JP2000157094A - 水中沈設用石材及びその製造方法 - Google Patents

水中沈設用石材及びその製造方法

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slag
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Tatsuto Takahashi
達人 高橋
Norio Isoo
典男 磯尾
Makoto Kato
誠 加藤
Hirohisa Nakajima
廣久 中島
Haruyoshi Tanabe
治良 田辺
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NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 藻礁・漁礁用、河床用、水質浄化用等の用途
で水中に沈設した際に、海水等のpHの上昇や白沈の発
生等の問題を生じることがなく、且つ水生植物の着生・
育成や魚介類の繁殖、水質浄化等の面で優れた機能を発
揮できる水中沈設用石材を提供する。 【解決手段】 未炭酸化Ca含有材(但し、スラグを除
く)またはこれとスラグとの混合物を主原料とする石材
であって、上記主原料の粉状および/または粒状物を、
主としてこれらに含まれる未炭酸化Caの炭酸化反応で
生成させたCaCO3をバインダーとして固結させ、塊
状化した石材であり、このような石材は主原料中に含ま
れる未炭酸化Caの大部分がCaCO3に変化するた
め、未炭酸化Caによる海水等のpH上昇を防止でき、
また、全体がポーラスな性状を有しているため、石材表
面に海藻類が付着し易く且つ石材中に含まれている水生
植物の成育促進に有効な成分が水中に溶出し易いため、
水生植物の成育を効果的に促進することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、未炭酸化Ca含有
材または未炭酸化Ca含有材と鉄鋼製造プロセスで発生
するスラグの混合物を主原料とする水中沈設用石材、よ
り詳細には、藻礁・漁礁用石材、築磯用石材、海底マウ
ンド用石材、河床用石材、魚道用石材、人工河床用石
材、湖沼・池の沈設用石材、さらには、水質浄化を主目
的として海、河川、湖沼、池等に沈設または敷設される
石材等として使用される水中沈設用石材およびその製造
方法に関する。なお、上記“藻礁”とは海底に生育する
海藻類(藻類、海草等)の群落場所を指す。
【0002】
【従来の技術】藻礁や漁礁は沿岸海域における海中動植
物の生産の場であり、有用魚介類や海藻類の生息場、魚
介類の産卵場、稚仔魚の成育場、餌場等として不可欠な
場所であると言える。また最近では、海水中の窒素やリ
ンが海藻類に取り込まれ或いは藻礁や漁礁内の食物連鎖
を通じて他の生物に取り込まれることにより除去される
ことや、藻礁内で懸濁物質が沈降して水中から取り除か
れることなど、藻礁の水質浄化作用についても注目され
つつある。
【0003】しかし、近年、藻礁や漁礁は沿岸の埋め立
てや海水の汚濁などの影響により急速な消失、衰退が続
いており、特に最近では、多くの沿岸海域で所謂“磯焼
け”と呼ばれる現象が発生し、大きな問題となってい
る。このようなことから藻礁や漁礁を早急に回復させる
ために、海中に藻礁・漁礁用の沈設資材を設置すること
が行われるようになってきた。従来使用されている藻礁
・漁礁用の沈設資材としては、コンクリート漁礁等のよ
うなコンクリート製のプレキャスト体が一般的である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、コンクリート
はpHが高いため(通常、pH12〜12.5程度)、
コンクリート製の沈設資材は周囲の海水のpHを上昇さ
せ、海中の動植物の生息・成育環境に悪影響を与えると
いう大きな問題があり、また、同様の理由から資材自体
に対する海藻類等の水生植物の着生や生育の遅延を生じ
るという問題もある。さらに、コンクリート製の沈設資
材は所謂磯焼けの原因となる石灰藻の付着繁殖を促すと
されている。したがって、以上のような点からしてコン
クリート製品は藻礁用や漁礁用の沈設用資材としては全
く適さない。
【0005】一方、鉄鋼製造プロセスで発生するスラグ
(例えば、高炉スラグ、転炉スラグ等)の有効利用を図
る一環として、スラグを藻礁や漁礁用の沈設用資材とし
て利用する試みもなされている。スラグをこれらの資材
として利用する場合の主たる形態としては、塊状のスラ
グをそのまま藻礁用等の石材として利用する方法とスラ
グをコンクリート漁礁等の骨材として利用する方法が考
えられる。
【0006】しかし、塊状のスラグをそのまま藻礁用等
の資材として利用した場合、スラグ中に含まれるCa分
が水中に溶け出し、周囲の海水のpHを上昇させるおそ
れがある。また、水中に溶け出したCa分と水中のMg
イオンとの反応によりMg(OH)2の沈殿(白沈)を
生じることがあり、これがスラグ表面に付着して藻類等
の水生植物の着生や発芽を阻害する問題がある。さらに
は、Ca分の溶出によりスラグ自体の強度が低下し、経
時的に或いは外力の作用によって崩壊してしまうおそれ
がある。
【0007】また、鉄鋼製造プロセスで得られたままの
塊状のスラグを藻礁用等の石材とした場合、その表面性
状等からしてコンクリート製品に比べれば海藻類等の水
生植物の着生・生育に適しているとは言えるが、藻場用
等の石材としては天然石と同程度の機能(海藻類等の水
生植物の付着性、成育性)しかなく、海藻類等の水生植
物の成育を促進し得るような特別な機能を有する石材で
はない。
【0008】また、鉄鋼製造プロセスで発生するスラグ
は地金(粒鉄等の鉄分)を多く含んでいるため、通常は
スラグをある程度の大きさまで粉砕し、スラグ中に含ま
れる鉄分を回収して鉄鋼製造プロセスにリサイクルして
いる。しかし、藻礁用等の石材として用いるスラグには
ある程度の大きさが必要であり、地金回収のために粉砕
処理したようなスラグはほとんど利用することができな
い。このため塊状スラグを藻礁用等の石材として用いる
場合には、鉄鋼資源として有用な地金の回収がほとんど
できない。
【0009】一方、スラグをコンクリート製のプレキャ
スト体の骨材として利用しても、資材そのものはコンク
リート製品であるため、上述したようなコンクリート製
沈設資材の根本的な問題点を有している。
【0010】また、近年魚類や甲殻類等の生物の生存環
境を含めた河川や湖沼等の淡水系水域の自然環境を整
備、改善しようとする機運が高まりつつあり、その一環
として、例えば河床を水中生物(魚類、甲殻類、水生昆
虫等)や水生植物(藻類、水草等)が生息、生育しやす
い環境に改修する試みもなされている。河川を例にとる
と、河川において所謂生命空間(ビオトープ)とよばれ
る生物の生存、休息空間は、その多くが河床の石によっ
てもたらされ、したがって、一般には河床に石等による
凹凸が多くある河床の方が、より水中生物が生存しやす
い環境にあると言える。例えば、河川内にある水没また
は半水没状の大塊の石と石との間の比較的大きな空間
や、河床に敷き詰められた小石の間の小さな空間は、い
ずれも水中生物にとって重要な生命空間となる。また、
河床の石は藻類等の水生植物が生育する場でもあり、水
生植物を生育させるためにも石の存在は重要である。
【0011】したがって、河川の自然環境の整備、改善
の一環として行われる河床等の改修に当っては、河床に
適当な形態で石材を沈設または敷設(例えば、大塊の石
材の置き石、河床への中塊、小塊の石材の沈設、敷設
等)することが、魚類等の水中生物や水生植物が生息、
生育しやすい環境を整える有効な手段となり得る。しか
し、このような河床等の改修には膨大な量の石材が必要
であり、これに用いる自然石を他所で調達することは新
たな自然破壊を引き起こす恐れがあり、また、自然石自
体も決して安価ではないため施工コストも嵩んでしま
う。そこで、この河川に使用する資材についても、上述
したようなコンクリート製品やスラグの利用が考えられ
るが、これらには上述したような根本的な問題がある。
【0012】また、近年、河川に設けられたダムや堰に
魚類の上・下流への移動や遡上を可能とするための魚道
を設ける必要性が認識され、このためのダムや堰の改修
も各地で行われるようになってきた。この魚道は、ダム
や堰の一部に魚類が移動できる程度の流れが形成される
水路(通常、2〜5m程度の幅を有する水路)を設けた
ものであり、傾斜路式、階段路式等の様々な形式のもの
が知られている。従来の一般的な魚道は、コンクリート
壁で囲まれた水路をダムや堰の一部を切欠くようにして
設けられている。
【0013】このような従来の魚道は水の流速や底部の
傾斜、段差等に特に問題がない限り魚類の移動には支障
はない。しかし、コンクリート製の魚道は、その底部が
元々平滑でしかも藻類等の水生植物も生育しにくいた
め、河床(石等の表面の突起や水生植物)に爪等を引っ
掛けながら這って移動したり或いは流れの早い場所では
河床に爪等を引っ掛けながら移動する水中生物(例え
ば、甲殻類や水生昆虫等)にとって移動が困難であると
いう問題がある。このような問題に対しては、魚道を発
泡コンクリートにより構成して魚道の底部に微細な凹凸
を付ける方法もあるが、このような魚道は施工コストが
高く、実用性に乏しい。また、いずれにしてもコンクリ
ートはpHが高いため、河床に沿って移動するような水
中生物にはコンクリート製の魚道は好ましいものではな
い。
【0014】さらに、近年では環境保護の観点から海、
河川、湖沼、池などの水質浄化が大きな課題となってい
る。このような水質浄化のための一つの手法として、バ
クテリアを中心とした生物の生態系による自浄作用を利
用することを狙いとし、水中での生物間の活発な食物連
鎖の環境を人為的に提供する試みがなされており、その
環境を提供するために水中や水辺に沈設または敷設する
資材として、好気性生物や嫌気性生物等の多様な生物が
棲息できる多孔質のコンクリートブロック体が用いられ
ている。しかし、このような従来の水質浄化用の資材も
コンクリート製品であるため、上述したような根本的な
問題点を有している。
【0015】したがって本発明の目的は、上述したよう
な従来の水中沈設用資材の問題を解消し、藻礁・漁礁用
石材、築磯用石材、海底マウンド用石材、河床用石材、
魚道用石材、人工河床用石材、湖沼・池の沈設用石材、
さらには、水質浄化用の石材として、海、河川、湖沼、
池等の水中に沈設または敷設した際に、海水や河川水等
のpHの上昇や白沈の発生等の問題を生じることがな
く、しかも海藻類等の水生植物の着生、育成や魚介類の
繁殖、魚類等の生存空間形成、水質浄化等の面で優れた
機能を発揮でき、また、河川のダムや堰等に設けられる
魚道等の人工構造部や石張り河床等の人工河床に沈設ま
たは敷設した際に、魚類以外の水中生物の移動性や水生
植物の生育等の面でも優れた機能を発揮することができ
る水中沈設用石材を提供することにある。
【0016】また、本発明の他の目的は、上記のような
水中沈設用石材を安価且つ効率的に製造することができ
る製造方法を提供することにある。さらに、本発明の他
の目的は、上記のような水中沈設用石材を好適に使用す
るための使用方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決すべく実験と検討を重ねた結果、以下のような事
実を見出した。 (1) コンクリート材のような粉状および/または粒状の
未炭酸化Ca含有材或いはこれと粉状および/または粒
状のスラグの混合物を、主としてこれらに含まれる未炭
酸化Caの炭酸化反応で生成させたCaCO3をバイン
ダーとして固結させ、塊状化させたものを海や河川等の
水中沈設用石材として用いることにより、海水や河川水
のpHの上昇や白沈の発生等の問題を生じさせることな
く、しかも海藻類等の水生植物の着生、育成や水質浄化
等の面で優れた効果を発揮する。また、河川のダムや堰
等に設けられる魚道等の人工構造部や人工河床に沈設ま
たは敷設した際に、魚類以外の水中生物の移動性や水生
植物の生育等の面でも優れた効果を発揮する。
【0018】(2) 上記のような塊状の水中沈設用石材を
得るためには、粉状および/または粒状の未炭酸化Ca
含有材或いはこれと粉状および/または粒状のスラグの
混合物を所望の密度に山積み若しくは充填して、この積
み山若しくは充填層に炭酸ガス存在下で炭酸化反応を生
じさせることにより上記原料を固結させる製法が有効で
あり、また、このような製法によれば石材を適用すべき
海底や海流等の状況に応じた任意の密度と大きさの石材
を製造でき、また石材の大塊化も極めて容易に実現でき
る。
【0019】本発明はこのような知見に基づきなされた
もので、その特徴は以下の通りである。 [1] 未炭酸化Ca含有材(但し、鉄鋼製造プロセスで発
生したスラグを除く)を主原料とする石材であって、主
原料である粉状および/または粒状の未炭酸化Ca含有
材を、主としてこれに含まれる未炭酸化Caの炭酸化反
応で生成させたCaCO3をバインダーとして固結さ
せ、塊状化したことを特徴とする水中沈設用石材。
【0020】[2] 未炭酸化Ca含有材(但し、鉄鋼製造
プロセスで発生したスラグを除く)と鉄鋼製造プロセス
で発生したスラグとを主原料とする石材であって、主原
料である粉状および/または粒状の未炭酸化Ca含有材
と粉状および/または粒状のスラグの混合物を、主とし
てこれらに含まれる未炭酸化Caの炭酸化反応で生成さ
せたCaCO3をバインダーとして固結させ、塊状化し
たことを特徴とする水中沈設用石材。
【0021】[3] 上記[1]または[2]の水中沈設用石材に
おいて、未炭酸化Ca含有材が、コンクリート、セメン
ト、モルタル、耐火物の中から選ばれる1種以上からな
