(I)のものと相補的であることが望ましい。従っ
て、これらのFhr は一般には且つ有益には架橋剤POS
(II)のものと同じタイプである。好ましい具体例で
は、POS(III )のFhr は水素によって表わされ、こ
れに対してそれらは変形例ではビニルに相当する。
【0044】数比r1=[POS(III )のFhr ]/
[POS(II)及びPOS(III )のFhr ]×100
(これは、<80%そして好ましくは≦50%、より好
ましくは0.5%≦r1≦30%である)は、本発明の
組成物の重要パラメーターのうちの1つである。
【0045】実際に、この比率は、POS(III )によ
る架橋網状構造中のセルの寸法の増大の大きさを定め
る。この比率r1は20重量%未満そしてより好ましく
は約5±2重量%であるのが有益である。
【0046】POS(III )の実例としては、好ましい
具体例では ・α,ω−(ジメチルヒドロゲノシロキシ)ポリ(ジメ
チルシロキシ)、そしてこの好ましい具体例の変形例で
は ・α,ω−(ジメチルビニルシロキシ)ポリ(ジメチル
シロキシ)、を挙げることができる。本発明の組成物中
に使用することができるPOS(III)の構造及び製造
法は、従来技術の文献に更に広く例示されている。PO
S(III )として使用することができる市販品の一例と
しては、ローヌ・プーラン社からの商品名「RHODORSIL
620 H2」を挙げることができる。
【0047】本発明の随意であるがしかし有益である具
体例に従えば、POS(I)は、M及びD単位を含有す
るPOS(IV)(ここで、R6 及びR7 置換基はPOS
(I)の置換基R及びR1 と同じタイプのものであるの
が好ましい)を使用して希釈される。より好ましくは、
6 =R7 =R=R1 =CH3 である。このPOS(I
V)は、例えば、α,ω−(トリメチルシロキシ)ポリ
ジメチルシロキシ油よりなる。
【0048】この種のPOSは市場で容易に入手でき、
例えば、ローヌ・プーラン社から商品名「RHODORSIL 47
V 100」の下に販売される製品として入手できる。希釈
剤POS(IV)の選択はPOS(I)の種類に応じて自
然になされ、そして定義によればPOS(IV)はPOS
(I)のそれよりも低い粘度を有することが明らかであ
る。かくして、本発明の好ましい特徴に従えば、組成物
は、本質上線状の構造及びPOS(I)のそれよりも低
い動的粘度、好ましくはPOS(I)のそれよりも少な
くとも20倍低くそしてより好ましくは5倍低い動的粘
度を有する少なくとも1種のPOS(IV)を含む。
【0049】組成物のPOS(I)〜(III )の各々に
存在するFhr 及びFhrcの割合が厳密なものではないこと
は言うまでもないことである。この限定的でない例を以
下に記載する。 ・POS(I):Fhr=Vi及び/又はHは、0.01〜1
0重量%好ましくは0.05〜1重量%の割合でそして
より好ましくは約0.1重量%の割合で存在する。 ・POS(II):Fhr=H及び/又はViは、0.01〜1
0重量%好ましくは0.1〜1.5重量%の割合でそし
てより好ましくは約0.7重量%の割合で存在する。 ・POS(III ):Fhr=H及び/又はViは、0.01〜
10重量%好ましくは0.5〜1重量%の割合でそして
より好ましくは約0.2重量%の割合で存在する。
【0050】触媒(V)は、本発明に従った組成物中の
他の重要な成分である。好ましくは、これは、白金の有
機金属錯体、又はSiH 残基とSiVi残基との間のヒドロシ
リル化反応を触媒するのに慣用される白金基材触媒のう
ちの1つである。これらの例としては、他にもあるが、
白金黒、塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、塩化
白金酸とオレフィン、アルデヒド、ビニルシロキサン又
はアセチレン系アルコールとの錯体等を挙げることがで
きる。米国特許2823218は塩化白金酸型のヒドロ
シリル化触媒を開示し、そして米国特許3419593
は塩化白金酸とビニルシロキサン型のオルガノシリコー
ンとの錯体によって形成される触媒に関する。米国特許
3159601及び3159662には、ヒドロシリル
化触媒として有用な白金と炭化水素との錯体が開示され
ている。米国特許3723495は白金アセチルアセト
ネートを開示し、そして米国特許3220972の課題
