JP4337217B2 - 水中沈設用資材及びその製造方法 - Google Patents

水中沈設用資材及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、CaO含有廃材や鉄鋼製造プロセスで発生したスラグなどの未炭酸化Ca含有材を炭酸化反応により固結させて得られる炭酸固化体を利用した水中沈設用資材、より詳細には、藻礁(海底に生育する海藻類の群落場所)・漁礁用石材、築磯用石材、海底マウンド用石材、河床用石材、湖沼・池の沈設用石材、さらには、水質浄化を主目的として海、河川、湖沼、池等に沈設または敷設される石材等として使用される水中沈設用資材およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
藻礁や漁礁は沿岸海域における海中動植物の生産の場であり、有用魚介類や海藻類の生息場、魚介類の産卵場、稚仔魚の成育場、餌場等として不可欠な場所であると言える。また最近では、海水中の窒素やリンが海藻類に取り込まれ或いは藻礁や漁礁内の食物連鎖を通じて他の生物に取り込まれることにより除去されることや、藻礁内で懸濁物質が沈降して水中から取り除かれることなど、藻礁の水質浄化作用についても注目されつつある。
【0003】
しかし、近年、藻礁や漁礁は沿岸の埋め立てや海水の汚濁などの影響により急速な消失、衰退が続いており、特に最近では、多くの沿岸海域で所謂“磯焼け”と呼ばれる現象が発生し、大きな問題となっている。
このようなことから藻礁や漁礁を早急に回復させるために、海中に藻礁・漁礁用の沈設資材を設置することが行われるようになってきた。
従来使用されている藻礁・漁礁用の沈設資材としては、コンクリート漁礁等のようなコンクリート製のプレキャスト体が一般的である。
【0004】
しかし、コンクリートはpHが高いため(通常、pH12〜12.5程度)、コンクリート製の沈設資材は周囲の海水のpHを上昇させ、海中の動植物の生息・成育環境に悪影響を与えるという大きな問題があり、また、同様の理由から資材自体に対する海藻類等の水生植物の着生や生育の遅延を生じるという問題もある。さらに、コンクリート製の沈設資材は所謂磯焼けの原因となる石灰藻の付着繁殖を促すとされている。したがって、以上のような点からしてコンクリート製品は藻礁用や漁礁用の沈設用資材としては全く適さない。
【0005】
このような従来のコンクリート製品に対して、鉄鋼製造プロセスで発生した粉粒状のスラグを炭酸化反応により固結させた炭酸固化体を水中沈設用資材として利用する技術が特開平11−71160号公報、特開平11−193516号公報に開示されている。
【0006】
このスラグの炭酸固化体からなる水中沈設用資材は、▲1▼スラグ中に含まれる未炭酸化Caの大部分がCaCOに変化するため未炭酸化Caによる海水のpH上昇を防止でき、水中の動植物に好適な棲息・成育環境を提供できる、▲2▼粉粒状のスラグを炭酸固化して得られた塊状物であるため全体がポーラスな性状を有しており、このため石材表面に海藻類などの水生植物が付着し易く、しかも石材内部もポーラス状であるため、石材中に含まれている水生植物の成育促進に有効な成分(例えば、可溶性シリカや鉄分)が水中に溶出しやすく、水生植物の成育を効果的に促進することができる、▲3▼水質浄化用石材としても、全体がポーラスな性状を有し且つその多孔質内部や周囲の水のpHを上昇させることがないため、優れた微生物担体機能(多様な生物、特に微生物を安定して棲息させる機能)を有し、多様な微生物を固定して微生物による有機性汚濁物質の分解と窒素化合物の硝化を効率的に促進させることができ、さらには、水生植物が付着・成育性が高いことから、水生植物による富栄養分の吸収を促進させることによって自然の水質浄化能力を向上させることができる、など水中沈設用資材として従来のコンクリート製品にはない優れた性能を有している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
海中に漁礁、藻礁或いは人工珊瑚礁などを造成するために用いられる水中沈設用資材は、藻類や海中微小生物の成育、棲息に適したものでなければならず、上記従来技術の炭酸固化体は微細気孔を有するポーラスな性状で且つ海水のpH上昇を防止できる点においては、藻類や海中微小生物の成育、棲息に適したものであると言える。
