JP4958301B2 - 天然鉱物膜 - Google Patents

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本発明は、柔軟性を有する天然鉱物膜に関するものであり、更に詳しくは、天然粘土と無機吸着剤の粉末を主成分とする柔軟性を有する膜状新素材に関するものである。本発明は、柔軟性が高く、耐熱性、不燃性に優れた新素材であって、ベンゼン、トルエン、キシレン、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等の有機化合物を吸着し、殺菌・抗菌効果を有し、有害物質分解能を有し、一酸化炭素あるいは粒子状物質の吸着性能を有し、湿度調節機能を有し、壁紙、断熱材、耐熱材、難燃材・不燃材、吸着剤、消臭剤、又はフィルター等に好適に使用することが可能な新素材・新技術を提供するものである。
一般に、壁紙、断熱材、耐熱材、難燃材・不燃材、吸着剤、消臭剤、又はフィルターの技術分野において、従来、柔軟で、好ましくは高耐熱性で、好ましくは不燃性で、好ましくはベンゼン、トルエン、キシレン、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等のVOCガス成分となる有機化合物を吸着し、好ましくは湿度調節機能を有し、好ましくは有害物質分解性能を有する膜状材料の開発が強く要請されていた。壁紙は、紙系壁紙、繊維系壁紙、塩化ビニル樹脂系壁紙、プラスチック系壁紙、無機質系壁紙、その他の壁紙に分類される。このうち、紙系壁紙、繊維系壁紙、塩化ビニル樹脂系壁紙、プラスチック系壁紙は、植物繊維あるいはプラスチックからできており、完全に燃えないようにすることは困難であった。これらの壁紙の難燃性・不燃性材料を更に向上させるために、種々の工夫がなされてきた。例えば、それらは、有機リン酸系の防炎剤を壁紙(クロス)に浸透させ、難燃化するもの、粘土等の混合量を多くして難燃性・不燃性を付与するものを含む。
パルプ、レーヨン等の紙基材を、全重量当り30重量%以下、無機質材料を70重量%以上含有することを特徴とする防火性壁紙用ベースペーパー又は裏打紙がある(特許文献1)。しかし、そのような工夫をもってしても、紙基材を用いている以上、完全に燃えないようにすることは困難である。一方、無機質系壁紙は、無機質紙・無機質骨材・ガラス繊維等、無機質を主素材とする壁紙である。これらは、具体的には、水酸化アルミ紙壁紙、あるいは水酸化アルミ紙をベースに、ガラス繊維の織物を張り合わせたもの、メタリック系壁紙(金属箔・蒸着フィルム)、バーミキュライト、花崗岩、大理石、珪藻土壁紙(石粒接着)、セラミック壁紙(無機質接着)等である。
水酸化アルミ紙は、柔軟性を持たせるために、紙との混抄紙になっており、難燃性ではあるものの、不燃というレベルでは不完全である。メタリック系壁紙(金属箔・蒸着フィルム)のうち、アルミホイルは、金属の中で比較的低い融点(660℃)のため、火災の場合には融けてしまうという問題点がある。また、金・銀等の箔を用いているものや、蒸着フィルムは、金属の層が薄く、全体には不燃性にすることができないという問題点がある。バーミキュライト、花崗岩、大理石、珪藻土壁紙(石粒接着)、セラミック壁紙(無機質接着)は、無機化合物の粉をプラスチック製粘着シート等に接着したものである。
無機質壁紙用基材としては、レーヨン繊維を主体とする絡合不織布と不燃紙とが、接着剤を介して積層されており、その絡合不織布の目付けが35g/m以上、70g/m未満であることを特徴とする無機質壁紙用基材等がある(特許文献2)。この場合も、無機化合物の重量比を大過剰にすることは難しく、やはり完全な不燃性にすることは困難である。
不燃又は難燃性の障子紙、壁紙等の不燃又は難燃紙として、合成膨潤性フッ素雲母粒子が無機凝集剤により凝集し、繊維に定着したものを抄造したマイカペーパーがある(特許文献3)。これらの場合も、パルプを使用しており、やはり完全な不燃性にすることは困難である。
以上のように、アスベスト紙は生産中止になったものの、未だにこのように不燃性の点では、アスベスト紙と同レベルの優れた材料は開発されていないのが現状である。そこで、アスベスト紙に近い不燃性とフレキシブル性を追求していくことが、大きな研究課題であった。
一方、無機化合物である粘土を主成分とする柔軟な膜材料の開発が行われてきた。例えば、リチウム又はナトリウムを層間に配位する合成モンモリロナイトのコロイドとパルプ、再生紙、綿のような植物性繊維素との配合物を均質に展延して乾燥した後、これを再水和性がなく、電気絶縁性向上可能な他の陽イオンでイオン交換処理を行い、水洗、乾燥することにより、耐熱、電気絶縁性混抄紙を製造する方法がある(特許文献4)。
また、合成モンモリロナイトゾルに、無機繊維を加えた無機フィルムがある(特許文献5)。しかし、これらの技術は、単に不燃の無機系フィルムを製造するだけであり、この膜は、有害物質吸着能、調湿性能等を有してはいない。一方、マイカの含有量が40〜96重量パーセントの抄造紙がある(特許文献6)。しかし、この技術は、単にプリント基板用絶縁フィルムに関するものであり、この膜は、有害物質吸着能、調湿性能等を有していない。
以上のように、これまで、壁紙は、ほとんどの場合、有機繊維やプラスチック等の有機物を基材として製造されてきた。そのため、火災の発火要因になる、延焼の危険がある、燃焼ガス発生源になる、等の問題点があった。また、無機質系壁紙も有機物を一定量含むため、完全な不燃性を得ることができないという問題点があった。一方、無機物大過剰の膜においては、有害物質吸着能、調湿性能等を有するものはない。
実際、合成有機高分子系の壁紙としては、デザインしやすく、現場での施工性や耐久性、難燃性にも優れる塩ビ壁紙は、住宅分野を中心とした内装仕上材として欠くことのできない建設資材である。その生産量は、平成14年度で、6億平方メートル強、壁紙総出荷量のおよそ90%を占めている。しかし、塩素が含まれているため、燃焼時有害な塩素系ガスがでる可能性があるという問題点がある。
本発明者らは、粘土を用いた柔軟で耐熱性の高い自立膜の研究を続けてきた。それらの用途は、ガスケットやディスプレー用フィルム等の耐熱性及びガスバリア性を必要とするものであった(特許文献7、8)。しかし、不燃性を追求するために、有機系添加物をほとんど使用しない場合、割れやすい、柔軟性にかける、等の問題点があった。これは、具体的には、壁紙としては、施工性に欠けるという問題につながっていた。
そこで、本発明者らは、製膜性を有する粘土を用い、自立粘土膜を作製し、更に、この粘土膜に粘着層を付け、機械的強度を有する材料の上に容易に貼り付けることができる粘着層つきの粘土膜を発明した(特許文献9)。これは、ガスバリア性を有する粘土層に接着層が存在する粘着粘土膜であり、接着層が、粘土膜の片面、あるいは両面に存在するクラックやピンホール等が存在しない、単層又は多層の構造を有する粘着粘土膜である。しかし、この膜は、有害物質吸着能、調湿性能等を有するものではない。
また、本発明者らは、無機物大過剰の分散液を用いた保護膜を発明した(特許文献10)。これは、自立膜として利用可能な機械的強度を有し、粘土粒子の積層を高度に配向させた粘土薄膜からなる保護膜であって、粘土を水あるいは水を主成分とする分散媒である液体に分散し、均一な粘土分散液を調製し、この分散液を静置し、粘土粒子を沈積させるとともに、分散媒である液体を固液分離手段で分離して膜状に形成して調製される、粘土配向膜から構成されることを特徴とする保護膜である。
しかし、この保護膜については、直接現地で壁面に施工するためには、塗布乾燥を現地で行うため、手間がかかるという問題点がある。また、本保護膜によって作製された壁は、有害物質吸着能、調湿性能等を有するものではない。
以上のように、本発明者らは、種々の形態の粘土膜を開発してきたが、これらには、非常に高いガスバリア性を追求したものであるため、膜の表面から内部に気体が拡散することはなく、膜に吸着剤が含まれていたとしても、吸着可能な表面積が小さく、吸着効果を得ることが困難で、吸着性能を有する膜として、性能が期待できないという問題点がある。
一方、ゼオライトは、天然及び合成のものがあり、日本国内でも天然ゼオライトとして、モルデナイト、クリノプチロライトが一定量産出する。これは、アルミノシリケートの天然鉱物の一種であり、内部に極微少な空洞(水、窒素分子より少し大きい0.5〜0.8ナノメートルの空洞)がトンネル状に構成されている。比表面積は、540平方メートル/グラムにもなるものがある。ゼオライトの機能として、吸着、脱臭、吸水、分子篩、触媒、イオン交換等がある。
具体的な効用として、咳、喘息、頭痛、眼痛、呼吸器障害等の原因や発ガンの可能性のある物質の1つ「ホルムアルデヒド」、「トルエン」、「キシレン」を吸着する。生活臭であるアンモニア等の臭気成分は、ブレースボード中のゼオライトの中に取り込まれ(吸着)、脱臭・緩衝作用により、臭気を抑制する。吸着されたアンモニアは、常温域では再放出されない。また、使用済みのゼオライト製品は、土に還り、廃棄による環境負荷が小さいという利点を有する。
また、ゼオライトは、調湿性能があることから、壁紙として利用することで、快適で健康な生活環境を与えることができる。具体的には、夏の高湿度を防ぎ、寝苦しい夜を快適に過ごせる。結露が発生しやすい冬期に、湿度上昇を防ぎ、結露予防に効果的であり、カビ、ダニの発生を予防できる。また、ゼオライトは、無機材料であるため、高い耐熱性と不燃性を有する。粉砕して容易に細かい粉状になる。
凝灰岩は、秋田県大館市比内町等に産出し、浴槽・浴場の壁材、ビル・店舗、劇場、ホテル、旅館・住宅内装材として用いられている天然鉱物である。この凝灰岩の組成として、下記のものが一例としてあげられる。凝灰岩の鉱物組成は、石英20〜30%、曹長石30〜40%、緑泥石5〜10%及び沸石5〜10%で、化学組成がSiO70〜75%、Al10〜15%、Na〜5%、FeO3〜4%、KO2〜3%、CaO1〜2%、MgO1〜2%及びTiO1%未満である(特許文献11)。
この素材の応用技術・製品としては、細石粉と微生物を複合した環境浄化資材がある(特許文献11)。秋田県大館市比内町等に産出する緑色凝灰岩は、多孔質であり、ゼオライトと同様に、吸着性・湿度調節性能がある。また、カキ殻、ホタテ殻は、アセトアルデヒド等の有害物質吸着能があることが知られている天然無機材料であり、環境浄化のためのフィルター材等に利用されている。
