JP4736444B2 - 浅場等の造成方法 - Google Patents
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Description
浅場は、海草や海藻類の生育場、魚介類や底生生物の棲息場や餌場となる水域であり、また、それらの生物の活動を通じて海水や底質の浄化が行われる場所でもある。また同様に、干潟も各種の海藻類や魚介類・底生生物などの生育・棲息場であり、特に最近では干潟による海水の高い浄化作用が注目されている。したがって、沿岸海域の環境保全や海藻・魚介類などの有用水産資源の確保という観点から、浅場や干潟の存在は非常に重要なものであると言える。
従来行われている浅場や干潟の造成では、造成すべき水域に他の場所で採取した天然砂や自然石を投入する方法が採られている。しかし、このように造成用の資材として天然資源(天然砂、自然石)を用いることは、その採取場所での新たな自然破壊を伴うことになるため好ましくない。
このような背景から、浚渫土を浅場や干潟の造成用資材として用いる試みがなされている。この造成法は、浅場や干潟を造成すべき水域を囲むように造成材流出防止用の潜堤を自然石などで構築し、この潜堤の内側に浚渫土を投入して中詰層を形成し、この中詰層の上に海砂を覆砂するものであり、中詰材として大量の浚渫土を用いることができるとともに、造成用の海砂の使用量も削減できるという利点がある(非特許文献1)。
「CDIT 2003 No.10」(財団法人 沿岸開発技術研究センター機関誌)p.18−19
したがって本発明の目的は、浚渫土を用いた浅場や干潟の造成において、造成資材の流出などの問題を生じることなく、長期間にわたって生物の生育・棲息に好適な環境が維持される浅場や干潟を造成することができる方法を提供することにある。
[1]浅場又は/及び干潟を造成すべき水域を囲むように造成材流出防止用の潜堤を構築し、該潜堤の内側に、固化材とともに浚渫土を投入して中詰層を形成し、該中詰層の上に鉄鋼製造プロセスで発生したスラグによる覆砂層を設ける浅場等の造成方法であり、前記潜堤を製鋼スラグにより構築するとともに、潜堤上部を、粒径80mm超の割合が5mass%以上、粒径50mm超の割合が10mass%以上、粒径30mm超の割合が45mass%以上の粒度分布を有する製鋼スラグにより構成し、潜堤下部を、粒径30mm以下の割合が85mass%以上、粒径10mm以下の割合が10mass%以上、粒径5mm以下の割合が3mass%以上、粒径1mm以下の割合が1mass%以上の粒度分布を有する製鋼スラグにより構成することを特徴とする浅場等の造成方法。
[2]上記[1]の造成方法において、潜堤の内側に、固化材を混合した浚渫土を投入して、該固化材を混合した浚渫土により中詰層の少なくとも一部を形成することを特徴とする浅場等の造成方法。
[3]上記[1]の造成方法において、潜堤の内側に、浚渫土と固化材を順次投入して、複層の浚渫土層と該各浚渫土層間に介在し且つ層厚が浚渫土層の層厚よりも薄い固化材層とにより中詰層の少なくとも一部を形成することを特徴とする浅場等の造成方法。
[4]上記[2]又は[3]の造成方法において、固化材が製鋼スラグからなることを特徴とする浅場等の造成方法。
[5]上記[1]〜[4]のいずれかの造成方法において、覆砂層が、高炉水砕スラグによる覆砂層であることを特徴とする浅場等の造成方法。
[7]上記[6]の造成方法において、覆砂層の下層を構成する製鋼スラグの粒径が10〜80mmであることを特徴とする浅場等の造成方法。
[8]上記[1]〜[7]のいずれかの造成方法において、覆砂層の上に海藻着生基盤又は/及び漁礁を設置することを特徴とする浅場等の造成方法。
