JP4836166B2 - 粘着粘土膜及びその使用方法 - Google Patents

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Description

本発明は、粘土膜に接着層が存在する粘着粘土膜に関するものであり、更に詳しくは、自立膜として利用可能な機械的強度、高いガスバリア性を有し、かつ優れたフレキシビリティーを有し、それ自身を重ね合わせて、厚膜化することが容易に、均一、かつ確実にでき、異種材料表面との接着が容易に、均一かつ確実にできる新しい単層又は多層構造の粘着粘土膜に関するものである。ガスバリア膜及び絶縁膜の作製技術及びその製品の技術分野においては、従来、粘土膜には接着面が存在せず、他材料との多層化のために、接着剤を均一に塗り、乾燥させるための手順を必要とした。しかし、一般には、均一に接着剤を塗ることは困難であり、接着を確実、強固にすることも困難であった。本発明は、粘土膜に接着面を形成した、容易に、均一、かつ確実に他材料との接着ができる粘着粘土膜を提供するものである。
一般に、多くの化学産業分野において、高温条件下での種々の生産プロセスが用いられている。それらの生産ラインの配管部及び配管連結部などでは、例えば、配管をガスバリア加工する、あるいはパッキンや溶接などによって、液体や気体のリークを防止するなどの方策がとられている。これまで、例えば、フレキシビリティーに優れたガスバリア材料は、有機高分子材料を用いて作られていた。しかしながら、その耐熱性は、液晶ポリエステルの350℃が最高であり、これ以上の温度では、金属製ガスバリア材を用いなければならないが、その金属製部材は、有機高分子材料のものと比較して、フレキシビリティーに劣るという問題点があった。アルミ、あるいは銅製等の金属パッキンは、完全なガスバリア性を得るためには、強く締め付けることが必要であり、そのため、フランジのような締め付け機構を必要とする。また、金属パッキンは周辺部品に傷をつけやすいという問題点がある。そのため、螺子部に巻きつけるシール材として利用することはできない。また、金属パッキンは、導電性であるため、絶縁とする必要がある部分には適していないという問題点がある。一方、高温条件下で用いられるグランドパッキンとしては、粘土鉱物であるマイカやバーミキュライト等を用いたシートが用いられている(特許文献1,2,3,4)。しかし、これらのシートは、クラックやピンホールを完全に排除することができないため、これらのシートにより作製されたパッキン及びガスケットは、完全なガスシール性を有していないという問題点がある。
粘土は、水やアルコールに分散し、その分散液をガラス板の上に広げ、静置乾燥することにより粒子の配向の揃った膜を形成することが知られており、例えば、この方法で、X線回折用の定方位試料が調製されてきた(非特許文献1)。しかしながら、ガラス板上に膜を形成した場合、ガラス板から粘着粘土膜を剥がすことが困難であり、剥がす際に膜に亀裂が生じるなど、自立膜として得ることが難しいという問題があった。また、膜を剥がせたとしても、得られた膜が脆く、強度が不足であった。
最近、ラングミュアーブロジェット法(Langmuir−Blodgett Method)を応用した粘土薄膜の作製が行われている(非特許文献2)。しかし、この方法では、粘土薄膜は、ガラス等の材料でできた基板表面上に形成されるものであり、多孔体にはならない。更に、自立膜としての強度を有する粘土薄膜を得ることができなかった。更に、従来、例えば、機能性粘土薄膜等を調製する方法が種々報告されている。例えば、ハイドロタルサイト系層間化合物の水分散液を膜状化して乾燥することからなる粘土薄膜の製造方法(特許文献5)、層状粘土鉱物と燐酸又は燐酸基との反応を促進させる熱処理を施すことによる層状粘土鉱物が持つ結合構造を配向固定した層状粘土鉱物薄膜の製造方法(特許文献6)、スメクタイト系粘土鉱物と2価以上の金属の錯化合物を含有する皮膜処理用水性組成物(特許文献7)、等をはじめ、多数の事例が存在する。しかしながら、これまで、自立膜として利用可能な機械的強度を有し、柔軟性に優れた粘土膜の開発例はなかった。
粘土膜を実用化する場合、多くの場合、粘土膜は、他種材料でできた部材に接するように用いられる。このとき、粘土膜と、他種材料でできた部材との固定、接合などが容易に、均一かつ確実に行われることが要求される。粘土膜同士を接着する場合、粘土膜との接着力が高い接着剤を用いることが考えられる。また、粘土膜と、金属、ガラス、紙、プラスチック、ゴムなどの他種材料を接着する場合、粘土膜と他種材料の両者を接着できる接着剤を用いることが考えられる。これらの接着剤は、比較的容易に入手可能であり、粘土膜同士、あるいは粘土膜と他種材料を接着剤により接着することが可能である。しかしながら、この接着剤を均一に粘土膜に塗布し、均一で、確実な接着をすることは、従来、成功していなかった。特に、極性溶媒を用いる接着剤では、粘土膜が膨潤しやすいという問題点がある。また、粘土膜自身が高いガスバリア性を有しているため、乾燥に時間がかかり、厚い膜を作ることが難しいという問題点がある。