ゼオライトを含む壁紙あるいは壁紙に応用しうる塗工剤としては、下記のような先行技術がある。本体の壁紙に、人工ゼオライトに包接化合物のサイクロデキストリンを混入して吸着させた積層壁紙が作製されている(特許文献12)。これは、安全性に優れ、取扱いが容易で、通気性に優れた効果をもつ人工ゼオライトを吸着させた壁紙を提供することを目的としたものである。
また、ゼオライト等の吸着性物質からなる粒子を高分子多孔質膜で被覆した屋内空間浄化材が作製されている(特許文献13)。これは、吸着性物質自体から発生する塵による屋内空間の内部汚染を防止し、かつ吸着性物質本来の吸着性能を発揮し得る屋内空間浄化材を提供するものである。
また、透気性並びに透湿性を保持する無塗工紙の一側面に、人工ゼオライト粉体が、水溶性塗着剤により、人工ゼオライト塗着層として塗着されて消臭調湿基紙が形成され、而も適宜の色彩、柄若しくは模様が印刷されてなることを特徴とする消臭調湿性壁紙が作製されている(特許文献14)。
また、無極性の分子性状である第1の多孔質材料と、極性を有する分子性状である第2の多孔質材料とを含むことを特徴とする室内空気汚染物質除去壁紙が作製されている(特許文献15)。ここで、第1の多孔質材料としては、各種活性炭のうちの少なくとも一種を含むものが挙げられ、第2の多孔質材料としては、ゼオライト、シリカゲル、アルミナ、粘土鉱物のうちの少なくとも一種を含むものが挙げられる。これは、多くの種類のVOCを吸着して除去することを可能とする室内空気汚染物質除去壁紙を提供するものである。
また、化学吸収型消臭剤を混合した合成樹脂液を主剤として、該主剤に微粉末状の金属担持ゼオライトを分散させたことを特徴とする消臭塗工剤が作製されている(特許文献16)。これは、臭気の物理的吸収に加え、臭気の成分を化学的に分解するとともに、抗菌性を有し、しかも絵柄層自体の品質を損ねることがない消臭塗工剤及びその消臭塗工剤を積層した消臭化粧紙を提供することを目的とするものである。
また、壁紙の表面層に、多孔質無機物質とアミン化合物と金属酸化物からなる消臭剤を、浸透剤とともにバインダー樹脂により固着することによって消臭性能を大きく向上し、消臭性能の持続性を向上させた消臭壁紙が作製されている(特許文献17)。
しかし、これらの先行技術は、揮発性有機化合物(VOC)等の有害物質の吸着、消臭、調湿を目的として、ゼオライト等の活物質を添加しているにすぎず、完全な防火性能を実現していないという問題点を有する。
カキ殻、ホタテ殻を含む壁紙あるいは壁紙に応用しうる塗工剤としては、下記のような先行技術がある。例えば、カキ貝殻を焼成して粉砕することによって製造されるカキ貝殻焼成粉末からなることを特徴とするホルムアルデヒド吸着剤が報告されている(特許文献18)。このホルムアルデヒド吸着剤は、住宅内装材に用いることができる。また、未焼成のカキ貝殻を250ないし400℃で、20ないし60分間加熱処理して得られるカキ貝殻粉末からなることを特徴とするホルムアルデヒド吸着剤が作製されている(特許文献19)。
また、貝殻焼成物、無機多孔質吸着剤、トルマリン、及びポリカルボン酸金属フタロシアニンを有効成分として含有することを特徴とする機能紙が作製されている(特許文献20)。これにより、調湿機能、悪臭やVOCの吸着・分解機能、抗菌・抗かび機能及びマイナスイオン放出機能を有する機能紙が提供される。
また、多孔質の微粉末、あるいは微粒子状ホタテ貝殻と、光触媒である酸化チタンを含有した塗料組成物によって、室内に放散される各種の人体への有害化学物質を防除するようにした塗料組成物が作製されている(特許文献21)。
また、被膜層を含み、該皮膜層が焼成ホタテ貝殻粉末と生分解性の水分散系熱硬化耐水性樹脂と顔料とを撹拌混合してなる塗布剤を塗布して形成された壁紙又は化粧紙が作製されている(特許文献22)。これは、燃焼時に、ダイオキシン等の有害ガスの発生もなく、また、使用時にシックハウス症候群を防ぐことができるとともに、すべての素材が生分解性を有する、廃棄にも配慮した安全性の高いものである。
また、主として、高圧高温熱処理した竹の幹の粉末、ホタテ貝殻粉末、製紙用植物繊維からなることを特徴とする有害ガス吸着シート、並びに紙や発泡体シートのような多孔質シート状物体の表面に、主としてホタテ貝殻粉末と糊剤水溶液からなる塗料を塗布することにより、ホタテ貝殻粉末を付着させたことを特徴とする有害ガス吸着シートが作製されている(特許文献23)。これは、シックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒドを吸着できる襖紙や壁紙等の建築内装材料として用いることができる。
以上のように、いずれの方法においても、カキ・ホタテの貝殻等の有機化合物吸着性能を生かして、壁紙に利用する等の発明がされている。しかし、壁紙全体の構成としては、完全に不燃性にしたものとなっておらず、完全に不燃性の壁紙であり、かつホタテ・カキの貝殻粉末を添加したことによって、揮発性有機物質の吸着性能を付与した例はない。
貝殻を壁表面に施工する方法として、ホタテ貝の貝殻の微粉末に、微量放射線を発する鉱石の粉末を混入させてなる漆喰を、壁面に貼着されている壁紙上に厚さ0.2〜1mmで塗布することにより、壁紙を貼った壁のリフォームをすることを特徴とする壁面リフォーム方法が、公知技術としてある(特許文献24)が、これは、現地で施工しなければならず、容易に貼り付けが可能な壁紙に比較して、施工に手間がかかるという問題がある。
籾殻灰が吸着剤として機能し、消臭効果等を有することが知られており、消臭パック等に用いられることが開示されている(特許文献25、26、27)が、これらが、壁紙に利用された例はない。また、完全に不燃性の膜に利用された例はない。また、天然殺菌剤あるいは天然抗菌剤として、キチン、キトサン、ヒノキチオール、カテキン、タケオール、ポリオキシン、ワサオールが知られている。
キチン・キトサンは、殺菌・抗菌作用があり、そのため、衛生用品や下着等に殺菌・抗菌成分として用いられている。キチン・キトサンを壁紙の一成分として開示された例は、わずかであるが、いずれも、キチン・キトサンを主に生分解性の樹脂の一部として利用しているに過ぎない(特許文献28、29)。キトサンを抗菌剤成分として、インクの一成分として用い、これのインクをインクジェット法によりシート状部材に抗菌性を付与するものであり、耐熱性の付与はできない(特許文献30)。
ヒノキチオールを壁紙の一成分として開示された例がある(特許文献31)が、これは、コットンとウールを混合したものを主材料として混紡糸を構成したものであり、また、この混紡糸内に天然ヒノキチオールを担持した混紡糸を構成したものである。しかし、これは、保温性、吸湿性、水分蒸散性、人体への適応感、体の形状への適合性を高め、しかも、長期間使用しても圧縮等に対する復元力を保持させることができる上、布地、衣料、特殊衣料、医療用副資材、インテリア繊維製品等を形成するものとして最適な、コットン・ウール混紡糸を提供することを目的としており、抗菌性と難燃性を両立した部材にはなっていない。
カテキンについて、その抗菌・消臭効果を壁紙に利用している例がある(特許文献32)。しかし、完全に不燃性の壁紙に利用された例はない。タケオール、ポリオキシン、ワサオールについても、天然抗菌剤として知られているが、これらを、壁紙に用いた例はない。
酸化チタンは、光触媒能があることから、有害物質の分解除去のために、塗料・壁紙等に使用されている活物質である。実際に、壁紙に酸化チタンを用いた先行技術として、幾つかの事例がある(特許文献33、34、35)。
また、ゼオライトと光触媒機能を有する無機物質を含み、有害物質分解性能を有する壁装材が開示されている(特許文献36)。しかし、壁紙全体の構成としては、完全に不燃性にしたものとなっておらず、完全に不燃性の壁紙であり、かつ酸化チタンを添加したことによって、VOC等の有害物質の光分解性能を付与した例はない。
このように、従来、壁材、断熱材、耐熱材吸着剤、又はフィルターの技術分野において、種々の材料開発が行われてきたが、従来、柔軟で、好ましくは高耐熱性で、好ましくは不燃性で、好ましくはベンゼン、トルエン、キシレン、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等のVOCガス成分となる有機化合物を、吸着・分解し、好ましくは湿度調節機能を有し、好ましくは、一酸化炭素あるいは粒子状物質の吸着性能を有し、好ましくは、消臭性能を有する膜状材料の開発が強く要請されていた。
従来、柔軟性が高く、耐熱性、不燃性に優れた新素材であって、ベンゼン、トルエン、キシレン、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等の有機化合物を吸着し、殺菌・抗菌効果を有し、有害物質分解能を有し、一酸化炭素あるいは粒子状物質の吸着性能を有し、湿度調節機能を有し、消臭性能を有し、壁紙、断熱材、耐熱材、難燃材・不燃材、吸着剤、消臭剤、又はフィルター等に好適に使用することが可能な膜材は未だ開発されておらず、当技術分野では、これを開発し、実用化することが強く求められていた。
特開2003−055899号公報 特開平7−97799号公報 特開平8−35196号公報 特公昭52−18399号公報 特公平54−15043号公報 特開昭61−89400号公報 特許第3855003号 特許第3855004号 特開2006−188645号公報 特開2006−077237号公報 特開2006−143974号公報 特開2001−336095号公報 特開2002−273210号公報 特開2004−218176号公報 特開2005−200784号公報 特開2006−77367号公報 特開2006−348430号公報 特開2004−66103号公報 特開2005−230729号公報 特開2005−68597号公報 特開2003−73626号公報 特開2002−339263号公報 特開2002−61097号公報 特開2006−291471号公報 特開2004−195097号公報 特開2004−313606号公報 特開2006−014769号公報 特開2002−294048号公報 特開2000−191930号公報 特開平09−194776号公報 特開2002−302838号公報 特開2003−13372号公報 特開2002−206073号公報 特開2005−139571号公報 特開2006−291692号公報 特開2005−307726号公報
