JP2012076009A - バイオマス焼却灰から造粒固化体を製造する方法 - Google Patents

バイオマス焼却灰から造粒固化体を製造する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の課題は、バイオマス焼却灰を原料にして土壌改良材などに適した固化体を製造する技術を提供することである。
【解決手段】本発明によって、バイオマス焼却灰50〜100重量部、硫酸第一鉄1〜10重量部、水20〜80重量部を混練して養生することを含む、バイオマス焼却灰から固化体を製造する方法が提供される。
【選択図】なし

Description

本発明は、バイオマス焼却灰から造粒固化体を製造する技術に関する。特に本発明は、有害成分の溶出を抑制した、高強度、かつ、長期的に安定な路盤材・土壌改良材・凍上抑制材に適した固化体を製造する方法に関するものである。
一般に、木屑などのバイオマスを焼却して得られた焼却灰は、塩素濃度が高いことから、セメント原料として使用することが困難で、フライアッシュのようにセメント原料としての用途がない。また、バイオマス焼却灰には、重金属類の有害物質が含まれる場合があるため、直接埋立処分ができず、埋立を行う場合は、管理型処分場といわれる特定の処分場で埋立処分をするか、有害物質の溶出を抑制する中間処理が必要である。
管理型処分場は、遮水シートなどで外部への浸透水の流出が防止されているが、このような処分場は限られている。また、バイオマス焼却灰からの有害物質の溶出を抑制する中間処理として薬剤(キレート)処理や溶融固化処理があるが、薬剤処理では高価なキレート剤が必要であり、溶融固化処理では設備費及び多くのエネルギーが必要となるため、これらの中間処理方法は焼却灰処理費用を増大させる要因となる。さらに、埋立処分場を確保すること自体が、近年ますます困難になってきている。したがって、バイオマス焼却灰の効果的な処理技術が要望されている。
ところで、バイオマス焼却灰とは異なるが、一般廃棄物の焼却灰やフライアッシュなどから水熱固化反応を利用して固化体を製造し、廃棄物の有効活用や廃棄物処理費の抑制を図ることが提案されている。
特許文献1には、製紙工場から排出されるペーパースラッジを200〜1000℃で前処理した焼却灰に、酸化珪素、水酸化ナトリウム及び酸化カルシウムを添加した後、水熱合成することにより、イオン交換体として有用なトバモライト混合物を製造する方法が開示されている。
特許文献2には、陶磁器廃棄物、釉薬汚泥、生素地廃棄物、鋳物砂廃棄物、都市ゴミ焼却灰、下水汚泥焼却灰、石炭灰、フライアッシュ、スラグ等に、生石灰、消石灰等の活性カルシウム源を添加・混合し、得られた混合物を加圧成形した後、水熱合成して舗装材等の建設材料として利用可能な固化体を製造する方法が開示されている。
特許文献3には、都市ごみ、産業廃棄物、ごみ固形燃料(RDF)等の廃棄物を焼却処理した際に発生する焼却飛灰から固化体を製造する際に、膨張を抑制する処理を行うことにより、高強度の固化体を製造することが記載されている。また、特許文献3には、このように製造した固化体が長期的に安定で強度低下や崩壊等がないため高品質の路盤材等として利用できることが開示されている。
特許文献4には、砕石副産物からなる水熱固化成形品の製造方法に関し、詳細には、砕石プラントで発生するシリカ(SiO2)を含有する砕石副産物である濁水ケーキや石粉にカルシウム化合物を添加・混合し、この原料混合物を最終的に水熱固化処理することにより、砕石副産物から高品質な建築用ブロック等の水熱固化成形品を製造する方法が開示されている。
特許文献5には、ペーパースラッジを焼却処理した際に発生する焼却灰に、水及び/又は温水、生石灰並びにセメントを加え、常温から98℃までの温度で混合して粒状に造粒した成形体を養生した後、水熱固化反応を利用して固化体を製造することを特徴とする、細孔性・多孔性構造を有するペーパースラッジ焼却灰水熱固化体の製造方法が開示されている。
特開平3−159913号公報 特開平10−296205号公報 特開2000−308867号公報 特開2002−137956号公報 特開2005−313032号公報
これまで、一般廃棄物の焼却灰やフライアッシュ等から固化体を得る方法については提案がなされているものの、バイオマス焼却灰から効率的に固化体を製造する技術は特に提供されていないのが現状である。
