JP2007014881A - コンクリート塊の再資源化法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 既設コンクリート構造物等の解体によって発生するコンクリート塊を,六価クロムの溶出を防止しながら盛土に利用できるようにし,コンクリート塊の再資源化を安価で簡易に行なえるようにする。
【解決手段】 コンクリート塊を粒径40mmアンダーに粉砕し,この粉砕物に亜硫酸カルシウムからなる還元剤を,粉砕物中の六価クロムを三価クロムに還元するに必要な化学量論量以上で配合し,この還元剤配合の粉砕物を盛土に利用するコンクリート塊の再資源化法である。還元剤としては排ガス脱硫装置で副生する亜硫酸カルシウム主体の脱硫反応生成物を用いることができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は六価クロム溶出を抑制しながらコンクリート塊を盛土に利用するコンクリート塊の再資源化法に関する。本明細書においてコンクリート塊とは建設廃棄物のうち特にコンクリート(モルタルを含む)構造物の廃棄処分によって発生するがれき類を言う。また盛土とは覆土,埋め戻し土等を含む。
建設廃棄物のがれき類のうち,コンクリート塊は1995年の統計では年間3640万トン排出されている。この排出量はコンクリート使用量の10分の1程度であるが,コンクリート土木構造物は長くても50ないし100年,建築物では約40年前後で建て替えされるので,近い将来にコンクリート塊の排出量はコンクリート使用量とバランスする程度に飛躍的に増大することが予想されている。
このような状況において,平成14年5月30日に建設リサイクル法(建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律)が施行され,コンクリート塊のリサイクル化も推進されている。平成14年度におけるコンクリート塊の再資源化率は98%に達したとの報告があるが,その殆んどが路盤材利用である。
コンクリート塊はセメントに由来する可溶性重金属類を微量に含んでいるが,特に可溶性の六価クロムの含有が問題である。道路の路盤材にコンクリート塊を適用する場合には,通常は路床と表層(アスファルト層)とで挟まれた部分で使用されるので,雨水等がアスファルト層を介して浸透することは少なく,したがってコンクリート塊からの六価クロム等の微量成分の溶出も確率的には低いと言える。仮に雨水等が浸透したとしても,地盤との間には路床が緩衝空間として存在しているので長期にわたる水との接触は考えられず,このため,土壌や地下水を汚染する可能性は低い。したがって,コンクリート塊の路盤材利用では微量成分の無害化のための処理は一般に行なわれていない。
しかし,道路建設の縮小傾向によりコンクリート塊の利用も減少傾向にあり,しかも
前記のように今後コンクリート塊の急増が予想されるので,コンクリート塊のさまざまなリサイクル方法の確立,特に六価クロム溶出問題を伴わない再資源化法の確立が急務となっている。
コンクリート塊を盛土に利用できればよいが,盛土への利用は,路盤材の場合とは異なり,コンクリート塊が直接的に地盤(土壌)に接し,水分との接触機会も格段に多くなるので,土壌環境基準(平成3年8月23日環境庁告示第46号「土壌の汚染に係る環境基準について」)をどの様にして満たすかが問題となる。具体的にはコンクリート塊に含まれる微量成分,特に六価クロムが土壌環境基準を超えて溶出しないようにする対策が必要である。この対策として次の方法が例示できる。
1.コンクリート塊盛土を工作物中に封じ込める。
2.雨水等がコンクリート塊盛土に浸透しないように遮水する。
3.コンクリート塊盛土から浸出水が外部に漏れないように遮水するか,浸出水中の六価クロムを吸着する。
4.コンクリート塊中の六価クロムを不溶性の無害な三価クロムの化合物に還元する。
