図1は、本発明の一実施例におけるクーポン配信システムの構成の概要を表わしたものである。このクーポン配信システム100は、インターネットや通信回線あるいは携帯網といった通信ネットワーク101を使用するようになっている。通信ネットワーク101は、クーポンを配信するクーポン配信サーバ102と、クーポンの利用対象となる店舗に備えられた店舗端末103と、クーポンを利用するユーザの第1〜第mの携帯端末1041、1042、……104mと接続されるようになっている。
ここで、クーポン配信サーバ102は、CPU(Central Processing Unit)111と、このCPU111にクーポン配信のための各種制御を実行させるクーポン配信ソフトウェアを記憶するクーポン配信ソフトウェア記憶媒体112と、各種のデータを格納するストレージ装置113を備えている。ストレージ装置113には、クーポンの元データ群115が格納されている。
店舗端末103は、図では1台しか示していないが、通信ネットワーク101に接続可能なパーソナルコンピュータやPOS(Point Of Sales)端末の複数台によって構成されている。このような店舗端末103は、CPU121と、このCPU121に店舗における各種のクーポン処理を実行させる店舗クーポン処理ソフトウェアを記憶する店舗クーポン処理ソフトウェア記憶媒体122を備えている。また、店舗端末103は、図示しない入出力回路を介して近距離通信用リーダ・ライタ124と接続されている。
第1〜第mの携帯端末1041、1042、……104mは、それぞれパケット通信等の通信機能を備えており、これらを用いて通信ネットワーク101に接続されるようになっている。第1〜第mの携帯端末1041、1042、……104mは、機種によって構成内容に多少の相違がある。しかしながら、本実施例のクーポン配信システム100の一員となるために共通したハードウェアやソフトウェアを備えている。これを第1の携帯端末1041を例にとって説明する。
第1の携帯端末1041は、CPU131と、このCPU131に携帯電話機としての制御やユーザ側のクーポン管理を実行させるためのソフトウェアを記憶するユーザクーポン管理ソフトウェア記憶媒体132と、各種のデータを格納するストレージ装置133および通信制御部134を備えている。ここでストレージ装置133は、クーポン群135を格納している。また、通信制御部134は無線で通信ネットワーク101に接続する通常の携帯電話機としてのネットワーク通信機能と、店舗端末103の近距離通信用リーダ・ライタ124と通信する近距離通信機能を備えている。
このようなクーポン配信システム100を構築する準備を次に説明する。クーポン配信サーバ102は、そのストレージ装置113に、ユーザが利用可能なクーポンの元データ群115を登録しておく。このために、たとえば店舗端末103を所持する各店舗は、それぞれどのようなクーポンを配信の対象とするかをクーポン配信サーバ102を所持するクーポン会社のスタッフと打ち合わせることになる。
クーポンの元データ群115は、既知のクーポン配信システムと同様に、クーポン処理に必要な情報と、クーポン自体の画面表示で使用するメディアデータから構成されている。ここでメディアデータとは、クーポンの画面に表示する画像のイメージや音声あるいは動画のファイルから構成されている。
クーポン配信サーバ102自体は、通常のサーバと本質的に同じものであるが、ストレージ装置113にクーポンの元データ群115が格納されていると共に、クーポン配信ソフトウェア記憶媒体112が用意されている。クーポン配信ソフトウェア記憶媒体112に格納されるクーポン配信ソフトウェアは、ストレージ装置113内のクーポンの元データ群115と共に、通信ネットワーク101からダウンロードすることができる。もちろん、クーポン配信サーバ102に備えられた図示しない入力インタフェース回路を介してこれらのデータを通信ネットワーク101を介することなく入力することもできる。
店舗端末103には、同様にこれらのクーポン配信ソフトウェア記憶媒体112にクーポン配信ソフトウェアを格納しておく。これは、通信ネットワーク101からダウンロードしてもよいし、図示しないUSB(Universal Serial Bus)端子等の端子を用いて、図示しないDVD(Digital Versatile Disc)等の外部記憶媒体に格納されたソフトウェアをインストールするようにしてもよい。また、店舗端末103には、ユーザの第1〜第mの携帯端末1041、1042、……104mと通信を行うための近距離通信用リーダ・ライタ124が接続される。近距離通信用リーダ・ライタ124は、クーポン配信ソフトウェア記憶媒体112に格納された店舗クーポン処理ソフトウェアを用いて利用可能なように事前に設定しておく。
クーポンを利用しようとするユーザの第1〜第mの携帯端末1041、1042、……104mに対しては、これらのユーザクーポン管理ソフトウェア記憶媒体132にユーザクーポン管理ソフトウェアを事前にインストールしておく。インストールはインターネット等の通信ネットワーク101経由でクーポン配信サーバ102からダウンロードする。もちろん、第1〜第mの携帯端末1041、1042、……104mに備わった図示しないUSB端子等の端子を用いて、図示しないDVD等の外部記憶媒体に格納されたソフトウェアをインストールするようにしてもよい。また、赤外線通信等の近距離無線通信によってもソフトウェアのインストールが可能である。
このようにしてクーポン配信システム100が構築されたら、この運用が行われる。クーポン配信システム100では、第1〜第mの携帯端末1041、1042、……104mの各ユーザが、クーポン配信サーバ102に対して、必要なクーポンを要求して取得する。
<クーポンのダウンロード処理>
図2は、クーポンのダウンロード時の携帯端末とクーポン通信サーバの関係を表わしたものである。この図2を用いてクーポンのダウンロード時におけるクーポン配信システム100の動作を説明する。ここでは、第1の携帯端末1041を代表例として表わしている。
図3は、クーポンのダウンロード時の第1の携帯端末の処理の流れを表わしたものである。図2と共に説明する。ユーザは、第1の携帯端末1041の操作パネル141を操作してユーザクーポン管理ソフトウェア記憶媒体132に格納されたユーザクーポン管理ソフトウェアを起動させ、クーポン利用モードに設定する。すると、ディスプレイ142にクーポン利用画面が表示される(ステップS201)。このクーポン利用画面はユーザがクーポンを利用するためのメニュー画面であり、ユーザは操作パネル141を操作して各種の選択を行うことができる。
ユーザが「クーポン一覧要求」という項目を選択すると(ステップS202:Y)、第1の携帯端末1041は図示しない通信機能を使用して通信ネットワーク101を経由し、予めアドレスを登録しているクーポン配信サーバ102にアクセスする(ステップS203)。なお、ユーザが「クーポン一覧要求」以外の項目を要求した場合には(ステップS204:Y)、その要求が実行される(ステップS205)。これについての詳細な説明は省略する。
クーポン配信サーバ102にアクセスした場合、第1の携帯端末1041はこれに対してクーポン一覧を要求する(ステップS206)。そして、クーポン配信サーバ102からクーポン一覧が受信されるのを待機する(ステップS207)。