このような状況の中で、本発明者らは、上記の要請を踏まえて、柔軟性が高く、耐熱性、不燃性に優れた新素材であって、ベンゼン、トルエン、キシレン、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等の有機化合物を吸着し、殺菌・抗菌効果を有し、有害物質分解能を有し、一酸化炭素あるいは粒子状物質の吸着性能を有し、湿度調節機能を有し、消臭性能を有し、壁紙、断熱材、耐熱材、難燃材・不燃材、吸着剤、消臭剤、又はフィルター等に好適に使用することが可能な膜材料を開発することを目標として、鋭意研究を積み重ねる過程で、製膜性を有する天然粘土を用い、これに加えて、吸着性能あるいは湿度調節性能を有する無機吸着剤を用い、膜全体に対するこれらの総重量割合を大過剰とすることで、柔軟で、高耐熱性で、しかも、不燃性で、ベンゼン、トルエン、キシレン、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等の有機化合物を吸着し、湿度調節機能を有する膜材料が得られることを見出した。
更に、本発明者らは、製膜性を有する天然粘土の種類、吸着性能あるいは湿度調節性能を有する無機吸着剤の種類、天然粘土と無機吸着剤の総重量割合、天然粘土と無機吸着剤の混合比、天然粘土の前処理方法、無機吸着剤の粒径、添加物の有り無し、添加物の機能、バインダー、吸着剤、殺菌剤・抗菌剤、光触媒となりうる添加物の種類、好適な厚み等の好適な条件を見出し、更に膜材としての実用性を高めるための、粘着方法、耐水性の付与、耐水層の付与、等を見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、製膜性を有する天然粘土と、無機吸着剤の粉末を主成分とする、柔軟性を有する膜を提供することを目的とするものである。また、本発明は、230℃以上の熱処理を行っても膜基材に熱分解等の劣化が起こらず、不燃性であり、ベンゼン、トルエン、キシレン、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等の有機化合物を吸着し、一酸化炭素あるいは粒子状物質を吸着し、有害物質分解性能を有し、湿度調節機能を有し、曲げ直径12ミリメートルでクラックが発生せず、使用が可能である膜材料を提供することを目的とするものである。また、本発明は、壁紙、断熱材、耐熱材、難燃材・不燃材、吸着剤、消臭剤、又はフィルター材として優れた性能・機能を有する新規膜材を提供することを目的とするものである。更に、本発明は、膜の少なくとも片面に粘着層を有し、好適に簡便に壁等に接着でき、膜の少なくとも片面に耐水層を有し、膜が湿潤条件あるいは濡れた条件でも好適に用いられ、壁紙、断熱材、耐熱材、難燃材・不燃材、吸着剤、消臭剤、又はフィルターとして好適に用いられる天然鉱物膜、及びその用途を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)製膜性を有する天然粘土と、無機吸着剤の粉末を主成分とする、曲げ直径12ミリメートルでクラックが発生しない柔軟性を有し、230℃の高温熱処理を行っても膜基材に熱分解による劣化が起こらない耐熱性の天然鉱物膜であって、膜全体の重量における天然粘土と無機吸着剤の総重量割合が少なくとも80%であり、天然粘土と無機吸着剤の混合比が、天然粘土/無機吸着剤比で50/50から90/10の範囲であり、上記天然粘土が、雲母、イライト、バーミキュライト、ベントナイト、及びスメクタイトのうちの一種以上であり、不燃性で、ベンゼン、トルエン、キシレン、ホルムアルデヒド、及びアセトアルデヒドのうちの一種以上に対し、吸着性を有し、一酸化炭素あるいは粒子状物質を吸着し、湿度調整機能を有することを特徴とする柔軟性を有する耐熱性の天然鉱物膜。
)無機吸着剤が、モルデナイト、クリノプチロライト、凝灰岩、ホタテ貝殻、及びカキ貝殻のうちの一種以上である、前記(1)に記載の膜。
)天然粘土が有機化されている、あるいはシリル化処理されている、前記(1)に記載の膜。
)天然粘土の層間イオンのうち、リチウムイオンとカリウムイオンとカルシウムイオンと水素イオンの割合の総和が少なくとも70パーセントである、前記(1)に記載の膜。
)無機吸着剤の平均粒径が、0.001ミリメートル以上、0.7ミリメートル以下である、前記(1)に記載の膜。
上記天然粘土及び無機吸着剤の他に、更に、バインダー、吸着剤、殺菌剤ないし抗菌剤、又は光触媒としての役割を有する添加物が加えられている、前記(1)に記載の膜。
)添加物が、バインダーとしての役割を有し、セルロース樹脂、アクリル酸樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、キチン、及びキトサンのうちの一種以上である、前記()に記載の膜。
)添加物が、吸着剤としての役割を有し、籾殻灰である、前記()に記載の膜。
)添加物が、殺菌剤ないし抗菌剤としての役割を有し、キチン、キトサン、ヒノキチオール、カテキン、タケオール、ポリオキシン、及びワサオールのうちの一種以上である、前記()に記載の膜。
10)添加物が、光触媒としての役割を有し、酸化チタンである、前記()に記載の膜。
11)厚みが0.02ミリメートル以上、0.3ミリメートル以下である、前記(1)に記載の膜。
12)前記(1)から(11)のいずれかの膜に、粘着層を有することを特徴とする膜材。
13)前記(1)から(11)のいずれかの膜の少なくとも片面に、耐水層を有することを特徴とする膜材。
14)前記(1)から(13)のいずれかに記載の膜又は膜材からなることを特徴とする壁紙、断熱材、耐熱材、難燃材・不燃材、吸着剤、消臭剤、又はフィルター。
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明の膜材は、製膜性を有する天然粘土と、無機吸着剤の粉末を主成分とする、柔軟性を有する膜である。天然粘土は、岩石が風化や熱水作用によって分解してできた微細な粒子の集まりであり、土壌学では、0.002ミリ以下をいう。この中で、(膨潤性)雲母、イライト、バーミキュライト、ベントナイト、スメクタイトの一部に製膜性が確認される。ここで、スメクタイトは、ベントナイトの可塑性の高い成分を精製したものをいう(精製ベントナイト)。モンモリロナイト、ヘクトライト等は、スメクタイトの一種である。
天然ゼオライトは、天然に産するケイ酸塩であり、三次元状に化学結合が広がり、微細な穴が多くあることから、高い吸着機能、触媒性能、調湿機能を発揮することが知られている。本発明では、製膜性については、天然粘土、吸着性能及び湿度調整性能については、無機吸着剤の特性を生かし、不燃性で柔軟な膜材料を実現したものである。
本発明で用いる製膜性を有する天然粘土としては、限定されるものではないが、好適には、例えば、(膨潤性)雲母、雲母、イライト、バーミキュライト、ベントナイト、スメクタイトのうちの一種以上があげられる。より好適には、ベントナイトあるいはスメクタイト(精製ベントナイト)のうちの一種以上、更に好適には、スメクタイトの一種である天然モンモリロナイトが例示される。
この場合、無機吸着剤が、モルデナイト、クリノプチロライト、凝灰岩、ホタテ貝殻、カキ貝殻のうちの一種以上が例示されるが、これらに制限されるものではない。このうち、更に好適には、宮城県仙台市青葉区上愛子で産する純度の高い天然モルデナイト、あるいは純度の高い天然クリノプチロライト、あるいは秋田県比内町で産出する緑色凝灰岩、北海道及び三陸地方で産するホタテの貝殻、カキの貝殻が例示される。
膜全体の重量における天然粘土と無機吸着剤の総重量割合が80%以上であることにより、熱安定性、不燃性に優れたフレキシブルな膜を自立膜として得ることができる。この重量割合が低くなると、熱安定性、不燃性が低下するという問題点がある。総重量割合が 100パーセントに近くなると、機械的強度が弱くなってくるため、特に総重量割合が85パーセントから95パーセントが更に好適である。ただし、粘着層として裏打ちシートがある場合には、総重量割合が100パーセントでも機械的強度に優れた膜ができる。
天然粘土と無機吸着剤の混合比が、天然粘土/無機吸着剤比で50/50から90/10の範囲であることが好ましい。天然粘土が少なすぎると、膜の機械的強度が弱くなるという問題がある。また、天然粘土が多すぎると、膜全体の吸着性能が低くなるという問題がある。
天然粘土が有機化されている、あるいはシリル化処理されていることが好ましい。天然粘土で製膜性のあるものは、一般に親水性であり、水分散性に優れている。天然粘土を含むコンポジットを作製する場合に、プラスチック等との親和性を向上させるために、粘土を改質し、親水性/疎水性をコントロールした変性粘土を用いる。変性粘土を製造する方法は、二種類ある。
その一つは、第四級アンモニウムカチオンあるいは第四級ホスホニウムカチオンによる有機化である。これら有機カチオンの種類、導入割合によって親水性/疎水性をコントロールすることが可能である。親水性/疎水性の度合いにより、製造時に種々の溶剤を選択できる。もう一つは、シリル化である。粘土結晶の末端には水酸基が存在し、この水酸基と添加したシリル化剤が反応して、末端を疎水化することが可能である。こちらの場合も、シリル化剤の種類、導入割合によって、親水性/疎水性をコントロールすることが可能である。この二種類の改質方法は、両者を併用することも可能である。
有機化に用いられる第四級アンモニウムカチオンとしては、特に限定されるものではないが、ジメチルジオクタデシルタイプ、ジメチルステアリルベンジルタイプ、トリメチルステアリルタイプが例示される。また、類似の有機物として、第四級ホスホニウムカチオンが例示される。これらの有機物は、原料粘土のイオン交換によって粘土に導入される。このイオン交換は、例えば、原料粘土を、大過剰の有機物を溶解した水に分散し、一定時間撹拌し、遠心分離あるいはろ過により固液分離し、水により洗浄を繰り返すことにより行われる。
