JP2003293345A - 鉄鋼スラグを用いた土工材料およびその利用方法 - Google Patents

鉄鋼スラグを用いた土工材料およびその利用方法

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雅夫 中川
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裕 平嶋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】製鋼スラグ、高炉徐冷スラグ、高炉水砕スラグ
を袋材に中詰めして、袋材と一体化した土工材料として
利用することにより、袋材の一部が破損した場合にも土
嚢としての一体性が保持できるとともに、鉄鋼スラグの
高pHによる周辺環境への負荷抑制や、製鋼スラグの膨
張崩壊の抑制等、袋詰効果により、鉄鋼スラグ利用上の
問題点を解決できる土工材料を提供する。 【解決手段】製鋼スラグ、高炉徐冷スラグ、高炉水砕ス
ラグのうち1種又は2種以上が袋詰めされた土工材料に
より解決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製鋼スラグ、高炉
徐冷スラグ、高炉水砕スラグ(これら3者を総称して鉄
鋼スラグという)を主体とした土木工事に供し得る土工
材料に関し、詳しくは、従来は袋材が劣化した段階で内
部材料が流出して必要機能を失う土嚢のような土工材料
の長期的な利用を可能とする他、従来は固結する、pH
が高い、製鋼スラグの場合はさらに膨張・崩壊するとい
った問題が利用の妨げとなっていた製鋼スラグ、高炉徐
冷スラグ、高炉水砕スラグの有効活用を可能とする技術
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】土砂を袋詰し、土工材料として利用する
方法(土嚢)は一般的な技術である。土嚢とは、単味の
状態では外力に対して抵抗力を発揮できない土砂を袋詰
することによって一時的に一体化させ、大きな単体質量
をもって外力に対して抵抗力を発揮する土工材料であ
る。しかし、袋材が経年劣化や外的損傷を受け、部分的
にでも破損した場合には、土砂が流出して機能が失われ
ることとなるため、短期的にのみ機能すればよい仮設材
にしか使用されていないのが現状である。この土嚢を恒
久的な本設構造物として利用するためには、袋材の材料
に、経年劣化や外的損傷に対する耐久性に優れた材料を
適用することが考えられるが、この場合には、経済性に
問題を生じることが多く、恒久的に一体性を保持可能で
本設構造物へも利用が可能であり、しかも経済性に優れ
た土嚢状の土工材料に関する技術は未だ開示されていな
い。一方、製鋼スラグ、高炉徐冷スラグ、高炉水砕スラ
グは共に、潜在水硬性により水分の存在下で固結す
る、カルシウムが主成分であることからスラグと接触
した水分のpHを高める、という特徴があり、そのう
ち、製鋼スラグについてはさらに、カルシウムが未水和
石灰の形で含有されているとその水和反応によってスラ
グ自体が膨張・崩壊する、といった特徴を有する。以上
の特徴は利用上の支障となることがあり、例えば、潜在
水硬性を有するという特徴は、スラグ利用箇所における
土工事(掘削、杭・矢板打設等)を困難にし、また、p
Hが高いという特徴は、水域又は降雨や流水の影響を受
ける陸域での使用を困難とする。さらに製鋼スラグに至
っては、膨張・崩壊するという特徴により、大半が土木
工事での仮設材料といった低級な用途に利用されるにと
どまっている。以上のような背景から、製鋼スラグ、高
炉徐冷スラグ、高炉水砕スラグの有効利用は強く望まれ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
課題を解決するためになされたものであり、通常は施工
現場周辺の土砂を使用する土嚢に対し、製鋼スラグ、高
炉徐冷スラグ、高炉水砕スラグを袋材に中詰めして、袋
材と一体化した土工材料として利用することにより、袋
材の一部が破損した場合にも土嚢としての一体性が保持
できるとともに、鉄鋼スラグの高pH物質の溶出抑制