前記1〜3の対策はコンクリート塊中の六価クロムを無害化するものではない。前記4の無害化対策としては,例えば特許文献1のように,コンクリート塊(コンクリート等の構築物廃材)を微細化して水でスラリー化させ,このスラリーに還元剤としての硫酸第1鉄を添加し,スラリー液に溶出したCr6+をCr3+に還元する方法が知られている。
そのほか,最近では2000年3月の建設省通達を受けてセメントからの六価クロムの溶出を低減した土壌用固化材(特許文献2)やセメント添加剤(特許文献3)などが開発されている。
特開2001−121109号公報 特開2004−292568号公報 特開2001−220193号公報
特許文献1の方法ではコンクリート塊中の六価クロムを予め処理水中に溶出させ,この処理水中の六価クロムを還元剤で還元処理するものであるから,相当量の処理水を準備して還元処理を行なわねばならない。このため,設備と手間および費用が嵩み,コンクリート塊の発生現場内で適用するには難があり,今後,大量発生が予想されるコンクリート塊を汎用的に再資源化する方法に採用され得るか否か問題である。特許文献2および3等の方法は有効な六価クロム対策になり始めているが,それ以前に構築された構造物が物理寿命を終えて老朽化し,これを解体して発生するコンクリート塊には適用できない。
したがって本発明は,コンクリート塊を盛土に利用して水分と接触しても六価クロムによる土壌や地下水の汚染が起こらず,しかも処理が簡単で安価なコンクリート塊の再資源化法の開発を課題としたものである。
本発明によれば,コンクリート塊を粒径40mmアンダーに粉砕し,この粉砕物に亜硫酸カルシウムからなる還元剤を,粉砕物中の六価クロムを三価クロムに還元するに必要な化学量論量以上で配合し,この還元剤配合の粉砕物を盛土に利用するコンクリート塊の再資源化法を提供する。そのさい,粒径40mmアンダーの粉砕物を好ましくは10mmオーバーの粗粒成分と10mmアンダーの微粒成分に分級し,得られた粗粒成分と微粒成分に該還元剤を配合する。粗粒成分への還元剤の配合は,亜硫酸カルシウムを粒子表面に被着させる方法で,また微粒成分に対しては亜硫酸カルシウムの粉体をそのまま混合する方法で配合することができる。亜硫酸カルシウムからなる還元剤としては,排ガス脱硫装置で副生する亜硫酸カルシウム主体の脱硫反応生成物を用いることができ,このものを,コンクリート塊の粉砕物1Kgに対して0.1〜10gの範囲で配合するのがよい。
したがって,本発明はまた,粒径40mmアンダーのコンクリート塊の粉砕物から分級して得られた粗粒成分の粒子表面に亜硫酸カルシウムからなる還元剤を被着させてなるコンクリート塊盛土を提供する。ここで,粗粒成分は粒径10〜40mmであり,還元剤は粗粒成分中の六価クロムを三価クロムに還元する必要な化学量論以上で粗粒成分に被着させる。
本発明によると,コンクリート塊の盛土が水分との接触によって六価クロムがコンクリートから溶出してくると,その水中には亜硫酸カルシウムも存在するので,六価クロムは直ちに三価クロムに還元されて無害化される。このため,六価クロムの土壌や地下水への浸出が防止される。本発明で使用する還元剤としての亜硫酸カルシウムは,排ガス脱硫装置で副生する亜硫酸カルシウムを適用できる。したがって,安価で且つ簡易にコンクリート塊の盛土への利用ができるようになり,六価クロムによる土壌・地下水汚染のおそれなくその再資源化が達成できる。また,亜硫酸カルシウムは硫酸カルシウム(石膏)に酸化されるものを含めて土壌に有害に作用することはないので,還元剤使用による副作用も起きない。
コンクリート塊の盛土(覆土,埋め戻し土等を含む)を実施する場合,前掲の土壌環境基準を満たすことが前提となる。コンクリート塊から採取した微粉(セメントペーストおよびモルタルが硬化した部分)を環境庁告示46号試験方法に従って六価クロムの溶出量を測定すると,通常0.03〜0.10mg/L程度の六価クロムが溶出する。したがってコンクリート塊盛土が雨水等で水に接触するたびに六価クロムが溶出し,盛土の量が多いほど長期間にわたって土壌や地下水の六価クロム汚染を引き起こすことになる。
