JP4954486B2 - 水域向けミネラル供給剤、藻礁ブロックおよびその製造方法 - Google Patents

水域向けミネラル供給剤、藻礁ブロックおよびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、河川、湖沼、海域などの水域での植物性プランクトン、水草、海藻などの水生植物の育成を促進するためのミネラルを供給する材料に関する。また、表面に、水草や海藻を茂らせて、魚類、甲殻類や貝類などの水生動物の生育数を増加させる藻礁ブロックにも関する。
水域での生物相の育成は、水質の改善や水産資源の増加のために重要である。従って、従来から、水生植物の育成のための試みがなされてきた。河川や湖沼の淡水域では、窒素や燐が過多になった水での植物性プランクトンや水草の育成が不良であり、この点での改善が必要である。また、海域、特に沿岸部では、珪藻類をはじめとする植物性プランクトンや海藻の育成を行うことにより、水生生物の生態系を改善するための試みがなされてきた。
例えば、河川に酸化鉄と石灰分を含む製鋼スラグを撒いて、水中の鉄イオンや微量ミネラルを増加させて、水藻を増やす試みが行われている。また、海域では、酸化鉄や珪酸塩を含む物質を海底の覆砂として使用することにより、珪藻プランクトンを増加させる試みや、ミネラルを放出する成分の漁礁を設置して、海藻を増加させることも行われている。
これらの試みの例としては、特許文献5に示されるように、酸化珪素、アルカリ塩及び、酸化鉄を多く含む材料固化させたものを海洋のミネラル供給用の材料として使用することが提案させている。また、特許文献4に示されるプラスチック、ガラス、金属、鉱滓、及びスラグなどを合成樹脂で固化させた漁礁も提案されている。このように、種々の材料を使用した水域へのミネラル供給剤の研究が行われている。
特開2003−34562号公報 特開2002−238398号公報 特開2000−197426号公報 特開平8−131016号公報 特開平6−335330号公報 特開平6−128054号公報
水中にミネラル分を供給して、水生植物の生育を増加させるための以上のような試みがなされているが、従来技術では、下記に述べる幾つかの問題があり、必ずしも良好な結果が得られている訳ではなかった。
従来技術による材料の問題点としては、水域、特に海域の植物が必要とするミネラル分である、第一鉄イオン(2価鉄イオン)と珪酸イオンを同時に放出するものが少なかった。また、原料の鉱物を厳選して、第一鉄イオンを放出する物質と珪酸塩を多く含む物質を混合することで、このような条件を満たすことは可能であったが、通常の結晶質の物質では、珪酸イオンの放出が少なく、一方、ガラス質の物質では、これを粉又は粒の状態とするために多大なコストがかかるなどの問題があり、必ずしも経済的な方法ではなかった。
具体的には、特許文献5に示される技術では、珪素、アルカリ金属、及び、鉄含むガラス質の材料を用いて、海藻の育成を行うことが示されている。しかし、この方法では、効率的に、珪酸イオンと第一鉄イオンを水中に放出するために、ガラス質の粒子を用いる。この方法では、酸化鉄を含むガラスを製造することが必要であり、この製造では、鉱物を溶解して溶融酸化物を製造して、これを冷却することが必要である。従って、この処理に多大なエネルギーが必要であることから、経済的な方法ではなかった。
例えば、特許文献3の構造の漁礁では、ミネラル分を放出する固化体の貼り付けた漁礁を製造することなども行われていたが、従来技術で製造した固化体を使用するだけでは、やはり効果的な方法ではなかった。この目的で使用される固化体の製造方法としては、例えば特許文献4に記載されている方法である、ガラス、金属、鉱滓などからなる固化体の構造物を製造して、これを漁礁として使用することが記載されている。しかし、この方法では、全体を合成樹脂で固めていることから、比表面積が小さく、効率的なイオンの放出がなされない問題があった。
このような問題点を解決するために、固化体の比表面積を大きくするための試みも行われてきた。例えば、特許文献1や特許文献6に記載されるように、セメント固化体類似の構造物を製造する技術も開示されている。これらの方法では、固化体としては、良好なものを製造できるが、漁礁が要求するような、効率的にミネラル分を溶出する構成鉱物の化学成分と結晶構造(ガラス構造を含む)、粒子充填率、及び、固化体の強度を全て満たすものはなかった。
