以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示されるように、車両ドア1内には、車両ボデー(図示せず)に設けられたストライカ2と係合して車両ドア1を閉状態で保持するドアロック装置10がその後縁に沿って配設されている。また、車両ドア1には、その室内側に露出する態様で室内側操作部材としてのインサイドハンドル3が設置されるとともに、その室外側に露出する態様でアウトサイドハンドル4が設置され、更に該アウトサイドハンドル4に埋設される態様で室外側操作部材としてのキーシリンダ機構5が設置されている。
図2に示されるように、ドアロック装置10が備えるラッチ機構11は、ラッチ12及びポール13を備えて構成されており、前記ストライカ2と係合することで車両ドア1を閉状態で保持する。すなわち、車両ドア1を閉めるときラッチ12が回転してストライカ2と係合し、同時にポール13がラッチ12を回り止めすることで車両ドア1を閉状態で保持する。また、ポール13を動かしてラッチ12の回り止めを解除すると、該ラッチ12は復帰スプリング(図示略)に付勢されて戻り回転し、ストライカ2との係合状態を解除して車両ドア1を開放する。
次に、ドアロック装置10について、図3〜図7に従って更に詳述する。なお、図3及び図4では、ドアロック装置10の基本的な動作を説明するために、便宜的に本発明に係る構成の一部を割愛して図示している。なお、図3は、車両ドア1が解錠状態(以下、「アンロック状態」という)にあり、且つ、前記インサイドハンドル3の操作による車両ドア1の開操作を許容する状態(以下、「アンセット状態」という)を示す。また、図4は、車両ドア1が施錠状態(以下、「ロック状態」という)にあり、且つ、前記インサイドハンドル3の操作による車両ドア1の開操作を禁止する状態(以下、「セット状態」という)にある状態を示す。
同図に示されるように、ドアロック装置10は、箱状をなすハウジング21と、キーレバー22と、アクティブレバー23と、パニックレバー24と、ロック用アクチュエータ25と、オープンリンク26と、インサイドレバー27と、インサイドオープンレバー28と、ワンモーションレバー29と、ダブルロックレバー30と、ダブルロック用アクチュエータ31とを備えて構成される。
キーレバー22は、ハウジング21に対し図示時計方向及び反時計方向に回動可能に支持されており、例えばキーブレード(図示省略)によるキーシリンダ機構5(図1参照)の回動操作によって該キーシリンダ機構5と一体回動するように連結されている。なお、キーレバー22の先端部には、回動中心側に凹設された係合溝22aが形成されている。
アクティブレバー23は、ハウジング21に対し図示時計方向及び反時計方向に回動可能に支持されている。このアクティブレバー23は、回動中心からキーレバー22側に延びる第1レバー部23aと、同じくロック用アクチュエータ25の出力軸25a側に延びる第2レバー部23bと、同じくダブルロックレバー30側に延びる第3レバー部23cとを有している。
上記第1レバー部23aの先端部には、前記係合溝22aに係止される係合突部23dが形成されている。従って、例えばキーレバー22を回動させると、係合突部23dが係合溝22aの対向する内壁面に押圧されて、アクティブレバー23は図示時計方向及び反時計方向へと回動する。いうまでもなく、キーレバー22とアクティブレバー23との回動方向は互いに逆転している。
なお、第3レバー部23cには、ダブルロックレバー30側に突出する押圧片23eが形成されている。
パニックレバー24は、実質的に前記アクティブレバー23と一体回動するように支持されており、回動中心からオープンリンク26側に延びるレバー部24aを有している。なお、レバー部24aの先端部には、紙面に直交する方向に屈曲された係合片24bが形成されている。
ここで、ハウジング21に対するアクティブレバー23の回動範囲は所定の範囲に規制されており、該アクティブレバー23の図示反時計方向への回動が規制される図3に示した回動位置をアクティブレバー23の第1作動位置という。また、アクティブレバー23の図示時計方向への回動が規制される図4に示した回動位置をアクティブレバー23の第2作動位置という。前記ハウジング21には、第1及び第2作動位置間でアクティブレバー23の回動位置を選択的に切り替える位置決め用スプリング32が装着されている。キーレバー22を介したアクティブレバー23の第1及び第2作動位置間の回動は、前記キーシリンダ機構5の操作によって可能であることはいうまでもない。
