JP2003062541A - 6価クロム含有部材の処理方法 - Google Patents

6価クロム含有部材の処理方法

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JP2003062541A
JP2003062541A JP2001258098A JP2001258098A JP2003062541A JP 2003062541 A JP2003062541 A JP 2003062541A JP 2001258098 A JP2001258098 A JP 2001258098A JP 2001258098 A JP2001258098 A JP 2001258098A JP 2003062541 A JP2003062541 A JP 2003062541A
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chromium
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JP2001258098A
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Nobuo Akutsu
信男 阿久津
Yoko Umeda
陽子 梅田
Takakuni Nukaga
孝訓 額賀
Fumio Umemura
文夫 梅村
Yoshiaki Matsushita
義昭 松下
Shinji Karasawa
伸二 柄沢
Satoyuki Yoshida
智行 吉田
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Tokyo Electric Power Company Holdings Inc
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Tokyo Electric Power Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】作業性よく簡易に処理ができ、6価クロム含有
部材中に含まれる6価クロムを良好に無害化し、装置コ
ストの低減化も可能な6価クロム含有保温材の処理方法
を提供する。 【解決手段】6価クロムを含有する6価クロム含有部材
に、還元剤を噴霧、塗布あるいは浸漬させて、6価クロ
ムを還元することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炉材、断熱材、耐
火材等の6価クロム含有部材に含まれる6価クロムを還
元して無害化する6価クロム含有部材の処理方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】炉材、断熱材、耐火材等に用いられるロ
ックウール、シリカボードなどは、各種装置シール材
や、高温部材の保温材として使用されている。
【0003】本発明者の検討によれば、高温部材にクロ
ムが含まれると、クロムが高温で酸化され、保温材中の
アルカリ成分と反応して、保温材中に6価クロムが生成
される可能性があることを知見した。
【0004】例えば、クロム含有部材の反応機構として
次の(1)、(2)が考えられる。
【0005】ロックウールを例に説明すると、 (1)高温部の酸化皮膜(Crと仮定)からCr
蒸気が発生し、これがロックウール中のCaOと反
応する場合を想定する。
【0006】まず、高温(1200K)で酸化皮膜に酸
素が作用し、
【化1】
【0007】生成したCrO(g)は、継続的に持ち
去られるので反応は右に進む。これがロックウール中の
CaOと接触すれば、
【化2】
【0008】ロックウール近傍でのCrO(g)分圧
がこれより高ければ、反応は右に進んで、6価クロム化
合物が生成する可能性があることになる。
【0009】(2)飛散した酸化皮膜が、直接ロックウ
ールと反応し、6価クロム化合物が生成する反応を想定
する。
【0010】
【化3】
【0011】酸素以外は固相反応となるので600K付
近では反応速度が極めて遅いと考えられる。
【0012】試験では例えば、クロム含有率26%の高
クロム含有部材とロックウールの直接接触処理したとこ
ろ、極めて微量の6価クロムが検出された。通常多く使
用されるクロム含有率1〜3%あるいは18%の低クロ
ム含有材では6価クロムは検出されなかった。
【0013】このようにロックウールの中に生成される
6価クロムは、酸化力が強く、かつ有毒であるため、環
境汚染物質として厳しく規制がなされている。
【0014】6価クロムの除去方法としては、6価クロ
ムを水に溶解しイオン交換樹脂を用いて除去する方法、
6価クロムを水に溶解し硫酸酸性下で重亜硫酸ナトリウ
ムにより還元した後、水酸化物を加えpHを調整して凝
集剤で凝集、ろ過する凝集法が知られている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
6価クロムの除去方法はロックウールを対象とし、ロッ
クウールに含まれる6価クロムを処理する方法として採
用できるが、シリカボードは吸水性が高いために、水に
浸すと後処理が困難であり、従来の6価クロムの除去方
法はいずれもシリカボード中に含まれる6価クロムの処
理には適さなかった。
【0016】さらに従来の6価クロムの除去方法はいず
れも作業現場で作業性よく簡易に処理できる方法とは言
い難く、また6価クロム除去装置のコストも割高になる
という問題も有していた。
【0017】本発明は、上述した事情を考慮してなされ
たものであり、現場でも作業性よく簡易に処理ができ、
シリカボードのような6価クロム含有部材中に含まれる
有害な6価クロムを良好に無害化することができるとと
もに6価クロム除去のための装置コストの低減を図るこ
とができる6価クロム含有保温材の処理方法を提供する
ことを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明者らは種々研究を重ねた結果、還元剤を
炉材、断熱材等のクロム含有部材に噴霧することによ
り、生成された6価クロムを還元してより毒性の低い3
価クロムとすることができる。特別な6価クロム除去装
置を必要とせず、簡易に処理でき、かつコスト削減可能
な6価クロム含有部材の処理方法を見出したものであ
る。
【0019】本発明に係る6価クロム含有部材の処理方
法は、上述した課題を解決するために、6価クロムを含
有する炉材、断熱材、耐火剤等の6価クロム含有部材
に、還元剤を噴霧、塗布あるいは浸漬させて、6価クロ
ムを還元する処理方法を提供する。