ることを特徴とする水中沈設用石材。 [4] 上記[1]または[2]の水中沈設用石材において、未炭
酸化Ca含有材が、コンクリート、セメント、モルタ
ル、耐火物の中から選ばれる1種以上の材料から分離さ
れ、該材料よりも未炭酸化Ca含有率が高い未炭酸化C
a含有材であることを特徴とする水中沈設用石材。 [5] 上記[1]〜[4]のいずれかの水中沈設用石材におい
て、主原料に対して添加材を添加した原料を固結させ、
塊状化したことを特徴とする水中沈設用石材。
【0022】[6] 上記[5]の水中沈設用石材において、
添加材の少なくとも一部が金属鉄、含金属鉄材、酸化
鉄、含酸化鉄材の中から選ばれる1種以上であることを
特徴とする水中沈設用石材。 [7] 上記[5]の水中沈設用石材において、添加材の少な
くとも一部が可溶性シリカおよび/または含可溶性シリ
カ材であることを特徴とする水中沈設用石材。 [8] 上記[5]の水中沈設用石材において、添加材の少な
くとも一部がCaO、Ca(OH)2、MgO、Mg
(OH)2の中から選ばれる1種以上であることを特徴
とする水中沈設用石材。
【0023】[9] 上記[5]の水中沈設用石材において、
添加材の少なくとも一部が水砕スラグ微粉末であること
を特徴とする水中沈設用石材。 [10] 上記[1]〜[9]のいずれかの水中沈設用石材におい
て、未炭酸化Caを含有することを特徴とする水中沈設
用石材。 [11] 上記[10]の水中沈設用石材において、石材表層部
には未炭酸化Caが実質的に存在せず、石材内部にのみ
未炭酸化Caを含有することを特徴とする水中沈設用石
材。
【0024】[12] 上記[10]の水中沈設用石材におい
て、固結した主原料粒子の表層部及び主原料粒子間には
未炭酸化Caが実質的に存在せず、主原料粒子内部にの
み未炭酸化Caを含有することを特徴とする水中沈設用
石材。 [13] 上記[1]〜[12]のいずれかの水中沈設用石材におい
て、空隙率が10〜70%であることを特徴とする水中
沈設用石材。 [14] 上記[1]〜[13]のいずれかの水中沈設用石材におい
て、石材内部の開気孔の内面が、未炭酸化Caの炭酸化
反応で生成したCaCO3で覆われていることを特徴と
する水中沈設用石材。
【0025】[15] 上記[1]〜[14]のいずれかの水中沈設
用石材において、石材外面の少なくとも一部領域に、可
溶性シリカの含有量が10〜90wt%の可溶性シリカ
配合層を有することを特徴とする水中沈設用石材。 [16] 上記[1]〜[15]のいずれかの水中沈設用石材におい
て、石材外面に、吊り上げ手段を係止できる把手を有す
ることを特徴とする水中沈設用石材。 [17] 上記[1]〜[16]のいずれかの水中沈設用石材におい
て、石材内部に補強材が配されていることを特徴とする
水中沈設用石材。
【0026】[18] 上記[1]〜[17]のいずれかの水中沈設
用石材において、石材が有する気孔径10μm以上の開
気孔による全開気孔率が10容積%以上であることを特
徴とする水中沈設用石材。 [19] 上記[18]の水中沈設用石材において、気孔径10
μm以上の開気孔による全開気孔率が20容積%以上で
あって、且つ気孔径10〜500μmの開気孔が石材中
の全開気孔に占める割合が30容積%以上であることを
特徴とする水中沈設用石材。
【0027】[20] 未炭酸化Ca含有材(但し、鉄鋼製
造プロセスで発生したスラグを除く)を主原料とする水
中沈設用石材の製造方法であって、粉状および/または
粒状の未炭酸化Ca含有材を主原料とする石材原料によ
る積み山または任意の空間内での充填層を形成し、該積
み山または充填層に炭酸ガス存在下で炭酸化反応を生じ
させることにより石材原料を固結させ、石材原料が塊状
化した石材を得ることを特徴とする水中沈設用石材の製
造方法。
【0028】[21] 未炭酸化Ca含有材(但し、鉄鋼製
造プロセスで発生したスラグを除く)と鉄鋼製造プロセ
スで発生したスラグとを主原料とする水中沈設用石材の
製造方法であって、粉状および/または粒状の未炭酸化
Ca含有材と粉状および/または粒状のスラグを主原料
とする石材原料による積み山または任意の空間内での充
填層を形成し、該積み山または充填層に炭酸ガス存在下
で炭酸化反応を生じさせることにより石材原料を固結さ
せ、石材原料が塊状化した石材を得ることを特徴とする
水中沈設用石材の製造方法。
【0029】[22] 上記[20]または[21]の製造方法にお
いて、未炭酸化Ca含有材が、コンクリート、セメン
ト、モルタル、耐火物の中から選ばれる1種以上からな
ることを特徴とする水中沈設用石材の製造方法。 [23] 上記[20]または[21]の製造方法において、未炭酸
化Ca含有材が、コンクリート、セメント、モルタル、
耐火物の中から選ばれる1種以上の材料から分離され、
該材料よりも未炭酸化Ca含有率が高い未炭酸化Ca含
有材であることを特徴とする水中沈設用石材の製造方
法。 [24] 上記[20]〜[23]のいずれかの製造方法において、
石材原料が主原料と添加材とからなることを特徴とする
水中沈設用石材の製造方法。
【0030】[25] 上記[24]の製造方法において、添加
材の少なくとも一部が金属鉄、含金属鉄材、酸化鉄、含
酸化鉄材の中から選ばれる1種以上であることを特徴と
する水中沈設用石材の製造方法。 [26] 上記[24]の製造方法において、添加材の少なくと
も一部が可溶性シリカおよび/または含可溶性シリカ材
であることを特徴とする水中沈設用石材の製造方法。 [27] 上記[24]の製造方法において、添加材の少なくと
も一部がCaO、Ca(OH)2、MgO、Mg(O
H)2の中から選ばれる1種以上であることを特徴とす
る水中沈設用石材の製造方法。
【0031】[28] 上記[24]の製造方法において、添加
材の少なくとも一部が水砕スラグ微粉末であることを特
徴とする水中沈設用石材の製造方法。 [29] 上記[20]〜[28]のいずれかの製造方法において、
石材原料の積み山若しくは充填層に炭酸ガス若しくは炭
酸ガス含有ガスを吹き込むか、または積み山若しくは充
填層を炭酸ガス若しくは炭酸ガス含有ガス雰囲気下に置
くことを特徴とする水中沈設用石材の製造方法。
【0032】[30] 上記[20]〜[29]のいずれかの製造方
法において、石材原料の積み山または充填層の嵩比重/
真比重を0.3〜0.9の範囲とすることを特徴とする
水中沈設用石材の製造方法。 [31] 上記[20]〜[30]のいずれかの製造方法において、
炭酸ガスまたは炭酸ガス含有ガスを水中に通すことでH
2Oを飽和させ、しかる後、石材原料の積み山または充
填層に炭酸化処理のために供給することを特徴とする水
中沈設用石材の製造方法。
【0033】[32] 上記[20]〜[31]のいずれかの製造方
法において、固結した積み山または充填層を所望の大き
さの塊状物に破砕し、該破砕による破面を有する塊状石
材を得ることを特徴とする水中沈設用石材の製造方法。 [33] 上記[20]〜[32]のいずれかの製造方法において、
石材原料を最適水分含有率に水分調整した上で、該石材
原料の積み山または充填層に炭酸ガス存在下で炭酸化反
応を生じさせることを特徴とする水中沈設用石材の製造
方法。
【0034】[34] 上記[20]〜[33]のいずれかの製造方
法において、全量が粒度50mm以下であって、累積粒
度分布の小径側から30重量%の粒度(D30)が80
0μm以下である粒度分布を有し、且つ水分含有率が3
〜10%である石材原料の積み山または充填層に炭酸ガ
ス存在下で炭酸化反応を生じさせることを特徴とする水
中沈設用石材の製造方法。 [35] 上記[1]〜[17]のいずれかの石材を、藻類が生育可
能な浅海域の海中に設置することで構成したことを特徴
とする藻場増殖促進型漁礁。 [36] 上記[35]の藻場増殖促進型漁礁において、複数個
の石材を任意に積み上げることにより構成したことを特
徴とする藻場増殖促進型漁礁。
【0035】[37] 上記[36]の藻場増殖促進型漁礁にお
いて、石材が定形体であり、その複数個を石材間の少な
くとも一部に空間が形成されるように規則的に積み上げ
て構成したことを特徴とする藻場増殖促進型漁礁。 [38] 上記[35]の藻場増殖促進型漁礁において、石材を
金属製構造物に固定しまたは金属製籠内に設置したこと
を特徴とする藻場増殖促進型漁礁。 [39] 上記[35]〜[38]のいずれかの藻場増殖促進型漁礁
において、石材が凹部または貫通孔を有することを特徴
とする藻場増殖促進型漁礁。 [40] 上記[1]〜[19]のいずれかの石材を、河川内におい
て水が流れる人工構造部または人工河床に沈設または敷
設することを特徴とする水中沈設用石材の使用方法。
【0036】[41] 上記[40]の使用方法において、石材
を、魚道の少なくとも底部に沈設または敷設することを
特徴とする水中沈設用石材の使用方法。 [42] 上記[40]または[41]の使用方法において、沈設ま
たは敷設された石材の上面が、破砕または破断により形
成された破面であることを特徴とする水中沈設用石材の
使用方法。 [43] 上記[18]または[19]の石材を、その少なくとも一
部が水質浄化対象である海水、淡水または汽水と接触す
るよう設置することを特徴とする水質浄化方法。
【0037】
【発明の実施の形態】本発明の水中沈設用石材は、粉状
および/または粒状の未炭酸化Ca含有材(但し、鉄鋼
製造プロセスで発生したスラグを除く)、或いは粉状お
よび/または粒状の未炭酸化Ca含有材(但し、鉄鋼製
造プロセスで発生したスラグを除く)と粉状および/ま
たは粒状スラグ(鉄鋼製造プロセスで発生したスラグ)
の混合物を、主としてこれらに含まれる未炭酸化Ca
(CaOやこのCaOが変化したCa(OH)2)の炭
酸化反応で生成させたCaCO3をバインダーとして固
結させ、塊状化した石材であり、本発明はこのような人
工石材が藻礁・漁礁用、河床用、魚道用、水質浄化用等
の水中沈設用石材として高い機能性を備えていることを
見い出しなされたものである。
【0038】以下、本発明の詳細と好ましい実施形態を
説明する。本発明の水中沈設用石材の主原料は、未炭酸
化Ca含有材またはこれと鉄鋼製造プロセスで発生した
スラグとの混合物である。上記未炭酸化Ca含有材は、
鉄鋼製造プロセスで発生するスラグ以外の未炭酸化Ca
(CaOおよび/またはCa(OH)2)を含有する材
料であり、その具体例としては、コンクリート、セメン
ト、モルタル、耐火物等を挙げることができるが、これ
らに限定されるものではない。これらの材料としては、
例えばコンクリート廃材のような廃材を利用することが
でき、廃材の有効利用という面からも好ましい。具体的
には建造物、土木構造物、硬化体製品(例えば、コンク
リート製品)、道床、舗装等に使用された未炭酸化Ca
含有材料(コンクリート、セメント、モルタル、耐火物
等)の廃材を挙げることができるが、これらに限定され
るものではない。また、未炭酸化Ca含有材は必ずしも
廃材である必要はない。
【0039】これらの未炭酸化Ca含有材には相当量の
未炭酸化Ca(CaOおよび/またはCa(OH)2
が含まれており、例えば、コンクリート材では、通常、
コンクリート中の約20wt%がセメント分で、そのう
ちの約60wt%強(一般的なポルトランドセメントの
場合)がCaOであり、したがって、通常、コンクリー
ト材中には少なくとも約12wt%程度のCaOが含ま
れている。コンクリート中に含まれるセメントとしては
ポルトランドセメントが最も一般的であるが、これ以外
にも高炉セメント、シリカセメント等があり、いずれの
セメントを含むものであってもよい。
【0040】また、これらコンクリート材等の未炭酸化
Ca含有材(粉状および/または粒状の未炭酸化Ca含
有材)は、そのまま石材の主原料として用いることもで
きるが、未炭酸化Ca含有材から未炭酸化Caの含有率
が高い材料部分を分離(分別)し、これを石材の主原料
として用いることもできる。例えば、コンクリート材を
破砕または粉砕処理した場合にはセメントと骨材(砂等
の細骨材、砂利または砕石等の粗骨材)に分離しやすく
なるため、コンクリート材を破砕または粉砕処理してセ
メント分の多い材料を分離し、これを石材の主原料とし
て用いるようにすることもできる。また、このセメント
分の多い材料部分を分離した後の残余の材料部分は骨材
を多く含むものであるため、これをそのまま或いは粗骨
材(砂利、砕石)のみを分離してコンクリート用や他の
用途に再利用してもよい。
【0041】鉄鋼プロセスで発生するスラグとしては、
高炉徐冷スラグ、高炉水砕スラグ等の高炉系スラグ、予
備処理、転炉、鋳造等の工程で発生する脱炭スラグ、脱
燐スラグ、脱硫スラグ、脱珪スラグ、鋳造スラグ等の製
鋼系スラグ、鉱石還元スラグ、電気炉スラグ等を挙げる
ことができるが、これらに限定されるものではない。こ
れらのスラグには相当量(通常、20重量%〜60重量
%)のCaOが含まれている。
【0042】これらのスラグのうち、代表的なスラグの
組成の一例を以下に示す。 (1) 脱炭スラグ … T.Fe:17.5%,CaO:4
6.2%、SiO2:11.7%、Al23:1.4
%、MgO:8.3%、MnO:6.2%、P:0.7
6%、S:0.04% (2) 脱燐スラグ … T.Fe:5.8%,CaO:5
4.9%、SiO2:18.4%、Al23:2.8
%、MgO:2.3%、MnO:1.9%、P:2.8
%、S:0.03%
【0043】(3) 脱硫スラグ … T.Fe:10.5
%,CaO:50.3%、SiO2:10.0%、Al2
3:5.4%、MgO:1.1%、MnO:0.4
%、P:0.13%、S:1.8% (4) 脱珪スラグ … T.Fe:10.5%,CaO:1
3.6%、SiO2:43.7%、Al23:3.8
%、MgO:0.4%、MnO:15.8%、P:0.
