JP4279056B2 - カチオン性樹脂変性シリカ分散液の製造方法 - Google Patents

カチオン性樹脂変性シリカ分散液の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット用記録紙をはじめ、フィルム・樹脂・ガラス・金属等にガスバリア性、耐食性、親水性、光沢性、吸液性、絶縁性等を付与するための各種コーティング剤や半導体ウェハーやIC研磨剤、エマルジョンの安定化剤等の調製に有用な新規の湿式シリカ分散液に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット用記録紙は基紙の片面又は両面にインク吸収を目的としたインク吸収層である塗工層が形成されており、その塗工層を形成するための塗工液原料として、湿式シリカ及び乾式シリカなどが使用されている(例えば特許文献1、2、3参照)。
【0003】
一方、インクジェット用のインクとしては、一般に、アニオン性の化合物が使われることが多く、上記の塗工層はカチオン性を有している方が、インクジェット用記録紙の画像濃度及び耐水性向上のために有利である。
【0004】
ところが、塗工液原料として用いるシリカは、粒子がアニオン性を呈するため、画像濃度や耐水性に問題があった。そのため、改善策としてシリカと第4級アンモニウム塩基等のカチオン性基を含むカチオン性樹脂を含む塗工液を塗布する塗工層が提案されている(例えば特許文献4、5参照)。
【0005】
しかし、近年、市場から写真並みの画質が得られるインクジェット用記録紙が求められていることから、前述の耐水性、インク吸収性に加え、光沢性にも優れた塗工層を得ることができる塗工液が望まれている。
【0006】
塗工液原料として使用されているシリカの中で、四塩化珪素などのシラン系ガスを酸水素炎中で燃焼して得られる乾式シリカは、極性溶媒中において分散性に優れているため、塗工液中でも乾式シリカの平均粒子径をサブミクロンオーダーまで微粒化しやすい。シリカを含む塗工液を塗布した塗工層表面は、塗工液中のシリカ粒子の平均粒子径が小さいほど、平滑性に優れ光沢性が高くなる。したがって、乾式シリカを含む塗工液は、光沢性が高くなるという利点がある。なお、平均粒子径とは、シリカの一次粒子が集まって形成されるシリカ凝集粒子の平均凝集粒子径を指している。
【0007】
しかしながら、乾式シリカはインク吸収性が湿式シリカと比較して低く、写真並みの画質を高速で印刷できないという問題がある。
【0008】
また、シリカを含む塗工液は、シリカを極性溶媒中に分散したシリカスラリーとポリビニルアルコール水溶液等のバインダーを混合して得られるが(例えば、特許文献6参照)、乾式シリカを含む塗工液おいては、乾式シリカを極性溶媒中に分散した直後のシリカスラリーとバインダーとを混合して得られた塗工液の粘度と、乾式シリカを極性溶媒中に分散してから数日後のシリカスラリーとバインダーとを混合して得られた塗工液の粘度が著しく異なるという現象を生じる(例えば、特許文献7参照)。このように塗工液粘度が極端に異なる場合、塗工機により基紙上に塗工する条件、即ち塗工条件が一定にできないことから、製造工程管理において大きな問題が生じている。
【0009】
これに対し、珪酸ソーダと鉱酸の反応で析出させて得られる湿式シリカを極性溶媒中に分散したシリカスラリーは、バインダーといつ混合しても得られる塗工液の粘度が低く、且つ、安定であるという利点を有している。
【0010】
また、前述したように、湿式シリカは乾式シリカと比較してインク吸収性が高いという利点も有している。
【0011】
しかしながら、湿式シリカ粒子は一次粒子同士の凝集性が強いため、塗工液中において、大きな凝集粒子を形成しやすく、平均粒子径が大きくなり、光沢性が低いという問題を有している。
【0012】
上記問題の改善策として、湿式シリカを極性溶媒中に分散したシリカスラリーとカチオン性樹脂とを混合し、シリカ粒子表面をカチオン性樹脂によりカチオン化したのち、分散液中の湿式シリカの凝集粒子をサブミクロンオーダーまで機械的に微粒化し、平均粒子径の小さなカチオン性樹脂変性シリカ分散液を製造する方法が提案されている(例えば特許文献8、9、10参照)。
【0013】
しかし、従来技術により得られた湿式シリカを原料とした前記のカチオン性樹脂変性シリカ分散液中のシリカ濃度は、いずれも22重量%を越えることができず、一回の塗工で十分な厚みの塗工層が得られないこと、塗工後乾燥するのに多大なエネルギーを消費すること、また、物流コストが高くなるなどの問題を生じることから、シリカ分散液中の湿式シリカ濃度を高くすることが切望されていた。
【0014】
しかしながら、従来技術を用いて、湿式シリカを原料として、シリカ濃度が22重量%超であり、且つ、分散液中のシリカの平均粒子径がサブミクロンオーダーであるカチオン性樹脂変性シリカ分散液を製造しようとしても、製造途中で凝集・ゲル化などの現象が発生し、満足するカチオン性樹脂変性シリカ分散液を得ることができなかった。
【0015】
【特許文献1】
特開昭55−51583号公報
【特許文献2】
特開昭56−148583号公報
【特許文献3】
特開昭60−204390号公報
【特許文献4】
特開昭61−43593号公報
【特許文献5】
特開昭62−268682号公報
【特許文献6】
特開昭59−185690号公報
【特許文献7】
特開2003−94796号公報
【特許文献8】
特開平10−181190号公報
【特許文献9】
特開2000−239536号公報
【特許文献10】
特開2002−47454号公報
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の目的は、湿式シリカを原料として、シリカ濃度が22重量%超であり、且つ、インクジェット用記録紙の塗工液の原料として使用した場合、いつ塗工液を調製しても粘度が安定した塗工液が得られ、且つ、耐水性、インク吸収性、光沢性がいずれも優れた塗工層を得ることができるカチオン性樹脂変性シリカ分散液の製造方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記問題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、平均分子量1万以下で、且つ、環状アンモニウム塩型のカチオン性樹脂と湿式シリカを極性溶媒中で混合及び分散することにより、シリカ濃度が22重量%超であっても、製造途中にゲル化などの現象を起こさず、いつバインダーを混合しても粘度が安定した塗工液が得られ、且つ、該塗工液を塗工して得られた塗工層は、耐水性、インク吸収性、光沢性がいずれも優れているカチオン性樹脂変性シリカ分散液が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0018】