は白金アルコラートを基材とする触媒である。
【0051】使用するのに触媒的に有用な量に関して言
えば、当業者は、架橋を促進させるための触媒の最適な
量を完全に決定することができることは言うまでもない
ことである。この本質は、特に触媒の種類及び問題のP
OSに左右される。より特定的に言えば、これはPOS
(I)100重量部当たり0.1〜40ppm(例え
ば、15ppm)であることを示すことができる。
【0052】POS(I)〜(IV)の他の有益な特徴を
言えば、それらは実質上線状の構造を有するのが有益で
あることを示すことができる。
【0053】また、本発明に従った組成物中のPOSの
粘度は、特に、この組成物を取扱う容易さ及びこの組成
物を架橋させることによって得ることができるゲルの粘
弾性に関して考慮しなければならないパラメーターであ
る。本発明の有益な具体例に従えば、POS(I)は実
質上線状であり、そして500,000mPa.s 以下そし
て好ましくは1,000〜200,000mPa.s の動的
粘度を有し、及び/又はPOS(II)は実質上線状であ
り、そして100,000mPa.s 以下、好ましくは1,
000mPa.s 以下、そしてより好ましくは10〜100
mPa.s の動的粘度を有し、及び/又はPOS(III )は
実質上線状であり、そして100,000mPa.s以下、
好ましくは1,000mPa.s 以下、そしてより好ましく
は10〜100mPa.s の動的粘度を有する。
【0054】本発明に従った付着性シリコーンの流動学
的特性及び接着性に影響を及ぼす他のパラメーターは、
数比: r2=[POS(II)及びPOS(III )のFhr ]/
[POS(I)のFhrc] (ここで、Fhrc=Fhr と相補的な即ちそれと反応性のFh
r )である。
【0055】一方における架橋剤(II)及びエキステン
ダー(III )のFhr そして他方における構造POS
(I)の相補的なFhr は、本発明に従って架橋網状構造
及びゲルを形成するのに一緒に反応させることができる
ものである。有益には、このモル比r2は、0.8以
下、好ましくは0.1〜0.7そしてより好ましくは
0.3〜0.6である。
【0056】本発明の好ましい具体例の範囲内では、 数比r2=[Fhr=水素(II+III)]/[Fhrc= ビニル
(I)] は0.8以下、そして好ましくは0.4〜0.55であ
る。
【0057】実施に当たって、本発明の好ましい具体例
に従った組成物は、 ・POS(I)が、M単位(ここで、R=CH3 、Fhr
=ビニル)を0.2〜1モル%の量でそしてD単位(R
1 =CH3 、p=2、q=0)を99〜99.8モル%
の量で含み、 ・POS(II)が、M単位(ここで、Fhr =H、R2
CH3 、s=1そしてt=2)を1〜6モル%の量でそ
してD単位(R3 =CH3 、Fhr =H、u=1、v=
1)を10〜50モル%の量で含み、 ・POS(III )が、M単位(ここで、Fhr =H、R4
=CH3 、w=1そしてx=2)を8〜20モル%の量
でそしてD単位(R5 =CH3 )を80〜92モル%の
量で含むこと、及びM及びD単位がそれぞれR6 =R7
=CH3 を含有しそしてM単位ではせいぜい約10モル
%の量及びD単位では少なくとも90モル%の量で存在
するところの希釈剤POS(IV)が含められ、しかも希
釈剤(IV)はPOS(I)及び(IV)混合物に対して5
0重量%以下、好ましくは40重量%未満、そしてより
好ましくは5〜20重量%の量で存在すること、を特徴
とするものである。
【0058】本発明に従った組成物の貯蔵安定性を向上
させるために且つユーザーに取扱いが容易な市場で入手
可能な形態で供給するために、先に規定したような組成
物のPOS(I)〜(III )及び随意成分としての(I
V)並びに触媒(V)を含有する少なくとも2つの成分
A及びB(これらの2つの成分A及びBの各々はPOS
(I)+(II)及び/又は(III )と触媒(V)との混
合物を含有しない)を有する系が提供される。好ましく
は、触媒(V)は、系の成分A又はBの片方に排他的に
含められる。
【0059】かくして、成分Aは例えばPOS(I)の
少なくとも一部分及びPOS(IV)の少なくとも一部分
並びに触媒(V)を含有することができるのに対して、
成分BはPOS(II)及びPOS(III )そして随意成
