JP4959201B2 - カチオン性樹脂変性シリカ分散液 - Google Patents
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Description
T(%)=10 (2−τ) (1)
Δμ=B/A (2)
本発明に用いられる湿式シリカは、珪酸ソーダを鉱酸で中和することによって溶液中で析出させて得られる、「ホワイトカーボン」とも称されるものである。また、上記中和反応により析出した湿式シリカは、ろ過や洗浄後に乾燥を施さないで、湿式シリカケークの状態で使用することが、乾燥粉を使用する場合と比較してシリカ粒子の凝集力が小さいため、分散性が良く、好ましく使用される。
(ここで、Dは平均一次粒子径、Sは比表面積、ρは粒子の密度を示す。)。
本発明に用いられる乾式シリカは、四塩化珪素などのシラン系ガスを酸水素炎中で燃焼させて得られるものであり、「ヒュームドシリカ」とも称されている。一般に、乾式シリカは、比表面積が30〜500m2/gの範囲のものが入手可能であり、これらの乾式シリカが特に制限なく使用される。
本発明において用いられる極性溶媒は、湿式シリカ及びカチオン性樹脂が分散し易い極性溶媒であれば特に制限はない。かかる極性溶媒としては、水が最も好ましい。勿論、水以外にもメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、エーテル類、ケトン類などの極性溶媒が使用でき、また、水と上記極性溶媒との混合溶媒も好適に使用できる。
また、本発明において用いられるカチオン性樹脂は、公知のカチオン性樹脂であって、水に溶解したときに解離してカチオン性を呈する樹脂であれば特に制限されない。
本発明のカチオン性樹脂変性シリカ分散液において、極性溶媒に分散しているシリカ粒子の平均粒子径は、300nm未満である。即ち、シリカの平均粒径が300nm以上の場合、該シリカ分散液を使用した塗工液を塗工した塗工層表面の平滑性が得られず、光沢が不足する。また、該シリカ分散液の透明性も低くなるので、塗工液の透明性が低くなり、塗工層の透明性が不足する。
T(%)=10(2−τ) (2)
また、本発明のカチオン性樹脂変性シリカ分散液は、高い保存安定性を示すが、保存安定指数は、2.5未満を達成することができる。この高い保存安定性により、本発明のカチオン性樹脂変性シリカ分散液は、下記のメリットを有する。
(1)カチオン性樹脂変性シリカ分散液を充填した容器、タンク等からの該分散液排出時のハンドリング性が向上する。
(2)カチオン性樹脂変性シリカ分散液の配管輸送等の条件設定が安定して行える。
(3)カチオン性樹脂変性シリカ分散液を用いた塗工液の高粘度化による塗工液の物性変化及び塗工条件の設定が容易となる。
Δμ=B/A (3)
数式(3)によって算出したΔμが1に近いほど、カチオン性樹脂変性シリカ分散液の粘度変化が少なく、保存安定性が高いといえる。
本発明において、カチオン性樹脂変性シリカ分散液は、極性溶媒中に、前記所定の比率、濃度で、BET比表面積250m2/g以上の湿式シリカと乾式シリカとが、カチオン性樹脂と共に均一に分散していれば良いが、該分散液中の湿式シリカ、乾式シリカをできるだけ高分散させるために、下記の工程によって得られたものが好適に使用される。
上記の湿式メディア型粉砕機の代表例を具体的に例示すると、井上製作所製の商品名;マイティーミル、アイメックス製の商品名;ビスコミル、アシザワ製の商品名;アジテータミル、コトブキ技研工業製の商品名;スーパーアペックスミル、ウルトラアペックスミル及びウィリー・エ・バッコーフェン製の商品名;ダイノーミルなどを挙げることができる。
(その他の条件)
本発明において、カチオン性樹脂変性シリカ分散液の製造途中で増粘・ゲル化などを起こすことなくより安定的に製造するために、45℃以下、特に15〜40℃の温度範囲に制御することが好ましい。
(1)平均粒子径
シリカ分散液又はカチオン性樹脂変性シリカ分散液のシリカ濃度が10重量%となるように、該分散液をイオン交換水で希釈した後、光散乱回折式の粒度分布測定装置(コールター製、コールターLS−230)を用いて、体積基準算術平均径を測定し、この値を平均粒子径として採用した。
(2)保存安定性指数
カチオン性樹脂変性シリカ分散液300gを500ml容器に採取し、30℃の恒温槽に10分間つけた後、B型粘度計(トキメック製、BL)を用いて60rpmの条件でカチオン性樹脂変性シリカ分散液の粘度を測定し、前述した式(3)により保存安定性指数(Δμ)を算出した。