また、一方、漁礁などに、製鉄所から発生するスラグを使用することが試みられてきた。例えば、特許文献2や特許文献4に記載されるように、鉄鋼業で発生するスラグを使用する漁礁などが提案されている。しかし、これらの漁礁では、高強度の固化体を製造するためには、高価なバインダーを使用することが必要であり、このためのコストがかかる問題と、やはり比表面積が小さくなりミネラル放出量が減少する問題を抱えていた。
このように、いずれの従来技術でも、経済的な製造方法で、かつ、水域での十分なミネラル供給を効率的に行うものはなかった。従って、このような従来技術の課題を解決して、河川、湖沼、及び、海域の水中に、水生植物の育成に効率的なミネラルを放出する材料や海藻が生えやすい藻礁が求められていた。また、このような材料と藻礁を経済的に製造する技術が求められていた。
本発明は、以上に記載されたような従来技術が有する問題点を解決するためになされた発明であり、その要旨とするところは以下の(1)から()に示す通りである。
1)エージング済みの製鋼スラグとガラス化した高炉スラグを使用する。ただし、この方法では、前記のガラス化した高炉スラグ粒子を細かく粉砕して3ミクロン以下の高炉スラグ粒子も使用する。エージング済みの製鋼スラグを30〜80質量%、平均粒子径が0.5〜1.7mmのガラス化した高炉スラグを20〜70質量%の比率で混合した混合物を製造する。この混合物1トンあたり、3ミクロン以下のガラス化した高炉スラグを20〜120kgの比率で混合したものを製造する。これに80リットル/トン以上の比率の水を添加して、水和固化させることにより、凝集体を製造して、本発明の藻礁ブロックとする。
)塩基度2.5〜3.8であって、トータル鉄含有率が12〜25質量%の転炉スラグを固化させたものをエージング処理して得た固体を30〜80質量%、平均粒子径が0.5〜1.7mmのガラス化した高炉スラグを20〜70質量%の比率で混合して混合物を製造して、当該混合物1トンあたり、3ミクロン以下のガラス化した高炉スラグを30〜180kgの比率で混合する。この原料集合体に水を添加する。水の添加比率は、当該原料集合体1トンに対して140リットル以上である。高い粒子充填率であり、かつ、高強度の藻礁ブロックを製造する際には、振動成形することもある。これを6日間〜3ヶ月程度の期間、養生して水和物を生成させて、固化体を製造することによる藻礁ブロックの製造方法である。
)前出()の原料に加えて、製鋼転炉ガスに含まれるダストを製鋼スラグと高炉スラグの混合物1トンあたり30〜200kgの比率で添加することにより、原料集合体を製造して、当該原料集合体1トンに対して140リットル以上の水を添加して、水和固化させて藻礁ブロックを製造する。
鉄鋼業の副産物であり、安価な原料である製鋼スラグと高炉スラグを用いて、経済的に、水生植物に有効なミネラルを水中に供給する材料を製造できる。また、本発明の製造物は、第一鉄イオンと珪酸イオンを同時に放出できる効果的な粒子又は固化体であることから、比較的少量でも水域へのミネラル供給を十分に行える。更に、本発明の方法で作った藻礁ブロックの表面は、適度な凹凸があり、また、空隙率が高いことから、海藻の根が入りやすい特徴がある。このような特徴があることから、水域の生態系を改善して、水中生物の数を増加させることができる。この結果、魚類や貝類などの漁獲量やワカメなどの海藻類の収穫が増加する効果がある。
本発明は、水生植物の栄養素のうち、不足しがちなミネラル分を補充するための無機質の物質である。河川や湖沼、陸に近い海域では、窒素が豊富であるが、水生植物に必要なミネラル分として、主として第一鉄イオン(Fe2+)と珪酸イオンが不足している。また、少量ミネラルとして、マンガンイオン、硫黄イオンや燐酸イオンも必要である。本発明では、第一鉄イオン源として、製鋼スラグなどの酸化第一鉄、酸化カルシウム、酸化珪素を含む粒子を用いる。また、珪酸イオン源として、ガラス化した高炉スラグを用いる。本発明では、ガラス化した高炉スラグと水酸化カルシウムから溶出する無機成分により、水和物を形成して、これを結合物質として粒子を凝集させた凝集体を製造することにより、効果的なミネラル供給剤を形成する。
