JP4954907B2 - ゼリー入り飲料 - Google Patents
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Description
1.香味成分を含有するゼリーを含む飲料であって、前記香味成分を含有するゼリーが耐水性コーティング材料で被覆されていることを特徴とする飲料、
2.前記香味成分が65℃以下の融点を有する物質である、前記1に記載の飲料、
3.前記香味成分がメントールである、前記1に記載の飲料、
4.前記耐水性コーティング材料がツェインである、前記1に記載の飲料、
5.前記飲料が非炭酸性である、前記1に記載の飲料、
6.香味成分を含有するゼリーを耐水性コーティング材料で被覆する工程、及び
耐水性コーティング材料で被覆された、香味成分を含有するゼリー、と液体部とを混合する工程、
を含む、飲料の製造方法、
7.前記混合する工程の後に、耐水性コーティング材料で被覆された、香味成分を含有するゼリーと液体部との混合物を加熱処理する工程を含む、前記6に記載の製造方法、
8.前記香味成分がメントールである、前記6に記載の製造方法、
9.前記耐水性コーティング材料がツェインである、前記6に記載の製造方法、
10.耐水性コーティング材料で被覆された、香味成分を含有するゼリー、
11.前記耐水性コーティング材料がツェインである、前記10に記載のゼリー、
12.前記香味成分がメントールである、前記10に記載のゼリー。
また、本発明により、飲料を飲むと同時に、咀嚼することによりゼリー中に封入された香味成分の味を楽しむことができる飲料、特に加熱処理後においても飲料を飲むと同時に、咀嚼することによりゼリー中に封入された香味成分の味を楽しむことができる飲料、を提供することができる。
まず、香味成分及びゼリー原料から、香味成分を含有するゼリーを製造する。
香味成分としては、香味成分含有被覆ゼリーを咀嚼した際に香味を感じさせることのできる物質であれば特に制限はない。刺激味、甘味、酸味、辛味、渋味、旨味及び苦味等を感じさせることのできる物質であることが好ましい。また、香り成分のみによって、間接的に香味を感じさせるものであっても良い。本発明の飲料においては、液体部が有する香味と異なった香味を感じさせることのできる物質を香味成分として使用することが好ましい。香味成分は一種を使用することができ、また、二種以上を組み合わせて用いることもできる。
香味成分の具体例としては、例えば、糖類、糖質及びアミノ酸系等の甘味成分、リンゴ酸及びアスコルビン酸をはじめとする酸味料等の酸味成分、カフェイン及びカテキンをはじめとする苦味料等の苦味成分、カプサイシン等の辛味成分、グルタミン酸をはじめとするアミノ酸系の旨味成分、メントール等のミント系や柑橘系をはじめとする各種食品用香料、スパイス類をはじめとする香辛料等の刺激味成分、をあげることができる。なお、メントールのように、立体異性体が存在するものについては、本発明では、異性体の一種(例えば、l−メントール)または異性体の混合物として用いることもできる。
まず、増粘多糖類及び香味成分、並びに任意に使用できるその他の成分、を水に添加、混合することによって、香味成分含有溶液を調製する。香味成分含有溶液の調製において、増粘多糖類及び香味成分、並びにその他の成分を添加する順序に特に制限はない。香味成分を添加した後で増粘多糖類及びその他の成分を添加することができる。また、水に増粘多糖類及びその他の成分を添加した後で香味成分を添加してもよい。
また、香味成分含有溶液は、香味成分を乳化剤(例えば、ポリグリセリン脂肪酸エステル等)と混合して香味成分含有乳化剤溶液を調製した後、その香味成分含有乳化剤溶液及び増粘多糖類、並びに任意に使用できるその他の成分、を水に添加、混合することによって調製することもできる。
耐水性コーティング材料は、液体部として使用される水、茶飲料、コーヒー飲料、非炭酸飲料、炭酸飲料、アルコール性飲料及び乳飲料等に対して難溶性の材料であれば、特に制限はない。また、上述のように、飲料の形態によっては、食品衛生法上、殺菌のための加熱処理が必要となる。そのため、そのような殺菌処理が必要となる飲料の場合には、耐水性コーティング材料は、殺菌条件の温度に耐える材料であることが好ましい。