これらのイオン交換プロセスは1回のみの場合もあり、複数回繰り返す場合もある。複数回繰り返すことによって、粘土に含まれるナトリウム、カルシウム等の交換性イオンが有機物によって交換される比率が高くなる。用いる有機物及び交換比率によって、変性粘土の極性にバリエーションを持たせることができ、異なる極性の変性粘土は、それぞれ好適な添加物及び好適な溶剤が異なる。
シリル化に用いられるシリル化剤としては、特に制限されるものではないが、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシランを例示することができる。粘土へのシリル化剤の導入方法としては、特に制限されるものではないが、例えば、原料粘土と、原料粘土に対して2重量パーセントのシリル化剤を混合し、それらをボールミルにより一時間ミルすることによって製造される。
天然粘土の層間イオンとしては、通常、ナトリウムあるいはカルシウムが多く含まれている。このうち、ナトリウムイオンが割合として多い方が製膜性に優れている。しかし、ナトリウムイオンが割合として多い粘土は、大気から吸湿し、容易に膨潤し、膜の機械的強度を低下させる傾向がある。リチウムイオンは、膜の製膜性を低減させないが、ナトリウムイオンとは異なり、製膜後、加熱により、その耐水性を向上させることが可能である(特開2007−277078号公報参照)。また、製膜後、膜に含まれるナトリウムイオンを他のイオンに交換することにより、耐水性を向上させることが可能である。
特にカリウムイオンとカルシウムイオンが好適である。カリウムイオン及びカルシウムイオンへのイオン交換は、それらのイオンが大過剰の水溶液に製膜後の素材を浸漬し、その後、水洗いをする操作を繰り返すことで容易に達成される。イオン交換は、イオン交換樹脂を用いたカラム法によっても好適に達成される。天然粘土の層間イオンのうち、リチウムイオンとカリウムイオンとカルシウムイオンと水素イオンの割合の総和が70パーセント以上であるときに、膜の耐水性向上が顕著になる。以上のように、有機化以外に、主に天然粘土に含まれるナトリウムイオンを他の無機イオンに交換することにより、膜の耐水性を向上させることが可能である。
イオン交換の中で、特に粘土の層間イオンをリチウム化して、加熱処理することによって、層間のリチウムが粘土八面体層内に移動し、層間のイオン成分が減少することにより、耐水性が向上する。この耐水性の向上は、層間のイオン性物質のうち、リチウムイオンを50パーセント以上にすることによって顕著に現れる。熱処理は、通常、製膜後であり、温度条件は、通常、230℃以上であることが好ましく、300℃以上であることが更に好ましく、350℃以上であることが最も好適である。800℃を超えると、粘土が劣化するため好ましくない。熱処理時間は20分以上24時間以内である。低温の場合は、より長時間処理が必要になる傾向がある。
無機吸着剤として用いる粒子の平均粒径は、特に限定されるものではないが、0.001ミリメートル以上、0.7ミリメートル以下が好適である。無機吸着剤の平均粒径が大きすぎる場合には、分散液において無機吸着剤が沈降し、均一なペーストにならず、結果として、得られた膜が非常に壊れやすかったり、あるいは粉落ちが激しかったりという問題がある。また、無機吸着剤が細かすぎる場合は、無機吸着剤が均一に膜に分散するものの、膜が緻密になりすぎ、比表面積が少なくなり、結果として、膜の有害物質吸着性能が低くなるという問題がある。
上述の製膜性を有する天然粘土と、無機吸着剤の粉末を主成分とする、柔軟性を有する膜は、それだけでは十分な機械的強度が得られない場合があり、機械的強度の向上が望まれる場合がある。また、壁紙等に使用する場合に望まれる、追加の性能が求められる場合がある。そのような要請に対応するために、添加物を加えることが好適に行われる。添加物の機能としては、バインダーとしての役割、吸着剤としての役割、殺菌剤あるいは抗菌剤としての役割、光触媒としての役割等がある。
添加物として、セルロース樹脂、アクリル酸樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、キチン、キトサンの一種以上を用い、これを、膜材全体の20重量パーセント未満の添加量にすることで、耐熱性・難燃性・不燃性を大きく低減させずに、バインダーとしての添加効果を生じさせ、膜の機械的強度を向上させることができる。
籾殻灰は、有機物質吸着効果があることから、これを吸着剤としての役割を有する添加物として、本膜材に添加することが好適に行われる。また、白色度の低い籾殻灰を用いることによって、壁紙として使用した場合に、まぶしすぎない落ち着いた外観を付与することが可能になる。また、有機物質吸着効果に起因する消臭効果も期待される。
キチン、キトサン、ヒノキチオール、カテキン、タケオール、ポリオキシン、ワサオールは、殺菌効果あるいは抗菌効果があることから、これらの一種以上を殺菌剤あるいは抗菌剤として役割を有する添加剤として、本膜材に添加することが好適に行われる。また、殺菌効果、抗菌効果に起因する消臭効果も期待される。
酸化チタンは、光触媒としての効果があることから、これを光触媒としての役割を有する添加剤として、本膜材に添加することが好適に行われる。光触媒の添加により、無機吸着剤あるいは好適に添加された吸着剤等に吸着された有機系有害物質等をその光触媒効果によって分解・除去し、本膜材の有害物質除去効果を更に高めるという優れた特性を発揮する。酸化チタンとして、天然には、ルチル、アナタース、ブルッカイト等が産するが、この中で、特にアナタース、ブルッカイトが特に好適に用いられる(特開2000−95521号公報、特開2000−157874号公報参照)。酸化チタンは、天然のものであっても、合成のものであってもよい。
本発明の膜材は、好適には、その厚みが0.02ミリメートル以上、0.3ミリメートル以下である。更に好適には、その厚みが0.1ミリメートル以上、0.3ミリメートル以下である。厚さが薄すぎると、機械的強度が弱くなりすぎるという問題がある。また、厚さが厚すぎると、柔軟性に乏しくなるという問題がある。本発明の膜の厚さについては、分散液に用いる固体重量を増減することによって、任意の厚さの膜を得ることができる。また、製膜時に用いる分散液の単位面積当たりの使用量を増減することによって、任意の厚さの膜を得ることができる。
本発明の膜材は、製膜性を有する天然粘土と、無機吸着剤の粉末を主成分とする膜材であり、無機成分が大過剰であることから、非常に高い耐熱性を有する。実際、天然粘土及び無機吸着剤は、230℃では吸着水の脱水以外は何の化学変化も起こさない。また、230℃で化学変化を起こす可能性のある有機系の添加物については、蒸発あるいは熱分解等が起こる可能性があり、殺菌・抗菌性能の劣化等を生じさせる可能性がある。しかし、バインダー等の添加物については、膜材に高分散されていることによって、それ自体の耐熱性も向上し、結果として、膜材を主に構成する基材自体に熱分解等の劣化は起こらない。本発明の膜材は、製膜性を有する天然粘土と、無機吸着剤の粉末を主成分とする膜材であり、無機成分が大過剰であることから、非常に高い不燃性・難燃性を有する。
本発明の膜材は、製膜性を有する天然粘土と、無機吸着剤の粉末を主成分とする膜材であり、このうち、無機吸着剤には、広範に空気中の有機化合物に対して、吸着性能が確認され、ベンゼン、トルエン、キシレン、ホルムアルデヒド、及びアセトアルデヒドのうちの一種以上に対し、吸着性を有する。更に、籾殻灰にも、同様の吸着性能があることから、これら吸着剤を含む、本発明の膜材は、ベンゼン、トルエン、キシレン、ホルムアルデヒド、及びアセトアルデヒドのうちの一種以上に対し、吸着性を有する。また、有機化合物吸着能に起因する消臭性能を有する。
本発明の膜材は、製膜性を有する天然粘土と、無機吸着剤の粉末を主成分とする膜材であり、このうち、無機吸着剤には、一酸化炭素あるいは粒子状物質に対して、吸着性能が確認され、更に籾殻灰にも、同様の吸着性能があることから、これら吸着剤を含む、本発明の膜材は、一酸化炭素あるいは粒子状物質に対して吸着性を有する。
本発明の膜材は、製膜性を有する天然粘土と、無機吸着剤の粉末を主成分とする膜材であり、このうち、無機吸着剤には、湿度調整機能が確認されていることから、これらの吸着剤を含む本発明の膜材は、湿度調整機能を有する。
本発明の膜材は、製膜性を有する天然粘土と、無機吸着剤の粉末を主成分とする膜材であり、製膜性のある天然粘土を用いて膜材に成形することによって、柔軟性を実現することが可能である。本膜材を壁紙等として施工する際に、一定の柔軟性を必要とする。その際、曲げ直径12ミリメートルでクラックが発生せず、製品として使用が可能であることは、壁紙の柔軟性としては充分な値である。
本発明の膜材を、壁紙等として利用する際に、壁材に対して、容易に接着することができれば、施工が簡単であるという利点が生まれる。粘着層を有する膜材を用いることで、容易に接着できるという特別の効果が実現する。ここで、粘着層は、特別のものを用いる必要はなく、例えば、壁紙用両面粘着シート等の片面を膜に接着させておき、施工時に、もう片面を壁材に接着させるという方法でもよい。また、例えば、膜の片面に接着材を塗布し、形成された接着面に、剥離紙を貼り付けておき、施工時に、剥離紙を剥がし、壁材に接着させるという方法でもよい。この際の接着剤は、一般的な壁紙用接着剤を用いることが可能である。
本発明の膜材を、壁紙等として利用する際に、壁紙に耐水性を要求する場合がある。そのため、少なくとも片面に耐水層を付与することが好適に行われる。これにより、湿潤な日でも、壁紙特性に変化が起きにくくなり、また、壁紙表面を拭き掃除しやすくなる。耐水層としては、壁紙に一般的に用いられる耐水層付与方法を用いることが可能である。ゼオライト等の製膜性を有しない構成成分の粉落ち等も、この処理で改善させることが可能である
この膜材は、例えば、下記のようにして作製される。製膜性を有する天然粘土と、無機吸着剤の粉末を溶媒に分散させる。溶媒は種々のものを用いることが可能であるが、例えば、水を用いることができる。この分散液の濃度は、天然粘土の固液比として、好ましくは、0.3から15重量パーセント、より好ましくは、1から10重量パーセントである。次に、この分散液に、添加物を加え、更に、分散処理を行い、均一な分散液を得る。このとき、製膜性を有する天然粘土と、無機吸着剤の粉末と添加物の添加順序は、この通りである必要はなく、違っていてもかまわない。
