JP5415090B2 - 低温液化ガス用真空断熱配管 - Google Patents

低温液化ガス用真空断熱配管 Download PDF

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Description

本発明は、低温液化ガスの輸送に用いられる真空断熱配管に関し、特に液化ガスの供給配管を接続する移送配管として使用される真空断熱配管に関する。
水素ガスは、燃焼により水だけを生成するので、環境に無害な燃料として注目されている。今後、水素自動車の普及や家庭燃料としての利用が実現するためには、利用技術の開発と共に、水素ステーションなどの経済基盤を支える施設が整備される必要がある。
図7は、水素の供給システムの例を示すブロック図である。
水素、天然ガスなどの低温液化ガスを自動車燃料として活用するためには、適宜な大きさの地域ごとに供給ステーションを設けて利便性を確保する必要がある。各地に分散した液化ガスステーションに液化ガスを供給するために、液化ガスの生産拠点から各地のステーションに直接パイプラインを接続するシステムを構築するには、膨大な費用が掛かるので不合理である。
これに対して、供給ステーションがそれぞれ液化ガスの貯蔵タンクを備えて、液化ガスの生産プラントから適宜、液化ガスコンテナ車やタンクローリーによって液化ガスステーションなどの貯蔵タンクに配給する方法が合理的である。また、家庭などの燃料需要を水素で賄うようにするためにも、適当に細分化した地域ごとに貯蔵タンクを設けて各家庭と水素パイプラインでつなぎ、貯蔵タンクで液体水素ガスを貯蔵し、蒸発器でガス化しながら水素パイプラインを使って各家庭に供給するシステムが考えられる。
貯蔵タンクを使うシステムでは、貯蔵タンクの液化ガスが不足すると、液化ガスコンテナ車やタンクローリーの供給配管を貯蔵タンクの移送配管に接続して、液化ガスを貯蔵タンクに供給する。
従来の液化ガス移送配管は、安全の確保のため、構造に規制があって、液化ガスに触れて耐圧性能が求められる内管の材質は、液体水素ではステンレス鋼のSUS304L,SUS316Lあるいはアルミニウム合金に限られている。
図8は、標準的な移送配管の構造を示す断面概念図である。液体水素流に触れるステンレス鋼製の内管と外気に触れるステンレス鋼製の外管で2重構造を形成し、内管と外管の間に適宜の間隔で断熱材製のサポートを設けて空間を確保し、この空間を真空に保持して外部入熱を液体水素に伝熱しないように真空断熱する。サポートは、内管との接触面積を小さくして、サポートを介して外管から内管に伝熱することを抑制している。
液化ガスコンテナ車から貯蔵タンクに液化ガスを供給するときは、供給配管を移送配管に接続して貯蔵タンクに液化ガスを送り込む。しかし、移送配管は液化ガス温度に対して高温になっているので、液化ガスに冷却されて移送配管の温度が液化ガス温度まで下がるまでは、移送配管中で液化ガスが蒸発してガスとなり液化ガスを有効に移送することができない。
このため、移送配管の貯蔵タンクへの付け根位置に弁を介してバイパスラインを接続しておいて、十分冷却するまでの間に発生する蒸発ガスを液化ガスコンテナあるいは貯蔵タンクの蒸発ガス処理装置を介して大気に放出していた。
移送配管を冷却するために消費される液化ガスは、移送効率(タンクへの充填量/液化ガス移送量)を低下させるので、これを節減させることが要請される。このような液化ガス量は、特に、たとえば2時間程度の短時間で移送するときは、配管の外からの入熱が相対的に小さく、移送配管の熱容量、すなわち配管の比熱と重量と温度差の積に主として依存する。
このような液化ガスの浪費は、常時液化ガスが流れているパイプラインでは問題になることはなく、水素ステーションなどの貯蔵タンクのように間欠的に配管を使用する場合に問題となる事項である。また常時流通する配管と間欠的に使用する配管とでは、配管に求められる性能も異なるので、従来適用されてきた設計条件も再検討をする余地がある。
図9は、液体水素コンテナから液体水素貯蔵タンクまでの移送配管を冷却するときの負荷熱量に関する試算結果を表すグラフである。移送配管の内径を28mm、長さを20m、厚さを3mm、移送する液体水素量を10m、配管の温度が300Kから20Kに変化する、として、外部入熱が0.5W/mと1W/mのときの熱負荷、また配管が密度8900kg/mのステンレス鋼製と密度1900kg/mのガラス繊維強化樹脂製であるときの熱容量を、充填時間(0.5時間から4時間)に対してプロットしている。
試算結果によると、ステンレス鋼管の熱容量が約5900kJであるのに対して、樹脂管の熱容量は約2800kJと、樹脂管の方が圧倒的に小さいことが分かる。また、外部入熱は、充填時間が増えるにつれて大きくなるが、その影響は、管の熱容量と比較すると小さく、特に短時間充填である場合は、配管の熱容量と比較して極めて小さいことが分かる。なお、配管の熱容量は充填時間によっては変化しない。
したがって、移送配管の内管は樹脂製である方が移送配管の冷却時に発生する蒸発ガスの量を抑制することができる。
また、特に液体水素や気体水素は浸透性が高いため、通常の合成樹脂では稠密性が不足し、漏洩する可能性がある。これに対しては、アルミ箔を合成樹脂の表面に張ったり樹脂内部に挟み込んだりすることにより漏洩を防止する方法がある。
なお、現状では樹脂製配管の低温液化ガスへの適用が公式には承認されていない分野もある。
本願出願人は、先に出願した特願2007-179882の明細書において、液体水素の貯蔵タンクに真空層を有する二重殻構造を持たせ、その内外槽の一方または両方をガス透過を防ぐバリア材を有する繊維強化プラスチック材で形成する技術を開示している。繊維強化プラスチック材は、材料の内部にミクロボイドやミクロクラックを含むので、気化ガスの透過を防ぐことができない。このため、バリア材として、アルミニウム箔やステンレス箔を使用して、十分な機械的強度とガスの透過防止性能を備えた材料としたものである。
また、特許文献1に開示された粘着粘土膜をバリア材として使用することにより、水素透過を抑制した繊維強化樹脂を得ることもできる。特許文献1に開示された粘着粘土膜は、板状の結晶構造を持つ粘土鉱物が一方向に配向しかつ緻密に積層して形成されたガスバリア層である。このガスバリア層は繊維強化樹脂の表面や内部に形成することができる。この水素ガスバリア層を有する繊維強化樹脂は、水素タンクあるいは水素貯蔵設備の容器の材料とされる。
なお、本願発明と直接に関連するものではないが、特許文献2には、高温ガスや低温ガスの流体輸送配管として使用する真空断熱式2重配管について、継手構造が開示されている。従来のフランジ式突き合わせ継手ではフランジを熱が伝わるため断熱性能を確保できないが、特許文献2に開示された真空断熱式2重配管は、内管の突き合わせ溶接部の周囲を真空室で囲むように構成して、断熱効果を高めるようにしたものである。
特開2006-188645号公報 実公平7−40791号公報
そこで、本発明が解決しようとする課題は、貯蔵タンクなどに移送配管を介して液体水素などの低温液化ガスを補填するときに、移送配管における蒸発ガスの発生を抑制し、高い移送効率を実現する多重真空断熱配管を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明の液化ガス真空断熱配管は、液化ガスを流す多重の真空断熱配管であって、最外層の管の内側に真空になった空間を備えて外部からの入熱を抑制し、最内層の管が金属管より熱容量が小さい繊維強化樹脂管であって通液初期における液化ガスの蒸発を抑制することを特徴とする。
また、本発明の液化ガス真空断熱配管は、特に、他の管との接続部では最内層がステンレス鋼管で形成され、その他の部分では最内層が繊維強化樹脂管であって、繊維強化樹脂管の部分ではその直ぐ外側に最内層ステンレス鋼管と接合されたステンレス鋼管が設けられて、ステンレス鋼管が液化ガスの漏洩を防止すると共に繊維強化樹脂管に大きな変形をさせないように支持することを特徴とする。

本発明の液化ガス真空断熱配管は、液化ガスに接する最内層管が繊維強化樹脂で形成されているため管の熱容量が小さく、また最外層管の内側に真空空間を備えるため外部入熱を抑制するので、通液初期の配管を液化ガス温度まで冷却するために液化ガスが除熱しなければならない熱量が小さく、液化ガスの蒸発を抑制することができる。
また、繊維強化樹脂管の部分の直ぐ外側に最内層ステンレス鋼管と接合されたステンレス鋼管が設けられたものでは、液化ガスに接触する内管が熱容量の小さい繊維強化樹脂管であるため液化ガスの蒸発を抑制する上に、ステンレス鋼管が液化ガスの漏洩を防止するので、移送配管としての安全性を確保することができると共に、繊維強化樹脂管が流体圧力により変形する場合にも、ステンレス鋼管が支えになって繊維強化樹脂管が大きな変形をしないようにすることができる。
本発明の液化ガス真空断熱配管は、液体水素などの低温液化ガスの貯蔵タンクなどに移送配管を介して低温液化ガスを補填するときに、移送配管が液化ガス温度まで冷却する間に発生する蒸発ガス量を抑制し、液化ガスの高い移送効率を実現することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、同一の構成要素には同一の参照番号を付して、説明を省略する。
図1は本実施形態の液化ガス真空断熱配管の要部を示す断面図である。
本実施形態の液化ガス真空断熱配管は、配管端部のステンレス鋼製の内管3、配管内奥部にある繊維強化樹脂製の内管1、繊維強化樹脂製内管1の外側に配置されるステンレス鋼製の中管5、最外層のステンレス鋼製の外管7を主要要素として構成され、液体水素LH2をコンテナ車やタンクローリーから貯蔵タンクに移送する配管である。
本実施形態では、内管1の繊維強化樹脂は、たとえばエポキシ系樹脂の炭素繊維強化樹脂やガラス繊維強化樹脂を使用することが好ましい。また、水素に直接接するので、水素が漏れないように、内管1を構成する繊維強化樹脂の表面や内部にバリア材を備えることが好ましい。
バリア材としてアルミ箔やステンレス箔を使用して、繊維強化樹脂に透過防止性能を付与することができる。また、特許文献1に開示された、板状の結晶構造を持つ粘土鉱物が一方向に配向しかつ緻密に積層して形成された粘着粘土膜を、繊維強化樹脂の表面や内部に形成することにより、水素の漏洩を遮断することができる。
また、内管3や中管5は液化ガスに接触する可能性があるので、内管3や中管5のステンレス鋼には、たとえば液体水素に適用するときは耐低温脆性を考慮して、SUS314LとSUS316Lを使用することが好ましい。
本実施形態の液化ガス真空断熱配管は、端部を除いて内管1と中管5と外管7で3重になって、外管7と中管5の間にできる空間を第1の真空断熱層23、中管5と内管1の間にできる空間を第2の真空断熱層25とする配管である。たとえば、ごく普通の真空断熱配管として、内管1,3の外径を27.2mm、中管5の外径を42.7mm、外管7の外径を89.1mmとすることができる。
液化ガス真空断熱配管の端部には、コンテナ車やタンクローリーから液体水素(LH2)を供給する供給配管の先端に設けられたバイオネット継手のメス型27に適合するバイオネット継手のオス型17が形成されている。
配管端部の液体水素に接触する内管3はバイオネット継手をコンパクトに形成するためステンレス鋼製になっている。しかし、配管端部の内管3に配管内部で異種継手9により継合され、配管の殆どの部分を占める内管1は、熱容量を小さくするため繊維強化樹脂製とされている。
中管5の端部はフランジ15を介して配管端部の内管3に接合されている。
図2は、異種継手の部分を示す断面図である。
異種継手9は、ステンレス鋼製の継手部品29を介してステンレス鋼製内管3と繊維強化樹脂製内管1の異種配管同士を継合する。継手部品29とステンレス鋼製内管3の間は溶接で接合し、繊維強化樹脂製内管1との間は、ネジ31で継合する。ネジ部には接着材を適用して結合を強固にする。なお、ネジ31はテーパネジであることが好ましい。
また、テーパネジ31のオス・メスは、液化ガスの温度まで下がったときの収縮状態で決める。ステンレス鋼は、室温から水素の沸点の20Kまで冷却されると約0.27%収縮するので、継合する相手が同じ温度変化で約0.4%収縮するエポキシ樹脂系のガラス繊維強化樹脂であるときは、ステンレス鋼製内管3と接合した継手部品29をオスとし、繊維強化樹脂製内管1をメスとすることが好ましい。テーパネジ31のオス・メスをこのように選択することによって、冷却したときにオス側よりメス側が縮もうとするのでテーパネジ31はより強く締まることになる。
図3は、図2とオス・メスの関係が異なる異種継手を示す断面図である。
エポキシ樹脂系の炭素繊維強化樹脂は、室温から20Kまで冷却されると約0.4%膨張するので、ガラス繊維の場合と逆に、継手部品29'をメスとし、繊維強化樹脂製内管1'をオスとして、テーパネジ31'の方向を逆にすることで、冷却時に強く締まるようになる。
図4は、複合材料を用いて熱変形を低減させた内管の断面を表す図面である。
内管1の外側を低温において収縮する特性を有するガラス繊維強化樹脂(GFRP)33とし、内側を低温において膨張する特性を持つ炭素繊維強化樹脂(CFRP)35とした複合構造を持たせて、熱歪みを減少させることができる。室温から20Kまで冷却すると、炭素繊維強化樹脂は0.4%膨張し、ガラス繊維強化樹脂は0.4%収縮するので、複合体は液体水素と接触するようになってもほとんど変形しない。
なお、この複合材料が剪断破壊しないため、炭素繊維強化樹脂の内面とガラス繊維強化樹脂の外面との接合面を樹脂などで補強する必要がある。また、複合材の製造段階で、炭素繊維とガラス繊維を重ねて、エポキシ系樹脂を含浸させて固化するようにしてもよい。
ステンレス鋼は同じ室温から20Kまでの温度変化で、約0.27%収縮するので、異種継手9のテーパネジは、複合材料の方をオスとし、ステンレス鋼の部分をメスとしてねじ込むことにより、低温状態でよく締まるようになる。
再び図1に戻り、サポート11は、断熱性の合成樹脂で形成され、中管5と内管1の間に適宜の間隔で設けられたもので、中管5と内管1の間に第2断熱層25の空間を確保する機能を有する。
第2断熱層25の空間は、真空吸引して真空状態にすることにより外部からの入熱を遮断することができる。なお、活性炭シート10を空間内に挿入しておくことにより、真空吸引に代えてあるいは真空吸引と併用して、活性炭シート10の吸着機能を活用することができる。活性炭シート10は極めて高い吸着能力を有し、空間内の残留分子を吸着して固定するので、第2断熱層25における真空度が向上し、断熱機能が向上する。
図5は、中管5と内管1の関係を説明する概念図である。
内管1の内側で液化ガスもしくは蒸発したガスが過度の圧力を及ぼすときは、図4に点線で示すように、合成樹脂製の内管1が圧力に負けて、サポート11を支点として外側に撓んでも、ステンレス鋼製の中管5にもたれて内管1が内部の流体を漏洩したり管が破損したりする事故に至らないようになっている。
また、本実施形態の液化ガス真空断熱配管は、合成樹脂製の内管1の部分全体にわたって液化ガスの流路をステンレス鋼製の中管5が囲繞するようになっているので、実質的に、内管がステンレス鋼製である液化ガス真空断熱配管と同等の安全性を確保することができる。
中管5には、適宜の位置に熱応力を緩和するためのベローズ13が設けられている。
ステンレス鋼と繊維強化樹脂では、熱膨張率が異なるため、中管5の両端に固定された内管1との間には大きな熱応力が生じることになるため、この熱応力を吸収する必要がある。ベローズ13は、中管5と内管1の間に発生する応力を効果的に吸収することができる。
外管7と中管5あるいは内管3との間に形成される空間は、真空吸引して真空状態にすることにより、外部入熱を遮断する第1断熱層23を形成する。なお、真空吸引と併用して、活性炭シート21を空間内に挿入しておいて、活性炭シート21の極めて高い吸着機能を活用し、第1断熱層23の真空度を高めて、断熱機能を向上させることができる。
本実施形態の液化ガス真空断熱配管は、貯蔵タンクに設備されていて、貯蔵タンク中の液体水素が不足すると、液化ガスコンテナ車の供給パイプ先端のバイオネット継手27と貯蔵タンク側の真空断熱配管先端のバイオネット継手17を継合し、バイパスラインのバルブをあけて、液体水素を供給する。
初めは、真空断熱配管の温度が高いため、液体水素は真空断熱配管中で蒸発して水素ガスとなり、バイパスラインを通って大気に放散される。
やがて真空断熱配管が液体水素により十分冷却されて液体水素の沸点(20K)に近くなると、バイパスラインに繋がるバルブを遮断して、後は液体水素を全量、貯蔵タンクに移送する。
この冷却期間においてガス化した液体水素は、回収不能な成分であり、移送効率を低下させるものである。
本実施形態の液化ガス真空断熱配管においては、冷却すべき内管1が繊維強化樹脂で形成されているため、ステンレス鋼管と比べて、熱容量が小さく冷却に必要な蒸発ガス量が少ない。たとえば、長さを20mのステンレス鋼管で熱容量が約5900kJであるときに、樹脂管の熱容量は約2800kJであって、蒸発する水素ガスもステンレス鋼管の場合と比べて1/2以下になる。
このように、本実施形態の液化ガス真空断熱配管では、内管が樹脂製であって中管がステンレス鋼製であるので、液化ガス供給の初期において配管を冷却するために発生する蒸発ガスの量を抑制することができ、かつ、ステンレス鋼製の内管を備えた液化ガス真空断熱配管と同等の安全性を確保することができる。
図6は、本発明第2の実施形態に係る液化ガス真空断熱配管の要部を示す断面図である。本実施形態の液化ガス真空断熱配管は、貯蔵タンクの液化ガス受け入れ時などに使用する移送配管に使用するものである。このような使用の仕方をする配管では、使用の度に室温から液化ガスの沸点まで冷却する必要があり、液化ガスの浪費を強いられることになる。
本実施形態の液化ガス真空断熱配管は、2重管であって、コンテナ車の供給配管先端に設けられるバイオネット継手のメス部27と適合するバイオネット継手オス部17と一体になった内管37の部分はステンレス鋼製であるが、この内管37と異種継手9で継合される内管1の部分には、熱容量を低減するため、ガスバリア付の繊維強化樹脂製配管を採用する。外管39には、ステンレス鋼管もしくは繊維強化樹脂管を用いる。
内管1と外管39の間にはサポート11を設けて空間を確保し、この空間を真空吸引して真空断熱層41とする。真空断熱層41には活性炭シート19を挿入し、真空度を高めて断熱効果を向上させる。
繊維強化樹脂の極低温における耐圧力は液体水素を扱うために十分であり、ガスバリアを備えることにより水素の漏洩も防止できるので、本実施形態の液化ガス真空断熱配管は、液体水素の補填時にのみ使用する配管に適用することができる。
本発明は、液体水素などの液化ガス供給ステーションにおける貯蔵タンクの液化ガス補填に使用する移送配管などに使用することが可能である。
