JP4957003B2 - 透明樹脂積層シート - Google Patents
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Description
(1)透明樹脂層の両面に、樹脂および繊維状フィラーを含む複合基材層が形成されている透明樹脂積層シート、
(2)前記複合基材層の全光線透過率が70%以上で波長550nmにおける光線透過率が80%以上である(1)の透明樹脂積層シート、
(3)前記複合基材層に用いられる樹脂の硬化後の屈折率と前記繊維状フィラーの屈折率との差が0.01以下である(1)又は(2)の透明樹脂積層シート、
(4)前記繊維状フィラーの屈折率が1.45〜1.55である(1)〜(3)の透明樹脂積層シート、
(5)前記複合基材層に用いられる繊維状フィラーがガラスクロスである(1)〜(4)の透明樹脂積層シート、
(6)前記複合基材層に用いられる繊維状フィラーがガラスペーパー(不織布)である(1)〜(4)の透明樹脂積層シート、
(7)前記複合基材層に用いられる樹脂が熱硬化性樹脂である(1)〜(6)の透明樹脂積層シート、
(8)前記複合基材層に用いられる樹脂が活性エネルギー線硬化性樹脂である(1)〜(6)の透明樹脂積層シート、
(9)前記複合基材層に用いられる樹脂がエポキシ樹脂組成物の硬化物である(1)〜(8)の透明樹脂積層シート、
(10)前記複合基材層に用いられる樹脂が(メタ)アクリレート樹脂組成物の硬化物である(1)〜(8)の透明樹脂積層シート、
(11)前記透明樹脂積層シートの少なくとも一方の面に、更に厚みが1〜10μmの樹脂層が形成されている(1)〜(10)の透明樹脂積層シート、
(12)前記樹脂層が、金属添加酸化金属粒子または酸化金属粒子を含有している(11)の透明樹脂積層シート、
である。
無機充填材としては、ガラスビーズ、ガラスフレーク、ガラスパウダー、ミルドガラス、ガラスフリット、シリカ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、タルク、ウォラストナイト、アルミナ、未焼成クレー、焼成クレー、硫酸バリウム、錫添加酸化インジウム粒子、アンチモン添加酸化錫粒子、酸化インジウム粒子、酸化錫粒子等を挙げることができる。前記繊維布へ樹脂を含浸させるときの樹脂の形態としては、通常液状、とりわけ溶剤に溶解したワニスであるが、粉末状の樹脂、あるいは固形樹脂を加熱溶融した状態であってもよい。
複合基材層における繊維布の含有量は、1〜90重量%、好ましくは10〜80重量%、より好ましくは20〜70重量%である。繊維布の含有量が下限値未満では、複合化による強度向上効果が認められず、上限値を超えると成形が困難となる。
複合基材層の全光線透過率は70%以上が好ましい。70%未満であると着色が認められる傾向にあり、優れた透明性が求められる場合には好ましくない。特に波長550nmにおける光線透過率が80%以上であることが好ましい。
また、複合基材層の厚みについては特に限定はないが、20〜1000μmが好ましい。下限値未満では透明樹脂に積層したときに十分に強度が発揮できないことがある。また上限値を超えると透明樹脂と積層したときの透明性が劣る傾向がある。また、透明樹脂層の両側に積層する時の複合基材層の厚みについては、加熱環境下で透明樹脂積層シートに生じる熱応力等を考慮すると、対称な層構成が得られるように複合基材層の厚みが等しいことが好ましいが、透明樹脂積層シートの使用する環境等から両側の複合基材層の厚みを最適化することが好ましく、その結果、透明樹脂層の両側に積層する複合基材層の厚みが異なっていてもかまわない。
また、この樹脂層は、耐擦傷性や防汚性を付与したい少なくとも一方の面に形成することで、十分な効果が得られる。例えば、透明樹脂積層シートを車両用窓材として適用した場合は、透明樹脂積層シートの車両外側に面する表面に耐擦傷性を有する樹脂層を形成することができる。
樹脂層としては、活性エネルギー線硬化樹脂層が好ましく、活性エネルギー線硬化樹脂層を構成する材料としては、特に限定されないが、アクリル系、ポリエステル系、ウレタン系、メラミン系、エポキシ系、有機シリケート系の樹脂や、含ケイ素化合物と含フッ素化合物との共重合体樹脂等が挙げられる。中でも、硬化性、耐擦傷性、表面硬度、可撓性および耐久性などの点でアクリル系、エポキシ系の硬化樹脂が好ましい。樹脂層の厚さとしては、1〜10μm、好ましくは1.5〜5μmの範囲である。樹脂層の厚みが下限値未満の場合には、表面硬度の低下や樹脂層に当たる反射光の干渉色ムラが見られることがあり、上限値を超える場合には、樹脂層の硬化収縮が大きく、透明樹脂積層シートへの密着性が劣ること傾向が見られる。