また、一般廃棄物に関する上記文献に係る技術も十分なものとはいえない。すなわち、特許文献1に記載の方法は、単にスラリーから粉末状の生成物を得るものであり、粒状もしくはブロック状の固化体を得ることはできない。特許文献2及び特許文献4に記載の方法では、加圧成形を行い固化体を製造しているため、加圧するための設備が必要となる。特許文献3の固化体の製造方法は、フライアッシュを対象とした技術にすぎない。特許文献5に記載の方法では、原料としてセメントを添加しているため、コストの点において課題があった。
上記の諸点に鑑み、本発明の課題は、バイオマス焼却灰を主原料とし、有害成分の溶出が抑制された高強度の固化体の製造方法を提供することにある。
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意研究したところ、木屑等のバイオマス燃料を焼却処理した際に発生する焼却灰に、水、二水石膏、硫酸第一鉄を加えて混練し、その混練物を養生することにより、バイオマス焼却灰から優れた固化体が得られることを見出し、本発明を完成させた。本発明によれば、バイオマス焼却灰を原料として、重金属類の有害物質の溶出が抑制された、高強度、かつ、長期的に安定な固化体を製造することができる。
本発明は、これに限定される訳ではないが、以下の発明を包含する。
(1) バイオマス焼却灰50〜100重量部、二水石膏1〜10重量部、硫酸第一鉄1〜10重量部、水20〜80重量部を混練して養生することを含む、バイオマス焼却灰から固化体を製造する方法。
(2) 50重量部以下のペーパースラッジ焼却灰をさらに加えて混練する、(1)に記載の方法。
(3) バイオマス焼却灰50〜100重量部、二水石膏1〜10重量部、硫酸第一鉄1〜10重量部、水20〜80重量部を混練して養生することによって得られる固化体。
本発明は上記のように構成されているので、つぎのような効果を奏する。
(1)バイオマス焼却灰から得られる本発明の固化体は、有害物質の溶出が抑制されており、強度が高く、また、長期的に安定である。木質系有機物などのバイオマスの焼却灰は、生石灰(CaO)とアルミン酸カルシウム(CaO・Al2O3)が多く含まれているため、バイオマス焼却灰に二水石膏(CaSO4・2H2O)と硫酸第一鉄(FeSO4)、水を添加して混練・養生すると、エトリンガイト(3CaO・Al2O3・3CaSO4・32H2O)が生成するが、それによって、フッ素(F)・ホウ素(B)・鉛(Pb)等の有害成分の溶出量が抑制された高強度、かつ、長期的に安定な高品質の水熱固化体を製造することができると考えられる。
(2)バイオマス焼却灰は、元々細孔性と多孔性であるため、本発明によって得られる固化体も、細孔性および多孔性であり、優れた吸水性や保水性を有している。したがって、水捌けの改善や地盤の沈下抑制、作物の育成改善が成される他、上述したように重金属等の有害物質の溶出が抑制されるため、土壌改良材、路盤材、凍上抑制材などに求められる品質・性状を備えている。
(3)本発明の固化体は、原料として排煙脱硫の副産物である二水石膏や、二酸化チタン製造時の副産物である硫酸第一鉄を使用しているため低コストで製造することができ、原料としてセメントを使用している特許文献5のようにコスト高となることがない。また、助燃用として石炭を使用した場合、本来、廃棄物として処理される石炭灰を原料として活用できるため、廃棄物削減の課題をも達成している。
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は下記の実施の形態に何ら限定されるものではなく、適宜変更して実施することができるものである。
本発明は、バイオマス焼却灰から固化体を製造する技術に関し、バイオマス焼却灰50〜100重量部、二水石膏1〜10重量部、硫酸第一鉄1〜10重量部、水20〜80重量部を混練することを含む。
本発明においてバイオマス焼却灰は、バイオマスを燃料とした焼却灰のことである。本発明におけるバイオマスとは、石炭や石油等の化石燃料を除いた生物由来の有機資源を意味し、森林や農作物、海藻・魚介類、これらを利用した後の有機性廃棄物などが含まれる。本発明においてバイオマスは、セルロース系バイオマスを含むことが好ましく、ここで、セルロース系バイオマスとは、セルロースを含む物質を意味し、例えば、木屑、おがくず、綿、レーヨン、麻などの植物系繊維、新聞、雑誌、コピー用紙やダンボールなどの紙などが含まれる。特に好ましいバイオマスは、木屑などの木質系バイオマスである。
