JP4957002B2 - 透明樹脂積層シート - Google Patents

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本発明は、自動車や建築物の窓材等に用いられる耐衝撃性、耐貫通性、防犯性等に優れ、しかも薄肉、軽量な透明樹脂積層シートに関する。
近年、自動車や建築物の窓材として、2枚のガラス板の間に有機樹脂膜(中間膜)を挟持させた構造の合わせガラスが使用されている。(例えば特許文献1参照。)この有機樹脂膜には、耐衝撃性に優れるポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリビニルブチラール(PVB)樹脂膜が用いられており、この有機樹脂膜の存在により、合わせガラスの耐貫通性等が高められている。しかしながら十分な耐貫通性を持たせるには厚みの厚い樹脂膜が必要となり、コストも高く、更にはガラスを用いているため、重くなってしまう等の問題を有していた。
また、自動車分野における窓材は、車両の軽量化を図ることにより、燃費を向上させることが可能なため、環境保護や省資源化への対応策として、窓材等の車両部材の軽量化が期待されている。軽量化の手段としては、車両窓材の樹脂化が挙げられる。しかし、樹脂化された窓材は、ガラスに比べて線膨張係数が大きいため、太陽光などにより熱が加わると比較的大きな形状変化を起こし、波打ちを起こし易くなり、外観的な不良となる等の問題を有していた。
そこで、光線透過率も高く、車両用窓材として充分な視界を確保することができる樹脂窓材の線膨張率を小さくする方法として、ポリカーボネート層と、ポリカーボネートより線膨張係数が小さい透明樹脂組成物をポリカーボネート層の両面に形成する透明樹脂成形体の技術が公知となっている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、特許文献2に開示されている技術においては、線膨張係数が大きいポリカーボネート層の熱膨張が、線膨張係数が比較的小さい透明樹脂層により抑制されているものの、未だ充分でなく改善の余地がある。
車両窓材として透明樹脂を用いる方法として、樹脂に補強材(ガラス繊維など)を充填することにより、樹脂製窓の熱膨張を抑制する(線膨張係数を小さくする)技術が公知となっている。しかし、この技術では、樹脂製窓に補強材が混入することにより、光線透過率が低下してしまう。そのため、充分な視界を確保することが困難となり、例えば車両用ウィンドに適用するには問題がある。
そこで、光線透過率の低下を抑制しつつ、線膨張係数を小さくする方法として、樹脂製窓を構成する樹脂材料とほぼ同じ屈折率のガラス繊維を充填する技術が公知となっている(例えば、特許文献3参照)。特許文献2に開示されている技術のように、ガラス繊維の径や長さ及びその添加量により基板の線膨張率を調整する方法においては、線膨張係数を小さくするためにガラス繊維の充填量を増加する必要がある。しかしながら、ガラス繊維の添加量を増加にさせることにより樹脂の柔軟性が低下し、充分な耐衝撃性の効果が得られない等の問題が生じる。逆に、樹脂耐衝撃性の効果を維持するために、ガラス繊維の充填量を減少すると、充分に線膨張係数を小さくすることができない。また、樹脂材料とほぼ同じ屈折率のガラス繊維を用いることにより、光線透過率の低下の抑制を図っているが、未だ充分でなく改善の余地がある。
特開2002−321948号公報 特開2005−22344号公報 特開昭62−251227号公報
本発明の目的は、上記の自動車や建築物などに用いる透明樹脂窓材の問題点を解消し、軽量で、かつ耐衝撃性、耐貫通性に優れる透明樹脂積層シートを提供することである。
すなわち本発明は、
(1)樹脂および繊維状フィラーを含む複合基材層の片面に透明樹脂層が形成されている透明樹脂積層シート、
(2)前記複合基材層の全光線透過率が70%以上で波長550nmにおける光線透過率が80%以上である(1)の透明樹脂積層シート、
(3)前記複合基材層に用いられる樹脂の硬化後の屈折率と前記繊維状フィラーの屈折率との差が0.01以下である(1)又は(2)の透明樹脂積層シート、
(4)前記繊維状フィラーの屈折率が1.45〜1.55である(1)〜(3)の透明樹脂積層シート、
(5)前記複合基材層に用いられる繊維状フィラーがガラスクロスである(1)〜(4)の透明樹脂積層シート、
(6)前記複合基材層に用いられる繊維状フィラーがガラスペーパー(不織布)である(1)〜(4)の透明樹脂積層シート、