また、全て同時に溶媒に入れることも可能である。分散方法としては、充分なだけ分散できる方法であれば、特に限定されるものではないが、撹拌翼を備えた撹拌装置、振とう撹拌装置、ホモジナイザー、スーパーミキサー等を用いる方法が好適であり、特に小さなダマをなくすためには、分散の最終段階でホモジナイザーを用いる方法が好ましい。ダマが分散液に残存している場合、膜表面の荒れあるいは膜組成の不均一の原因となる。
次に、分散液を必要に応じ、脱気処理する。脱気処理の方法としては、例えば、真空引き、加熱、遠心等による方法が例示されるが、真空引きを含む方法が、より好ましい。得られた均一な分散液をトレー等の容器に流し込み、乾燥し、溶媒成分を除去し、容器底面に残った膜状固形成分を剥離し、膜材を得る。乾燥方法は、特に限定されるものではないが、例えば、強制対流式オーブンを用いる方法等がある。加熱乾燥法による乾燥条件は、用いる溶剤の種類によるが、溶剤が水の場合、室温から90℃の温度条件下、より好ましくは、30℃から50℃の温度条件下で、10分から3時間程度の乾燥、より好ましくは、20分から1時間程度の乾燥である。
また、トレー等の容器を用いずに、柔軟な有機フィルム上に分散液を塗布し、これを乾燥することも可能である。また、連続的に長尺のベースフィルムを流しながら分散液を連続塗工し、乾燥路中を流すことにより乾燥させ、連続的な長尺膜を得ることが可能である。塗布の方法は、一定の厚みで分散液を塗布できれば特に限定されるものではないが、例えば、ドクターブレード法が好適に用いられる。
この場合、ベースフィルムを剥離せずに膜を巻き取ることも、剥離した後に巻き取ることも可能である。このとき、ベースフィルムと膜材との剥離性が十分でない場合は、膜がベースフィルムに貼りついた状態になり、剥離させることが困難になるという問題点がある。剥離性をよくするために、ベースフィルム表面に何らかの易剥離加工をすることが可能である。
また、膜材がトレー等の支持体から自然に剥離しない場合は、好適には、例えば、約80℃から200℃の温度条件下で乾燥し、剥離を容易にして自立膜を得る。乾燥時間は、一時間あれば十分である。このとき、温度が低過ぎる場合には、剥離が起こりにくいという問題がある。また、温度が高過ぎる場合には、添加物が劣化し、結果として、膜の着色が起る、機械的強度が低減する、等の問題が生じる。
加熱、光照射等により、構成成分間において、付加反応、縮合反応、重合反応等の化学反応を行わせ、新たな化学結合を生じさせて、膜材の機械的強度あるいは耐水性を改善させることが可能である。ゼオライト等の製膜性を有しない構成成分の粉落ち等も、この処理で改善させることが可能である。
必要に応じた耐水層の付与あるいは粘着層の付与は、上記の製膜の後に行われる。耐水層の付与としては、特に限定されるものではないが、好適には、フッ素樹脂コーティングのスプレー、メチルビニルエーテル・無水マレイン酸共重合体のエタノール溶液を用いたディップコーティング、エチルセルロースのエタノール溶液を用いたディップコーティング等が例示される。また、粘着層の付与としては、特に限定されるものではないが、好適には、VOC抑制タイプ両面粘着シートを用いる方法が例示される。
このようにして製造された膜は、製膜性を有する天然粘土と、無機吸着剤の粉末を主成分とする、柔軟性を有する膜であり、好ましくは、天然粘土が、雲母、イライト、バーミキュライト、ベントナイト、スメクタイトのうちの一種以上であり、無機吸着剤が、モルデナイト、クリノプチロライト、凝灰岩、ホタテ貝殻、カキ貝殻のうちの一種以上であり、膜全体の重量における天然粘土と無機吸着剤の総重量割合が80%以上であり、天然粘土と無機吸着剤の混合比が、天然粘土/無機吸着剤比で50/50から90/10の範囲である。
天然粘土の層間イオンのうち、リチウムイオンとカリウムイオンとカルシウムイオンと水素イオンの割合の総和が70パーセント以上であり、無機吸着剤の平均粒径が0.001ミリメートル以上、0.7ミリメートル以下であり、添加物が加えられており、添加物が、セルロース樹脂、アクリル酸樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂のうちの一種以上であり、添加物が、吸着剤としての役割を有し、籾殻灰であり、添加剤が殺菌剤あるいは抗菌剤としての役割を有し、キチン、キトサン、ヒノキチオール、カテキン、タケオール、ポリオキシン、ワサオールのうちの一種以上であり、添加物が、光触媒としての役割を有し、酸化チタンであり、厚みが0.02ミリメートル以上、0.3ミリメートル以下である膜材である。
このように、本発明の膜材は、230℃以上の熱処理を行っても、膜基材に熱分解等の劣化が起こらず、不燃性であり、ベンゼン、トルエン、キシレン、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等の有機化合物を吸着し、一酸化炭素あるいは粒子状物質を吸着し、湿度調節機能を有し、曲げ直径12ミリメートルでクラックが発生せず、製品として使用が可能である。更に、例えば、膜の少なくとも片面に粘着層を有し、これを、好適に、簡便に壁等に接着できる。更に、例えば、膜の少なくとも片面に耐水層を有し、該膜が、湿潤条件あるいは濡れた条件でも好適に用いられる。
本発明の膜材は、例えば、はさみ、カッター等で、容易に、円、正方形、長方形等の任意の大きさ、形状に、切り取ることができる。また、容易に壁表面に接着させることができる。また、本発明の膜は、その柔軟性、耐熱性、不燃性・難燃性、有害物質吸着性、有害物質分解性、湿度調節機能を生かして、壁紙、断熱材、耐熱材、難燃材・不燃材、吸着剤、消臭剤、又はフィルターとして、広範に用いることが可能である。
本膜材は、壁材として、広範に使用することが可能であり、例えば、一般住宅、店舗、劇場、ホテル、旅館、オフィス、ビル、工場、倉庫(米、リンゴ、桃、さくらんぼ等の農産物用貯蔵庫を含む)等の室内天井、側面壁あるいは室内突起物の壁等に接着し、壁紙として利用することができる。その湿度調節機能を利用して、食品貯蔵庫等に好適に利用することが可能である。
また、本膜材は、車、電車、航空機、船、宇宙船等の壁構成材として施工し、断熱材として利用することができる。この場合、壁の構成材の多層構造の一つとして用いられれば充分であり、室内表面に露出している必要はない。また、高熱が発生する物体の近くに施工し、遮熱材的に用いることも可能である。また、火災発生防止の面からも高熱が発生する物体の近くに施工することが考えられる。また、本膜材は、特に、喫煙室、キッチン、工場の火気取り扱い場所等の火元箇所に施工することが考えられる。この場合、火や火花が発生する物体の近くに施工することが考えられる。
本膜材は、喫煙室、駐車場、リビング、寝室、キッチンの近くに施工することが考えられる。また、VOC発生源の近くに施工することが考えられる。また、机や衣装棚や食器棚や食品保存容器に使用可能である。
本膜材は、消臭剤としてとして広範に使用することが可能であり、例えば、一般住宅、店舗、劇場、ホテル、旅館、オフィス、ビル、工場、倉庫(米、リンゴ、桃、さくらんぼ等の農産物用貯蔵庫を含む)、車、電車、航空機、船、宇宙船等の壁構成材として施工することができる。特に、喫煙室、トイレ、脱衣場、駐車場、リビング、寝室、キッチンの近くに施工することが考えられる。また、VOC発生源の近くに施工することが考えられる。タバコやペットの臭いに対しても効果が期待される。また、机や衣装棚や食器棚や食品保存容器に使用可能である。
本膜材は、フィルターとしてとして広範に使用することが可能であり、例えば、一般住宅、店舗、劇場、ホテル、旅館、オフィス、ビル、工場、倉庫(米、リンゴ、桃、さくらんぼ等の農産物用貯蔵庫を含む)等の空調に用いられるフィルターとして利用することができる。特に、喫煙室、トイレ、脱衣場、駐車場、リビング、寝室、キッチンの空気浄化に好適に利用できる。また、車、電車、航空機、船、宇宙船等の移動体の空調に用いられるフィルターとして利用することができる。
本発明により、次のような効果が奏される。
(1)不燃性の柔軟な天然鉱物膜、該天然鉱物からなる膜材及びその壁紙等の用途を提供することができる。
(2)本発明の天然鉱物膜からなる膜材は、施工が非常に簡単で、軽量の不燃構成にすることが可能である。
(3)本発明の膜材は、VOC、たばこ由来成分等の有害物質の吸着性能・分解性能を付与できる。
(4)本発明の膜材は、有害物質分解性能を付与できる。
(5)本発明の膜材は、調湿機能を付与できる。
(6)本発明の膜材は、消臭機能を付与できる。
(7)フィルター等として利用可能な新素材を提供することができる。
(8)曲げ直径12ミリメートルでクラックが発生せず、製品として使用可能である。
次に、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例によって何ら限定されるものではない。
(1)ゼオライト粘土薄膜の製造
粘土として、精製天然ベントナイト(クニピア P、クニミネ工業株式会社製)70重量部と天然モルデナイト(粒径0.002ミリメートル以下、新東北化学工業株式会社製)30重量部を蒸留水に加え、プラスチック製密封容器に、テフロン(登録商標)製回転子とともに入れ、25℃で30分間激しく振とうし、固液比約5.14重量パーセントの均一なペーストを得た。次に、真空脱泡装置により、このペーストの脱気を行った。次に、このペーストを真鍮製トレイに塗布した。塗布には、ステンレス製地べらを用いた。スペーサーをガイドとして利用し、均一厚のペースト膜を成型した。ここで、ペーストの厚みは2ミリメートルとした。
このトレイを、25℃、相対湿度10パーセントに保った強制対流型オーブン中で乾燥することにより、白色で均一な膜を得た。一昼夜静置後、生成した粘土膜をトレイから剥離して、ゆがみがなく、自立した、厚さ約102マイクロメートルのフレキシビリティーに優れた膜を得た。
(2)膜の特性
マンドレル型屈曲試験機を用いて、膜の柔軟性を測定した(ISO1519)。その結果、直径5ミリメートルに曲げても、クラック等、何の欠陥も生じなかった。
(3)膜の耐熱性