特開昭50−2699号公報 特開昭53−39318号公報 特開昭55−142539号公報 特開平5−262514号公報 特開平6−95290号公報 特開平5−254824号公報 特開2002−30255号公報 白水晴雄「粘土鉱物学−粘土科学の基礎−」、朝倉書店、p.57(1988) 梅沢泰史、粘土科学、第42巻、第4号、p.218−222(2003)
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、自立膜として利用可能な機械的強度を有し、しかも、優れたガスバリア性、電気絶縁性、及びフレキシビリティーを有する粘土膜と、他材料が接着・複合化した、新規ガスバリア材料、あるいは電気絶縁材料を開発することを目標として鋭意研究を積み重ねる過程で、粘土膜の表面に接着層を形成させ、粘土膜同士を接着し、多層化することで、厚い粘土層を得、ガスバリア性及び電気絶縁性を更に高めた膜が容易に、均一に、かつ確実にできることを見出した。また、粘土膜表面に接着層を形成させることにより、他材料との接着・複合化が容易に、均一に、かつ確実にできることを見出した。本発明者らは、これらの事実に注目し、粘土膜への接着層の形成のさせ方、接着剤の選定など更に研究を重ねて、自身の積層、あるいは他材料との接着が容易に、均一に、また確実にできる、接着層が存在する粘着粘土膜を得ることに成功して、本発明を完成するに至った。
本発明は、容易に、自身、あるいは他材料との接着・多層化ができる粘着粘土膜を提供することを目的とするものである。また、本発明は、自立膜として利用可能な機械的強度と靭性を有し、しかも、優れたガスバリア性、電気絶縁性、及び柔軟性を併せ持つ多層化粘土膜を提供することを目的とするものである。更に、本発明は、本粘着粘土膜を貼り付けることにより、ガスバリア性、水蒸気バリア性、及び電気絶縁性のいずれかを付与したフィルム、シート、パイプ、容器、あるいは本粘着粘土膜を貼り付けることにより、フィルム、シート、パイプ、容器にガスバリア性、水蒸気バリア性、電気絶縁性のいずれかを付与する方法、等の新技術・新素材を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)粘土を主成分とし、柔軟性を有し、自立膜として利用可能であり、ガスバリア性を有する粘土膜において、粘土膜が、粘土のみ、粘土と添加物、粘土と補強材、又は粘土と添加物と補強材から構成され、接着層が、粘土膜の片面又は両面に存在する多層の構造を有する粘着粘土膜であって、
粘土膜の主要構成成分が、天然粘土又は合成粘土である雲母、バーミキュライト、モンモリロナイト、鉄モンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイト、及びノントロナイトからなる群のうちの一種以上であり、接着層が、接着剤、又は接着剤と補強材を有することがあるベース層により構成され、
粘土膜の曲げ反発性試験の値(JIS L1096:1999「一般織物試験方法」A法に準拠)が8.0mNを下回り、引裂試験の値(JIS K6252:2001)が33.4N/mm(平均値)で自立膜としての特性を有し、室温における、空気、酸素ガス、窒素ガス、水素ガス、又はヘリウムガスに対する透過係数が、3.7×10−12cm−1cmHg−1又はそれを下回るガスバリア性を有することを特徴とする粘着粘土膜。
)添加物が、エチレングリコール、グリセリン、イプシロンカプロラクタム、デキストリン、澱粉、セルロース系樹脂、ゼラチン、寒天、小麦粉、グルテン、アルキド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリビニル樹脂、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアマイド、ポリエチレンオキサイド、タンパク質、デオキシリボヌクレイン酸、リボヌクレイン酸及びポリアミノ酸、フェノール類、安息香酸類化合物、及びシリコン樹脂からなる群のうちから選択される一種以上である前記(1)に記載の粘着粘土膜。
)補強材が鉱物繊維、グラスウール、セラミックス繊維、植物繊維、及び有機高分子繊維の群のうちの一種以上である前記()に記載の粘着粘土膜。
)円、正方形、又は長方形等の任意の平面形状を有し、自立膜として用いることが可能である前記(1)に記載の粘着粘土膜。
