JP4279228B2 - インクジェット記録紙用塗工液の製造方法 - Google Patents

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本発明は、極性溶媒中に沈降シリカ及びバインダーを含有する新規なインクジェット記録紙用の塗工液(以下、単に塗工液とも云う。)に関する。詳しくは、インク吸収性に優れ、且つ塗工層をキャスト処理した際の光沢性にも優れたインクジェット記録紙を得ることが可能な塗工液を提供するものである。
インクジェット用記録紙の塗工液には、インク吸収性能が向上した塗工層を形成するために、平均粒子径が2.5〜3.5μmで、窒素吸着により測定した60〜130Åの範囲の細孔容積が全細孔の20%以上あり、吸油量250ml/100g以上の沈降シリカをインクジェット記録用紙用填料に用いることが提案されている(特許文献1参照)。
また、BET比表面積が270〜400m/gであり、且つ水銀圧入法で測定された細孔半径のピーク位置が37.5〜75Å、平均粒子径が3.5を超えて10μm以下の範囲である非晶質シリカ(無定形シリカ)をインクジェット記録紙用填料に用いることが提案されている(特許文献2参照)。
一方、近年市場からは写真並みの画質が得られるインクジェット記録紙が求められており、塗工層の光沢性が重要な因子となっている。塗工層の光沢性が高いほど、写真に近い質感を有する画質を実現することが可能となる。
インクジェット記録紙に光沢を付与する方法としては、原紙に塗布された塗工液が湿潤状態のときに、加熱された鏡面光沢を持つ金属ドラムに圧接し乾燥する、いわゆるキャスト法と呼ばれる方法が知られている。この場合、塗工液に使用される填料としては沈降シリカが代表的である。
ところが、前記沈降シリカは、一旦乾燥して得られたものが一般に使用されるため、乾燥収縮により強い凝集構造を有している。そのため、かかる沈降シリカを含む塗工液は、キャスト処理による加圧で粒子が潰され難く、これを使用して得られる塗工液は、インクの吸収性能は高いものの、塗工紙の光沢性において改良の余地があった。
特公平5−71394号公報参照 特開平9−95042号公報参照
従って、本発明の目的は凝集構造の弱い沈降シリカケークを分散することによって、キャスト処理後の塗工層の光沢性を低下させない沈降シリカ塗工液を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、珪酸アルカリと酸とを反応させてシリカを析出せしめる、いわゆる「沈殿法」によって生成する沈降シリカを乾燥することなく湿潤したケークの状態で、バインターと共に極性溶媒中で混合し、且つ、かかる分散された状態での該沈降シリカの凝集粒子の粒径が比較的大きくなるように調整された分散液は、乾燥工程を得ないために凝集性が緩和され、塗工液として使用した場合、キャスト処理時に表面で潰れ易く、光沢の発現性が良好で、しかも、沈降シリカであることと、その適度な凝集粒子径によって、インク吸収性においても優れた効果を発揮することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、珪酸アルカリ水溶液中に該水溶液の液温を30〜50℃に保持しながら,鉱酸を中和率が30〜60%になるように添加し、次いで得られる反応液を80℃以上に昇温した後、反応液のpHが2〜4となるように鉱酸を添加して沈降シリカを得る工程、該沈降シリカから沈降シリカケークを得る工程、該沈降シリカケークを乾燥することなく極性溶媒に分散する工程、及び該分散液にバインダーを混合する工程を有する、分散された沈降シリカの凝集粒子の平均粒子径が5〜15μmの範囲に調整されたインクジェット記録紙用塗工液(以下、単に「塗工液」ともいう。)の製造方法である。
また、本発明は、上記製造方法における沈降シリカケークを得る工程が、反応により生じた沈降シリカをろ過、水洗、脱水して水分含有率70〜90質量%の沈降シリカケークとする工程であるインクジェット記録紙用塗工液の製造方法を提供する。
更にまた、上記方法で塗工液を製造し、ついで該塗工液を基紙上に塗工するインクジェット記録紙の製造方法を提供する。