本発明のバイオマス焼却灰を得る際に用いる燃焼装置は特に制限されず、公知の装置を使用することができる。好ましい燃焼装置としてボイラーを挙げることができ、ボイラーには流動層ボイラーやストーカ焼却炉等種々あるが、この場合、形式は限定されるものではない。また、助燃用とするため、重油や石炭を木屑等のバイオマスと共に、燃焼装置で混焼しても構わない。さらに、ペーパースラッジ(PS)、ごみ固形燃料(RDF:Refuse derived fuel)、産業系廃プラスチック・古紙類固形燃料(RPF:Refuse paper and plastic fuel)、その他一般可燃物を、バイオマスと共に燃焼装置で混焼しても構わない。一般に、助燃用に石炭を使用した場合、バイオマス焼却灰は微量ながらも重金属類(六価クロム、砒素、セレン、フッ素、ホウ素等)を含むことが多く、特に建設廃材由来の鉛の含有量が多くなる傾向があるが、本発明によって固化させることによって有害物質の溶出を抑制することができるため好適である。
本発明においては、上記バイオマス焼却灰50〜100重量部に対し、50重量部以下のペーパースラッジ焼却灰をさらに加えて、固化体の原料とすることができる。バイオマス焼却灰に加えるペーパースラッジ焼却灰は、バイオマス焼却灰50〜100重量部に対して50〜0重量部が好ましく、40〜10重量%がより好ましい。また、バイオマス燃焼灰にペーパースラッジ焼却灰を混合する場合、混合灰の鉛の含有量が土壌環境基準以下にすることが好ましい。
本発明においてはバイオマス焼却灰に水を加えるが、水の量は、焼却灰100重量部に対して、20〜100重量部、望ましくは30〜80重量部、より望ましくは40〜70重量部である。水の添加量は20〜100重量部の範囲であれば特に制限されないが、混練条件や混練後の固化体の強度に影響する。すなわち、焼却灰に対する水の添加量が多くなると、混練時間は短くなるが、混練後の強度は低くなる傾向にある。一方、焼却灰に対する水の添加量が少なくなると、混練時間は長くなるが、混練後の強度は高くなる傾向がある。これは、水の添加量が多いと焼却灰への水の浸透が速く、混練も速く進むためと考えられる。そして、混練後の強度が高く、製造効率も高い望ましい範囲を追究したところ、焼却灰に加える水の量は、焼却灰100重量部に対して、20〜100重量部、望ましくは30〜80重量部、より望ましくは40〜70重量部であることが明らかになった。また、添加する水の温度は特に制限されず、冷水や温水を使用することができるが、10〜60℃の水が好ましい。使用する水の種類も特に制限されず、河川、海洋、排水などを由来とする工業用水、水道水、さらには、工場などで使用された水を再処理した水などを用いることができる。
本発明でバイオマス焼却灰に二水石膏を加えてもよく、バイオマス焼却灰に含有される石膏分量にもよるが、焼却灰100重量部に対して1〜10重量部の範囲が好ましい。石膏としては半水石膏や無水石膏を併用することもできるが、バイオマス焼却灰に石膏類と石炭灰と水を添加して混練する実験を行い、エトリンガイト生成の反応速度を検討したところ、無水石膏や半水石膏はまず水と反応して二水石膏に変化した後に、バイオマスボイラー焼却灰の生石灰や石炭灰のアルミン酸カルシウムと反応してエトリンガイトを生成することがわかった。従って、所定の混練時間の中では、石膏類の中で二水石膏を使用した場合に、有害成分溶出量の抑制と強度の発現が最もすぐれている。
本発明によってバイオマス焼却灰から得られる固化体は有害物質の溶出が抑制されるが、これは、バイオマス焼却灰に含まれるアルミン酸カルシウム(CaO・Al2O3)の生石灰(CaO)が、二水石膏(CaSO4・2H2O)および水と反応し、エトリンガイトを生成し、有害成分をエトリンガイトの針状結晶中にとりみ、有害成分の溶出を抑制するものと考えられる。添加する二水石膏量が多くなると、六価クロムの溶出量が増加するため、二水石膏の量は焼却灰100重量部に対して10重量部以下である。また、二水石膏の添加率が1重量部以下では、エトリンガイトの生成が十分でなく、フッ素等の有害成分の溶出抑制が十分ではない。
また、本発明では焼却灰100重量部に対して硫酸第一鉄を1〜10重量部添加する。バイオマス焼却灰混練物の有害成分溶出量の経時的な変化を調査したところ、混練物を空気にさらすと、空気中の二酸化炭素と混練物中の生石灰が反応して炭酸カルシウムが生成し、溶出pHが10程度まで低下するため、六価クロムの溶出量が増加することがわかった。この六価クロム溶出量を低下させるために、焼却灰100重量部に対して硫酸第一鉄を1〜10部添加すると、六価クロムが無害な三価クロムに還元されて六価クロムの溶出量が減少することがわかった。硫酸第一鉄の添加料が1重量部以下では、六価クロムの還元が十分でなく、10部以上では還元の効果がレベルオフする。