)粘土膜の厚さが、1mmよりも薄く、粘着粘土膜の面積が、1cmよりも大きい前記(1)に記載の粘着粘土膜。
)添加物の、粘土膜全固体に対する重量割合が、少なくとも30パーセントである前記(1)に記載の粘着粘土膜。
)補強材の、粘土膜全固体に対する重量割合が、多くても30パーセントである前記(1)に記載の粘着粘土膜。
)粘土膜に表面処理を施して、撥水、防水、補強、及び/又は表面平坦化をした前記(1)に記載の粘着粘土膜。
)前記表面処理が、フッ素系膜、シリコン系膜、ポリシロキサン膜、フッ素含有オルガノポリシロキサン膜、アクリル樹脂膜、塩化ビニル樹脂膜、ポリウレタン樹脂膜、高撥水メッキ膜、金属蒸着膜、又はカーボン蒸着膜を表面に形成することである前記()に記載の粘着粘土膜。
10)膜に対して垂直方向の直流電気抵抗が、1メガΩ以上である前記(1)に記載の粘着粘土膜。
11)前記(1)から(10)のいずれかに記載の粘着粘土膜からなることを特徴とするガスバリア性、水蒸気バリア性、及び/又は電気絶縁性を有する部材。
12)前記(1)から(10)のいずれかに記載の粘着粘土膜を、フィルム、シート、パイプ、又は容器からなる部材に貼り付けることにより、ガスバリア性、水蒸気バリア性、及び電気絶縁性のいずれかを付与したことを特徴とする部材。
13)前記(1)から(10)のいずれかに記載の粘着粘土膜を貼り付けることにより、フィルム、シート、パイプ、又は容器からなる部材に、ガスバリア性、水蒸気バリア性、及び電気絶縁性のいずれかを付与する方法。
次に本発明について、更に詳細に説明する。
本発明は、粘土膜に接着層が存在する粘着粘土膜であり、粘土を主成分とし、柔軟性を有し、自立膜として利用可能であり、クラックやピンホールが存在せず、ガスバリア性を有する粘土層に接着層が存在することを特徴とするものであり、本粘土層の室温における、空気、酸素ガス、窒素ガス、水素ガス、又はヘリウムガスに対する透過係数は、1×10−12cm−1cmHg−1未満であることを特徴とするものである。
本発明の粘着粘土膜は、接着層が、粘土膜の片面あるいは両面に存在する。本発明の粘着粘土膜の粘土層は、粘土のみ、あるいは粘土と少量の添加物、あるいは粘土と少量の添加物、あるいは粘土と少量の添加物と少量の補強材から構成される。粘土層の主要構成成分は、天然粘土、あるいは合成粘土である。前記粘土層の主要構成成分としては、例えば、雲母、バーミキュライト、モンモリロナイト、鉄モンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイト及びノントロナイトが例示される。
前記添加物としては、例えば、エチレングリコール、グリセリン、イプシロンカプロラクタム、デキストリン、澱粉、セルロース系樹脂、ゼラチン、寒天、小麦粉、グルテン、アルキド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリビニル樹脂、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアマイド、ポリエチレンオキサイド、タンパク質、デオキシリボヌクレイン酸、リボヌクレイン酸及びポリアミノ酸、フェノール類、安息香酸類化合物、シリコン樹脂が例示される。
前記補強材としては、鉱物繊維、グラスウール、セラミックス繊維、植物繊維、有機高分子繊維、のうちの1種以上が例示される。また、前記接着層としては、接着剤、あるいは接着剤とベース層から構成されるものが例示される。本発明では、例えば、加熱、光照射等の任意の方法、手段により、付加反応、縮合反応、重合反応等の化学反応を行わせ、粘土、添加物、及び補強材の成分同士、あるいは成分間において、新たな化学結合を生じさせて、耐水性、ガスバリア性、あるいは機械的強度を改善させた粘着粘土膜も対象とされる。
本発明では、例えば、室温における、空気、酸素ガス、窒素ガス、水素ガス、ヘリウムガスに対する透過係数は、1×10−12cm−1cmHg−1未満である粘着粘土膜を提供できる。また、本発明では、例えば、円、正方形、長方形等に代表される任意の二次元平面形状、あるいは平板、管、円柱、コーン、球又はその組み合わせである任意の三次元平面形状を有し、自立膜として用いることが可能であり、厚さは1mmよりも薄く、面積は1cmよりも大きい粘着粘土膜を提供できる。
本発明では、例えば、撥水、防水、補強、表面平坦化を目的として、表面処理を行うことが可能であり、表面処理により、フッ素系膜、シリコン系膜、ポリシロキサン膜、フッ素含有オルガノポリシロキサン膜、アクリル樹脂膜、塩化ビニル樹脂膜、ポリウレタン樹脂膜、高撥水メッキ膜、金属蒸着膜、カーボン蒸着膜を表面に形成することが可能である。前記添加物の、全固体に対する重量割合は、好適には、30パーセント以下であり、前記補強材の、全固体に対する重量割合も、好適には、30パーセント以下である。