図4は、クーポン配信サーバによるクーポンダウンロード処理の様子を表わしたものである。図2と共に説明する。クーポン配信サーバ102は、第1の携帯端末1041からクーポン一覧要求(ステップS221)と、クーポンダウンロード要求(ステップS222)のいずれかが送られてくるのを待機している。
クーポン一覧要求があると(ステップS221:Y)、ストレージ装置113内に格納されたユーザが利用可能なクーポンの元データ群115を基にしてクーポン一覧を生成する(ステップS223)。このとき、生成するクーポン一覧はすべてのユーザに同一のものである必要はない。たとえば性別や年齢に合わせてクーポン一覧の内容を変化させてもよい。この場合には、第1の携帯端末1041のユーザがクーポン配信システム100の構成会員になるときのユーザ登録の内容を参照すればよい。
クーポン配信サーバ102は、クーポン一覧を生成したら、これを要求のあった第1の携帯端末1041に返信する(ステップS224)。第1の携帯端末1041がクーポン配信サーバ102にアクセスしてその接続中にこの返信が行われてもよい。
図3に戻って説明を続ける。クーポン配信サーバ102からクーポン一覧が送られてきたら(ステップS207:Y)、第1の携帯端末1041はこれをディスプレイ142に表示する(ステップS208)。クーポンの選択が終了したら(ステップS209:Y)、第1の携帯端末1041はクーポン配信サーバ102にクーポンのダウンロード要求を行う(ステップS210)。そして、該当するクーポンがダウンロードされるのを待機する(ステップS211)。
再び図4を用いて説明を行う。特定のクーポンについてのダウンロード要求があったら(ステップS222:Y)、クーポン配信サーバ102はストレージ装置113から要求されたクーポンの元データ151を読み出す(ステップS225)。そして、該当するクーポンの元データ151からクーポンを生成し、その図示しない属性記入欄にクーポンの「配布不可」を設定すると共に、「配布回数「0」」を設定する(ステップS226)。これらについては後に説明する。そして、このクーポンを要求のあった第1の携帯端末1041に返信する(ステップS224)。
再び図3に戻って説明を続ける。第1の携帯端末1041はクーポン155を受信する(ステップS211:Y)。そして、この「配布不可」の属性のクーポン155をストレージ装置133に格納すると共にディスプレイ142にその内容を表示する(ステップS212)。格納されたクーポン155を構成するメディアデータが画像のイメージに限らず音声あるいは動画のファイルも備えている場合には、ユーザの操作によって第1の携帯端末1041はこれらの再生も行うことになる。
なお、この一連のダウンロード処理において、ユーザはステップ207でクーポン一覧を受信したら、この時点でクーポン配信サーバ102へのアクセスを終了させてもよい。ただし、パケットの受信量で課金が行われている場合や、通信ネットワーク101へのアクセスの通信料が定額である場合には、クーポン配信サーバ102に接続したまま一連の処理を行っても通信費を特に気にする必要はない。
<商品購入時のクーポンの店舗での処理>
図5は、ユーザが商品の購入時にクーポンを店舗で利用する場合の携帯端末と店舗端末の関係を表わしたものである。この図5を用いて店舗における第1の携帯端末1041と店舗端末103の動作を説明する。
図6は、店舗での携帯端末によるクーポン提示処理の流れを表わしたものである。図5を用いて説明する。ユーザは、第1の携帯端末1041にダウンロードされたクーポンを見て、ショッピングのために所定の店舗に向かう。店舗で商品を購入するときに、ユーザは第1の携帯端末1041の操作パネル141を操作してユーザクーポン管理ソフトウェア記憶媒体132に格納されたユーザクーポン管理ソフトウェアを起動させ、クーポン利用モードに設定する。すると、ディスプレイ142にクーポン利用画面が表示される(ステップS241)。このクーポン利用画面はユーザがクーポンを利用するためのメニュー画面であり、ユーザは操作パネル141を操作して各種の選択を行うことができる。
ユーザがクーポン利用画面を操作して、その店舗で利用することのできる通常のクーポンとしての通常クーポンを選択すると(ステップS242:Y)、ディスプレイ142にはクーポンの内容が表示される(ステップS243)。この表示では、クーポンの内容と共に、店舗の読取機に携帯端末を近づけることの指示情報が表示される。この状態で、第1の携帯端末1041は近距離通信用リーダ・ライタ124からクーポンデータの送信要求が送られてくるのを待機する(ステップS244)。
ユーザは表示された指示に基づいて第1の携帯端末1041を近距離通信用リーダ・ライタ124に接近させる。すると、第1の携帯端末1041が店舗端末103の近距離通信用リーダ・ライタ124からクーポンデータの送信要求を受信する(ステップS244:Y)。すると、第1の携帯端末1041は表示されているクーポンについてのクーポンデータを近距離通信用リーダ・ライタ124を介して店舗端末103に送信する(ステップS245)。
これ以後、第1の携帯端末1041は店舗端末103からこの結果が送られてくるのを待機する。具体的には、そのクーポンを商品やサービスの決済の際の割引に利用したという通知(ステップS246)か、そのクーポンは使用不可であるという通知(ステップS247)のいずれかが受信されるのを待機する。
図7は、通常クーポンを利用して商品を購入するときの店舗端末の処理の様子を表わしたものである。図5を用いて説明する。店舗端末103は、その近距離通信用リーダ・ライタ124を介して第1の携帯端末1041等の端末の検出処理を行っている(ステップS261)。この状態で第1の携帯端末1041が近距離通信用リーダ・ライタ124に接近して検出されると(Y)、店舗端末103はこれに対してクーポンデータの送信を要求する(ステップS262)。
第1の携帯端末1041が図6のステップ245の処理によってクーポンデータを送ってくると(ステップS263:Y)、店舗端末103はこれが使用可能なクーポンについてのクーポンデータであるかどうかをチェックする(ステップS264)。たとえば、その店舗端末103とは異なる店舗用のクーポンについてのデータであったり、クーポン自体はその店舗用のものであっても、使用期限が切れているといったような場合には使用不可と判別される。
店舗端末103は、そのクーポンデータを使用不可と判別した場合(ステップS264:N)、近距離通信用リーダ・ライタ124を使用して使用不可通知を第1の携帯端末1041に送信する(ステップS265)。そして、処理を終了する(リターン)。
これに対して、そのクーポンデータが使用可能である場合(ステップS264:Y)、店舗端末103はその図示しないディスプレイにクーポンの情報を画像表示する(ステップS266)。たとえば、「クーポンを利用されると、初回特典として購入価格が10%割引になります。利用されますか。」といったような表示が行われる。ユーザが商品あるいはサービスの決済をキャンセルした場合、あるいは決済を行うものの、他の割引券を使用するというようにクーポンの使用をキャンセルした場合には(ステップS267:N、ステップS268:Y)、クーポンに関する一連の処理が終了する(リターン)。