本発明の塗工液は、凝集構造の弱い沈降シリカケークを用いて、該沈降シリカの特定の凝集粒子を分散したことを特徴とするものであり、かかる塗工液は、キャスト処理の際に加圧成形が容易となり、優れた光沢性を有する塗工層を形成することが可能となる。
これに対して、乾燥した沈降シリカ粉末を分散した従来の塗工液は、該沈降シリカ粉末が、乾燥時の水の蒸発による表面張力の影響でシリカ粒子同士の結合が強化されており、そのためキャスト処理による加圧成形がされにくく、塗工紙の光沢性が向上しにくいと考えられる。
また、本発明の沈降シリカケークを用いた記録紙用塗工液より得られる塗工層は、前記沈降シリカの凝集粒子径が適度に大きいため、塗工層の光沢性を阻害することなく、大容量の吸収サイトを確保することができるため、インク吸収性に優れたものとなる。
従って、本発明の塗工液によれば、優れた吸液性と光沢性を併せ持った塗工層を実現した高品質のインクジェット記録紙を製造することが可能となる。
(沈降シリカ製造のための反応条件)
本発明において、沈降シリカは沈殿法によって製造されるシリカを総称するものである。かかる沈降シリカを得るための反応条件として、珪酸アルカリ水溶液中に鉱酸を2段階に分けて加え、シリカ沈殿物を析出させる反応であって、該珪酸アルカリ水溶液中に該水溶液の液温を30〜50℃に保持しながら,鉱酸を中和率が30〜60%になるように添加する第一酸添加処理を行い、次いで得られる反応液を80℃以上に昇温した後、反応液のpHが2〜4となるように鉱酸を添加する第二酸添加処理を行う工程よりなる方法が挙げられる。
上記沈降シリカの生成反応において、珪酸アルカリは通常の湿式シリカを製造する際に使用するものを特に制限なく使用することができる。例えば珪酸ナトリウム、珪酸カリウムを例示することができるが、工業用原料としては珪酸ナトリウムが一般的である。
また、珪酸アルカリ水溶液中に溶解しているシリカとアルカリのモル比SiO/MO(Mは、アルカリ金属を表し、例えばNa、K等である)は、SiO/NaO=2〜4のものが好ましい。
更に、珪酸アルカリ水溶液の濃度は、SiO濃度で示した場合、250〜600g/Lが一般的な目安である。尚、前記珪酸アルカリ水溶液中には、電解質、一般には硫酸ナトリウムを1〜20g/L程度混合させることもできる。
一方、前記鉱酸としては、硫酸、塩酸、硝酸等が使用できるが、工業用としては一般に硫酸が使用される。鉱酸の濃度についても特に限定されず、工業用として入手可能なものをそのまま反応液に添加することもできるし、適度に希釈して使用することも可能である。
また、珪酸アルカリ水溶液中に鉱酸を加え、中和率を30〜60%とする第一酸添加処理は液温を30〜50℃に保持することが好ましい。該液温が30℃未満である場合には、ゲルが生じやすくなり好ましくなく、50℃を超える場合には、得られる沈降シリカの比表面積が後記の好ましい範囲より小さくなる傾向がある。
更に、前記第一酸添加処理において、中和率が30%未満の場合には、最終的に得られる沈降シリカの比表面積が後記の好ましい範囲より小さくなる傾向があり、60%を超える場合にはゲル化が生じ易くなる傾向がある。
また、昇温後の反応液の液温は80℃以上が好ましい。該液温が80℃未満の場合にはゲル化するか、またはゲルかしないまでも反応液の粘度が高くなりすぎ生産性が低下する。
加えて、第二酸添加処理は、沈降シリカを完全に析出させるため、該反応液のpHが2〜4となるまで行うのが好ましい。
本発明において、前記沈降シリカは、BET比表面積が150m/g以上、好ましくは180〜400m/gの範囲であり、さらに好ましくは、200m/g〜350m/gの範囲のものが好適に使用される。即ち、該BET比表面積が150m/g未満の場合、得られる塗工層においてインクの吸収性能が低下し、インクドットの真円性が保てなくなる。また、インクジェット記録紙の表面強度が低下する。これは、基紙と塗工層、塗工層中のシリカ同士の結合は塗工層中に添加されるバインダーを介して行われるが、そのバインダーは主にシリカ表面のシラノール基と結合するため比表面積が大きいほど表面強度は向上するものと推定される。