以下、酸化第一鉄、酸化カルシウム、及び、酸化珪素を含む鉱物相を有する粉と粒の混合物、及び、水酸化カルシウム粉からなる混合物の代表例として、製鋼スラグを原料とした水域向けミネラル供給剤と藻礁ブロックの説明を行う。まず、製鋼スラグは、酸化第一鉄(化学分析による第一鉄イオンの同定値)が5質量%のものが良い。このため、製鋼スラグのトータル鉄含有率(金属鉄、酸化第一鉄、及び、酸化第二鉄等に含まれる鉄原子の総質量の比率)が高いものを用いる。本発明者らの実験では、この比率の酸化第一鉄を含有しているものを使用する場合は、水中に十分な第一鉄イオンの放出がなされることが認められている。また、10質量%以上の酸化第一鉄を含有するものは本発明の非常に良好な原料となる。本発明者らは、数種類の製鋼スラグを実験した結果、特に、トータル鉄含有率が12〜25質量%の転炉スラグが良いことを見出した。このトータル鉄含有率の転炉スラグでは、酸化第一鉄含有率が7〜20質量%であり、水中への第一鉄イオンの放出も良好である。また、製鋼スラグに含まれる微量のミネラル分も、珪藻、水草、海藻等の育成に効果があるため、製鋼スラグが、1〜8質量%の酸化マンガン、1〜4質量%の燐酸、1質量%以下の硼酸を含むことは更に良い。転炉スラグは以上の条件を満たすことから、本発明のミネラル供給剤や藻礁の原料として特に優れている。
製鋼スラグは、幾つかの種類がある。溶銑を処理する際に製造される溶銑予備処理スラグ、製鋼転炉で発生する転炉スラグ、溶鋼の二次精錬で発生する二次精錬スラグなどがある。溶融状態の製鋼スラグは、酸化カルシウム、酸化鉄、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化燐、酸化アルミニウム等を含むものであり、これが凝固する際には、複数の鉱物相に分かれる。一般に、製鋼スラグは、ダイカルシウムシリケートやカルシウムフェライトなどの酸化カルシウムを主体とする鉱物相となる。このカルシウムフェライトには、酸化第一鉄と酸化第二鉄が含まれる。また、これらの鉱物相とともに、酸化カルシウム単独相が析出する。本発明の原料となる製鋼スラグでは、この酸化カルシウムを水和反応させて得た水酸化カルシウムが凝集体を製造する際に重要な役割をはたす。従って、製鋼スラグの成分としては、凝固時に、酸化カルシウム単独相を適量析出する条件のものが良い。トータル鉄濃度が12〜25質量%の転炉スラグの場合は、塩基度(酸化カルシウム質量比率を酸化珪素質量比率で割った値)が2.5以上であれば、酸化カルシウム単独相が2質量%以上生成する。従って、転炉スラグを原料として使用する場合は、塩基度が2.5以上のものを使用することが望ましい。また、一方、塩基度が3.8以上の転炉スラグでは、酸化カルシウム単独相が10質量%以上と、多くなりすぎて、凝集体を水中に入れた際に、水のpHが高くなり過ぎる問題が生じることなどの理由から望ましくない。この転炉スラグを使用する場合は、塩基度の低い製鋼スラグを混合するなどの対応を取る。
以上に述べた性質の製鋼スラグの固化物(酸化カルシウムの単独相を含む固体)をエージング処理する。ここで、エージング処理とは、製鋼スラグ凝固時に分離析出した酸化カルシウムを水和させる処理であり、幾つかの方法がある。例えば、固化した製鋼スラグを2ヶ月〜1年程度、常温の空気中で保管して、空気中の水蒸気を酸化カルシウムと反応させる方法、100℃程度またはそれ以上の温度の水蒸気に暴露して、水蒸気と反応させる方法、高圧容器中で、水または水蒸気と反応させる方法がある。なお、以降、溶融した製鋼スラグが固化して生成したものをエージング処理した固体を、処理済み製鋼スラグと称する。
一方、高炉スラグは、塩基度が1.4以下のものを使用する。酸化カルシウムと酸化珪素の含有率では、酸化カルシウムが35〜45質量%で、酸化珪素が30〜38質量%のものである。塩基度が1.4以上では、酸化珪素の含有比率が低く、高炉スラグ内で酸化カルシウムにより、酸化珪素が安定化されてしまい、水中への珪酸イオンの放出が減少する。ただし、塩基度は低すぎると、凝集のために重要なアルミニウムの水中への放出が抑制されるため、この観点からは、塩基度は1.1以上が良い。また、凝集時の水和反応にアルミニウムが必要であることから、酸化アルミニウムが10〜20質量%含有されていることが良い。この成分条件である溶融高炉スラグを水中に入れることにより、これを急速冷却する。この処理により、高炉スラグは、平均粒子径が0.5〜1.7mmのガラス状粒子となる。なお、本発明に用いる高炉スラグ粒子のガラス化率は90%以上が望ましい。これは、ガラス化率が高いほど、水中への珪酸イオンの放出が多いことと、凝集時の水和反応のもととなる珪酸、カルシウム、アルミニウムの水中への放出が多いことが理由である。また、高炉スラグに含まれる硫黄も水生植物の有効なミネラル分となる。なお、以降、ガラス化した高炉スラグを、単に、高炉スラグと称する。