本発明においては、必要に応じて、硬化促進剤や分散剤などの各種添加剤を原料に添加して固化体を製造することができる。硬化促進剤や分散剤は、バイオマス焼却灰、水、二水石膏、硫酸第一鉄との混合物において水和作用を促進して早期に強度を発現させる役割があり、養生時間を短くする効果がある。硬化促進剤、分散剤には、例えば、塩化カルシウム、塩化第二鉄、塩化アルミニウム、塩化マグネシウム、炭酸ソーダ、炭酸カリ、珪弗化亜鉛、珪弗化マグネシウム、珪弗化ソーダ等がある。
本発明においては上記の原料を混練して固化体を製造する。混練工程の温度は、15〜98℃が望ましく、60〜95℃を保持することが強度向上のためにより望ましい。混練時間は先述したように、水の添加量や硬化促進剤の有無などに影響され、また、混合装置(撹拌子の回転数や大きさ等)にも影響されるため、適宜調節することが好ましいが、1〜30分間が望ましく、5〜10分間がより望ましい。混練するための混合装置は特に制限されず、混練ロールや混練羽根を備えた装置によって上記原料を混練することができるが、効率よく混練するためには転動混練機が最も好適である。好適な混練機の例として、ELBAミキサー(クリハラ)、インテンシブミキサー(アイリッヒ)、ペレガイア(北川鉄工所)等が挙げられる。
なお、本発明においては、バイオマス焼却灰、ペーパースラッジ焼却灰、水、二水石膏、硫酸第一鉄などの原料を混練機に別々に供給してもよく、予め混合した状態で供給してもよい。
本発明ではこのように混練した混練品を養生することが好ましい。養生を行うことにより混練品の強度が向上し、高強度の固化体を得ることができる。養生方法には、大きく分けて自然養生と強制養生があり、本発明においては、どちらの養生方法でも構わない。自然養生とは、特に手を加えることなく、時間をかけることによる養生方法である。強制養生とは、高温状態に保持して、短時間で効率的な養生方法である。本発明において養生期間は1〜30日間が好ましく、2〜10日間がより好ましい。1日以内であると十分な有害成分の溶出抑制効果と強度発現が得られず、30日以上養生しても有害成分の溶出抑制効果と強度発現の改善効果は見られない。
本発明において水熱反応によって得られる固化体の平均粒子径は、施工の観点から1〜59mmが好ましく、2〜40mmがより好ましく、3〜30mmがさらに好ましい。
本発明によって得られた固化体を路盤材として使用する場合には、砕石に対して本発明の固化体を1〜30%添加することが好ましく、3〜10%添加することがより好ましい。砕石に本発明の固化体を添加すると砕石同士の締りが良くなり、路盤材として使用するのに重要な指標である95%修正CBR(California Bearing Ratio:炉床土支持力比)が高くなる。
土壌改良材・凍上抑制材を用途とする場合、粒径は1.18mm〜16mmの粒子が全体重量の70%以上を有することが望ましく、例えば、混練・養生後に固化体を粉砕して粒径を調節することができる。一般に土壌改良材や凍上抑制材は、土中に層状(例えば約50〜150cm厚さ)に施工された上に、表土(例えば土壌改良材では約100cm)が施工され、水捌けなどを改良するものである。表土からの雨水等の水捌けが良好であるためには、土壌改良材や凍上抑制材の粒子間に間隙があり、水の抜け道があることが必要である。また、表土下の土壌改良材や凍上抑制材の層が保水性を持ち表土水分が低下した場合に水分補給が可能であることも必要である。そのためには、土壌改良材や凍上抑制材の粒子が細孔性や多孔性であることで、吸水性や保水性を有することが求められる。土壌改良材や凍上抑制材の層が保水性を持つことで、農作物の旱害・冬害を防ぐこともできる。また、粒子の表面積が大きい方が吸水性や保水性には有利であり、粒径が小さいほど粒子の表面積が大きくなる。但し、粒子が球状に近い場合は、小粒径だけでは施工上締め固めがしにくく、また逆に大粒径だけでも同様に締め固めがしにくい。粒径の大きなものの間隙に粒径の小さなものが充填されることにより締め固めしやすくなる。これより、路盤材・土壌改良材・凍上抑制材として施工上締め固めしやすく、また土壌改良材・凍上抑制材に必要な適性を持った粒径範囲が規定されることとなる。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明の特徴とするところをより一層明確に説明する。なお、特に記載しない場合、本明細書において部や%は重量基準である。