(沈降シリカケーク)
前記の反応によって得られた反応液より、ろ過によって沈降シリカを分離し、必要に応じて洗浄し、脱水(液)して沈降シリカケークを得ることができる。その際、上記沈降シリカケークの洗浄には、一般には水が使用されるが、水と共に或いは水を使用しないで他の極性溶媒を使用することもできる。
尚、上記の沈降シリカケークのろ過、水洗、脱水にはフィルタープレス等の装置が一般に使用される。また、得られた沈降シリカケークは、湿潤状態の沈降シリカであって、乾燥することなく後述する分散液の調製に使用される。
本発明において、前記の沈降シリカケークは、水分含有率が70〜90質量%の範囲であることが好ましく、更に好適には78〜88質量%である。
(バインダー)
本発明において、バインダーは塗工液調製に使用される公知の各種バインダーを用いることができる。代表的なバインダーを具体的に示せば、ポリビニルアルコール及びその誘導体、ガゼイン、でんぷん、カルボキシメチルセルロース等を挙げることができる。
そのうち、分散適性、塗料安定性の観点からポリビニルアルコール又はその誘導体が最も有効に使用されている。上記のポリビニルアルコール誘導体としては、カチオン変性ポリビニルアルコール又はノニオン変性ポリビニルアルコールが挙げられる。
また、上記バインダーを2種類以上混合したバインダーも使用可能である。
(極性溶媒)
本発明において、必要に応じて用いられる極性溶媒は、沈降シリカケークを構成する沈降シリカが分散可能なものであれば特に制限なく使用できる。代表的な極性溶媒を例示すれば水、メタノール、エタノール、2−プロパノールのようなアルコール類、エーテル類、ケトン類が使用できる。上記溶媒を2種類以上混合した分散媒も使用可能である。一般的には水が好適に使用される。
(塗工液)
本発明において、塗工液は、前記反応により得られた沈降シリカから得られた沈降シリカケークを乾燥することなくこれと極性溶媒の混合物を分散機で分散処理し、さらに該分散液にバインダーを混合して、該沈降シリカの凝集粒子の平均粒子径を5〜15μmの範囲に調整することによって得られる。
前記混合方法は、公知の方法が特に制限無く採用される。例えば、プロペラ翼、タービン翼を有する一般攪拌機、ホモジナイザー、ホモミキサー等の高速回転せん断型攪拌機等を装着した混合槽中に沈降シリカケーク、極性溶媒を予混合し、その後バインダーを投入し混合する。
その際、得られる沈降シリカ分散液中の該沈降シリカの凝集粒子の平均粒子径を5〜15μmの範囲に調整するように、分散機の強度、処理時間等を調整する。
即ち、本発明の塗工液において、沈降シリカ凝集粒子の平均粒子径は、上記の方法で得られた分散液中において5〜15μm、好ましくは7〜12μmの範囲となるよう調整されることが重要である。上記分散液中の沈降シリカの平均粒子径が5μm未満の塗工液は、後述する実施例にも示すように、キャスト処理により塗工層の光沢性は得られるが、インク吸収性が悪化するという問題点がある。一方、沈降シリカ凝集粒子の平均粒子径が15μmを越える塗工液は、後述する実施例にも示すように、塗工層のインク吸収性は良好であるものの、かかる平均粒子径ではキャスト処理による十分な平滑性が得られず、光沢性の高い塗工層を得ることが困難となる。
従来、沈降シリカを沈殿法の特殊な条件で製造し、一次粒子径を極端に小さくしたものを湿潤状態で極性溶媒中に分散にせしめることにより、透明性の高い分散液よりなる塗工液とすることは知られている(特開2004−90627号公報)。しかし、かかる技術は、極めて小さい粒子径、一般には、1μm以下の凝集粒子径となる程度に高分散されたものであり、かかる分散を維持するためにカチオン性樹脂の添加を必須とするものである。そのため、塗工液として使用した場合、得られるインクジェット記録紙の塗工層の透明性は発揮するものの、吸液性において未だ改善の余地があった。
尚、前記沈降シリカ凝集粒子の平均粒子径は、塗工液中の凝集粒子の直径をコールターマルチサイザー(ベックマン・コールター社製)により測定したデーターを基に、それぞれの粒子径の存在割合を積算した積算曲線から積算割合が50%となる径(50%径)を求めた値である。