酸化第一鉄は、海藻プランクトンや海藻の生育に重要な役割をはたすため、水域向けミネラル供給材中に、酸化第一鉄が特に多く必要な場合がある。この場合には、上記に説明した原料に加えて、製鋼転炉ガスに含まれるダストを添加する。製鋼転炉ガスに含まれるダスト(以降、転炉ダストと称する)は、平均粒子径が1ミクロン前後の微細な粒子であり、トータル鉄が60から75質量%であり、このうち酸化第一鉄を30〜50質量%含むものである。このように、転炉ダストは、酸化第一鉄を多く含み、また、比表面積の大きいことから、水中への第一鉄イオンの放出には最適な物質である。また、鉄鋼生産の副産物であることから、安価な原料である。
これらの粒子を個々に水中に供給することでは、製鋼スラグ、高炉スラグ、及び、転炉ダストが分離してしまい、水流により、各々が異なる場所に堆積する問題がある。この結果、第一鉄イオンと珪酸イオンを同時に供給することができない。これは、製鋼スラグと高炉スラグの物性が大きく異なることが原因である。製鋼スラグは比重が3g/立方センチメートル以上と大きく、かつ、0.1mm以下の微細な粒子が多い。一方、高炉スラグは比重が1.6g/立方センチメートル以下と小さく、0.5mm以上の粗い粒子が多い。また、転炉ダストは1ミクロン程度で、比重が5g/立方センチメートル以上であることから懸濁しやすいため、単独では水底に着床しない。そこで、本発明では、製鋼スラグと高炉スラグ(更に、場合によっては転炉ダストも)を混合して、水を添加することにより、処理済み製鋼スラグ中の水酸化カルシウム粉とガラス化した高炉スラグから、カルシウム、珪酸、アルミニウムなどの水溶性成分を溶出させて、これらからなる水和物を生成して、この水和物で粒子を結合させる。また、微細な転炉ダストも凝集させて、着床しやすくする。
水和反応による粒子の凝集体の製造方法は、以下のとおりである。まず、処理済み製鋼スラグは、0.5mm以下の粉が30〜80質量%程度と、粉の多いものを使用する。処理済み製鋼スラグに塊が多い場合は、5〜30mmの篩で分級して、大粒を除去する。一方、凝集核として、平均粒子径が0.5〜1.7mmの高炉スラグを用いる。処理済み製鋼スラグを30〜80質量%、また、高炉スラグを20〜70質量%の比率で混合することが良い。この混合物に水を添加する。水の比率は、混合物全体が濡れる状態以上であることが良い。具体的には、混合物1トンあたり80リットル以上であることが良い。水量が少ない場合は、水和反応が不十分となり、凝集が十分に行われない。水和反応による粒子の凝集が十分になるには、6日間〜2ヶ月間かかる。なお、凝集を促進するためには、温度を50℃以上とすることが効果的である。
強固な凝集体を短期間で製造するためには、微細な高炉スラグ粉を混合すると良い。ガラス化した高炉スラグを粉砕して、3ミクロン以下の粒子径として、比表面積を極めて大きくしたものは、水和反応が迅速に起きる。従って、本発明の凝集体を効率的に製造するためには、粉砕して製造した3ミクロン以下の粒子径の高炉スラグ粉を使用することが有効である。特に、1ミクロン以下の粒子径の高炉スラグを使用することは更に良い。また、凝集を迅速に行うためには、ポルトランドセメントや早強セメントを添加することもある。
このような微細な高炉スラグ粉を使用する場合は、以下の方法で、凝集体の製造を行う。処理済み製鋼スラグを30〜80質量%と、平均粒子径が0.5〜1.7mmの高炉スラグを20〜70質量%の比率で混合した混合物を製造する。凝集促進剤として、3ミクロン以下の高炉スラグ粉を、この混合物1トンあたり20〜120kgの比率で混合することによって製造する。これに、水を80リットル/トン以上の比率で添加して、水和反応を起こさせて、凝集体を形成する。微細な高炉スラグ粉が、20kg/トン以下の比率では、十分な凝集促進効果が認められず、また、120kg/トン以上では、凝集効果が飽和することから、微細な高炉スラグ粉の比率は、20〜120kg/トンが良い。
水が添加された混合物の内部での反応を説明する。処理済み製鋼スラグの水酸化カルシウムから、カルシウムイオンが水中に溶出する。また、高炉スラグからは、珪酸イオンやアルミニウムイオン(アルミン酸イオンの場合もある)が水中に溶出する。その後に、これらのイオンが粒子間に水和析出物が生成する。水和析出物は、粒子間を結合して、粒子の凝集体が形成される。処理済み製鋼スラグは0.2mm以下の粉が多く、これが、0.3〜3mmの高炉スラグ粒子の周囲に凝集する。また、微細な高炉スラグも同様に、0.2〜3mmの高炉スラグ粒子の周囲に凝集する。また、微細な処理済み製鋼スラグと微細な高炉スラグが凝集することがある。この結果、混合物は0.1〜5mm程度の凝集体となる。この凝集体が更に大きな塊状となったものもある。この凝集体は、粒子充填率が50〜80%のポーラスな構造のものであり、水へのミネラル分の溶出が容易な構造となっている。このように、本発明の凝集体は、珪酸や第一鉄イオン等の水への溶出が促進される構造である。