この膜を、強制対流式オーブンで、230℃、一時間熱処理したが、外見等に大きな変化はなく、クラック・ピンホール等も発生せず、熱分解等の劣化は認められなかった。この膜を、通常空気雰囲気下、TG−DTAで分析したところ、300℃から400℃の間でDTAカーブにおいて、何ら発熱ピークも観察されず、また、TGカーブにおいて、燃焼にともなう大きな減量は観察されず、通常空気雰囲気下で加熱しただけでは、燃焼しないことが分かる(図1)。
また、この結果より、この膜は、230℃以上の熱処理を行っても、膜基材に熱分解等の劣化が起こらないことが分かる。この膜を、直接炎であぶり、不燃性の試験を行った。通常空気雰囲気下で5センチメートル角の膜を、垂直につるし、その角をライターの火であぶった。その結果、あぶって三分経過後も、発泡は観察されたものの、黒化はせず、直接炎があたったところが、やや灰色に変色した程度の変化で、燃焼は全く観察されなかった。
(1)ゼオライト粘土薄膜の製造(シリル化)
オーブンで、110℃以上の温度で十分乾燥させた精製天然ベントナイト(クニピア P、クニミネ工業株式会社製)を、100重量部、アルミナボールとともにボールミル用ポットに入れた。次に、末端にアミノ基を持つシリル化剤(チッソ株式会社製サイラエースS330)2重量部を加え、ポット内を窒素に置換し、一時間ボールミル処理を行うことにより、シリル化粘土を得た。このシリル化粘土70重量部と、天然モルデナイト(粒径0.002ミリメートル以下、新東北化学工業株式会社製)30重量部を蒸留水に加え、プラスチック製密封容器に、テフロン(登録商標)製回転子とともに入れ、25℃で30分間激しく振とうし、固液比約4.28重量パーセントの均一なペーストを得た。
次に、真空脱泡装置により、このペーストの脱気を行った。次に、このペーストを真鍮製トレイに塗布した。塗布には、ステンレス製地べらを用いた。スペーサーをガイドとして利用し、均一厚のペースト膜を成型した。ここで、ペーストの厚みを2ミリメートルとした。このトレイを25℃、相対湿度10パーセントに保った強制対流型オーブン中で乾燥することにより、白色で均一な膜を得た。一昼夜静置後生成した粘土膜を、トレイから剥離して、ゆがみがなく、自立した、厚さ約97マイクロメートルのフレキシビリティーに優れた膜を得た。
(2)膜の特性
マンドレル型屈曲試験機を用いて、膜の柔軟性を測定した(ISO1519)。その結果、直径12ミリメートルに曲げても、クラック等何の欠陥も生じなかった。
(1)変性粘土薄膜の製造(シリル化リチウム交換)
オーブンで、110℃以上の温度で十分乾燥させた精製天然ベントナイト(クニピア P、クニミネ工業株式会社製)を、100重量部、アルミナボールとともにボールミル用ポットに入れた。次に、末端にアミノ基を持つシリル化剤(チッソ株式会社製サイラエースS330)2重量部を加え、ポット内を窒素に置換し、一時間ボールミル処理を行うことにより、シリル化粘土を得た。このシリル化粘土24重量部を、0.5規定の硝酸リチウム水溶液400重量部に加え、振とうにより混合分散させた。2時間振とう分散し、粘土の層間イオンをリチウムに交換した。
次に、遠心分離により固液分離し、得られた固体を280重量部の蒸留水と120重量部のエタノールの混合液で洗浄し、過剰の塩分を除いた。この洗浄操作は、二回以上繰り返した。得られた生成物を、オーブンで十分に乾燥後、粉砕して、シリル化リチウム交換粘土を得た。このシリル化粘土70重量部と、天然モルデナイト(粒径0.002ミリメートル以下、新東北化学工業株式会社製)30重量部を蒸留水に加え、プラスチック製密封容器に、テフロン(登録商標)製回転子とともに入れ、25℃で30分間激しく振とうし、固液比約5.71重量パーセントの均一なペーストを得た。
次に、真空脱泡装置により、このペーストの脱気を行った。次に、このペーストを真鍮製トレイに塗布した。塗布には、ステンレス製地べらを用いた。スペーサーをガイドとして利用し、均一厚のペースト膜を成型した。ここで、ペーストの厚みを2ミリメートルとした。このトレイを、25℃、相対湿度10パーセントに保った強制対流型オーブン中で乾燥することにより、白色で均一な膜を得た。一昼夜静置後、生成した粘土膜を、トレイから剥離して、ゆがみがなく、自立した、厚さ約107マイクロメートルのフレキシビリティーに優れた膜を得た。
(2)膜の特性
マンドレル型屈曲試験機を用いて、膜の柔軟性を測定した(ISO1519)。その結果、直径8ミリメートルに曲げても、クラック等何の欠陥も生じなかった。
(1)ゼオライト粘土薄膜の製造
粘土として、精製天然ベントナイト(クニピア P、クニミネ工業株式会社製)66.5重量部と、天然モルデナイト(粒径0.002ミリメートル以下、新東北化学工業株式会社製)28.5重量部を蒸留水に加え、プラスチック製密封容器に、テフロン(登録商標)製回転子とともに入れ、25℃で30分間激しく振とうし、次に、添加物として、イプシロンカプロラクタム(和光純薬工業株式会社製)を5重量部加え、更に、振とう撹拌し、粘土、ゼオライト、及びイプシロンカプロラクタムを含む、固液比約5重量パーセントの均一なペーストを得た。
次に、真空脱泡装置により、このペーストの脱気を行った。次に、このペーストを真鍮製トレイに塗布した。塗布には、ステンレス製地べらを用いた。スペーサーをガイドとして利用し、均一厚の粘土ペースト膜を成型した。ここで、ペーストの厚みを2ミリメートルとした。このトレイを、25℃、相対湿度10パーセントに保った強制対流型オーブン中で乾燥することにより、白色で均一な膜を得た。一昼夜静置後、生成した粘土膜をトレイから剥離して、ゆがみがなく、自立した、厚さ約124マイクロメートルのフレキシビリティーに優れた膜を得た。
(2)膜の特性
マンドレル型屈曲試験機を用いて、膜の柔軟性を測定した(ISO1519)。その結果、直径2ミリメートルに曲げても、クラック等何の欠陥も生じなかった。この膜を、通常空気雰囲気下、TG−DTAで分析したところ、300℃から400℃の間でDTAカーブにおいて、発熱ピークが観察されるものの非常に小さいものであり、また、TGカーブにおいて、燃焼にともなう大きな減量は観察されず、通常空気雰囲気下で加熱しただけでは、燃焼しないことが分かる(図2)。
また、この結果より、この膜は、230℃以上の熱処理を行っても、膜基材に熱分解等の劣化が起こらないことが分かる。この膜を、直接炎であぶり、不燃性の試験を行った。通常空気雰囲気下で、5センチメートル角の膜を、垂直につるし、その角をライターの火であぶった。その結果、あぶって三分経過後も、発泡は観察されたものの、黒変部分は、全体の二割程度に抑えられた。
比較例1
(1)ゼオライト粘土薄膜の製造
粘土として、精製天然ベントナイト(クニピア P、クニミネ工業株式会社製)56重量部と、天然モルデナイト(粒径0.002ミリメートル以下、新東北化学工業株式会社製)24重量部を蒸留水に加え、プラスチック製密封容器に、テフロン(登録商標)製回転子とともに入れ、25℃で30分間激しく振とうし、次に、添加物として、イプシロンカプロラクタム(和光純薬工業株式会社製)を20重量部加え、更に、振とう撹拌し、粘土、ゼオライト、及びイプシロンカプロラクタムを含む、固液比約5重量パーセントの均一なペーストを得た。
次に、真空脱泡装置により、このペーストの脱気を行った。次に、このペーストを真鍮製トレイに塗布した。塗布には、ステンレス製地べらを用いた。スペーサーをガイドとして利用し、均一厚の粘土ペースト膜を成型した。ここで、ペーストの厚みを2ミリメートルとした。このトレイを、25℃、相対湿度10パーセントに保った強制対流型オーブン中で乾燥した。しかし、乾燥時にトレイから剥離し、膜がゆがみ、均一な厚みの膜を得ることができなかった。
この膜を、通常空気雰囲気下、TG−DTAで分析したところ、300℃から400℃の間でDTAカーブにおいて、大きな発熱ピークが観察され、また、TGカーブにおいて、燃焼にともなう大きな減量が観察され、通常空気雰囲気下で加熱しただけで、燃焼することが分かる(図3)。この膜を、直接炎であぶり、不燃性の試験を行った。通常空気雰囲気下で、5センチメートル角の膜を、垂直につるし、その角をライターの火であぶった。その結果、あぶって三分経過後には、黒色部が全体の三割程度に広がった。
(1)ゼオライト粘土薄膜の製造
粘土として、精製天然ベントナイト(クニピア P、クニミネ工業株式会社製)66.5重量部と、天然モルデナイト(粒径0.002ミリメートル以下、新東北化学工業株式会社製)28.5重量部を蒸留水に加え、プラスチック製密封容器に、テフロン(登録商標)製回転子とともに入れ、25℃で30分間激しく振とうし、次に、添加物として、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩(Medium Viscosity、MP Biomedicals,Inc.製)を5重量部加えた。粘土、ゼオライト、及びカルボキシメチルセルロースナトリウム塩を含む、固液比約5重量パーセントのペーストを得た。
次に、自転公転型撹拌脱泡装置により、このペーストの混合脱気を行った。次に、このペーストを真鍮製トレイに塗布した。塗布には、ステンレス製地べらを用いた。スペーサーをガイドとして利用し、均一厚の粘土ペースト膜を成型した。ここで、ペーストの厚みを2ミリメートルとした。このトレイを、25℃、相対湿度10パーセントに保った強制対流型オーブン中で乾燥することにより、白色で均一な膜を得た。一昼夜静置後、生成した粘土膜をトレイから剥離して、ゆがみがなく、自立した、厚さ約85マイクロメートルのフレキシビリティーに優れた膜を得た。
(2)膜の特性
マンドレル型屈曲試験機を用いて、膜の柔軟性を測定した(ISO1519)。その結果、直径2ミリメートルに曲げても、クラック等何の欠陥も生じなかった。
(3)加熱処理による水蒸気吸着性変化
この膜の水蒸気吸着量は、120℃による乾燥状態と、20℃相対湿度60パーセントに24時間置いた試料の重量の違いから測定され、乾燥時重量基準で11.24パーセントであった。このことから、この膜は、乾燥状態においたときに、含んだ水を放出し、湿潤状態においたときに、大気から湿度を吸収する効果に優れていることが分かる。この膜を、通常大気下、強制対流型オーブン中で200℃、72時間処理した後の水蒸気吸着量は、8.25パーセントであった。