ロック用アクチュエータ25は、例えば電磁ソレノイドからなり、キーブレードやドア室内トリムに設けたロック・アンロックスイッチの遠隔操作(ロック・アンロック操作)が図示しない制御回路にて検出されることで駆動制御されるものである。このロック用アクチュエータ25の出力軸25aは、前記第2レバー部23bに連結されている。ロック用アクチュエータ25は、その駆動に伴い出力軸25aを突出させることで第1作動位置から第2作動位置へと前記アクティブレバー23を回動させるとともに、出力軸25aを引き込むことで第2作動位置から第1作動位置へと前記アクティブレバー23を回動させる。
なお、ロック用アクチュエータ25の駆動が停止された状態では、その出力軸25aは出没自在となる。従って、この状態では、出力軸25aとの連結によって、例えばキーブレードによるキーシリンダ機構5の回動操作やキーレバー22を介したアクティブレバー23の回動が規制されることはない。
オープンリンク26の一方の端部には、前記パニックレバー24の係合片24bが挿通される長孔状の係合溝26aが形成されている。オープンリンク26は、パニックレバー24に対し係合溝26aの長手方向に所定の範囲で移動可能に支持されている。
また、オープンリンク26の他方の端部には、ハウジング21に設けられたオープンレバー33に連結される連結部26bが形成されており、オープンリンク26はオープンレバー33に対し揺動可能に支持されている。このオープンレバー33は、支持ピン34にてハウジング21に回動可能に取付けられており、トーションスプリング(図示略)により所定の回動位置に安定配置されている。オープンレバー33は、一方の端部33aにおいて前記オープンリンク26の連結部26bと連結されており、回動中心を挟んでその反対側の他方の端部において前記アウトサイドハンドル4と連結される。オープンレバー33は、アウトサイドハンドル4の開方向への操作により、トーションスプリングに抗して端部33a、すなわちオープンリンク26の連結部26bを上動させるように回動する。
さらに、オープンリンク26には、上記係合溝26a及び連結部26bの中間部にL字状の係合片部26cが形成されている。この係合片部26cは、ハウジング21に回動可能に取付けられたリフトレバー35の近傍に配置されている。このリフトレバー35は、前記ポール13(図2参照)と一体回動するように連結されている。そして、リフトレバー35の前記係合片部26c側の先端部35aが上動するように該リフトレバー35が回動すると、前記ポール13の一体回動に伴い、ラッチ機構11によるストライカ2との係合状態が解除され、車両ドア1が開放されるようになっている。なお、オープンリンク26には、係合孔26dが形成されている。
ここで、アクティブレバー23の第1及び第2作動位置に対応する係合片部26c及び先端部35aの配置関係について説明する。アクティブレバー23が第1作動位置にある状態(図3参照)では、パニックレバー24の係合片24bによってオープンリンク26の一方の端部が一側(図3の右側)に案内されている。このとき、上記係合片部26c及び先端部35aは、上下方向で対向配置されており、係合溝26aもその長手方向が上下方向に一致するように配置されている。従って、この状態でオープンリンク26を上動させれば、係合片部26cに押圧されて先端部35aが上動し、ラッチ機構11によるストライカ2との係合状態が解除される。従って、アクティブレバー23の第1作動位置は、アンロック状態を設定する位置に相当する。
一方、アクティブレバー23が第2作動位置にある状態(図4参照)では、パニックレバー24の係合片24bによってオープンリンク26の一方の端部が他側(図4の左側)に案内されている。このとき、上記係合片部26cは、係合溝26aの長手方向に沿う延長線上が先端部35aから外れるように配置されている。従って、この状態でオープンリンク26を係合溝26aの長手方向に沿って上動させても、係合片部26cによって先端部35aが押圧されることはなく、ラッチ機構11によるストライカ2との係合状態は維持される。従って、アクティブレバー23の第2作動位置は、ロック状態を設定する位置に相当する。