即ち、本発明は、極性溶媒中に湿式シリカをシリカスラリーのpHが5未満になるように分散したシリカスラリーを湿式メディア型粉砕機で微粒化した後に、平均分子量が1万以下の環状アンモニウム塩型のカチオン性樹脂と混合・分散し、更に高圧ホモジナイザーにより微粒化処理を行うことを特徴とするシリカ濃度22重量%超、且つ、シリカ粒子の平均粒子径が0.5μm未満であるカチオン性樹脂変性シリカ分散液の製造方法及び、極性溶媒、湿式シリカ及び平均分子量が1万以下の環状アンモニウム塩型のカチオン性樹脂をシリカスラリーのpHが5未満になるように混合・分散したシリカスラリーを湿式メディア型粉砕機により微粒化処理を行うことを特徴とする、シリカ濃度22重量%超、且つ、シリカ粒子の平均粒子径が0.5μm未満であるカチオン性樹脂変性シリカ分散液の製造方法である。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる湿式シリカは、珪酸ソーダを鉱酸で中和することによって溶液中でシリカを析出させて得られる、「ホワイトカーボン」とも称されている湿式シリカ粉である。また、中和反応後に濾過や洗浄を行った後の乾燥工程を施さない湿式シリカケークも乾燥工程を施した湿式シリカ粉と比較して凝集粒子が軟らかいため、分散性が良く、湿式シリカとして好ましく使用される。しかし、湿式シリカケークは比表面積が高くなるほど湿式シリカケークの水分含有率も高くなるので、シリカ分散液中のシリカ濃度を高め、且つ、分散性を良くするために、湿式シリカ粉と湿式シリカケークとを混合して湿式シリカとして使用しても良い。
【0020】
本発明において、カチオン性樹脂変性シリカ分散液のシリカの平均粒子径は、0.5μm未満であることが必要である。シリカの平均粒径が0.5μm以上であると、インクジェット用記録紙の塗工液の原料とした場合、塗工層の表面の平滑性が得られず、光沢が不足するといった問題が生じる。シリカの平均粒子径が0.5μm未満のカチオン性樹脂変性シリカ分散液をインクジェット用記録紙の塗工液の原料とした場合、塗工層表面の平滑性が得られ、光沢性が高くなる。カチオン性樹脂変性シリカ分散液のシリカの平均粒子径は、光沢性とインク吸収性を高いレベルで両立させるために、好ましくは0.05μm〜0.4μm、より好ましくは0.05μm〜0.2μmである。
【0021】
本発明において、平均粒子径とは、カチオン性樹脂変性シリカ分散液中のシリカ凝集粒子の平均粒子径を指しており、光散乱回折式の粒度分布計で測定した時の体積基準算術平均径D50のことである。
【0022】
本発明に用いられるカチオン性樹脂は、平均分子量が1万以下の環状アンモニウム塩型のカチオン性樹脂である。平均分子量が1万を超える環状アンモニウム塩型のカチオン性樹脂を用いて、分散液中のシリカ濃度が22重量%超のカチオン性樹脂変性シリカ分散液を製造すると、製造の途中でシリカ粒子が凝集し、シリカ分散液全体が凝集する。また、環状アンモニウム塩型のカチオン性樹脂でない場合、例えば、メタクリル酸エステルメチルクロライド重合物やアリルアミン塩酸塩重合物、アリルアミン重合物等の1〜4級アンモニウム塩型のカチオン性樹脂を用いた場合、平均分子量が1万以下であっても、分散液中のシリカ濃度が22重量%超のカチオン性樹脂変性シリカ分散液を製造すると、製造の途中でシリカ粒子が凝集し、シリカ分散液全体が凝集する。
【0023】
即ち、平均分子量が1万以下の環状アンモニウム塩型のカチオン性樹脂を使用することにより、製造途中でゲル化などの現象をおこすことなく、シリカ濃度が22重量%超であるカチオン性樹脂変性シリカ分散液を安定的に製造することが可能となる。環状アンモニウム塩型のカチオン性樹脂の平均分子量は、好ましくは1,000〜8,000である。
【0024】
本発明において、平均分子量とは、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィーから求めたポリエチレン換算値である。
【0025】
本発明に用いられる環状アンモニウム塩型のカチオン性樹脂は、ジアリルアンモニウム塩及びその誘導体を重合して得られる環状アンモニウム塩型のカチオン性樹脂であり、具体例としては、下記の式(1)又は式(2)で示される繰り返し単位を有するジアリルアンモニウム塩及びその誘導体の重合体、式(1)又は式(2)で示される繰り返し単位10〜90モル%とジアリルアンモニウム塩及びその誘導体と共重合可能なモノマーに基づく繰り返し単位90〜10モル%とを有する共重合体を挙げることができる。
【0026】
【化1】
Figure 0004279056
【0027】
式(1)、式(2)において、R及びRは、水素原子又はメチル基を表す。
【0028】
ジアリルアンモニウム塩及びその誘導体と共重合可能なモノマーに基づく繰り返し単位としては、好ましくは、アクリルアミド、モノアリルアミン塩酸塩に基づく繰り返し単位が挙げられる。
【0029】
本発明において、特に好適なカチオン性樹脂は、平均分子量1,000〜8,000である、上記の式(1)又は式(2)で示される繰り返し単位を有するジアリルアンモニウム塩及びその誘導体の重合体、式(1)又は式(2)で示される繰り返し単位10〜90モル%とジアリルアンモニウム塩及びその誘導体と共重合可能なモノマーに基づく繰り返し単位90〜10モル%とを有する共重合体から選定した1種類のカチオン性樹脂、或いは2種類以上を混合したカチオン性樹脂である。
【0030】
本発明において、カチオン性樹脂の使用量は、カチオン性樹脂変性シリカ分散液が製造途中でゲル化することなく安定に製造でき、且つ、得られたカチオン性樹脂変性シリカ分散液の粘度を低くするために、シリカ100重量部に対して、2〜50重量部、特に2〜15重量部とすることが好ましい。カチオン性樹脂変性シリカ分散液の粘度が低いと、塗工液を製造するための以降に続く製造工程においてハンドリング性が良くなるので非常に好ましい。
【0031】
カチオン性樹脂の添加量に対するカチオン性樹脂変性シリカ分散液の粘度は、シリカの比表面積及び添加するカチオン性樹脂の種類により異なるため、予め実験により、該分散液の粘度が一番低くなる最適な添加量を前記添加量より選択することが好ましい。
【0032】
本発明において用いられる極性溶媒は、湿式シリカ及びカチオン性樹脂が分散し易い極性溶媒であれば特に制限はない。かかる極性溶媒としては、水が最も好ましい。勿論、水以外にもメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、エーテル類、ケトン類などの極性溶媒が使用でき、また、水と上記極性溶媒との混合溶媒も好適に使用できる。
【0033】
尚、シリカ粒子の保存安定性や分散性を向上させるために、本発明の効果を損なわない範囲で、界面活性剤や防黴剤等を少量添加しても良い。
【0034】
本発明において、カチオン性樹脂変性シリカ分散液中のシリカ濃度は22重量%超である。
【0035】
