JP2004292272A - 非晶質シリカ及びそれを用いたインクジェット記録媒体の製造方法 - Google Patents

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大 永原
Kazuyuki Fujita
一之 藤田
Takashi Ochi
隆 越智
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Abstract

【課題】インクジェット記録媒体のインク受理層用顔料として特に適している非晶質シリカを、効率よく製造する方法、この方法で得られるシリカ分散体を用いた記録適性の良いインクジェット記録媒体の製造方法を提供することにある。
【解決手段】珪酸ソーダ水溶液に鉱酸を添加して中和反応により非晶質シリカを製造する方法において、珪酸ソーダに、中和当量の25〜55%に相当する量の鉱酸を60℃以上で反応系の沸点以下の温度において添加した後、熟成して粒子の析出及び凝集を行う第1工程、ついで 実質的な残量の鉱酸を添加し、熟成時間内に湿式粉砕処理を施す第2工程、さらに鉱酸を添加して分散体のpHを8〜3の範囲に調整する第3工程により非晶質シリカおよびその分散体を得る。またこの分散体を水洗、ろ過し再分散した分散体をそのまま用いて所要薬品を配合しインク受理層用塗料とし、情報に従ってインクジェット記録媒体を作成する。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な非晶質シリカおよびその分散体の製造方法に関する。更に、この分散体を用いたインクジェット記録媒体用の塗料を調製する際に粉体の飛散などがなく、作業性の良いインクジェット記録媒体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式は近年、急速に発展してきた記録方式であり、その特徴はフルカラー化、高速化が容易なことや印字騒音が少ない等の特徴を有し、また装置がコンパクトで低価格であることから家庭やオフィスでのカラー印刷機として普及して来ている。インクジェット記録方式は、ノズルから紙などの記録媒体に向けてインク液滴を噴射させ画像を形成させる記録媒体と、プリンタが直接接触しないノンインパクト式の印字方式である。インクジェット記録用のインクは、安定した液滴を形成させるためインク中に多量の溶媒を含んでいる。このため、良好な画質を得る記録媒体としては、ノズルより噴射されたインク液滴を速やかに吸収する必要がある。
【0003】
インクジェット記録媒体には、インクを速やかに吸収し、品質を向上させるために、インク受容層が設けられる。インク受容層は、インクを瞬時にまた多量に吸収するための顔料、顔料を支持体上に結合させる結着剤、インクをインク受理層に固着させておくためのインク定着剤並びに各種助剤から形成されている。このような顔料としてはインクの吸収性、発色性の観点から合成非晶質シリカが最も一般に使用されている。合成非晶質シリカは一般的に乾式製造法によって得られる乾式シリカ(無水珪酸)と湿式製造法によって得られる湿式シリカ(含水珪酸)に分類でき、さらに湿式シリカに属するシリカには、製法により沈降法シリカとゲル法シリカに分類できる。これらは製造条件によりシリカの多孔構造、比表面積、表面状態等を様々にコントロールし、用途に応じて使用されている。
【0004】
インクジェット記録媒体のインク受容層用顔料に適した沈降法シリカの製造方法としては、硫酸ソーダ(Na2SO4 )を含有する珪酸ソーダ水溶液中に硫酸を添加する方法が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。しかしながら、これらの方法は、中和反応後に一度乾燥し、これを乾式粉砕し、その後さらに分級して粒子径及び粒子径分布を調整する方法であって、製品までの製造工程が長く複雑であるという問題、また、工程途中でのロスが多く、収率が低いという問題があった。また、これらの方法では、製品である非晶質シリカが粉体で得られる為、インクジェット用紙用塗料をホモジナイザー等によって調製する際に、粉体が飛散し、ハンドリングにも問題があった。
