JP4257286B2 - インクジェット記録紙用塗工液に適したシリカ粉末の製造方法 - Google Patents
インクジェット記録紙用塗工液に適したシリカ粉末の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4257286B2 JP4257286B2 JP2004319546A JP2004319546A JP4257286B2 JP 4257286 B2 JP4257286 B2 JP 4257286B2 JP 2004319546 A JP2004319546 A JP 2004319546A JP 2004319546 A JP2004319546 A JP 2004319546A JP 4257286 B2 JP4257286 B2 JP 4257286B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- silica powder
- wet silica
- recording paper
- ink jet
- jet recording
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Ink Jet (AREA)
- Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
Description
本発明において、湿式シリカ粉末は、珪酸ソーダと鉱酸及び塩類を水溶液中で反応させて得られるシリカ粉末の総称であり、ゲル法シリカ、沈殿法シリカ(あるいは沈降法シリカ)とを含むものである。
一方、沈殿法シリカは珪酸ソーダに鉱酸を添加することにより、比較的大きな一次粒子を形成させた後に、二次凝集粒子を形成させる。この二次凝集粒子を沈殿させることにより混合液と分離し、この沈殿物を洗浄・乾燥させたものである。また、いずれの方法による乾燥物も、必要に応じて解砕、粉砕して粒度を調整することができる。
本発明において使用する湿式シリカ粉末は、原料となる湿式シリカ粉末(以下、単に原料湿式シリカ粉末ともいう。)を後述する方法によって熱処理することにより得ることができる。この場合、熱処理によってその比表面積は若干、一般には1〜2割減少するので、該原料湿式シリカ粉末は、目的とする比表面積より減少量を勘案して選択すればよい。一般には、200〜500m2/gの比表面積を有する原料湿式シリカ粉末が使用される。また、前記湿式シリカ粉末の特性のうち、比表面積、細孔容積、最頻細孔径等は、原料湿式シリカ粉末の特性に左右されるため、該原料湿式シリカ粉末は、目的とする特性に合致するものが適宜選択される。
本発明において用いられる極性溶媒は、従来の湿式シリカ粉末を使用した塗工液の調製に使用されていたものが特に制限なく使用される。かかる極性溶媒としては、水が最も好ましい。勿論、水以外にもメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、エーテル類、ケトン類などの極性溶媒が使用でき、また、水と上記極性溶媒との混合溶媒も好適に使用できる。
本発明において用いられる、有機バインダーも特に制限されないが、湿式シリカ粉末シリカのもつ表面シラノール基と水素結合を形成するものが一般に使用される。かかる有機バインダーとしては、ポリビニルアルコール及びその誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ヒドロキシエチルセルロース、ゼラチンを挙げることができる。このうち特に好ましい有機バインダーとしてポリビニルアルコールを挙げることが出来る。
本発明のインクジェット記録紙用塗工液は、前記湿式シリカ粉末、有機バインダー及び極性溶媒を混合、分散させて調製される。かかる塗工液の調製方法は、特に制限されるものではないが、操作性の観点から、予め湿式シリカ粉末を極性溶媒に分散させたシリカ分散液と、予め有機バインダーを極性溶媒中に溶解させた有機バインダー液とを混合する方法が好ましい。
本発明の塗工液を使用して塗工する支持体は特に限定されない。本発明の塗工液を使用することができる支持体としては、上質紙、ハガキ、印画紙原紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、クラフト紙、合成紙、レジンコート紙、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエステルフィルム等が挙げられる。
窒素吸着による簡易型BET式比表面積計にて測定した。
(予備乾燥)
湿式シリカ3gを80℃の乾燥器で24時間予備乾燥したのち、105℃に保った乾燥器で2時間乾燥させ、その後、乾燥器から取り出し、デシケーター中で放冷した。
予備乾燥を行なった湿式シリカ約2gを予め恒量にした磁製るつぼに、0.1mgの桁まで量り取った(秤量値W1)。この磁製るつぼを電気炉で加熱し、1000℃に到達後2時間強熱した。強熱後のるつぼをデシケーター中で室温まで放冷し、0.1mgの桁まで量った。(秤量値W2)
(強熱減量の算出)
強熱減量は下記式により算出した。
(3)アルミニウム含有量の測定
湿式シリカ粉を乾燥し、蛍光X線法により測定した。
(4)細孔容積及び最頻細孔径の測定
湿式シリカ粉を乾燥し、水銀圧入法による細孔径分布を、CARLO ERBA社製の細孔径分布測定器ポロシメータ−2000型を使用して測定した。
少量のシリカ粉末をメタノール溶液に添加し、超音波分散機で3分間分散する。この溶液をコールターカウンター粒度分布計(ベックマンコールター社製)で測定した。なお、本発明において平均粒子径とは概粒度分布計により測定しデータを基に、それぞれの粒子径の存在割合を積算した積算曲線から求めた50質量%径のことである。
A.インクジェット記録紙の接着強度の評価