本粘着粘土膜は、自立膜、柔軟、加工容易、機能化容易であり、粘土層の厚さは、例えば、3〜100μm、配向性はマイクロメートル、ナノオーダーで高配向、であるという特徴を有する。本粘着粘土膜は、JIS K7127による引っ張り強度は、10MPa以上という特徴を有する。本粘着粘土膜の基本性能については、ガスバリア性は、ヘリウムで測定限界値未満(アルミホイル相当)、引っ張り強さは10MPa以上である。本粘着粘土膜では、特に、主要成分の粘土の割合を高め、耐熱性が高い材料を接着層として選ぶことで高い耐熱性が得られる。
本発明の粘着粘土膜を構成する粘土層は、粘土を主原料(90重量%以上)として用い、基本構成として、好適には、例えば,層厚約1nm、粒子径約1μm、アスペクト比約300程度の天然又は合成の膨潤性粘土が90重量%以上と、分子の大きさ数nm以下の天然又は合成の低分子・高分子の添加物が10重量%以下の構成、が例示される。この粘着粘土膜は、例えば、厚さ約1nmの層状結晶を同じ向きに配向させて重ねて緻密に積層することで作製される。得られた粘着粘土膜は、粘土層の膜厚が3〜100μmであり、ガスバリア性能は、粘土層の厚さ30μmで酸素透過度0.00001cc/m/24hr/atm未満、水素透過度0.002cc/m/24hr/atm未満であり、面積は100×40cm以上に大面積化することが可能であり、膜に対して、垂直方向の直流電気抵抗は1メガΩ以上である。
本発明は、容易に、自身、あるいは他材料との接着・多層化ができる粘着粘土膜を提供するものであり、また、自立膜として利用可能な機械的強度と靭性を有し、しかも、優れたガスバリア性、電気絶縁性、柔軟性、を併せ持つ多層化粘土膜を提供するものである。また、本発明は、本粘着粘土膜を貼り付けることにより、ガスバリア性、水蒸気バリア性、電気絶縁性のいずれかを付与したフィルム、シート、パイプ、容器などの部材を提供するものである。また、本発明は、本粘着粘土膜を貼り付けることにより、フィルム、シート、パイプ、容器にガスバリア性、水蒸気バリア性、電気絶縁性のいずれかを付与する方法を提供するものである。
本発明では、粘土として、天然、あるいは合成物、好ましくは、天然スメクタイト及び合成スメクタイトの何れか、あるいはそれらの混合物を用い、これを、水あるいは水を主成分とする液体に加え、希薄で均一な分散液を調製する。粘土として、雲母、バーミキュライト、モンモリロナイト、鉄モンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイト及びノントロナイトからなる群のうちの一種以上を用いることができる。粘土分散液の濃度は、好適には0.5から15重量パーセント、より好ましくは、1から10重量パーセントである。このとき、粘土分散液の濃度が薄すぎる場合、乾燥に時間がかかりすぎる可能性がある。また、粘土分散液の濃度が濃すぎる場合、よく粘土が分散しないため、粘土粒子の配向が悪く、均一な膜ができ難い可能性がある。
次に、必要に応じて、秤量した固体状、あるいは液体状の添加物を、粘土分散液に加え、均一な分散液を調製する。添加物としては、粘着粘土膜のフレキシビリティー、あるいは機械的強度を向上させる、粘土と均一に混合するものであれば、特に限定されないが、例えば、エチレングリコール、グリセリン、イプシロンカプロラクタム、デキストリン、澱粉、セルロース系樹脂、ゼラチン、寒天、小麦粉、グルテン、アルキド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリビニル樹脂、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアマイド、ポリエチレンオキサイド、タンパク質、デオキシリボヌクレイン酸、リボヌクレイン酸及びポリアミノ酸、フェノール類、安息香酸類化合物、シリコン樹脂のうちの1種以上を用いることができる。添加物の全固体に対する重量割合は、30パーセント以下であり、好ましくは1パーセントから10パーセントである。このとき、添加物の割合が低過ぎる場合、添加の効果が現れず、添加物の割合が高すぎる場合、調製した膜中で添加物と粘土の分布が不均一になり、結果として得られる粘着粘土膜の均一性が低下し、やはり添加効果が薄れる。また、添加物の割合が高すぎる場合、粘着粘土膜の耐熱性が低下する。