(7)前記複合基材層に用いられる樹脂が熱硬化性樹脂である(1)〜(6)の透明樹脂積層シート、
(8)前記複合基材層に用いられる樹脂が活性エネルギー線硬化性樹脂である(1)〜(6)の透明樹脂積層シート、
(9)前記複合基材層に用いられる樹脂がエポキシ樹脂組成物の硬化物である(1)〜(8)の透明樹脂積層シート、
(10)前記複合基材層に用いられる樹脂が(メタ)アクリレート樹脂組成物の硬化物である(1)〜(8)の透明樹脂積層シート、
(11)前記透明樹脂積層シートの少なくとも一方の面に、更に厚みが1〜10μmの樹脂層が形成されている(1)〜(10)の透明樹脂積層シート、
(12)前記樹脂層が、金属添加酸化金属粒子または酸化金属粒子を含有している(11)の透明樹脂積層シート、
である。
本発明にかかる繊維布/樹脂からなる複合基材と透明樹脂を積層した透明樹脂積層シートを用いた場合、耐衝撃性、耐貫通性、防犯性に優れる軽量な窓材を提供できることが可能である。
本発明において、繊維状フィラーとしては、ガラスクロス、ガラスペーパー(不織布)等のガラス繊維基材が好ましいが、この他、合成繊維等からなる織布や不織布、金属繊維、カーボン繊維、鉱物繊維等からなる織布、不織布、マット類等が挙げることができる。
繊維状フィラーとしては特に限定されるものではないが、特に透明性が重視されるような用途に用いる場合には繊維状フィラーの形状によって、以下のような制限が必要である。何故ならば繊維状フィラーと樹脂との界面において散乱を生じた場合、ヘイズが大きくなり透明性が低下するからである。例えば繊維の屈折率に関して言えば、繊維の屈折率は、直径が200nm以下であれば繊維状フィラーとマトリックス樹脂との界面における散乱が小さいので特に限定されない。しかし繊維状フィラーの直径が200nmを超える場合は材料間の屈折率差が原因で生じる繊維と樹脂との界面における散乱を抑制するため、繊維の屈折率としては1.45〜1.55が好ましく、より好ましくは1.50〜1.54である。特に繊維の屈折率が1.50〜1.54である場合は、繊維材料のアッベ数に近い樹脂が選択でき好ましい。また樹脂のアッベ数と繊維材料のアッベ数が近いほど可視光の広い波長領域で屈折率が一致し、広範囲で高い光線透過率が得られる。繊維状フィラーの屈折率が1.55以上では、同じ屈折率でアッベ数が45以上の樹脂を選択するのが困難であり、1.45未満では特殊な組成の繊維材料となり、コスト的に不利である。特に、1.50〜1.54の範囲であれば、SガラスやNEガラスなどの一般的なガラス繊維が適用でき、かつ同じ屈折率でアッベ数が45以上の樹脂の選択も可能である。
ガラスクロスやガラスペーパーに用いられるガラスの種類としては、Eガラス、Cガラス、Aガラス、Sガラス、Dガラス、NEガラス、Tガラス、石英ガラス低誘電率ガラス、高誘電率ガラスなどが上げられ、中でもアッベ数が45以上の樹脂と屈折率を一致させることができ、アルカリ金属などのイオン性不純物が少なく入手の容易なSガラス、Tガラス、NEガラスが好ましい。
またガラスクロスやガラスペーパーを用いる場合、フィラメントの織り方に限定はなく、平織り、ななこ織り、朱子織り、綾織りなどが適用でき、中でも平織りが好ましい。ガラスクロスの厚みは、通常、30〜200μmであるのが好ましく、より好ましくは40〜150μmである。ガラスクロスやガラス不織布などのガラス繊維布は1枚だけでもよく、複数枚を重ねて用いてもよい。
本発明に用いられる繊維布は、樹脂成分との濡れ性を改善する目的で各種のシランカップリング剤、ボランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等の表面処理剤で処理されても良く、これに限定されるものではない。
本発明に用いられる繊維状フィラーを含む複合基材中の樹脂としては特に限定されるものではなく、可塑性樹脂や硬化性樹脂等の高分子材料が挙げられる。可塑性樹脂としては環状シクロオレフィン系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂などが挙げられる。硬化性樹脂としてはエポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、オキセタン樹脂などが挙げられる。特に、透明性を有する繊維状フィラーに屈折率が近い硬化性樹脂が好ましくエポキシ樹脂、(メタ)アクリレート樹脂を主成分とした樹脂組成物を挙げることができるが、必要に応じて他の樹脂とこれらを混合しても構わない。また硬化剤、硬化促進剤を配合することができる。さらに樹脂中に充填材、着色剤、補強材を配合することができる。