【0020】上記6価クロム含有部材の処理方法におい
て、還元剤として、L−アスコルビン酸、エリソルビン
酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、ハイドロサルフ
ァイトおよび亜硫酸塩の中から選ばれる少なくとも一種
の還元剤を用いる方法である。
【0021】上記還元剤の中でも、人体に有用で無害な
L−アスコルビン酸を用いることが好ましく、特に、飽
和L−アスコルビン酸を用いることがより好ましい。
【0022】上記6価クロム含有部材の処理方法におい
て、6価クロム含有部材の処理材としてシリカボードを
挙げることができる。
【0023】また、本発明に係る6価クロム含有部材の
処理方法は、上述した課題を解決するために、掃除機等
の吸引装置で6価クロム含有部材の表面を吸引して6価
クロムを回収する一方、上記6価クロム含有部材のクロ
ム含有部位を還元剤に浸したり、または、還元剤を噴霧
してクロム除染を行なう処理方法である。
【0024】さらに、本発明に係る6価クロム含有部材
の処理方法は、上述した課題を解決するために、前記吸
引装置の吸引口にブラシあるいは回転ブラシを取り付け
て6価クロム含有部材の表面を撹拌吸引して6価クロム
を回収する一方、前記6価クロム含有部材のクロム含有
部位を除染するタンク内に還元剤を予め収容しておき、
上記クロム含有部位を還元剤に浸漬させてクロム除染を
行なう処理方法である。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の6価クロム含有部
材の処理方法の実施形態について説明する。
【0026】本発明に係る6価クロム含有部材の処理方
法において、対象部材である6価クロム含有部材には、
加熱炉、焼却炉等の炉材、断熱材、耐火材の他、クロム
取扱工場における構成材等の保温材や処理材があり、6
価クロムを含んだり、付着した保温材、処理材等の部材
が対象となる。クロム含有部材に含まれたクロムやクロ
ムが付着した部材は高温下に晒されて酸化し、さらにア
ルカリ成分と反応すると6価クロムが生成されると考え
られる。
【0027】6価クロム含有部材の処理方法は、6価ク
ロムを付着あるいは含有した6価クロム含有部材として
の保温材あるいは処理材に、還元剤を噴霧して、6価ク
ロムを還元する。
【0028】6価クロムを含有する6価クロム含有部材
としては、具体的にはクロム含有配管に接触するクロム
接触部材やクロム含有部材を高温部材や保温材として用
いることにより、6価クロムが生成される保温材や処理
材が挙げられる。
【0029】6価クロム含有部材としては、シリカ、ア
ルミナとアルカリ成分などを含む無機化合物からなる保
温材や処理材であり、具体的には、ロックウール、シリ
カボードなどの一例を挙げることができる。これらの成
分比を例示すると、 ロックウール:SiO 38〜44質量%(wt
%)、Al 11〜15質量%、アルカリ分39
〜47質量%(CaO 35〜39質量%、MgO4〜
8質量%)、 シリカボード:SiO 44.6質量%、Al
2.1質量%、Fe 1.1質量%、アルカリ
分44.1質量%(CaO 42.8質量%、MgO
1.3質量%)である。
【0030】なお、6価クロム含有部材の処理方法は、
上記組成に限らず、実質的に6価クロムを含む部材であ
れば、いずれも適用することができる。なかでも、シリ
カボードのように、水に浸漬して処理すると脱水などの
後処理が困難な6価クロム含有部材に適用することが好
ましい。
【0031】本発明においては、上記の6価クロムを含
有する保温材や処理材(以下、保温材という。)に、還
元剤を噴霧して、6価クロムを還元した。
【0032】還元剤としては、保温材に噴霧することに
より、保温材中に含まれる6価のクロムを3価に還元す
る作用を有するものであればよい。中でもL−アスコル
ビン酸、エリソルビン酸ナトリウム亜硫酸水素ナトリウ
ムのような亜硫酸水素塩、ハイドロサルファイトおよび
亜硫酸ナトリウムのような亜硫酸塩の中から選ばれる少
なくとも一種の還元剤を用いることが好ましい。これら
の中でも特に、L−アスコルビン酸は、少ない使用量で
所望の効果が得られる点で、しかも人体に対して安全で
あるので、より好ましい。
【0033】L−アスコルビン酸による還元反応式は、
以下のように考えられる。
【0034】
【化4】
【0035】還元反応の結果、3価クロム2分子とデヒ
ドロアスコルビン酸3分子が錯体を形成する。なお、3
Ascはアスコルビン酸の略称である。
【0036】また、L−アスコルビン酸による還元反応
式は、次の可能性も考えられる。
【0037】
【化5】
【0038】この還元反応の場合には、デヒドロアスコ
ルビン酸の1級OH基のOが電子供子体となって、3価
クロムとデヒドロアスコルビン酸が1対1で配位される
可能性を表している。
【0039】L−アスコルビン酸等の還元剤は、水など
に溶解されて所定の濃度の溶液として用いる。
【0040】還元剤の濃度としては、処理するCr6+
の量を用いる還元剤によって異なるが、通常0.01質
量%〜飽和質量%、好ましくは0.1質量%〜飽和質量
%、より好ましくは5質量%〜飽和質量%である。なか
でも、Cr6+が平米辺り100mgを超える場合でL
−アスコルビン酸を用いるときは、飽和(約23質量
%)溶液であることが望ましい。還元剤の噴霧量として
は、6価クロムの生成量、還元剤の種類、濃度などにも
よるが、通常、保温材の面積に対して、0.01〜10
ml/cm、好ましくは0.05〜1ml/cm
より好ましくは0.08〜0.16ml/cmであ
る。還元剤の噴霧量は、通常、保温材の面積に対し比例
する関係が好ましい。
【0041】還元剤を保温材に噴霧する場合、一度の噴
霧では完全に還元されないこともあるので、保温材の黄
色(6価クロムの色)が消えるまで、複数回還元剤を噴
霧することが必要に応じて行なわれる。噴霧は通常、常
温で行われる。
【0042】前述のように、保温材中の6価クロムは、
部材に含まれるクロムが高温で酸化され、保温材中のア
ルカリ成分と反応して生成されるものと推定される。
【0043】本発明者の調査によれば、6価クロムは、
クロムを含む部材、例えば高温クロム配管と接する保温
材の表面とその付近に所要の厚さの範囲内、例えば表面
より0.1〜0.3cmの厚さに、集中して生成、蓄積
し、それより内部の深い部分には生成されないことを知
見した。
【0044】6価クロム含有部材の処理方法において
は、6価クロム含有部材としての保温材の表面に6価ク
ロムの生成・蓄積が集中しているので、保温材の表面と