試験方法
・溶出試験:環境省告示第18号に準拠し、フッ素はイオンクロマトグラフィーにて、ホウ素・全クロム・六価クロム・鉛はICP発光分光分析にて測定した。なお、溶出量基準はフッ素0.8mg/L以下、ホウ素1mg/L以下、六価クロム0.05mg/L以下、鉛0.01mg/L以下である。
・鉛の含有量:「底質調査方法」(平成13年、II、5.2.2)に準拠し、ICP発光分光分析にて測定した。
・溶出pH:「土懸濁液のpH試験方法」(地盤工学会基準、JGS 0211-2000)に従って、試料に対して5倍量の水を加えて撹拌した試料液のpHを測定した。
・造粒物の圧縮破壊荷重:テンシロンの圧縮セルを用いて、2mm/秒の速度で直径約1cmの焼却灰固化粒子を圧縮して破壊したときの荷重を測定した。
実験1
種々の焼却灰について、金属等の溶出性や溶出pHを測定した。サンプル1〜5の焼却灰は、木屑、ペーパースラッジ、RPF、石炭などの原料を表1に示す組成で、流動層ボイラー焼却炉にて燃焼させて得た。また、サンプル6の焼却灰は、サンプル1の焼却灰70部とサンプル5の焼却灰30部を混合して得た。
Figure 2012076009
実験2
実験1で調製した焼却灰から、以下の手順により固化体を製造し、溶出試験および溶出pHを測定した。
・実施例1:サンプル2の焼却灰100部に、水を65部、二水石膏を3部、硫酸第一鉄を3部添加し、モルタルミキサー(関西機器製作所製)を用いて、140rpmで30秒攪拌後、285rpmで60秒攪拌して造粒物を得た。この造粒物をそのまま3日間室温で養生した後、さらに3日間造粒物を風乾した後に、フッ素、ホウ素、全クロム、六価クロムの溶出量、溶出pH、造粒物の強度、鉛の含有量を測定した。
・実施例2:サンプル3の焼却灰100部に、水を56部、二水石膏を3部、硫酸第一鉄を5部添加したこと以外は、実施例1と同様にして造粒固化体を得た。
・実施例3:サンプル4の焼却灰100部に、水を57部、二水石膏を3部、硫酸第一鉄を1.5部添加したこと以外は、実施例1と同様にして造粒固化体を得た。
・実施例4:サンプル6の焼却灰100部に、水を55部、二水石膏を3部、硫酸第一鉄を5部添加したこと以外は、実施例1と同様にして造粒固化体を得た。
・比較例1:サンプル6の焼却灰100部に、水を52部添加したこと以外は、実施例1と同様にして造粒固化体を得た。
・比較例2:サンプル6の焼却灰100部に、水を48部、二水石膏3部、リグニンスルホン酸(サンエキスP-321、日本製紙ケミカル製)1.5部を添加したこと以外は、実施例1と同様にして造粒固化体を得た。
・比較例3:サンプル6の焼却灰100部に、水を52部、二水石膏3部、クエン酸2部を添加したこと以外は、実施例1と同様にして造粒固化体を得た。
Figure 2012076009
表2に結果を示す。表2から明らかなように、実施例1〜4の造粒固化体は、溶出試験において、フッ素、ホウ素、六価クロム、鉛の溶出量は環境省告示第18号の溶出量基準以下であった。一方、比較例1〜3の造粒固化体は、実施例4と同じサンプル6の焼却灰から製造されたものであるが、フッ素、六価クロムの溶出量は環境省告示第18号の溶出量基準を超過していた。

Claims (5)

  1. バイオマス焼却灰50〜100重量部、硫酸第一鉄1〜10重量部、水20〜80重量部を混練することを含む、バイオマス焼却灰から固化体を製造する方法。
  2. 二水石膏を1〜10重量部さらに加えて混練する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記バイオマス焼却灰が、木質系バイオマスの焼却灰である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 50重量部以下のペーパースラッジ焼却灰をさらに加えて混練する、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. バイオマス焼却灰50〜100重量部、硫酸第一鉄1〜10重量部、水20〜80重量部を混練することによって得られる固化体。
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