該シリカ分散液中のシリカ濃度が低くなると、前述したように、塗工液調製後の塗工工程において一回の塗工で十分な厚みの塗工層が形成することが難しくなる場合があり、また、塗工後乾燥する際のエレルギー効率の悪化や物流コストの面からも問題がある。
【0036】
本発明のカチオン性樹脂変性シリカ分散液は、極性溶媒、湿式シリカ及び平均分子量が1万以下の環状アンモニウム塩型のカチオン性樹脂を混合・分散・微粒化することにより製造することができる。
【0037】
カチオン性樹脂として平均分子量が1万を超える環状アンモニウム塩型のカチオン性樹脂を用いて、分散液中のシリカ濃度が22重量%超のカチオン性樹脂変性シリカ分散液を製造すると、製造の途中でシリカ粒子が凝集し、シリカ分散液全体が凝集する。また、環状アンモニウム塩型のカチオン性樹脂でない場合、例えば、メタクリル酸エステルメチルクロライド重合物やアリルアミン塩酸塩重合物、アリルアミン重合物等の1〜4級アンモニウム塩型のカチオン性樹脂を用いた場合、平均分子量が1万以下であっても、分散液中のシリカ濃度が22重量%超のカチオン性樹脂変性シリカ分散液を製造すると、製造の途中でシリカ粒子が凝集し、シリカ分散液全体が凝集する。
【0038】
極性溶媒中に湿式シリカ及びカチオン性樹脂を混合・分散・微粒化してカチオン性樹脂変性シリカ分散液を製造する好ましい方法としては、(1)極性溶媒中に湿式シリカを分散したシリカスラリーを湿式メディア型粉砕機によりシリカスラリー中のシリカ粒子の平均粒子径を0.5μm未満に微粒化したシリカ分散液を調製した後、カチオン性樹脂と混合して、予備混合液を調製し、更に、高圧ホモジナイザーを用いて、予備混合液中のシリカ粒子を平均粒子径0.5μm未満になるまで微粒化する方法、(2)極性溶媒、湿式シリカ及びカチオン性樹脂を混合・分散したシリカスラリーを、湿式メディア型分散機を用いて、該シリカスラリー中のシリカ粒子を平均粒子径0.5μm未満に微粒化する方法を挙げることができる。
【0039】
尚、本発明において、シリカスラリーとは、極性溶媒中に湿式シリカを分散したもので、シリカ粒子の平均粒子径を0.5μm未満に微粒化する前のものを指し、カチオン性樹脂を含んだ状態であっても、微粒化する前のものはシリカスラリーと表現する。シリカ分散液とは、該シリカスラリー中のシリカ粒子の平均粒子径を0.5μm未満になるまで微粒化したものを指すが、カチオン性樹脂を含有するものは含まない。予備混合液とは、シリカ分散液とカチオン性樹脂とを混合したものを指す。また、カチオン性樹脂変性シリカ分散液とは、カチオン性樹脂を含んだシリカスラリー又は予備混合液を微粒化した後のものを指し、平均粒子径0.5μm未満のシリカ粒子とカチオン性樹脂とを含有している。
【0040】
シリカスラリーを得る際の湿式シリカとしては、前述の湿式シリカ粉や、中和反応後に濾過や洗浄を行った後の乾燥工程を施さない湿式シリカケークを使用することができる。湿式シリカケークは乾燥工程を施した湿式シリカ粉と比較して凝集粒子が軟らかいため、分散性が良く、湿式シリカとして好ましく使用できる。しかし、湿式シリカケークは比表面積が高くなるほど湿式シリカケークの水分含有率も高くなるので、湿式シリカとして湿式シリカケークを用いる場合は、シリカ分散液中のシリカ濃度を22重量%超に高め、且つ、分散性を良くするために、湿式シリカ粉と湿式シリカケークとを混合して湿式シリカとして使用することが好ましい。またその際は、極性溶媒に湿式シリカケークを添加した後に湿式シリカ粉を添加し、混合してシリカスラリーとすることが、高シリカ濃度のシリカスラリーを効率よく得ることができるので好ましい。
【0041】
上記(1)の、極性溶媒中に湿式シリカを分散したシリカスラリーを湿式メディア型粉砕機によりシリカスラリー中のシリカ粒子の平均粒子径を0.5μm未満に微粒化したシリカ分散液を調製した後、カチオン性樹脂と混合して、予備混合液を調製し、更に、高圧ホモジナイザーを用いて、予備混合液中のシリカ粒子を平均粒子径0.5μm未満になるまで微粒化することにより、シリカ濃度22重量%超のカチオン性樹脂変性シリカ分散液を得る方法においては、まず、極性溶媒中に湿式シリカを分散して、シリカ濃度が22重量%超のシリカスラリーを得る。
【0042】
シリカスラリーの製造途中及びその後のシリカスラリーの微粒化途中でゲル化することなく安定してシリカ濃度が22重量%超のカチオン性樹脂変性シリカ分散液を製造するためには、得られるシリカスラリーのpHを5未満になるように調整することが好ましい。
【0043】
シリカスラリーのpHを5未満に調整する方法としては、極性溶媒に予め硫酸等の鉱酸を添加してpH調整を行った後、該極性溶媒に湿式シリカを分散する方法、又は湿式シリカと硫酸等の鉱酸を同時に添加して、pH調整を行いながら、極性溶媒に湿式シリカを分散してシリカスラリーを調製する方法が好ましい。
【0044】
極性溶媒中に湿式シリカを分散して、pH5未満のシリカスラリーを調製する際に使用する分散機は特に制限されないが、プロペラ羽根、タービン羽根、パドル翼等を有する一般攪拌機、ディスパーミキサー等の高速回転遠心放射型攪拌機、ホモジナイザー、ホモミキサー、ウルトラミキサー等の高速回転せん断型攪拌機、コロイドミル、プラネタリーミキサー、吸引式分散機などの分散機、更に上記の高速回転せん断型撹拌機とプロペラ羽根及びパドル翼を組み合わせた複合型分散機、プラネタリーミキサーと高速回転遠心放射型撹拌機又は高速せん断型撹拌機を組み合わせた複合分散機等が挙げられる。
【0045】
上記(1)の方法においては、次いで、得られたpH5未満のシリカスラリーを、該スラリー中のシリカ粒子の平均粒子径を0.5μm未満に微粒化することにより、シリカ分散液を得る。
【0046】
シリカスラリー中のシリカ粒子の平均粒子径を0.5μm未満に微粒化し、シリカ分散液を調製する際に使用する微粒化装置としては、湿式メディア型粉砕機を用いることが好ましい。
【0047】
湿式メディア型粉砕機とは、平均粒径0.05〜3mmφ程度のビーズを粉砕メディアとして用いる粉砕機であり、代表例を具体的に例示すると、ニッカトー製の商品名;ポットミル、井上製作所製の商品名;マイティーミル、アイメックス製の商品名;ビスコミル、アシザワ製の商品名;アジテータミル、コトブキ技研工業製の商品名;スーパーアペックスミル、ウルトラアペックスミル及びウィリー・エ・バッコーフェン製の商品名;ダイノーミルなどを挙げることができる。
【0048】
極性溶媒中の湿式シリカ粒子の平均粒子径を0.5μm未満に微粒化するのに使用できる微粒化装置としては、湿式メディア型粉砕機の他にも、超音波分散機や高圧ホモジナイザーなどがあるが、超音波分散機は大量製造には向いておらず、また、高圧ホモジナイザーは目的の粒子径になるまで微粒化処理するのに処理時間がかかり、生産性が悪くなるので好ましくない。
【0049】
湿式シリカのように凝集粒子の硬い無機酸化物を微粒化する場合には、粉砕メディア相互と被粉砕物との衝撃作用で微粒化粉砕する原理を採用している湿式メディア型粉砕機が適している。