本発明の塗工液において、沈降シリカケークを極性溶媒中に分散した分散液中の沈降シリカの濃度は特に制限されないが、一般には8〜25質量%となるように調製することが好ましい。また、塗工時には塗工液中の固形分濃度を必要に応じて5〜20質量%に希釈して使用される。
また、本発明の塗工液において、沈降シリカに対するバインダーの配合割合は、公知の塗工液において一般に採用される割合が特に制限なく使用される。例えば、配合割合は沈降シリカ100重量部に対して10〜100重量部、好ましくは30〜60重量部である。
本発明の塗工液には、本発明の効果を著しく低下させない範囲で、公知の任意の添加剤を配合することができる。代表的な添加剤を例示すれば、カチオン性樹脂等の耐水化剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、界面活性剤、pH調整剤、消泡剤、防カビ剤などを挙げることができる。
本発明の塗工液は、公知の方法により基材上に塗工することができる。代表的な塗工方法を例示すれば、エアナイフコーター、ブレードコーター、バーコーター、ロールコーターなどを挙げることができる。
また、機材上に形成された塗工層に光沢性を付与する方法としては、原紙に塗布された塗工液が湿潤状態のときに、加熱された鏡面光沢を持つ金属ドラムに圧接し乾燥する、いわゆるキャスト法と呼ばれる方法が一般に採用され、本発明の塗工液は、かかる方法において良好な光沢性有するインクジェット記録紙を得ることができる。
以下、本発明を具体的に説明するため、実施例及び比較例を示すが、本発明はこれらの実施例のみに制限されるものではない。
なお、以下の方法によってシリカケークの調製、シリカケークの物性測定、塗工液の物性測定、記録紙の性能評価を行った。
(1)シリカケークの調製
(1−1)シリカケークAの調製
市販の珪酸ナトリウム、硫酸ナトリウム及び純水を反応槽中に珪酸ナトリウム濃度が5%、硫酸ナトリウム濃度が0.5%の溶液が形成されるように投入した。この溶液を40℃まで昇温し、22質量%硫酸を用いて中和率50%まで中和反応を行った後、反応槽中の温度を95℃に昇温した。この反応液に、pHが2〜4になるまで上記の硫酸を加えた。生成したシリカに濾過及び洗浄操作を繰り返し、脱水ケーク(水分85質量%)を得た。この脱水ケークを乾燥させて得られたシリカの比表面積は280m/gであった。
(1−2)シリカケークBの調製
市販の珪酸ナトリウム、硫酸ナトリウム及び純水を反応槽中に珪酸ナトリウム濃度が5%、硫酸ナトリウム濃度が0.5%の溶液が形成されるように投入した。この溶液を40℃まで昇温し、22質量%硫酸を用いて中和率35%まで中和反応を行った後、反応槽中の温度を95℃に昇温した。この反応液に、pHが2〜4になるまで上記の硫酸を加えた。生成したシリカに濾過及び洗浄操作を繰り返し、脱水ケーク(水分83質量%)を得た。この脱水ケークを乾燥させて得られたシリカの比表面積は180m/gであった。
(2)シリカケークの物性測定
(2−1)BET比表面積
シリカケークを乾燥器(120℃)に入れて乾燥した後、マイクロメリティクス社製のアサップ2010を使用して、窒素吸着量を測定し、相対圧0.2における1点法の値を採用した。
(2−2)シリカケークの水分含有率
シリカケークを105℃に保温した乾燥器中に2時間入れ、水分乾燥前後の重量から算出した。
(3)塗工液を構成する分散液中の沈降シリカの凝集粒子の平均粒子径
(3−1)塗工液中の凝集粒子の直径をコールターマルチサイザー(ベックマン・コールター社製)により測定した粒子径のデーターを基に、それぞれの粒子径の存在割合を積算した積算曲線を作成し、該積算曲線から積算割合が50%となる径(50%径)を求め、平均粒子径とした。
(4)記録紙の性能評価
(4−1)記録紙の光沢性
表面の光沢性インクジェット記録用光沢紙の表面の光沢性を目視で観察し、下記の基準で判定した。
◎:非常に良好な光沢性を示す。
○:良好な光沢性を示す。
△:やや光沢性が低い。
×:光沢性が低い。