次に、秤量した補強材を、粘土分散液に加え、均一な分散液を調製する。補強材として、鉱物繊維、グラスウール、炭素繊維、セラミックス繊維、植物繊維、有機高分子繊維樹脂、のうちの1種以上を用いることができる。補強材の全固体に対する重量割合は、30パーセント以下であり、好ましくは1パーセントから10パーセントである。このとき、補強材の割合が低過ぎる場合、添加の効果が現れず、補強材の割合が高すぎる場合、調製した膜中で補強材と粘土の分布が不均一になり、結果として得られる粘土膜の均一性が低下し、やはり添加効果が薄れる。なお、補強材と添加物の添加順序はどちらが先と決まっているわけではなく、どちらを先に加えてもよい。
粘土層の作製方法としては、例えば、分散液である液体をゆっくりと蒸発させ、膜状に成形する。分散液を支持体表面に塗布し、分散媒である液体を乾燥除去する、などの方法がある。分散媒である液体の乾燥除去法としては、例えば、種々の固液分離方法、例えば、遠心分離、ろ過、真空乾燥、凍結真空乾燥、加熱蒸発法の何れか、あるいはこれらの方法の組み合わせが可能である。これらの方法のうち、例えば、分散液を容器に流し込み加熱蒸発法を用いる場合、平坦なトレイ、好ましくはプラスチック製あるいは金属製のトレイを水平に置き、粘土の濃度を0.5〜3重量パーセントに調整し、事前に脱気処理した分散液を注ぎ、水平を保った状態で、強制送風式オーブン中で30から70℃の温度条件下、好ましくは30から50℃の温度条件下で、3時間から半日間程度、好ましくは3時間から5時間、乾燥して粘土層を得る。また、別の例として、固液比の比較的高いゲル状分散液を支持体となる物体に塗布し、加熱蒸発法を用いる場合、粘土の濃度を4〜7重量パーセントに調整し、事前に脱気処理した分散液を金属板などの物体の上に2mmの厚さに塗布し、強制送風式オーブン中で30から100℃の温度条件下、好ましくは30から80℃の温度条件下で、10分間から2時間程度、好ましくは20分間から1時間、乾燥して粘土層を得る。
分散液を事前に脱気処理しない場合、粘土層に気泡に由来する孔ができ易くなるという問題がある場合がある。また、乾燥条件は、液体分を乾燥除去するのに十分であるように設定される。このとき、乾燥速度が遅すぎると、乾燥に時間がかかるという問題がある。また、乾燥速度が速すぎると、分散液の対流が起こり、粘土層の均一性が低下するという問題がある。粘土層の厚さは、分散液に用いる固体量を調整することによって、任意の厚さに調製することができる。
次に、粘土層を容器あるいは物体表面から剥離する。粘土層が容器等の支持体から自然に剥離しない場合は、好適には、真空引きにより剥離を促進させる。また、剥離の別の方法として、好適には、約110から200℃の温度条件下で乾燥し、剥離を容易にして自立膜を得る。このとき、温度が低すぎる場合には、剥離が起こりにくいという問題がある。温度が高すぎる場合には、添加物が劣化しやすくなるという問題がある。添加物を含まない場合には、更に高温の処理により剥離を促進させることができる。このときの高温の処理は700℃までの温度条件が可能である。
以上のようにして得られた粘土層は、基本的には、親水性であり、そのため、プラスチックフィルムや金属箔に比較して耐水性に劣る。そのため、結露する条件下、あるいは水に接する条件下では、膨潤し、脆弱になるという問題点がある。また、高い遮湿性を持たせることが困難である。ここで、粘土層の表面を処理することにより、親水性から疎水性に変え、耐水性・高遮湿性を付与することが可能である。表面処理としては、粘土層表面を疎水化するものであれば、特に限定されるものではないが、例えば被覆層作製法がある。被覆層作製による方法としては、フッ素系膜、シリコン系膜、ポリシロキサン膜、フッ素含有オルガノポリシロキサン膜、アクリル樹脂膜、塩化ビニル樹脂膜、ポリウレタン樹脂膜、高撥水メッキ膜、金属蒸着膜、カーボン蒸着膜などを表面に形成するものがある。この場合、膜作成法として湿式法、乾式法、蒸着法、噴霧法等の方法がある。表面に作製された被覆層は疎水性であり、そのため、結果として粘土膜表面の撥水性が実現する。この処理は、粘着層を形成させない側の表面に行う。表面処理法としては、他に、シリル化、イオン交換などの化学処理によって表面改質を行う方法がある。
この表面処理により、以上述べた撥水性、防水性の付与の他に、膜強度を高める補強効果、表面における光散乱を押さえ、光沢を与え外見を美麗にする効果が期待できる。一方、被覆層を有機高分子とする場合、粘土膜の常用温度範囲が被覆層の材料の常用温度範囲によって規定される場合がある。そのため、用途によって表面処理に用いる材料の選定や膜厚が注意深く選択されることになる。