一方、この膜を、通常大気下、テフロン(登録商標)内筒小型オートクレーブに入れ、これを強制対流型オーブン中で、200℃、72時間処理した後の水蒸気吸着量は、9.65パーセントであった。以上の実験は、高温処理によっても、この膜の水蒸気吸着量が大きく低下しないことを意味する。すなわち、通常大気環境下で長期にわたり使用しても、水蒸気吸着性能が低下しないことが予想される。
(1)ゼオライト粘土薄膜の製造
粘土として、精製天然ベントナイト(クニピア P、クニミネ工業株式会社製)70重量部と、天然モルデナイト(ゼオフィルCP、粒径0.08ミリメートル以下、新東北化学工業株式会社製)30重量部を蒸留水に加え、プラスチック製密封容器に、テフロン(登録商標)製回転子とともに入れ、25℃で30分間激しく振とうし、固液比約5.14重量パーセントの均一なペーストを得た。次に、真空脱泡装置により、このペーストの脱気を行った。次に、このペーストを真鍮製トレイに塗布した。塗布には、ステンレス製地べらを用いた。スペーサーをガイドとして利用し、均一厚のペースト膜を成型した。ここで、ペーストの厚みを2ミリメートルとした。
室温で放置乾燥することにより、白色でうすく肌色がかった均一な膜を得た。一昼夜静置後、生成した粘土膜を、トレイから剥離して、ゆがみがなく、自立した、厚さ約75マイクロメートルのフレキシビリティーに優れた膜を得た。ここで用いた天然モルデナイトの粉末エックス線回折を測定したところ、モルデナイトがほとんどで、少量の石英も含まれていることが分かった(図4参照)。また、膜の表面を電子顕微鏡で観察したところ、ゼオライトの粒子形状が多く観察され、多くのゼオライト粒子が膜の表面に露出しており、ゼオライトの充分な吸着性能を発揮できる状態にあることが示された(図7参照)。
(2)膜の特性
マンドレル型屈曲試験機を用いて、膜の柔軟性を測定した(ISO1519)。その結果、直径8ミリメートルに曲げても、クラック等何の欠陥も生じなかった。
(1)ゼオライト粘土薄膜の製造
粘土として、精製天然ベントナイト(クニピア P、クニミネ工業株式会社製)70重量部と、天然クリノプチロライト(ゼオフィルW1、粒径0.05ミリメートル以下、新東北化学工業株式会社製)30重量部を蒸留水に加え、プラスチック製密封容器に、テフロン(登録商標)製回転子とともに入れ、25℃で30分間激しく振とうし、固液比約5.14重量パーセントの均一なペーストを得た。次に、真空脱泡装置により、このペーストの脱気を行った。次に、このペーストを真鍮製トレイに塗布した。塗布には、ステンレス製地べらを用いた。スペーサーをガイドとして利用し、均一厚のペースト膜を成型した。ここで、ペーストの厚みを2ミリメートルとした。
このトレイを、25℃、相対湿度10パーセントに保った強制対流型オーブン中で乾燥することにより、白色で均一な膜を得た。一昼夜静置後、生成した粘土膜を、トレイから剥離して、ゆがみがなく、自立した、厚さ約75マイクロメートルのフレキシビリティーに優れた膜を得た。ここで用いた天然クリノプチロライトの粉末エックス線回折を測定したところ、クリノプチロライトが主成分で、モルデナイトも含まれていることが分かった(図5参照)。
(2)膜の特性
マンドレル型屈曲試験機を用いて、膜の柔軟性を測定した(ISO1519)。その結果、直径3ミリメートルに曲げても、クラック等何の欠陥も生じなかった。
(1)緑色凝灰岩粘土薄膜の製造
粘土として、精製天然ベントナイト(クニピア P、クニミネ工業株式会社製)70重量部と、緑色凝灰岩(十和田石、粒径0.05ミリメートル以下、中野産業株式会社製)30重量部を蒸留水に加え、プラスチック製密封容器に、テフロン(登録商標)製回転子とともに入れ、25℃で30分間激しく振とうし、固液比約5.14重量パーセントの均一なペーストを得た。次に、真空脱泡装置により、このペーストの脱気を行った。次に、このペーストを真鍮製トレイに塗布した。塗布には、ステンレス製地べらを用いた。スペーサーをガイドとして利用し、均一厚のペースト膜を成型した。ここで、ペーストの厚みを2ミリメートルとした。
このトレイを、25℃、相対湿度10パーセントに保った強制対流型オーブン中で乾燥することにより、白色でうすく緑がかった均一な膜を得た。一昼夜静置後、生成した粘土膜を、トレイから剥離して、ゆがみがなく、自立した、厚さ約71マイクロメートルのフレキシビリティーに優れた膜を得た。ここで用いた緑色凝灰岩の粉末エックス線回折を測定したところ、ギスモンディン構造のゼオライトが殆どであることが分かった(図6参照)。
(2)膜の特性
マンドレル型屈曲試験機を用いて、膜の柔軟性を測定した(ISO1519)。その結果、直径2ミリメートルに曲げても、クラック等何の欠陥も生じなかった。
(1)焼成カキ貝殻粘土薄膜の製造
粘土として、精製天然ベントナイト(クニピア P、クニミネ工業株式会社製)70重量部と、焼成カキ貝殻粉末(市販ボレー粉を粉砕、粒径0.075ミリメートル以下)30重量部を蒸留水に加え、プラスチック製密封容器に、テフロン(登録商標)製回転子とともに入れ、25℃で30分間激しく振とうし、固液比約5.14重量パーセントの均一なペーストを得た。次に、真空脱泡装置により、このペーストの脱気を行った。次に、このペーストを真鍮製トレイに塗布した。塗布には、ステンレス製地べらを用いた。スペーサーをガイドとして利用し、均一厚のペースト膜を成型した。ここで、ペーストの厚みを2ミリメートルとした。
このトレイを、25℃、相対湿度10パーセントに保った強制対流型オーブン中で乾燥することにより、白色でうすく緑がかった均一な膜を得た。一昼夜静置後、生成した粘土膜を、トレイから剥離して、ゆがみがなく、自立した、厚さ約72マイクロメートルのフレキシビリティーに優れた膜を得た。
(2)膜の特性
マンドレル型屈曲試験機を用いて、膜の柔軟性を測定した(ISO1519)。その結果、直径3ミリメートルに曲げても、クラック等何の欠陥も生じなかった。
(1)ゼオライト粘土薄膜の製造
粘土として、精製天然ベントナイト(クニピア P、クニミネ工業株式会社製)67.9重量部と、天然モルデナイト(粒径0.08ミリメートル以下、新東北化学工業株式会社製)29.1重量部を蒸留水に加え、プラスチック製密封容器に、テフロン(登録商標)製回転子とともに入れ、25℃で30分間激しく振とうし、次に、添加物として、イプシロンカプロラクタム(和光純薬工業株式会社製)を3重量部加え、更に振とう撹拌し、粘土、ゼオライト、及びイプシロンカプロラクタムを含む、固液比約5重量パーセントの均一なペーストを得た。
次に、真空脱泡装置により、このペーストの脱気を行った。次に、このペーストを真鍮製トレイに塗布した。塗布には、ステンレス製地べらを用いた。スペーサーをガイドとして利用し、均一厚の粘土ペースト膜を成型した。ここで、ペーストの厚みを2ミリメートルとした。このトレイを、25℃、相対湿度10パーセントに保った強制対流型オーブン中で乾燥することにより、白色で均一な膜を得た。一昼夜静置後、生成した粘土膜を、トレイから剥離して、ゆがみがなく、自立した、厚さ約130マイクロメートルのフレキシビリティーに優れた膜を得た。
(2)膜の特性
マンドレル型屈曲試験機を用いて、膜の柔軟性を測定した(ISO1519)。その結果、直径5ミリメートルに曲げても、クラック等何の欠陥も生じなかった。
(1)ゼオライト粘土薄膜の製造
粘土として、精製天然ベントナイト(クニピア P、クニミネ工業株式会社製)67.9重量部と、天然モルデナイト(粒径0.08ミリメートル以下、新東北化学工業株式会社製)29.1重量部を蒸留水に加え、プラスチック製密封容器に、テフロン(登録商標)製回転子とともに入れ、25℃で30分間激しく振とうし、次に、添加物として、カルボキシメチルセルロースアンモニウム塩(ダイセル化学工業株式会社製)を3重量部加え、更に振とう撹拌し、粘土、ゼオライト、及びカルボキシメチルセルロースアンモニウム塩を含む、固液比約5重量パーセントの均一なペーストを得た。次に、真空脱泡装置により、このペーストの脱気を行った。
次に、このペーストを真鍮製トレイに塗布した。塗布には、ステンレス製地べらを用いた。スペーサーをガイドとして利用し、均一厚の粘土ペースト膜を成型した。ここで、ペーストの厚みを2ミリメートルとした。このトレイを、25℃、相対湿度10パーセントに保った強制対流型オーブン中で乾燥することにより、白色で均一な膜を得た。一昼夜静置後、生成した粘土膜を、トレイから剥離して、ゆがみがなく、自立した、厚さ約85マイクロメートルのフレキシビリティーに優れた膜を得た。
(2)膜の特性
マンドレル型屈曲試験機を用いて、膜の柔軟性を測定した(ISO1519)。その結果、直径3ミリメートルに曲げても、クラック等何の欠陥も生じなかった。
(1)キチン含有ゼオライト粘土薄膜の製造
粘土として、精製天然ベントナイト(クニピア P、クニミネ工業株式会社製)67.9重量部と、天然モルデナイト(粒径0.08ミリメートル以下、新東北化学工業株式会社製)29.1重量部を蒸留水に加え、プラスチック製密封容器に、テフロン(登録商標)製回転子とともに入れ、25℃で30分間激しく振とうし、次に、添加物として、キチン(和光純薬工業株式会社製)を3重量部加え、更に振とう撹拌し、粘土、ゼオライト、及びキチンを含む、固液比約5重量パーセントの均一なペーストを得た。次に、真空脱泡装置により、このペーストの脱気を行った。
次に、このペーストを真鍮製トレイに塗布した。塗布には、ステンレス製地べらを用いた。スペーサーをガイドとして利用し、均一厚の粘土ペースト膜を成型した。ここで、ペーストの厚みを2ミリメートルとした。このトレイを、25℃、相対湿度10パーセントに保った強制対流型オーブン中で乾燥することにより、白色で均一な膜を得た。一昼夜静置後、生成した粘土膜を、トレイから剥離して、ゆがみがなく、自立した、厚さ約93マイクロメートルのフレキシビリティーに優れた膜を得た。
(2)膜の特性
マンドレル型屈曲試験機を用いて、膜の柔軟性を測定した(ISO1519)。その結果、直径2ミリメートルに曲げても、クラック等何の欠陥も生じなかった。
(1)抗菌剤配合ゼオライト粘土薄膜の製造