10%、S:0.19% (5) 高炉水砕スラグ … FeO:0.3%、CaO:4
2.0%、SiO2:33.8%、MnO:0.3%、
MgO:6.7%、Al23:14.4%
【0044】なお、鉄鋼製造プロセスで発生するスラグ
のうち、脱燐スラグはP含有量が高いために、また脱珪
スラグはMnOの含有量が高いために、それぞれセメン
ト原料として使用するには難があるが、本発明ではこれ
らのスラグについても問題なく石材の主原料の一部とし
て利用することができる。また、高炉水砕スラグは可溶
性シリカを比較的多く含んでいるため、スラグの一部ま
たは全部を高炉水砕スラグとすること、例えば製鋼スラ
グと高炉水砕スラグとを混合して用いることにより、後
述する可溶性シリカ源となる添加材を添加した場合と同
様の効果が得られる。
【0045】上記のような鉄鋼製造プロセスで発生する
スラグは、程度の差はあるものの比較的多量(通常、数
重量%〜30重量%程度)の地金(粒鉄等の鉄分)を含
んでおり、一般には、このような鉄分を鉄鋼製造プロセ
スにリサイクルするために、スラグ中の地金回収が行わ
れる。通常、この地金回収を行うためにスラグは粉砕処
理され、したがって、元々粉化した状態にあるスラグを
含め、地金回収工程を経たスラグは必然的に粉状若しく
は粒状(通常、cmオーダーまたはそれ以下)のものと
なる。
【0046】本発明の石材の主原料の一部としてスラグ
を用いる場合は、このような地金回収工程を経たスラグ
をそのまま用いてもよいし、また必要に応じて、これを
さらに粉砕処理したものを用いてもよい。また、地金回
収工程を経ないスラグを必要に応じて粉砕処理したも
の、或いは地金回収工程よりもさらに鉄分を除去したも
のをそれぞれ主原料の一部として用いてもよい。
【0047】なお、スラグを水中沈設用石材の主原料の
一部とする場合、スラグには適量の鉄分(特に、粒鉄等
の金属鉄や含金属鉄材)が含まれていた方がよい。これ
は、スラグに適量含まれる鉄分(金属鉄、含金属鉄材
等)が水中に溶出することにより、水中に栄養塩として
鉄分が補給され、これが海藻類等の水生植物の育成に有
効に作用するからである。通常、上記地金回収工程を経
たスラグには適量の鉄分が残存している。石材の主原料
として使用する未炭酸化Ca含有材やスラグは粉状およ
び/または粒状であればよく、その粒径は特に限定され
ない。
【0048】本発明の水中沈設用石材は、上述したよう
な未炭酸化Ca含有材または未炭酸化Ca含有材とスラ
グの混合物に含有される未炭酸化Ca(CaOおよび/
またはCa(OH)2)の炭酸化反応でCaCO3を生成
させ、このCaCO3をバインダーとして未炭酸化Ca
含有材粒子やスラグ粒子を固結させ、塊状化したもので
あり、このような石材は、全体(表面および内部)がポ
ーラスな性状を有し、水中沈設用石材として優れた機能
を有する。
【0049】また、未炭酸化Ca含有材やスラグ中に含
まれる未炭酸化Caは、通常CaOとして存在している
が、その一部または全部が経時的な水分の吸収或いは他
の原因でCa(OH)2に変化する場合がある。本発明
の石材の主原料は、未炭酸化CaとしてこのようなCa
(OH)2を含むものでも何ら問題はなく、このCa
(OH)2も炭酸化反応によりCaCO3に変化し、主原
料粒子を固結させるバインダーとして機能する。また、
大部分のスラグには未炭酸化Caとともにある程度の量
の未炭酸化Mg(MgOやこれが変化したMg(OH)
2)が含まれており、スラグを主原料の一部として用い
る場合には、この未炭酸化Mgも炭酸化反応によりMg
CO3に変化し、バインダーの一部となる。
【0050】なお、未炭酸化Ca含有材やスラグ中に含
まれるCaOやCa(OH)2は、それらの粒子中に少
なくとも組成として含まれていればよく、したがって、
鉱物としてのCaO、Ca(OH)2の他に、2CaO
・SiO2、3CaO・SiO2、ガラス等のように組成
の一部として固体粒子中に存在するものも含まれる。
【0051】粒状物をCaOとCO2との反応、すなわ
ち炭酸化反応により生じるCaCO3を利用して固結さ
せこと自体は古くから知られた技術であり、CaOを含
む粒状物を炭酸ガス雰囲気下に置くと、下記反応式によ
ってCaCO3が生成し、このCaCO3をバインダーと
して粒子間に固結現象を生じる。 CaO+CO2 → CaCO3
【0052】従来、このような炭酸化反応を利用した技
術としては、例えば製鋼風砕スラグと水との混練物を原
料として建材用途等の硬化体製品を製造する方法(例え
ば、特開昭58−74559号)や非焼成ペレットの製
造法(例えば、特開昭57−92143号、特開昭58
−48642号、特開昭58−133334号)等が提
案されている。しかしこれらの従来技術は、いずれも所
要の強度を有する硬化体製品や非焼成ペレットを短時間
で製造することのみを目的としたものであり、粉状また
は粒状の未炭酸化Ca含有材やこれと粉状または粒状の
スラグとの混合物を炭酸化反応により固結させて得られ
た石材が、水中沈設用石材として極めて優れた機能を有
することについては、何も示していない。
【0053】本発明の水中沈設用石材には、適用すべき
水中の状況等に応じてそれぞれ好適な組成とするため
に、必要に応じて主原料に対して各種の添加材(粉状お
よび/または粒状の添加材)を添加することができる。
この添加材としては、例えば可溶性シリカ源となる粉状
および/または粒状物(可溶性シリカ、含可溶性シリカ
材)、鉄源となる粉状および/または粒状物(金属鉄、
含金属鉄材、酸化鉄、含酸化鉄材)、粉状および/また
は粒状のCaO、Ca(OH)2、MgO、Mg(O
H)2、水砕スラグ微粉末等が挙げられる。
【0054】水中沈設用石材に含まれる可溶性シリカや
鉄源(金属鉄、酸化鉄)は、これらが水中に溶出するこ
とにより海藻類等の水生植物の成育に有効に作用する。
また、水中に溶出した鉄分には、水中の硫黄を固定(硫
化鉄の生成)する作用もある。可溶性シリカ源となる粉
状および/または粒状物としては、可溶性シリカおよび
/または含可溶性シリカ材がある。この含可溶性シリカ
材としては、火力発電所等において石炭燃焼により生じ
るフライアッシュやクリンカーアッシュ、シリカゲルな
どである。また、重金属が含まれていなければ、下水汚
泥焼却灰、下水汚泥スラグ、ゴミ焼却灰、ゴミスラグも
使用可能である。
【0055】石材中に含まれる鉄源としては、水中への
溶出性、海藻類等の成育作用の点からは、特に金属鉄や
含金属鉄材が好ましい。鉄源となる粉状および/または
粒状物としては、粒鉄等のような粉状および/または粒
状の金属鉄または含金属鉄材、粉状および/または粒状
の酸化鉄または含酸化鉄材等があり、特に容易且つ安価
に入手できる粉状および/または粒状物としては、鉄鋼
製造プロセスで発生する含鉄ダストやミルスケールが挙
げられる。含鉄ダストとしては製鉄ダストが一般的であ
り、通常、このダストはFe換算で75%前後の酸化鉄
を含有している。また、ミルスケールもFe換算で70
%前後の酸化鉄を含有している。
【0056】また、原料中にCaO、Ca(OH)2
MgO、Mg(OH)2の1種以上を添加する場合、こ
れらは炭酸化反応によりCaCO3、MgCO3に変化し
てバインダーの一部となるか、若しくは一部が未炭酸化
Ca等として残存し、後述するような機能を果たす。
【0057】また、炭酸化反応でバインダー化する未炭
酸化Ca源を主原料中の未炭酸化Caだけに求めた場
合、主原料粒子どうしを十分な強度で結合させるための
バインダー(CaCO3)の量が不足し、長期間水中に
置かれる水中沈設用石材としての強度が十分に得られな
い場合があり、このような場合には添加材としてバイン
ダー生成物質である水砕スラグ微粉末(好ましくは、粒
径0.1mm以下)を少量添加(2〜20wt%程度)
することができる。通常、水砕スラグ微粉末は40wt
%程度のCaOを含んでおり、このCaOの炭酸化反応
でCaCO3が生成し、これがバインダーの一部として
主原料粒子の固結に寄与する。また、石材の強度を確保
するためには、主原料の少なくとも一部としてセメント
を用いるのも有効である。通常、セメント(一般的なポ
ルトランドセメントの場合)は約60wt%強のCaO
を含んでおり、このCaOの炭酸化反応で生成したCa
CO3が主原料粒子のバインダーとなる。
【0058】また、本発明の水中沈設用石材では、石材
外面の少なくとも一部領域に、可溶性シリカの含有量が
10〜90wt%程度の可溶性シリカ配合層を設けるこ
とができる。先に述べたように、水中沈設用石材に含ま
れる可溶性シリカはこれからケイ酸イオンが水中に溶出
することにより海藻類等の水生植物の成育に有効に作用
する。しかし、未炭酸化Ca含有材やスラグを炭酸化処
理により固結させて得られた石材中には、未反応の未炭
酸化Caが比較的少量ではあるが含まれており、この石
材中に残存した未炭酸化Caから溶出するCaイオンが
石材中の可溶性シリカから溶出するケイ酸イオンと反応
して石材内部にケイ酸カルシウム水和物の沈殿物を生成
させる。このため石材中に可溶性シリカを添加しても、
石材の外部に溶出して石材表面に着生する海藻類の成育
に有効に作用するケイ酸イオンの量は限られたものとな
る。
【0059】これに対して石材外面の少なくとも一部領
域に、可溶性シリカの含有量が高い可溶性シリカ配合層
を形成することにより、多量のケイ酸イオンをカルシウ
ムイオンと反応させることなく水中に溶出させ、海藻類
等の水生植物の成育に有効に作用させることができる。
【0060】ここで、可溶性シリカ配合層の可溶性シリ
カの含有量が10wt%未満では、ケイ酸イオンの溶出
性が不十分となり易いため好ましくない。また、ケイ酸
イオンの溶出性をより安定的なものとするには、可溶性
シリカの含有量を30wt%以上とすることが好まし
い。一方、可溶性シリカ配合層の可溶性シリカの含有量
が90wt%を超えると、可溶性シリカ配合層の強度を
確保することが難しくなるため好ましくない。
【0061】石材表面の可溶性シリカ配合層の厚さは2
0mm以上、100mm以下とすることが好ましい。可
溶性シリカ配合層の厚さが20mm未満では、可溶性シ
リカ配合層の一部が剥離したような場合にケイ酸イオン
の継続的な溶出が維持できなくなるおそれがあり、ま
た、厚さ20mm未満の薄い可溶性シリカ配合層を形成
すること自体も難しい。なお、可溶性シリカ配合層の厚
さが大きすぎると主原料の使用量が低減し、また、石材
の強度も低下するため、可溶性シリカ配合層の厚さは1
00mm以下とすることが好ましい。
【0062】また、石材表面に露出した可溶性シリカ配
合層の面積は、石材の全表面積の15%以上であること
が好ましい。可溶性シリカ配合層の面積が15%未満で
あると、ケイ酸イオンの溶出量を十分に確保できない場
合がある。但し、可溶性シリカ配合層が石材表面の全部
または大部分を覆うと、後述するような未炭酸化Ca含
有材やスラグを主原料とする水中沈設用石材のメリット
が減殺され、また、石材内部からの他の成分の溶出性に
も影響を与えるおそれがあるため、可溶性シリカ配合層
の面積は石材の全表面積の90%程度を上限とすること
が望ましい。可溶性シリカ配合層は、石材原料とともに