本発明の方法で製造した凝集体の製品は、5mm以下の粒子が主体である砂状のものと、凝集体がポーラスな状態で塊状に集積した固化体とがある。本発明の凝集体は、水中に珪酸や第一鉄イオンなどのミネラルを放出することから、これを水域向けミネラル供給剤と称する。また、大型で、水底の置かれた際に海藻等が生育できるブロック状の水域向けミネラル供給剤を、特に藻礁ブロックと称する。砂状の水域向けミネラル供給剤を製造する際に、凝集体同士が結合して、ゆるく結合した大きな塊の状態となることが多いため、この塊を砕いて、例えば、20mm以下の粒子が主体である砂状の凝集体とする。この凝集体の構造を模式的に図1に示す。製鋼スラグ粒子1と高炉スラグ粒子2の間を針状の水和物3が結合する構造となっている。この場合には、製品のニーズに応じて、平均粒子径を0.3〜10mmとする。この粒子径であれば、ベルトコンベアや土木機械でのハンドリングが容易な形状とすることが良い。
一方、例えば10センチメートル角以上の、大きな固化体を製造する際には、凝集体の強度が高いことが必要であるため、3ミクロン以下の高炉スラグ粒子、更に、望ましくは1ミクロン以下の高炉スラグ粒子を凝集促進剤として使用する。まず、原料として、酸化第一鉄を5質量%以上含む製鋼スラグを用いるが、特に、塩基度2.5〜3.8であって、トータル鉄含有率が12〜25質量%の転炉スラグを固化させた固体を使用することが良い。この固化した転炉スラグをエージング処理して、混在している酸化カルシウムを水酸化カルシウムとする。この転炉スラグは、0.5mm以下の粉の多い。必要があれば、5〜30mmの篩で分級して、大粒を除去する。一方、凝集核として、平均粒子径が0.5〜1.7mmの高炉スラグを用いる。
この処理済みの製鋼スラグを30〜80質量%と、平均粒子径が0.5〜1.7mmの高炉スラグを20〜70質量%の比率の混合物を製造する。凝集促進剤として、3ミクロン以下の高炉スラグを、この混合物1トンあたり30〜180kgの比率で混合して、これを原料とする。なお、藻礁ブロックは高強度であることが必要であるため、微細な高炉スラグ粉の比率は、砂状の凝集体を製造する滓よりも多く必要である。この原料1トンにつき、水を140〜550リットルの比率で添加して、水和反応させて、凝集固化体を製造して、藻礁ブロックとする。140リットル/トン以下の水比率が低い場合は、転炉スラグ粉状のものと微細な高炉スラグを流動性のある状態とすることができない。この結果、これらの微細な粒子が混合物全体に均一に混合されることができなくなることから、固化体の強度が十分でなくなる。この理由から、藻礁ブロックでは、水を砂状の凝集体よりも多く使用する。また、特に高強度の藻礁ブロックを製造する際には、65%以上の高い粒子充填率が必要であり、この場合は、振動成形法を用いて固化体を製造することもある。藻礁ブロックの大きさは、10センチメートル角のものから、2〜3m角の立方体や30kg〜5トン程度の種々の形状(割った岩石状、長い直方体、その他)であるものが、水底での座り、水流への抵抗、また、水との接触を配慮して、良い形状を選ぶ。
酸化第一鉄を特に多く必要とする藻礁ブロックを製造する場合は、やはり転炉ダストを混合する。転炉ダストの混合比率は、製鋼スラグと高炉スラグの混合物1トンあたり30〜200kgの比率で添加する。これを上記の方法と同様に混合して、原料集合体を製造する。この原料集合体1トンに対して140リットル以上の水を添加して、水和固化させて、藻礁ブロックを製造する。
本発明の藻礁ブロックは、セメントコンクリート等と比較して、粒子充填率が低いことから、内部の製鋼スラグが若干膨張しても良い。しかし、長寿命の藻礁ブロックを製造するためには、水中での膨張の少ない製鋼スラグを用いる。エージング処理が完了している製鋼スラグであっても、種類によっては、数年後に10%以上の容積膨張が起きることが知られている。藻礁ブロックの内部で、製鋼スラグが膨張すると、藻礁ブロック自体が破壊されるため、藻礁ブロックの原料とする製鋼スラグは、長期間の水浸試験での膨張率が6%以下のものを使用する。例えば、転炉スラグには、トリカルシウムシリケートが混在する。このトリカルシウムシリケートは、常温では数年を経過すると、ダイカルシウムシリケートと酸化カルシウムに分解して、この際に膨張する。従って、転炉スラグを使用する際は、長期間の膨張特性で原料の評価する必要がある。塩基度2.5〜3.8であって、トータル鉄含有率が12〜25質量%の転炉スラグを固化させたものをエージング処理して得た固体であって、水浸膨張率が6%以下であるものを、原料として使用することが良い。膨張率の測定方法は、60日間、80℃の水に浸漬した試験での膨張率で評価する。