【0050】
湿式メディア型粉砕機の接液部には、ジルコニア又はアルミナを主成分とするセラミック、或いはポリウレタン系又はポリエチレン系の樹脂などシリカに対して磨耗性の高い素材が好ましい。また、使用される粉砕メディアは、公知の粉砕用メディアを用いることができるが、中でも硬度の観点からジルコニアビーズが好ましい。
【0051】
上記(1)の方法においては、次いで、上記の方法で得られたシリカ分散液を、平均分子量1万以下の環状アンモニウム塩型のカチオン性樹脂と混合・分散することにより、予備混合液を得る。
【0052】
シリカ分散液とカチオン性樹脂との混合方法は、特に限定されないが、カチオン性樹脂の水溶液にシリカ分散液を加えて混合する方法が好ましい。シリカ分散液とカチオン性樹脂とを混合・分散して予備混合液を調製する際に使用する混合機は特に制限されないが、前述の一般撹拌機、高速回転遠心放射型撹拌機、高速回転せん断型撹拌機、コロイドミル、プラネタリーミキサー、吸引式分散機などの分散機、更に上記の分散機を組み合わせた複合型分散機が挙げられる。
【0053】
上記方法で得られた予備混合液中のシリカ粒子はカチオン性樹脂により再凝集し、平均粒子径が0.5μm以上となっている。そこで、予備混合液を更に微粒化して本発明のカチオン性樹脂変性シリカ分散液を得る。
【0054】
予備混合液を更に微粒化して、カチオン性樹脂変性シリカ分散液を調製するのに使用する分散機としては、高圧ホモジナイザーを用いる。
【0055】
高圧ホモジナイザーの代表例を具体的に例示すると、ナノマイザー製の商品名;ナノマイザー、マイクロフルイディクス製の商品名;マイクロフルイダイザー、及びスギノマシン製のアルティマイザーなどを挙げることができる。
【0056】
予備混合液を、上記の高圧ホモジナイザーを用いて処理圧力30MPa以上で対向衝突させるか、或いはオリフィスの入口側と出口側の差圧が30MPa以上の条件でオリフィスを通過させることによって、生産性良く、平均粒子径が0.5μm未満のシリカ粒子を22重量%超含有するカチオン性樹脂変性シリカ分散液を得ることができる。
【0057】
シリカ粒子の平均粒子径が0.5μm未満のシリカ分散液とカチオン性樹脂とを混合・分散した予備混合液中では、前述したようにシリカ粒子の再凝集が起こっており、これを更に微粒化させようとすると急激に粘度が上昇した後に、粘度が下降する傾向がある。このように急激に粘性が変化する予備混合液、特に途中で一度粘度が急激に上昇するような予備混合液を湿式メディア式粉砕機などで更に微粒化させようとすると、運転条件の設定が非常に難しくなるので好ましくない。高圧ホモジナイザーは、このような粘性が急激に変化する予備混合液の微粒化に対して非常に適している。
【0058】
本発明において、極性溶媒中に湿式シリカを分散してシリカスラリーを得るときの温度、該シリカスラリーを微粒化してシリカ分散液を得るときの温度、該シリカ分散液とカチオン性樹脂とを混合・分散して予備混合液を得るときの温度、予備混合液を微粒化するときの温度(以下、いずれも分散液製造温度ともいう)は、製造途中で増粘・ゲル化などを起こすことなく安定的に製造するために、いずれの場合も40℃以下の温度範囲で制御することが好ましい。
【0059】
分散液製造温度を40℃以下の温度範囲に制御する方式は特に制限されないが、40℃以下の温度範囲において任意の一定温度となるように制御することが好ましい。
【0060】
上記(2)の、極性溶媒、湿式シリカ及びカチオン性樹脂を混合・分散したシリカスラリーを、湿式メディア型分散機を用いて、該シリカスラリー中のシリカ粒子を平均粒子径0.5μm未満になるまで微粒化することにより、カチオン性樹脂変性シリカ分散液を得る方法においては、まず極性溶媒、湿式シリカ及び平均分子量1万以下の環状アンモニウム塩型のカチオン性樹脂を混合・分散してシリカ濃度が22重量%超のシリカスラリーを得る。
【0061】
シリカスラリーを得る方法としては、(i)極性溶媒、湿式シリカ及び平均分子量1万以下の環状アンモニウム塩型のカチオン性樹脂を混合・分散して一度で平均分子量1万以下の環状アンモニウム塩型のカチオン性樹脂を含んだシリカスラリーとする方法、(ii)湿式シリカを極性溶媒に混合・分散して一度シリカスラリーとした後、更に平均分子量1万以下の環状アンモニウム塩型のカチオン性樹脂と混合・分散して、平均分子量1万以下の環状アンモニウム塩型のカチオン性樹脂を含んだシリカスラリーとする方法を挙げることができる。
【0062】
上記(i)及び(ii)の両方法において、カチオン性樹脂の有無に関わらず、シリカの平均粒子径を0.5μm未満まで微粒化する前のシリカスラリーのpHは5未満になるように調整するのが好ましい。シリカスラリーのpHを5未満に調整することにより、シリカスラリーの製造途中及びその後のシリカスラリーの微粒化途中でゲル化などの現象を起こすことなく、シリカ濃度22重量%超のカチオン性樹脂変性シリカ分散液を安定的に製造することが可能となる。
【0063】
シリカスラリーを得る方法(i)においては、シリカスラリーのpHを5未満に調整するための方法として、予め極性溶媒にカチオン性樹脂を添加してpHを5未満に調整した後、該極性溶媒に湿式シリカを分散する方法、極性溶媒に湿式シリカとカチオン性樹脂とを同時に添加して、pH調整を行いながら、極性溶媒に湿式シリカを分散する方法を挙げることができる。
【0064】
また、シリカスラリーを得る方法(ii)においては、上記(1)のカチオン性樹脂変性シリカ分散液を製造する方法においてカチオン性樹脂を混合する前のシリカスラリーのpHを5未満に調整する方法として前述したように、極性溶媒に予め硫酸等の鉱酸を添加してpH調整を行った後、該極性溶媒に湿式シリカを分散する方法、湿式シリカと硫酸等の鉱酸とを同時に添加して、pH調整を行いながら、極性溶媒に湿式シリカを分散する方法を挙げることができる。
【0065】
更に、pHを5未満に調整したカチオン性樹脂を含んでいないシリカスラリーとカチオン性樹脂とを混合・分散してカチオン性樹脂を含んでいるシリカスラリーを得る方法は、特に制限されないが、シリカスラリーをカチオン性樹脂水溶液に添加し、混合・分散する方法、シリカスラリーとカチオン性樹脂水溶液とを同時に添加して、混合・分散する方法などを挙げることができる。
【0066】
シリカスラリーを調製するために使用する分散機は、カチオン性樹脂の有無に関わらず、特に制限されないが、前述の一般攪拌機、高速回転遠心放射型攪拌機、高速回転せん断型攪拌機、コロイドミル、プラネタリーミキサー、吸引式分散機などの分散機、更に上記の分散機を組み合わせた複合型分散機が挙げられる。
【0067】
上記(2)のカチオン性樹脂変性シリカ分散液を製造する方法においては、次いで、上記の方法で得られたカチオン性樹脂を含むシリカスラリーを、該シリカスラリー中のシリカ粒子の平均粒子径を0.5μm未満に微粒化することにより、本発明のカチオン性樹脂変性シリカ分散液を得る。