インサイドレバー27は、所定の初期回動位置に配置される態様で、ハウジング21に対し図示時計方向及び反時計方向に回動可能に支持されている。このインサイドレバー27は、前記インサイドハンドル3と連結されており、該インサイドハンドル3の開方向への操作により、図示反時計方向に回動する。なお、インサイドレバー27には、L字形の係合溝36が形成されている。この係合溝36は、回動軸側の基端部からその径方向外側に延出する第1係合部36aと、該第1係合部36aに連通して回動軸側の基端部からその周方向一側に延出する第2係合部36bとを有する。
インサイドオープンレバー28は、前記インサイドレバー27と同軸でハウジング21に対し図示時計方向及び反時計方向に回動可能に支持されている。このインサイドオープンレバー28には、前記インサイドレバー27と一体回転可能及び相対回転可能になるように選択的に切り替えるダブルロックブッシュ37が装着されている。すなわち、インサイドオープンレバー28には、径方向外側に長方形状に延出するガイド片28aが形成されており、該ガイド片28aの長手方向(径方向)に沿って前記ダブルロックブッシュ37が摺動自在に支持されている。そして、このダブルロックブッシュ37には、紙面に直交する手前側及び奥側にそれぞれ突出する係合突部37a,37bが形成されており、一方の係合突部37aが前記係合溝36に挿入されている。
従って、図3に示すように、係合突部37aが第1係合部36aに配置されて係止されると、インサイドレバー27及びインサイドオープンレバー28の相対回転が規制され、これらインサイドレバー27及びインサイドオープンレバー28は一体回転可能になる。また、図4に示すように、係合突部37aが第2係合部36bに配置されると、該第2係合部36bの周方向の範囲で前記係合突部37aが解放され、これらインサイドレバー27及びインサイドオープンレバー28は相対回転可能になる。
インサイドオープンレバー28には、鉤爪状に延出して前記係合片部26cに上下方向で対向配置される押圧片28bが形成されている。この押圧片28bは、その回動軌跡上に前記係合片部26cが配置されるように形成されている。従って、インサイドレバー27及びインサイドオープンレバー28の一体回転可能な状態で、インサイドレバー27とともにインサイドオープンレバー28を図示反時計方向に回動させると、押圧片28bによって係合片部26cの対向する端面が押圧され、オープンリンク26を上動させる。なお、上記係合片部26cと前記リフトレバー35の係合片35aとが上下方向で対向配置されているか否かによって、オープンリンク26の上動に伴う前記ストライカ2との係合状態の解除の如何が切り替わることは既述のとおりである。
また、インサイドオープンレバー28には、前記押圧片28bと反対側の径方向に延出するレバー部28cが形成されるとともに、該レバー部28cの先端部は紙面に直交する方向に屈曲されて係止片28dを形成する。
ワンモーションレバー29は、ハウジング21に対し図示時計方向及び反時計方向に回動可能に支持されている。ワンモーションレバー29には、回動中心から前記オープンリンク26の係合孔26d側に延びるレバー部29aが形成されるとともに、該レバー部29aの先端部は紙面に直交する方向に屈曲されて前記係合孔26dに係止される係止片29bを形成する。
また、ワンモーションレバー29には、前記インサイドオープンレバー28の係止片28dの回動軌跡を横切るように延出する突出片29cが形成されている。従って、インサイドオープンレバー28が図示反時計方向に回動すると、係止片28dに突出片29cの対向面が押圧されることで、前記ワンモーションレバー29は一体で図示反時計方向に回動する。
ここで、図4に示すように、前記オープンリンク26の係合片部26cと前記リフトレバー35の係合片35aとが上下方向で対向配置されていない状態(ロック状態)にあるものとする。このとき、インサイドオープンレバー28が図示反時計方向に回動すると、先ず係止片28dに突出片29cの対向面が押圧されることで、前記ワンモーションレバー29は一体で図示反時計方向に回動する。これに伴い、ワンモーションレバー29は、係止片29bで係合孔26dの内壁面を押圧することで、前記オープンリンク26を図示時計方向に揺動させる。