以上に、本発明の水域向けミネラル供給剤と藻礁ブロックには、天然砂等の硬質の混在物を混合する場合もある。これは、凝集体の粒子径を大きくすることや、ブロックの強度を向上することなどが目的である。混合する物は、珪砂、花崗岩等の天然石や、ニッケルスラグを固化したものを用いる場合がある。
水域向けミネラル供給剤の使用方法は以下のとおりである。水中にミネラル分を溶出させることを主目的とする場合は、砂状の凝集体を川底や海底に蒔く。砂状の凝集体は、平均粒子径が0.5〜10mmの物が良い。この凝集体は、粒子充填率が50〜80%であり、この空隙には、水が入り込む。この結果、高炉スラグが起因の部分からは、珪酸イオンが、製鋼スラグが起因の部分からは、第一鉄イオン、マンガンイオン、硼酸イオン等のミネラルが溶出する。この凝集体は内部に空隙が多くあるため、容易に、これらのミネラルが溶出してくる。従って、本発明の水域向けミネラル供給剤である凝集体を水底に蒔くことにより、水中のプランクトンが水底の藻類が必要としているミネラルが供給して、これらが繁茂することを助ける。本発明者らの実験では、本発明の水域向けミネラル供給剤を水底に50kg/平方メートル以上の比率で蒔くことにより、水中の藻の育成が10〜40%増加することを確認した。
本発明の藻礁ブロックは、水底で、表面に藻が生えることにより、水底の植物相を豊かにする効果がある。従って、表面に藻が生える構造と大きさが必要である。従って、大きさとしては、10センチメートル角以上の面積があると良い。また、形状はいずれのものでよいが、天然砕石の似たゴツゴツした形状、直方体、直方体に突起部がある形状などが良い。本発明の藻礁ブロックは、粒子充填率が50〜80%であり、水が内部に進入できる構造となっている。この藻礁ブロックから、ミネラル分が水中に徐々に放出される。このことにより、水中の藻類の育成を促進する。また、その表面が適度な硬度を持ち、また、表面に凹凸があることから、海藻類が付着しやすい。この藻礁ブロックに海藻が繁茂することから、その周囲の魚類の生息数を増加できる。
また、本発明の藻礁ブロックを組み立てて、海中の構造物を製造することもある。例えば、図2に示すように、鋼製フレーム4で櫓を組んで、このフレームに本発明の藻礁ブロック5をはめ込むことにより、立体的な漁礁を製造する。このような漁礁では、海藻が繁茂するとともに、魚が隠れ易い場所を提供することから、小型や中型の魚類が集まる。
凝集体の原料として、転炉スラグ(転炉スラグ1)を固化させたものと、ガラス化した高炉スラグ(高炉スラグ1)を使用した。使用した原料は、表1に示すものである。この転炉スラグの塩基度2.8であり、エージング処理後の水酸化カルシウム比率は5.8質量%であった。転炉スラグ全体に対して、酸化第一鉄を10.8質量%含んでいた。この転炉スラグの0.5mm以下の粒子比率は61%であった。高炉スラグは塩基度1.33のものであり、ガラス化率が98%で、平均粒子径が1.1mmであった。この転炉スラグを45質量%、かつ、高炉スラグを55質量%の比率でよく混合した。この混合物1トンに対して、130リットルの水含有となるように、水を添加した。なお、混合物の初期水分は50リットル/トンであったので、添加した水量は80リットル/トンであった。この混合物を15日間養生して、凝集体を形成した。この凝集体を衝突式破砕機で軽く破砕して、平均粒子径が1.7mmの凝集体を製造した。この凝集体の嵩比重は、1.3g/立方センチメートルと軽く、かなり空間の多い集合であった。
この砂状の凝集体を、水深が1〜2mの岩礁の多い海底100平方メートルに散布した。散布量は、1平方メートルあたり56kgであった。凝集体は、岩礁の間に砂状に置かれた状態となった。凝集体を散布する前と散布1年後でのこの領域の藻の生息量を調査した。この結果、採取された藻の質量が1.6倍に増加していた。また、珪藻プランクトンも1.2倍に増加していた。この領域の生物を観察したところ、小型魚類、カニなどの甲殻類、及び、アワビやサザエなどの貝類を多く発見した。アワビの採取量は100平方メートルあたり110kgから150kgに増加した。