その付近に、還元剤の溶液を噴霧器で霧状に吹き付ける
ことにより、良好に6価クロムを無害化することができ
た。また、6価クロムの蓄積度合(蓄積されている厚
さ)に応じて、還元剤を噴霧量を調整することができ
る。
【0045】また、本発明においては、現場でも作業性
よく簡易に6価クロム除去処理ができ、しかも浸漬処理
に適していないシリカボードのような保温材を良好に処
理することができる。
【0046】さらに、噴霧処理と同様に、保温材のうち
6価クロムが生成・蓄積している表面とその付近に還元
剤を付ける処理方法、例えば、保温材の上記表面とその
付近に還元剤を塗布する方法、もしくは、6価クロムの
生成表面より深度や材質によっては、還元剤溶液に浸漬
する方法も、6価クロムを除去する処理方法として採用
することができる。
【0047】以下、実施例に基づいて本発明をさらに具
体的に説明する。なお、本発明はこれら実施例に限定さ
れるものではない。
【0048】実施例1(図1〜図6) 本実施例では、添加する還元剤の種類を変えて溶液レベ
ルでの試験を行った。
【0049】還元剤として、L−アスコルビン酸、亜硫
酸水素ナトリウム、ハイドロサルファイト、エリソルビ
ン酸、エリソルビン酸ナトリウム、亜硫酸塩(亜硫酸ナ
トリウム)のそれぞれの溶液を用いて、6価クロムを処
理し、還元剤の還元性能を試験した。
【0050】6価クロムとして、0.1質量%の重クロ
ム酸カリウム溶液を使用し、5質量%に調製した上記還
元剤1mlをそれぞれ0.1質量%の重クロム酸カリウ
ム溶液10mlに添加し、溶液の色の変化を目視して、
還元剤による還元性能の有無の確認を行った。
【0051】この確認の結果を図1〜図6に示す。な
お、図1〜図6に示す各図において、左側は(0.1質
量%の重クロム酸カリウム溶液10ml)を示し、右側
は(0.1質量%の重クロム酸カリウム溶液10ml+
5質量%の還元剤1ml)を示す。また、還元剤とし
て、図1はL−アスコルビン酸、図2は亜硫酸水素ナト
リウム、図3はハイドロサルファイト、図4はエリソル
ビン酸、図5はエリソルビン酸ナトリウム、図6は亜硫
酸塩を用いたものである。
【0052】図1の左側に示すように、黄色であった重
クロム酸カリウム溶液は、L−アスコルビン酸の添加す
ると黄色から無色に変色した。また、図2に示すエリソ
ルビン酸や図3に示すエリソルビン酸ナトリウム、さら
に図4に示す亜硫酸水素ナトリウムを添加した場合に
は、重クロム酸カリウム溶液は黄色から水色に変色し、
図5に示すハイドロサルファイトを添加した場合にも、
同様に重クロム酸カリウム溶液は黄色から水色に変色し
た。さらに、図6に示すように、亜硫酸塩を添加する
と、重クロム酸カリウム溶液の黄色が少し薄くなった。
【0053】このように還元剤の添加により重クロム酸
カリウム溶液の色が変化したことから、L−アスコルビ
ン酸、亜硫酸水素ナトリウム、ハイドロサルファイト、
亜硫酸塩(亜硫酸ナトリウム)のいずれも6価クロムに
対し還元作用を有することが確認された。
【0054】実施例2(図7〜図12) 本実施例では、6価クロム含有部材から6価クロムを還
元させ、無害化する定性試験を行った。
【0055】実施例1で還元作用のあることが確認され
た5質量%(wt%)のL−アスコルビン酸を、試料
(Cr6+含有シリカボード片、例えば、縦10cm,
横10cm,厚さ2.5cmのシリカボード片)に約2
5ml噴霧して試験した。試料には、その結果、目視に
よる還元性能の確認ができなかったため(図7、図
8)、23質量%(飽和溶液)に調製した飽和L−アス
コルビン酸を、上記と同様の試料に約25ml噴霧し
て、目視による還元性能の確認を行った。また、ジフェ
ニルカルバジド溶液(発色液)を用いてCr6+(6価
クロム)の残存確認を行った。そのときの発色液の滴下
部分を図10に概略的に示す。
【0056】その結果、還元剤の添加により、シリカボ
ード片の色が黄色から白色(シリカボード本来の色)に
変化したことを目視で確認できた(図9、図10)。
【0057】また、発色液によるCr6+の残存試験の
結果、シリカボード片の一部に赤紫色を呈し、Cr6+
が残存していることが示されたが、大部分は発色せず、
Cr 6+が残存していないことを確認できた(図1
1)。
【0058】発色したのは、還元剤の噴霧が均一にいか
なかったためと考えられる。発色問題は複数回還元剤の
L−アスコルビン酸を噴霧することによりCr6+の残
存問題は解決できた。
【0059】実施例3(表1) 本実施例では、浸漬による還元性試験を実施して、定量
試験を行った。
【0060】試料(Cr6+含有シリカボード)のCr
6+が付着した表面を削ぎ、削り取られた表面粉を均一
に混合し、2つに分けた。一方はそのまま水に浸漬し
て、Cr6+の溶出量を測定した(溶出1)。もう一方
は飽和L−アスコルビン酸溶液(約23質量%)を粉体
に浸る程度加えて、30分間浸漬した後、Cr6+の溶
出量を測定した(溶出2)。
【0061】同様に、別の試料でも表面粉を均一に混合
したものを2つに分けて、一方はそのまま水に溶解し
て、Cr6+の溶出量を測定し(溶出3)、もう一方は
飽和L−アスコルビン酸溶液(約23質量%)を粉体に
浸る程度加え、直ちにCr6+の溶出量の測定を行った
(溶出4)。
【0062】その結果を表1に示す。
【0063】
【表1】
【0064】表1から明らかなように、Cr6+含有シ
リカボードをL−アスコルビン酸溶液で処理することに
より、Cr6+が良好に還元され、しかも時間をかけず
に瞬時に還元されることが分かる。
【0065】なお、Cr6+は、クロムを含む部材と接
するシリカボードの表面とその付近に集中して生成、蓄
積し、シリカボード内部には生成していない。
【0066】Cr6+の埋立て基準値は、シリカボード
全体としてのCr6+の溶出量が1.5mg/リットル
以下である。これに対し、溶出4では、Cr6+溶出量
が13.7mg/リットルとなっているが、これはCr
6+が集中するシリカボードの表面側だけの分析値であ
り、噴霧量を多くすることで基準値以下にすることが容
易にできる。
【0067】実施例4(図13) 本実施例では、噴霧による還元性試験を実施して、定量
試験を行った。
【0068】試料(Cr6+含有シリカボード)を均一
に2つに分け、一方はそのままの状態で表面を削ぎ、水
に浸漬してCr6+の溶出量を測定した(溶出5)。も
う一方は飽和L−アスコルビン酸溶液(約23質量%)
を約150ml噴霧(約75mlを2回噴霧)した後、
表面を削ぎ、水に浸漬してCr6+の溶出量を測定した
(溶出6)。
【0069】その結果を表2に示す。また、還元剤を噴