無機充填材としては、ガラスビーズ、ガラスフレーク、ガラスパウダー、ミルドガラス、ガラスフリット、シリカ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、タルク、ウォラストナイト、アルミナ、未焼成クレー、焼成クレー、硫酸バリウム、錫添加酸化インジウム粒子、アンチモン添加酸化錫粒子、酸化インジウム粒子、酸化錫粒子等を挙げることができる。前記繊維布へ樹脂を含浸させるときの樹脂の形態としては、通常液状、とりわけ溶剤に溶解したワニスであるが、粉末状の樹脂、あるいは固形樹脂を加熱溶融した状態であってもよい。
複合基材層における繊維布の含有量は、1〜90重量%、好ましくは10〜80重量%、より好ましくは20〜70重量%である。繊維布の含有量が下限値未満では、複合化による強度向上効果が認められず、上限値を超えると成形が困難となる。
複合基材層に用いられる樹脂の硬化後の屈折率と繊維布の屈折率との差は、優れた透明性を実現するため0.01以下であることが好ましく、0.005以下がより好ましい。屈折率差が上限値を超えると、得られる複合基材の透明性が劣る傾向がある。
複合基材層の全光線透過率は70%以上が好ましい。70%未満であると着色が認められる傾向にあり、優れた透明性が求められる場合には好ましくない。特に波長550nmにおける光線透過率が80%以上であることが好ましい。
また、複合基材層の厚みについては特に限定はないが、20〜1000μmが好ましい。下限値未満では透明樹脂に積層したときに十分に強度が発揮できないことがある。また上限値を超えると透明樹脂と積層したときの透明性が劣る傾向がある。
本発明において複合基材と積層する透明樹脂層に使用する樹脂は特に限定されないが、環状シクロオレフィン系樹脂、ノルボルネン樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルサルホン、ポリアリレート、ポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂などが挙げられ、複合基材層と積層する際に用いる時の厚みに成形した透明樹脂層の全光線透過率が80%以上であることが好ましい。80%未満であると、得られる透明樹脂積層シートの透過率が低下する傾向があるため好ましくない。また、透明樹脂層の厚みは、複合基材層と積層した透明樹脂積層シート全体の厚みの10〜90%であることが好ましく、20〜80%であることがより好ましい。透明樹脂層の厚みが下限値未満では、複合基材層の繊維布の含有量にも影響を受けるが、透明樹脂積層シートの単位体積あたりの重量が増えるため、透明樹脂積層シートの軽量化が得られない場合がある。透明樹脂層の厚みが上限値を越える場合は、複合基材層による透明樹脂積層シート全体の熱膨張率低減効果を十分に得られず、透明樹脂積層シートの熱歪みを抑えることが困難になる可能性がある。
本発明の透明樹脂積層シートの表面に耐擦傷性や防汚性等の機能性を付与するために、透明樹脂積層シートの少なくとも一方の面に、更に樹脂層を形成しても良い。
また、この樹脂層は、耐擦傷性や防汚性を付与したい少なくとも一方の面に形成することで、十分な効果が得られる。例えば、透明樹脂積層シートを車両用窓材として適用した場合は、透明樹脂積層シートの車両外側に面する表面に耐擦傷性を有する樹脂層を形成することができる。
樹脂層としては、活性エネルギー線硬化樹脂層が好ましく、活性エネルギー線硬化樹脂層を構成する材料としては、特に限定されないが、アクリル系、ポリエステル系、ウレタン系、メラミン系、エポキシ系、有機シリケート系の樹脂や、含ケイ素化合物と含フッ素化合物との共重合体樹脂等が挙げられる。中でも、硬化性、耐擦傷性、表面硬度、可撓性および耐久性などの点でアクリル系、エポキシ系の硬化樹脂が好ましい。樹脂層の厚さとしては、1〜10μm、好ましくは1.5〜5μmの範囲である。樹脂層の厚みが下限値未満の場合には、表面硬度の低下や樹脂層に当たる反射光の干渉色ムラが見られることがあり、上限値を超える場合には、樹脂層の硬化収縮が大きく、透明樹脂積層シートへの密着性が劣ること傾向が見られる。
本発明の透明樹脂シートを透過する熱線をカットするために、樹脂層には金属添加酸化金属粒子または酸化金属粒子を添加することが好ましい。