や、製鋼スラグの膨張崩壊の抑制等、袋詰効果により、
鉄鋼スラグ利用上の問題点を解決できる土工材料を提供
することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は下記のように構成される。 (1)製鋼スラグ、高炉徐冷スラグ、高炉水砕スラグの
うち1種又は2種以上が袋詰めされた土工材料。 (2)(1)の土工材料において、水分が添加されたこ
とを特徴とする土工材料。 (3)(1)または(2)の土工材料に、さらに高炉ス
ラグ微粉末、フライアッシュ、アルカリ刺激材のうち1
種又は2種以上が混合されたことを特徴とする土工材
料。 (4)(1)から(3)のいずれかの土工材料におい
て、袋材で内部材料を拘束するか、袋材に内部材料を充
填して拘束するかの少なくとも一方により内部材料が拘
束されたことを特徴とする土工材料。 (5)(1)から(4)のいずれかの土工材料におい
て、水域又は陸域で利用することを特徴とする土工材料
の利用方法。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明者らは、潜在水硬性によっ
て固結するという特徴を有する製鋼スラグ、高炉徐冷ス
ラグ、高炉水砕スラグを袋詰して一体化させることで、
従来の土嚢では問題があった袋材の破損に対する耐久性
に左右されることなく、恒久的な一体化を可能とするの
みならず、さらには製鋼スラグ、高炉徐冷スラグ、高炉
水砕スラグのpHが高いという問題点、および製鋼スラ
グを使用する場合にさらに加わる膨張・崩壊するという
問題点をも解決して、水域もしくは陸域で本設構造物と
して利用できることを、本願発明の技術として新規に知
見した。
【0006】本発明の第1の形態は、水分を含有し、潜
在水硬性により経時的に固結して一体化する製鋼スラ
グ、高炉徐冷スラグ、高炉水砕スラグのうち1種または
2種以上を袋詰めするものである。水分量については、
経時的に固結して一体化する量であれば、特に規定する
ものではなく、用いる鉄鋼スラグの成分、形状、粒度分
布等によって、適宜判断することとする。従来の土嚢で
は、袋材が経年劣化や外的損傷を受け、部分的にでも破
損した場合には、内部材料が流出し、一体性が失われる
という問題がある。これに対して、内部材料として潜在
水硬性によって経時的に固結する製鋼スラグ、高炉徐冷
スラグ、高炉水砕スラグの1種または2種以上を袋詰め
することにより、袋詰直後は通常の土嚢と同様に、施工
できるような可撓性を有するが、時間の経過とともに鉄
鋼スラグの潜在水硬性が発揮されて、袋内に中詰したス
ラグ粒子同士が化学的に結合し、内部材料の一体化が可
能となる。このように一体化した状態においては、袋材
に部分的に破損を生じたとしても、土嚢としての一体性
は保持されているため、内部材料が流出することは防止
できる。また、製鋼スラグ、高炉徐冷スラグ、高炉水砕
スラグは、単体で使用する場合には主成分であるカルシ
ウムが袋外へ溶出して周辺水域あるいは土壌のpHを高
めるという問題があるが、固結することによってカルシ
ウムが固結に必要な水和物・炭酸化物として安定化する
ため、利用箇所周辺のpH上昇も抑制可能となるため、
内部材料が固結・結合して一体化された状況では、袋材
に損傷を生じてもカルシウムの溶出によるpH上昇はほ
とんど起こらない。また、製鋼スラグは膨張・崩壊によ
る割れが発生する性質があるため、製鋼スラグを袋材な
しに固結させて、被覆ブロック等の重量ブロック材に使
用する場合には、膨張崩壊により土工材料としての質量
を減じられて、重量ブロックとして機能しなくなる恐れ
があるが、この製鋼スラグを内部材料として袋詰して使
用する場合には、袋材によって一体性が保持されること
により、要求される必要質量を有する土工材料を維持で
きる。
【0007】なお、袋詰直後の未固結の製鋼スラグ、高
炉徐冷スラグ、水砕スラグを水域又は降雨や流水の影響
を受ける陸域で使用する場合においては、非透水の袋材
を使用して内部材料を周辺水域あるいは土壌から遮断す
ることが好ましい。
【0008】製鋼スラグとは、高炉で製造された硬くて
脆い銑鉄から、不要な成分を除去し、靭性・加工性のあ