一方、ユーザが商品あるいはサービスの決済にそのクーポンを利用することを店員に伝えた場合、店員は店舗端末103を操作してその旨の入力を行う(ステップS267:Y)。そして、通常決済処理が行われる(ステップS269)。この通常決済処理は、現金あるいはクレジットカードで行ってもよいし、第1の携帯端末1041自体が決済機能を有している場合には、これを用いて行うこともできる。
決済処理の際にこの通常のクーポンを利用する通常決済処理では、商品の割引やプレゼントの付与といった通常特典が与えられる。本実施例では優待特典という通常特典よりもグレードアップした特典も用意されている。優待特典の取得については後に説明する。
商品あるいはサービスについての通常決済処理が終了すると、店舗端末103は第1の携帯端末1041に対して決済にそのクーポンが使用されたことを示す決済利用通知を送信する(ステップS270)。そして、一連の処理を終了させる(リターン)。
図6に戻って説明を続ける。第1の携帯端末1041はステップS270による決済利用通知を受信したら(ステップS246:Y)、現在利用したクーポンが「配布不可」となっているかどうかをチェックする(ステップS248)。そして、これが「配布不可」のクーポン155であれば、属性を変更して「配布可」のクーポン161としてストレージ装置133に上書き保存する(ステップS249)。
第1の携帯端末1041が図7のステップS265によって送られてきた「使用不可」の結果を受信した場合には(ステップS247:Y)、送られてきた「使用不可」の理由が「期限切れ」であるかどうかを判別する(ステップS250)。そして、期限切れの場合には(Y)、ストレージ装置133から該当するクーポン155を削除する(ステップS251)。これに対して、違う店舗で適用されるべきクーポンを間違って提示したような他の理由の場合には、クーポン155を削除することなく一連の処理を終了させる(リターン)。
なお、クーポン利用画面を表示した状態で(ステップS241)、店舗で利用するためのクーポンの選択以外の処理が要求された場合には(ステップS252:Y)、その要求が実行される(ステップS253)。これについての詳細な説明は省略する。
<他のユーザへのクーポン配布処理>
図8は、「配布可」のクーポンを他人に配布する場合の携帯端末同士の関係を示したものである。この図8を用いて、第1の携帯端末1041のユーザが第2の携帯端末1042にそのクーポンを再配布する際のシステムの動作を説明する。第mの携帯端末104m等の他の携帯端末にクーポンを再配布する場合も同様の動作となる。
図9は、配布元としての第1の携帯端末がクーポンを第2の携帯端末に再配布する処理の流れを表わしたものである。図8を用いて説明する。ユーザは、第1の携帯端末1041の操作パネル141を操作してユーザクーポン管理ソフトウェア記憶媒体132に格納されたユーザクーポン管理ソフトウェアを起動させ、クーポン利用モードに設定する。すると、ディスプレイ142にクーポン利用画面が表示される(ステップS281)。このクーポン利用画面はユーザがクーポンを利用するためのメニュー画面であり、ユーザは操作パネル141を操作して各種の選択を行うことができる。
配布元のユーザが「配布用クーポンの選択」という項目を選択すると(ステップS282:Y)、第1の携帯端末1041はストレージ装置133から「配布可」のクーポン161を読み出してディスプレイ142に表示する(ステップS283)。そして、他の携帯端末としての第2の携帯端末1042にから送信要求が送られてくるのを待機する(ステップS204)。なお、「配布可」のクーポン161が複数存在して、その一部のみを送信する場合には、図示しないがそのための選択処理が行われることになる。
図10は、配布先としての第2の携帯端末がクーポンを受け取る処理の流れを表わしたものである。図8を用いて説明する。配布先のユーザは、第2の携帯端末1042の操作パネル141を操作してユーザクーポン管理ソフトウェア記憶媒体132に格納されたユーザクーポン管理ソフトウェアを起動させ、クーポン利用モードに設定する。すると、ディスプレイ142にクーポン利用画面が表示される(ステップS301)。このクーポン利用画面はユーザがクーポンを利用するためのメニュー画面であり、ユーザは操作パネル141を操作して各種の選択を行うことができる。
ユーザが「クーポン受信の選択」という項目を選択すると(ステップS302:Y)、第2の携帯端末1042はその通信制御部134を使用して赤外線等の近距離無線通信によって第1の携帯端末1041の検出を試みる(ステップS303)。そして、この例の場合には第2の携帯端末1042との通信のために近づいた第1の携帯端末1041の検出に成功すると(Y)、これに対してクーポンの送信要求を行う(ステップS304)。そして、この状態で第1の携帯端末1041からクーポンが送られてくるのを待機することになる(ステップS305)。
図9に戻って第1の携帯端末1041の処理を引き続いて説明する。第1の携帯端末1041はステップS304の送信要求を受信すると(ステップS284:Y)、要求のあった第2の携帯端末1042に対してクーポンを送信する(ステップS285)。この送信されるクーポンには、再配布分であること、初期的に配布不可の状態に設定してあること、および配布回数は「0」であることが示されている。この後、第1の携帯端末1041は第2の携帯端末1042から、これに対する何らかの通知が送られてくるのを待機する(ステップS286、ステップS287)。
再び図10を用いて説明を続ける。図9のステップS285で第1の携帯端末1041がクーポンを送信したので、これと近距離に存在する第2の携帯端末1042がこれを受信する(ステップS305)。第2の携帯端末1042は、受信したクーポンをキーとして自身のストレージ装置133を検索し、それが未所持のものであるかの判別を行う(ステップS306)。未所持でない場合、すなわち第2の携帯端末1042がすでに所持しているクーポンであった場合には(N)、配布が完了しなかったことを示す配布不可通知を第1の携帯端末1041に向けて送信して(ステップS307)、処理を終了する(エンド)。
これに対して、第1の携帯端末1041から送られてきたクーポンが未所持のものであった場合には(ステップS306:Y)、その送られてきたクーポンを自身のストレージ装置133に「再配布・配布不可」のクーポン165として格納すると共に、第2の携帯端末1042のディスプレイ142にその内容を表示する(ステップS308)。そして、新たなクーポンが配布されたことを示す配布済通知を第1の携帯端末1041に送信することになる(ステップS309)。
なお、第2の携帯端末1042でクーポン利用画面を表示した状態で(ステップS301)、他のユーザからのクーポンの受信以外の処理が要求された場合には(ステップS310:Y)、その要求が実行される(ステップS311)。これについての詳細な説明は省略する。
再び図9に戻って説明を続ける。第1の携帯端末1041は、第2の携帯端末1042から図10のステップS309で配布済通知を受信したら(ステップS286:Y)、ユーザの新規開拓に成功したことになる。そこで、配布を行ったクーポンの属性としての配布回数を現在の値に「1」だけ加算する(ステップS288)。そして、加算後の配布回数が所定の昇格条件を表わす昇格条件値と等しくなるまで増加したかを判別する(ステップS289)。
加算後の配布回数が昇格条件値と等しくなった場合(Y)、第1の携帯端末1041は自身のストレージ装置133に存在する該当のクーポン161を読み出して、この「配布可」の属性を「優待」としたクーポン171に更新する(ステップS290)。そして、この時点で、以前から記録されている配布回数を「優待」用に「0」にクリアする。