シリカ粉体の取り扱い性を改善する方法として、珪酸ソーダを3段階に分けて段階的に鉱酸で中和し、その第1段階の中和終了後、熟成期間中に湿式粉砕処理してシリカ分散体を得る方法が知られている(特許文献3)。この方法で得られたシリカ分散体をインクジェット記録媒体のインク受理層用顔料とすると、インク吸収性は高いが、インクジェット記録として十分な発色性が得られないという問題があることがわかった。
【0005】
【特許文献1】特開平10−329412号公報
【特許文献2】特開平9−95042号公報
【特許文献3】特開平8−91820号公報
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、特にインクジェット記録媒体のインク受理層用顔料として適した新規な非晶質シリカの製造方法及びそれを用いた記録適性の良いインクジェット記録媒体の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、珪酸ソーダ水溶液に鉱酸を添加して中和反応により非晶質シリカを製造する方法において、濃度を調整した珪酸ソーダ水溶液を温度60℃以上、沸点以下に加熱し、この水溶液中に、中和当量の25〜55%相当量の鉱酸を添加した後、熟成してシリカ粒子の析出及び凝集を行う第1工程、ついで前工程の添加分と積算して中和当量が70〜95%となるように鉱酸を添加し、熟成時間内に湿式粉砕処理を施す第2工程、さらに鉱酸を添加して分散体のpHを8〜3の範囲に調整する第3工程とからなることを特徴とする非晶質シリカ及びその分散体の製造方法により、上記課題が解決されることを見出した。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明において、非晶質シリカを製造するための第1工程は、珪酸ソーダ水溶液を濃度調節して加熱し、第1段の鉱酸を添加して、シリカ粒子の析出と凝集を行う工程である。珪酸ソーダ溶液は、SiO2/Na2Oのモル比が2.0〜4.0であることが好ましく、またシリカ濃度は4〜15重量%の範囲に設定する事が好ましい。シリカ濃度が15重量%を超えて高くなるほど第1工程中の粘度上昇時に均一な攪拌が困難になりシャープな粒子分布を有する良好な非晶質シリカが得られにくい。また4重量%未満の低濃度では、理由は定かではないが得られたシリカ粒子をインクジェット記録媒体のインク受理層用顔料とした場合にインク吸収が悪くなり、画像のにじみが発生し易い。シリカ濃度のより好ましい範囲としては、5〜10重量%、更に好ましくは5〜8重量%である。濃度調節した珪酸ソーダ溶液は、60℃から溶液の沸点以下の温度域に加熱する。温度が60℃未満では、非晶質シリカの析出速度が遅くなり、第2工程において急激な粘度上昇が起こってしまう。中和反応に供する鉱酸としては、硫酸、塩酸、硝酸などを使用することができ、好ましくは硫酸を使用する。鉱酸の濃度は特に限定されず、反応条件に合わせて調節するのが好ましい。第1工程における鉱酸の添加量は、珪酸ソーダの中和当量の25〜55%に相当する量の範囲に設定する必要があり、好ましくは35〜50%の範囲で行うことが好ましい。理由は定かではないが、25%未満では、インクの吸収性が悪くなりやすく、55%以上では、印字濃度の低下を招いてしまう傾向にある。添加に要する時間は5〜20分の比較的短時間が良好である。また、温度及びシリカ濃度が高く、鉱酸添加量が多いほど短時間にシリカが析出するので、それらの条件に合わせて添加速度を調整することが好ましい。5分より短い添加は、均一な反応系を維持することが困難になる傾向にある。鉱酸の添加後は、従来熟成操作と呼ばれ、加熱下の通常攪拌操作を所定時間継続してシリカの析出及び凝集を行うための工程である。温度及び鉱酸添加量によってシリカの析出及び凝集速度に違いがあるため、それらの条件に合わせて熟成時間を調整することが好ましい。熟成時間は概ね30分から2時間である。
【0008】