六価クロムは,一般に水中において酸性でもアルカリでも安定なイオンとして存在し,そのまゝでは水酸化物として沈殿させることはできない。しかし,還元剤によって六価クロムを三価クロムに還元すると,水酸化クロムとして沈殿させることができる。例えば下式の反応によって酸性下で還元してからアルカリで水酸化クロムとして沈殿させることができる。
2CrO4 2-+2H+(アルカリ性)⇔ Cr27 2-+H2O (酸性)
Cr3++3OH-→Cr(OH)3
六価クロムの還元を還元剤の添加によって行う場合,還元剤としてはこれまで第1鉄塩例えばFeSO4, 金属鉄例えば鉄粉や鉄屑,Na2SO3やNaHSO3等の亜硫酸塩さらにはSO2などの使用が提案されている。
本発明は,コンクリート塊から溶出する六価クロムの還元剤としてこれまで提案されたことのない亜硫酸カルシウムを使用する。とくに,ゴミ焼却工場や火力発電所などの排ガス脱硫装置で副生する亜硫酸カルシウム主体の副生物(脱硫反応生成物)を溶出六価クロムの還元剤として使用する。燃焼排ガスの脱硫剤として石灰石を使用する場合,例えば石灰石スラリーを燃焼排ガスに噴霧する方式が採用されており,石灰石と排ガス中の硫黄酸化物とが反応して亜硫酸カルシウムを生成する。生成した亜硫酸カルシウムは脱硫プロセス内で酸素と反応させて石膏にしてから排出されるのが通常であるが,この酸化工程を省くと亜硫酸カルシウムとして産出される。本発明はこの点に着目した。この亜硫酸カルシウムをコンクリート塊の再資源化処理のために利用すれば,脱硫設備における酸化工程の省略による省工程効果に加えて,脱硫反応生成物の付加価値を高めることにも寄与できる。
六価クロムの還元剤として亜硫酸カルシウム(CaSO3半水和物) を用いた場合の還元反応は次式で表すことができる。
2H2CrO4+3CaSO3・1/2H2
→Cr2(SO4)3+3Ca(OH)2 + 1/2H2
→2Cr(OH)3+3CaSO4+ 1/2H2
このような還元反応は基本的に酸性域で起こりやすいが,還元剤量が過剰に存在すればアルカリ性領域でも起こる。還元された三価クロムは不溶性の水酸化クロムとして,通常の地盤中のクロムと同様に無害な形態で,土壌中に留まる。
普通ポルトランドセメント中の六価クロムは約10mg/kg程度である。このため,例えば中強度コンクリート(40N/mm2クラス)の配合では,コンクリート1m3(2.3 トン)当りセメント366Kg使用されるとして,六価クロムは約3.7g存在する見当になる。前記の還元反応では2モルの六価クロムに対して3モルの亜硫酸カルシウムが必要であるから,コンクリート1m3当りの六価クロム3.7gに対して亜硫酸カルシウムは,その半水和物を使用する場合には約14g要することになる。仮にこの化学量論量の10倍としても140gであり,セメント量366Kgの0.05%にも満たない。
他方,亜硫酸カルシウムを六価クロムの還元剤に使用すると,亜硫酸カルシウムは酸化されて石膏となり,コンクリート塊中の未水和セメント分と合わさってエトリンガイト等を形成して強固な地盤改良機能を発揮できる。したがって,亜硫酸カルシウムを六価クロムの還元剤に使用すると,生成した石膏による地盤改良効果も期待できる。亜硫酸カルシウムは食品の防腐剤,水道水・シャワー用浄水器,発酵工業の殺菌剤等に使用されるように無害であり,環境に及ぼす影響が少ない点でも有利である。
以下に,工業用亜硫酸カルシウムを還元剤として用いた場合に,コンクリート塊からの六価クロム溶出量がどのように変化するかを調べた試験結果を示す。