【0068】
カチオン性樹脂を含むシリカスラリーを微粒化して、カチオン性樹脂シリカ分散液を調製するために使用する微粒化装置としては、前述の湿式メディア型粉砕機を用いることができる。
【0069】
本発明において、極性溶媒、湿式シリカ及びカチオン性樹脂を混合・分散してシリカスラリーを得るときの温度、シリカスラリー中の湿式シリカ粒子を平均粒子径0.5μm未満に微粒化してカチオン性樹脂変性シリカ分散液を得るときの温度(以下、この温度も分散液製造温度ともいう)は、製造途中で増粘・ゲル化などを起こすことなく安定的に製造するために、いずれの場合も40℃以下の温度範囲で制御することが好ましい。
【0070】
分散液製造温度を40℃以下の温度範囲に制御する方式は特に制限されないが、40℃以下の温度範囲において任意の一定温度となるように制御することが好ましい。
【0071】
【実施例】
以下、本発明の実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって何ら制限されるものではない。
【0072】
なお、以下の方法によって湿式シリカケークの調製、及びカチオン性樹脂変性シリカ分散液の物性測定及びカチオン性樹脂変性シリカ分散液を原料にして調製した塗工液の性能評価を行った。
【0073】
(1)シリカケークの調製
(1−1)シリカケークAの調製
市販の珪酸ソーダと純水を反応槽中に珪酸ソーダの濃度が5重量%となるように投入した。反応槽の温度を40℃として、22重量%硫酸を用いて中和反応(中和率50%まで)を行った後、反応液の温度を95℃とした。この反応液に中和率が100%になるまで上記硫酸を加えた。生成したシリカに濾過、洗浄操作を繰り返し、シリカケークA(シリカ含有量15重量%)を得た。このシリカケークAを乾燥させたシリカの比表面積は280m/gである。
【0074】
(1−2)シリカケークBの調製
市販の珪酸ソーダと純水を反応槽中に珪酸ソーダの濃度が5重量%となるように投入した。反応槽の温度を40℃として、22重量%硫酸を用いて中和反応(中和率25%まで)を行った後、反応液の温度を95℃とした。この反応液に中和率が100%になるまで上記硫酸を加えた。生成したシリカに濾過、洗浄操作を繰り返し、シリカケークB(シリカ含有量18重量%)を得た。このシリカケークBを乾燥させたシリカの比表面積は200m/gである。
【0075】
(2)カチオン性樹脂シリカ分散液の物性測定
(2−1)粘度測定
カチオン性樹脂変性シリカ分散液300gを500ml容器に採取し、ホモジナイザー(イカ製、ウルトラタラックスT−25)を用いて、20,000rpmで5分間攪拌した。次に30℃の恒温槽に10分間つけた後、B型粘度計(トキメック製、BL)を用いて60rpmの条件でカチオン性樹脂変性シリカ分散液の粘度を測定した。
【0076】
(2−2)pH測定
シリカスラリー又はカチオン性樹脂変性シリカ分散液300gを500ml容器に採取し、ホモジナイザー(イカ製、ウルトラタラックスT−25)を用いて、20,000rpmで5分間攪拌した。次に30℃の恒温槽に10分間つけた後、pHメーター(堀場製作所、F−22)を用いて、シリカスラリー及びカチオン性樹脂変性シリカ分散液のpHを測定した。
【0077】
(2−3)平均粒子径の測定
カチオン性樹脂変性シリカ分散液のシリカ濃度が10重量%となるように、該分散液をイオン交換水で希釈した後、光散乱回折式の粒度分布測定装置(コールター製、コールターLS−230)を用いて、体積基準算術平均径D50を測定し、この値を平均粒子径として採用した。
なお、測定に際しては、水(分散媒)の屈折率1.332及びシリカの屈折率1.458をパラメーターとして入力した。
【0078】
(3)塗工液の性能評価
(3−1)塗工液の調製方法
カチオン性樹脂変性シリカ分散液をシリカ濃度が20重量%となるようにイオン交換水で希釈した後、希釈したカチオン性樹脂変性シリカ分散液と10重量%のポリビニルアルコール水溶液(クラレ製、PVA120)をシリカ:ポリビニルアルコール固形分比=2:1になるようにプロペラミキサーで撹拌、混合し、塗工液を得た。
【0079】
(3−2)塗工液の粘度測定
調製直後のカチオン性樹脂変性シリカ分散液、及び該カチオン性樹脂変性シリカ分散液を保存温度25℃の条件で7日間保存した調製7日後のカチオン性樹脂変性シリカ分散液を用いて、(3−1)の方法により塗工液を調製し、それぞれの塗工液90gを100ml容器に採取し、30℃の恒温槽に10分間つけた後、B型粘度計(トキメック製、BL)を用いて60rpmの条件で塗工液の粘度を測定した。
【0080】
(3−3)インクジェット記録用シート(塗工層)の作成方法
(3−1)で得られた塗工液をフィルムコーター(テスター産業製、PI−1210 Film Coater)を用いて、塗工量が20g/mとなるようにPETシート(アイ・シー・アイ・ジャパン製、メリネックス705)の表面に塗工した後、乾燥してPETシート上に塗工層を作成し、インクジェット記録用シートとした。
【0081】
(3−4)塗工層の光沢性
インクジェット記録用シートの塗工層表面の85°鏡面光沢を変角光度計(スガ試験社製、UGV−5D)を用いて、JIS Z 8741の測定方法に準じて測定を行い、塗工層の光沢性を下記の基準で評価した。
◎:85°鏡面光沢 80以上
○:85°鏡面光沢 75〜80
△:85°鏡面光沢 70〜75
×:85°鏡面光沢 70以下
【0082】
(3−5)塗工層のインク吸収性
インクジェットプリンタ(エプソン製、PM700C)を用いてマゼンダインクでベタ印刷を行い、印字直後から5秒毎に印刷した印字面に市販の上質紙を貼り合わせ、上質紙にインクが転写しなくなるまでの時間の測定を行い、塗工層の吸液性を下記の基準で評価した。
◎:10秒以内
○:15〜20秒
△:25〜30秒
×:35秒以上
【0083】
(3−6)塗工層の耐水性
インクジェットプリンタ(エプソン製、PM700C)を用いてマゼンダインクで文字印刷を行い、印字面のインクが充分に乾燥したことを確認した後、印字後のインクジェット記録用シートを水中に浸漬し、30秒後インクが流れ出すことにより発生する印刷した文字の滲んだ状態を肉眼で観察した。
○:文字の滲みがほとんど観察されない。
△:文字の滲みが観察される。
×:数10ヶ所以上文字の滲みが観察される。
【0084】
実施例1
イオン交換水80gに、シリカスラリーのpHが4.5となるようにpH調整剤として2N硫酸を添加した後、液温度を30℃に維持して、シリカケークA1,670gを徐々に添加し、続いて比表面積が280g/mの湿式シリカ粉(トクヤマ製、ファインシールX−37B)を250g徐々に添加しながら、ウルトラミキサー(みづほ工業製、ウルトラミキサーLR−2)で分散することにより、pHが4.5のシリカスラリーを得た。このシリカスラリーを湿式メディア型粉砕機(コトブキ技研工業製、スーパーアペックスミルSAM−1)を用いて、ビーズ径0.3mmφ、ビーズ充填率80%、ローター周速10m/sec、液温度30℃の条件で微粒化処理することにより、平均粒子径が0.25μmのシリカ分散液を得た。