これに対して、図10のステップS307による配布不可通知が送られてきた場合(ステップS287:Y)、第1の携帯端末1041はその通知に示す理由が「期限切れ」であるかの判別を行う(ステップS291)。期限切れの場合には(ステップS291:Y)、そのようなクーポンの存在は何らの利益にもならないので、自身のストレージ装置133からこれを削除して(ステップS292)、一連の処理を終了する(エンド)。期限切れ以外の理由で配布不可通知が送られてきた場合には(ステップS291:N)、該当のクーポンを自身のストレージ装置133から削除することなく、一連の処理を終了する(エンド)。
なお、第1の携帯端末1041でクーポン利用画面を表示した状態で(ステップS281)、「配布用クーポンの選択」以外の処理が要求された場合には(ステップS293:Y)、その要求が実行される(ステップS294)。これについての詳細な説明は省略する。
<優待のクーポンの店舗での利用処理>
図11は、優待クーポンを店舗で利用するときの第1の携帯端末と店舗端末の関係を示したものである。この図11を用いて、商品購入時に属性が優待となった優待クーポン使用時の第1の携帯端末1041と店舗端末103の動作を説明する。
図12は、店舗での携帯端末による優待クーポン提示処理の流れを表わしたものである。図11を用いて説明する。ユーザは、第1の携帯端末1041にダウンロードされたクーポンを見て、ショッピングのために所定の店舗に向かう。店舗で商品を購入するときに、ユーザは第1の携帯端末1041の操作パネル141を操作してユーザクーポン管理ソフトウェア記憶媒体132に格納されたユーザクーポン管理ソフトウェアを起動させ、クーポン利用モードに設定する。すると、ディスプレイ142にクーポン利用画面が表示される(ステップS331)。このクーポン利用画面はユーザがクーポンを利用するためのメニュー画面であり、ユーザは操作パネル141を操作して各種の選択を行うことができる。
ユーザがクーポン利用画面を操作して、その店舗で利用することのできる「優待」属性のクーポンとしての優待クーポンを選択すると(ステップS332:Y)、ディスプレイ142にはクーポンの内容が表示される(ステップS333)。この表示では、クーポンの内容と共に、店舗の読取機に携帯端末を近づけることの指示情報が表示される。この状態で、第1の携帯端末1041は近距離通信用リーダ・ライタ124からクーポンデータの送信要求が送られてくるのを待機する(ステップS334)。
ユーザは表示された指示に基づいて第1の携帯端末1041を近距離通信用リーダ・ライタ124に接近させる。すると、第1の携帯端末1041が店舗端末103の近距離通信用リーダ・ライタ124からクーポンデータの送信要求を受信する(ステップS334:Y)。すると、第1の携帯端末1041は表示されているクーポンについてのクーポンデータを近距離通信用リーダ・ライタ124を介して店舗端末103に送信する(ステップS335)。
これ以後、第1の携帯端末1041は店舗端末103からこの結果が送られてくるのを待機する。具体的には、そのクーポンを商品やサービスの決済の際の割引に利用したという通知(ステップS336)か、そのクーポンは使用不可であるという通知(ステップS337)のいずれかが受信されるのを待機する。
図13は、優待クーポンを利用して商品を購入するときの店舗端末の処理の様子を表わしたものである。図11を用いて説明する。店舗端末103は、その近距離通信用リーダ・ライタ124を介して第1の携帯端末1041等の端末の検出処理を行っている(ステップS351)。この状態で第1の携帯端末1041が近距離通信用リーダ・ライタ124に接近して検出されると(Y)、店舗端末103はこれに対してクーポンデータの送信を要求する(ステップS352)。
第1の携帯端末1041が図12のステップ335の処理によってクーポンデータを送ってくると(ステップS353:Y)、店舗端末103はこれが使用可能なクーポンについてのクーポンデータであるかどうかをチェックする(ステップS354)。たとえば、その店舗端末103とは異なる店舗用のクーポンについてのデータであったり、クーポン自体はその店舗用のものであっても、使用期限が切れているといったような場合には使用不可と判別される。
店舗端末103は、そのクーポンデータを使用不可と判別した場合(ステップS354:N)、近距離通信用リーダ・ライタ124を使用して使用不可通知を第1の携帯端末1041に送信する(ステップS355)。そして、処理を終了する(リターン)。
これに対して、そのクーポンデータが使用可能である場合(ステップS354:Y)、店舗端末103はその図示しないディスプレイに優待についてのクーポンの情報を画像表示する(ステップS356)。たとえば、「優待クーポンを利用されると、この1回だけ購入価格が30%割引になります。利用されますか。」といったような表示が行われる。ユーザが商品あるいはサービスの決済をキャンセルした場合、あるいは決済を行うものの、他の割引券を使用するというように優待クーポンの使用をキャンセルした場合には(ステップS357:N、ステップS358:Y)、優待クーポンに関する一連の処理が終了する(リターン)。優待クーポンは通常クーポンと比較すると、割引率等の特典が大きい。したがって、ユーザによっては現在購入しようとした商品よりも高価な商品を再度検討するということで、優待クーポンの今回の使用をキャンセルする場合がある。
一方、ユーザが商品あるいはサービスの決済にその優待クーポンを利用することを店員に伝えた場合、店員は店舗端末103を操作してその旨の入力を行う(ステップS357:Y)。そして、優待決済処理が行われる(ステップS359)。この優待決済処理は、現金あるいはクレジットカードで行ってもよいし、第1の携帯端末1041自体が決済機能を有している場合には、これを用いて行うこともできる。
商品あるいはサービスについての優待決済処理が終了すると、店舗端末103は第1の携帯端末1041に対して決済にそのクーポンが使用されたことを示す決済利用通知を送信する(ステップS360)。そして、一連の処理を終了させる(リターン)。
図12に戻って説明を続ける。第1の携帯端末1041はステップS360による決済利用通知を受信したら(ステップS336:Y)、現在利用した優待クーポン171の属性を変更して「配布可」のクーポン161としてストレージ装置133に上書き保存する(ステップS338)。
第1の携帯端末1041が図13のステップS355によって送られてきた「使用不可」の結果を受信した場合には(ステップS337:Y)、送られてきた「使用不可」の理由が「期限切れ」であるかどうかを判別する(ステップS339)。そして、期限切れの場合にはストレージ装置133から該当するクーポン171を削除する(ステップS340)。これに対して、違う店舗で適用されるべきクーポンを間違って提示したような他の理由の場合には、クーポン171を削除することなく一連の処理を終了させる(リターン)。
なお、クーポン利用画面を表示した状態で(ステップS331)、店舗で利用するためのクーポンの選択以外の処理が要求された場合には(ステップS341:Y)、その要求が実行される(ステップS342)。これについての詳細な説明は省略する。