金属添加酸化金属粒子または酸化金属粒子としては、錫添加酸化インジウム粒子、アンチモン添加酸化錫粒子、酸化インジウム粒子、酸化錫粒子が好ましく、中でも錫添加酸化インジウム粒子は透明性、熱線カット性の点で特に好ましい。これらの粒子の形状は塊状、球状、針状等でよい。本発明において用いる金属添加酸化金属粒子および酸化金属粒子の平均粒径は、200nm以下、さらに好ましくは100nm以下である。平均粒径が上限値を超える場合には、可視光線に対する透明性が低下する傾向がある。
本発明における樹脂および繊維状フィラーからなる複合基材層の片面に透明樹脂層が構成されている透明樹脂積層シートの成形方法には制限がなく、例えば、樹脂として樹脂溶液を用いる場合には、樹脂溶液中に繊維布を浸漬させ、繊維布中に樹脂溶液を含浸させた後に溶剤を揮発させたものを透明樹脂層と積層し、加熱・加圧あるいは活性エネルギー線を照射することにより硬化させる方法や、樹脂として無溶剤の溶液を用いる場合には、必要により加熱し液状化させた樹脂中に繊維布を浸漬させ、繊維布中に樹脂溶液を含浸させたものを透明樹脂層に積層し、加熱・加圧あるいは活性エネルギー線を照射することにより硬化させる方法、また、あらかじめ複合基材を作製した後に、接着剤または粘着剤などで透明樹脂層と積層する方法などが挙げられる。加熱・加圧あるいは活性エネルギー線を照射し樹脂を硬化させるときに真空雰囲気中で行うと、気泡の混入もなく好ましい。使用する活性エネルギー線としては、紫外線が好ましい。紫外線の光源としては、例えば、メタルハライドタイプ、高圧水銀灯ランプ等が挙げられる。
透明樹脂積層シートに更に樹脂層を形成する方法は、透明樹脂積層シートに直接塗布、硬化させる方法、または透明樹脂または複合基材にあらかじめ塗布、硬化させる方法があるが、この積層方法に何ら限定されるものではない。本発明において樹脂層を塗布する方法としては、バーコート法、リバースロールコート法、グラビアロールコート法、ロッドコート法、エアーナイフコート法、フレキソ法等の方法により塗布することができる。
以下、実施例を示して本発明をさらに説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1)
厚み80μmのNEガラス系ガラスクロス(日東紡製NEA−2319E、屈折率1.510)を焼きだしして有機物を除去した後、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(エポキシシラン)で処理した。このクロスにトリグリシジルイソシアヌレート(日産化学工業製TEPIC)100重量部、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(新日本理化製リカシッドMH−700)147重量部、テトラフェニルホスホニウムブロマイド(北興化学工業製TPP−PB)2重量部を110℃で溶融混合したエポキシ系樹脂組成物(硬化後の屈折率1.513)を含浸し、脱泡した。この樹脂を含浸したクロス1枚を、厚み300μmのポリカーボネートシートと離形剤処理したステンレス基板との間に挟み込み、オーブン中で100℃×2時間+120℃×2時間+150℃×5時間加熱した後に、ステンレス基板を取り除いて厚みが400μmの透明樹脂積層シートを得た。
(実施例2)
厚み100μmのSガラス系ガラスクロス(ユニチカクロス製#2117、屈折率1.530)を焼きだしして有機物を除去した後、アクリロイロキシプロピルトリエトキシシラン(アクリルシラン)で処理した。このクロスにジシクロペンタジエニルジアクリレート(東亞合成(株)製M−203、硬化後の屈折率1.527)92重量部、ビス[4−(アクリロイロキシエトキシ)フェニル]スルフィド(東亞合成(株)試作品TO−2066、架橋後の屈折率1.606)8重量部、及び光重合開始剤0.5重量部からなるアクリレート系樹脂組成物(硬化後の屈折率1.533)を含浸、脱泡した。この樹脂を含浸したクロス1枚を、厚み300μmポリエーテルサルホンシートと離形剤処理したステンレス基板との間に挟み込み、ポリエーテルサルホンシートから2000mJ/cmのUV光を照射して硬化させた。さらに真空オーブン中で、200℃で6時間加熱した後に、ステンレス基板を取り除いて厚みが410μmの透明樹脂積層シートを得た。
(実施例3)