分としてPOS(I)及び(IV)の残りの部分を含む。
【0060】使用を簡単にするために、A:Bの割合が
重量部で40:60〜60:40そして好ましくはほぼ
50:50であるような二成分系を提供するのが好まし
い。
【0061】ゲルの形成に関して言えば、ゲルへの組成
物の架橋は、室温において、又は例えば100〜180
℃の温度への加熱後に行われることを指摘することがで
きる。これに関連して、必要な架橋時間は、例えば、数
分から1時間30分である。
【0062】上記の組成物から得られた架橋接着剤ゲル
は本発明の別の課題である。
【0063】用途に関して言えば、本発明に従った組成
物及びゲルは、衝撃吸収材手段として、また電子部品等
の保護(注封)の手段として使用することができる。か
くして、組成物及び/又はゲルは、ある種の基体例えば
エポキシ樹脂製の基体に取り付けられた敏感な電子部品
を含む容器に注入されることができる。この場合に、脆
弱な部品は実際にシリコーン組成物中に浸没される。
【0064】また、組成物及びゲルは、敏感な電子部品
を他の手段例えばカバー外装によって保護する目的でそ
れらを封入することができる。
【0065】これらの特に有意の接着特性のために、本
発明に従ったシリコーンゲルは、 ・接着剤、又は ・医療材料、好ましくは移植材料、人工補装器、セメン
ト等の製造にかかわる材料、又は ・シール用製品、マスチック又はシール用組成物、又は ・集成製品 を作るために使用することもできる。
【0066】また、本発明は、新規な製品として、この
ゲルから作った接着剤、医療材料、衝撃吸収材、保護手
段、セメント、マスチック又はシーラントに関するもの
である。
【0067】これらの用途では、本発明に従ったゲル及
び組成物の有益な特性、即ち、速い架橋速度、低温及び
高温での物理的安定性(粘弾性)、減衰性、特に空気や
水に対する隔離能、並びに接着性のうちの全部又は一部
分を使用することは随意である。
【0068】
【実施例】以下の実施例は、本発明に従った組成物を処
方する様々な可能な方法、並びにかかる組成物を架橋さ
せることによって得られるシリコーンゲルの特徴及び特
性を示すものである。しかしながら、本発明はこれらの
実施例によって限定されるものではない。
【0069】例1 記載される組成物は二成分系であり、そして架橋は2つ
の部分(A及びBと称する)を50/50比で混合した
後に行われる。 (1)下記のリストは、本発明のゲルのためのA及びB
部分の組成物中に使用される原料を示す。 (2)表1は、A及びB部分におけるこれらの成分の各
々の濃度を示す。 (3)方法は、ゲルを得るための方法である。 (4)表2は、これらの組成物で得られた物理的特性、
特に、エポキシ及びアルミニウムに対する各組成物の接
着特性に及ぼす油(III )(20mPa.s の粘度を有し且
つ0.2%のH基を含有するα,ω−(ジメチルヒドロ
ゲノシロキシ)ポリ(ジメチルシロキシ)油)の影響を
示す。
【0070】(1)使用した原料のリスト ・POS(I)=60,000mPa.s の粘度を有し且つ
約0.1重量%の(CH 2 =CH)基を含有するα,ω
−(ジメチルビニルシロキシ)ポリジメチルシロキサン
油 ・POS(II)=25mPa.s の粘度を有し且つ0.7重
量%のH基を含有するα,ω−(ジメチルヒドロゲノシ
ロキシ)ポリ(メチルヒドロゲノシロキシ)(ジメチル
シロキシ)油 ・POS(III )=20mPa.s の粘度を有し且つ0.2
重量%のH基を含有するα,ω−(ジメチルヒドロゲノ
シロキシ)ポリ(ジメチルシロキシ)油 ・POS(IV)=100mPa.s の粘度を有するα,ω−
(トリメチルシロキシ)ポリジメチルシロキサン油 ・触媒(V)=架橋剤として使用される白金有機金属錯
体(この触媒の濃度は、酸化数=2のPt金属のppm
で与えられる)
【0071】(2)表1:試験した組成物の処方
【表1】
【0072】r1=[POS(III )のSiH ]/[PO
S(II)+POS(III )のSiH ]×100は、試験2
では5.8%そして試験3では11.4%である。比率
r2=[H](II+III)/[Vi](I)は、試験1〜3
においてそれぞれ0.51、0.52及び0.53であ
る。
【0073】(3)方法 ゲルは、組成物の各成分を撹拌機付反応器において25
℃で単に混合することによって作られる。 (4)表2:得られたゲルの物理的特性及び接着性