[9]上記[8]の造成方法において、海藻着生基盤又は/及び漁礁が、鉄鋼製造プロセスで発生した塊状のスラグ、鉄鋼製造プロセスで発生したスラグを主原料とする炭酸固化体ブロック、鉄鋼製造プロセスで発生したスラグを主原料とする水和硬化体ブロックの中から選ばれる1種以上であることを特徴とする浅場等の造成方法。
[11]上記[10]の造成構造物において、中詰層の少なくとも一部が、固化材を混合した浚渫土からなることを特徴とする造成構造物。
[12]上記[10]の造成構造物において、中詰層の少なくとも一部が、複層の浚渫土層と該各浚渫土層間に介在し且つ層厚が浚渫土層の層厚よりも薄い固化材層とからなることを特徴とする造成構造物。
[13]上記[11]又は[12]の造成構造物において、固化材が製鋼スラグからなることを特徴とする造成構造物。
[14]上記[10]〜[13]のいずれかの造成構造物において、覆砂層が、高炉水砕スラグによる覆砂層であることを特徴とする造成構造物。
[16]上記[15]の造成構造物において、覆砂層の下層を構成する製鋼スラグの粒径が10〜80mmであることを特徴とする造成構造物。
[17]上記[10]〜[16]のいずれかの造成構造物において、覆砂層の上に海藻着生基盤又は/及び漁礁が設置されたことを特徴とする造成構造物。
[18]上記[17]の造成構造物において、海藻着生基盤又は/及び漁礁が、鉄鋼製造プロセスで発生した塊状のスラグ、鉄鋼製造プロセスで発生したスラグを主原料とする炭酸固化体ブロック、鉄鋼製造プロセスで発生したスラグを主原料とする水和硬化体ブロックの中から選ばれる1種以上であることを特徴とする造成構造物。
また、請求項9及び請求項18に係る発明によれば、天然資源を用いることなく100%リサイクル材(鉄鋼スラグ+浚渫土)で浅場等を造成することができ、リサイクル材の有効利用、施工の低コスト化、天然資源の利用による環境破壊の防止などの面からも極めて有利である。
図1及び図2は、本発明による浅場の造成方法の一実施形態を示すもので、図1は造成された浅場の模式縦断面、図2は同じく平面図である。
一般に、新規の浅場を造成する場所(水域)としては、海岸に面した比較的水深の大きい水域(例えば、水深15m以上)であるが、これに限られるものではなく、また、必ずしも海岸に面した水域でなくてもよい。造成される浅場の規模は任意であるが、一般的には1辺が100m〜数千m程度の規模が想定される。
本発明法で造成される浅場(造成構造物)は、基本的な構成要素として、造成材流出防止用の潜堤1と、この潜堤1内に形成される中詰層2と、この中詰層2の上に設けられる覆砂層3と有し、さらに好ましくは覆砂層3に設置される海藻着生基盤4(及び/又は漁礁)を有する。
また、製鋼スラグをはじめとする各種のスラグは、水和処理、炭酸化処理、エージング処理、水和硬化、炭酸化硬化などを経たものを用いてもよい。
また、潜堤1の天端高さの水深は、一般に覆砂層3の最高水深部の水深は、海藻や海草が光合成により生育可能な5〜7m以内で設定されるので、少なくともこの覆砂層3の流出を防止できるような高さに設定される。また、潜堤1の天端高さは、貧酸素水塊の浸入を防止するために覆砂層3の流出を防止の観点よりも高め(小さい水深)に設定してもよい。
潜堤1をスラグで構築するには、例えば、ガット船から構築場所にスラグを投入すればよい。
浚渫土は、事前に乾燥処理(例えば、天日乾燥など)や脱水処理(薬剤を添加して凝集させた後に脱水・減容化する方法)を施したものであってもよい。
固化材としては、水硬性を有するものであれば特に種類を問わないが、例えば、セメント、石灰、製鋼スラグなどの鉄鋼製造プロセスで発生したスラグ、コンクリート廃材などが挙げられ、これらの1種以上を用いることができる。また、この固化材とともに、改質剤、気泡剤、発泡ビーズなどの添加剤を用いてもよい。
固化材を浚渫土に混合する方法としては、事前に混合処理設備などを用いて混合する方法、潜堤内への投入時に混合する方法など、任意である。