次に、粘土層の少なくとも片面に接着層を形成させる。接着層形成前に、必要に応じて粘土層の清浄化を行う。また、必要に応じて粘土層と接着層の間にプライマーを塗布する。プライマーの塗布目的としては、粘土層と接着層の親和性改良、被着体表面の補強、接着界面の保護などがあり、プライマーとしては、例えば、エチレン−酢酸ビニル樹脂系接着剤などがあげられる。粘土層は、高いガスバリア性を有し、接着剤の乾燥を遅くすることから、無用剤タイプの接着剤を用いることが推奨される。粘土層への接着層の形成法としては、塗布、噴霧、ディップコーティング、などがある。接着剤としては、天然物接着剤、無機接着剤、熱可塑性接着剤、熱硬化性接着剤、ゴム系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、耐熱性接着剤などがある。また、接着層がフィルム状になっており、熱プレスで粘土層へコートする方法もある。更に、これらの接着層を基材両面に塗布した、両面粘着シートを用いることも可能である。両面粘着シートの片側の離型シートを剥がして粘土層に接着することで、粘土層の片側に接着面を形成することができる。
また、基材を有する両面粘着シートを用いた場合、基材が粘土層を補強する役割を果たすという効果をもたらす。このとき、基材は、有機ポリマーフィルムであったり、不織布であったりする。粘着粘土膜の耐熱性を高めるためには、接着層の耐熱性を高める必要がある。そのためには、アクリル製材料をベースにするなどで耐熱性を確保することができる。また、熱硬化性接着層を熱ラミネーションで仮着後、オーブンキュアで本硬化させるタイプの接着層をコートする方法を採用することで耐熱性を確保することができる。
本発明の粘着粘土膜は、例えば、はさみ、カッター等で容易に円、正方形、長方形などの任意の大きさ、形状に切り取ることができる。本発明の粘着粘土膜は、好適には、厚さは1mmよりも薄く、面積は1cmよりも大きい。また、本発明の粘着粘土膜は、自立膜として利用可能な機械的強度を有し、柔軟性が高く、ガスバリア性が高く、電気絶縁体であり、容易に、均一に、かつ確実に粘土膜同士あるいは他材料との複合部材を形成可能、といった特徴を有する。
耐熱性の高い粘着粘土膜を作製する場合に、粘土に比較して耐熱性に劣る添加物の添加量を少なくすることは重要である。この場合、添加物の総固体に対する重量比は10%以下であることが好適である。特に、耐熱性を要求されない場合は、この限りではない。本発明の粘着粘土膜の粘土層は、粘土が主成分であることから、電気絶縁性に優れ、絶縁膜として広範に使用することができる。また、本発明の粘着粘土膜は、断熱性に優れ、断熱膜として広範に使用することができる。
粘土層は、容易に層厚を厚くすることが困難である。それは、粘土層のガスバリア性が高いために、層が厚い場合、溶媒を乾燥除去することが難しくなるためである。本粘着粘土膜を重ねて貼り付けることにより、厚い粘土膜を容易に、均一に、かつ確実に作製することができる。これにより、厚みを必要とするパッキン、高い電気絶縁性を必要とする電気絶縁膜、高いガスバリア性を必要とするガスバリア膜が容易に提供できる。
次に、本発明の材料(基材)の特性値について説明する。
(1)密度
従来材料は、下表に示されるようにプラスチック・フィラーナノコンポジット製品において、その密度が最も高いものでも1.51である。これに対して、本発明の材料は、1.51を上回る密度を有し、2.0以上、例えば、2.10程度の密度の測定値を示す。このように、本発明の材料は、1.51を上回る密度、特に、1.60から2.50程度の高密度を有する。
(2)柔軟性
従来材料で最も柔らかいものは、粘土とパルプ繊維からできている市販のシートであり、その剛軟度は、曲げ反発性試験の値として、JIS L1096:1999「一般織物試験方法」A法に準拠して測定された値は、8.0(mN)である。一方、粘土膜で最も硬いものは、HR50/5−80Hであり、表面が5.3(mN)、裏面が17.1(mN)である。これに対して、本発明の材料は、曲げ反発性試験の値が2.0mN程度であり、少なくとも、8.0mNを下回る値を有するものである。従来材料と本発明の材料の剛軟度の閾値は8.0mNであると言えることから、この値をもって、本発明の材料を従来材料と区別(識別)することができる。
(3)原料粘土の特性
本発明では、原料粘土として、好適には、例えば、1次粒子のアスペクト比(粒子数基準)が320程度のもので、特に、メチレンブルー吸着量、陽イオン交換容量が高いものが使用される。具体例として、例えば、メチレンブルー吸着量が130mmol/100g、陽イオン交換容量が110meq/100g、2%水分散液pHが10.2、4%水分散液粘度が350mPa・s、水分散メジアン径が1.13μmの諸物性を有するものが例示される。しかし、これらに制限されるものではなく、これらを標準値として、これらと同等もしくは均等の物性を有するものであれば同様に使用することができる。これらの原料粘土として、山形県月布産粘土及びこれを主原料とする材料が好適に用いられる。