粘土として、精製天然ベントナイト(クニピア P、クニミネ工業株式会社製)69.3重量部と、天然モルデナイト(粒径0.08ミリメートル以下、新東北化学工業株式会社製)29.7重量部を蒸留水に加え、プラスチック製密封容器に、テフロン(登録商標)製回転子とともに入れ、25℃で30分間激しく振とうし、次に、添加物として、ヒノキチオール(和光純薬工業株式会社製)を1重量部加え、更に振とう撹拌し、粘土、ゼオライト、及びヒノキチオールを含む、固液比約4重量パーセントの均一なペーストを得た。次に、真空脱泡装置により、このペーストの脱気を行った。
次に、このペーストを真鍮製トレイに塗布した。塗布には、ステンレス製地べらを用いた。スペーサーをガイドとして利用し、均一厚の粘土ペースト膜を成型した。ここで、ペーストの厚みを2ミリメートルとした。このトレイを、25℃、相対湿度10パーセントに保った強制対流型オーブン中で乾燥することにより、白色で均一な膜を得た。一昼夜静置後、生成した粘土膜をトレイから剥離して、ゆがみがなく、自立した、厚さ約111マイクロメートルのフレキシビリティーに優れた膜を得た。
(2)膜の特性
マンドレル型屈曲試験機を用いて、膜の柔軟性を測定した(ISO1519)。その結果、直径4ミリメートルに曲げても、クラック等何の欠陥も生じなかった。
(1)チタン酸含有ゼオライト粘土薄膜の製造
粘土として、精製天然ベントナイト(クニピア P、クニミネ工業株式会社製)67.9重量部と、天然モルデナイト(粒径0.08ミリメートル以下、新東北化学工業株式会社製)29.1重量部を蒸留水に加え、プラスチック製密封容器に、テフロン(登録商標)製回転子とともに入れ、25℃で30分間激しく振とうし、次に、添加物として、平均径6ナノメートルのチタン酸微粒子(テイカ株式会社製AMT−100)を1重量部加え、更に振とう撹拌し、粘土、ゼオライト、及びチタン酸を含む、固液比約5重量パーセントの均一なペーストを得た。次に、真空脱泡装置により、このペーストの脱気を行った。
次に、このペーストを真鍮製トレイに塗布した。塗布には、ステンレス製地べらを用いた。スペーサーをガイドとして利用し、均一厚の粘土ペースト膜を成型した。ここで、ペーストの厚みを2ミリメートルとした。このトレイを、25℃、相対湿度10パーセントに保った強制対流型オーブン中で乾燥することにより、白色で均一な膜を得た。一昼夜静置後、生成した粘土膜を、トレイから剥離して、ゆがみがなく、自立した、厚さ約124マイクロメートルのフレキシビリティーに優れた膜を得た。
(2)膜の特性
マンドレル型屈曲試験機を用いて、膜の柔軟性を測定した(ISO1519)。その結果、直径6ミリメートルに曲げても、クラック等何の欠陥も生じなかった。
(1)籾殻灰含有ゼオライト粘土薄膜の製造
粘土として、精製天然ベントナイト(クニピア P、クニミネ工業株式会社製)67.9重量部と、天然モルデナイト(粒径0.08ミリメートル以下、新東北化学工業株式会社製)29.1重量部を蒸留水に加え、プラスチック製密封容器に、テフロン(登録商標)製回転子とともに入れ、25℃で30分間激しく振とうし、次に、添加物として、籾殻灰を粉砕し、200メッシュのふるいをかけた籾殻灰粉末(径0.075ミリメートル以下)を3重量部加え、更に振とう撹拌し、粘土、ゼオライト、及び籾殻灰粉末を含む、固液比約5重量パーセントの均一なペーストを得た。次に、真空脱泡装置により、このペーストの脱気を行った。
次に、このペーストを真鍮製トレイに塗布した。塗布には、ステンレス製地べらを用いた。スペーサーをガイドとして利用し、均一厚の粘土ペースト膜を成型した。ここで、ペーストの厚みを2ミリメートルとした。このトレイを、25℃、相対湿度10パーセントに保った強制対流型オーブン中で乾燥することにより、灰色で均一な膜を得た。一昼夜静置後、生成した粘土膜を、トレイから剥離して、ゆがみがなく、自立した、厚さ約110マイクロメートルのフレキシビリティーに優れた膜を得た。
(2)膜の特性
マンドレル型屈曲試験機を用いて、膜の柔軟性を測定した(ISO1519)。その結果、直径3ミリメートルに曲げても、クラック等何の欠陥も生じなかった。
(1)表面撥水処理ゼオライト粘土薄膜の製造
実施例10の膜の片面に、耐熱フッ素樹脂コーティングスプレー(ファインケミカルジャパン株式会社製ファイン耐熱TFEコート)をスプレーし、四フッ化エチレン樹脂層を形成させた。その後、30分以上室温で乾燥し、135℃で24時間加熱硬化させた。その結果、水を吹き付けて、そのはじきを見た結果、膜の耐水性が向上したことが確認できた。
(1)表面撥水処理ゼオライト粘土薄膜の製造
実施例10の膜を、ダイセル化学工業株製VEMA A106H5 メチルビニルエーテル・無水マレイン酸共重合体の5パーセントエタノール溶液を用いて、ディップコーティングした。乾燥は、室温で行った。水を吹き付けて、そのはじきを見た結果、膜の耐水性が向上したことが確認できた。
(1)粘着層付与ゼオライト粘土薄膜の製造
実施例10の膜の片面に、VOC抑制タイプ両面粘着シート(日東電工株式会社製No.510、無溶剤タイプ)の片方の粘着面を上記膜に接着し、粘着層付膜を作製した。この粘着層付膜の粘着面を、室内のコンクリート壁に接着したところ、良好な接着力が得られ、容易にコンクリート壁から剥離せず、壁紙として容易に施工できることが確認された。
(2)粘着層付与ゼオライト粘土薄膜の施工
この膜を室内のコンクリート壁に接着し、日向に一ヶ月放置し、貼り付け状態を確認したところ、良好に貼り付けされ、剥がれ等は確認されなかった。また、日焼け等の顕著な変色等は確認されなかった。
以上詳述したように、本発明は、柔軟性を有する天然鉱物膜に係るものであり、本発明により、230℃以上の熱処理を行っても膜基材に熱分解等の劣化が起こらず、不燃性であり、ベンゼン、トルエン、キシレン、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等の有機化合物を吸着し、一酸化炭素あるいは粒子状物質を吸着し、有害物質分解性能を有し、湿度調節機能を有する天然好物膜及びその膜材を提供することができる。本発明の天然鉱物膜からなる膜材は、1)不燃性の壁紙を得ることができる、2)施工が非常に簡単で、軽量の不燃構成にできる、3)揮発性有機物質等の吸着性能・分解性能・消臭性能を付与できる、4)一酸化炭素あるいは粒子状物質を含む有害物質分解性能を付与できる、5)調湿機能を付与できる等、壁紙として広範に用いることが可能であるといった特徴を有するものである。
また、本発明は、断熱材、耐熱材、難燃材・不燃材、吸着剤、消臭剤、消臭剤、又はフィルターとして広範に利用可能であり、例えば、一般住宅、店舗、劇場、ホテル、旅館、オフィス、ビル、工場、倉庫(米、リンゴ、桃、さくらんぼ等の農産物用貯蔵庫を含む)等の壁構成材・フィルター材として施工することができる。また、本発明は、机や衣装棚や食器棚や食品保存容器に使用可能であり、また、車、電車、航空機、船、宇宙船等の移動体の壁構成材・フィルター材としても使用可能である、柔軟性を有する天然鉱物膜及び膜材を提供するものとして有用である。
添加物を含まないゼオライト−粘土膜のTG−DTAチャート図である。 添加物を5重量パーセント含むゼオライト−粘土膜のTG−DTAチャート図である。 添加物を20重量パーセント含むゼオライト−粘土膜のTG−DTAチャート図である。 天然モルデナイトのCu Kα線使用X線回折チャート図である。 天然クリノプチロライトのCu Kα線使用X線回折チャート図である。 緑色凝灰岩粉末のCu Kα線使用X線回折チャート図である。 天然モルデナイト粘土膜の表面の電子顕微鏡写真である。

Claims (14)

  1. 製膜性を有する天然粘土と、無機吸着剤の粉末を主成分とする、曲げ直径12ミリメートルでクラックが発生しない柔軟性を有し、230℃の高温熱処理を行っても膜基材に熱分解による劣化が起こらない耐熱性の天然鉱物膜であって、膜全体の重量における天然粘土と無機吸着剤の総重量割合が少なくとも80%であり、天然粘土と無機吸着剤の混合比が、天然粘土/無機吸着剤比で50/50から90/10の範囲であり、上記天然粘土が、雲母、イライト、バーミキュライト、ベントナイト、及びスメクタイトのうちの一種以上であり、不燃性で、ベンゼン、トルエン、キシレン、ホルムアルデヒド、及びアセトアルデヒドのうちの一種以上に対し、吸着性を有し、一酸化炭素あるいは粒子状物質を吸着し、湿度調整機能を有することを特徴とする柔軟性を有する耐熱性の天然鉱物膜。
  2. 無機吸着剤が、モルデナイト、クリノプチロライト、凝灰岩、ホタテ貝殻、及びカキ貝殻のうちの一種以上である、請求項1に記載の膜。
  3. 天然粘土が有機化されている、あるいはシリル化処理されている、請求項1に記載の膜。
  4. 天然粘土の層間イオンのうち、リチウムイオンとカリウムイオンとカルシウムイオンと水素イオンの割合の総和が少なくとも70パーセントである、請求項1に記載の膜。
  5. 無機吸着剤の平均粒径が、0.001ミリメートル以上、0.7ミリメートル以下である、請求項1に記載の膜。
  6. 上記天然粘土及び無機吸着剤の他に、更に、バインダー、吸着剤、殺菌剤ないし抗菌剤、又は光触媒としての役割を有する添加物が加えられている、請求項1に記載の膜。
  7. 添加物が、バインダーとしての役割を有し、セルロース樹脂、アクリル酸樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、キチン、及びキトサンのうちの一種以上である、請求項に記載の膜。
  8. 添加物が、吸着剤としての役割を有し、籾殻灰である、請求項に記載の膜。
  9. 添加物が、殺菌剤ないし抗菌剤としての役割を有し、キチン、キトサン、ヒノキチオール、カテキン、タケオール、ポリオキシン、及びワサオールのうちの一種以上である、請求項に記載の膜。
  10. 添加物が、光触媒としての役割を有し、酸化チタンである、請求項に記載の膜。
  11. 厚みが0.02ミリメートル以上、0.3ミリメートル以下である、請求項1に記載の膜。
  12. 請求項1から11のいずれかの膜に、粘着層を有することを特徴とする膜材。
  13. 請求項1から11のいずれかの膜の少なくとも片面に、耐水層を有することを特徴とする膜材。
  14. 請求項1から13のいずれかに記載の膜又は膜材からなることを特徴とする壁紙、断熱材、耐熱材、難燃材・不燃材、吸着剤、消臭剤、又はフィルター。
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