このとき、位置決め用スプリング32に助勢されて、パニックレバー24とともにアクティブレバー23が第2作動位置から第1作動位置へと回動し、パニックレバー24に支持されたオープンリンク26は、係合片部26cが係合片35aと上下方向で対向するように配置される。続いて、前記インサイドオープンレバー28が更に図示反時計方向に回動すると、押圧片28bが係合片部26cの対向する端面を押圧することで、オープンリンク26が上動する。これにより、係合片部26cに押圧されてリフトレバー35の先端部35aが上動し、ラッチ機構11によるストライカ2との係合状態が解除される。
つまり、ロック状態にあっても、インサイドレバー27及びインサイドオープンレバー28の一体回転可能な状態であれば、前記インサイドハンドル3の開方向への操作により、インサイドレバー27及びインサイドオープンレバー28をワンモーションレバー29とともに図示反時計方向に回動させることで、ロック状態からアンロック状態に移行させるとともに、車両ドア1を開操作することができる。本実施形態では、インサイドハンドル3の操作により上述の態様でロック状態からアンロック状態に移行が可能であることから、従来に見られる当該機能に係る室内側のロックノブが割愛されている。
なお、インサイドハンドル3やキーシリンダ機構5の操作により、ロック状態、アンロック状態とする一連の構造は、第1ロック機構を構成する。
ダブルロックレバー30は、ハウジング21に対し図示時計方向及び反時計方向に回動可能に支持されている。ハウジング21に対するダブルロックレバー30の回動は所定の範囲に規制されており、該ダブルロックレバー30の図示時計方向への回動が規制される図3に示した回動位置をダブルロックレバー30のアンセット位置という。また、ダブルロックレバー30の図示反時計方向への回動が規制される図4に示した回動位置をダブルロックレバー30のセット位置という。前記ハウジング21には、アンセット位置及びセット位置間でダブルロックレバー30の回動位置を選択的に切り替える節度スプリング38が装着されている。
ダブルロックレバー30は、回動中心からインサイドレバー27側に延びる第1レバー部30aと、同じくアクティブレバー23(押圧片23e)側に延びる第2レバー部30bと、同じくダブルロック用アクチュエータ31の出力軸31a側に延びる第3レバー部30cとを有している。
第1レバー部30aには、その長手方向に沿って円弧状のガイド溝30dが形成されており、前記ダブルロックブッシュ37の他方の係合突部37bが挿入されている。図3に示すように、ダブルロックレバー30の回動位置がアンセット位置にあるとき、このガイド溝30dは、前記インサイドオープンレバー28の回動軸を中心とする前記係合突部37b(ダブルロックブッシュ37)の径方向の移動を規制するとともに、該インサイドオープンレバー28と一体でのその回動軸を中心とする周方向の移動を許容する。そして、前記ダブルロックブッシュ37の一方の係合突部37aは、前記係合溝36の第1係合部36aに配置されている。このとき、インサイドレバー27及びインサイドオープンレバー28が一体回転可能になることは既述のとおりである。従って、この状態では、前記インサイドハンドル3の開方向への操作により、前述の態様でロック状態からアンロック状態への移行が許容されるとともに、車両ドア1の開操作が許容される。
また、図4に示すように、ダブルロックレバー30の回動位置がセット位置にあるとき、ガイド溝30dは、同じく前記係合突部37b(ダブルロックブッシュ37)の径方向の移動を規制する。そして、前記ダブルロックブッシュ37の一方の係合突部37aは、前記係合溝36の第2係合部36bに配置されている。このとき、インサイドレバー27及びインサイドオープンレバー28が相対回転可能になることは既述のとおりである。従って、この状態では、前記インサイドハンドル3の開方向への操作により、インサイドレバー27を図示反時計方向に回動させても、前記第2係合部36bの範囲でインサイドレバー27及びインサイドオープンレバー28の相対回転が許容されて、該インサイドオープンレバー28及びワンモーションレバー29を残置したままインサイドレバー27が空回りする。つまり、ダブルロックレバー30の回動位置がセット位置にあるときには、前記インサイドハンドル3を開方向に操作しても、インサイドレバー27が回動するのみで、ロック状態からアンロック状態への移行が禁止され、当然ながら車両ドア1の開操作も禁止される。