【表2】
【0074】接着層破損は、ゲル層と基体との間で広ま
る破壊(裂け)を意味する。凝集破損は、ゲル層内で広
まる破壊(裂け)を意味し、しかして基体の表面はゲル
の残留物で少なくとも一部分覆われる。試験1は、油
(III )を含有しないA1部分とB1部分との混合物に
対して行われ、これは対照試験である。試験2及び3
は、それぞれ、増加量の油(III )を含有するA1部分
とB1部分、A1部分とB2部分との混合物に対して行
われる。
【0075】粘弾性特性G’及びG”は、次の条件 ・温度=23℃ ・円錐寸法:直径=2cm及び角度=4度 ・周波数走査=0.5〜10ヘルツ ・トルク=500μN.m の下にCARRI-MED CS 100強制応力流動計で測定された。
接着性は、トリクロルエタンを使用して予め浄化した寸
法が200mm×50mm×25mmの試験片に対して
90度剥離法を使用してADAMEL LHOMARGY DY 30 張力計
で測定された。これらの結果は、α,ω−(ジメチルヒ
ドロゲノシロキシ)ポリ(ジメチルシロキシ)油の導入
がエポキシ及びアルミニウムへの組成物の接着性を向上
させることを示している。
【0076】例2 (1)下記のリストは、本発明のゲルのためのA及びB
部分の組成物中に使用される原料を示す。 (2)表3は、A及びB部分におけるこれらの成分の各
々の濃度を示す。 (3)方法は、ゲルを得るための方法である。 (4)表4は、これらの組成物の接着特性、特に、エポ
キシ基体に対する油(III )(=20mPa.s の粘度を有
し且つ0.2%のH基を含有するα,ω−(ジメチルヒ
ドロゲノシロキシ)ポリ(ジメチルシロキシ)油)の影
響を示す。
【0077】(1)使用した原料のリスト ・POS(I)=60,000mPa.s の粘度を有し且つ
約0.1重量%の(CH2 =CH)基を含有するα,ω
−(ジメチルビニルシロキシ)ポリジメチルシロキサン
油 ・POS(II)=25mPa.s の粘度を有し且つ0.7重
量%のH基を含有するα,ω−(ジメチルヒドロゲノシ
ロキシ)ポリ(メチルヒドロゲノシロキシ)(ジメチル
シロキシ)油 ・POS(III )=20mPa.s の粘度を有し且つ0.2
重量%のH基を含有するα,ω−(ジメチルヒドロゲノ
シロキシ)ポリ(ジメチルシロキシ)油 ・触媒(V)=架橋剤として使用される白金有機金属錯
体(この触媒の濃度は、Pt金属のppmで与えられ
る)
【0078】(2)表3:試験した組成物の処方
【表3】
【0079】r1=[POS(III )のSiH ]/[PO
S(II)+POS(III )のSiH ]×100=5.8
%。比率r2=[H](II+III)/[Vi](I)は、組
成物の各々で0.5である。試験4は、油(III )を含
有しないA2部分とB4部分との混合物に対して行わ
れ、これは対照試験である。試験5は、油(III )を含
有するA2部分とB4部分との混合物に対して行われ
る。
【0080】(3)方法 ゲルは、組成物の各成分を撹拌機付反応器において25
℃で単に混合することによって作られる。接着性(剥離
力)は、例1に記載の条件下に測定された。 (4)表4:試験した組成物の接着性
【表4】
【0081】これらの結果も、α,ω−(ジメチルヒド
ロゲノシロキシ)ポリ(ジメチルシロキシ)油(III )
の導入がエポキシへの組成物の接着性を向上させること
を示している。
【0082】例3:組成物におけるエキステンダーPO
S(III )の濃度の影響 (1)下記のリストは、使用される原料を示す。 (2)表5は、試験した処方物を示す。 (3)製造法及び試験法は、例1及び2におけると同じ
である。 (4)表6は、試験したシリコーンゲルの物理的(流動
学的)特性及び接着性に対するエキステンダーPOS
(III )の濃度の影響を示す。
【0083】(1)使用した原料のリスト ・POS(I)=60,000mPa.s の粘度を有し且つ
約0.1重量%のViを含有するα,ω−(ジメチルビニ
ルシロキシ)ポリジメチルシロキサン油(RHODORSIL 62
1 V 60 000) ・POS(II)=300mPa.s の粘度を有し且つ約0.
17重量%のH基を含有するα,ω−(ジメチルヒドロ
ゲノシロキシ)ポリ(メチルヒドロゲノシロキシ)(ジ
メチルシロキシ)架橋用油(RHODORSIL 626 V 300 H 1.