固化材の浚渫土に対する混合率は、中詰層2の所望の強度に応じて適宜選択すればよい。
覆砂層に用いる鉄鋼製造プロセスで発生するスラグとしては、高炉水砕スラグ、高炉徐冷スラグ(但し、この高炉徐冷スラグは水中でSが溶出しないようにするため、十分にエージング処理したものが好ましい)、溶銑予備処理、転炉脱炭精錬、鋳造、電気炉精錬などの工程で発生する製鋼スラグ(脱燐スラグ・脱硫スラグ・脱珪スラグなどの溶銑予備処理スラグ、脱炭スラグ、鋳造スラグ、電気炉スラグなど)、鉱石還元スラグなどが挙げられ、これらの2種以上を用いてもよい。
なお、これら各種スラグは、水和処理、炭酸化処理、エージング処理、水和硬化、炭酸化硬化などを経たものを用いてもよい。
このような物理的な性質を有する高炉水砕スラグの覆砂層3は、それ自体が波浪に対する安定性が高く且つ敷設後の圧密沈下を生じにくく、しかも下層(中詰層)の重し・蓋としての機能性が高い。したがって、(1)一般に浮泥などを多く含む浚渫土からなる中詰層の上層に形成された高炉水砕スラグの覆砂層は中詰層を安定化させ、浚渫土の露出や流失を効果的に抑制することができる、(2)覆砂層上に後述する海藻着生基盤や漁礁などの重量物を設置しても、これら重量物の埋没が殆ど生じない、という効果が得られる。
スラグの覆砂層3の厚さは特に制限はなく、上述した機能からして浚渫土(中詰層2)の厚さに応じて適宜選択すればよいが、通常30cm以上、より望ましくは70cm以上が好ましい。
覆砂層3は、海藻や海草の生育に必要な光量が確保される水深帯であることが好ましく、通常、最深部で水深5〜7m程度とすることが好ましい。
製鋼スラグは、高炉水砕スラグに較べて硫化水素の発生抑制作用や硫化水素の固定作用が大きく、また、水硬性を有するため海中で固化しやすい性質がある。したがって、覆砂層3の上層3aを高炉水砕スラグで構成することにより上述した特有の作用効果が得られるとともに、覆砂層3の下層3bを製鋼スラグで構成することにより、硫化水素の発生抑制作用や硫化水素の固定作用がより効果的に得られ、しかも製鋼スラグ層はそれ自体で或いは浚渫土と反応して固化することにより中詰層の蓋の役目を果たすため、中詰層での硫化水素の発生や中詰層からの硫化水素の溶出をより効果的に抑制することができる。
製鋼スラグの粒度は特に制限はないが、水硬性を有する製鋼スラグがそれ自体で或いは浚渫土と反応して適度に固化し、一方において周囲の水のpHを過剰に高めないようにするため、製鋼スラグとしては10〜80mm、望ましくは10〜50mm程度の粒径のものを用いることが好ましい。ここで、粒径80mm以下、粒径50mm以下とは、それぞれJIS Z 8801に規定する呼び寸法が75mmの網ふるい(粒径80mm以下の場合)、同じく呼び寸法が53mmの網ふるい(粒径50mm以下の場合)を用いてふるい分けした際の“ふるい下”であることを指す。また、粒径10mm以上とは、JIS Z 8801に規定する呼び寸法が9.5mmの網ふるいを用いてふるい分けした際の“ふるい上”であることを指す。
以上のように覆砂層3が高炉水砕スラグによる上層3aと製鋼スラグによる下層3bとで構成される場合の覆砂層3の厚さについても特に制限はなく、上述した機能からして浚渫土(中詰層2)の厚さに応じて適宜選択すればよいが、通常30cm以上、より望ましくは70cm以上が好ましい。また、上層3aと下層3bの層厚比は、上層3a/下層3b=3/7〜7/3程度が好ましい。
さらに、前記覆砂層3の上に海藻着生基盤4(又は/及び漁礁)を設置し、海藻類や魚介類の成育・棲息環境を整えることが好ましい。この海藻着生基盤や漁礁は、自然石、ブロック(例えば、コンクリートブロック)、鋼製構造体などの任意のもので構成することができるが、特に、上述したような鉄鋼製造プロセスで発生した塊状スラグ、鉄鋼製造プロセスで発生したスラグ(鉄鋼スラグ)を主原料とする炭酸固化体ブロック、或いは同じく鉄鋼スラグを主原料とする水和硬化体ブロックなどを用いるのが好ましい。また、その中でも特に鉄鋼スラグを主原料とする炭酸固化体ブロックが好ましく、本実施形態ではこのブロックを配置している。