金属添加酸化金属粒子または酸化金属粒子としては、錫添加酸化インジウム粒子、アンチモン添加酸化錫粒子、酸化インジウム粒子、酸化錫粒子が好ましく、中でも錫添加酸化インジウム粒子は透明性、熱線カット性の点で特に好ましい。これらの粒子の形状は塊状、球状、針状等でよい。本発明において用いる金属添加酸化金属粒子および酸化金属粒子の平均粒径は、200nm以下、さらに好ましくは100nm以下である。平均粒径が上限値を超える場合には、可視光線に対する透明性が低下する傾向がある。
厚み80μmのNEガラス系ガラスクロス(日東紡製NEA−2319E、屈折率1.510)を焼きだしして有機物を除去した後、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(エポキシシラン)で処理した。このクロスにトリグリシジルイソシアヌレート(日産化学工業製TEPIC)100重量部、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(新日本理化製リカシッドMH−700)147重量部、テトラフェニルホスホニウムブロマイド(北興化学工業製TPP−PB)2重量部を110℃で溶融混合したエポキシ系樹脂組成物(硬化後の屈折率1.513)を含浸し、脱泡した。この樹脂を含浸したクロス2枚を、厚み200μmポリカーボネートシートを挟み込む構成で積層した後に、離形剤処理したガラス基板の間に挟み込み、オーブン中で100℃×2時間+120℃×2時間+150℃×5時間加熱した後に、ガラス基板を取り除いて厚みが400μmの透明樹脂積層シートを得た。
厚み100μmのSガラス系ガラスクロス(ユニチカクロス製#2117、屈折率1.530)を焼きだしし、有機物を除去した後、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(エポキシシラン)で処理した。このガラスクロスに、水添ビフェニル型脂環式エポキシ樹脂(ダイセル化学工業製E−BP)94重量部、オキセタニル基を有するシルキセスキオキサン(東亞合成製OX−SQ)4重量部、芳香族スルホニウム系熱カチオン触媒(三新化学製SI−100L)1重量部を溶融混合した樹脂組成物(硬化後の屈折率1.530)を含浸し、脱泡した。このガラスクロスを離型処理したガラス板に挟み込んで、オーブン中、80℃にて2時間加熱後、さらに200℃にて2時間加熱する方法により、厚み100μmのシート状の複合基材を2枚作製した。つぎに、厚み200μmのポリビニルビチラールシートの両側を作製した複合基材で挟み込み、減圧下で加圧加熱することにより、厚みが400μmの透明樹脂積層シートを得た。
実施例1で用いたものと同様の400μm厚みのポリカーボネートシートのみを使用した。
(比較例2)
400μm厚みのフロートガラスのみを使用した。
a)光線透過率
分光光度計U3200(日立製作所製)で550nmの光線透過率を測定した。
b)屈折率
アタゴ社製アッベ屈折率計DR−M2を用いて、波長589nmの屈折率を測定した。
c)重さ
得られた透明樹脂積層シートを300mm×300mmに切り出し、重量を量った。
d)打ち破り性
得られた透明樹脂積層シートを金属枠に固定し、ドライバーによる貫通性の容易さを評価した。
e)耐熱性
金属枠に固定した透明樹脂積層シートを100℃の乾燥機内に設置し、シートの熱風加熱によるうねりを観察した。
Claims (10)
- 透明樹脂層(A)の両面に、樹脂および繊維状フィラーを含む複合基材層(B)が形成された透明樹脂積層シートの少なくとも一方の面に、更に厚みが1〜10μmの樹脂層(C)が形成されている透明樹脂積層シートであって、
前記樹脂層(C)が、金属添加酸化金属粒子または酸化金属粒子を含有している透明樹脂積層シート。 - 前記複合基材層(B)の全光線透過率が70%以上で波長550nmにおける光線透過率が80%以上である請求項1記載の透明樹脂積層シート。
- 前記複合基材層(B)に用いられる樹脂の硬化後の屈折率と前記繊維状フィラーの屈折率との差が0.01以下である請求項1又は2記載の透明樹脂積層シート。
- 前記繊維状フィラー繊維布の屈折率が1.45〜1.55である請求項1〜3何れか一項記載の透明樹脂積層シート。
- 前記複合基材層(B)に用いられる繊維状フィラーがガラスクロスである請求項1〜4何れか一項記載の透明樹脂積層シート。
- 前記複合基材層(B)に用いられる繊維状フィラーがガラスペーパー(不織布)である請求項1〜4何れか一項記載の透明樹脂積層シート。
- 前記複合基材層(B)に用いられる樹脂が熱硬化性樹脂である請求項1〜6何れか一項記載の透明樹脂積層シート。
- 前記複合基材層(B)に用いられる樹脂が活性エネルギー線硬化性樹脂である請求項1〜6何れか一項記載の透明樹脂積層シート。
- 前記複合基材層(B)に用いられる樹脂がエポキシ樹脂組成物の硬化物である請求項1〜8何れか一項記載の透明樹脂積層シート。
- 前記複合基材層(B)に用いられる樹脂が(メタ)アクリレート樹脂組成物の硬化物である請求項1〜8何れか一項記載の透明樹脂積層シート。
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