このように、ユーザは通常クーポンを優待クーポンに変えた場合、一度だけ優待を受けて、配布回数が所定の昇格条件を満たしたことによる利益を享受することができる。そして、再度、この優待クーポンが通常クーポンにリセットすることで、ユーザは再度、そのクーポンを優待クーポンに変えるチャレンジを試みることができる。
<他のユーザから配布されたクーポンの店舗での利用処理>
図14は、第2の携帯端末のユーザが第1の携帯端末のユーザから配布されたクーポンとしての再配布クーポンを店舗で利用する場合の店舗端末との関係を表わしたものである。この図14を用いて店舗における第2の携帯端末1042と店舗端末103の動作を説明する。
図15は、店舗での第2の携帯端末による再配布クーポン提示処理の流れを表わしたものである。図1および図14と共に説明する。第2の携帯端末1042のユーザは、第1の携帯端末1041から配布を受けた再配布クーポンを見て、ショッピングのために所定の店舗に向かう。店舗で商品を購入するときに、ユーザは第2の携帯端末1042の操作パネル141を操作してユーザクーポン管理ソフトウェア記憶媒体132に格納されたユーザクーポン管理ソフトウェアを起動させ、クーポン利用モードに設定する。すると、ディスプレイ142にクーポン利用画面が表示される(ステップS371)。このクーポン利用画面はユーザがクーポンを利用するためのメニュー画面であり、ユーザは操作パネル141を操作して各種の選択を行うことができる。
ユーザがクーポン利用画面を操作して、その店舗で利用することのできる再配布クーポンを選択すると(ステップS372:Y)、ディスプレイ142にはクーポンの内容が表示される(ステップS373)。この表示では、クーポンの内容と共に、店舗の読取機に携帯端末を近づけることの指示情報が表示される。この状態で、第2の携帯端末1042は近距離通信用リーダ・ライタ124からクーポンデータの送信要求が送られてくるのを待機する(ステップS374)。
ユーザは表示された指示に基づいて第2の携帯端末1042を近距離通信用リーダ・ライタ124に接近させる。すると、第2の携帯端末1042が店舗端末103の近距離通信用リーダ・ライタ124からクーポンデータの送信要求を受信する(ステップS374:Y)。すると、第2の携帯端末1042は表示されているクーポンについてのクーポンデータを近距離通信用リーダ・ライタ124を介して店舗端末103に送信する(ステップS375)。
これ以後、第2の携帯端末1042は店舗端末103からこの結果が送られてくるのを待機する。具体的には、そのクーポンを商品やサービスの決済の際の割引に利用したという通知(ステップS376)か、そのクーポンは使用不可であるという通知(ステップS377)のいずれかが受信されるのを待機する。
図16は、再配布クーポンを利用して商品を購入するときの店舗端末の処理の様子を表わしたものである。店舗端末103は、その近距離通信用リーダ・ライタ124を介して第2の携帯端末1042等の端末の検出処理を行っている(ステップS391)。この状態で第2の携帯端末1042が近距離通信用リーダ・ライタ124に接近して検出されると(Y)、店舗端末103はこれに対してクーポンデータの送信を要求する(ステップS392)。
第2の携帯端末1042が図15のステップ375の処理によってクーポンデータを送ってくると(ステップS393:Y)、店舗端末103はこれが使用可能なクーポンについてのクーポンデータであるかどうかをチェックする(ステップS394)。たとえば、その店舗端末103とは異なる店舗用のクーポンについてのデータであったり、クーポン自体はその店舗用のものであっても、使用期限が切れているといったような場合には使用不可と判別される。
店舗端末103は、そのクーポンデータを使用不可と判別した場合(ステップS394:N)、近距離通信用リーダ・ライタ124を使用して使用不可通知を第2の携帯端末1042に送信する(ステップS395)。そして、処理を終了する(リターン)。
これに対して、そのクーポンデータが使用可能である場合(ステップS394:Y)、店舗端末103はその図示しないディスプレイにクーポンの情報を画像表示する(ステップS396)。たとえば、「クーポンを利用されると、初回特典として購入価格が10%割引になります。利用されますか。」といったような表示が行われる。ユーザが商品あるいはサービスの決済をキャンセルした場合、あるいは決済を行うものの、他の割引券を使用するというようにクーポンの使用をキャンセルした場合には(ステップS397:N、ステップS398:Y)、クーポンに関する一連の処理が終了する(リターン)。
一方、ユーザが商品あるいはサービスの決済にその再配布クーポンを利用することを店員に伝えた場合、店員は店舗端末103を操作してその旨の入力を行う(ステップS397:Y)。そして、再配布クーポンによる通常決済処理が行われる(ステップS399)。この通常決済処理は、現金あるいはクレジットカードで行ってもよいし、第2の携帯端末1042自体が決済機能を有している場合には、これを用いて行うこともできる。
決済処理の際にこの通常のクーポンを利用する通常決済処理では、商品の割引やプレゼントの付与といった通常特典が与えられる。本実施例では先に説明したようにクーポンの再配布を受けたユーザに対しても優待特典という通常特典よりもグレードアップした特典も用意されている。優待特典については第1の携帯端末1041のユーザに関する図11〜図13と同様のシステム構成および処理となるので、その説明は省略する。
商品あるいはサービスについての通常決済処理が終了すると、店舗端末103は第2の携帯端末1042に対して決済にそのクーポンが使用されたことを示す決済利用通知を送信する(ステップS9400)。そして、一連の処理を終了させる(リターン)。
図15に戻って説明を続ける。第2の携帯端末1042はステップS400による決済利用通知を受信したら(ステップS376:Y)、現在利用したクーポンが「配布不可」となっているので、属性を変更して「配布可」のクーポン161としてストレージ装置133に上書き保存する(ステップS378)。これにより、そのクーポンは「再配布・配布不可」の属性のクーポンポン165から通常の「配布可」のクーポン161になる。
第2の携帯端末1042が図16のステップS395によって送られてきた「使用不可」の結果を受信した場合には(ステップS377:Y)、送られてきた「使用不可」の理由が「期限切れ」であるかどうかを判別する(ステップS379)。そして、期限切れの場合には(Y)、ストレージ装置133から該当するクーポン155を削除する(ステップS380)。これに対して、違う店舗で適用されるべきクーポンを間違って提示したような他の理由の場合には、再配布クーポン165を削除することなく一連の処理を終了させる(リターン)。
なお、クーポン利用画面を表示した状態で(ステップS371)、店舗で利用するためのクーポンの選択以外の処理が要求された場合には(ステップS381:Y)、その要求が実行される(ステップS382)。これについての詳細な説明は省略する。
以上説明した実施例では、クーポンの配布時に配布回数をカウントしておいて昇格条件を満たした場合にクーポンの属性を優待に設定できるようにした。たとえば、あるユーザがクーポンを一定回数だけ配布した場合、そのクーポンを優待クーポンに昇格させて商品の割引率アップ等の優待特典を与えることができる。したがって、クーポンを利用した人に対してクーポンの配布と商品の再購入の意欲を刺激できる。