霧しない試料と噴霧した試料の表面の様子を図13に示
す。
【0070】
【表2】
【0071】表2から明らかなように、使用済みのCr
6+含有シリカボードを還元剤で噴霧処理することによ
り、Cr6+が良好に還元されることが分かる。
【0072】次に、本発明に係る6価クロム含有部材の
処理方法の他の実施形態を説明する。
【0073】この実施形態では、処理対象の6価クロム
含有部材としてシリカボードを用いた場合、このシリカ
ボードの表面を掃除機等の吸引装置により吸引し、シリ
カボード表面に付着したCr6+(6価クロム)を回収
する。吸引装置による吸引回収効率を向上させるため
に、吸込口付近にブラシまたは回転ブラシを取り付けて
撹拌吸引させてもよい。吸引装置には家庭用掃除機ある
いは液体吸引可能な業務用掃除機を用いることができ
る。
【0074】6価クロム含有部材としてのシリカボード
は物理的強度が弱く、比較的脆いため、シリカボード表
面に付着したクロムは、吸引装置の吸引で容易に回収す
ることができる。
【0075】シリカボードの表面を吸引装置で吸引した
後に、シリカボードのクロム含有部材を還元剤の溶液中
に浸すことで、6価クロムをシリカボードから完全にク
ロム除染することができる。還元剤に浸す代りに、第1
実施形態で説明したように還元剤をクロム含有部材に噴
霧させてもよい。
【0076】また、シリカボードのクロム含有部材を受
けるタンクを用意し、このタンクに還元剤を予め収容さ
せておくことで、クロム除染工程の短縮化を図ることが
できる。
【0077】[実施例]6価クロム含有部材としてシリ
カボードを用い、また、吸引装置として家庭用掃除機お
よび液体吸引可能な業務用掃除機を用いてクロム吸引回
収実験を行なった。
【0078】業務用掃除機には、吸引口に(a)円形ブ
ラシ付きアダプタを取り付け、家庭用掃除機には(b)
通常のアダプタと(c)ブラシ(刷毛)付きアダプタを
取り付け、6価クロム含有部材片の試料として、例えば
縦・横・高さ10cm×10cm×2.5cmのシリカ
ボードを用意した。試料のシリカボードには、一面の表
面全面に6価クロムを試験的に厚さ約1mm付着させて
黄色層を形成し、この黄色層の吸引回収を試みた。
【0079】シリカボードの表面の半分(50cm
を吸引装置で5秒吸引したところ、(a)円形ブラシ付
きアダプタを取り付けたものは全量、(c)ブラし付き
アダプタを取り付けたものは、ほぼ全量、黄色に付着し
た表面から6価クロムを回収することが確認できた。
(b)アダプタを取り付けたものは、部分的な吸着力が
強過ぎ、黄色層の表面移動をスムーズに行なうことがで
きなかった。
【0080】また、上記(a)と(c)の6価クロム吸
引回収処理においては、処理時間を長くすることで表面
をより深く回収(削る)し得ることを確認できた。特に
(a)の6価クロム吸引回収処理においては、最初の1
操作(1秒半程度)で表面の黄色着色部分を全て回収す
ることができ、5秒間の処理では4〜6ミリの単位で表
面を削っていた。
【0081】シリカボードには表面が曲面に形成された
ものもあるため、吸引口は(a)の吸引回収処理に用い
たような刷毛の付いた円形のものが望ましい。さらに、
吸引口もしくはその近傍に、刷毛の部分が回転もしくは
一方向に動くものを装着した場合、6価クロム吸引回収
処理の作業能率がより向上する。
【0082】吸引した6価クロム含有材片のシリカボー
ドは、掃除機等の吸引装置で吸引回収した後、還元剤溶
液を噴霧もしくは浸漬させることで、6価クロムを完全
かつ確実に除去でき、無害化できる。
【0083】また、液体吸取り対応の掃除機を用い、も
しくは水スクラバ付きの掃除機を用いれば、タンクもし
くはスクラバ部分に予め還元剤を入れておくことで、こ
の還元工程と回収工程を同時に行なうことができる。
【0084】なお、本発明の実施形態に用いられた6価
クロム含有部材の各組成成分を質量%(wt%)で表示
した例を示したが、各組成成分は体積%(vol%)で
表示したものでもほぼ同様な結果が得られる。
【0085】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の6価クロ
ム含有部材の処理方法によれば、現場でも作業性よく簡
易に6価クロム含有部材の処理ができ、6価クロム含有
部材中に含まれる有害な6価クロムを還元反応により良
好に無害化することができる。また、本発明によれば、
従来のイオン交換樹脂や凝集剤を用いる処理方法に比
べ、装置コストの低減化が図れる。さらに、本発明によ
れば、浸漬処理に適していないシリカボードのような6
価クロム含有部材を良好に処理することができ、処理後
部材の無害化が図られて再利用も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1を説明する図で、還元剤であるL−ア
スコルビン酸の還元性を示す図。
【図2】実施例1を説明する図で、還元剤である亜硫酸
水素ナトリウムの還元性を示す図。
【図3】実施例1を説明する図で、還元剤であるハイド
ロサルファイトの還元性を示す図。
【図4】実施例1を説明する図で、還元剤であるエリソ
ルビン酸の還元性を示す図。
【図5】実施例1を説明する図で、還元剤であるエリソ
ルビン酸ナトリウムの還元性を示す図。
【図6】実施例1を説明する図で、還元剤である亜硫酸
塩の還元性を示す図。
【図7】実施例2を説明する図で、還元処理前の試料表
面を示す図。
【図8】実施例2を説明する図で、5質量%L−アスコ
ルビン酸を噴霧した後の試料表面を示す図。
【図9】実施例2を説明する図で、還元処理前の試料表
面を示す図。
【図10】実施例2を説明する図で、23質量%L−ア
スコルビン酸を噴霧した後の試料表面を示す図。
【図11】実施例2を説明する図で、発色液を添加した
後の試料表面を示す図。
【図12】実施例2を説明する図で、発色液の滴下部分
の説明図。
【図13】実施例4を説明する図で、還元剤の噴霧前と
噴霧後の試料表面を示す図。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年9月6日(2001.9.6)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 6価クロム含有部材の処理方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炉材、断熱材、耐
火材等の6価クロム含有部材に含まれる6価クロムを還
元して無害化する6価クロム含有部材の処理方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】炉材、断熱材、耐火材等に用いられるロ