また、主原料である鉄鋼スラグを炭酸固化させて得られた炭酸固化体ブロックとしては、例えば特許第3175694号で提案されている、鉄鋼スラグを主原料とする粉粒状原料を炭酸化反応で生成させたCaCO3(場合によっては、さらにMgCO3)を主たるバインダーとして固結させ、塊状化させたものを用いることができる。また、鉄鋼スラグとしては、先に挙げたような各種スラグ、すなわち高炉で発生する高炉水砕スラグや高炉徐冷スラグ、予備処理、転炉、鋳造等の工程で発生する脱炭スラグ、脱燐スラグ、脱硫スラグ、脱珪スラグ、鋳造スラグ等の製鋼スラグ、鉱石還元スラグ、電気炉スラグ等を用いることができる。
なお、ブロックに用いる結合材としては、上述した高炉水砕スラグの微粉末などの他にシリカ含有物質(例えば、粘土、フライアッシュ、ケイ砂、シリカゲル、シリカシューム)、セメント、消石灰、NaOHなどを適宜組み合わせて使用することもできる。
また、塊状スラグや自然石を設置する場合には、例えばそれらを山状に積み上げたり、或いは金網籠など入れて設置するなど、任意の設置形態を採ることができる。
本実施形態では、複数の炭酸固化体ブロックを潜堤1寄りの覆砂層3上に適当な間隔(例えば1m以上の間隔)で配置してある。
この実施形態は、浚渫土と固化材を層状に設けることにより中詰層2を形成したものである。すなわち、潜堤1の内側に浚渫土と固化材を順次投入して、複層の浚渫土層20とこの各浚渫土層20間に介在し且つ層厚が浚渫土層20の層厚よりも薄い固化材層21とからなる中詰層2を形成し、この中詰層2の上にスラグ(好ましくは、高炉水砕スラグ)による覆砂層3を設けたものである。
ここで、固化材としては、先の実施形態で述べたようなものを用いることができる。
中詰層2内に形成する固化材層21は1層又は2層以上の任意の層数とすることができるが、中詰層2をより安定的に拘束するには、2層以上、好ましくは3層以上設けることが好ましい。
本実施形態のその他の構成及び好ましい条件は、図1及び図2の実施形態と同様である。
また、この図4の実施形態においても、上述したような高炉水砕スラグからなる覆砂層3に替えて、図3に示すような高炉水砕スラグによる上層3aと製鋼スラグによる下層3bとからなる覆砂層3を設けてもよい。この場合に使用する製鋼スラグや好ましい造成条件は、図3の実施形態と同様である。
(a) 下層が固化材を混合しない浚渫土の層、上層が固化材を混合した浚渫土の層からなる中詰層
(b) 下層が固化材を混合した浚渫土の層、上層が固化材を混合しない浚渫土の層からなる中詰層
(c) 下層が固化材と浚渫土とを積層させた層(上記(2)の形態の層)、上層が固化材を混合した浚渫土の層からなる中詰層
(d) 下層が固化材を混合した浚渫土の層、上層が固化材と浚渫土とを積層させた層(上記(2)の形態の層)からなる中詰層
(e) 固化材を混合した浚渫土による複数の層からなり、各層で固化材の混合率が異なる中詰層
(f) 固化材を混合した浚渫土による複数の層と、これら各層間に介在した固化材層からなる中詰層
ここで、本発明の造成法において造成用資材として100%リサイクル材(鉄鋼スラグ+浚渫土)を用いたとすると、例えば、水深15〜20mの水域に約100m×100m(1ha)の広さの浅場を造成する場合の概算では、潜堤用として製鋼スラグを約100,000t、中詰用として浚渫土を約100,000m3、覆砂用として高炉水砕スラグ又は高炉水砕スラグ及び製鋼スラグを約25,000t、海藻着生基盤用としてスラグの炭酸固化体ブロック(1〜5t/個)を100〜200個程度用いることになり、多量のリサイクル資源を利用して優れた造成構造物を作り出すことができるという面で非常に有用である。