また、クーポンのダウンロード時と他の携帯端末からの受領時にクーポンの属性を配布不可に設定することにした。たとえば、クーポン使用前は属性を配布不可としておいて、クーポンを使用した人だけ属性を配布可にして他のユーザに配布可能としている。これにより、クーポンの配布を仲介するだけで商品購入意思のないユーザを制限することができる。
更に、クーポン配信サーバと通信せずに携帯端末のユーザクーポン管理ソフトウェアで昇格条件をチェックしてクーポンの属性を設定できるようにした。たとえば、ユーザがクーポンを一定回数だけ配布すると、すぐにそのクーポンを優待クーポンに昇格させるようにしている。これにより、ユーザを特定せずにクーポンの配布と利用によるインセンティブを提供することができる。
なお、以上説明した実施例では、図1に示したように第1〜第mの携帯端末1041、1042、……104mとして携帯電話機を前提として説明したが、PHS(Personal Handy-phone System)、通信機能が備わったPDA(Personal Digital Assistant)、携帯型あるいはウエアラブルな時計型等の更に小型のコンピュータのように、通信機能を備え、インターネット等の通信ネットワーク101に接続可能で近距離通信も可能なすべての通信端末に本発明を適用することができる。
また、実施例ではクーポン配信サーバ102と第1〜第mの携帯端末1041、1042、……104mと店舗端末103がインターネット等の通信ネットワーク101に接続される場合について説明したが、セキュリティを高めるためにクーポン配信サーバ102とインターネット等の通信ネットワーク101の間にファイアウォールを設置したり、クーポン配信サーバ102と店舗端末103の間のみをイントラネットで接続するように構成してもよい。
更に、実施例では第1〜第mの携帯端末1041、1042、……104mのユーザクーポン管理ソフトウェア記憶媒体132にインストールされたユーザクーポン管理ソフトウェアがストレージ装置133内のクーポン群135を読み出したり書き込みを行う場合を説明した。本発明はこれに限られるものではなく、第1〜第mの携帯端末1041、1042、……104mにIC(Integrated Circuit)チップが実装され、クーポン群135をこれに格納するようにしてもよい。
この場合には、ユーザクーポン管理ソフトウェアは起動せずに、店舗端末103側の店舗クーポン処理ソフトウェア記憶媒体122に格納されている店舗クーポン処理ソフトウェアを実行することにより、近距離通信用リーダ・ライタ124を介して携帯端末104側のICチップをリードして、店舗端末103の画面にその店舗で利用可能なクーポンの一覧を表示することができる。この場合には、この店舗端末103の画面をユーザに見せてクーポンを選択させ、その利用処理を行ってクーポンの属性を直接更新することになる。
更にまた実施例では、クーポン配信サーバ102のストレージ装置113に、クーポンの元データ群115のファイルを格納してこれらを利用する場合について説明したが、これに限るものではない。たとえばストレージ装置113にデータベースを構築し、クーポンの元データ群115のためにデータベースのテーブルを用意して利用するように構成してもよい。
また、以上説明した実施例では、属性が「優待」のクーポン171を一度利用すると「配布可」の属性の通常のクーポン161に更新することにしたが、これに限るものではない。たとえば属性を「優待」のままにしてもよい。また、「優待」のクーポン171の利用期間が短い場合には、そのクーポン自体を削除する処理を行うようにしてもよい。
更に、実施例ではクーポンの属性や配布回数をクーポン群135の内部データとして利用する場合について説明したが、クーポン群135とは別のデータとして同一のストレージ装置133内に格納して利用してもよい。その場合、クーポン配信サーバ102からのクーポンダウンロード時のクーポンの属性と配布回数の設定はユーザクーポン管理ソフトウェア記憶媒体132内に格納したユーザクーポン管理ソフトウェアが行う。
また、実施例では第1〜第mの携帯端末1041、1042、……104mと店舗端末103の間でクーポンを利用しているとき、および第1〜第mの携帯端末1041、1042、……104mの間でのクーポン配布時に、それぞれに実装されている近距離の通信手段を利用することにした。しかしながら、これらの装置間の通信は、このような近距離の通信手段を利用することに限定する必要はない。たとえば第1〜第mの携帯端末1041、1042、……104mと店舗端末103の間の通信と、第1〜第mの携帯端末1041、1042、……104m同士の通信が異なる種類のものであってもよい。また、携帯端末104に実装される近距離の通信手段が機種によって異なることを考慮して、近距離通信用リーダ・ライタ124を店舗端末103に複数接続しておき、店舗クーポン処理ソフトウェア記憶媒体122に格納されている店舗クーポン処理ソフトウェアで処理できるように構成してもよい。
更に実施例では、第1〜第mの携帯端末1041、1042、……104mの間でクーポンを配布するときには通信制御部134に組み込まれた近距離の通信手段を利用することにしたが、これに限定されるものではない。たとえば、インターネット等の通信ネットワーク101を経由する通信手段、例えばメールへのデータ添付による通信手段を使用してもよい。この場合、クーポンを送信する側の携帯端末104がクーポンの配布の完了を判断できない場合がある。このような場合には、たとえば携帯端末104ごとにカウンタを用意しておいて、クーポンの配布を行うたびに配布回数をカウントアップしていって、その回数を用いて配布の事実を確認することも有効である。
更にまた、実施例では第1〜第mの携帯端末1041、1042、……104mの間でクーポンを配布するときに、クーポンの配布元だけでなく配布先もユーザクーポン管理ソフトウェア記憶媒体132に格納されたユーザクーポン管理ソフトウェアを事前に起動する必要があった。本発明はこれに限るものではない。たとえば、通信制御部134にクーポンの受信といった所定の条件下でユーザクーポン管理ソフトウェアを起動する仕組みを用意しておいて、クーポンの配布と同時にユーザクーポン管理ソフトウェアの起動要求を行うようにしてもよい。
<<発明の変形例>>
次に、本発明の変形例を説明する。この変形例では、図1に示したクーポン配信システム100をそのまま使用する。まず、この変形例におけるシステムの準備については、実施例と同様である。
<クーポンのダウンロード処理>
図17は、変形例におけるクーポンのダウンロード時の携帯端末とクーポン通信サーバの関係を表わしたものである。この図17を用いてクーポンのダウンロード時におけるクーポン配信システム100の動作を説明する。ここでは、第1の携帯端末1041を代表例として表わしている。
実施例の図2と比べると、ユーザクーポン管理ソフトウェア記憶媒体132Aがこれに格納されたユーザクーポン管理ソフトウェアの若干の相違によって図2のユーザクーポン管理ソフトウェア記憶媒体132と相違している。この結果、図2ではストレージ装置133に初期的に「配布不可」の属性のクーポン155が格納されるのに対して、この変形例では初期的に「通常」のクーポン181が格納されることになる。また、クーポン配信ソフトウェア記憶媒体112には、クーポンの元データ151を基にして「通常」のクーポン181を発行することのできるクーポン配信ソフトウェアが格納されている。