耐水性コーティング材料による被覆は、例えば、耐水性コーティング材料を媒体(水、エタノール、及び水とエタノールの混合物等)に溶解してコーティング溶液を調製し、香味成分を含有するゼリーにその溶液を噴霧した後、乾燥することによって、行なうことができる。
耐水性コーティング材料による香味成分を含有するゼリーの被覆の程度は、香味成分の溶出を抑えることができる限りにおいて特に制限はない。
1.飲料の製造
実施例1
(1)メントール含有ゼリー
香味成分としてl−メントール、ゼリー原料としてアルギン酸ナトリウムを用いて、メントール含有ゼリーを製造した。
(2)メントール含有被覆ゼリー
耐水性コーティング材料としてツェインを用いて、メントール含有ゼリーの被覆を行なった。
(3)メントール含有被覆ゼリーを含む飲料
容量120mlのガラス瓶にメントール含有被覆ゼリー10g及び水90gを加え、メントール含有被覆ゼリーを含む飲料を調製した。
(1)メントール含有ゼリー
香味成分としてl−メントール、ゼリー原料としてアルギン酸ナトリウムを用いて、メントール含有ゼリーを製造した。
(2)メントール含有被覆ゼリー
実施例1の(2)と同様にしてメントール含有ゼリーの被覆を行なった。
(3)メントール含有被覆ゼリーを含む飲料
実施例1の(3)と同様にして、メントール含有被覆ゼリーを含む飲料を調製した。
(1)メントール含有ゼリー及びメントール含有ゼリーを含む飲料
実施例1の(1)と同様にしてメントール含有ゼリーを製造した(直径が3〜5mmの略球状)。そして、その被覆していないメントール含有ゼリー10g及び水90gを容量120mlのガラス瓶に加え、飲料を調製した。
2.メントールの分析及び官能評価
(1)加熱処理前のゼリー中メントール量の測定
実施例1及び実施例2で製造したメントール含有被覆ゼリー、並びに比較例1で製造したメントール含有ゼリーの各10gを、それぞれ90gの水に加えた。そして各々、ホモジナイザーを用いて、ゼリー形状がなくなるまでホモジナイズし、ゼリー中のメントールが総て水中に溶出した状態とした。そして、水中に含まれるメントールの量を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって測定した。そして、その値より、各ゼリー中のメントールの含有量を求めたところ、各々、実施例1:60.0mg、実施例2:9.9mg及び比較例1:35.0mgであった。
(2)加熱処理後のゼリー中メントール量の測定
実施例1、実施例2及び比較例1の飲料入りのガラス瓶に栓をした後、それぞれ、65℃で10分間加熱した。室温に冷却し、飲料からゼリーを取り除いた後、液体部に含まれているメントールをHPLCによって測定したところ、それぞれ実施例1:10.8mg、実施例2:3.6mg及び比較例1:30.6mgであった。そして、その値より、各ゼリー中のメントールの含有量を求めたところ、各々、実施例1:49.2mg、実施例2:6.3mg及び比較例1:4.4mgであった。
(3)官能評価
加熱処理前後のゼリーについて、官能評価をパネラーにより行なった。結果を表1に示す。
Claims (11)
- 香味成分を含有するゼリーを含む飲料であって、前記香味成分を含有するゼリーがツェインで被覆されていることを特徴とする飲料。
- 前記香味成分が65℃以下の融点を有する物質である、請求項1に記載の飲料。
- 前記香味成分がメントールである、請求項1又は2に記載の飲料。
- 前記飲料が非炭酸性である、請求項1−3のいずれかに記載の飲料。
- 65℃、10分間相当以上の条件での加熱処理を行っても、ゼリーからの香味成分の溶出が抑制される、請求項1−4のいずれかに記載の飲料。
- 香味成分を含有するゼリーをツェインで被覆する工程、及び
ツェインで被覆された、香味成分を含有するゼリー、と液体部とを混合する工程、
を含む、飲料の製造方法。 - 前記混合する工程の後に、ツェインで被覆された、香味成分を含有するゼリーと液体部との混合物を加熱処理する工程を含む、請求項6に記載の製造方法。
- 前記香味成分がメントールである、請求項6又は7に記載の製造方法。
- 65℃、10分間相当以上の条件での加熱処理を行っても、ゼリーからの香味成分の溶出が抑制される、請求項6−8のいずれかに記載の方法。
- ツェインで被覆された、香味成分を含有するゼリー。
- 前記香味成分がメントールである、請求項10に記載のゼリー。
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