試験は,普通ポルトランドセメントを用いた通常のコンクリート構造物(築37年)の解体で発生したコンクリート塊を対象とした。早期に結果を得るために,そのコンクリート塊の骨材回収試験で発生した3水準の微粉(2mmアンダー,300μmアンダーおよび150μmアンダー)を供試材として使用した。還元剤としては工業用亜硫酸カルシウム半水和物を使用し,環境庁告示46号試験方法(液固比10,6時間振とう,ろ液中の六価クロム量の測定)に従って,各水準の微粉に対して亜硫酸カルシウムを,六価クロム還元に要する化学量論量の0倍,10倍,100倍,1000倍の割合で用いた。なおコンクリート微粉中の六価クロム含有量は粗骨材の分が少ないのでコンクリート1Kg当り亜硫酸カルシウムの化学量論量を7.5mgとした。
試験結果を表1に示した。表1の結果に見られるように,亜硫酸カルシウムを六価クロムの還元に要する量の100倍以上使用することにより,六価クロムの溶出量が大きく低減されることがわかる。1000倍以上使用しても,溶出抑制効果は飽和する傾向にある。表1において「含有量」と記したものは,試験後の試料中の六価クロム量である。
Figure 2007014881
コンクリート塊から水中に溶出する六価クロムは,前記の試験に見られるように,亜硫酸カルシウムが存在するとその溶出を防止できる。還元剤としてコンクリート塊に配合する亜硫酸カルシウムの量は,前記のように理論的にはコンクリート中の六価クロムに対してモル比で1.5倍以上であればよいが,実際には,コンクリート塊の粉砕物1Kgに対して亜硫酸カルシウム半水和物として0.1〜10gの範囲で配合すればよい。排ガス脱硫装置で副生する亜硫酸カルシウム主体の脱硫反応生成物の場合もこの範囲で配合すればよい。
その配合にあたっては,コンクリート塊を40mmアンダーに粉砕した粉砕物に対して亜硫酸カルシウムを配合する。亜硫酸カルシウムは水に対する溶解度が小さく,通常は結晶性の粉体として取り扱われる。したがって,亜硫酸カルシウムの粉砕物に対する配合にさいしても粉体として配合すればよいが,より好ましくは,40mmアンダーの粉砕物をさらに10mmアンダーの微粒成分とそれ以外の粗粒成分とに分級し,微粒成分に対しては亜硫酸カルシウムをそのまま配合して混合し,粗粒成分に対しては粗粒の各粒子表面に亜硫酸カルシウムが被着するような処理を施して配合するのがよい。
粗粒成分に亜硫酸カルシウムを被着する処理としては,例えば粗粒成分に水等の液体を噴霧して粗粒成分を湿潤させたあと亜硫酸カルシウムを散布する方法,予め亜硫酸カルシウムに砂とセメントまたはソイルセメントを配合して混合しておいた混合物を前記と同様の湿潤させた粗粒成分に添加して混合する方法,或いは,水溶性高分子などの増粘剤または接着剤を含ませた水等の液体で粗粒表面を湿潤させ,このものに亜硫酸カルシウムを散布したり,前記の亜硫酸カルシウム配合の混合物を添加して混合する方法などを適用することができる。さらに,亜硫酸カルシウムを多孔性物質に担持させた状態でコンクリート塊の粉砕物に配合してもよい。亜硫酸カルシウムを担持させる多孔性物質としては活性炭,ゼオライト,珪藻土等が適用できる。場合によっては,長期間にわたって亜硫酸カルシウムをコンクリートに作用させるために,徐々に崩壊する材料からなるカプセル内や袋体内に亜硫酸カルシウムを収納したり,該材料内に亜硫酸カルシウムを含浸させたものを配合することもできる。徐々に崩壊する材料としてはゼラチン,木質系セルロース,水溶紙,水溶性フイルム(例えば水溶性ポリビニルアルコールフイルム),水解紙(水中では完全には溶けないが細片化する)等が適用できる。
本発明に従ってコンクリート塊の盛土を行うさいには,地盤が排水層である場合と排水層でない場合とに別けて対処する必要がある。以下,これらを個別に説明する。
〔排水層ではない地盤にコンクリート塊盛土を適用する場合〕
排水層を形成することなく,盛土地盤の下に自然地盤が直接的に存在する場合である。この場合のコンクリート塊の破砕と分級処理,微粒成分と粗粒成分の還元剤処理,および地盤還元処理の3段階を次のようにして行う。
(1) コンクリート塊の破砕と分級処理