なお、ダブルロックレバー30の回動位置がセット位置にあるとき、ロック用アクチュエータ25の駆動により前記アクティブレバー23を第2作動位置から第1作動位置へと回動させれば、ロック状態からアンロック状態へと移行する。同時に、前記ダブルロックレバー30は、アクティブレバー23の押圧片23eに第2レバー部30bが押圧されることで、図示時計方向に回動する。このとき、ダブルロックレバー30は、節度スプリング38に助勢されて、セット位置からアンセット位置へと回動する。これにより、図3に示した状態に復帰して、前記インサイドハンドル3及びアウトサイドハンドル4のいずれの開方向への操作であっても、車両ドア1の開操作が許容される。
また、ダブルロックレバー30の回動位置がセット位置にあるとき、キーブレードによるキーシリンダ機構5の回動操作によりキーレバー22を介して前記アクティブレバー23を第2作動位置から第1作動位置へと回動させても、同様にして図3に示した状態に復帰することになり、前記インサイドハンドル3及びアウトサイドハンドル4のいずれの開方向への操作であっても、車両ドア1の開操作が許容される。これは、ロック用アクチュエータ25の不具合などにより駆動不能に陥っても、キーブレードによる操作によって強制的にアンロック状態への移行を可能にするためである。
ダブルロック用アクチュエータ31は、例えば電磁ソレノイドからなり、キーブレードやドア室内トリムに設けたダブルロックスイッチの遠隔操作(セット・アンセット操作)が図示しない制御回路にて検出されることで駆動制御されるものである。このダブルロック用アクチュエータ31の出力軸31aは、前記第3レバー部30cに連結されている。ダブルロック用アクチュエータ31は、その駆動に伴い出力軸31aを引き込むことでアンセット位置からセット位置へと前記ダブルロックレバー30を回動させるとともに、出力軸31aを突出させることでセット位置からアンセット位置へと前記ダブルロックレバー30を回動させる。
なお、ダブルロック用アクチュエータ31の駆動が停止された状態では、その出力軸31aは出没自在となる。従って、この状態では、出力軸31aとの連結によってダブルロックレバー30の回動が規制されることはなく、例えばキーブレードの操作によるアクティブレバー23の回動が規制されることはない。
次に、ドアロック装置10の本発明に係る構成について、図5〜図7に従って更に詳述する。なお、図5〜図7では、便宜的に形状を模式的に示しているが、図3及び図4に示した部材と実質的に同一の機能を有するものは、同一の符号を付している。なお、図5は、図4と同様、ロック状態にあり、且つ、セット状態にある状態を示す。
図5に示すように、前記ダブルロックレバー30の第2レバー部30bは、前記第1レバー部30a等と一体化された第1作動レバー41と、該第1作動レバー41に支持された第2作動レバー42とを備えて構成される。
第1作動レバー41は、その先端部に紙面の直交方向に貫通する係合凹部43が形成されている。この係合凹部43は、円形の軸支孔43aと、該軸支孔43aからダブルロックレバー30の回動軸を中心とする径方向(第1作動レバー41の長手方向)外側に溝状に切り欠かれた係止部43bとを有して鍵穴状に成形されている。
第2作動レバー42は、前記アクティブレバー23側に屈曲された先端部42aを有してL字形状を呈しており、前記第1作動レバー41に臨む基端部42bには、紙面の直交方向に突設されて前記係合凹部43に挿入される長方形状の係合ピン44が形成されている。この係合ピン44の長手方向は、前記軸支孔43aの内径と同等の外径を有するようにその両端が曲成されており、短手方向の幅は、前記係止部43bの幅よりも若干小さく設定されている。なお、係合凹部43及び係合ピン44は、切替機構を構成する。
第2作動レバー42には、第1作動レバー41に一方の端部が係止された復帰機構としての復帰スプリング45の他方の端部が係止されており、該復帰スプリング45により係合ピン44がダブルロックレバー30の回動軸側となる軸支孔43aの内壁面に当接するように付勢されている。この復帰スプリング45は、軸支孔43aの中心よりも上側で、第1作動レバー41の長手方向に沿って配置されており、従って前記第2作動レバー42は、復帰スプリング45により図示反時計方向に回転する側にも付勢されている。