ックウール、シリカボードなどは、各種装置シール材
や、高温部材の保温材として使用されている。
【0003】本発明者の検討によれば、高温部材にクロ
ムが含まれると、クロムが高温で酸化され、保温材中の
アルカリ成分と反応して、保温材中に6価クロムが生成
される可能性があることを知見した。
【0004】例えば、クロム含有部材の反応機構として
次の(1)、(2)が考えられる。
【0005】ロックウールを例に説明すると、 (1)高温部の酸化皮膜(Crと仮定)からCr
蒸気が発生し、これがロックウール中のCaOと反
応する場合を想定する。
【0006】まず、高温(1200K)で酸化皮膜に酸
素が作用し、
【化1】
【0007】生成したCrO(g)は、継続的に持ち
去られるので反応は右に進む。これがロックウール中の
CaOと接触すれば、
【化2】
【0008】ロックウール近傍でのCrO(g)分圧
がこれより高ければ、反応は右に進んで、6価クロム化
合物が生成する可能性があることになる。
【0009】(2)飛散した酸化皮膜が、直接ロックウ
ールと反応し、6価クロム化合物が生成する反応を想定
する。
【0010】
【化3】
【0011】酸素以外は固相反応となるので600K付
近では反応速度が極めて遅いと考えられる。
【0012】試験では例えば、クロム含有率26%の高
クロム含有部材とロックウールの直接接触処理したとこ
ろ、極めて微量の6価クロムが検出された。通常多く使
用されるクロム含有率1〜3%あるいは18%の低クロ
ム含有材では6価クロムは検出されなかった。
【0013】このようにロックウールの中に生成される
6価クロムは、酸化力が強く、かつ有毒であるため、環
境汚染物質として厳しく規制がなされている。
【0014】6価クロムの除去方法としては、6価クロ
ムを水に溶解しイオン交換樹脂を用いて除去する方法、
6価クロムを水に溶解し硫酸酸性下で重亜硫酸ナトリウ
ムにより還元した後、水酸化物を加えpHを調整して凝
集剤で凝集、ろ過する凝集法が知られている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
6価クロムの除去方法はロックウールを対象とし、ロッ
クウールに含まれる6価クロムを処理する方法として採
用できるが、シリカボードは吸水性が高いために、水に
浸すと後処理が困難であり、従来の6価クロムの除去方
法はいずれもシリカボード中に含まれる6価クロムの処
理には適さなかった。
【0016】さらに従来の6価クロムの除去方法はいず
れも作業現場で作業性よく簡易に処理できる方法とは言
い難く、また6価クロム除去装置のコストも割高になる
という問題も有していた。
【0017】本発明は、上述した事情を考慮してなされ
たものであり、現場でも作業性よく簡易に処理ができ、
シリカボードのような6価クロム含有部材中に含まれる
有害な6価クロムを良好に無害化することができるとと
もに6価クロム除去のための装置コストの低減を図るこ
とができる6価クロム含有保温材の処理方法を提供する
ことを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明者らは種々研究を重ねた結果、還元剤を
炉材、断熱材等のクロム含有部材に噴霧することによ
り、生成された6価クロムを還元してより毒性の低い3
価クロムとすることができる。特別な6価クロム除去装
置を必要とせず、簡易に処理でき、かつコスト削減可能
な6価クロム含有部材の処理方法を見出したものであ
る。
【0019】本発明に係る6価クロム含有部材の処理方
法は、上述した課題を解決するために、6価クロムを含
有する炉材、断熱材、耐火剤等の6価クロム含有部材
に、還元剤を噴霧、塗布あるいは浸漬させて、6価クロ
ムを還元する処理方法を提供する。
【0020】上記6価クロム含有部材の処理方法におい
て、還元剤として、L−アスコルビン酸、エリソルビン
酸、エリソルビン酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウ
ム、ハイドロサルファイトおよび亜硫酸塩の中から選ば
れる少なくとも一種の還元剤を用いる方法である。
【0021】上記還元剤の中でも、人体に有用で無害な
L−アスコルビン酸を用いることが好ましく、特に、飽
和L−アスコルビン酸を用いることがより好ましい。
【0022】上記6価クロム含有部材の処理方法におい
て、6価クロム含有部材の処理材としてシリカボードを
挙げることができる。
【0023】また、本発明に係る6価クロム含有部材の
処理方法は、上述した課題を解決するために、掃除機等
の吸引装置で6価クロム含有部材の表面を吸引して6価
クロムを回収する一方、上記6価クロム含有部材のクロ
ム含有部位を還元剤に浸したり、または、還元剤を噴霧
してクロム除染を行なう処理方法である。
【0024】さらに、本発明に係る6価クロム含有部材
の処理方法は、上述した課題を解決するために、前記吸
引装置の吸引口にブラシあるいは回転ブラシを取り付け
て6価クロム含有部材の表面を吸引して6価クロムを回
収する一方、前記6価クロム含有部材のクロム含有部位
を除染するタンク内に還元剤を予め収容しておき、上記
クロム含有部位を還元剤に浸漬させてクロム除染を行な
う処理方法である。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の6価クロム含有部
材の処理方法の実施形態について説明する。
【0026】本発明に係る6価クロム含有部材の処理方
法において、対象部材である6価クロム含有部材には、
加熱炉、焼却炉等の炉材、断熱材、耐火材の他、クロム
取扱工場における構成材等の保温材や処理材があり、6
価クロムを含んだり、付着した保温材、処理材等の部材
が対象となる。クロム含有部材に含まれたクロムやクロ
ムが付着した部材は高温下に晒されて酸化し、さらにア
ルカリ成分と反応すると6価クロムが生成されると考え
られる。
【0027】6価クロム含有部材の処理方法は、6価ク
ロムを付着あるいは含有した6価クロム含有部材として
の保温材あるいは処理材に、還元剤を噴霧して、6価ク
ロムを還元する。
【0028】6価クロムを含有する6価クロム含有部材
としては、具体的にはクロム含有配管に接触するクロム
接触部材やクロム含有部材を高温部材や保温材として用
いることにより、6価クロムが生成される保温材や処理
材が挙げられる。
【0029】6価クロム含有部材としては、シリカ、ア
ルミナとアルカリ成分などを含む無機化合物からなる保