(4)その他の特性
本発明の材料は、熱サイクルテスト(100−600℃、30サイクル)で異状がなく(高耐熱性)、電気抵抗は、体積抵抗率(500V)が2.3×10Ωm(JIS K6911:1995)であり(高絶縁性)、例えば、フレキシブル基板材料として使用される。本発明の材料は、他の特性として、例えば、以下のような特性値を有する。酸素透過度:<0.00008cm/20μm・m day・atm、水素透過度:0.002cm/20μm・m day・atm、破断延び:2.2%、引裂試験(JISK6252:2001):33.4N/mm、酸素指数(JIS K7201:1995):>94.0、比熱:1.19J/g・K、熱拡散率:1.12×10−7/s、熱伝導率:0.27W/m・K、熱膨張係数(−100〜100℃):0.1×10−4−1、熱膨張係数(100〜200℃):−0.06×10−4−1、耐ガス腐食試験:異状なし。これらの値は、本発明の材料の好適な特性値を示すものであり、本発明は、これらに制限されるものではなく、これらを標準値として、これらと同等もしくは均等のものであれば、本発明の範囲に含まれる。
本発明により、(1)自立膜として利用可能な機械的強度と靭性を有し、しかも、優れた柔軟性、熱安定性、優れたガスバリア性、優れた水蒸気バリア性を併せ持つ粘着粘土膜の新技術・新素材を提供できる、(2)耐熱性及び柔軟性を併せ持つパッキンあるいは固体電解質燃料電池隔膜、電気絶縁材、断熱材として使用可能な部材等の新技術・新素材を提供できる、という効果が奏される。
次に、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例によって何ら限定されるものではない。
(1)粘着粘土膜の製造
粘土として、2グラムの天然モンモリロナイト(クニピアP、クニミネ工業株式会社製)を、60cmの蒸留水に加え、プラスチック製密封容器に、テフロン(登録商標)製回転子とともに入れ、激しく振とうし、均一な分散液を得た。この分散液を、長さ約30cm、幅20cmの真鍮製板の上に、厚さ約2ミリメートル塗布し、これを水平に静置し、強制送風式オーブン中で60℃の温度条件下で30分乾燥して、剥離し、厚さ約0.04ミリメートルの粘土層を得た。次に、両面粘着シート(日東電工株式会社製)の片方の粘着面を上記粘土層に接着し、粘着粘土膜を作製した。上記粘着シートの厚みは0.15ミリメートル、接着剤は無溶剤型アクリル系粘土膜であり、ベース層は不織布である。
(2)多層粘土膜の製造
上記(1)で作製した粘着粘土膜の粘着面に、厚さ約0.04ミリメートルの粘土層を貼り付けることによって、多層粘土膜を作製した。本多層粘土膜の全体の厚みは、約0.23ミリメートルであった。
(3)多層粘土膜の特性
本多層粘土膜の室温における、ヘリウムガスに対する透過係数は、1×10−12cm−1cmHg−1未満であった。走査型電子顕微鏡写真(図1)より、両面粘着シートと粘土層は、均一に、かつ強固に接着して、密に製膜されている様子が分かる。膜に対して、垂直方向の直流電気抵抗を交流二端子法で測定した結果,1メガΩ以上であった。
(1)粘着粘土膜の製造
粘土として、2グラムの天然モンモリロナイト(クニピアP、クニミネ工業株式会社製)を、60cmの蒸留水に加え、プラスチック製密封容器に、テフロン(登録商標)製回転子とともに入れ、激しく振とうし、均一な分散液を得た。この分散液を、長さ約30cm、幅20cmの真鍮製板の上に、厚さ約2ミリメートル塗布し、これを水平に静置し、強制送風式オーブン中で60℃の温度条件下で30分乾燥して、剥離し、厚さ約0.04ミリメートルの粘土層を得た。次に、両面粘着シート(日東電工株式会社製)の片方の粘着面を粘土層に接着し、粘着粘土膜を作製した。上記粘着シートの厚みは0.15ミリメートル、接着剤は無溶剤型アクリル系粘土膜であり、ベース層は不織布である。
(2)多層粘土膜の製造
上記(1)で作製した粘着粘土膜の粘着面に、厚さ約0.04ミリメートルのポリエチレンフィルムを貼り付けることによって、多層膜を作製した。本多層膜の全体の厚みは、約0.23ミリメートルであった。
(3)多層膜の特性
本多層膜の室温における、ヘリウムガスに対する透過係数は、3.7×10−12cm−1cmHg−1以下であった。この値は、厚さ約0.04ミリメートルのポリエチレンフィルムのみの値6.6×10−10cm−1cmHg−1に対して、非常に小さく、粘土層によるガスバリア性の付与が確認された。膜に対して、垂直方向の直流電気抵抗を交流二端子法で測定した結果,1メガΩ以上であった。