塊状に固結した石材の一部により構成してもよいし、ま
た、可溶性シリカ配合層を構成べき部材(可溶性シリカ
配合層形成用部材)を別に作製しておき、これを石材原
料を炭酸化反応で固結させた石材本体の表面に接合・固
定することにより構成してもよい。
【0063】石材中に少量含まれる未炭酸化Ca(Ca
O、Ca(OH)2等)は、海底に赤潮の原因となる燐
や青潮の原因となる硫黄が多く含まれる場合にこれら燐
や硫黄を吸着し、赤潮や青潮の発生を防止するのに効果
がある。このため石材は未炭酸化Ca(CaO、Ca
(OH)2等)を少量含むことができる。この未炭酸化
Caは主原料中に元々含まれるCaO、Ca(OH)2
であってもよいし、上記のように添加材として添加され
たものであってもよい。なお、先に述べたように石材中
に未炭酸化Caが多量に含まれる場合には海水のpHを
上昇させるという問題があるが、燐や硫黄を吸着するに
は炭酸固化後に残存する程度の少量の未炭酸化Caが含
まれていれば足りる。
【0064】また、先に述べたようにヘドロが堆積した
ような海底に比重の大きい石材を沈設した場合には、石
材がヘドロのなかに沈んでしまい、藻場用石材や魚礁等
としての役目を果たせなくなる場合がある。したがっ
て、このようなヘドロの堆積した海域で使用する水中沈
設用石材については、比較的比重の小さい主原料とする
ことが好ましく、具体的には、比重の小さいスラグ(例
えば、水砕スラグ)を主原料の一部として用いることが
有効である。
【0065】粉状および/または粒状の未炭酸化Ca含
有材、或いは粉状および/または粒状の未炭酸化Ca含
有材と粉状および/または粒状のスラグとの混合物を主
原料とする本発明の水中沈設用石材は比較的ポーラスな
性状を有しており、これにより下記で述べるような効
果が得られる。石材の空隙率は特に限定しないが、通
常、10〜70%程度の空隙率とすることが好ましい。
この空隙率は、炭酸固化させる際の石材原料の嵩密度
(圧密度)を調整することにより容易に調整できる。
【0066】本発明の水中沈設用石材は比較的ポーラス
な性状を有し、その内部には微細な開気孔が多数形成さ
れている。ここで、開気孔とは石材内部に存在する気孔
のうち石材表面に通じている気孔(連続空間)を指す。
そして、石材としての強度を十分に確保するためには、
上記開気孔の内面(開気孔を形成する石材の内表面)の
実質的に全部が未炭酸化Caの炭酸化反応で生成したC
aCO3で覆われていることが好ましい。このような状
態では、主原料粒子がバインダーであるCaCO3によ
り強固に結合されるため、高い石材強度を確保すること
ができる。また、このような石材を得るには、製造の際
の炭酸化処理時間やガス供給量等を適宜選択することに
より、開気孔内面にくまなく炭酸化反応を生じさせるよ
うにすればよい。
【0067】また、水中沈設用石材は水中に沈設する際
等のハンドリング性を考慮して、石材外面に、吊り上げ
手段(例えば、クレーンのフック等)を係止できる把手
を設けることが好ましい。図1(a),(b)は、その
ような把手を有する水中沈設用石材の実施形態を示すも
ので、この実施形態では把手を構成すべき金具1の下部
を石材中に埋め込み、石材面から突出した金具1の上端
部により把手2を構成している。図1(a)に示す把手
2は略三角形状、図1(b)に示す把手2は略円弧状に
構成されているが、把手2の形状は任意であり、例え
ば、フック状に構成してもよい。
【0068】また、把手2の設け方も任意であり、製造
された石材に対して適当な金具等を取り付け固定する
(例えば、取付孔等を設けて取り付け固定する)ことに
より把手を設けてもよいが、簡便で且つ高い取付強度が
確保されるという面からは、石材の製造に金具等を原料
充填層に埋め込む方法が最も好ましい。図1(a),
(b)に示す把手2もこのような方法で設けたもので、
炭酸化処理前の石材原料の充填層の上層部に金具1の下
部を埋入させて、原料充填層の上面から金具1の上端部
を突出させ、この状態で原料充填層の炭酸化処理を行う
ものであり、これにより金具1の下部は石材に対して強
固に固定されるとともに、石材外面に突出した金具1の
上端部により把手2が構成される。なお、図1(a),
(b)に示す金具1の下端には、金具の石材に対するア
ンカー効果を高めるためのアンカー部3が設けられてい
る。また、本発明の水中沈設用石材の内部には鉄筋等の
金属や繊維等からなる補強材を配してもよい。
【0069】本発明の水中沈設用石材は海、河川、湖
沼、池等において使用され、例えば、海においては藻礁
・漁礁用石材、築磯用石材、海底マウンド用石材、水質
浄化用石材として、河川においては河床用石材、魚道用
石材、水質浄化用石材等として、湖沼や池においては水
底用石材、水質浄化用石材等として、それぞれ水中に沈
設または敷設されることにより使用される。本発明の石
材を水中に設置する態様は任意であり、単に沈設するだ
けでなく、適当な構造部等に固定的に敷設してもよい。
【0070】また、本発明の水中沈設用石材は、一部が
水面上に露出したり、或いは水位の変動により全体が一
時的に水面上に露出するような態様でも使用できること
は言うまでもない。これらの例としては、例えば、海
岸、河原、河川の水際部等に敷設する石材、海岸や河川
の護岸用として法面に敷設する石材等が挙げられる。ま
た、沈設または敷設する態様としては、単に塊状の石材
をランダムに沈設、敷設するだけでなく、中塊・大塊状
の石材を石積みする態様、小塊・中塊状の石材を蛇籠等
に収納して積み上げる態様、ブロック状の石材を組み付
けて敷設する態様等、任意の態様を採用できる。
【0071】また、本発明の水中沈設用石材は魚道用石
材等のように人工構造部や人工河床に沈設または敷設さ
れる石材としても好適であり、このうち魚道用石材とし
ては、少なくとも魚道の底部に沈設若しくは固定的に敷
設される。また、魚道以外にも、例えば、水が流れる人
工構造部の上面(例えば、堰等の頭首工の一部または全
部を構成する人工構造部の緩傾斜面)や固定的に構築さ
れた人工河床(例えば、石張りまたは石組により構築さ
れた河床)等、任意の構造部に固定的に敷設することも
できる。
【0072】本発明の水中沈設用石材を使用する際の形
態(大きさや形状等)は任意であり、例えば、大きさと
しては1000mm以上のオーダーから数十mm程度の
オーダーまで、用途に応じて適宜選択するればよい。ま
た、石材の形状としては、後述するように炭酸固化した
石材原料の積み山または充填層から重機等による破砕に
よって石材を切り出せばランダムな形状の塊状石材が得
られるし、石材原料を適当な大きさの充填層で炭酸固化
させれば、その充填層の形状のままの塊状石材が得られ
る。また、この後者の場合には、石材の形状は球状、パ
ネル状、直方体または立方体ブロック形状、円筒形状、
容器形状等、任意の形状を選択でき、また、それらの形
状において任意の孔、凹み、溝、突起等を付けることも
できる。
【0073】また、魚道や他の人工構造部或いは人工河
床等に固定的に敷設する場合には、施工がしやすく、且
つ場合によっては石材の石組だけで固定的に敷設できる
ようにするため、ブロック状、パネル状またはタイル状
若しくはそれに近い形状(定形材)で使用することが好
ましい。但し、魚道等においても、その底部に非定形の
塊状石材を単に沈設するような形態で用いてもよい。
【0074】本発明の水中沈設用石材は、上述した各種
用途の水中沈設用石材として以下のような長所を有す
る。 主原料中に含まれる未炭酸化Ca(CaOまたはC
aOから生成したCa(OH)2)の大部分がCaCO3
に変化するため、未炭酸化Caによる海水のpH上昇を
防止できる。一般に自然石(石灰石)のpHは9.3程
度、コンクリートのpHは12〜12.5程度である
が、本発明の水中沈設用石材は製造時の上記中和反応に
より自然石並みのpH10前後とすることができる。ま
た、Ca分と水中のMgイオンとの反応による白沈の発
生も防止できる。このためコンクリート製の水中沈設資
材に較べて、水中の動植物に好適な生息・成育環境を提
供できる。また、主原料の一部としてのスラグを用いた
場合には、スラグ中に含まれる鉄分が水中に溶出するこ
とで水中に栄養塩として鉄分が補給され、これが海藻類
等の水生植物の育成に有効に作用する。
【0075】 粉状および/または粒状の主原料を炭
酸固化して得られた塊状物は全体(表面及び内部)がポ
ーラスな性状を有しており、このため石材表面に海藻類
が付着し易く、しかも石材内部もポーラス状であるた
め、石材中に含まれている海藻類等の水生植物の成育促
進に有効な成分(例えば、可溶性シリカや鉄分)が水中
に溶出しやすい。このためコンクリート製の水中沈設資
材に較べて、海藻類等の水生植物の成育を効果的に促進
することができる。
【0076】特に、藻礁・漁礁造成場所等において沈設
される石材への海藻類の増殖、生育を効果的に促進する
ためには、石材表面での海藻類の幼体の生育を促進させ
る必要がある。この点、本発明の水中沈設用石材から水
中に溶出する有効成分は、海藻類の個体が石材に近いほ
ど効果的に作用するため、海藻類の幼体の生育に特に有
効であり、このため海藻類の幼体の生育を効果的に促進
させることができる。
【0077】 粉状および/または粒状の主原料を炭
酸固化させた石材は、炭酸固化させる際の形状の選択或
いは炭酸固化後の切り出し形状の選択等によりその大き
さを任意に調整することができ、藻礁・漁礁用石材等と
して特に好ましい大塊の石材も容易に得ることができ
る。また、河川や湖沼、池等のための石材としても、置
き石用の大塊の石材、河床や水底に沈設または敷設する
中塊の石材、小塊の石材(割石状の石材)等、任意の大
きさの石材を容易に得ることができる。
【0078】 水中沈設用石材は海底や河床の状況、
海流や水流の状況等に応じて最適の密度(比重)のもの
を用いることが好ましく、例えばヘドロが堆積したよう
な海底に密度の大きい石材を沈設した場合には、石材が
ヘドロのなかに沈んでしまい、藻礁用石材や漁礁として
の役目を果たせなくなる。この点、粉状および/または
粒状の主原料を炭酸固化させた石材は、炭酸固化させる
際の主原料の嵩密度(圧密度)を適宜調整することによ
り、その密度を任意に調整することができる。
【0079】 本発明の石材は、水質浄化用石材とし
ても優れた機能を有している。これについては、後に詳
述する。 通常、本発明の石材は固結した積み山または充填層
から切り出されることによって岩状のごつごつした形態
を有するため、これを河床や湖沼の水底等に沈設または
敷設した場合、一般の河川で見られるような丸石または
これに類する形状の自然石に較べて石材間や石材と河底
と間に大きな空間を生じやすく、その分、水中生物にと
って有用な生存、休息空間が形成されやすい。
【0080】また、先に述べたように本発明の水中沈設
用石材は、河川用途のなかでも特に魚道等の水が流れる
人工構造部用や人工河床用の石材(以下は、魚道用石材
を例に説明する)として好適なものであり、このような
用途の石材として用いた場合、上記の点以外に以下のよ
うな長所を有する。
【0081】 粉状および/または粒状の主原料を炭