図18は、変形例におけるクーポンのダウンロード時の第1の携帯端末の処理の流れを表わしたものである。図17と共に説明する。なお、実施例の図3と同一の処理部分には同一の符号を付しており、これらの説明を適宜省略する。
ユーザは、第1の携帯端末1041の操作パネル141を操作してユーザクーポン管理ソフトウェア記憶媒体132に格納されたユーザクーポン管理ソフトウェアを起動させ、クーポン利用モードに設定する。すると、ディスプレイ142にクーポン利用画面が表示される(ステップS201)。このクーポン利用画面はユーザがクーポンを利用するためのメニュー画面であり、ユーザは操作パネル141を操作して各種の選択を行うことができる。
ユーザが「クーポン一覧要求」という項目を選択すると(ステップS202:Y)、第1の携帯端末1041は図示しない通信機能を使用して通信ネットワーク101を経由し、予めアドレスを登録しているクーポン配信サーバ102にアクセスする(ステップS203)。ユーザが「クーポン一覧要求」以外の項目を要求した場合には(ステップS204:Y)、その要求が実行されることになる(ステップS205)。
クーポン配信サーバ102にアクセスした場合、第1の携帯端末1041はこれに対してクーポン一覧を要求する(ステップS206)。そして、クーポン配信サーバ102からクーポン一覧が受信されるのを待機する(ステップS207)。
図19は、変形例におけるクーポン配信サーバによるクーポンダウンロード処理の様子を表わしたものである。図2と共に説明する。なお、実施例の図4と同一の処理部分には同一の符号を付しており、これらの説明を適宜省略する。
クーポン配信サーバ102は、第1の携帯端末1041からクーポン一覧要求(ステップS221)と、クーポンダウンロード要求(ステップS222)のいずれかが送られてくるのを待機している。
クーポン一覧要求があると(ステップS221:Y)、ストレージ装置113内に格納されたユーザが利用可能なクーポンの元データ群115を基にしてクーポン一覧を生成する(ステップS223)。このとき、生成するクーポン一覧はすべてのユーザに同一のものである必要はない。たとえば性別や年齢に合わせてクーポン一覧の内容を変化させてもよい。この場合には、第1の携帯端末1041のユーザがクーポン配信システム100の構成会員になるときのユーザ登録の内容を参照すればよい。クーポン配信サーバ102は、クーポン一覧を生成したら、これを要求のあった第1の携帯端末1041に返信する(ステップS224)。第1の携帯端末1041がクーポン配信サーバ102にアクセスしてその接続中にこの返信が行われてもよい。
図3に戻って説明を続ける。クーポン配信サーバ102からクーポン一覧が送られてきたら(ステップS207:Y)、第1の携帯端末1041はこれをディスプレイ142に表示する(ステップS208)。クーポンの選択が終了したら(ステップS209:Y)、第1の携帯端末1041はクーポン配信サーバ102にクーポンのダウンロード要求を行う(ステップS210)。そして、該当するクーポンがダウンロードされるのを待機する(ステップS211)。
再び図4を用いて説明を行う。特定のクーポンについてのダウンロード要求があったら(ステップS222:Y)、クーポン配信サーバ102はストレージ装置113から要求されたクーポンの元データ151を読み出す(ステップS225)。そして、該当するクーポンの元データ151からクーポンを生成し、その図示しない属性記入欄に「利用回数「0」」を設定する(ステップS226A)。これらについては後に説明する。そして、このクーポンを要求のあった第1の携帯端末1041に返信する(ステップS224)。
再び図3に戻って説明を続ける。第1の携帯端末1041はクーポン155を受信する(ステップS211:Y)。そして、この「利用回数「0」」で「通常」の属性のクーポン181をストレージ装置133に格納すると共にディスプレイ142にその内容を表示する(ステップS212A)。格納されたクーポン155を構成するメディアデータが画像のイメージに限らず音声あるいは動画のファイルも備えている場合には、ユーザの操作によって第1の携帯端末1041はこれらの再生も行うことになる。
なお、この一連のダウンロード処理において、ユーザはステップ207でクーポン一覧を受信したら、この時点でクーポン配信サーバ102へのアクセスを終了させてもよい。ただし、パケットの受信量で課金が行われている場合や、通信ネットワーク101へのアクセスの通信料が定額である場合には、クーポン配信サーバ102に接続したまま一連の処理を行っても通信費を特に気にする必要はない。前に説明したように第1の携帯端末1041からのアクセスの際の通信料をクーポン配信サーバ102が負担することも可能である。
<商品購入時のクーポンの店舗での処理>
図20は、この変形例でユーザが商品の購入時にクーポンを店舗で利用する場合の携帯端末と店舗端末の関係を表わしたものである。この図20を用いて店舗における第1の携帯端末1041と店舗端末103の動作を説明する。なお、実施例の図5と同一の処理部分には同一の符号を付している。
図21は、変形例における店舗での携帯端末によるクーポン提示処理の流れを表わしたものである。図20を用いて説明する。なお、実施例の図6と同一の処理部分には同一の符号を付しており、これらの説明を適宜省略する。
ユーザは、第1の携帯端末1041にダウンロードされたクーポンを見て、ショッピングのために所定の店舗に向かう。店舗で商品を購入するときに、ユーザは第1の携帯端末1041の操作パネル141を操作してユーザクーポン管理ソフトウェア記憶媒体132に格納されたユーザクーポン管理ソフトウェアを起動させ、クーポン利用モードに設定する。すると、ディスプレイ142にクーポン利用画面が表示される(ステップS241)。このクーポン利用画面はユーザがクーポンを利用するためのメニュー画面であり、ユーザは操作パネル141を操作して各種の選択を行うことができる。
ユーザがクーポン利用画面を操作して、その店舗で利用することのできるクーポンを選択すると(ステップS242:Y)、ディスプレイ142には「通常」の属性のクーポン181の内容が表示される(ステップS243)。この表示では、クーポンの内容と共に、店舗の読取機に携帯端末を近づけることの指示情報が表示される。この状態で、第1の携帯端末1041は近距離通信用リーダ・ライタ124からクーポンデータの送信要求が送られてくるのを待機する(ステップS244)。
ユーザは表示された指示に基づいて第1の携帯端末1041を近距離通信用リーダ・ライタ124に接近させる。すると、第1の携帯端末1041が店舗端末103の近距離通信用リーダ・ライタ124からクーポンデータの送信要求を受信する(ステップS244:Y)。すると、第1の携帯端末1041は表示されているクーポンについてのクーポンデータを近距離通信用リーダ・ライタ124を介して店舗端末103に送信する(ステップS245)。
これ以後、第1の携帯端末1041は店舗端末103からこの結果が送られてくるのを待機する。具体的には、そのクーポンを商品やサービスの決済の際の割引に利用したという通知(ステップS246)か、そのクーポンは使用不可であるという通知(ステップS247)のいずれかが受信されるのを待機する。