る鋼にする製鋼過程で生じる石灰分を主体とした石状の
副産物であり、転炉スラグ、溶銑予備処理スラグおよび
電気炉スラグを用いることができる。なお、水浸膨張比
が0%超から20.0%以下のものが好ましい。水浸膨
張比とは、JIS A 5015:1992附属書2に
規定された鉄鋼スラグの水浸膨張試験方法に準拠して測
定するものである。20.0%以下とした理由は、実験
によって固結後の一体性の保持について確認した結果に
基づくものであり、20.0%を超える場合には膨張・
崩壊によって一端固結した製鋼スラグが再び粒状に崩壊
し、袋材が劣化して穴が発生した場合に穴より流出して
一体性が保ちにくくなるためである。なお、水浸膨張比
が高い製鋼スラグは、エージング処理によって予め2
0.0%以下の水浸膨張比にすることが望ましい。エー
ジングの処理方法には、自然エージングや蒸気エージン
グがあり、どちらを用いてもよい。また、製鋼スラグの
粒径は袋材の寸法、材質、厚、材料投入口の寸法、製鋼
スラグの固結性、袋詰の作業性によって適宜定めるもの
であり、特に規定しない。高炉徐冷スラグとは、銑鉄を
製造する高炉で溶融された鉄鉱石のうち、鉄以外の成分
を副原料の石灰石やコークス中の灰分と一緒に分離回収
した高炉スラグのうち、ヤードで徐々に冷却したもので
ある。高炉徐冷スラグの粒径は袋材の寸法、材質、厚、
材料投入口の寸法、製鋼スラグの固結性、袋詰の作業性
によって適宜定めるものであり、特に規定しない。高炉
水砕スラグとは、高炉スラグのうち、高圧水で急冷して
急激な冷却によってガラス質(非結晶)の粒状スラグと
なるのを特徴とするものである。高炉水砕スラグはさら
に、高炉において冷却される炉前水砕スラグと高炉から
離れた場所に移動した後に冷却する炉外水砕スラグに分
けられる。袋材は、布、ゴム、ビニル、ポリエチレン、
ポリプロピレン等で製造されたものが挙げられる。形状
としては、必ずしも密閉性のあるものでなくても良く、
内部材料が一体化できるものであれば、特に規定するも
のではない。また、材質、厚、投入口の結束方法は利用
環境、内部材料形状、内部材料質量、内部材料の成分、
袋詰の作業性によって定めるもので、特に規定しない。
特に、内部材料が一体化する前に使用する場合は、カル
シウムの溶出防止の観点から、非透水の袋を使用するこ
とが好ましい。
【0009】本発明の第2の形態は、第1の発明におい
て、袋詰めする製鋼スラグ、高炉徐冷スラグ、高炉水砕
スラグの1種または2種以上に水分を添加するものであ
る。製鋼スラグ、高炉徐冷スラグ、高炉水砕スラグには
通常水分が含有されているが、含有水分のみで経時的に
固結しにくいものについては袋詰前、あるいは後に水分
を添加することによって固結を促進させることができる
ため、好ましい。添加する水分は淡水の他に海水を使用
してもよい。海水の使用により、製鋼スラグの固結速度
を早めることが可能である。海水の代わりに塩化ナトリ
ウム溶液としてもよく、この場合の塩化ナトリウムの濃
度は、2質量%以上5質量%以下が好ましい。2質量%
以上とした理由は、これ未満であると水硬性の促進効果
がやや減少するためであり、5質量%以下とした理由
は、5質量%を超えても効果の増進があまり変化しない
ためである。水分添加量は、製鋼スラグ、高炉徐冷スラ
グ、高炉水砕スラグの含水比、成分、形状、粒度分布に
よって適宜定めるもので、特に規定しない。
【0010】本発明の第3の形態は、第1の発明または
第2の発明に、さらに高炉スラグ微粉末、フライアッシ
ュ、アルカリ刺激剤のうち1種又は2種以上を混合する
ものである。これらを製鋼スラグ、高炉徐冷スラグ、高
炉水砕スラグに混合することにより、さらに大きな潜在
水硬性を発現させて確実に固結させることが可能とな
る。高炉スラグ微粉末は、炉前水砕スラグを粉砕加工し
たものである。なお、高炉スラグ微粉末には様々な粉末
度のものが存在するが、セメント向けとして流通量が多
い4000cm2/gのものを利用するのがコストの面
から考えて好ましい。フライアッシュは、国内外を問わ
ず、各産地の各種のものを用いることができる。また、