次に第2工程は、反応液温度を60℃から溶液の沸点以下に保持しながら、前工程の添加分と積算して中和当量が70〜95%、好ましくは80〜95%となるように鉱酸を第2段として分割添加してほぼ全量の非晶質シリカを析出させ、第1工程で析出した非晶質シリカ粒子の連結を強化し、かつ熟成時間内に強力せん断力に基づく徹底的な湿式粉砕処理を施す工程である。第2工程では、鉱酸の添加後に速やかに強力せん断力に基づく徹底的な湿式粉砕処理を施すことが重要である。該湿式粉砕は、鉱酸添加後の非晶質シリカが析出した後から行うが、必要に応じて鉱酸を添加する直前から行ってもかまわない。本発明では、第2工程の熟成時間内に、熟成の進行と同時に湿式粉砕を行う事により反応系が極めて均一化された状態になり、かつ粉砕効率が著しく向上し、良好な粒子が生成する。熟成時間は反応条件によって変更することが好ましいが、概ね30分〜2時間がよい。この時間内に平均粒子径が2〜50μm、好ましくは3〜30μmになるように、粉砕機動力及び流量を調節する。ここで、徹底した湿式粉砕とは強力せん断力を加える事のできる粉砕機または分散機を用い、生成する非晶質シリカ粒子のアグロメレーションを可及的に防ぐ操作を意味する。第2工程の湿式粉砕に用いる粉砕機としては、特開平8−91820号公報に記載されているボールミル、ロッドミル等の広義のボールミルや、タワーミル、アトライター、セイトリーミル、サンドグラインダー、アニューラミル等の媒体撹拌式粉砕機、コロイドミル、ホモミキサー、インラインミル等の高速回転粉砕機などが挙げられる。
【0009】
次に第3工程は、第2工程に引き続き更に鉱酸を添加して、分散体のpHを8〜3、好ましくは7〜5の範囲に調整する工程である。この段階の鉱酸添加は、非晶質シリカの凝集粒子に包含されたアルカリ成分が溶出してpHの戻りが生じるうえ、このpH域での変化が大きいことから30〜60分程度の時間をかけて除々に行う事が好ましい。なお、ここでの鉱酸の添加は、反応系のpHの調整にあり、反応は前工程で実質的に終了している関係で、その添加量は通常多くても中和当量の30%、好ましくは20%、更に好ましくは5%程度である。操作的には、前工程との関係からみれば、穏やかな添加処理ということになる。なお、第3工程で得られた非晶質シリカには、複製した鉱酸の塩が混入しているため、この塩を除去する。除去の方法は、水洗とろ過、即ち攪拌しながら水を添加し余分な塩を溶出させ、その後ろ過して水分を除去し、この操作を適当な回数繰り返すことによって行うことができる。
【0010】
本発明の方法によれば、反応温度は比較的低温で実施することができるので、熱経済上有利であり、また一次粒子径と凝集による二次粒子径を共に小さくすることができ、粒度分布もシャープなものとすることができる。インクジェット記録媒体のインク受理層用顔料としての利用は、上記特性を有効な利用である。理由は明らかではないが、発色性やインク吸収性が良く、特に白抜け文字を印字した場合の鮮明性が高いという優れた効果を有するので、この点でもインクジェット記録への利用は有効である。しかし、この用途に限定されるものではない。
【0011】
本発明のシリカ粒子は分散体で得られ、その分散体を水洗、ろ過したケーキを適当な濃度に調整して、バインダーその他の必要な薬品を配合して塗料とすることができる。このため、シリカ粉末を扱うときのような飛散や汚れなどの問題がなく、粉末の再分散という工程を省略でき、塗料調整が短時間で済む、水や攪拌に要するエネルギーを低減することができるなど、工業的有利性が大きい。
【0012】
インクジェット記録媒体のインク受容層として、本発明の非晶質シリカを使用する場合は、第3工程終了後のシリカ分散体を、必要な程度に水洗、ろ過を繰り返し、塩分を除去したシリカケーキを適当濃度に再分散させても良い。水洗、ろ過を繰り返しても凝集状態は実質的に変化しない。塗料として使用するときのシリカ分散体の粘度は通常500〜2000mPa・s程度になるような濃度とすると、塗料の作成および完成塗料の塗工適性に問題が生じない。
【0013】