図7は、「通常」の属性のクーポンを利用して商品を購入するときの店舗端末の処理の様子を表わしたものである。この変形例ではこの図7の処理をそのまま適用することができる。すなわち、店舗端末103は、その近距離通信用リーダ・ライタ124を介して第1の携帯端末1041等の端末の検出処理を行っている(ステップS261)。この状態で第1の携帯端末1041が近距離通信用リーダ・ライタ124に接近して検出されると(Y)、店舗端末103はこれに対してクーポンデータの送信を要求する(ステップS262)。
第1の携帯端末1041が図6のステップ245の処理によってクーポンデータを送ってくると(ステップS263:Y)、店舗端末103はこれが使用可能なクーポンについてのクーポンデータであるかどうかをチェックする(ステップS264)。たとえば、その店舗端末103とは異なる店舗用のクーポンについてのデータであったり、クーポン自体はその店舗用のものであっても、使用期限が切れているといったような場合には使用不可と判別される。
店舗端末103は、そのクーポンデータを使用不可と判別した場合(ステップS264:N)、近距離通信用リーダ・ライタ124を使用して使用不可通知を第1の携帯端末1041に送信する(ステップS265)。そして、処理を終了する(リターン)。
これに対して、そのクーポンデータが使用可能である場合(ステップS264:Y)、店舗端末103はその図示しないディスプレイにクーポンの情報を画像表示する(ステップS266)。たとえば、「クーポンを利用されると、初回特典として購入価格が10%割引になります。利用されますか。」といったような表示が行われる。ユーザが商品あるいはサービスの決済をキャンセルした場合、あるいは決済を行うものの、他の割引券を使用するというようにクーポンの使用をキャンセルした場合には(ステップS267:N、ステップS268:Y)、クーポンに関する一連の処理が終了する(リターン)。
一方、ユーザが商品あるいはサービスの決済にそのクーポンを利用することを店員に伝えた場合、店員は店舗端末103を操作してその旨の入力を行う(ステップS267:Y)。そして、通常決済処理が行われる(ステップS269)。この通常決済処理は、現金あるいはクレジットカードで行ってもよいし、第1の携帯端末1041自体が決済機能を有している場合には、これを用いて行うこともできる。
決済処理の際にこの「通常」の属性のクーポン181を利用する通常決済処理では、商品の割引やプレゼントの付与といった通常特典が与えられる。この変形例でも優待特典という通常特典よりもグレードアップした特典も用意されている。
商品あるいはサービスについての通常決済処理が終了すると、店舗端末103は第1の携帯端末1041に対して決済にそのクーポンが使用されたことを示す決済利用通知を送信する(ステップS270)。そして、一連の処理を終了させる(リターン)。
図21に戻って説明を続ける。第1の携帯端末1041はステップS270による決済利用通知を受信したら(ステップS246:Y)、現在利用したクーポンの属性としての利用回数を現在の値に「1」だけ加算する(ステップS401)。そして、加算後のクーポンの利用回数が所定の昇格条件を表わす昇格条件値と等しくなるまで増加したかを判別する(ステップS402)。
加算後の利用回数が昇格条件値と等しくなった場合(Y)、第1の携帯端末1041は自身のストレージ装置133に存在する「通常」の属性のクーポン181を読み出して、この「通常」の属性を「優待」としたクーポン171に更新する(ステップS403)。そして、この時点で、以前から記録されている利用回数を「優待」用に「0」にクリアする。
これに対して、図7のステップS265による使用不可通知が送られてきた場合(ステップS247:Y)、第1の携帯端末1041はその通知に示す理由が「期限切れ」であるかの判別を行う(ステップS291)。期限切れの場合には(ステップS291:Y)、そのようなクーポンの存在は何らの利益にもならないので、自身のストレージ装置133からこれを削除して(ステップS292)、一連の処理を終了する(エンド)。期限切れ以外の理由で配布不可通知が送られてきた場合には(ステップS291:N)、該当のクーポンを自身のストレージ装置133から削除することなく、一連の処理を終了する(エンド)。
なお、第1の携帯端末1041でクーポン利用画面を表示した状態で(ステップS281)、「配布用クーポンの選択」以外の処理が要求された場合には(ステップS293:Y)、その要求が実行される(ステップS294)。これについての詳細な説明は省略する。
<優待のクーポンの店舗での利用処理>
図22は、変形例における優待クーポンを店舗で利用するときの第1の携帯端末と店舗端末の関係を示したものである。ただし、「通常」の属性のクーポン181が「優待」の属性のクーポン171になった後の制御については、ユーザクーポン管理ソフトウェア記憶媒体132Aに格納されたユーザクーポン管理ソフトウェアに変更点はない。店舗端末103の店舗クーポン処理ソフトウェア記憶媒体122に格納されている店舗クーポン処理ソフトウェアについても同様である。
したがって、この変形例で優待のクーポンを使用する場合の処理は、実施例における図12および図13と同じとなる。そこで、これについての処理の図示および説明は省略する。
以上説明した変形例についても、先の実施例で説明したような各種の変形が可能である。なお、「通常」の属性のクーポン181を「優待」の属性のクーポン171に昇格する条件について、実施例ではクーポン161の配布数に依存させ、変形例では決済(利用)回数に依存させた。これらを組み合わせた形で、一方の条件を満たした場合に「通常」の属性のクーポン181を「優待」のクーポン171に昇格させるようにすることも可能である。この場合、双方の昇格条件を満たした場合には更に上のランクの「最優待」に昇格させることももちろん可能である。
なお、実施例および変形例では、携帯端末104のディスプレイ142にクーポン用の画面を表示して利用するクーポンを選択して、近距離通信用リーダ・ライタ124にこれを近づけて、近距離通信用リーダ・ライタ124からクーポンデータの送信要求を受信し、これに応答する形で携帯端末104がクーポンデータを送信することを前提として説明を行った。本発明はこれに限るものではない。たとえば、携帯端末104側でクーポンを選択した後に近距離通信用リーダ・ライタ124に近づいてクーポンデータの送信処理を行うようにしてもよい。この場合、近距離通信用リーダ・ライタ124は、携帯端末104から送られてきたクーポンデータを受信すると、これが利用可能なデータであるかを調べ(図7ステップS264参照)、これ以降の処理を行えばよい。このような処理は、商品購入時のクーポンの店舗での処理、優待のクーポンの店舗での利用処理および他のユーザから配布されたクーポンの店舗での利用処理のいずれについても可能である。
また、実施例および変形例では、配布元のユーザの携帯端末1041のディスプレイ142にクーポン用の画面を表示して配布するクーポンを選択して、配布先のユーザの携帯端末1042から送信要求を受信して、その応答としてクーポンデータを送信することを前提として説明を行った。本発明はこれに限るものではない。たとえば、配布元のユーザの携帯端末1041が配布するクーポンを選択した後にクーポンデータの送信を行い、配布先のユーザの携帯端末1042はこのクーポンデータを受信して(図10ステップS305参照)、これ以降の処理を行うようにしてもよい。