凝集体の原料として、溶銑予備処理スラグを固化させたものと、ガラス化した高炉スラグ(高炉スラグ2)を使用した。使用した原料の条件は、表1に示すものである。溶銑予備処理スラグの塩基度2.1であり、エージング処理後の水酸化カルシウム比率は1.4質量%であった。溶銑予備処理スラグ全体に対して、酸化第一鉄を5.8質量%含んでいた。水酸化カルシウムが不足していたので、水酸化カルシウム粉を1.5質量%添加した。この転炉スラグの0.5mm以下の粒子比率は34%であった。高炉スラグは塩基度1.2のものであり、平均粒子径が1.3mmであった。(高炉スラグ2)この溶銑予備処理スラグを64質量%、かつ、高炉スラグを36質量%の比率でよく混合した。この混合物1トンに対して、更に、高炉スラグを平均粒子径0.88ミクロンに粉砕した粉を55kg/トンの比率で転添加混合した。この混合物145リットルの水含有となるように、水を添加した。なお、混合物の初期水分は30リットル/トンであったので、添加した水量は115リットル/トンであった。この混合物を20日間養生して、凝集体を形成した。この凝集体を衝突式破砕機で軽く破砕して、平均粒子径が1.2mmの凝集体を製造した。この凝集体の嵩比重は、1.25g/立方センチメートルとかなり空間の多い集合であった。
実施例1と同様に、この砂状の凝集体を、水深が1〜2mの岩礁の多い海底120平方メートルに散布した。散布量は1平方メートルあたり45kgであった。凝集体を散布する前と散布1年後でのこの領域の藻の生息量を調査した。この結果、採取された藻の質量が1.3倍に増加していた。また、珪藻プランクトンも1.15倍に増加していた。この領域の生物を観察したところ、小型の海洋生物を多く発見した。アワビの採取量は120平方メートルあたり120kgから140kgに増加した。この凝集体では、酸化第一鉄の比率がやや低いため、実施例1よりもやや効果が小さかった。
凝集体の原料として、実施例2と同じものを同じ比率で使用した。ただし、酸化第一鉄の供給源として、転炉ダストを製鋼スラグと高炉スラグの混合物に対して、50kg/トンの比率で添加した。この混合物1トンに対して、更に、高炉スラグを平均粒子径1.1ミクロンに粉砕した粉を50kg/トンの比率で添加混合した。この混合物1トンあたり100リットルの水含有となるように、水を添加した。この混合物を20日間養生して、凝集体を形成した。この凝集体を衝突式破砕機で軽く破砕して、平均粒子径が1.5mmの凝集体を製造した。この凝集体の嵩比重は1.35g/立方センチメートルとで、間の多い集合であった。
この砂状の凝集体を、水深が2mの流れの遅い川底に散布した。散布量は1平方メートルあたり80kgであった。凝集体を散布する前と散布1年後でのこの領域の藻と貝の生息量を調査した。この結果、この領域で採取された藻の質量が1.2倍に増加していた。また、貝の採取量は1.15倍に増加した。
この実施例では、製鋼スラグとして、転炉スラグ2、つまり塩基度が3.4の転炉スラグを固化した後に、4日間蒸気に曝してエージングした転炉スラグ固体、を原料として使用した。エージング処理後の水酸化カルシウム比率は8.8質量%であった。転炉スラグ全体に対して、酸化第一鉄を11.9質量%含んでいた。この転炉スラグの0.5mm以下の粒子比率は83%であった。また、この転炉スラグの80℃の水浸試験での60日後の膨張率は3.6%であった。高炉スラグは、塩基度1.33であり、平均粒子が1.1mmのもの(高炉スラグ1)を用いた。この原料を転炉スラグ65質量%、高炉スラグ35質量%の比率で混合した。この混合物に、平均粒子径0.88ミクロンの粉砕された高炉スラグを100kg/トンの比率で添加した。この混合物に、190リットル/トンの比率となるように、水を添加して、良く混合して、350リットルの直方体の型に流し込んだ。これに振動をかけて、充填密度を上げた。これを18日間養生して、型抜きして、固化体を製造した。この固化体の粒子充填率は73%であった。固化体の圧縮強度は31kg/平方センチメートルであり、ハンドリングに十分な強度であった。
この固化体を藻礁ブロックとして、水深10メートルの海底に設置した。設置方法は、海底に最大3個の藻礁ブロックが重なる状態で置くものであった。設置した藻礁ブロックの数は73個であった。1.5年後に、潜水して海藻の繁茂状態を確認したところ、全ての藻礁ブロックのほぼ全面に海藻が付着していることを確認した。確認された海藻はカジメ、アラメ、及び、ホンダワラであった。また、この水域に小型魚類と貝類が多数生息していることが確認された。