以上のようにして造成された浅場は、多様な生物が生育・棲息する場となり、また、アサリやワカメなどの有用水産資源の生産場としても利用できるようになる。
本発明による造成の対象は、上記実施形態で説明したような浅場だけでなく、干潟や、浅場と干潟とが連続した水浜でもよい。また、造成の対象は、海域・海浜だけでなく、湖沼・内海・河口などの水域・水浜を含む。
また、造成の対象となる水域としては、例えば、海岸に面した急深の水域で水産的に未利用な水域、水深は浅場並であるが底質がヘドロ化して水産的に未利用な水域、夏季に貧酸素状態が進行しやすい水域、再生・修復が必要な現存する浅場や干潟などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(1) 人工的に造成された浅場、干潟、又は浅場と干潟とが連続した水浜であって、浅場又は/及び干潟の造成水域を囲むように構築された造成材流出防止用の潜堤と、該潜堤の内側に浚渫土とその固化材とにより形成される中詰層と、該中詰層の上に設けられる鉄鋼製造プロセスで発生したスラグによる覆砂層とを有する造成構造物。
(2) 上記(1)において、中詰層の少なくとも一部が、固化材を混合した浚渫土からなる造成構造物。
(3) 上記(1)において、中詰層の少なくとも一部が、複層の浚渫土層と該各浚渫土層間に介在し且つ層厚が浚渫土層の層厚よりも薄い固化材層とからなる造成構造物。
(5) 上記(1)〜(4)のいずれかにおいて、潜堤が鉄鋼製造プロセスで発生したスラグからなる造成構造物。
(6) 上記(5)において、スラグが製鋼スラグである造成構造物。
(7) 上記(6)において、潜堤上部が、粒径80mm超の割合が5mass%以上、粒径50mm超の割合が10mass%以上、粒径30mm超の割合が45mass%以上の粒度分布を有する製鋼スラグにより構成された造成構造物。
(8) 上記(7)において、潜堤下部が、粒径30mm以下の割合が85mass%以上、粒径10mm以下の割合が10mass%以上、粒径5mm以下の割合が3mass%以上、粒径1mm以下の割合が1mass%以上の粒度分布を有する製鋼スラグにより構成された造成構造物。
(10) 上記(9)において、海藻着生基盤又は/及び漁礁が、鉄鋼製造プロセスで発生した塊状のスラグ、鉄鋼製造プロセスで発生したスラグを主原料とする炭酸固化体ブロック、鉄鋼製造プロセスで発生したスラグを主原料とする水和硬化体ブロックの中から選ばれる1種以上である造成構造物。
(11) 上記(10)において、海藻着生基盤又は/及び漁礁が、鉄鋼製造プロセスで発生したスラグを主原料とする炭酸固化体ブロックである造成構造物。
2 中詰層
3,3a,3b 覆砂層
4 海藻着生基盤
10 潜堤上部
11 潜堤下部
20 浚渫土層
21 固化材層
Claims (18)
- 浅場又は/及び干潟を造成すべき水域を囲むように造成材流出防止用の潜堤を構築し、該潜堤の内側に、固化材とともに浚渫土を投入して中詰層を形成し、該中詰層の上に鉄鋼製造プロセスで発生したスラグによる覆砂層を設ける浅場等の造成方法であり、
前記潜堤を製鋼スラグにより構築するとともに、潜堤上部を、粒径80mm超の割合が5mass%以上、粒径50mm超の割合が10mass%以上、粒径30mm超の割合が45mass%以上の粒度分布を有する製鋼スラグにより構成し、潜堤下部を、粒径30mm以下の割合が85mass%以上、粒径10mm以下の割合が10mass%以上、粒径5mm以下の割合が3mass%以上、粒径1mm以下の割合が1mass%以上の粒度分布を有する製鋼スラグにより構成することを特徴とする浅場等の造成方法。 - 潜堤の内側に、固化材を混合した浚渫土を投入して、該固化材を混合した浚渫土により中詰層の少なくとも一部を形成することを特徴とする請求項1に記載の浅場等の造成方法。