コンクリート土木構造物や建築物・製品等の解体によって発生するコンクリート塊をジョークラッシャー等により粒径40mmアンダーに粉砕し,さらにふるい処理により粒度調整して粗粒成分(粒径10〜40mm)と微粒成分(粒径10mm未満)に分級する。
(2) 粗粒成分と微粒成分の還元剤処理
コンクリート塊盛土が土壌等の自然地盤と接するので,溶出した六価クロムが亜硫酸カルシウムと反応しやすいように亜硫酸カルシウムを各成分に配合する必要がある。このため,微粒成分に対しては亜硫酸カルシウムを均一に混合する。粗粒成分に対しては,その各粒子表面に亜硫酸カルシウムが存在するように配合する。すなわち前記したように,粗粒成分に水を噴霧して粗粒成分を湿潤させたあと亜硫酸カルシウムを散布する方法,予め亜硫酸カルシウムに砂とセメントまたはソイルセメントを配合して混合しておいた混合物を前記と同様の湿潤させた粗粒成分に添加して混合する方法,或いは,水溶性高分子などの増粘剤または接着剤を含ませた水で粗粒表面を湿潤させ,このものに亜硫酸カルシウムを散布したり,亜硫酸カルシウム配合の前記の混合物を添加して混合する方法などを採用する。多孔性物質に亜硫酸カルシウムを担持させたり徐崩壊性カプセル(袋体)に収納する方法も適用できる。
(3) コンクリート塊の地盤還元処理
前記の粗粒成分と微粒成分をあわせてコンクリート塊盛土とし,自然地盤の上に配置して地盤還元する。そのさい,亜硫酸カルシウム配合の粗粒成分と亜硫酸カルシウム配合の微粒成分をあわせて使用するが,場合によっては,亜硫酸カルシウムを均一に配合した微粒成分と,亜硫酸カルシウムを配合しない粗粒成分とを均一に混合することによって,粗粒の各粒子表面に亜硫酸カルシウムが存置するような形態にすることもできる。粗粒成分の間隙を埋めるために残土等を用いる場合には,その残土等にも亜硫酸カルシウムを配合しておくのが好ましい。なお六価クロムの溶出量が少ないと予測されるような場合には,還元剤の配合が比較的不均一であっても溶出のリスクは小さくなるので,コンクリート塊をジョークラッシャー等での粉砕時や分級処理時に必要量の亜硫酸カルシウムを添加し,この添加方法を還元剤の配合処理とすることもできる。
〔排水層である地盤にコンクリート塊盛土を適用する場合〕
粗粒成分で排水層を形成し,その下方に微粒成分を一部または全部として締め固め等で不透水層を形成する場合である。そのさい,この不透水層を形成して盛土する場合には,図1に示したような地盤構成とする。
図1において,1はコンクリート塊盛土,2は不透水層,3は遮水層,4は還元壁を示しており,自然地盤5の上に不透水層2を設け,この不透水層2の上にコンクリート塊盛土1を排水層地盤となるように配置する。
本発明によれば,排水層地盤となるコンクリート塊盛土1はコンクリート塊の粗粒成分を利用し,不透水層2にはコンクリート塊の微粒成分を利用して形成する。すなわち,各粒子表面に還元剤(亜硫酸カルシウム)を被着した粗粒成分を用いて排水層地盤(コンクリート塊盛土1)とし,還元剤(亜硫酸カルシウム)を混合した微粒成分,固化材(セメントなど)および現地土や残土等を混ぜ合わせて締め固め,透水係数が比較的小さい不透水層2を形成する。微粒成分にはまだセメントの水和能が残存している場合があり,この場合には固化材を用いないでも,用いる場合でも少量の使用量で,不透水層2を形成できる。還元壁4については,微粒成分,還元剤(亜硫酸カルシウム)および現地土や残土等を混合して還元機能を有する壁体に形成する。
このコンクリート塊盛土の例では,降雨や散水等に起因してコンクリート塊盛土1の排水層地盤に侵入してきた水は,粗粒成分と接触してその最外部に存在する六価クロムの溶出が起きるが,まずはその粒子表面に存在する還元剤(亜硫酸カルシウム)によって還元される。水は不透水層2の上を重力によって水平方向に流れてゆくが,この水流の下流側に設けた還元壁4を通過するさいに,六価クロムイオンが残留していれば還元され,完全無害化されて自然地盤5に排出される。なお,還元されたCrは沈殿物としてその殆んどは還元壁4の内側で捕捉固定される。