前記第1作動レバー41には、前記基端部42bの近傍に規制片46が形成されるとともに、前記第2作動レバー42には、前記係合ピン44(軸支孔43a)を中心とする回動軌跡上で前記規制片46に対向する突片47が形成されている。従って、前記第2作動レバー42は、前記復帰スプリング45に付勢されることで、係合ピン44が軸支孔43aの対応する内壁面に当接し、且つ、突片47が規制片46に当接して回り止めされる所定位置(以下、「初期位置」という)に保持される。図5に示すように、第2作動レバー42が初期位置にあるとき、第2作動レバー42は、前記係合ピン44(軸支孔43a)を中心に第1作動レバー41に相対回転可能に支持されている。
なお、第2作動レバー42が初期位置にあるとき、その基端部42bの長手方向が第1作動レバー41の長手方向に一致するように設定されており、これに合わせて、係合ピン44の長手方向が前記係止部43bの切り欠き方向と一致するように設定されている。このとき、前記アクティブレバー23の押圧片23eは、第2作動レバー42(先端部42a及び基端部42b)のなす角部の内側に配置されており、前記先端部42aには、その押圧片23e側で先端に向かって徐々に縮幅されるように制御機構としての傾斜面48が形成されている。
ここで、キーブレードによるキーシリンダ機構5の回動操作によりキーレバー22を介して前記アクティブレバー23を第2作動位置から第1作動位置へと回動させるべく図示反時計方向に回動させると、図5に2点鎖線にて併せ示すように、前記押圧片23eは、前記傾斜面48の基端側で先端部42aに当接して前記第2作動レバー42を押圧し始める。これにより、第2作動レバー42は、第1作動レバー41に案内されて、矢印A方向(図示右方向)に移動し始める。
そして、前記アクティブレバー23を図示反時計方向に更に回動させると、図5に破線にて併せ示すように、第2作動レバー42は、前記押圧片23eに押圧されて、矢印A方向に更に移動し、その係合ピン44を前記係止部43bに嵌合して係止する。このとき、第2作動レバー42は、第1作動レバー41に一体回転可能に支持される。また、前記押圧片23eは、前記傾斜面48に当接して前記第2作動レバー42を押圧する。
従って、前記アクティブレバー23を図示反時計方向に更に回動させると、前記押圧片23eに当接する傾斜面48に案内させる態様で、第2作動レバー42と一体の第1作動レバー41(即ちダブルロックレバー30)が図示時計方向に回動する。そして、図6に実線にて示すように、前記アクティブレバー23の第1作動位置への回動に伴い、ダブルロックレバー30が所定角度まで回動すると、該ダブルロックレバー30は、前記節度スプリング38に助勢されて、アンセット位置へと回動する。同時に、押圧片23eから解放された第2作動レバー42は、前記復帰スプリング45に付勢されて矢印B方向に移動し初期位置に復帰する。この状態は、図3と同様、アンロック状態にあり、且つ、アンセット状態にある状態に相当する。このとき、前記インサイドハンドル3及びアウトサイドハンドル4のいずれの開方向への操作であっても、車両ドア1の開操作が許容されることは既述のとおりである。キーシリンダ機構5の操作により、セット状態を解除するとともに、ロック状態を解除する一連の構造は、解除機構を構成する。
一方、図7に破線にて示すように、アンロック状態にあり、且つ、アンセット状態にある状態で、ダブルロックレバー30をアンセット位置からセット位置へと回動させるべく、前記ダブルロック用アクチュエータ31を駆動して図示反時計方向に回動させると、図7に2点鎖線にて併せ示すように、前記傾斜面48の先端側で第2作動レバー42の先端部42aが前記押圧片23eに当接し該押圧片23eに押圧され始める。このとき、第2作動レバー42は初期位置に保持されていることから、ダブルロック用アクチュエータ31の更なる駆動により、図7に実線にて併せ示すように、ダブルロックレバー30は、前記係合ピン44(軸支孔43a)を中心とする第2作動レバー42の図示時計方向への回動を許容しつつ、セット位置へと回動する。