酸固化して得られた塊状物の表面はポーラスな性状で、
無数の凹凸を有しているため、これを魚道の底部等に沈
設または敷設した場合には、河床(石等の表面の突起や
水生植物)に爪等を引っ掛けながら移動するような水中
生物(例えば、甲殻類や水生昆虫等)であっても魚道を
容易に移動することができる。また特に、本発明の石材
は上述したようにポーラスで凹凸のある表面を有し且つ
pHも自然石並みであり、しかも有効成分も溶出しやす
い性質があるため、表面に藻類等の水生植物が付着、生
育しやすく、このような水生植物の付着、生育により上
記水中生物の魚道での移動がより容易になる。
【0082】 魚道用として石材を用いる場合、魚道
内に塊状の石材を単に沈設するだけでもよいが、水流に
よる石材の流失を防止するには、ブロック状またはパネ
ル状等の形状に成型した石材を魚道等の底部に固定的に
敷設することが好ましい。この点、粉状および/または
粒状の主原料を炭酸固化させて得られる石材は製造時に
任意の形状に成型することが可能であるため、ブロック
状またはパネル状等の形状のものを容易に得ることがで
き、このような石材を用いることにより魚道等の底部に
固定的に敷設する際の施工が容易であり、しかも、確実
に敷設することができる。
【0083】上述したように本発明の水中沈設用石材
は、藻礁・漁礁用石材として藻類の着生・成育性が優れ
ているため、藻類が生育可能な浅海域の海中に設置する
ことにより、本来の沿岸岩礁部に存在する生態系全体に
有用な環境を提供し、これにより天然の岩礁や藻礁に存
在する生態系全体を定着させることができる藻場増殖促
進型漁礁を造成することができる。
【0084】従来から魚類の稚仔やアワビ、サザエ、ウ
ニ等の水産資源の増殖のために藻場(藻礁)の保全や造
成が行われてきた。従来技術としては、藻場を造成する
ためにその基盤となる天然石またはその代替材料を海底
に沈設する方法や、大型藻類の着生を阻害する漂砂の堆
積を防止する構造物を沈設する方法などが知られてい
る。一方、漁礁は魚類の生息場所となる岩礁等のような
空間(魚類が隠れることができる空間)を提供する構造
物や、海老、アワビ、サザエ、ウニ等が入りやすい特定
寸法の空間を提供するものとして開発されてきた。
【0085】しかし、従来のように特定種の生物(動
物、植物)の増殖を狙いとした技術は、沿岸岩礁部にお
ける動植物の生態系全体を考慮したものではないため、
衰退した沿岸海域での生態系全体を回復させるという長
期的な観点からみた場合、十分な成果を挙げることはで
きない。すなわち、沿岸海域の環境保全やこれに伴う水
産資源の確保を究極的に実現するためには、動物或いは
植物のみに好ましい条件を与えるのではなく、本来の沿
岸岩礁部に近い環境を提供し、天然の岩礁や藻場により
存在した生態系全体を回復させる必要がある。
【0086】この点、海藻類の育成に効果がある本発明
の水中沈設用石材を漁礁として用いた場合は、海水のp
H上昇等の問題を生じることがなく、しかも動物に対し
て格好の棲家を提供できるだけでなく、海藻類の成育と
繁殖を促進して海藻類が繁茂した漁礁を形成でき、この
ため天然の沿岸岩礁部に近い生態系を定着させることが
できる。
【0087】本発明の水中沈設用石材を藻場増殖促進型
漁礁として用いる場合、石材の形状に特別な制約はな
く、ブロック状、柱状、球状、円筒状等のような任意の
形状の定形体、或いは破面を有するような塊状の非定形
体のいずれでもよい。また、水中の動物の棲家となるよ
うな空間を形成するために、表面に凹部を設けたり、貫
通孔を設けたりすることもできる。図2および図3、図
4はそれぞれ石材の形状例を示しており、図2および図
3の石材aはブロック状であり、1つの面に溝状の凹部
xが形成されている。また、図4の石材bは細長いブロ
ック状であり、複数の貫通孔yが形成されている。
【0088】藻場増殖促進型漁礁は、上記石材を藻類が
生育可能な浅海域の海中に設置することで構成される。
藻類が生育可能な浅海域は、通常、ある程度の日照量が
得られる比較的水深の浅い海域であり、このような浅海
域に存在する藻礁には大型藻類が繁殖するとともに、通
常の魚類をはじめとして、アワビ、サザエ、ウニ、ナマ
コ等が生息する生態系が存在する。このような生態系を
定着させるため上記の石材により漁礁を構成する。
【0089】この漁礁は、通常、複数個の石材を任意に
積み上げることにより構成されるが、魚類や他の動物の
棲家を提供するため、なるべく石材と石材との間に空間
ができるように積み上げることが好ましい。図5および
図6はその一例を示すものであり、図2および図3に示
すようなブロック状の石材aを山状に規則的に積み上げ
たものである。また、図6は図4に示すような細長い石
材b(この石材の場合には、貫通孔が設けられている)
をランダムに積み上げたものである。いずれの場合に
も、石材と石材との間に空間sが形成されている。
【0090】また、図7および図8、図9および図10
は、ブロック状の石材aを山状に規則的に積み上げた場
合の他の例を示しており、このように石材の積み上げ形
態は任意である。また、藻場増殖促進型漁礁は、石材を
金属製構造物に固定し、或いは金属製籠内に設置するこ
とにより構成してもよい。このような藻場増殖促進型漁
礁は、コンクリート漁礁のように海水のpHを上昇させ
る恐れは全くなく、したがって、海中の動植物にとって
好適な生存環境を提供する。しかも、先に述べたように
石材そのものが海藻類の着生、成育、繁殖に好適なもの
であるため、沿岸岩礁部と同様の動植物の生態系を定着
させることができる。
【0091】次に、本発明の水中沈設用石材を水質浄化
用石材として用いる場合の好ましい条件について説明す
る。生物の食物連鎖による水質自浄作用が適切に得られ
るような環境を、水質浄化用資材によって提供するため
には、資材自体が、有機汚濁物質を分解する好気性微生
物が付着・繁殖し、且つこれらが活発に活動できる環境
を備えていること、また、それら微生物を捕食する原生
動物が活発に活動できる環境を備えていること、さらに
は、有機汚濁物質の分解物を栄養源として取り込む藻類
等の水生植物が着生・成育できる環境を備えていること
が必要である。この点、従来のコンクリート製資材はそ
の多孔質の内部や周囲の水のpHが上昇するため、好気
性微生物の生存環境や藻類の成育環境のいずれの面でも
大きな問題があり(例えば、硝化菌はpH7〜9が適正
環境である)、むしろそれらの環境をより悪化させる可
能性さえある。
【0092】これに対して本発明の石材は、主原料(未
炭酸化Ca含有材または未炭酸化Ca含有材とスラグと
の混合物)中に含まれる未炭酸化Caの大部分を炭酸化
反応によってCaCO3に変化させ、且つこのCaCO3
をバインダーとして主原料粒子を固結させたものである
ため、多孔質の内部や周囲の水のpHを上昇させるおそ
れは殆どなく、このため好気性微生物の生存環境や藻類
の成育環境がpH上昇によって阻害されることはない。
【0093】このような粉状および/または粒状の主原
料を炭酸化反応で固結させた石材は、元々比較的ポーラ
ス性状を有するが、特に、水質浄化用石材としての高い
生物担体機能(特に、好気性微生物の担体機能)、さら
には水生植物や湿性植物の植生基盤としての高い機能を
得るために、以下のような開気孔の条件を満足すること
が好ましい。
【0094】すなわち、本発明の石材を水質浄化用石材
として用いる場合、気孔径10μm以上の開気孔による
全開気孔率が10容積%以上、好ましくは20容積%以
上であることが好ましい。先に述べたように開気孔とは
石材内部に存在する気孔のうち石材表面に通じている気
孔(連続空間)であり、このような開気孔は微生物を付
着・繁殖させる場(棲家)を提供するだけでなく、石材
内部に水と空気を自由に流入通過させることで石材内部
に好気性雰囲気を形成し、特に好気性微生物の生存と活
動に好適な環境を提供する。しかも、この開気孔によっ
て有機汚濁物質を含む水の自由な流入通過が確保される
ため、微生物による有機汚濁物質の分解および硝化を効
率的に促進させることができる。
【0095】また、粉状および/または粒状の未炭酸化
Ca含有材またはこれと粉状および/または粒状のスラ
グを炭酸固化して得られた本発明の石材は、その表面自
体が比較的ポーラスな性状であるため藻類等の水生植物
が着生し易く、この点だけでもコンクリート製資材等に
較べて藻類等の水生植物の植生基盤としての機能に優れ
ているが、さらに、上記のような形態で多くの開気孔が
形成されているため、植物の栄養源となる石材溶出成分
(後述する鉄分や可溶性シリカ)、さらには開気孔内で
の微生物による有機汚濁物質の分解・硝化により生じた
成分(栄養成分)が植物の着生部や根に直に供給され、
このため藻類等の水生植物の成育性にも極めて優れてい
る。
【0096】ここで、気孔径10μm未満の開気孔は、
菌類の棲家としては狭く、また閉塞しやすい。菌類は数
μm程度のものもいるが、それよりも大きい原生動物の
活動を考えると気孔径10μm未満では不十分である。
一方、気孔径500μmを超える開気孔の割合が多くな
ると、菌類が付着する面積が狭くなる。また、生態系を
維持するためには、菌類を捕食する原生動物の活動場が
必要であるが、そのスペースとしては300〜500μ
mが適正と言われている。
【0097】石材中の気孔径10μm以上の開気孔によ
る全開気孔率が10容積%未満では、微生物を付着させ
るための空間が減少するため十分な微生物担体機能を果
たせず、また石材内部を流入通過する水と空気の量も少
ないため、必要な水質浄化作用を得ることができなくな
る。また、水生植物の植生基盤としても、先に述べたよ
うな開気孔を通じた石材内部からの栄養成分の供給量も
減少するため、その機能が低下する。このため石材は気
孔径10μm以上、好ましくは10〜500μmの開気
孔による全開気孔率が10容積%以上、好ましくは20
容積%以上であることが好ましい。
【0098】また、同様の理由から、気孔径10μm以
上、好ましくは10〜500μmの開気孔が全開気孔に
占める割合が30容積%以上であることが特に好まし
い。全開気孔に占める上記孔径の開気孔の割合が30容
積%未満では石材全体に対する菌類の活動場が少なくな
り、水質浄化の効率が悪い。
【0099】なお、開気孔の気孔径は、水銀圧入法で求
めた細孔径あるいは石材表面または表面と平行な切断面
の顕微鏡像の画像解析により求めた空隙の相当直径とし
て求めることができる。気孔径数百μm以下の開気孔に
よる開気孔径分布は、水銀圧入法で求めることができ、
気孔径10μm以下の開気孔も求めることができる。ま
た、全開気孔率はJIS R 2205(いわゆるアルキ
メデス法)の見掛気孔率で求めることができる。したが
って、気孔径10μm以上の開気孔の開気孔率は、全開
気孔率から気孔径10μm以下の開気孔による開気孔率
を差し引くことによって求めることができる。さらに、
数百μm以上の開気孔については、画像処理により気孔
径と気孔率を測定することができるので、気孔径500
μm以上の開気孔の気孔率を差し引くことも可能であ
る。
【0100】先に述べたように石材中に少量含まれる未
炭酸化Caは、これが水中に微量に溶出して水中の燐を