- 潜堤の内側に、浚渫土と固化材を順次投入して、複層の浚渫土層と該各浚渫土層間に介在し且つ層厚が浚渫土層の層厚よりも薄い固化材層とにより中詰層の少なくとも一部を形成することを特徴とする請求項1に記載の浅場等の造成方法。
- 固化材が製鋼スラグからなることを特徴とする請求項2又は3に記載の浅場等の造成方法。
- 覆砂層が、高炉水砕スラグによる覆砂層であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の浅場等の造成方法。
- 覆砂層が、高炉水砕スラグによる上層と製鋼スラグによる下層とからなる覆砂層であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の浅場等の造成方法。
- 覆砂層の下層を構成する製鋼スラグの粒径が10〜80mmであることを特徴とする請求項6に記載の浅場等の造成方法。
- 覆砂層の上に海藻着生基盤又は/及び漁礁を設置することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の浅場等の造成方法。
- 海藻着生基盤又は/及び漁礁が、鉄鋼製造プロセスで発生した塊状のスラグ、鉄鋼製造プロセスで発生したスラグを主原料とする炭酸固化体ブロック、鉄鋼製造プロセスで発生したスラグを主原料とする水和硬化体ブロックの中から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項8に記載の浅場等の造成方法。
- 人工的に造成された浅場、干潟、又は浅場と干潟とが連続した水浜であって、
浅場又は/及び干潟の造成水域を囲むように構築された造成材流出防止用の潜堤と、該潜堤の内側に浚渫土とその固化材とにより形成される中詰層と、該中詰層の上に設けられる鉄鋼製造プロセスで発生したスラグによる覆砂層とを有し、
前記潜堤が製鋼スラグからなるとともに、潜堤上部が、粒径80mm超の割合が5mass%以上、粒径50mm超の割合が10mass%以上、粒径30mm超の割合が45mass%以上の粒度分布を有する製鋼スラグにより構成され、潜堤下部が、粒径30mm以下の割合が85mass%以上、粒径10mm以下の割合が10mass%以上、粒径5mm以下の割合が3mass%以上、粒径1mm以下の割合が1mass%以上の粒度分布を有する製鋼スラグにより構成されることを特徴とする造成構造物。 - 中詰層の少なくとも一部が、固化材を混合した浚渫土からなることを特徴とする請求項10に記載の造成構造物。
- 中詰層の少なくとも一部が、複層の浚渫土層と該各浚渫土層間に介在し且つ層厚が浚渫土層の層厚よりも薄い固化材層とからなることを特徴とする請求項10に記載の造成構造物。
- 固化材が製鋼スラグからなることを特徴とする請求項11又は12に記載の造成構造物。
- 覆砂層が、高炉水砕スラグによる覆砂層であることを特徴とする請求項10〜13のいずれかに記載の造成構造物。
- 覆砂層が、高炉水砕スラグによる上層と製鋼スラグによる下層とからなる覆砂層であることを特徴とする請求項10〜13のいずれかに記載の造成構造物。
- 覆砂層の下層を構成する製鋼スラグの粒径が10〜80mmであることを特徴とする請求項15に記載の造成構造物。
- 覆砂層の上に海藻着生基盤又は/及び漁礁が設置されたことを特徴とする請求項10〜16のいずれかに記載の造成構造物。
- 海藻着生基盤又は/及び漁礁が、鉄鋼製造プロセスで発生した塊状のスラグ、鉄鋼製造プロセスで発生したスラグを主原料とする炭酸固化体ブロック、鉄鋼製造プロセスで発生したスラグを主原料とする水和硬化体ブロックの中から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項17に記載の造成構造物。
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