【0008】
一方、太陽光を十分に吸収して藻類に活発な光合成を行わせ、また藻類や海中微小生物の成育や棲息に適したスペースを提供するという観点からは、水中沈設用資材は大きい表面積を有することが求められる。例えば、自然界の珊瑚はその体内に褐虫藻類が共生し、その褐虫藻類が光合成を行なうことにより酸素を作り出し、栄養分を供給する働きを行っているが、水中沈設用資材による人工礁においてそのような褐虫藻類の光合成を効率良く行わせるためには、太陽光が十分に当たる表面積が必要になる。
【0009】
しかし、上記従来技術に開示された水中沈設用資材は、スラグの粉粒体を型枠に充填して炭酸固化させて得られたブロック状乃至塊状の炭酸固化体であり、この炭酸固化体は微細な気孔を有するものの、その質量に較べた表面積が小さく、このため気孔中に棲息する褐虫藻類に効率良く光合成を行わせることができない。また、藻類や海中微小生物の成育や棲息に適した環境スペースも限られたものとなる。
【0010】
したがって本発明の目的は、スラグなどの未炭酸化Ca含有材を炭酸固化させて得られる炭酸固化体を利用した資材であって、大きな表面積を確保することが可能であり、これにより褐虫藻類などの光合成を活性化でき、また広く藻類や海中微小生物の成育や棲息に適した環境スペースを提供することができる水中沈設用資材を得ることにある。
また、本発明の他の目的は、スラグなどの未炭酸化Ca含有材を炭酸固化させて得られる炭酸固化体を利用した資材であって、大きな表面積を確保することが可能であり、しかも強度や水中での安定性(定置安定性)にも優れた水中沈設用資材を得ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記の課題を解決すべく実験と検討を重ねた結果、金属製などの芯材を用い、その芯材の周囲に配された未炭酸化Ca含有材を炭酸固化させ、その炭酸固化物により芯材の表面を覆う被覆層を形成することにより、質量に対する表面積が大きく、しかも強度や水中での安定性にも優れた水中沈設用資材が得られることを見い出した。
【0012】
本発明はこのような知見に基づきなされたもので、その特徴は以下の通りである。
[1] 芯材の周囲に配された未炭酸化Ca含有材の粒状物及び/又は粉状物を主原料とする石材原料を、主として主原料中に含まれる未炭酸化Caの炭酸化反応で生成させたCaCOをバインダーとして固結させ、該固結物により芯材の表面を覆う被覆層を形成したことを特徴とする水中沈設用資材。
【0013】
[2] 上記[1]の水中沈設用資材において、未炭酸化Ca含有材がCaO含有廃材及び/又は鉄鋼製造プロセスで発生したスラグであることを特徴とする水中沈設用資材。
[3] 上記[1]または[2]の水中沈設用資材において、芯材が複数の枝状部及び/又は凹凸部を有することを特徴とする水中沈設用資材。
[4] 上記[1]〜[3]のいずれかの水中沈設用資材において、芯材が人工漁礁用の金属製構造体であることを特徴とする水中沈設用資材。
【0014】
[5] 管壁に適当な間隔で複数のガス通孔が貫設された管体を、未炭酸化Ca含有材の粒状物及び/又は粉状物を主原料とする石材原料の充填層内に配置し、該管体内にCO又はCO含有ガスを供給してこれを前記ガス通孔から吐出させることにより、前記管体外側の石材原料を、主としてその主原料中に含まれる未炭酸化Caの炭酸化反応で生成させたCaCOをバインダーとして固結させ、該固結物により前記管体の表面を覆う被覆層を形成させ、芯材である管体の表面を前記固結物の被覆層が覆う水中沈設用資材を得ることを特徴とする、水中沈設用資材の製造方法。
【0015】
[6] 上記[5]の製造方法において、充填層中の石材原料の一部が管体外側で固結することを特徴とする水中沈設用資材の製造方法。
[7] 上記[5]の製造方法において、充填層が管体形状に沿って形成され、該充填層中の石材原料のほぼ全部が管体外側で固結することを特徴とする水中沈設用資材の製造方法。
【0016】