原粉、JIS A 6201に適合するJISフライア
ッシュ、および粗粉のいずれも利用可能である。フライ
アッシュとは、石炭灰の一種であり、微粉炭燃焼ボイラ
ーの燃焼ガスから集塵機で採取された石炭灰をいう。フ
ライアッシュは、フライアッシュとシンダーアッシュ
(節炭器・空気予熱器から回収したもの)の混合物であ
る「原粉」、原粉を分級選別した細粉でJIS A 6
201に適合する「JISフライアッシュ」、および原
粉を分級し粒度調整した粗いものである「粗粉」に分類
される。高炉スラグ微粉末、フライアッシュ、アルカリ
刺激材の1種または2種以上の使用量は、製鋼スラグ、
高炉徐冷スラグ、高炉水砕スラグのうち1種又は2種以
上の使用量30質量部以上から100質量部未満に対し
て、0質量部超から70質量部以下の割合で混合するこ
とが好ましい。70質量部以下とした理由は、製鋼スラ
グ、高炉徐冷スラグ、高炉水砕スラグのうち1種又は2
種以上の有効利用量を確保するためである。アルカリ刺
激材は、消石灰、塩化カルシウム、石膏、セメント等を
用いることができる。塩基度の低いスラグのみを用いる
場合においても、アルカリ刺激材を添加することによっ
て確実に固結させることが可能となる。塩基度とは、ス
ラグ成分のうちの石灰とシリカとの質量比(CaO/S
iO2)であり、塩基度が低いスラグは固結に必要なカ
ルシウム分が低く、固結しにくい。使用する材料が全て
塩基度の低いスラグとなる場合にはアルカリ刺激剤を添
加することによって不足する石灰分を補うことができ、
確実に固結させることができる。セメントは、普通ポル
トランドセメントの他、各種混合セメントを用ることが
できる。アルカリ刺激材の使用量は、製鋼スラグ、高炉
徐冷スラグ、高炉水砕スラグの1種または2種以上、あ
るいは製鋼スラグ、高炉徐冷スラグ、高炉水砕スラグ、
高炉スラグ微粉末、フライアッシュのうち1種または2
種以上の使用量70質量部以上から99質量部以下に対
して、1質量部以上から30質量部以下の割合で混合す
ることが好ましい。1質量部以上とした理由は、1質量
部未満であると固結効果がやや減少したためであり、3
0質量部以下とした理由は、30質量部を超えて使用し
ても固結効果の増進が減少したためである。
【0011】本発明の第4の形態は、第1から第3の発
明において、袋材で内部材料が拘束されたものである。
内部材料の拘束方法としては、以下の二通りがある。 (1)材料を少なくとも1回以上投入するに際し、袋に
材料を投入後袋材を締めることを少なくとも1回以上繰
り返すことにより、袋自体の張力がかかることで内部材
料を締めつける方法。 (2)内部材料を袋の容量ぎりぎりまで詰めることで、
袋材の張力が発揮され、自ずと内部材料を締めつける方
法。 (3)さらに、前記(1)、(2)の少なくとも一方の
方法により内部材料を締めつける方法。 以上のように袋材の拘束力を利用し、強制的に内部材料
に拘束力をかけることにより、内部材料の粒子間接触が
密となり、接触点の水和反応による固結作用をさらに増
大させることができる。さらに、製鋼スラグを内部材料
として使用する場合には、製鋼スラグの膨張作用によ
り、拘束力はさらに増大し、固結作用増大効果はさらに
向上する。
【0012】本発明の第5の形態は、水域又は陸域で利
用することを特徴とする第1から第4いずれかの土工材
料の利用方法である。水域で利用する場合はpHによる
周辺水域のpH上昇を防ぐため、内部材料が固結し、カ
ルシウムが固結物質として安定化した後に使用するか、
もしくは内部材料を袋に入れた後、一体化するまでに使
用する場合等は、非透水の袋材を使用して内部材料を外
部水域と遮断することが好ましい。水域での利用として
は、港湾・海洋工事で利用するブロック代替材(捨ブロ
ック、根固めブロック、藻場造成用ブロック、魚礁ブロ
ック、海底山脈用ブロック等)や天然石砂材の代替材
(被覆石、捨石、裏込め石、ケーソン中詰材、護岸材料
等)、河川や湖沼で利用する盛土材、堤防材、ブロック
代替材、天然石材代替材等がある。陸域においても、降
雨や流水の影響をうける場所へ利用する場合は、内部材
料が固結した後、もしくは内部材料を袋に入れた後、一