インク受容層の顔料は本発明のシリカを顔料の主成分とし、必要に応じて、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、タルク、アルミナ、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、サチンホワイト、二酸化チタン、珪酸アルミニウム、コロイダルシリカ、モンモリロナイト、プラスチックピグメント等の顔料を単独でもしくは2種類以上併用して使用することができる。
【0014】
本発明のインクジェット記録層に使用する接着剤としては、例えばカゼイン、大豆蛋白や合成蛋白、酸化澱粉、エステル化澱粉等の澱粉類、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロール、ヒドロキシセルロース、スチレン/ブタジエンラテックス、アクリルエマルジョン、酢酸ビニルエマルジョン、ポリウレタン等の中から選択される、単独もしくは2種類以上の接着剤を使用することができる。その配合部数は、前記した顔料100重量部に対し、3〜50重量部であることが好ましく、5〜30重量部であることがさらに好ましい。更に、本発明のインクジェット記録層には、必要に応じ顔料分散剤、流動性改善剤、保水剤、染料定着剤、増粘剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤などの、各種の助剤を添加することもできる。
【0015】
本発明のインク受容層を設けるための支持体としては特に制限はないが、原紙の場合は、例えば、パルプ繊維を離解してスラリーとし、必要に応じて填料やサイズ剤、他の添加剤を添加し、抄紙機で抄造し乾燥するか、または抄造後、澱粉や高分子物質の水溶液などをサイズプレスし、乾燥してマシンカレンダーをかけて得ることができる。
【0016】
本発明において、インク受理層は支持体の片面あるいは両面に1層以上の層として設けることができる。インク受理層の塗工量は3〜40g/mであることが好ましく、更に好ましくは5〜20g/mである。
本発明において、インク受理層を形成する塗工組成物を塗工または含浸する装置には、各種ブレードコーター、ロールコーター、エアナイフコーター、バーコーター、ゲートロールコーター、カーテンコーター、ダイコーター、ショートドゥエルコーター、グラビアコーター、フレキソグラビアコーター、スプレーコーター、サイズプレスなどの各種装置をオンマシンまたはオフマシンで使用することができる。
【0017】
また、各層を塗工する前にまたは塗工後にマシンカレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー装置で表面処理することも可能である。
【0018】
【発明の効果】
本発明の新規な非晶質シリカ及びその分散体の製造方法により、中和反応後に乾燥、粉砕及び分級工程を行う必要が無く、得られた非晶質シリカ分散体をそのまま、あるいは水洗、ろ過して得られるケーキを所望濃度に再分散して使用することができる為、シリカ粉末を再分散するのに要する水やエネルギーを減少させることができる。更に、塗料を調製する際に粉体の飛散などがなく、作業性が良い。また、インクジェット記録媒体のインク受理層用顔料として使用すれば、発色性とインク吸収性が良く、白抜け文字の鮮明性が高いと言った優れた記録適性の良いインクジェット記録媒体が得られる。
【0019】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。また、実施例において示す「部」及び「%」は、特に明示しない限り固形分重量部及び重量%を示す。
〈評価項目〉
(1)平均粒子径:分散剤ヘキサメタリン酸ソーダ0.2重量%を添加した純水中に試料スラリーを滴下混合して均一分散体とし、レーザー法粒度測定機(使用機器:マルバーン社製マスターサイザーS型)を使用して平均粒子径を測定した。
(2)一次粒子径測定方法:試料スラリーを白金で蒸着処理し、電子顕微鏡で粒子径を測定した。
(3)シリカ分散性評価
実施例及び比較例で作成した非晶質シリカケーキ及び市販粉体品を、濃度15%、2000rpmの条件下で1分間分散し、その性状から分散性を評価した。
〇:問題無く、スラリー化した。
△:スラリー化しているが、一部固まりが残る。
×:まったくスラリー化しない。
(4)記録画像評価
インクジェット記録評価に関しては、市販のインクジェットプリンターPM800C(セイコーエプソン社製インクジェットプリンター)を用いて、印字した、画像について次の項目の評価を行った。各項目において、△以上の評価であれば実用することが出来る。
<発色性>
ブラック(Bk)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)について各ベタ画像を印字し、一日放置した後に、各画像部の印字濃度を反射濃度計(MACBETH RD914)で測定し、得られた測定値の合計により評価した。
〇:4色合計が6.3以上である。
△:4色合計が6.0以上、6.3未満である。
×:4色合計が6.0未満である。
<インク吸収性>
レッドとグリーンの各ベタ画像を隣り合わせにして印字して、その境界部の滲み具合で評価した。
〇:滲みが無く、各色の境界部が鮮明。
△:若干滲みが認められ、境界部がやや不鮮明。
×:滲みによる黒色線が明らかで、本来の各色の境界部が不鮮明。
<文字抜け>
グリーンベタ部に大きさの異なる白抜き文字を印字して、その文字の鮮明さを評価した。
〇:白抜き文字が鮮明でかつ小さな文字まではっきりと読み取れる。
△:大きな文字は鮮明に読み取れるが、小さな文字がやや不鮮明。
×:大きな白抜き文字もが不鮮明で読み取り難い。
【0020】
下記実施例1〜3、比較例1〜7のシリカ粒子の粒径測定結果および、インクジェット記録シートの記録適性評価を表1に纏めて示した。
[実施例1]
(1)第1工程(中和率40%);反応容器(15リットル)中で市販の3号珪酸ソーダ(SiO2:20.0% 、Na2O:9.5%)を水で希釈し、SiO2 として6.7重量%の希釈珪酸ソーダ溶液12リットルを調製した。この珪酸ソーダ溶液を70℃に加熱したのち、中和当量の40%に相当する量の硫酸(濃度98重量%)を12g/分の滴下速度で、粗大ゲルが発生しない十分な強撹拌下で添加した。添加終了後、得られた部分中和液を攪拌下で熟成処理を2時間行った。(2)第2工程(中和率40%、積算中和率80%);次いで、反応液温度を70℃に維持したまま、第1工程と同濃度の硫酸を第1工程同様の条件で、中和当量の80重量%まで添加した。添加終了後、得られた部分中和液を攪拌下で熟成処理を行うと同時に、横型サンドグラインダーにより粒径7〜10μmを目標に循環粉砕処理した。この熟成、粉砕処理を45分間行った。(3)第3工程(中和率20%);引き続き、熟成後の反応液に同濃度の硫酸を4.1g/分の添加速度で同様に添加し、反応液のpHを6に調節し、非晶質シリカ分散体を得た。
【0021】
第3工程終了後の非晶質シリカの分散体を水洗、ろ過し、非晶質シリカのケーキとした。得られた非晶質シリカケーキは、任意の分散粘度(好ましくは500〜2500cps)になるように水を加えて調節し、2000rpmで20分間分散した。この非晶質シリカを顔料100部として、染料定着剤2.7部(PF−700、昭和高分子社製)、染料定着剤5.4部(PAS−H−10L 、日東紡績社製)、ポリビニルアルコール20.2部(PVA117、クラレ社製)、消泡剤0.68部(SN−DF−480、サンノプコ社製)、表面サイズ剤5.4部(PM360、荒川化学社製)、エチレン酢酸ビニル5.4部(BE−7000、中央理化工業社製)、ラテックス5.4部(LX438C、日本ゼオン社製)を混合し、濃度16%の塗料を調製してバーコーターを用いて坪量86g/mの原紙に、乾燥塗布量が9.0g/m塗工後、カレンダー処理を行い、インクジェット記録用紙を得た。
結果を、表1に示した。
[実施例2]
実施例1において、第1〜第3工程の反応温度を85℃及び第1工程の熟成時間を30分とした以外は実施例1と同様にインクジェット記録用紙を得た。
[実施例3]
実施例1において、第2工程の粉砕時間を90分とした以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を得た。
[比較例1]
粉体として市販されている非晶質シリカとして、X−37B(トクヤマ株社製)100部に対し、実施例1と同様の化合物を配合し、濃度16%の塗料を作成し、実施例1で用いた原紙上に同様の方法で塗工してにインクジェット記録用紙を得た。
[比較例2]
実施例1において、第1工程の中和率を60%とした以外は実施例1と同様にインクジェット記録用紙を得た。
[比較例3]
実施例1において、第1工程の中和率を20%とした以外は実施例1と同様にインクジェット記録用紙を得た。
[比較例4]
実施例1において、反応温度を50℃とした以外は実施例1と同様にインクジェット記録用紙を得た。
[比較例5]
実施例1において、第2工程で行った粉砕処理を、第1工程の2時間の熟成処理期間中行い、第2工程は粉砕処理を行わず、45分間熟成処理を行った以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を得た。
[比較例6]
実施例1において、粉砕処理を第2工程で行わず、第3工程で反応液のPHを6に調整した後、45分間粉砕処理を行った以外は実施例1と同様にインクジェット記録用紙を得た。
[比較例7]
実施例1において、全工程を85℃の反応温度で行い、第2工程で行った粉砕処理を、第1工程の2時間の熟成処理期間中行い、第2工程は粉砕処理を行わず、45分間熟成処理を行った以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を得た。
【0022】
【表1】
Figure 2004292272
表1において、実施例1〜実施例3は、粉体の非晶質シリカ市販品(比較例1)に比べ、インクジェット用紙用の塗料を調製する際に粉体の飛散などがないため、作業性が良く、インクジェット記録用紙としても良好な品質が得られた。実施例と比較例を比べると、また第1工程の中和率を減少したものは(比較例3)インク吸収性が低下し、画像の滲みが生じた。第1工程の中和率を増加させたものは(比較例2)インク吸収性は良いものの、発色性が低下した。反応温度を50℃と低くしたものは(比較例4)、第2工程での反応が急速に起こり反応液が固化してしまい、シリカ分散体を製造することができなかった。粉砕処理を反応の第1工程中に行ったものは、反応温度が低い場合(比較例5)では、粒子の析出が遅く、このため粉砕の効果が十分に得られず、粒子径が大きくなった。一方反応温度を高くした場合(比較例7)では、粒子の析出が早いために粉砕の効果は得られるものの、一次粒子は大きく、そのため印字濃度が不十分であった。また、中和反応完了後に粉砕を行ったもの(比較例6)は、インク吸収性が低下し、画像の滲みが生じた。

Claims (3)

  1. 珪酸ソーダ水溶液に鉱酸を添加して中和反応により非晶質シリカを製造する方法において、珪酸ソーダに、中和当量の25〜55%に相当する量の鉱酸を60℃以上で反応系の沸点以下の温度において添加した後、熟成して粒子の凝集及び析出を行う第1工程、ついで前工程の添加分と積算して中和当量が70〜95%となるように鉱酸を添加し、熟成時間内に湿式粉砕処理を施す第2工程、さらに鉱酸を添加して分散体のpHを8〜3の範囲に調整する第3工程とからなることを特徴とする、非晶質シリカの製造方法。
  2. 珪酸ソーダ水溶液の濃度が、シリカ換算で4〜15重量%である請求項1記載の非晶質シリカの製造方法。
  3. 請求項1または2記載の製造方法で得られる、非晶質シリカの分散体を水洗、ろ過し、得られたシリカケーキを希釈分散し、この再分散液中に結着剤とその他所望の添加剤を配合して塗工液とし、この塗工液を、支持体上に塗工してインク受容層を設けることを特徴とするインクジェット記録媒体の製造方法
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