このとき、アンロック状態にあるにも関わらず、前記インサイドハンドル3を開方向に操作しても、前述の態様でインサイドレバー27が回動するのみであり、車両ドア1の開操作が禁止されている。つまり、本実施形態では、アンロック状態、ロック状態に関わらず、ダブルロックレバー30(第1作動レバー41)をセット位置に配置することができ、前記インサイドハンドル3の操作による車両ドア1の開操作が禁止される状態(以下、「室内側ロック状態」という)を設定することができる。ダブルロック用アクチュエータ31の駆動により、室内側ロック状態を作り出す一連の構造は、第2ロック機構を構成する。
本実施形態では、アンロック状態において室内側ロック状態が設定される状態、即ち前記アウトサイドハンドル4の操作による車両ドア1の開操作が許容され、前記インサイドハンドル3の操作による車両ドア1の開操作が禁止される状態、いわゆるチャイルドプルーフ状態を設定することができる。
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、ロック状態(車両ドア1の施錠状態)において、第1作動レバー41により車両ドア1を室内側ロック状態へと移行させたとき、アクティブレバー23等を介してキーシリンダ機構5に連係された第2作動レバー42を第1作動レバー41に一体回転するように支持させることで、キーシリンダ機構5の操作に伴い、室内側ロック状態を解除するとともにアンロック状態(車両ドア1の解錠状態)にすることができる。
一方、アンロック状態において、アクティブレバー23等を介してキーシリンダ機構5に連係された第2作動レバー42を第1作動レバー41に相対回転するように支持させることで、アクティブレバー23(押圧片23e)に阻まれることなく第1作動レバー41により車両ドア1を室内側ロック状態へと移行させることができる。これにより、インサイドハンドル3の操作による車両ドア1の開操作のみが禁止された状態、即ちチャイルドプルーフ状態を設定することができる。
また、このように、ロック状態での室内側ロック状態を、室外側からのキーシリンダ機構5の操作により解除することができ、且つ、チャイルドプルーフ状態にすることができるため、本実施形態のドアロック装置10をフロント側及びリヤ側の車両ドア1に共用することができる。
(2)本実施形態では、係合凹部43及び係合ピン44により第1作動レバー41による第2作動レバー42の支持が一体回転可能に切り替えられ、その状態で、傾斜面48によりダブルロックレバー30による室内側ロック状態の解除が開始されることで、該解除をより確実に行うことができる。
(3)本実施形態では、切替機構を、係合凹部43及び係合ピン44からなる極めて簡易な構成にできる。
(4)本実施形態では、制御機構を、第2作動レバー42に設けられた傾斜面48として極めて簡易な構成にできる。
(5)本実施形態では、室内側ロック状態が解除された状態では、復帰スプリング45により第1作動レバー41による第2作動レバー42の支持が相対回転可能に復帰されることで、アクティブレバー23(押圧片23e)に阻まれることなく第1作動レバー41により車両ドア1を室内側ロック状態へとより確実に移行させることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・前記実施形態において、係合凹部43を第2作動レバー42に設けるとともに、係合ピン44を第1作動レバー41に設け、同様の切替機構を構成してもよい。
・前記実施形態において、ロック用アクチュエータ25、ダブルロック用アクチュエータ31は、回転駆動される電動モータであってもよい。この場合、回転運動を直線運動に変換する適宜の機構を設けて、それぞれに連結されるアクティブレバー23、ダブルロックレバー30を回動させればよい。
・前記実施形態においては、室内側からのインサイドハンドル3の操作により、ロック状態からアンロック状態に移行させたが、例えば従来のロックノブの操作によりアンロック状態に移行させてもよい。
1…車両ドア、2…ストライカ、3…インサイドハンドル(室内側操作部材)、4…アウトサイドハンドル、5…キーシリンダ機構(室外側操作部材)、22…キーレバー、23…アクティブレバー、24…パニックレバー、25…ロック用アクチュエータ、26…オープンリンク、27…インサイドレバー、28…インサイドオープンレバー、30…ダブルロックレバー、31…ダブルロック用アクチュエータ、36…係合溝、37…ダブルロックブッシュ、41…第1作動レバー、42…第2作動レバー、43…係合凹部、43a…軸支孔、43b…係止部、44…係合ピン、45…復帰スプリング(復帰機構)、48…傾斜面。