体化するまでに使用する場合等は、非透水の袋材を使用
することが好ましい。陸域での利用としては、盛土、土
留め、締め切り等に利用する材料がある。
【0013】
【実施例】自然エージング処理され、水浸膨張比が1
0.7%、粒径が25mmアンダーの製鋼スラグ(脱炭
スラグ)と同じく粒径が25mmアンダーの高炉徐冷ス
ラグと高炉水砕スラグ(炉前水砕)と高炉スラグ微粉末
(4000cm2/g)とアルカリ刺激剤(消石灰)を
表−1に示すような割合(質量%)で混合し、ポリエチ
レン製の袋に詰め、20kgの土工材料を2体ずつ作成
した。2体にしたのは、再現性を確認するためである。
なお、No.1,2,6,7,11については、袋の閉塞
時に袋材で内部材料を拘束したものも作成した。そして
それぞれを、人工池内に沈設し、固結状況と周辺pHを
経時的に測定した。なお、水は材料表面が湿る程度に水
道水を0.2〜2.2kg振りかけた。
【0014】
【表1】 全てについて、施工後1年経過した段階では袋材の破れ
等は見られず、内部材料は固結していた。従って、内部
材料は袋材から流出していない。なお、袋材によって内
部材料を拘束したものについては、3ヶ月の段階で既に
固結していた。この状態で各人工池のpHについて、こ
れらの土工材料を沈設する前と後で、pHが約7.0〜
7.5の範囲でほとんど変化は見られなかった。さら
に、袋材が劣化した場合を想定し、すべての袋にニード
ルで穴を20ヶ所/体開け、1ヶ月間放置したが、人工
池のpH上昇は見られなかった.ちなみに、2体とも同
様の結果となっており、再現性もあることが確認でき
た。
【0015】
【発明の効果】本発明により、有効利用が望まれている
鉄鋼スラグ(製鋼スラグ、高炉徐冷スラグ、高炉水砕ス
ラグ)を利用することが可能となる。しかも、従来の土
嚢のような土工材料と同様に、容易かつ安価に施工がで
き、さらにそれが長期的に一体化して単体質量を確保し
得るため、コンクリートブロックや天然石材の代替とし
て利用することも可能である。天然石材は枯渇が懸念さ
れているものの、安価であることから代替材料がみつか
らず、港湾工事等で大量に利用され続けているが、本発
明の土工材料を天然石材の代替として利用することによ
り、省資源化に寄与することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平嶋 裕 富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社技 術開発本部内 (72)発明者 一村 政弘 富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社技 術開発本部内 Fターム(参考) 2D018 AA06 EA11 2D044 CA08 4G012 PA27 PA29 PB03 PC04 PC11 PE04

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】製鋼スラグ、高炉徐冷スラグ、高炉水砕ス
    ラグのうち1種又は2種以上が袋詰めされた土工材料。
  2. 【請求項2】請求項1に記載された土工材料において、
    水分が添加されたことを特徴とする土工材料。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2の土工材料に、さ
    らに高炉スラグ微粉末、フライアッシュ、アルカリ刺激
    材のうち1種又は2種以上が混合されたことを特徴とす
    る土工材料。
  4. 【請求項4】請求項1から請求項3のいずれかの土工材
    料において、袋材で内部材料を拘束するか、袋材に内部
    材料を充填して拘束するかの少なくとも一方により内部
    材料が拘束されたことを特徴とする土工材料。
  5. 【請求項5】請求項1から請求項4のいずれかの土工材
    料において、水域又は陸域で利用することを特徴とする
    土工材料の利用方法。
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