この実施例では、実施例2で使用した塩基度が2.1の溶銑予備処理スラグを固化した後に、エージングした溶銑予備処理スラグ固体を原料として使用した。エージング処理後の水酸化カルシウム比率は1.8質量%であったため、水酸化カルシウム粉を3質量%添加した。溶銑予備処理スラグ全体に対して、酸化第一鉄を4.1質量%含んでいた。この溶銑予備処理スラグの0.5mm以下の粒子比率は34%であった。高炉スラグは、塩基度1.2であり、平均粒子が1.1mmのもの(高炉スラグ2)を用いた。この原料を溶銑予備処理スラグ50質量%、高炉スラグ50質量%の比率で混合した。この混合物に、平均粒子径0.88ミクロンの粉砕された高炉スラグを120kg/トンの比率で、また、転炉ダストを100kg/トンの比率で添加した。この混合物に、260リットル/トンの比率となるように、水を添加して、良く混合して、1.2メートル×80センチメートル×30センチメートルの直方体の型に流し込んだ。これを25日間養生して、型抜きして、固化体を製造した。この固化体の粒子充填率は63%であった。固化体の圧縮強度は24kg/平方センチメートルであり、ハンドリングに十分な強度であった。
この固化体を藻礁ブロックとして、水深10メートルの海底に設置した。設置方法は、高さ4メートルの鋼製の漁礁櫓を組んで、この櫓のフレームに藻礁ブロックを設置するものであった。設置した藻礁ブロックの数は18個であった。2年後に、潜水して海藻の状態を確認したところ、全ての藻礁ブロックの全面に海藻が付着していることを確認した。確認された海藻はカジメとホンダワラであった。また、この水域に小型魚類が多数生息していることが確認された。
Figure 0004954486
本発明の製造物は、第一鉄イオンと珪酸イオンを同時に放出できる効果的な粒子又は固化体であることから、比較的少量でも水域へのミネラル供給を十分に行えるので水域向けミネラル供給剤として有用である。また、本発明の方法で作った藻礁ブロックの表面は、適度な凹凸があり、また、空隙率が高いことから、海藻の根が入りやすい特徴があるため、水域の生態系を改善して、水中生物の数を増加させることができる。
本発明の方法で製造された製鋼スラグと高炉スラグの粒子からなる凝集体の模式図である。 本発明の藻礁ブロックを使用した漁礁構造体の例を示す図である。
符号の説明
1 転炉スラグ粒子
2 高炉スラグ粒子
3 水和物
4 鋼製フレーム
5 藻礁ブロック

Claims (3)

  1. 塩基度が2.5〜3.8であって、トータル鉄含有率が12〜25質量%の転炉スラグを固化させたものをエージング処理して得た固体を30〜80質量%、平均粒子径が0.5〜1.7mmである、酸化珪素、酸化カルシウム及び酸化アルミニウムを含む塩基度が1.4以下のガラス化した高炉スラグを20〜70質量%の比率で混合して混合物を製造して、当該混合物1トンあたり、3ミクロン以下である、酸化珪素、酸化カルシウム及び酸化アルミニウムを含む塩基度が1.4以下のガラス化した高炉スラグを20〜120kgの比率で混合することにより、原料集合体を製造して、当該原料集合体1トンに対して80リットル以上の水を添加して、水和固化させて製造することを特徴とする水域向けミネラル供給剤の製造方法。
  2. 塩基度2.5〜3.8であって、トータル鉄含有率が12〜25質量%の転炉スラグを固化させたものをエージング処理して得た固体を30〜80質量%、平均粒子径が0.5〜1.7mmである、酸化珪素、酸化カルシウム及び酸化アルミニウムを含む塩基度が1.4以下のガラス化した高炉スラグを20〜70質量%の比率で混合して混合物を製造して、当該混合物1トンあたり、3ミクロン以下である、酸化珪素、酸化カルシウム及び酸化アルミニウムを含む塩基度が1.4以下のガラス化した高炉スラグを30〜180kgの比率で混合することにより、原料集合体を製造して、当該原料集合体1トンに対して150リットル以上の水を添加して、水和固化させて製造することを特徴とする藻礁ブロックの製造方法。
  3. 塩基度が2.5〜3.8であって、トータル鉄含有率が12〜25質量%の転炉スラグを固化させたものをエージング処理して得た固体を30〜80質量%、平均粒子径が0.5〜1.7mmである、酸化珪素、酸化カルシウム及び酸化アルミニウムを含む塩基度が1.4以下のガラス化した高炉スラグを20〜70質量%の比率で混合して混合物を製造して、当該混合物1トンあたり、3ミクロン以下である、酸化珪素、酸化カルシウム及び酸化アルミニウムを含む塩基度が1.4以下のガラス化した高炉スラグを30〜180kgの比率で、また、製鋼転炉ガスに含まれるダストを当該混合物1トンあたり30〜200kgの比率で添加することにより、原料集合体を製造して、当該原料集合体1トンに対して150リットル以上の水を添加して、水和固化させて製造することを特徴とする藻礁ブロックの製造方法。
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