以上詳述したように、本発明は、粘着粘土膜に係るものであり、自立膜として利用可能な機械的強度を有し、高いガスバリア性を有し、優れたフレキシビリティーを有し、それ自身を重ね合わせて、厚膜化することが容易、均一、かつ確実にでき、他材料表面との接着が容易、均一、かつ確実にできる新しい粘着粘土膜を提供することができる。本発明は、ガスバリア性に優れた膜を提供することを可能とする。また、本発明の粘土薄膜は、自立膜として使用可能であり、耐熱性及びフレキシビリティーに優れ、ガスバリア性に優れることから、例えば、化学産業分野の配管の接続部分に用いられるパッキン材、電子・電機機器などに用いられる絶縁膜、断熱材として使用可能である。
本発明の、粘着粘土膜をもう一枚の粘土膜に接着した多層粘土膜の断面を走査型電子顕微鏡で撮影した写真を示す図である。

Claims (13)

  1. 粘土を主成分とし、柔軟性を有し、自立膜として利用可能であり、ガスバリア性を有する粘土膜において、粘土膜が、粘土のみ、粘土と添加物、粘土と補強材、又は粘土と添加物と補強材から構成され、接着層が、粘土膜の片面又は両面に存在する多層の構造を有する粘着粘土膜であって、
    粘土膜の主要構成成分が、天然粘土又は合成粘土である雲母、バーミキュライト、モンモリロナイト、鉄モンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイト、及びノントロナイトからなる群のうちの一種以上であり、接着層が、接着剤、又は接着剤と補強材を有することがあるベース層により構成され、
    粘土膜の曲げ反発性試験の値(JIS L1096:1999「一般織物試験方法」A法に準拠)が8.0mNを下回り、引裂試験の値(JIS K6252:2001)が33.4N/mm(平均値)で自立膜としての特性を有し、室温における、空気、酸素ガス、窒素ガス、水素ガス、又はヘリウムガスに対する透過係数が、3.7×10−12cm−1cmHg−1又はそれを下回るガスバリア性を有することを特徴とする粘着粘土膜。
  2. 添加物が、エチレングリコール、グリセリン、イプシロンカプロラクタム、デキストリン、澱粉、セルロース系樹脂、ゼラチン、寒天、小麦粉、グルテン、アルキド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリビニル樹脂、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアマイド、ポリエチレンオキサイド、タンパク質、デオキシリボヌクレイン酸、リボヌクレイン酸及びポリアミノ酸、フェノール類、安息香酸類化合物、及びシリコン樹脂からなる群のうちから選択される一種以上である請求項1に記載の粘着粘土膜。
  3. 補強材が鉱物繊維、グラスウール、セラミックス繊維、植物繊維、及び有機高分子繊維の群のうちの一種以上である請求項に記載の粘着粘土膜。
  4. 円、正方形、又は長方形等の任意の平面形状を有し、自立膜として用いることが可能である請求項1に記載の粘着粘土膜。
  5. 粘土膜の厚さが、1mmよりも薄く、粘着粘土膜の面積が、1cmよりも大きい請求項1に記載の粘着粘土膜。
  6. 添加物の、粘土膜全固体に対する重量割合が、少なくとも30パーセントである請求項1に記載の粘着粘土膜。
  7. 補強材の、粘土膜全固体に対する重量割合が、多くても30パーセントである請求項1に記載の粘着粘土膜。
  8. 粘土膜に表面処理を施して、撥水、防水、補強、及び/又は表面平坦化をした請求項1に記載の粘着粘土膜。
  9. 前記表面処理が、フッ素系膜、シリコン系膜、ポリシロキサン膜、フッ素含有オルガノポリシロキサン膜、アクリル樹脂膜、塩化ビニル樹脂膜、ポリウレタン樹脂膜、高撥水メッキ膜、金属蒸着膜、又はカーボン蒸着膜を表面に形成することである請求項に記載の粘着粘土膜。
  10. 膜に対して垂直方向の直流電気抵抗が、1メガΩ以上である請求項1に記載の粘着粘土膜。
  11. 請求項1から10のいずれかに記載の粘着粘土膜からなることを特徴とするガスバリア性、水蒸気バリア性、及び/又は電気絶縁性を有する部材。
  12. 請求項1から10のいずれかに記載の粘着粘土膜を、フィルム、シート、パイプ、又は容器からなる部材に貼り付けることにより、ガスバリア性、水蒸気バリア性、及び電気絶縁性のいずれかを付与したことを特徴とする部材。
  13. 請求項1から10のいずれかに記載の粘着粘土膜を貼り付けることにより、フィルム、シート、パイプ、又は容器からなる部材に、ガスバリア性、水蒸気バリア性、及び電気絶縁性のいずれかを付与する方法。
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