厚み100μmのSガラス系ガラスクロス(ユニチカクロス製#2117、屈折率1.530)を焼きだしし、有機物を除去した後、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(エポキシシラン)で処理した。このガラスクロスに、水添ビフェニル型脂環式エポキシ樹脂(ダイセル化学工業製E−BP)94重量部、オキセタニル基を有するシルキセスキオキサン(東亞合成製OX−SQ)4重量部、芳香族スルホニウム系熱カチオン触媒(三新化学製SI−100L)1重量部を溶融混合した樹脂組成物(硬化後の屈折率1.530)を含浸し、脱泡した。このガラスクロスを離型処理したガラス板に挟み込んで、オーブン中、80℃にて2時間加熱後、さらに200℃にて2時間加熱して、厚み100μmのシート状の複合基材を得た。つぎに水添ビフェニル型脂環式エポキシを80重量部、オキセタニル基を有するシルセスキオキサンを17重量部、光カチオン開始剤3重量部を均一に混合させ、複合基材の片面にワイヤーバーで5μmの厚みの接着層を塗布した後、厚み300μmのポリエーテルサルホンフィルムをラミネートし、高圧水銀灯にて1100mJ/cmの紫外線を照射し、さらに200℃で6時間加熱することで、厚さが405μmの透明樹脂積層シートを得た。
(比較例1)
実施例1で用いたものと同様の400μm厚みのポリカーボネートシートのみを使用した。
(比較例2)
400μm厚みのフロートガラスのみを使用した。
(比較例3)
実施例1と同様に作製した樹脂を含浸したクロス1枚を、300μmフロートガラスと離形剤処理したステンレス基板との間に挟み込み、オーブン中で100℃×2時間+120℃×2時間+150℃×5時間加熱した後に、ステンレス基板を取り除いて厚み400μmの透明樹脂積層ガラスを得た。
以上のようにして作製した透明樹脂積層シートについて、下記に示す評価方法により、各種特性を測定した。結果を表1に示す。
a)光線透過率
分光光度計U3200(日立製作所製)で550nmの光線透過率を測定した。
b)屈折率
アタゴ社製アッベ屈折率計DR−M2を用いて、波長589nmの屈折率を測定した。
c)重さ
得られた透明樹脂積層シートを300mm×300mmに切り出し、重さを量った。
d)打ち破り性
得られた透明樹脂積層シートを金属枠に固定し、ドライバーによる貫通性の容易さを評価した。
e)耐熱性
金属枠に固定した透明樹脂積層シートを100℃の乾燥機内に設置し、シートの熱風加熱によるうねりを観察した。
Figure 0004957002
実施例で得られた透明樹脂積層シートは、複合基材と透明樹脂で構成されているためガラスに比べ軽量であり、透明性を損なわずに樹脂窓材の課題であった熱歪みを大幅に抑制することができ、更にガラスの課題であった耐貫通性を大幅に向上した、優れたシートであった。

Claims (10)

  1. 樹脂および繊維状フィラーを含む複合基材層(A)の片面に透明樹脂層(B)が形成され透明樹脂積層シートの少なくとも一方の面に、更に厚みが1〜10μmの樹脂層(C)が形成されてなる透明樹脂積層シートであって、
    前記樹脂層(C)が金属添加酸化金属粒子または酸化金属粒子を含有している透明樹脂積層シート
  2. 前記複合基材層(A)の全光線透過率が70%以上で波長550nmにおける光線透過率が80%以上である請求項1記載の透明樹脂積層シート。
  3. 前記複合基材層(A)に用いられる樹脂の硬化後の屈折率と前記繊維状フィラーの屈折率との差が0.01以下である請求項1又は2記載の透明樹脂積層シート。
  4. 前記繊維状フィラーの屈折率が1.45〜1.55である請求項1〜3何れか一項記載の透明樹脂積層シート。
  5. 前記複合基材層(A)に用いられる繊維状フィラーがガラスクロスである請求項1〜4何れか一項記載の透明樹脂積層シート。
  6. 前記複合基材層(A)に用いられる繊維状フィラーがガラスペーパー(不織布)である請求項1〜4何れか一項記載の透明樹脂積層シート。
  7. 前記複合基材層(A)に用いられる樹脂が熱硬化性樹脂である請求項1〜6何れか一項記載の透明樹脂積層シート。
  8. 前記複合基材層(A)に用いられる樹脂が活性エネルギー線硬化性樹脂である請求項1〜6何れか一項記載の透明樹脂積層シート。
  9. 前記複合基材層(A)に用いられる樹脂がエポキシ樹脂組成物の硬化物である請求項1〜8何れか一項記載の透明樹脂積層シート。
  10. 前記複合基材層(A)に用いられる樹脂が(メタ)アクリレート樹脂組成物の硬化物である請求項1〜8何れか一項記載の透明樹脂積層シート。
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