(3)透過率
シリカ分散液又はカチオン性樹脂変性シリカ分散液のシリカ濃度が1.5重量%となるように、該分散液をイオン交換水で希釈した後、この希釈液の吸光度(τ)を分光光度計(日本分光製、Ubest−35型)を用いて測定し、前述した式(2)により透過率(T)を算出した。本測定において、光路長は10mm、測定波長は700nmとした。
BET比表面積280m2/gの湿式シリカ粉とBET比表面積300m2/gの乾式シリカ粉をpH調整剤として2N硫酸を添加したイオン交換水に、湿式シリカ100重量部に対して乾式シリカ11重量部となるように分散し、総シリカ濃度21重量%、pH4.5のシリカスラリーを得た。このシリカスラリーを湿式メディア型分散機(コトブキ技研工業製、スーパーアペックスミルSAM−1)を用いて、ビーズ径0.1mmΦ、ビーズ充填率85%、ローター周速9.2m/sec、液温度25℃の条件で微粒化処理することにより、分散液中の透過率が65%、シリカの平均粒子径が100nmのシリカ分散液を得た。このシリカ分散液とカチオン性樹脂として平均分子量10,000のジアリルジメチルアンモニウムクロライド−アクリルアミド共重合物水溶液をシリカ100重量部に対してカチオン性樹脂が10重量部となるように混合・分散し、予備混合液を得た。この予備混合液を高圧ホモジナイザー(ナノマイザー製、ナノマイザーLA−31)を用いて処理圧力80MPa、液温度30℃の条件で強分散処理を行うことにより、シリカ濃度20%のカチオン性樹脂変性シリカ分散液を得た。
湿式シリカ粉に対する乾式シリカ粉の配合比を湿式シリカ100重量部に対して乾式シリカ16重量部とする以外は、実施例1と同様にしてカチオン性樹脂変性シリカ分散液を得た。
湿式シリカ粉に対する乾式シリカ粉の配合比を湿式シリカ100重量部に対して乾式シリカ20重量部とする以外は、実施例1と同様にしてカチオン性樹脂変性シリカ分散液を得た。
乾式シリカ粉として、BET比表面積200m2/gの乾式シリカ粉を用いる以外は、実施例2と同様にしてカチオン性樹脂変性シリカ分散液を得た。
乾式シリカ粉として、BET比表面積140m2/gの乾式シリカ粉を用いる以外は、実施例2と同様にしてカチオン性樹脂変性シリカ分散液を得た。
乾式シリカ粉として、BET比表面積90m2/gの乾式シリカ粉を用いる以外は、実施例2と同様にしてカチオン性樹脂変性シリカ分散液を得た。
カチオン性樹脂として、分子量9,000のジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合物水溶液を用いる以外は、実施例2と同様にしてカチオン性樹脂変性シリカ分散液を得た。
乾式シリカ粉を使用しない以外は、実施例1と同様にしてカチオン性樹脂変性シリカ分散液を得た。
湿式シリカ粉に対する乾式シリカ粉の配合比を湿式シリカ100重量部に対して乾式シリカ5重量部とする以外は、実施例1と同様にしてカチオン性樹脂変性シリカ分散液を得た。
湿式シリカ粉に対する乾式シリカ粉の配合比を湿式シリカ100重量部に対して乾式シリカ25重量部とする以外は、実施例1と同様にしてカチオン性樹脂変性シリカ分散液を得た。
湿式シリカ粉として、BET比表面積200m2/gの湿式シリカ粉を用いる以外は、実施例2と同様にしてカチオン性樹脂変性シリカ分散液を得た。
以上の実施例及び比較例で得られたカチオン性樹脂変性シリカ分散液の物性を表1に示した。
Claims (1)
- BET比表面積250m2/g以上の湿式シリカと乾式シリカとをカチオン性樹脂と共に極性溶媒中に分散した、総シリカ濃度が15重量%以上で、且つ、該シリカ粒子の平均粒子径が300nm未満のシリカ分散液であって、上記乾式シリカが湿式シリカ100重量に対して、8〜22重量部の配合比となるように配合され、該シリカ分散液を構成する極性溶媒と同種の極性溶媒を使用してシリカ濃度が1.5重量%となるように該シリカ分散液を希釈した液の測定波長700nmの吸光度(τ)から式(1)で求める透過率(T)が58%以上であり、且つ、製造直後の該シリカ分散液の粘度(A(mPa・s))と25℃の環境下で10日間静置保存した該シリカ分散液の粘度(B(mPa・s))から式(2)で求める保存安定性指数Δμが2.5未満であることを特徴とするカチオン性樹脂変性シリカ分散液。
T(%)=10 (2−τ) (1)
Δμ=B/A (2)
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