温材や処理材であり、具体的には、ロックウール、シリ
カボードなどの一例を挙げることができる。これらの成
分比を例示すると、 ロックウール:SiO 38〜44質量%(wt
%)、Al 11〜15質量%、アルカリ分39
〜47質量%(CaO 35〜39質量%、MgO4〜
8質量%)、 シリカボード:SiO 44.6質量%、Al
2.1質量%、Fe 1.1質量%、アルカリ
分44.1質量%(CaO 42.8質量%、MgO
1.3質量%)である。
【0030】なお、6価クロム含有部材の処理方法は、
上記組成に限らず、実質的に6価クロムを含む部材であ
れば、いずれも適用することができる。なかでも、シリ
カボードのように、水に浸漬して処理すると脱水などの
後処理が困難な6価クロム含有部材に適用することが好
ましい。
【0031】本発明においては、上記の6価クロムを含
有する保温材や処理材(以下、保温材という。)に、還
元剤を噴霧して、6価クロムを還元した。
【0032】還元剤としては、保温材に噴霧することに
より、保温材中に含まれる6価のクロムを3価に還元す
る作用を有するものであればよい。中でもL−アスコル
ビン酸、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、
亜硫酸水素ナトリウムのような亜硫酸水素塩、ハイドロ
サルファイトおよび亜硫酸ナトリウムのような亜硫酸塩
の中から選ばれる少なくとも一種の還元剤を用いること
が好ましい。これらの中でも特に、L−アスコルビン酸
は、少ない使用量で所望の効果が得られる点で、しかも
人体に対して安全であるので、より好ましい。
【0033】L−アスコルビン酸による還元反応式は、
以下のように考えられる。
【0034】
【化4】
【0035】還元反応の結果、3価クロム2分子とデヒ
ドロアスコルビン酸3分子が錯体を形成する。なお、3
Ascはアスコルビン酸の略称である。
【0036】また、L−アスコルビン酸による還元反応
式は、次の可能性も考えられる。
【0037】
【化5】
【0038】この還元反応の場合には、デヒドロアスコ
ルビン酸の1級OH基のOが電子供子体となって、3価
クロムとデヒドロアスコルビン酸が1対1で配位される
可能性を表している。
【0039】L−アスコルビン酸等の還元剤は、水など
に溶解されて所定の濃度の溶液として用いる。
【0040】還元剤の濃度としては、処理するCr6+
の量を用いる還元剤によって異なるが、通常0.01質
量%〜飽和質量%、好ましくは0.1質量%〜飽和質量
%、より好ましくは5質量%〜飽和質量%である。なか
でも、Cr6+が平米辺り100mgを超える場合でL
−アスコルビン酸を用いるときは、飽和(約23質量
%)溶液であることが望ましい。還元剤の噴霧量として
は、6価クロムの生成量、還元剤の種類、濃度などにも
よるが、通常、保温材の面積に対して、0.01〜10
ml/cm、好ましくは0.05〜1ml/cm
より好ましくは0.08〜0.16ml/cmであ
る。還元剤の噴霧量は、通常、保温材の面積に対し比例
する関係が好ましい。
【0041】還元剤を保温材に噴霧する場合、一度の噴
霧では完全に還元されないこともあるので、保温材の黄
色(6価クロムの色)が消えるまで、複数回還元剤を噴
霧することが必要に応じて行なわれる。噴霧は通常、常
温で行われる。
【0042】前述のように、保温材中の6価クロムは、
部材に含まれるクロムが高温で酸化され、保温材中のア
ルカリ成分と反応して生成されるものと推定される。
【0043】本発明者の調査によれば、6価クロムは、
クロムを含む部材、例えば高温クロム配管と接する保温
材の表面とその付近に所要の厚さの範囲内、例えば表面
より0.1〜0.3cmの厚さに、集中して生成、蓄積
し、それより内部の深い部分には生成されないことを知
見した。
【0044】6価クロム含有部材の処理方法において
は、6価クロム含有部材としての保温材の表面に6価ク
ロムの生成・蓄積が集中しているので、保温材の表面と
その付近に、還元剤の溶液を噴霧器で霧状に吹き付ける
ことにより、良好に6価クロムを無害化することができ
た。また、6価クロムの蓄積度合(蓄積されている厚
さ)に応じて、還元剤を噴霧量を調整することができ
る。
【0045】また、本発明においては、現場でも作業性
よく簡易に6価クロム除去処理ができ、しかも浸漬処理
に適していないシリカボードのような保温材を良好に処
理することができる。
【0046】さらに、噴霧処理と同様に、保温材のうち
6価クロムが生成・蓄積している表面とその付近に還元
剤を付ける処理方法、例えば、保温材の上記表面とその
付近に還元剤を塗布する方法、もしくは、6価クロムの
生成表面より深度や材質によっては、還元剤溶液に浸漬
する方法も、6価クロムを除去する処理方法として採用
することができる。
【0047】以下、実施例に基づいて本発明をさらに具
体的に説明する。なお、本発明はこれら実施例に限定さ
れるものではない。
【0048】実施例1(図1〜図6) 本実施例では、添加する還元剤の種類を変えて溶液レベ
ルでの試験を行った。
【0049】還元剤として、L−アスコルビン酸、亜硫
酸水素ナトリウム、ハイドロサルファイト、エリソルビ
ン酸、エリソルビン酸ナトリウム、亜硫酸塩(亜硫酸ナ
トリウム)のそれぞれの溶液を用いて、6価クロムを処
理し、還元剤の還元性能を試験した。
【0050】6価クロムとして、0.1質量%の重クロ
ム酸カリウム溶液を使用し、5質量%に調製した上記還
元剤1mlをそれぞれ0.1質量%の重クロム酸カリウ
ム溶液10mlに添加し、溶液の色の変化を目視して、
還元剤による還元性能の有無の確認を行った。
【0051】この確認の結果を図1〜図6に示す。な
お、図1〜図6に示す各図において、左側は(0.1質
量%の重クロム酸カリウム溶液10ml)を示し、右側
は(0.1質量%の重クロム酸カリウム溶液10ml+
5質量%の還元剤1ml)を示す。また、還元剤とし
て、図1はL−アスコルビン酸、図2は亜硫酸水素ナト
リウム、図3はハイドロサルファイト、図4はエリソル
ビン酸、図5はエリソルビン酸ナトリウム、図6は亜硫
酸塩を用いたものである。
【0052】図1の左側に示すように、黄色であった重
クロム酸カリウム溶液は、L−アスコルビン酸の添加す
ると黄色から無色に変色した。また、図4に示すエリソ
ルビン酸の場合も同様であった。さらに図2に示す亜硫
酸水素ナトリウムを添加した場合には、重クロム酸カリ
ウム溶液は黄色から水色に変色し、図3に示すハイドロ
サルファイトや図5に示すエリソルビン酸ナトリウムを
添加した場合にも、同様に重クロム酸カリウム溶液は黄