(4−2)記録紙の吸液性
インクジェットプリンタ(エプソン社製、PM950C)を用いてマゼンダインクでベタ印刷を行い、印字直後から5秒毎に印刷した印字面に市販の上質紙を貼り合わせ、上質紙にインクが転写しなくなるまでの時間の測定を行い、記録紙の吸液性を下記の基準で評価した。
◎:5秒以内
○:5〜10秒
△:10〜15秒
×:15秒以上
実施例1
純水200gに、シリカ濃度が10質量%になるようにシリカケークAを加え、プロペラミキサーで攪拌することにより予備混合を行い、シリカスラリーを得た。得られたシリカスラリー300gをホモジナイザー(イカ製、ホモジナイザーT−25)を用いて20000rpmで20分間分散してシリカ濃度10質量%の分散シリカスラリーを得た。この分散シリカスラリー60gと10質量%のポリビニルアルコール水溶液(クラレ製、PVA117)30gとをプロペラミキサーで撹拌・混合し、塗工液を得た。この塗工液をバーコーダーで塗工量が20g/mになるように上質紙の表面に塗布し、40℃の条件下で全体の含水率が30%になるまで静置し、その後加熱したキャストドラムに加圧して密着させ乾燥を行い、インクジェット記録紙を作成した。得られた塗工液、記録紙の物性を表1に示した。
実施例2
シリカケークをシリカケークBとした以外は、実施例1と同様にして沈降シリカ分散液及び塗工液を得た。得られた塗工液の物性を表1に示した。
実施例3
ホモジナイザーによる分散時間を60分間とした以外は、実施例1と同様にして塗工液及び記録紙を得た。得られた塗工液、記録紙の物性を表1に示した。
比較例1
ホモジナイザーによる分散時間を5分間とした以外は、実施例1と同様にして塗工液及び記録紙を得た。得られた塗工液、記録紙の物性を表1に示した。
比較例2
ホモジナイザーを用いる代わりに、高圧ホモジナイザー(ナノマイザー社製、ナノマイザーLA−31)を用いて処理圧力78MPaで微粒化処理した以外は、実施例1と同様にして塗工液及び記録紙を得た。得られた塗工液、記録紙の物性を表1に示した。
比較例3
シリカケークAを120℃に保持した乾燥器に20時間置いて乾燥後、さらに室内に24時間放置した。これを気流粉砕機で粉砕して、水分を6質量%含有するシリカ粉末を得た。純水402g中に上記シリカ粉末48gを徐々に添加しながら、プロペラミキサーで攪拌することにより予備混合を行い、シリカスラリーを得た。ホモジナイザー(イカ製、ホモジナイザーT−25)20000rpmで10分間分散してシリカ濃度10質量%のシリカスラリーを得た。この沈降シリカ分散液60gと10質量%のポリビニルアルコール水溶液(クラレ製、PVA117)30gとをプロペラミキサーで撹拌・混合し、塗工液を得た。この塗工液をバーコーダーで塗工量が20g/mになるように上質紙の表面に塗布し、40℃の条件下で全体の含水率が30%になるまで静置し、その後加熱したキャストドラムに加圧して密着させ乾燥を行い、塗工層を作成した。得られた塗工液、記録紙の物性を表1に示した。
Figure 0004279228

Claims (3)

  1. 珪酸アルカリ水溶液中に該水溶液の液温を30〜50℃に保持しながら、鉱酸を中和率が30〜60%になるように添加し、次いで得られる反応液を80℃以上に昇温した後、反応液のpHが2〜4となるように鉱酸を添加して沈降シリカを得る工程、該沈降シリカから沈降シリカケークを得る工程、該沈降シリカケークを乾燥することなく極性溶媒に分散する工程、及び該分散液にバインダーを混合する工程を有する、分散された沈降シリカの凝集粒子の平均粒子径が5〜15μmの範囲に調整されたインクジェット記録紙用塗工液の製造方法
  2. 沈降シリカから沈降シリカケークを得る工程が、反応により生じた沈降シリカをろ過、水洗、脱水して水分含有率70〜90質量%の沈降シリカケークとする工程である請求項1記載のインクジェット記録紙用塗工液の製造方法。
  3. 請求項1又は2記載の方法で塗工液を製造し、ついで該塗工液を基紙上に塗工するインクジェット記録紙の製造方法。
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