インクジェット記録紙の塗工面に、市販の粘着テープ(ニチバン製、18mm幅)を長さ5cmに切断し、一定の押圧で貼付した。1分間、この状態を保持した後に、片端から180°方向に剥離した。剥離後のテープへの塗工層の剥離量を下記3段階に目視で判定した。
△:塗工層の剥離は認められるが、極めて少ない
×:塗工層の剥離が認められ、実用上問題となるレベルである
尚、△以上を合格とした。
インクジェット記録紙の塗工面に市販のインクジェップリンター(エプソン社製、PM−G800)を用いて、黒色のべた印刷を行なった。印刷終了後、15秒間乾燥させた後、印刷部に上質紙をあて一定圧力の加重をかけて1分間保持した。その後、上質紙を除き、上質紙へのインクの移り具合を目視で判定した。
△:インク移りが僅かに認められるが、極めて少ない
×:インク移りが認められ、実用上問題となるレベルである
尚、△以上を合格とした。
インクジェット記録紙の塗工面に市販のインクジェップリンター(エプソン社製、PM−G800)を用いて、黒色のべた印刷を行なった。インクジェット記録紙を乾燥させた後、色濃度計(Kolimorgen Instrument Corporation社製マクベスRD918)で黒色の色濃度を測定した。
市販の珪酸ソーダ(SiO2/Na2Oモル比3.0、SiO228.3質量%)6.3m3にNa2SO4(Na2Oとしての含有量2.1質量%)9.6m3、水25.4m3を55m3の攪拌翼付き蒸気加熱方式の反応槽に入れて、液温35℃で22%硫酸を2.3m3添加し、第一段目の中和を行った。次いで液中に蒸気を吹き込みながら液温を95℃まで昇温した。ここで液温を95℃に保ちながら攪拌のみを継続して7分間熟成を行った。その後、該液中に22%硫酸2.1m3を100分間で添加し反応を終了した。次いで、この溶液をろ過、水洗し乾燥した。その後、この乾燥品を粉砕して、比表面積320m2/g、強熱減量3.8質量%、アルミニウム含有量0.2質量%、細孔容積3.4ml/g、最頻細孔径9nm、平均粒径4.0μmの原料湿式シリカ粉末を得た。この湿式シリカ粉を650℃の火炎中で2秒間熱処理した。
実施例1において、加熱処理を行なわず、強熱減量を調整していない湿式シリカを使用した以外は、実施例1と同様の操作を行なってインクジェット記録紙を作製した。このインクジェット記録紙の評価結果を表1に示す。なお、この湿式シリカの物性測定値は実施例1に原料湿式シリカ粉末として記載した値である。
実施例1において、沈殿法による珪酸ソーダと硫酸との反応系に水酸化アルミニウムを所定量添加して比表面積310m2/g、強熱減量5.6質量%、アルミニウム含有量0.6質量% 細孔容積3.2ml/g、最頻細孔径5.0μm、平均粒径10nmの原料湿式シリカ粉末を得た。
実施例2において、加熱処理に用いた火炎の温度を550℃に変えた以外は、実施例2と同様の操作を行なってインクジェット記録紙を作製した。このインクジェット記録紙の評価結果を表1に示す。
実施例2において、加熱処理に用いた火炎の温度を850℃に変えて、比表面積230m2/g、強熱減量が0.4質量%である強熱減量を調整した湿式シリカを使用した以外は実施例2と同等の操作によりインクジェット記録紙を作製した。このインクジェット記録紙の評価結果を表1に示す。その他の物性は、殆んど原料湿式シリカ粉末と同様であった。
実施例2において、珪酸ソーダへ添加する第一段目の硫酸の添加量を1.3m3とし、その後添加する硫酸の量を3.1m3とした以外は実施例2と同様の操作を行ってインクジェット記録紙を作製した。
実施例2において、昇温後の液温を80℃に変えた以外は実施例2と同様の操作を行ってインクジェット記録紙を作製した。このインクジェット記録紙の評価結果を表1に示す。なお、原料シリカ粉末の比表面積520m2/g、強熱減量4.5質量%、細孔容積2.8ml/g、最頻細孔径8nm、平均粒径4.5μmであった。また、熱処理により得られた強熱減量が調整された湿式シリカ粉末は、比表面積450m2/g、強熱減量1.8質量%であり、その他の物性は、殆んど原料湿式シリカ粉末と同様であった。
22%硫酸に市販の珪酸ソーダ(SiO2/Na2Oモル比3.0、SiO228.3質量%)を添加し、液全体をゲル化させた。このゲルを解砕して純水中に投入し洗浄を行った。その後、このゲルを乾燥・粉砕して、比表面積390m2/g、強熱減量3.0質量%、アルミニウム含有量0.1質量%、細孔容積2.1ml/g、最頻細孔径7nm、平均粒径6.2μmの原料湿式シリカ(ゲル法シリカ)粉末を得た。
Claims (4)
- 200〜500m 2 /gの比表面積を有する原料湿式シリカ粉末を、温度500〜1200℃の火炎に0.5〜5秒間接触させる、強熱減量が2質量%以下であり、比表面積が180m2/g以上、400m2/g未満のシリカ粉末の製造方法。
- 原料湿式シリカ粉末を火炎に接触する前に、所望の粒子径に粉砕しておく請求項1記載の製造方法。
- インクジェット記録紙用填料の製造方法である請求項1又は2記載の製造方法。
- 請求項1又は2記載の製造方法でシリカ粉末を得、ついで該シリカ粉末を有機バインダー及び極性溶媒と混合するインクジェット記録紙用塗工液の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004319546A JP4257286B2 (ja) | 2004-11-02 | 2004-11-02 | インクジェット記録紙用塗工液に適したシリカ粉末の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004319546A JP4257286B2 (ja) | 2004-11-02 | 2004-11-02 | インクジェット記録紙用塗工液に適したシリカ粉末の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006130694A JP2006130694A (ja) | 2006-05-25 |