図1のコンクリート塊盛土を実施する場合のコンクリート塊の破砕と分級処理,微粒成分と粗粒成分の還元剤処理,および地盤還元処理の3段階を次のようにして行う。
(1) コンクリート塊の破砕と分級処理
前記のようにコンクリート構造物等の解体によって発生するコンクリート塊をジョークラッシャー等により粒径40mmアンダーに粉砕し,さらにふるい処理により粒度調整して粗粒成分(粒径10〜40mm)と微粒成分(粒径10mm未満)に分級する。
(2) 粗粒成分と微粒成分の還元剤処理
微粒成分に対しては亜硫酸カルシウムを均一に混合する。粗粒成分に対しては,その各粒子表面に亜硫酸カルシウムが存在するように配合する。すなわち,前記したように粗粒成分に水を噴霧して粗粒成分を湿潤させたあと亜硫酸カルシウムを散布する方法,予め亜硫酸カルシウムに砂とセメントまたはソイルセメントを配合して混合しておいた混合物を前記と同様の湿潤させた粗粒成分に添加して混合する方法,或いは,水溶性高分子などの増粘剤または接着剤を含ませた水で粗粒表面を湿潤させ,このものに亜硫酸カルシウムを散布したり,亜硫酸カルシウム配合の前記の混合物を添加して混合する方法などを採用する。多孔性物質に亜硫酸カルシウムを担持させたり徐崩壊性カプセル(袋体)に収納する方法も適用できる。
(3) コンクリート塊の地盤還元処理
図1のように亜硫酸カルシウムを被着した粗粒成分についはて,排水層地盤となるコンクリート塊盛土1に利用する。亜硫酸カルシウムと混合した微粒成分については不透水層2を形成するのに利用し,また還元壁4を形成するのにも利用する。
図1では不透水層2を造成したが,自然地盤5が不透水層である場合には,特に不透水層2を造成しなくてもよい。すなわち,不透水層の自然地盤5の上に,還元剤を被着した粗粒成分を用いて排水層のコンクリート塊盛土地盤を形成すればよく,微粒成分については還元剤を配合して還元壁4や地中壁の造成に必要に応じて利用すればよい。
なお,一連の工事が土壌等の自然地盤を対象とするのではなく,工作物である場合には環境基準を満たす必要はないので,粗粒成分および微粒成分に亜硫酸カルシウムを配合せずに利用することも可能ではなるが,環境保全の点から本発明を適用することが望ましい。
本発明に従うコンクリート塊盛土を排水層である地盤に適用する例を示す略断面図である。
符号の説明
1 コンクリート塊盛土
2 不透水層
3 遮水層
4 還元壁
5 自然地盤(土壌等)

Claims (7)

  1. コンクリート塊を粒径40mmアンダーに粉砕し,この粉砕物に亜硫酸カルシウムからなる還元剤を,粉砕物中の六価クロムを三価クロムに還元するに必要な化学量論量以上で配合し,この還元剤配合の粉砕物を盛土に利用するコンクリート塊の再資源化法。
  2. 粒径40mmアンダーの粉砕物を粗粒成分と微粒成分に分級し,得られた粗粒成分と微粒成分に該還元剤を配合する請求項1に記載のコンクリート塊の再資源化法。
  3. 粗粒成分への還元剤の配合は,粒子表面に還元剤を被着する処理によって行う請求項2に記載のコンクリート塊の再資源化法。
  4. 還元剤は,排ガス脱硫装置で副生する亜硫酸カルシウム主体の脱硫反応生成物である請求項1,2または3に記載のコンクリート塊の再資源化法。
  5. 亜硫酸カルシウムからなる還元剤は,コンクリート塊の粉砕物1Kgに対して0.1〜10gの範囲で配合する請求項1〜4のいずれかに記載のコンクリート塊の再資源化法。
  6. 粒径40mmアンダーのコンクリート塊の粉砕物から分級して得られた粗粒成分の粒子表面に亜硫酸カルシウムからなる還元剤を被着させてなるコンクリート塊盛土。
  7. 粗粒成分は粒径10〜40mmであり,還元剤は粗粒成分中の六価クロムを三価クロムに還元する必要な化学量論以上で粗粒成分に被着させる請求項6に記載のコンクリート塊盛土。
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