色から水色に変色した。さらに、図6に示すように、亜
硫酸塩を添加すると、重クロム酸カリウム溶液の黄色が
少し薄くなった。
【0053】このように還元剤の添加により重クロム酸
カリウム溶液の色が変化したことから、L−アスコルビ
ン酸、エリソルビン酸、亜硫酸水素ナトリウム、ハイド
ロサルファイト、エリソルビン酸ナトリウム、亜硫酸塩
(亜硫酸ナトリウム)のいずれも6価クロムに対し還元
作用を有することが確認された。
【0054】実施例2(図7〜図12) 本実施例では、6価クロム含有部材から6価クロムを還
元させ、無害化する定性試験を行った。
【0055】実施例1で還元作用のあることが確認され
た5質量%(wt%)のL−アスコルビン酸を、試料
(Cr6+含有シリカボード片、例えば、縦10cm,
横10cm,厚さ2.5cmのシリカボード片)に約2
5ml噴霧して試験した。試料には、その結果、目視に
よる還元性能の確認ができなかったため(図7、図
8)、23質量%(飽和溶液)に調製した飽和L−アス
コルビン酸を、上記と同様の試料に約25ml噴霧し
て、目視による還元性能の確認を行った。また、ジフェ
ニルカルバジド溶液(発色液)を用いてCr6+(6価
クロム)の残存確認を行った。そのときの発色液の滴下
部分を図10に概略的に示す。
【0056】その結果、還元剤の添加により、シリカボ
ード片の色が黄色から白色(シリカボード本来の色)に
変化したことを目視で確認できた(図9、図10)。
【0057】また、発色液によるCr6+の残存試験の
結果、シリカボード片の一部に赤紫色を呈し、Cr6+
が残存していることが示されたが、大部分は発色せず、
Cr 6+が残存していないことを確認できた(図1
1)。
【0058】発色したのは、還元剤の噴霧が均一にいか
なかったためと考えられる。発色問題は複数回還元剤の
L−アスコルビン酸を噴霧することによりCr6+の残
存問題は解決できた。
【0059】実施例3(表1) 本実施例では、浸漬による還元性試験を実施して、定量
試験を行った。
【0060】試料(Cr6+含有シリカボード)のCr
6+が付着した表面を削ぎ、削り取られた表面粉を均一
に混合し、2つに分けた。一方はそのまま水に浸漬し
て、Cr6+の溶出量を測定した(溶出1)。もう一方
は飽和L−アスコルビン酸溶液(約23質量%)を粉体
に浸る程度加えて、30分間浸漬した後、Cr6+の溶
出量を測定した(溶出2)。
【0061】同様に、別の試料でも表面粉を均一に混合
したものを2つに分けて、一方はそのまま水に溶解し
て、Cr6+の溶出量を測定し(溶出3)、もう一方は
飽和L−アスコルビン酸溶液(約23質量%)を粉体に
浸る程度加え、直ちにCr6+の溶出量の測定を行った
(溶出4)。
【0062】その結果を表1に示す。
【0063】
【表1】
【0064】表1から明らかなように、Cr6+含有シ
リカボードをL−アスコルビン酸溶液で処理することに
より、Cr6+が良好に還元され、しかも時間をかけず
に瞬時に還元されることが分かる。
【0065】なお、Cr6+は、クロムを含む部材と接
するシリカボードの表面とその付近に集中して生成、蓄
積し、シリカボード内部には生成していない。
【0066】Cr6+の埋立て基準値は、シリカボード
全体としてのCr6+の溶出量が1.5mg/リットル
以下である。これに対し、溶出4では、Cr6+溶出量
が13.7mg/リットルとなっているが、これはCr
6+が集中するシリカボードの表面側だけの分析値であ
り、噴霧量を多くすることで基準値以下にすることが容
易にできる。
【0067】実施例4(図13) 本実施例では、噴霧による還元性試験を実施して、定量
試験を行った。
【0068】試料(Cr6+含有シリカボード)を均一
に2つに分け、一方はそのままの状態で表面を削ぎ、水
に浸漬してCr6+の溶出量を測定した(溶出5)。も
う一方は飽和L−アスコルビン酸溶液(約23質量%)
を約150ml噴霧(約75mlを2回噴霧)した後、
表面を削ぎ、水に浸漬してCr6+の溶出量を測定した
(溶出6)。
【0069】その結果を表2に示す。また、還元剤を噴
霧しない試料と噴霧した試料の表面の様子を図13に示
す。
【0070】
【表2】
【0071】表2から明らかなように、使用済みのCr
6+含有シリカボードを還元剤で噴霧処理することによ
り、Cr6+が良好に還元されることが分かる。
【0072】次に、本発明に係る6価クロム含有部材の
処理方法の他の実施形態を説明する。
【0073】この実施形態では、処理対象の6価クロム
含有部材としてシリカボードを用いた場合、このシリカ
ボードの表面を掃除機等の吸引装置により吸引し、シリ
カボード表面に付着したCr6+(6価クロム)を回収
する。吸引装置による吸引回収効率を向上させるため
に、吸込口付近にブラシまたは回転ブラシを取り付けて
吸引させてもよい。吸引装置には家庭用掃除機あるいは
液体吸引可能な業務用掃除機を用いることができる。
【0074】6価クロム含有部材としてのシリカボード
は物理的強度が弱く、比較的脆いため、シリカボード表
面に付着したクロムは、吸引装置の吸引で容易に回収す
ることができる。
【0075】シリカボードの表面を吸引装置で吸引した
後に、シリカボードのクロム含有部材を還元剤の溶液中
に浸すことで、6価クロムをシリカボードから完全にク
ロム除染することができる。還元剤に浸す代りに、第1
実施形態で説明したように還元剤をクロム含有部材に噴
霧させてもよい。
【0076】また、シリカボードのクロム含有部材を受
けるタンクを用意し、このタンクに還元剤を予め収容さ
せておくことで、クロム除染工程の短縮化を図ることが
できる。
【0077】[実施例]6価クロム含有部材としてシリ
カボードを用い、また、吸引装置として家庭用掃除機お
よび液体吸引可能な業務用掃除機を用いてクロム吸引回
収実験を行なった。
【0078】業務用掃除機には、吸引口に(a)円形ブ
ラシ付きアダプタを取り付け、家庭用掃除機には(b)
通常のアダプタと(c)ブラシ(刷毛)付きアダプタを
取り付け、6価クロム含有部材片の試料として、例えば
縦・横・高さ10cm×10cm×2.5cmのシリカ
ボードを用意した。試料のシリカボードには、一面の表
面全面に6価クロムを試験的に厚さ約1mm付着させて
黄色層を形成し、この黄色層の吸引回収を試みた。
【0079】シリカボードの表面の半分(50cm
を吸引装置で5秒吸引したところ、(a)円形ブラシ付
きアダプタを取り付けたものは全量、(c)ブラシ付き
アダプタを取り付けたものは、ほぼ全量、黄色に付着し
た表面から6価クロムを回収することが確認できた。
(b)アダプタを取り付けたものは、部分的な吸着力が