固定(燐を吸着してリン酸カルシウムを生成)する。水
中の燐は、富栄養化の一因であり、赤潮発生の原因とな
る。したがって、この水中の燐をCa分で固定・除去す
ることは水質浄化に役立つ。このため石材中には未炭酸
化Ca(CaOおよび/またはCa(OH)2)が少量
含まれることが好ましい。
【0101】石材中の未炭酸化Caの存在形態として
は、石材表層部には未炭酸化Caが実質的に存在せず、
石材内部にのみ未炭酸化Caを含有するような形態とす
ることが好ましい。これは、石材表層部に未炭酸化Ca
が残存しているような石材は、ハンドリングする際に必
要となる石材表層部の強度が不十分であるためである。
石材表層部に未炭酸化Caが実質的に存在しないように
すれば、石材表層部の必要な強度を確保することができ
る。
【0102】また、石材中の未炭酸化Caの存在形態と
しては、固結した主原料粒子の表層部及び主原料粒子間
には未炭酸化Caが実質的に存在せず、主原料粒子内部
にのみ未炭酸化Caが存在するような形態としてもよ
い。この場合には、石材の強度は粒間の結合で維持さ
れ、且つ粒子表面と粒内(未炭酸化Ca)との間には、
微細な細孔が存在するため、粒内のCaイオンが水を介
して粒子表面より溶け出して、燐の固定に寄与する。
【0103】石材中に未炭酸化Caを含有させるには、
石材原料中のCaO、Ca(OH)2の一部を炭酸化さ
せることなく残存させる方法が採られる。この未炭酸化
のままで残存させるCa分としては元々主原料中に含ま
れるCa分であってもよいし、主原料中に添加材として
添加されたCa分であってもよい。
【0104】また、石材中に含まれる鉄分は、先に述べ
たように水中に溶出して藻類等の水生植物の栄養源とな
るだけでなく、水中に溶出して水中の硫黄を固定(硫化
鉄の生成)する。水中の硫黄はCODを高め、青潮発生
の原因となる。したがって、この水中の硫黄を鉄分で固
定・除去することは水質浄化に役立つ。このため石材中
には適量の鉄分が含まれていることが好ましい。
【0105】石材の形状に特別な制約はなく、ランダム
な塊状、ブロック状、球状、粒状、円筒状等の任意に形
状に構成できる。但し、水中の小生物のための空間も形
成するという意味では、少なくともmmオーダーないし
はcmオーダーの中空部や凹凸部があった方がよい。ま
た、石材の使用形態としては、石材を海、河川、湖沼、
池等の水中(海水、淡水、汽水中)または水際等に設置
して石材の少なくとも一部を浄化対象水と接触させれば
よく、また、水位が長期的または短期的に変動するため
に一時的に水と接触しないような設置場所で使用しても
よい。
【0106】以上のような水質浄化用石材は、その多孔
質内部や周囲の水のpHを上昇させることがなく、しか
も優れた微生物担体機能(多様な生物、特に微生物を安
定して棲息させる機能)を有しており、多様な微生物を
固定して微生物による有機性汚濁物質の分解と窒素化合
物の硝化を効率的に促進させる。さらに、上述したよう
な水生植物の植生基盤としての優れた機能により、藻類
のような水生植物、さらには湿性植物の生育環境を提供
し、植物による富栄養分の吸収を促進させることにより
自然の水質浄化能力を向上させる。さらに、この石材で
育成された水生植物は水生生物の餌や棲家を提供するた
め、多様な生物間での食物連鎖の環境が確保され、生物
の生態系、食物連鎖による水の自浄作用を促進させる。
そして、このような微生物担体機能と植生基盤としての
機能が複合化することにより、従来のようなコンクリー
ト製の水質浄化ブロックでは得られない優れた水質浄化
作用が得られる。
【0107】次に、本発明の水中沈設用石材の製造法に
ついて説明する。本発明による水中沈設用石材の製造法
では、主原料である粉状および/または粒状の未炭酸化
Ca含有材、または粉状および/または粒状の未炭酸化
Ca含有材と粉状および/または粒状のスラグとの混合
物に必要に応じて添加材を添加し、この石材原料による
積み山または任意の空間内での充填層を形成し、この積
み山または充填層に炭酸ガス存在下で炭酸化反応を生じ
させることにより前記混合物を固結させ、石材原料が塊
状化した石材を得る。
【0108】図11は本発明法の製造フローの一例を示
している。主原料である未炭酸化Ca含有材やスラグ
は、必要に応じて粉砕処理が施され、粉状および/また
は粒状化される。この主原料には、必要に応じて上述し
た各種添加材を配合することができる。
【0109】主原料と添加材との混合は任意な方法で行
うことができ、例えば、モルタルミキサーやコンクリー
トミキサー等の混練機で混合する方法、ホッパー内で混
合する方法、ショベル等の重機により混合する方法等、
任意の方法を採ることができる。また、この段階におい
て、必要に応じて石材原料の水分調整を行うこともでき
る。この水分調整については、後に詳述する。
【0110】このようにして必要に応じて添加材が添
加、混合され、且つ必要に応じて水分調整がなされた石
材原料は、炭酸固化のために山積みまたは任意の空間内
に充填される。ここで、石材原料を山積みする場合には
野積みで構わないが、吹き込まれる炭酸ガスが積み山全
体に十分に流れるようにし、且つ石材原料の飛散や雨水
等による流失を避けるため、積み山をシート等で覆うこ
とが好ましい。
【0111】また、石材原料の山積みまたは充填には、
例えば三方を仕切壁で囲んだようなピット、四方を仕切
壁で囲んだ型枠または容器等を用いることができる。こ
のうちピット内に石材原料を山積みまたは充填する場合
にも、上記野積みの場合と同様に、積み山または充填層
をシート等で覆うことが好ましい。また、型枠または容
器を用いる場合にも、石材原料の充填層をシートで覆う
か或いは蓋体を設けることが好ましい。
【0112】石材原料の山積み量または充填量は特に限
定されず、例えば数トンないし数百トン規模の山積み量
または充填量としてもよいし、或いは石材1個ないし数
十個程度に相当する山積み量または充填量としてもよ
く、その量は任意である。但し、石材原料の山積み量ま
たは充填量が多くても、炭酸固化後の積み山または充填
層を重機等で砕くことにより、塊状の石材を容易に切り
出すことができ、しかもこのようにして破砕により切り
出された塊状の石材は、海藻類等の水生植物の付着に有
利な凹凸状の破面を有する利点がある。したがって、生
産性や藻礁・漁礁用石材等としての機能の面からは石材
原料の山積み量または充填量はある程度多い方が好まし
い。
【0113】また、製造すべき石材の密度に応じて、石
材原料の積み山または充填層の嵩密度(圧密度)を調整
することが好ましい。すなわち、水中沈設用石材は海底
の状態等に応じて密度を調整することが好ましく、例え
ば海底が泥質またはヘドロ質の場合には、石材が泥やヘ
ドロ内に沈み込まないように比較的低密度の石材を使用
することが好ましく、一方、海底が岩礁等の場合には石
材が海流に流されないようにするため比較的高密度の石
材を使用することが好ましい。また、石材のポーラス度
(空隙率)により海藻類等の水生植物の付着、成育の度
合いや石材内部からの有効成分の溶出性の度合いも違っ
てくることから、石材を適用する水域の状況に応じて石
材のポーラス度を調整することが好ましい場合もある。
【0114】本発明法により製造される石材の密度は、
石材原料の積み山または充填層の嵩密度(圧密度)に依
存し、したがって、上記のような必要に応じて石材原料
の積み山または充填層の締め固めの度合いを調整し、そ
の嵩密度を調整することにより、石材の密度を容易に調
整することができる。石材原料の積み山または充填層の
締め固めの度合いは任意であるが、通常、嵩比重/真比
重が0.3〜0.9の範囲、すなわち積み山または充填
層内の空隙率が70〜10%となる程度に締め固めが行
われる。
【0115】石材原料の積み山または充填層の締め固め
は、積み山または充填層の上部から重機等で加圧して締
め固める方法や、積み山または充填層に振動を与えるこ
とにより締め固める方法、両者を併用する方法等を採用
でき、これらを行う際の締め固めの度合いを調整すこと
により、積み山または充填層の嵩密度の調整を行う。ま
た、特に低密度の石材を製造する場合には締め固めを行
わず、石材原料を山積みまたは充填したままで炭酸固化
を実施することもできる。
【0116】締め固めの具体的な方法としては、例えば
上述したようなピット、型枠または容器内の積み山また
は充填層に対して締め固めを行う場合、ピット、型枠ま
たは容器の内側に目標とする体積を示す秤線を表示して
おき、重量の分かった石材原料をそれらの内部に入れた
後、積み山または充填層の上面が上記秤線の高さになる
まで締め固めを行う。
【0117】以上のような石材原料の積み山または充填
層の嵩比重の調整が完了した後、その積み山または充填
層に炭酸ガス存在下で炭酸化反応を生じさせ、石材原料
を炭酸固化させる。具体的には、石材原料の積み山また
は充填層内に炭酸ガスまたは炭酸ガス含有ガスを吹き込
むか、若しくは積み山または充填層を炭酸ガスまたは炭
酸ガス含有ガス雰囲気下に置き、石材原料の炭酸固化を
実施する。
【0118】積み山または充填層内に炭酸ガスまたは炭
酸ガス含有ガスを吹き込む方法に特別な制限はないが、
積み山または充填層の底部にガス吹き込み手段を設け、
このガス吹き込み手段を通じてガスを吹き込むことが最
も効果的である。具体的には、積み山または充填層の底
部(ピット、型枠または容器等を用いる場合には、それ
らの床部)にガス供給用の配管またはホース等を適当な
配置密度で配し、これら配管またはホースに適当なピッ
チ(例えば、30〜300mm×40〜400mmピッ
チ)で設けたガス吹出孔から炭酸ガスまたは炭酸ガス含
有ガスが吹き出されるようにすることができる。
【0119】また、積み山または充填層を炭酸ガスまた
は炭酸ガス含有ガス雰囲気中に置く方法としては、積み
山や充填層を気密性の空間(容器等を含む)内に置き、
この空間内に炭酸ガスや炭酸ガス含有ガスを任意の態様
で供給する方法等を採ることができる。使用される炭酸
ガス含有ガスとしては、例えば一貫製鉄所内で排出され
る石灰焼成工場排ガス(通常、CO2:25%前後)や
加熱炉排ガス(通常、CO2:6.5%前後)等が好適
であるが、これらに限定されるものではない。また、炭
酸ガス含有ガス中の炭酸ガス濃度が低すぎると処理効率
が低下するという問題を生じるが、それ以外の問題は格
別ない。したがって、炭酸ガス濃度は特に限定しない
が、効率的な処理を行うには3%以上の炭酸ガス濃度と
することが好ましい。
【0120】また、炭酸ガスまたは炭酸ガス含有ガスの
ガス吹込量にも特別な制限はなく、石材原料の積み山ま
たは充填層が流動しない程度にガス吹き込みを行えばよ
いが、一般的な目安としては0.004〜0.5m3
min・t程度のガス吹き込み量が確保できればよい。
また、ガス吹き込み時間(炭酸化処理時間)にも特別な
制約はないが、目安としては炭酸ガス(CO2)の吹込
量が石材原料の重量の3%以上となる時点、すなわち、
ガス量に換算すると材料1t当たり15m3以上の炭酸
ガス(CO2)が供給されるまでガス吹き込みを行うこ
とが好ましい。
【0121】石材原料の積み山または充填層に吹き込ま