7 ) ・POS(III )=20mPa.s の粘度を有し且つ0.2
重量%のH基を含有するα,ω−(ジメチルヒドロゲノ
シロキシ)ポリ(ジメチルシロキシ)エキステンダー油
(RHODORSIL 620 H2) ・POS(IV):希釈剤=100mPa.s の粘度を有する
α,ω−(トリメチルシロキシ)ポリジメチルシロキサ
ン油(RHODORSIL 47 V 100) ・触媒(V)=架橋触媒として使用される白金有機金属
錯体(この触媒の濃度は、Pt金属のppmで与えられ
る)
【0084】(2)表5:試験した処方物(50/50
のA及びB二成分形態)
【表5】
【0085】(3)製造法及び試験法:例1及び2にお
けると同じ (4)表6:結果 結果は以下の表6に示される。試験は、POS(IV)油
の2つの希釈(30及び50%)に対して実施された。
【0086】POS(III )油は、網状構造のセルを拡
大する効果を有する。これは次の変動をもたらす。 流動学的特性:弾性モジュラスG’は、5%の油 620 H
2 の添加で実質上低下する。このレベルよりも上では、
変動は少なくなる。粘性モジュラスG”は一定のままで
ある。従って、tan δの値は、油(III )の添加によっ
て大きな最初の変動と共に増大する。 接着性:接着性に及ぼす油(III )の影響は評価し得る
ものである。剥離力の増大の他に、破損の形態は、油
(III )の添加で接着層型から凝集型に変わる。
【0087】
【表6】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−234922(JP,A) 特開 平2−73878(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 83/07 C08L 83/05 C09J 183/05 C09J 183/07

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (I) △タイプM=(R)2(Fhr)SiO1/2 [式中、 ・Rは互いに同種又は異種であり、そして置換若しくは
    未置換アリール及び/又はC1 〜C6 線状若しくは分岐
    状アルキル基に相当し、 ・Fhr はアルケニル基に相当する]の末端シロキシル単
    位、及び △タイプD=(R1)p (Fhr)qSiO2/2 [式中、Fhr は先に規定した通りであり、R1 はRと同
    じ規定を満足し、p=1又は2、q=0又は1、そして
    p+q=2]の同種又は異種のシロキシル単位、を含有
    する少なくとも1種のポリオルガノシロキサンPOS
    (I)、 (II) △末端シロキシル単位M=(Fhr)s(R2)tSiO1/2 [式中、 ・Fhr は水素に相当し、 ・R2 はRと同じ規定を満足し、 ・s=0、1、2又は3、t=0、1、2又は3、そし
    てs+t=3]、及び △同種又は異種のシロキシル単位D=(Fhr)u(R3)v SiO2/2 [式中、 ・Fhr は水素に相当し、 ・R3 はRと同じ規定を満足し、 ・u=0、1又は2、v=0、1又は2、そしてu+v=2]、 を含む少なくとも1種のポリオルガノシロキサンPOS
    (II)(但し、POS(II)のD単位のうちの少なくと
    も1個はFhr (u=1、v=1)を有するものとす
    る)、 (III ) △末端シロキシル単位M=(Fhr)w(R4)xSiO1/2 [式中、 ・Fhr は水素に相当し、 ・R4 はRと同じ規定を満足し、 ・w=1、2又は3、x=0、1又は2、そしてw+x
    =3]、及び△シロキシル単位D=(R5)2 SiO2/2 [式中、 ・R5 はRと同じ規定を満足する]を有する少なくとも
    1種のポリオルガノシロキサンPOS(III )(“エキ
    ステンダーPOS”と称する)(このPOS(III )の
    Fhr は、 ・それらが少なくともポリオルガノシロキサンPOS
    (I)の末端M単位のFhrと反応し、そして ・比率r1=[(POS(III )中のFhr の数)]/
    [(POS(II)+POS(III )中のFhr の数)]×
    100が80%未満になる、 ように選択される)、及び () 有効量の白金型のヒドロシリル化触媒、 を含むことを特徴とするヒドロシリル化によって接着剤
    ゲルに架橋させ得るシリコーン組成物。
  2. 【請求項2】 比率r2=[(POS(II)+POS
    (III )中のFhrの数]/[POS(I)中のFhr の
    数)]が0.8以下であることを特徴とする請求項1記