【0085】
このシリカ分散液2,000gを平均分子量4,000のジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合物水溶液(カチオン性樹脂濃度50重量%)100gに徐々に添加しながら、液温度を30℃に維持して、ウルトラミキサー(みづほ工業製、ウルトラミキサーLR−2)で混合することにより予備混合液を得た。この予備混合液を高圧ホモジナイザー(ナノマイザー製、ナノマイザーLA−31)を用いて処理圧力80MPa、液温度30℃の条件で再分散処理を行うことにより、カチオン性樹脂変性シリカ分散液を得た。
【0086】
得られたカチオン性樹脂変性シリカ分散液の物性を表1に、塗工液の評価を表2に示した。
【0087】
実施例2
イオン交換水360gに、シリカスラリーのpHが4.5となるようにpH調整剤として2N硫酸を添加した後、液温度を30℃に維持して、シリカケークB1,390gを徐々に添加し、続いて比表面積が200g/mの湿式シリカ粉(トクヤマ製、ファインシールT−32)を250g徐々に添加しながら、ウルトラミキサー(みづほ工業製、ウルトラミキサーLR−2)で分散することにより、pHが4.5のシリカスラリーを得た。このシリカスラリーを湿式メディア型粉砕機(コトブキ技研工業製、スーパーアペックスミルSAM−1)を用いて、ビーズ径0.3mmφ、ビーズ充填率80%、ローター周速10m/sec、液温度30℃の条件で微粒化処理することにより、平均粒子径が0.23μmのシリカ分散液を得た。
【0088】
このシリカ分散液2,000gを平均分子量4,000のジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合物水溶液(カチオン性樹脂濃度50重量%)100gに徐々に添加しながら、液温度を30℃に維持して、ウルトラミキサー(みづほ工業製、ウルトラミキサーLR−2)で混合することにより予備混合液を得た。この予備混合液を高圧ホモジナイザー(ナノマイザー製、ナノマイザーLA−31)を用いて処理圧力80MPa、液温度30℃の条件で再分散処理を行うことにより、カチオン性樹脂変性シリカ分散液を得た。
【0089】
得られたカチオン性樹脂変性シリカ分散液の物性を表1に、塗工液の評価を表2に示した。
【0090】
実施例3
イオン交換水1,500gに、シリカスラリーのpHが4.5になるようにpH調整剤として2N硫酸を添加した後、比表面積が280m/gの湿式シリカ粉(トクヤマ製、ファインシールX−37B)500gを徐々に添加しながら、液温度を30℃に維持して、ウルトラミキサー(みづほ工業製、ウルトラミキサーLR−2)で分散することにより、pHが4.5のシリカスラリーを得た。このシリカスラリーを湿式メディア型粉砕機(コトブキ技研工業製、スーパーアペックスミルSAM−1)を用いて、ビーズ径0.3mmφ、ビーズ充填率80%、ローター周速10m/sec、液温度30℃の条件で微粒化処理することにより、平均粒子径が0.32μmのシリカ分散液を得た。
【0091】
このシリカ分散液2,000gを平均分子量4,000のジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合物水溶液(カチオン性樹脂濃度50重量%)100gに徐々に添加しながら、液温度を30℃に維持して、ウルトラミキサー(みづほ工業製、ウルトラミキサーLR−2)で混合することにより予備混合液を得た。この予備混合液を高圧ホモジナイザー(ナノマイザー製、ナノマイザーLA−31)を用いて処理圧力80MPa、液温度30℃で再分散処理を行うことにより、カチオン性樹脂変性シリカ分散液を得た。
【0092】
得られたカチオン性樹脂変性シリカ分散液の物性を表1に、塗工液の評価を表2に示した。
【0093】
実施例4
湿式シリカ粉として、比表面積が200m/gの湿式シリカ粉(トクヤマ製、ファインシールT−32)を用いる以外は実施例3と同様にしてカチオン性樹脂変性シリカ分散液を得た。
【0094】
得られたカチオン性樹脂変性シリカ分散液の物性を表1に、塗工液の評価を表2に示した。
【0095】
実施例5
カチオン性樹脂として、平均分子量7,000のジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合物水溶液(カチオン性樹脂濃度50重量%)とする以外は、実施例1と同様にして、カチオン性樹脂変性シリカ分散液を得た。
【0096】
得られたカチオン性樹脂変性シリカ分散液の物性を表1に、塗工液の評価を表2に示した。
【0097】
実施例6
カチオン性樹脂として、平均分子量4,000のジアリルジメチルアンモニウムクロライド−アクリルアミド共重合物水溶液(カチオン性樹脂濃度50重量%)とする以外は、実施例1と同様にして、カチオン性樹脂変性シリカ分散液を得た。
【0098】
得られたカチオン性樹脂変性シリカ分散液の物性を表1に、塗工液の評価を表2に示した。
【0099】
実施例7
シリカスラリーのpHが4.5で一定になるように、イオン交換水に湿式シリカ粉と2N硫酸を同時に徐々に添加する以外は、実施例3と同様にしてカチオン性樹脂変性シリカ分散液を得た。
【0100】
得られたカチオン性樹脂変性シリカ分散液の物性を表1に、塗工液の評価を表2に示した。
【0101】
実施例8
平均分子量4,000のジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合物水溶液(カチオン性樹脂濃度3重量%)1,500gに比表面積が280cm/gの湿式シリカ粉(トクヤマ製、ファインシールX−37B)500gを徐々に添加しながら、液温度を30℃に維持して、ウルトラミキサー(みづほ工業製、ウルトラミキサーLR−2)で分散することにより、pHが4.2のカチオン性樹脂を含有するシリカスラリーを得た。このシリカスラリーを湿式メディア型粉砕機(コトブキ技研工業製、スーパーアペックスミルSAM−1)を用いて、ビーズ径0.3mmφ、ビーズ充填率80%、ローター周速10m/sec、液温度30℃の条件で微粒化処理することにより、カチオン性樹脂変性シリカ分散液を得た。
【0102】
得られたカチオン性樹脂変性シリカ分散液の物性を表1に、塗工液の評価を表2に示した。
【0103】
実施例9