れる炭酸ガスまたは炭酸ガス含有ガスは常温でよいが、
ガスが常温よりも高温であればそれだけ反応性が高まる
ため有利である。但し、ガスの温度が過剰に高いと石材
原料中の水分が蒸発してしまい、また、極端な場合には
CaCO3がCaOとCO2に分解してしまうため、高温
ガスを用いる場合でもこのような問題を生じない温度の
ガスを用いる必要がある。
【0122】また、石材原料を未炭酸化Caと炭酸ガス
との反応を利用して炭酸固化させるには水分が必要であ
り、石材原料の粒度等によって最適水分量は異なるが、
炭酸化処理開始直前の石材原料中の水分含有率は3〜1
0%程度の範囲とすることが適当である。これは水に未
炭酸化Caと炭酸ガスが溶解することにより炭酸化反応
が促進されるためである。したがって、石材原料は必要
に応じて最適水分量に水分調整した上で、炭酸ガス存在
下で炭酸化反応を生じさせるようにすることが好まし
い。このため石材原料の含水率が低過ぎる場合には、例
えば、図11の製造フローに示す混合過程等において石
材原料に水を加え、石材原料の水分含有率を高める等の
水分調整を行うことが好ましい。
【0123】石材原料の最適な含水状態(水分含有率)
とは、例えば石材原料の積み山または充填層内部での水
分の存在形態を例にして言うと、各石材原料粒子の表面
に薄い水膜が形成されるとともに、隣接する石材原料粒
子の水膜どうしが一部で接している状態であって、且つ
各石材原料粒子表面の水膜面に炭酸ガスが供給されるよ
うなガス流路が確保された状態であると考えられる。
【0124】使用する原料石材原料の最適水分量(水分
含有率)は、例えば以下のようにして求めることができ
る。一定量の石材原料に対して、吸水率(JIS A 1
109またはA 1110で規定される細骨材または粗
骨材の吸水率)以上の任意の量の水を加えた3水準以上
の石材原料サンプルを用意し、この各石材原料サンプル
を乾燥時の気孔率が一定になるように型枠内に充填す
る。10〜40℃の範囲内での所定温度の炭酸ガスを水
浴等を通して加湿した後、前記型枠内の底部から石材原
料充填層に一定の供給量と供給時間で吹込み、石材原料
を炭酸化養生して固化させる。その後、固化した各塊状
石材原料(石材ブロック)の圧縮強度を測定して、例え
ば、図12に示すような石材原料の水分含有率と圧縮強
度との関係を求め、圧縮強度の極大値が得られた石材原
料の水分含有率を当該石材原料の最適水分含有率とし、
石材原料の水分調整を行う。
【0125】図12は、石材原料の水分含有率の影響を
調べるため行った実験結果に基づく、石材原料の水分含
有率と製造された塊状石材原料(石材)の圧縮強度との
関係を示している。この実験では、塩基度(CaO/S
iO2):2.9の石材原料(コンクリート材)を5m
m以下に粉砕し、この石材原料に水を添加して数水準の
水分含有率に調整した。これら数水準の水分含有率の石
材原料をそれぞれ型枠内に充填し、炭酸ガスを0.5L
/min・kgの供給量で型枠の底部から石材原料充填
層に供給し、石材原料を炭酸固化させた。
【0126】この炭酸固化により得られたサイズ1m×
1m×1mの石材ブロック(塊状石材原料)の圧縮強度
を測定した結果、図12に示すような石材原料の水分含
有率と石材ブロックの圧縮強度との関係が得られた。こ
のうち石材原料を水分含有率a1に調湿して得られた石
材ブロックは最も高い圧縮強度を持つが、石材原料を水
分含有率a2に調湿して得られた石材ブロックは、脱枠
後にバケットで掴んで移動しようとしたところ、比較的
簡単に崩壊した。
【0127】また、石材原料の積み山または充填層内に
炭酸ガスまたは炭酸ガス含有ガスを供給するに当たって
は、炭酸ガスまたは炭酸ガス含有ガスを一旦水中に吹き
込んでH2Oを飽和させた後、積み山または充填層に吹
き込むようにすることにより、石材原料の乾燥を防止し
て炭酸化反応を促進させることができる。
【0128】以上のようにして石材原料の積み山または
充填層内に炭酸ガスまたは炭酸ガス含有ガスを供給する
ことにより、先に述べたような未炭酸化Ca(CaOお
よび/またはCa(OH)2)と炭酸ガスとの反応によ
ってCaCO3が生成し、このCaCO3がバインダーと
なって石材原料粒子(および添加材粒子)が固結する。
【0129】このような炭酸固化完了後、必要に応じて
重機等により積み山または充填層を適当な大きさに砕
き、塊状の水中沈設用石材が切り出される。したがっ
て、この切り出す際の大きさにより、任意の大きさの石
材を得ることができる。通常、塊状の石材は80〜15
00mmの大きさに切り出される。また、この切り出し
時の破砕により、石材に海藻類の付着し易い凹凸のある
破面が生じる。なお、本発明法では充填層の容積を十分
に小さくすることで、上記のような切り出しを行うこと
なくそのまま石材として利用することもできる。
【0130】このような本発明の製造法には、以下のよ
うな利点がある。 石材原料を積み山または充填層とした状態で炭酸固
化を行うため、積み山または充填層の締め固めの度合い
を調整してその嵩比重を調整することにより、水中沈設
用石材の密度の調整を簡単に行うことができる。先に述
べたように、水中沈設用石材は海底や河床、海流や水流
の状況等に応じて密度やポーラス度を適宜調整すること
が好ましく、このような調整を任意にしかも極く簡単に
行うことができることは、水中沈設用石材の製造法とし
て大きな利点である。従来技術として造粒ペレット等を
炭酸固化させる技術が知られているが、このような造粒
方式では非処理材の密度を幅広い範囲で調整することは
困難である。
【0131】 本発明法は石材原料を積み山または充
填層とした状態で炭酸固化を行い、炭酸固化完了後、積
み山または充填層を適当な大きさに砕いて所望の大きさ
の塊状石材を切り出し、或いは充填層をそのまま塊状石
材として利用するものであるため、切り出される石材の
大きさや充填層の大きさを適宜選択することにより、任
意の大きさ(例えば、80〜1500mm)の石材を得
ることができ、藻礁・漁礁用等として特に好ましい大塊
の石材も容易に得ることができる。上述した造粒ペレッ
ト等を炭酸固化させる従来技術では、得られる塊状物の
大きさはせいぜい30〜50mm程度が限度であり、し
かも、不可避的にサイズの小さい塊状物も生じてしま
う。したがって、本発明法のように大塊の石材が得られ
ることは水中沈設用石材の製造法として大きな利点であ
る。
【0132】 炭酸固化後、石材原料の積み山または
充填層を重機等により砕き、塊状の石材を切り出する方
法を採ることにより、海藻類等の水生植物の付着し易い
凹凸のある表面(破面)を有する塊状石材を得ることが
できる。
【0133】 石材を魚道等の人工構造部や人工河床
に固定的に敷設する場合、使用する石材はブロック状ま
たパネル状等の形状のものであることが好ましいが、本
発明法では充填層の大きさや形状を適宜選択することに
より、このような形状の石材も容易に得ることができ
る。また、このブロック状またパネル状の石材を得る際
に、炭酸固化して得られたブロック状の石材を破砕また
は破断処理して2分割することにより、上面に破面を有
するブロック状またはパネル状等の形状の石材を得るこ
とができる。
【0134】
【実施例】[実施例1]粒子の最大粒度が約30mm
で、且つ粒度5mm以下の粒子の割合が約70重量%で
ある粒度分布をもつコンクリート材からなる石材原料
(CaO含有率:13wt%)を、幅4m×奥行6mの
ピット内に高さ1.5mに山積みして適度に締め固めた
後、ピットを密閉し、炭酸ガスを供給量50Nm3/h
rの割合で3日間吹込み、石材原料を炭酸固化させた。
この炭酸固化した石材原料を重機により砕いて分割し、
藻礁用石材としてサイズが略1.0m〜1.5mの塊状
石材を得た。
【0135】比較例として、1.5m×1.5m×1.
5mのサイズの型枠内にモルタルを流し込み、硬化後の
コンクリートブロックをブレーカー(削岩機)により2
分割し、破砕面を有する藻礁用石材を得た。天然藻礁の
近くの水深4mの海底を試験的な藻礁造成場所に選定
し、上記本発明例の石材15個と比較例の石材20個
を、それぞれ直径約10mの範囲に沈設した。なお、比
較例の石材はその破砕面を上面にして沈設した。この石
材沈設の時期としては、海中の沈降物が海藻類の胞子等
の付着前に石材表面を覆ってしまわないようにするた
め、天然藻礁の海藻類から胞子が放出される直前の時期
を選んだ。
【0136】この石材沈設場所を約1年後に調査した結
果、いずれの石材にも海藻類が着生し、生育しているこ
とが確認されたが、坪刈調査により海藻類の生育量を調
べた結果、比較例の石材では湿重量:約800g/
2、本発明例の石材では湿重量:約1200g/m2
あり、本発明例の石材の方が海藻類の着生率、生育性が
良好であることが確認された。
【0137】[実施例2]原料粒子の最大粒度が約30
mmで、且つ粒度5mm以下の原料粒子の割合が約70
重量%である粒度分布をもつコンクリート材に添加材と
して粒鉄を添加した石材原料(CaO含有率:11wt
%、鉄分含有率:2wt%)を、幅4m×奥行6mのピ
ット内に高さ1.5mに山積みして適度に締め固めた
後、ピットを密閉し、炭酸ガスを供給量50Nm3/h
rの割合で3日間吹込み、石材原料を炭酸固化させた。
この炭酸固化した石材原料を重機により砕いて分割し、
藻礁用石材としてサイズが略1.0m〜1.5mの塊状
石材を得た。
【0138】比較例として、1.5m×1.5m×1.
5mのサイズの型枠内にモルタルを流し込み、硬化後の
コンクリートブロックをブレーカー(削岩機)により2
分割し、破砕面を有する藻礁用石材を得た。天然藻礁の
近くの水深4mの海底を試験的な藻礁造成場所に選定
し、上記本発明例の石材15個と比較例の石材20個
を、それぞれ直径約10mの範囲に沈設した。なお、比
較例の石材はその破砕面を上面にして沈設した。この石
材沈設の時期としては、海中の沈降物が海藻類の胞子等
の付着前に石材表面を覆ってしまわないようにするた
め、天然藻礁の海藻類から胞子が放出される直前の時期
を選んだ。
【0139】この石材沈設場所を約1年後に調査した結
果、いずれの石材にも海藻類が着生し、生育しているこ
とが確認されたが、坪刈調査により海藻類の生育量を調
べた結果、比較例の石材では湿重量:約750g/
2、本発明例の石材では湿重量:約1300g/m2
あり、本発明例の石材の方が海藻類の着生率、生育性が
良好であることが確認された。
【0140】[実施例3]原料粒子の最大粒度が約30
mmで、且つ粒度5mm以下の原料粒子の割合が約70
重量%である粒度分布をもつコンクリート材とスラグの
混合物からなる石材原料(コンクリート材/スラグ(重
量比):50/50、CaO含有率:22wt%、鉄分
含有率:3wt%)を、幅4m×奥行6mのピット内に
高さ1.5mに山積みして適度に締め固めた後、ピット
を密閉し、炭酸ガスを供給量50Nm3/hrの割合で
3日間吹込み、石材原料を炭酸固化させた。この炭酸固
化した石材原料を重機により砕いて分割し、藻礁用石材
としてサイズが略1.0m〜1.5mの塊状石材を得
た。
【0141】比較例として、1.5m×1.5m×1.