    載の組成物。
  3. 【請求項3】 POS(I)に対する希釈剤として特に
    有用でありそして末端シロキシル単位M=(R6)3 SiO1/2
    及びシロキシル単位D=(R7)2 SiO2/2(式中、R6 、R
    7 は互いに同種又は異種であり、そしてRと同じ規定を
    満足する)を含有する少なくとも1種のポリオルガノシ
    ロキサンPOS()を追加的に含むことを特徴とする
    請求項1記載の組成物。
  4. 【請求項4】 ・POS(I)がビニル基に相当する
    Fhr を有するM単位及びq=0のD単位含むことを特
    徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の組成物。
  5. 【請求項5】 POS(I)が線状であり、そして1,
    000〜200,000mPa.s の動的粘度を有するこ
    と、 及び/又はPOS(II)が線状であり、そして1,00
    0mPa.s 以下の動的粘度を有すること、 及び/又はPOS(III )が線状であり、そして1,0
    00mPa.s 以下の動的粘度を有すること、 を特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の組成
    物。
  6. 【請求項6】 状の構造及びPOS(I)の動的粘度
    よりも5倍低い動的粘度を有する少なくとも1種のPO
    S()を追加的に含有することを特徴とする請求項1
    〜5のいずれか一項記載の組成物。
  7. 【請求項7】 ・POS(I)が、R=CH3 そしてFh
    r =ビニルのM単位を0.2〜1モル%の量でそしてR
    1 =CH3 、p=2そしてq=0のD単位を99〜9
    9.8モル%の量で含み、 ・POS(II)が、Fhr =H、R2 =CH3 、s=1そ
    してt=2のM単位を1〜6モル%の量でそしてR 3
    CH3 、Fhr =H、u=1そしてv=1のD単位を10
    〜50モル%の量で含み、 ・POS(III )が、Fhr =H、R4 =CH3 、w=1
    そしてx=2のM単位を8〜20モル%の量でそしてR
    5 =CH3 のD単位を80〜92モル%の量で含むこ
    と、及び希釈剤(IV)を使用するときには、M及びD単
    位がそれぞれR6 =R7 =CH3 を含有し、そしてM単
    が0モル%よりも上で10モル%以下の量及びD単位
    少なくとも90モル%で100モル%未満の量で存在
    するところの希釈剤POS(IV)が含められ、しかも希
    釈剤(IV)はPOS(I)+(IV)混合物に対して50
    重量%以下の量で存在すること、 を特徴とする請求項1〜6のいずれか一項記載の組成
    物。
  8. 【請求項8】 POS(I)、(II)及び(III )並び
    に触媒(V)を含有する2つの成分A及びBの形態にあ
    る請求項1〜7のいずれか一項記載のシリコーン組成物
    において触媒が成分A及びBのうちの片方に排他的に含
    有され、そしてPOS(I)+(II)及び/又は(III )の
    混合物の存在下にないことからなるシリコーン組成物。
  9. 【請求項9】 2つの成分A及びBの片方又は各々が、
    POS(I)に対する希釈剤として特に有用でありそし
    て末端シロキシル単位M=(R6)3 SiO1/2及びシロキシル
    単位D=(R7)2 SiO2/2(式中、R6 、R7 は互いに同種
    又は異種であり、そしてRと同じ規定を満足する)を含
    有する少なくとも1種のポリオルガノシロキサンPOS
    IV)を追加的に含むことを特徴とする請求項8記載の
    リコーン組成物
  10. 【請求項10】 請求項1〜7のいずれか一項記載の組
    成物及び/又は請求項8〜9のいずれか一項記載の組成
    から得られた架橋接着剤ゲル。
  11. 【請求項11】 請求項1〜7のいずれか一項記載の組
    成物及び/又は請求項8〜9のいずれか一項記載の組成
    を使用して素子を封入するに当り、該素子を組成物中
    に浸没させそして該組成物を架橋してゲルにする工程か
    らなる封入法。
  12. 【請求項12】 請求項10記載のゲルを使用して素子
    を封入するに当り、該素子をゲル中に浸没させる工程か
    らなる封入法。
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