JP4257286B2 true JP4257286B2 (ja) | 2009-04-22 |
Family
ID=36724667
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004319546A Expired - Fee Related JP4257286B2 (ja) | 2004-11-02 | 2004-11-02 | インクジェット記録紙用塗工液に適したシリカ粉末の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4257286B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6031226B2 (ja) * | 2011-10-27 | 2016-11-24 | 昭和電工パッケージング株式会社 | 内容物付着防止蓋材およびその製造方法 |
-
2004
- 2004-11-02 JP JP2004319546A patent/JP4257286B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2006130694A (ja) | 2006-05-25 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
TWI239865B (en) | Dispersion, coating composition and recording medium | |
US20030191226A1 (en) | Formulation suitable for ink receptive coatings | |
JP2010501651A (ja) | アルミニウム酸化物の分散液、被覆組成物およびインク吸収媒体 | |
JP3876610B2 (ja) | シリカ微粒子分散液及びその製造方法 | |
JP2003514139A (ja) | 微細粒度炭酸カルシウム顔料に対する多官能性ポリ(ビニルアルコール)結合剤 | |
WO2004108423A1 (ja) | インクジェット記録シート | |
WO2005075211A1 (ja) | インクジェット記録材料の製造方法 | |
JP4257286B2 (ja) | インクジェット記録紙用塗工液に適したシリカ粉末の製造方法 | |
TW200414924A (en) | Dispersion, coating composition, and recording medium containing silica mixture | |
JP4301858B2 (ja) | 湿式シリカ分散液及びその製造方法 | |
JP3324937B2 (ja) | インクジェット記録用紙用填料 | |
JP2006232592A (ja) | シリカ微粒子分散液の製造方法 | |
JP2005255457A (ja) | シリカ微粒子分散液及びその製造方法 | |
JP2938917B2 (ja) | インクジェット記録媒体 | |
JP4199885B2 (ja) | インクジェット記録シート用非晶質シリカおよびその製造方法 | |
JP4279228B2 (ja) | インクジェット記録紙用塗工液の製造方法 | |
JP4590179B2 (ja) | 非晶質シリカ | |
JP5013695B2 (ja) | シリカ分散液及びその製造方法 | |
JP4083501B2 (ja) | カチオン性樹脂変性シリカ分散液及びその製造方法 | |
JP2002079741A (ja) | インクジェット記録メディア分散液及びその製造方法 | |
JP2019081352A (ja) | インクジェット記録方法 | |
JP2002356621A (ja) | メソポーラスシリカ分散液及びその製造方法 | |
JP2005000762A (ja) | カチオン性樹脂変性シリカ分散液及びその製造方法 | |
JP4099985B2 (ja) | インクジェット記録シート | |
JP2021084340A (ja) | インクジェット記録材料 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070517 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20081014 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20081020 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20081202 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20090127 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20090202 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120206 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120206 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150206 Year of fee payment: 6 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |