JP3321440B2 - 酸化チタン/粘土複合体の製造方法 - Google Patents

酸化チタン/粘土複合体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、酸化チタン/粘
土複合体の製造方法に関し、更に詳細には、酸化チタン
の前駆体(PTA:ペルオキソチタン)溶液と粘土粒子
とを混合、または混合した後、水熱処理をして酸化チタ
ン/粘土複合体を製造する酸化チタン/粘土複合体の製
造方法に関するものである。この発明によって得られる
酸化チタン/粘土複合体は、その酸化チタンの有する高
い光触媒能と、特にその複合膜が有する多孔質構造を利
用して、触媒材料、吸着材、分離材などとして、水浄
化、空気浄化、消臭、抗菌などの幅広い分野に利用する
ことが期待される。
【0002】
【従来の技術】光触媒作用を有する酸化チタンは、通常
粉末状で水などの液体中に分散して入れて使用されてい
る。しかし、粉末状の酸化チタンを液体中に分散して使
用することは、使用後回収に際して手間が掛かるという
欠点がある。したがって、かかる欠点を解消するため
に、粉末状の酸化チタンを基材に固定化して使用するこ
とがなされている。この固定化方法として種々の方法が
提案されている。その固定化方法の1つとして、酸化チ
タン粉末を樹脂やゴムなどのバインダ−に添加して混練
して基材上に密着させて担持させ、次いで数100℃と
いう高温で焼結させて成膜する方法がある。しかしなが
ら、この方法では酸化チタンを基材上に密着させて担持
させるのが困難である。また、この方法において、密着
性を高めるためにバインダ−の量を多くすると肝心の光
触媒能が減少するという欠点がある。別の固定化方法と
して、酸化チタンの金属アルコキシド溶液を用いてゲル
コ−テイング膜を基材上に形成し、数100℃という高
温に加熱処理をして酸化チタン膜を形成する方法も知ら
れている。しかし、この方法においても成膜する際に高
温で加熱することから、使用する基材の材質が耐熱性の
ものに制限されるという欠点がある。
【0003】かかる基材上に酸化チタン膜を成膜する方
法とは異なる固定化方法として、酸素含有ガスを含む不
活性ガスの存在下において金属タ−ゲットを基材上に打
ち込んで埋め込んで酸化チタン膜を形成させるスパッタ
リング方法が提案されている。この方法は、担持させる
基材の材質を選択する必要がなく、低温で成膜すること
ができると共に、粉末酸化チタンのように回収する手間
を要しないなどの取り扱い性に優れ、かつ、光触媒とし
て高い触媒効率を有しているとして提案されている。し
かしながら、このスパッタリング方法によって成膜され
る酸化チタン膜でも、光触媒活性としては未だ満足でき
るものではなく、更に高い光触媒活性を有する酸化チタ
ン膜を形成することができる方法が要望されている。そ
こで、上記スパッタリング方法を改良する方法として、
不活性ガスと酸素ガスとの容積比を特定の割合に設定し
て、対向タ−ゲット式スパッタリング法による酸化チタ
ンの固定化方法が提案されている。この方法によって成
膜される酸化チタン膜は、優れた触媒効率を有するばか
りでなく、高い光触媒活性を有しているとされている。
しかしながら、これらの方法は、スパッタリング法とい
う複雑で手間の掛かる手段を利用していることから、当
然のことながら得られる酸化チタン膜の製造コストは高
くならざるを得ないという欠点がある。したがって、触
媒効率に優れかつ光触媒活性が高い酸化チタン膜を効率
よくかつ低い製造コストで得ることのできる方法が要請
されている。
【0004】更には、チタニア微粒子と粘土との複合体
のチタニア微粒子を結晶化させて、多孔質の結晶質チタ
ニア微粒子/粘土複合体を得る方法が提案されている。
かかるチタニア微粒子/粘土複合体は、層状の結晶構造
を有する粘土の層間にチタニア微粒子が複合した構造を
有している。たとえば、特開昭62−187107号公
報に記載されている従来方法によって得られるチタニア
微粒子/粘土複合体においては、チタニア微粒子が非晶
質かまたは非常に結晶性の低いアナタ−ゼ型の結晶系で
ある。ところが、触媒活性が高い酸化チタン膜を得るた
めには、アナタ−ゼ型の結晶系が多くなければならな
い。したがって、従来方法においては、チタニア微粒子
/粘土複合体のチタニア微粒子の結晶性を高めるため
に、加熱温度を500℃以上に上げても、結晶性の低い
アナタ−ゼ型のチタニア微粒子しか得られないという欠
点がある。更に、加熱温度を500℃以上に上げると、
チタニア微粒子/粘土複合体の粘土層が破壊され、多孔
質構造が損なわれる結果になる。つまり、上記公報など
に記載された従来方法では、チタニア微粒子が非晶質か
または非常に結晶性が低いチタニア微粒子/粘土複合体
しか得られず、その結果、従来方法で得られるチタニア
微粒子/粘土複合体は光触媒活性が低いと同時に、多孔
質構造の破壊によって多孔質構造に由来する特長も失わ
れるという欠点がある。
【0005】かかる従来方法の欠点を改善すべく、チタ
ニア微粒子/粘土複合体を水熱処理して、多孔性構造を
保持しかつチタニア微粒子がアナタ−ゼに結晶化した結
晶性チタニア微粒子/粘土複合体を製造する方法が提案
されている(特開平10−245226号)。同公報に
は、この方法によって得られるチタニア微粒子/粘土複
合体は光触媒活性が高くという特長を有すると記載され
ている。この方法においては、水熱処理は、160℃以
上でかつ250℃以下の温度範囲で行わなければならな
い。160℃以下の温度で水熱処理を行った場合には、
処理時間が数日以上と長くなりすぎて実用的ではなく、
また、250℃以上で水熱処理を行った場合には、チタ
ニア微粒子/粘土複合体の粘土層が破壊されてしまい望
ましくないとされている。他方、同公報に記載されてい
るように、水熱処理を160℃以上でかつ250℃以下
の温度範囲で行って得られたチタニア微粒子/粘土複合
体は、その複合体としての多孔質構造を保持しつつ、チ
タニア微粒子をアナタ−ゼ型に結晶化させることがで
き、得られるチタニア微粒子/粘土複合体は光触媒活性
が高いかもしくは酸性溶液中での耐久性が高いという大
きな特長があるために、触媒材料、吸着剤、分離材など
として幅広い分野での用途に適しているとされている。
しかしながら、同公報に記載されている方法で得られる
チタニア微粒子/粘土複合体にしても、その光触媒活性
は未だ満足できるものではなく、更に高い光触媒活性を
有する酸化チタン膜の開発が待望されているのが現状で
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、より高
い光触媒活性を有する酸化チタン/粘土複合体について
鋭意研究した結果、酸化チタン/粘土複合体の光触媒活
性が粘土の割合にも大きく依存することを見出すと共
に、ある特定の割合の粘土を使用する場合には、160
℃よりも低い処理温度で水熱処理をすることにより高い
光触媒活性を有する酸化チタン/粘土複合体が得られる
ことを見出して、この発明を完成するに至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、実用におい
て満足することができる程度の高い光触媒活性を有する
酸化チタン/粘土複合体を効率よく、簡便に、かつ、安
価に製造することができる酸化チタン/粘土複合体の製
造方法を提供することを目的としている。上記目体を達
成するために、この発明は、酸化チタンの前駆体である
ペルオキソチタンの溶液に所定割合の粘土を添加して、
得られた分散液及びそれを160℃より低い処理温度で
水熱処理することにより酸化チタン/粘土複合体を得る
ことからなる酸化チタン/粘土複合体の製造方法を提供
する。
【0008】
【発明の実施の形態】この発明において原料として使用
される酸化チタンとしては、特開平9−71418号ま
たは特開平10−67516号公報に従った四塩化チタ
ンにアンモニア水を滴下し水酸化チタンを沈殿させた後
過酸化水素水を添加して得られるペルオキソチタン溶液
で、この発明の目的に適うものであればいずれでもよ
い。また、その形状や大きさにしても特に限定されるも
のではなく、通常使用される範囲であればいずれも使用
することができる。
【0009】この発明において使用される別の原料であ
る粘土にしても、特に限定されるものではなく、この発
明の目的に適うものであればいずれでもよいが、モンモ
リロナイト(スメクタイト)粘土であるのが好ましい。
また、酸化チタン/粘土複合体における粘土の配合割合
は、酸化チタンに対して約10ないし50重量%、好ま
しくは約20ないし45重量%、より好ましくは約30
ないし40重量%である。粘土の配合割合が少なすぎる
と、粘土を添加することによる効果がほとんど期待でき
なくなる。他方、粘土の配合割合が多すぎても、酸化チ
タン/粘土複合体に占めるチタニア微粒子の割合が少な
くなりすぎて、チタニア微粒子による効果がほとんど期
待できないことになる他、酸化チタン/粘土複合膜の成
膜性が悪くなる。
【0010】上記粘土を酸化チタンと複合させる方法に
しても、特に限定されるものではなく、この発明に適う
酸化チタン/粘土複合体を提供できるものであればいず
れでもよく、特開平9−71418号または特開平10
−67516号公報に記載されているように、四塩化チ
タンにアンモニア水を滴下し水酸化チタンを沈殿させた
後、過酸化水素水を添加して得られるペルオキソチタン
溶液を粘土と複合させる方法などが挙げられる。
【0011】次いで、上記のようにして得られた酸化チ
タン/粘土複合体は、例えば、水に分散させて水熱処理
に付される。例えば、酸化チタン/粘土複合体を水中に
分散させて、得られる懸濁液をオ−トクレ−ブなどの密
封容器に入れて所定温度に加熱して水熱処理を行うこと
ができる。また、この水熱処理を行う雰囲気としては、
例えば、大気雰囲気中でも、不活性気体中でもよく、特
に限定されるものではない。更に、この発明における酸
化チタン/粘土複合膜の水熱処理は、160℃以下の温
度で行うのがよく、その温度は100℃ないし150
℃、好ましくは105℃ないし140℃の範囲であるの
がよい。他方、水熱処理をしないで酸化チタン/粘土複
合体を得る場合には、酸化チタンと粘土とを単に混合し
て、常法に従って製造することができる。
【0012】次いで、上記のように製造された酸化チタ
ン/粘土複合体は、脱水、遠心分離などの常套手段で回
収した後、通常の方法で乾燥してもよい。更に、得られ
た酸化チタン/粘土複合体は粉末にして使用することも
できる。
【0013】
【実施例】この発明を実施例に図面を参照してより更に
詳細に説明する。 (実施例) スライドガラス(26mmx38mm)を超音波洗浄器
でアセトン、蒸留水、エタノ−ルの順に5分間ずつ洗浄
した後、ドライヤ−で乾燥した。他方、特開平9−71
418号または特開平10−67516号公報に従った
四塩化チタンにアンモニア水を滴下し水酸化チタンを沈
殿させた後過酸化水素水を添加して得られるペルオキソ
チタン溶液(1.75重量%)及び、それを加熱処理し
て得られるアナターゼ分散液(2.3重量%)にスメク
タイトを、酸化チタンに対して所定量添加して、30分
ないし24時間超音波分散させた後、オ−トクレ−ブで
105℃ないし160℃で5ないし6時間、水熱処理し
た。次に、スピンコ−テイング法(500ないし100
0rpm)によって、上記スライドガラス上に上記で調
製して酸化チタン/粘土複合体溶液を数滴滴下し、ドラ
イヤ−で乾燥しながら一回の塗付で0.5μmの膜を作
製した。この操作を3回繰り返して、酸化チタン/粘土
複合膜を得た。
【0014】この発明に係る酸化チタン/粘土複合体の
性能を調べるために下記の試験を行った。 (分解試験) 実施例で得られた酸化チタン/粘土複合体の分解速度を
測定する実験を行った。本分解試験においては、スメク
タイトの添加量を10〜40重量%と大きく変化させ
て、160℃で水熱処理して作製した複合膜について分
解速度を測定した。つまり、メチレンブル−(MB)水
溶液(約4ppm)を400mL入れた丸フラスコに、
実施例で得られた酸化チタン/粘土複合膜を浸漬し、こ
れにブラックライト(200〜380nm)を照射距離
10cm(0.190mW/cm2)で照射した。次に、
未分解のMB濃度を分光光度計(665nm)により測
定して分解速度を調べた。その結果を図1に示す。な
お、図1において、スメクタイトを10重量%を含む酸
化チタン/粘土複合体を含む酸化チタン/粘土複合膜、
酸化チタンだけの膜では、MBの分解速度は0.083
ppm/hであり、スメクタイトを10重量%を含む酸
化チタン/粘土複合体もほぼ同様の分解速度を示すこと
が判明した。これに対して、スメクタイトを25〜40
重量%を含む酸化チタン/粘土複合体では初期ではMB
の濃度低下が著しく、その後も酸化チタンのみの膜より
も大きな分解速度を示した。
【0015】(水熱処理温度による分解実験) 上記実施例において、スメクタイトを30重量%の割合
で添加した酸化チタンを105℃、130℃ならびに1
60℃で水熱処理して酸化チタン/粘土複合体を得た。
得られた酸化チタン/粘土複合膜を用いて、MBの分解
挙動の変化を調べた結果を図2に示す。図2において、
オ−トクレ−ブを用いて130℃と160℃で処理した
酸化チタン/粘土複合膜では、MB濃度は始めの1時間
で大きく低下した後、ほぼ一定割合で減少した。一方、
オ−トクレ−ブを用いて105℃で処理した酸化チタン
/粘土複合膜においては、初期においてMB濃度の低下
はあまり顕著ではないが、MBの分解速度は、130℃
と160℃で水熱処理した酸化チタン/粘土複合膜に比
べて約1.5〜2倍ほど大きくなった。また、105℃
で水熱処理した酸化チタン/粘土複合膜の方は、160
℃で水熱処理した酸化チタン/粘土複合膜よりもMBを
多く吸着していたのが判明した。
【0016】(吸着効果) 上記実施例において、スメクタイトを30重量%の割合
で添加した酸化チタンをオ−トクレ−ブを用いて105
℃および160℃で水熱処理して酸化チタン/粘土複合
膜を得た。得られた酸化チタン/粘土複合膜について、
複合膜に対するMBの吸着効果を検討するために、ブラ
ックライト(紫外線)を無照射または照射してMBの濃
度変化を測定した。その結果を図3ならびに図4に示
す。図3において、オ−トクレ−ブを用いて160℃で
水熱処理して得た酸化チタン/粘土複合膜に対してブラ
ックライトを照射しない場合でも、30分後には約0.
3ppmだけMB濃度が低下していた。この条件では光
触媒反応は起こってないので、このMB濃度の低下はス
メクタイトが複合膜を多孔化し、多くのMB吸着サイト
を与えているためと考えられる。図3において、両曲線
の差が光触媒特性となるが、スメクタイトを添加してい
ない複合膜に比べて、分解速度は約3倍に増大した。一
方、図4に示すように、オ−トクレ−ブを用いて105
℃で水熱処理して酸化チタン/粘土複合膜は、ブラック
ライトを照射しない場合でも、かなり大きな分解速度を
示したが、これはPTA溶液を用いた特異的現象と考え
られる。ただし、105℃で水熱処理して得られた酸化
チタン/粘土複合膜の正味の光触媒活性は低かった。
【0017】(MBの経時的濃度変化) ペルオキソチタン(PTA)水溶液にスメクタイトを3
0重量%添加し、オ−トクレ−ブで105℃で5時間水
熱処理して得られた酸化チタン/粘土複合膜について、
MBの濃度減少の経時的変化を調べた。その結果を図5
に示す。図5において、6時間後においてもMBの濃度
は低下し続けていた。20時間後は、MBの濃度変化は
ほぼ横ばい状態となるが、この時点でMBの青色はかな
り透明に近づいていた。このことから、この膜はMBの
吸着量が非常に大きいことが判明した。
【0018】(膜の付着力) PTA溶液にスメクタイトを30重量%添加し、オ−ト
クレ−ブで105℃および160℃で水熱処理して得ら
れた酸化チタン/粘土複合膜について、膜の基板への密
着性を調べるために鉛筆引っかき試験を行った。使用し
た鉛筆は5Bと2H(STAEDTLER)で、シャ−
プペンシルの芯(STAEDTLER)5Hを使用し
た。また、比較のために、鉄の棒を使用した。鉛筆引っ
かき試験は、酸化チタン膜を塗布した基板を鉛筆、シャ
−プペンシルの芯、鉄の棒により、一定の力と同じ速度
で引っかき、膜表面を金属顕微鏡で観察した。その結
果、105℃で処理して得られた膜は、基板への密着性
が強く、5Bで引っかいた跡は全く見えなかった。他
方、160℃で処理して得られた膜は、105℃で処理
して得られた膜に比べて、基板への密着性は弱く、2H
で引っかいた後は、一部膜が剥離していた。5Hのビッ
カ−ス硬度は15.3Hvであった。
【0019】(実施例2) PTA加熱処理およびPAゾルにスメクタイトを30重
量%の割合で添加して、上記実施例と同じ方法で混合し
て酸化チタン/粘土複合膜を作製した。この場合のMB
水溶液の濃度変化を示す。その結果を図7に示す。
【0020】
【発明の効果】この発明に係る酸化チタン/粘土複合膜
の製造方法は、酸化チタンに粘土を酸化チタンに対して
約10ないし50重量%を添加して、得られる混合物を
水熱処理するかまたは水熱処理をしないで酸化チタン/
粘土複合膜を製造することを特徴としていて、酸化チタ
ン/粘土複合体を高い効率で、簡単に、かつ、低い製造
コストで製造することができると共に、得られる酸化チ
タン/粘土複合体は、優れた触媒効率と、高い光触媒活
性を有している。このようにして得られた酸化チタン/
粘土複合体は、その酸化チタンの有する高い光触媒能
と、特にその複合膜が有する多孔質構造を利用して、触
媒材料、吸着材、分離材などとして、水浄化、空気浄
化、消臭、抗菌などの幅広い分野に利用することができ
る。この発明の別の態様における酸化チタン/粘土複合
体の製造方法は、水熱処理をする場合には、水熱処理を
160℃以下で行うことを特徴としていて、比較的低い
温度で酸化チタン/粘土複合体を高い効率で、簡単に、
かつ、低い製造コストで製造することができるという大
きな利点を有している。更に、得られる酸化チタン/粘
土複合膜は、上記のような優れた光触媒性能を持ってい
る。
【0021】この発明の好ましい態様においては、粘土
を酸化チタンに対して約20ないし45重量%、より好
ましくは約30ないし40重量%を添加することを特徴
としていて、この酸化チタン/粘土複合体の製造方法に
よって、特に優れた光触媒性能を有する酸化チタン/粘
土複合膜を得ることができる。また、この発明の別の好
ましい態様においては、水熱処理を100℃ないし15
0℃、より好ましくは105℃ないし140℃で行うこ
とを特徴としていて、この酸化チタン/粘土複合体の製
造方法によって、上記のような優れた光触媒性能を有す
る酸化チタン/粘土複合膜を、より高い効率で、簡単
に、かつ、低い製造コストで製造することができるとい
う大きな利点がある。当然のことながら、この製造方法
によって、特に優れた光触媒性能を有する酸化チタン/
粘土複合体を得ることができる。
【0022】更に、この発明の別の好ましい態様におい
ては、酸化チタン/粘土複合膜の製造方法において、該
酸化チタン/粘土複合体が特開平9−71418号また
は特開平10−67516号公報に従った四塩化チタン
にアンモニア水を滴下し水酸化チタンを沈殿させた後、
過酸化水素水を添加して得られるペルオキソチタン溶液
及び、それを加熱処理して得られるアナターゼ分散液及
びチタン化合物を水または酸に溶解して得られるゾル、
例えば、ハロゲン化チタン化合物、オキシチタン化合
物、チタニウムアルコキシド化合物などを、モンモリロ
ナイト、マグネシアンモンモリロナイト、バイデライ
ト、ヘクトライトなどのスメクタイトまたはバ−ミキュ
ライトなどの粘土と複合させることを特徴としているこ
とから、該製造方法は目的とする酸化チタン/粘土複合
体をより高い効率で、簡単に、かつ、低い製造コストで
製造することができるという大きな利点がある。当然の
ことながら、この製造方法によって、特に優れた光触媒
性能を有する酸化チタン/粘土複合膜を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】スメクタイト添加量に対するMBの濃度変化を
示すグラフ(オ−トクレ−ブ160℃、5時間)。
【図2】水熱処理温度の違いによるMBの濃度変化を示
すグラフ。
【図3】紫外線照射・無照射によるMBの濃度変化を示
すグラフ(スメクタイト30重量%添加、オ−トクレ−
ブ160℃、5時間)。
【図4】紫外線照射・無照射によるMBの濃度変化を示
すグラフ(スメクタイト30重量%添加、オ−トクレ−
ブ105℃、5時間)。
【図5】MBの濃度減少の経時的変化を示すグラフ。
【図6】酸化チタンの添加量変化によるMB分解速度の
変化を示すグラフ。
【図7】MBの濃度減少の経時的変化を示すグラフ。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−91825(JP,A) 特開 平8−141391(JP,A) 特開 平10−245226(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01G 23/04 C01B 33/40 B01J 35/02

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粘土を酸化チタンの前駆体ペルオキソチ
    ン溶液に対して10ないし50重量%の割合で添加し
    て、得られる混合物を水熱処理することによって酸化チ
    タン/粘土複合体を製造することを特徴とする酸化チタ
    ン/粘土複合体の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載する酸化チタン/粘土複
    合体の製造方法において、四塩化チタンにアンモニア水
    を滴下し水酸化チタンを沈殿させた後、過酸化水素水を
    添加して得られるペルオキソチタン溶液を粘土と複合さ
    せてペルオキソチタン溶液/粘土混合体を得、得られた
    ペルオキソチタン溶液/粘土混合体を水熱処理すること
    を特徴とする酸化チタン/粘土複合体の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載する酸化チタン
    /粘土複合体の製造方法において、前記水熱処理を16
    0℃以下で行うことを特徴とする酸化チタン/粘土複合
    体の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項に記載
    する酸化チタン/粘土複合体の製造方法において、前記
    水熱処理を100℃ないし150℃で行うことを特徴と
    する酸化チタン/粘土複合体の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか1項に記載
    する酸化チタン/粘土複合体の製造方法において、前記
    水熱処理を105℃ないし140℃で行うことを特徴と
    する酸化チタン/粘土複合体の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれか1項に記載
    する酸化チタン/粘土複合体の製造方法において、前記
    粘土が、モンモリロナイト(スメクタイト)であること
    を特徴とする酸化チタン/粘土複合体の製造方法。
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