本発明の第1の実施形態に係る液化ガス真空断熱配管の要部を示す断面図である。 第1実施形態における異種継手の部分を示す断面図である。 第1実施形態の異種継手の別例についての部分を示す断面図である。 第1実施形態の内管の別例を示す断面図である。 本発明の作用を説明する概念図である。 本発明の第2の実施形態に係る液化ガス真空断熱配管の要部を示す断面図である。 液体水素の充填システムを示すブロック図である。 従来型の移送配管の構造を示す概念図である。 移送配管における熱容量と外部入熱に関する試算結果を示すグラフである。
1 内管(FRP製)
3 内管(ステンレス鋼製)
5 中管
7 外管
9 異種継手
11 サポート
13 ベローズ
15 フランジ
17 バイオネット継手(オス)
19,21 活性炭シート
23 第1断熱層
25 第2断熱層
27 バイオネット継手(メス)
29 継手部品
31 接着材
33 ガラス繊維強化樹脂部
35 炭素繊維強化樹脂部
37 内管
39 外管
41 断熱層

Claims (10)

  1. 外層の管の内側に真空空間を備えて外部からの入熱を抑制し、最内層の管は繊維強化樹脂管として通液初期における液化ガスの蒸発を抑制する、間欠的に液化ガスを流す多重真空断熱配管であって、
    の管との接続部では最内層が第1のステンレス鋼管で形成され、該接続部以外の部分は最内層が繊維強化樹脂管であって、該繊維強化樹脂管の直ぐ外側に第2のステンレス鋼管が設けられて、該第2のステンレス鋼管は前記第1のステンレス鋼管と接合されていて、該第2のステンレス鋼管が前記液化ガスの漏洩を防止すると共に該繊維強化樹脂管を支持することを特徴とする、液化ガス真空断熱配管。
  2. 前記繊維強化樹脂管の直ぐ外側に設けられた前記第2のステンレス鋼管は、熱応力を緩和するベローズを備えることを特徴とする、請求項記載の液化ガス真空断熱配管。
  3. 前記第1のステンレス鋼管と前記最内層の繊維強化樹脂管は、接着材を介したテーパネジ接合により接合されることを特徴とする、請求項1または2記載の液化ガス真空断熱配管。
  4. 前記テーパネジ接合は、常温から液化ガスの流通する温度に低下したときに前記繊維強化樹脂管の収縮量が前記第1のステンレス鋼管の収縮量より大きい場合は該第1のステンレス鋼管側を雄ネジに繊維強化樹脂管を雌ネジにし、前記繊維強化樹脂管の収縮量が前記第1のステンレス鋼管の収縮量より小さい場合は該第1のステンレス鋼管側を雌ネジに繊維強化樹脂管を雄ネジにすることを特徴とする、請求項記載の液化ガス真空断熱配管。
  5. 前記繊維強化樹脂管がガラス繊維強化樹脂で形成され、該繊維強化樹脂管と前記第1のステンレス鋼管の接合部におけるテーパネジは該繊維強化樹脂管が雌ネジで該第1のステンレス鋼管が雄ネジであることを特徴とする、請求項記載の液化ガス真空断熱配管。
  6. 前記繊維強化樹脂管が炭素繊維強化樹脂で形成され、該繊維強化樹脂管と前記第1のステンレス鋼管の接合部におけるテーパネジは該繊維強化樹脂管が雄ネジで該第1のステンレス鋼管が雌ネジであることを特徴とする、請求項記載の液化ガス真空断熱配管。
  7. 前記繊維強化樹脂管の外周にアルミニウム箔を貼付したことを特徴とする、請求項1からのいずれか1項記載の液化ガス真空断熱配管。
  8. 前記繊維強化樹脂管の内部にもしくは表面に、板状の結晶構造を持つ粘土鉱物が一方向に配向しかつ緻密に積層したガスバリア材が設けられたことを特徴とする、請求項1からのいずれか1項記載の液化ガス真空断熱配管。
  9. 前記最内層の管の外側空間に活性炭シートが配設されて、該空間の真空を確保することを特徴とする、請求項1からのいずれか1項記載の液化ガス真空断熱配管。
  10. 前記最内層の繊維強化樹脂管が、炭素繊維強化樹脂を内側にガラス繊維強化樹脂を外側に配置して一体化した管であることを特徴とする、請求項1からのいずれか1項記載の液化ガス真空断熱配管。
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