5mのサイズの型枠内にモルタルを流し込み、硬化後の
コンクリートブロックをブレーカー(削岩機)により2
分割し、破砕面を有する藻礁用石材を得た。天然藻礁の
近くの水深4mの海底を試験的な藻礁造成場所に選定
し、上記本発明例の石材15個と比較例の石材20個
を、それぞれ直径約10mの範囲に沈設した。なお、比
較例の石材はその破砕面を上面にして沈設した。この石
材沈設の時期としては、海中の沈降物が海藻類の胞子等
の付着前に石材表面を覆ってしまわないようにするた
め、天然藻礁の海藻類から胞子が放出される直前の時期
を選んだ。
【0142】この石材沈設場所を約1年後に調査した結
果、いずれの石材にも海藻類が着生し、生育しているこ
とが確認されたが、坪刈調査により海藻類の生育量を調
べた結果、比較例の石材では湿重量:約800g/
2、本発明例の石材では湿重量:約1350g/m2
あり、本発明例の石材の方が海藻類の着生率、生育性が
良好であることが確認された。
【0143】
【発明の効果】以上述べたように本発明の水中沈設用石
材は、海水や河川水のpHの上昇や白沈の発生等の問題
を生じることがなく、しかも藻礁・漁礁用石材、築磯用
石材、海底マウンド用石材、河床用石材、魚道用石材、
人工河床用石材、湖沼・池の沈設用石材、さらには、水
質浄化用石材等として、海、河川、湖沼、池等の水中に
沈設または敷設した際に、海藻類等の水生植物の育成や
魚介類の繁殖、魚類等の生存空間形成、水質浄化等の面
で優れた効果を発揮でき、また、河川のダムや堰等に設
けられる魚道等の人工構造部や石張り河床等の人工河床
に沈設または敷設した際に、魚類以外の水中生物の移動
性や水生植物の生育等の面で優れた効果を発揮すること
ができる。
【0144】また、本発明の製造方法によれば、石材原
料を積み山または充填層とした状態で炭酸固化を行うた
め、積み山または充填層の締め固めの度合いの調整、炭
酸固化後に切り出す石材の大きさや充填層の大きさ等を
適宜選択することにより、任意の密度と大きさの水中沈
設用石材を簡単且つ低コストに製造することができる。
【0145】また、本発明は、従来では路盤材等として
の利用価値しかなかったようなコンクリート廃材やスラ
グを付加価値の高い製品として利材化できるという大き
な利点がある。また、スラグの中には冷却時に生成する
γ−ダイカルシウムシリケートの変態膨張や、遊離Ca
Oの水和により生じる膨張等により粉化する性質を持つ
ものがあり、従来、このような粉化スラグは一部がセメ
ント原料等として利用される以外は利材化の途がなく、
大部分が廃棄されていたものであるが、本発明ではこの
ような粉化スラグについても原料として利用でき、さら
に組成上の制約からセメント原料等として利用するのに
難があり、有効利用が難しかったスラグ(例えば、脱燐
スラグや脱珪スラグ等)についても原料として利用でき
ることから、鉄鋼製造プロセスで発生するほとんどのス
ラグを有効利用でき、それも付加価値の高い製品として
利材化できる点で非常に有用な発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】外面に把手を有する本発明の水中沈設用石材の
実施形態を示す説明図
【図2】藻場増殖促進型漁礁に使用される本発明の石材
の一例を示す側面図
【図3】図2に示す石材の平面図
【図4】藻場増殖促進型漁礁に使用される本発明の石材
の他の例を示す斜視図
【図5】本発明の石材を使用した藻場増殖促進型漁礁の
一実施形態を示す側面図
【図6】本発明の石材を使用した藻場増殖促進型漁礁の
他の実施形態を示す側面図
【図7】本発明の石材を使用した藻場増殖促進型漁礁の
他の実施形態を示す平面図
【図8】図7に示す藻場増殖促進型漁礁の側面図
【図9】本発明の石材を使用した藻場増殖促進型漁礁の
他の実施形態を示す平面図
【図10】図9に示す藻場増殖促進型漁礁の側面図
【図11】本発明の製造フローの一例を示す説明図
【図12】石材原料の水分含有率と製造される石材の圧
縮強度との関係を概略的に示すグラフ
【符号の説明】
1…金具、2…把手、3…アンカー部、a,b…石材、
x…凹部、y…貫通孔、s…空間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C04B 14:04 14:34 14:30) (72)発明者 加藤 誠 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 中島 廣久 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 田辺 治良 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 2B003 AA01 BB01 CC04 CC05 DD01 DD02 EE04 2D018 CA00 4G012 PA11 PA13 PA29 PB03 PB04

Claims (43)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 未炭酸化Ca含有材(但し、鉄鋼製造プ
    ロセスで発生したスラグを除く)を主原料とする石材で
    あって、主原料である粉状および/または粒状の未炭酸
    化Ca含有材を、主としてこれに含まれる未炭酸化Ca
    の炭酸化反応で生成させたCaCO3をバインダーとし
    て固結させ、塊状化したことを特徴とする水中沈設用石
    材。
  2. 【請求項2】 未炭酸化Ca含有材(但し、鉄鋼製造プ
    ロセスで発生したスラグを除く)と鉄鋼製造プロセスで
    発生したスラグとを主原料とする石材であって、主原料
    である粉状および/または粒状の未炭酸化Ca含有材と
    粉状および/または粒状のスラグの混合物を、主として
    これらに含まれる未炭酸化Caの炭酸化反応で生成させ
    たCaCO3をバインダーとして固結させ、塊状化した
    ことを特徴とする水中沈設用石材。
  3. 【請求項3】 未炭酸化Ca含有材が、コンクリート、
    セメント、モルタル、耐火物の中から選ばれる1種以上
    からなることを特徴とする請求項1または2に記載の水
    中沈設用石材。
  4. 【請求項4】 未炭酸化Ca含有材が、コンクリート、
    セメント、モルタル、耐火物の中から選ばれる1種以上
    の材料から分離され、該材料よりも未炭酸化Ca含有率
    が高い未炭酸化Ca含有材であることを特徴とする請求
    項1または2に記載の水中沈設用石材。
  5. 【請求項5】 主原料に対して添加材を添加した原料を
    固結させ、塊状化したことを特徴とする請求項1、2、
    3または4に記載の水中沈設用石材。
  6. 【請求項6】 添加材の少なくとも一部が金属鉄、含金
    属鉄材、酸化鉄、含酸化鉄材の中から選ばれる1種以上
    であることを特徴とする請求項5に記載の水中沈設用石
    材。
  7. 【請求項7】 添加材の少なくとも一部が可溶性シリカ
    および/または含可溶性シリカ材であることを特徴とす
    る請求項5に記載の水中沈設用石材。
  8. 【請求項8】 添加材の少なくとも一部がCaO、Ca
    (OH)2、MgO、Mg(OH)2の中から選ばれる1
    種以上であることを特徴とする請求項5に記載の水中沈
    設用石材。
  9. 【請求項9】 添加材の少なくとも一部が水砕スラグ微
    粉末であることを特徴とする請求項5に記載の水中沈設
    用石材。
  10. 【請求項10】 未炭酸化Caを含有することを特徴と
    する請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9に
    記載の水中沈設用石材。
  11. 【請求項11】 石材表層部には未炭酸化Caが実質的
    に存在せず、石材内部にのみ未炭酸化Caを含有するこ
    とを特徴とする請求項10に記載の水中沈設用石材。
  12. 【請求項12】 固結した主原料粒子の表層部及び主原
    料粒子間には未炭酸化Caが実質的に存在せず、主原料
    粒子内部にのみ未炭酸化Caを含有することを特徴とす
    る請求項10に記載の水中沈設用石材。
  13. 【請求項13】 空隙率が10〜70%であることを特
    徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、
    10、11または12に記載の水中沈設用石材。
  14. 【請求項14】 石材内部の開気孔の内面が、未炭酸化
    Caの炭酸化反応で生成したCaCO3で覆われている
    ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、
    8、9、10、11、12または13に記載の水中沈設
    用石材。
  15. 【請求項15】 石材外面の少なくとも一部領域に、可
    溶性シリカの含有量が10〜90wt%の可溶性シリカ
    配合層を有することを特徴とする請求項1、2、3、
    4、5、6、7、8、9、10、11、12、13また
    は14に記載の水中沈設用石材。
  16. 【請求項16】 石材外面に、吊り上げ手段を係止でき
    る把手を有することを特徴とする請求項1、2、3、
    4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、1
    4または15に記載の水中沈設用石材。
  17. 【請求項17】 石材内部に補強材が配されていること
    を特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、
    9、10、11、12、13、14、15または16に
    記載の水中沈設用石材。
  18. 【請求項18】 石材が有する気孔径10μm以上の開
    気孔による全開気孔率が10容積%以上であることを特
    徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、
    10、11、12、13、14、15、16または17
    に記載の水中沈設用石材。
  19. 【請求項19】 気孔径10μm以上の開気孔による全
    開気孔率が20容積%以上であって、且つ気孔径10〜
    500μmの開気孔が石材中の全開気孔に占める割合が
    30容積%以上であることを特徴とする請求項18に記
    載の水中沈設用石材。
  20. 【請求項20】 未炭酸化Ca含有材(但し、鉄鋼製造
    プロセスで発生したスラグを除く)を主原料とする水中
    沈設用石材の製造方法であって、粉状および/または粒
    状の未炭酸化Ca含有材を主原料とする石材原料による
    積み山または任意の空間内での充填層を形成し、該積み
    山または充填層に炭酸ガス存在下で炭酸化反応を生じさ
    せることにより石材原料を固結させ、石材原料が塊状化
    した石材を得ることを特徴とする水中沈設用石材の製造
    方法。
  21. 【請求項21】 未炭酸化Ca含有材(但し、鉄鋼製造
    プロセスで発生したスラグを除く)と鉄鋼製造プロセス
    で発生したスラグとを主原料とする水中沈設用石材の製
    造方法であって、粉状および/または粒状の未炭酸化C
    a含有材と粉状および/または粒状のスラグを主原料と
    する石材原料による積み山または任意の空間内での充填
    層を形成し、該積み山または充填層に炭酸ガス存在下で
    炭酸化反応を生じさせることにより石材原料を固結さ
    せ、石材原料が塊状化した石材を得ることを特徴とする
    水中沈設用石材の製造方法。
  22. 【請求項22】 未炭酸化Ca含有材が、コンクリー
    ト、セメント、モルタル、耐火物の中から選ばれる1種
    以上からなることを特徴とする請求項20または21に
    記載の水中沈設用石材の製造方法。
  23. 【請求項23】 未炭酸化Ca含有材が、コンクリー
    ト、セメント、モルタル、耐火物の中から選ばれる1種
    以上の材料から分離され、該材料よりも未炭酸化Ca含
    有率が高い未炭酸化Ca含有材であることを特徴とする
    請求項20または21に記載の水中沈設用石材の製造方
    法。
  24. 【請求項24】 石材原料が主原料と添加材とからなる
    ことを特徴とする請求項20、21、22または23に
    記載の水中沈設用石材の製造方法。
  25. 【請求項25】 添加材の少なくとも一部が金属鉄、含
    金属鉄材、酸化鉄、含酸化鉄材の中から選ばれる1種以
    上であることを特徴とする請求項24に記載の水中沈設
    用石材の製造方法。
  26. 【請求項26】 添加材の少なくとも一部が可溶性シリ
    カおよび/または含可溶性シリカ材であることを特徴と
    する請求項24に記載の水中沈設用石材の製造方法。
  27. 【請求項27】 添加材の少なくとも一部がCaO、C
    a(OH)2、MgO、Mg(OH)2の中から選ばれる
    1種以上であることを特徴とする請求項24に記載の水
    中沈設用石材の製造方法。
  28. 【請求項28】 添加材の少なくとも一部が水砕スラグ
    微粉末であることを特徴とする請求項24に記載の水中
    沈設用石材の製造方法。
  29. 【請求項29】 石材原料の積み山若しくは充填層に炭
    酸ガス若しくは炭酸ガス含有ガスを吹き込むか、または
    積み山若しくは充填層を炭酸ガス若しくは炭酸ガス含有
    ガス雰囲気下に置くことを特徴とする請求項20、2
    1、22、23、24、25、26、27または28に
    記載の水中沈設用石材の製造方法。
  30. 【請求項30】 石材原料の積み山または充填層の嵩比
    重/真比重を0.3〜0.9の範囲とすることを特徴と
    する請求項20、21、22、23、24、25、2
    6、27、28または29に記載の水中沈設用石材の製
    造方法。
  31. 【請求項31】 炭酸ガスまたは炭酸ガス含有ガスを水
    中に通すことでH2Oを飽和させ、しかる後、石材原料
    の積み山または充填層に炭酸化処理のために供給するこ
    とを特徴とする請求項20、21、22、23、24、
    25、26、27、28、29または30に記載の水中
    沈設用石材の製造方法。
  32. 【請求項32】 固結した積み山または充填層を所望の
    大きさの塊状物に破砕し、該破砕による破面を有する塊
    状石材を得ることを特徴とする請求項20、21、2
    2、23、24、25、26、27、28、29、30
    または31に記載の水中沈設用石材の製造方法。
  33. 【請求項33】 石材原料を最適水分含有率に水分調整
    した上で、該石材原料の積み山または充填層に炭酸ガス
    存在下で炭酸化反応を生じさせることを特徴とする請求
    項20、21、22、23、24、25、26、27、
    28、29、30、31または32に記載の水中沈設用
    石材の製造方法。
  34. 【請求項34】 全量が粒度50mm以下であって、累
    積粒度分布の小径側から30重量%の粒度(D30)が
    800μm以下である粒度分布を有し、且つ水分含有率
    が3〜10%である石材原料の積み山または充填層に炭
    酸ガス存在下で炭酸化反応を生じさせることを特徴とす
    る請求項20、21、22、23、24、25、26、
    27、28、29、30、31、32または33に記載
    の水中沈設用石材の製造方法。
  35. 【請求項35】 請求項1、2、3、4、5、6、7、
    8、9、10、11、12、13、14、15、16ま
    たは17に記載の石材を、藻類が生育可能な浅海域の海
    中に設置することで構成したことを特徴とする藻場増殖
    促進型漁礁。
  36. 【請求項36】 複数個の石材を任意に積み上げること
    により構成したことを特徴とする請求項35に記載の藻
    場増殖促進型漁礁。
  37. 【請求項37】 石材が定形体であり、その複数個を石
    材間の少なくとも一部に空間が形成されるように規則的
    に積み上げて構成したことを特徴とする請求項36に記
    載の藻場増殖促進型漁礁。
  38. 【請求項38】 石材を金属製構造物に固定しまたは金
    属製籠内に設置したことを特徴とする請求項35に記載
    の藻場増殖促進型漁礁。
  39. 【請求項39】 石材が凹部または貫通孔を有すること
    を特徴とする請求項35、36、37または38に記載
    の藻場増殖促進型漁礁。
  40. 【請求項40】 請求項1、2、3、4、5、6、7、
    8、9、10、11、12、13、14、15、16、
    17、18または19に記載の石材を、河川内において
    水が流れる人工構造部または人工河床に沈設または敷設
    することを特徴とする水中沈設用石材の使用方法。
  41. 【請求項41】 石材を、魚道の少なくとも底部に沈設
    または敷設することを特徴とする請求項40に記載の水
    中沈設用石材の使用方法。
  42. 【請求項42】 沈設または敷設された石材の上面が、
    破砕または破断により形成された破面であることを特徴
    とする請求項40または41に記載の水中沈設用石材の
    使用方法。
  43. 【請求項43】 請求項18または19に記載の石材
    を、その少なくとも一部が水質浄化対象である海水、淡
    水または汽水と接触するよう設置することを特徴とする
    水質浄化方法。
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