平均分子量4,000のジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合物水溶液(カチオン性樹脂濃度28重量%)180gに、シリカケークA1,670gを徐々に添加し、続いて比表面積が280g/mの湿式シリカ粉(トクヤマ製、ファインシールX−37B)を250g徐々に添加しながら、液温度を30℃に維持して、ウルトラミキサー(みづほ工業製、ウルトラミキサーLR−2)で混合・分散することにより、pHが4.2のカチオン性樹脂を含有するシリカスラリーを得た。このシリカスラリーを湿式メディア型粉砕機(コトブキ技研工業製、スーパーアペックスミルSAM−1)を用いて、ビーズ径0.3mmφ、ビーズ充填率80%、ローター周速10m/sec、液温度30℃の条件で微粒化処理することにより、カチオン性樹脂変性シリカ分散液を得た。
【0104】
得られたカチオン性樹脂変性シリカ分散液の物性を表1に、塗工液の評価を表2に示した。
【0105】
実施例10
実施例1と同様にして、pHが4.5のシリカスラリーを得た。このシリカスラリー2,000gを分子量4,000のジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合物(カチオン性樹脂濃度50重量%)100gに徐々に添加しながら、液温度を30℃に維持して、ウルトラミキサー(みづほ工業製、ウルトラミキサーLR−2)で混合することにより、pHが3.6のカチオン性樹脂を含有するシリカスラリーを得た。このシリカスラリーを湿式メディア型粉砕機(コトブキ技研工業製、スーパーアペックスミルSAM−1)を用いて、ビーズ径0.3mmφ、ビーズ充填率80%、ローター周速10m/sec、液温度30℃の条件で微粒化処理することにより、カチオン性樹脂変性シリカ分散液を得た。
【0106】
得られたカチオン性樹脂変性シリカ分散液の物性を表1に、塗工液の評価を表2に示した。
【0107】
実施例11
実施例3と同様にして、pHが4.5のシリカスラリーを得た。このシリカスラリー2,000gを分子量4,000のジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合物(カチオン性樹脂濃度50重量%)100gに徐々に添加しながら、液温度を30℃に維持して、ウルトラミキサー(みづほ工業製、ウルトラミキサーLR−2)で混合することにより、pHが3.5のカチオン性樹脂を含有するシリカスラリーを得た。このシリカスラリーを湿式メディア型粉砕機(コトブキ技研工業製、スーパーアペックスミルSAM−1)を用いて、ビーズ径0.3mmφ、ビーズ充填率80%、ローター周速10m/sec、液温度30℃の条件で微粒化処理することにより、カチオン性樹脂変性シリカ分散液を得た。
【0108】
得られたカチオン性樹脂変性シリカ分散液の物性を表1に、塗工液の評価を表2に示した。
【0109】
実施例12
イオン交換水1,500gに、比表面積280g/mの湿式シリカ粉(トクヤマ製、ファインシールX−37B)500gと平均分子量4,000のジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合物水溶液(カチオン性樹脂濃度50重量%)100gを同時に徐々に添加しながら、液温度を30℃に維持して、ウルトラミキサー(みづほ工業製、ウルトラミキサーLR−2)で混合することにより、pH4.3のカチオン性樹脂を含有するシリカスラリーを得た。このシリカスラリーを湿式メディア型粉砕機(コトブキ技研工業製、スーパーアペックスミルSAM−1)を用いて、ビーズ径0.3mmφ、ビーズ充填率80%、ローター周速10m/sec、液温度30℃の条件で微粒化処理することにより、カチオン性樹脂変性シリカ分散液を得た。
【0110】
得られたカチオン性樹脂変性シリカ分散液の物性を表1に、塗工液の評価を表2に示した。
【0111】
実施例13
シリカスラリーのpHが4.5で一定になるように、イオン交換水に湿式シリカ粉と2N硫酸を同時に徐々に添加する以外は、実施例3と同様にしてpHが4.5のシリカスラリーを得た。このシリカスラリー2,000gを分子量4,000のジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合物(カチオン性樹脂濃度50重量%)100gに徐々に添加しながら、液温度を30℃に維持して、ウルトラミキサー(みづほ工業製、ウルトラミキサーLR−2)で混合することにより、pHが3.5のカチオン性樹脂を含有するシリカスラリーを得た。このシリカスラリーを湿式メディア型粉砕機(コトブキ技研工業製、スーパーアペックスミルSAM−1)を用いて、ビーズ径0.3mmφ、ビーズ充填率80%、ローター周速10m/sec、液温度30℃の条件で微粒化処理することにより、カチオン性樹脂変性シリカ分散液を得た。
【0112】
得られたカチオン性樹脂変性シリカ分散液の物性を表1に、塗工液の評価を表2に示した。
【0113】
比較例1
実施例1と同様にして、pH4.5のシリカ分散液を得た。
【0114】
このシリカ分散液2,000gを平均分子量20,000のジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合物水溶液(カチオン性樹脂濃度50重量%)100gに徐々に添加しながら、液温度を30℃に維持して、ウルトラミキサー(みづほ工業製、ウルトラミキサーLR−2)で混合を試みたが、混合途中に強固にゲル化し、再分散が不可能となった。
【0115】
比較例2
実施例1と同様にして、pH4.5のシリカ分散液を得た。
【0116】
このシリカ分散液2,000gを平均分子量5,000のアリルアミン塩酸塩重合物(カチオン性樹脂濃度50重量%)100gに徐々に添加しながら、液温度を30℃に維持して、ウルトラミキサー(みづほ工業製、ウルトラミキサーLR−2)で混合を試みたが、混合途中に強固にゲル化し、再分散が不可能となった。
【0117】
比較例3
実施例1と同様にして、pHが4.5のシリカスラリーを得た。このシリカスラリー2,000gを分子量20,000のジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合物(カチオン性樹脂濃度50重量%)100gに徐々に添加しながら、液温度を30℃に維持して、ウルトラミキサー(みづほ工業製、ウルトラミキサーLR−2)で混合することにより、pHが3.5のカチオン性樹脂を含有するシリカスラリーを得た。このシリカスラリーを湿式メディア型粉砕機(コトブキ技研工業製、スーパーアペックスミルSAM−1)を用いて、ビーズ径0.3mmφ、ビーズ充填率80%、ローター周速10m/sec、液温度30℃の条件で微粒化処理を試みたが、滞留時間2分の時点で分散液が強固にゲル化し、微粒化処理が不可能となった。
【0118】
比較例4
実施例1と同様にして、pHが4.5のシリカスラリーを得た。このシリカスラリー2,000gを分子量5,000のアリルアミン塩酸塩重合物水溶液(カチオン性樹脂濃度50重量%)100gに徐々に添加しながら、液温度を30℃に維持して、ウルトラミキサー(みづほ工業製、ウルトラミキサーLR−2)で混合することにより、pHが3.5のカチオン性樹脂を含有するシリカスラリーを得ることを試みたが、混合途中にシリカスラリーが強固にゲル化し、再分散が不可能となった。