強過ぎ、黄色層の表面移動をスムーズに行なうことがで
きなかった。
【0080】また、上記(a)と(c)の6価クロム吸
引回収処理においては、処理時間を長くすることで表面
をより深く回収(削る)し得ることを確認できた。特に
(a)の6価クロム吸引回収処理においては、最初の1
操作(1秒半程度)で表面の黄色着色部分を全て回収す
ることができ、5秒間の処理では4〜6ミリの単位で表
面を削っていた。
【0081】シリカボードには表面が曲面に形成された
ものもあるため、吸引口は(a)の吸引回収処理に用い
たような刷毛の付いた円形のものが望ましい。さらに、
吸引口もしくはその近傍に、刷毛の部分が回転もしくは
一方向に動くものを装着した場合、6価クロム吸引回収
処理の作業能率がより向上する。
【0082】吸引した6価クロム含有材片のシリカボー
ドは、掃除機等の吸引装置で吸引回収した後、還元剤溶
液を噴霧もしくは浸漬させることで、6価クロムを完全
かつ確実に除去でき、無害化できる。
【0083】また、液体吸取り対応の掃除機を用い、も
しくは水スクラバ付きの掃除機を用いれば、タンクもし
くはスクラバ部分に予め還元剤を入れておくことで、こ
の還元工程と回収工程を同時に行なうことができる。
【0084】なお、本発明の実施形態に用いられた6価
クロム含有部材の各組成成分を質量%(wt%)で表示
した例を示したが、各組成成分は体積%(vol%)で
表示したものでもほぼ同様な結果が得られる。
【0085】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の6価クロ
ム含有部材の処理方法によれば、現場でも作業性よく簡
易に6価クロム含有部材の処理ができ、6価クロム含有
部材中に含まれる有害な6価クロムを還元反応により良
好に無害化することができる。また、本発明によれば、
従来のイオン交換樹脂や凝集剤を用いる処理方法に比
べ、装置コストの低減化が図れる。さらに、本発明によ
れば、浸漬処理に適していないシリカボードのような6
価クロム含有部材を良好に処理することができ、処理後
部材の無害化が図られて再利用も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1を説明する図で、還元剤であるL−ア
スコルビン酸の還元性を示す図。
【図2】実施例1を説明する図で、還元剤である亜硫酸
水素ナトリウムの還元性を示す図。
【図3】実施例1を説明する図で、還元剤であるハイド
ロサルファイトの還元性を示す図。
【図4】実施例1を説明する図で、還元剤であるエリソ
ルビン酸の還元性を示す図。
【図5】実施例1を説明する図で、還元剤であるエリソ
ルビン酸ナトリウムの還元性を示す図。
【図6】実施例1を説明する図で、還元剤である亜硫酸
塩の還元性を示す図。
【図7】実施例2を説明する図で、還元処理前の試料表
面を示す図。
【図8】実施例2を説明する図で、5質量%L−アスコ
ルビン酸を噴霧した後の試料表面を示す図。
【図9】実施例2を説明する図で、還元処理前の試料表
面を示す図。
【図10】実施例2を説明する図で、23質量%L−ア
スコルビン酸を噴霧した後の試料表面を示す図。
【図11】実施例2を説明する図で、発色液を添加した
後の試料表面を示す図。
【図12】実施例2を説明する図で、発色液の滴下部分
の説明図。
【図13】実施例4を説明する図で、還元剤の噴霧前と
噴霧後の試料表面を示す図。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 額賀 孝訓 東京都千代田区内幸町一丁目1番3号 東 京電力株式会社内 (72)発明者 梅村 文夫 東京都千代田区内幸町一丁目1番3号 東 京電力株式会社内 (72)発明者 松下 義昭 東京都千代田区内幸町一丁目1番3号 東 京電力株式会社内 (72)発明者 柄沢 伸二 東京都千代田区内幸町一丁目1番3号 東 京電力株式会社内 (72)発明者 吉田 智行 東京都千代田区内幸町一丁目1番3号 東 京電力株式会社内 Fターム(参考) 4D004 AA16 AA50 AB03 AC07 CA15 CA37 CB02 CB50 CC11 CC15

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 6価クロムを含有する炉材、断熱材、耐
    火材等の6価クロム含有部材に、還元剤を噴霧、塗布あ
    るいは浸漬させて、6価クロムを還元することを特徴と
    する6価クロム含有部材の処理方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の6価クロム含有部材の処
    理方法において、前記還元剤として、L−アスコルビン
    酸、エリソルビン酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウ
    ム、ハイドロサルファイトおよび亜硫酸塩の中から選ば
    れる少なくとも一種の還元剤を用いることを特徴とする
    6価クロム含有部材の処理方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の6価クロム含有部材の処
    理方法において、前記還元剤として、飽和L−アスコル
    ビン酸を用いることを特徴とする6価クロム含有部材の
    処理方法。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3までのいずれかに
    記載の6価クロム含有部材の処理方法において、前記6
    価クロム含有部材はシリカボードであることを特徴とす
    る6価クロム含有部材の処理方法。
  5. 【請求項5】 掃除機等の吸引装置で6価クロム含有部
    材の表面を吸引して6価クロムを回収する一方、上記6
    価クロム含有部材のクロム含有部位を還元剤に浸した
    り、または、還元剤を噴霧してクロム除染を行なうこと
    を特徴とする6価クロム含有部材の処理方法。
  6. 【請求項6】 前記吸引装置の吸引口にブラシあるいは
    回転ブラシを取り付けて6価クロム含有部材の表面を撹
    拌吸引して6価クロムを回収する一方、前記6価クロム
    含有部材のクロム含有部位を除染するタンク内に還元剤
    を予め収容しておき、上記クロム含有部位を還元剤に浸
    漬させてクロム除染を行なう請求項5記載の6価クロム
    含有部材の処理方法。
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