【0119】
比較例5
pH調整剤を添加しない以外は、実施例1と同様にして、シリカスラリーを得た。シリカスラリーのpHは5.8であった。このシリカスラリーを実施例1と同じ条件で微粒化処理することを試みたが、滞留時間4分の段階で分散液が強固にゲル化し、引き続き微粒化処理を行うことが不可能となった。
【0120】
比較例6
イオン交換水1,500gに、比表面積が300m/gの乾式シリカ粉(トクヤマ製、レオロシールQS30)500gを徐々に添加しながら、液温度を30℃に維持して、ウルトラミキサー(みづほ工業製、ウルトラミキサーLR−2)で分散することにより、pHが3.5のシリカスラリーを得た。このシリカスラリー2,000gを分子量4,000のジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合物(カチオン性樹脂濃度50重量%)100gに徐々に添加しながら、液温度を30℃に維持して、ウルトラミキサー(みづほ工業製、ウルトラミキサーLR−2)で混合することにより、pHが2.3のカチオン性樹脂を含有するシリカスラリーを得た。このシリカスラリーを湿式メディア型粉砕機(コトブキ技研工業製、スーパーアペックスミルSAM−1)を用いて、ビーズ径0.3mmφ、ビーズ充填率80%、ローター周速10m/sec、液温度30℃の条件で微粒化処理することにより、カチオン性樹脂変性シリカ分散液を得た。
【0121】
得られたカチオン性樹脂変性シリカ分散液の物性を表1に、塗工液の評価を表2に示した。
【0122】
比較例7
乾式シリカとして、比表面積が200m/gの乾式シリカ粉(トクヤマ製、レオロシールQS102)を用いる以外は比較例6と同様にしてカチオン性樹脂変性シリカ分散液を得た。
得られたカチオン性樹脂変性シリカ分散液の物性を表1に、塗工液の評価を表2に示した。
【0123】
【表1】
Figure 0004279056
【0124】
【表2】
Figure 0004279056
【0125】
実施例1〜13で得られた本発明のカチオン性樹脂変性シリカ分散液を用いて調製した塗工液は、いつ塗工液を調製しても塗工液粘度が低い値で安定しており、且つ、該塗工液を塗工した塗工層は、いずれも光沢性、インク吸収性、耐水性に優れていた。
【0126】
また、本発明の製造方法によれば、カチオン性樹脂として平均分子量1万以下の環状アンモニウム塩型のカチオン性樹脂を用いることで、カチオン性樹脂変性シリカ分散液中のシリカ濃度が22重量%超であっても、製造途中にゲル化することなく、本発明のカチオン性樹脂変性シリカ分散液を得ることができ、得られた該分散液中のシリカの平均粒子径も0.5μm未満であることが確認された。
【0127】
一方、比較例1〜5では、製造途中に分散液全体がゲル化してしまい、分散液中のシリカ濃度が22重量%超であり、シリカの平均粒子径が0.5μm未満であるカチオン性樹脂シリカ分散液を得ることができなかった。
【0128】
また、比較例6〜7で得られた乾式シリカを原料としたカチオン性樹脂変性シリカ分散液を用いて調製した塗工液は、バインダーを混合する時期によって塗工液粘度が不安定であり、且つ、該塗工液を塗工した塗工層は、湿式シリカを原料とした本発明のカチオン性樹脂変性シリカ分散液と比較して、若干インク吸収性が低かった。
【0129】
【発明の効果】
以上の説明からも理解されるように、本発明のカチオン性樹脂変性シリカ分散液は、カチオン性樹脂を平均分子量1万以下の環状アンモニウム塩型のカチオン性樹脂にすることにより、該分散液中のシリカ濃度が22重量%超であり、湿式シリカ粒子の平均粒子径が0.5μm未満でありながら、製造途中にゲル化せずに安定して得られるため、光沢性、インク吸収性、耐水性に優れたインクジェット用記録紙の塗工液の原料などに好適に使用することができる。

Claims (9)

  1. 極性溶媒中に湿式シリカをシリカスラリーのpHが5未満になるように分散したシリカスラリーを湿式メディア型粉砕機で微粒化した後に、平均分子量が1万以下の環状アンモニウム塩型のカチオン性樹脂と混合・分散し、更に高圧ホモジナイザーにより微粒化処理を行うことを特徴とするシリカ濃度22重量%超、且つ、シリカ粒子の平均粒子径が0.5μm未満であるカチオン性樹脂変性シリカ分散液の製造方法。
  2. シリカスラリーのpHが5未満になるように、予め鉱酸でpHを調整した後、極性溶媒中に湿式シリカを分散してシリカスラリーとすることを特徴とする請求項記載のカチオン性樹脂変性シリカ分散液の製造方法。
  3. シリカスラリーのpHが5未満になるように、極性溶媒に湿式シリカと鉱酸を同時に添加して、pH調整を行いながら、該極性溶媒に湿式シリカを分散してシリカスラリーとすることを特徴とする請求項記載のカチオン性樹脂変性シリカ分散液の製造方法。
  4. 極性溶媒、湿式シリカ及び平均分子量が1万以下の環状アンモニウム塩型のカチオン性樹脂をシリカスラリーのpHが5未満になるように混合・分散したシリカスラリーを湿式メディア型粉砕機により微粒化処理を行うことを特徴とする、シリカ濃度22重量%超、且つ、シリカ粒子の平均粒子径が0.5μm未満であるカチオン性樹脂変性シリカ分散液の製造方法。
  5. シリカスラリーのpHが5未満になるように、予め極性溶媒にカチオン性樹脂を添加してpHを調整した後、極性溶媒中に湿式シリカを分散してシリカスラリーとすることを特徴とする請求項記載のカチオン性樹脂変性シリカ分散液の製造方法。
  6. シリカスラリーのpHが5未満になるように、極性溶媒に湿式シリカとカチオン性樹脂を同時に添加して、pH調整を行いながら、該極性溶媒に湿式シリカを分散してシリカスラリーとすることを特徴とする請求項記載のカチオン性樹脂変性シリカ分散液の製造方法。
  7. シリカスラリーのpHが5未満になるように、予め鉱酸でpHを調整した後、極性溶媒中に湿式シリカを分散し、シリカスラリーを得た後、該シリカスラリーとカチオン性樹脂とを混合・分散して、カチオン性樹脂を含んだシリカスラリーとすることを特徴とする請求項記載のカチオン性樹脂変性シリカ分散液の製造方法。
  8. シリカスラリーのpHが5未満になるように、極性溶媒に湿式シリカと鉱酸を同時に添加して、pH調整を行いながら、該極性溶媒に湿式シリカを分散し、シリカスラリーを得た後、該シリカスラリーとカチオン性樹脂とを混合・分散して、カチオン性樹脂を含んだシリカスラリーとすることを特徴とする請求項記載のカチオン性樹脂変性シリカ分散液の製造方法。
  9. 極性溶媒に湿式シリカケークを添加した後に、湿式シリカ粉を添加し、混合してシリカスラリーとすることを特徴とする請求項1又は4記載のカチオン性樹脂変性シリカ分散液の製造方法。
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