[8] 管壁に適当な間隔で複数のガス通孔が貫設された管体の外面に、未炭酸化Ca含有材の粒状物及び/又は粉状物を主原料とする石材原料を急結剤を用いて付着させ、該管体内にCO又はCO含有ガスを供給してこれを前記ガス通孔から吐出させることにより、前記管体外面に付着した石材原料を、主としてその主原料中に含まれる未炭酸化Caの炭酸化反応で生成させたCaCOをバインダーとして固結させ、該固結物により前記管体の表面を覆う被覆層を形成させ、芯材である管体の表面を前記固結物の被覆層が覆う水中沈設用資材を得ることを特徴とする、水中沈設用資材の製造方法。
【0017】
[9] 芯材の外面に、未炭酸化Ca含有材の粒状物及び/又は粉状物を主原料とする石材原料をバインダー急結剤を用いて付着させ、該石材原料を付着させた芯材をCO又はCO含有ガス雰囲気の容器内に置くことにより、石材原料を、主としてその主原料中に含まれる未炭酸化Caの炭酸化反応で生成させたCaCOをバインダーとして固結させ、該固結物により前記芯材の表面を覆う被覆層を形成させ、芯材表面を前記固結物の被覆層が覆う水中沈設用資材を得ることを特徴とする、水中沈設用資材の製造方法。
【0018】
[10] 石材原料の充填層が芯材形状に沿って形成されるような内部形状を有する型枠内に、未炭酸化Ca含有材の粒状物及び/又は粉状物を主原料とする石材原料を充填するとともに、該石材原料の充填層内部に芯材を配置し、前記型枠内にCO又はCO含有ガスを供給することにより、石材原料の前記充填層を主としてその主原料中に含まれる未炭酸化Caの炭酸化反応で生成させたCaCOをバインダーとして固結させ、該固結物により前記芯材の表面を覆う被覆層を形成させ、芯材表面を前記固結物の被覆層が覆う水中沈設用資材を得ることを特徴とする、水中沈設用資材の製造方法。
【0019】
[11] 上記[10]の製造方法において、型枠の一端側からその内部にCO又はCO含有ガスを供給することを特徴とする水中沈設用資材の製造方法。
[12] 上記[10]の製造方法において、型枠壁に適当な間隔で複数のガス通孔が貫設された型枠を用い、前記ガス通孔を通じて型枠内にCO又はCO含有ガスを供給することを特徴とする水中沈設用資材の製造方法。
【0020】
[13] 上記[10]の製造方法において、型枠壁に適当な間隔で複数のガス通孔が貫設された型枠を用いるとともに、芯材として管壁に適当な間隔で複数のガス通孔が貫設された管体を用い、前記型枠のガス通孔を通じて型枠内にCO又はCO含有ガスを供給するとともに、前記管体内にCO又はCO含有ガスを供給してこれを前記ガス通孔から吐出させることにより型枠内にCO又はCO含有ガスを供給することを特徴とする水中沈設用資材の製造方法。
【0021】
[14] 上記[5]〜[13]のいずれかの製造方法において、未炭酸化Ca含有材がCaO含有廃材及び/又は鉄鋼製造プロセスで発生したスラグであることを特徴とする水中沈設用資材の製造方法。
[15] 上記[5]〜[14]のいずれかの製造方法において、芯材が複数の枝状部及び/又は凹凸部を有することを特徴とする水中沈設用資材の製造方法。
[16] 上記[5]〜[15]のいずれかの製造方法において、芯材が人工漁礁用の金属製構造体であることを特徴とする水中沈設用資材。
【0022】
[17] 内部空間形状が複数の枝状部及び/又は凹凸部を有する型枠内に、未炭酸化Ca含有材の粒状物及び/又は粉状物を主原料とする石材原料を充填し、前記型枠内にCO又はCO含有ガスを供給することにより、石材原料の前記充填層を主としてその主原料中に含まれる未炭酸化Caの炭酸化反応で生成させたCaCOをバインダーとして固結させ、しかる後、該固結物を脱型することを特徴とする水中沈設用資材の製造方法。
[18] 上記[17]の製造方法において、型枠の一端側からその内部にCO又はCO含有ガスを供給することを特徴とする水中沈設用資材の製造方法。
【0023】
[19] 上記[17]の製造方法において、型枠壁に適当な間隔で複数のガス通孔が貫設された型枠を用い、前記ガス通孔を通じて型枠内にCO又はCO含有ガスを供給することを特徴とする水中沈設用資材の製造方法。
[20] 上記[17]〜[19]のいずれかの製造方法において、未炭酸化Ca含有材がCaO含有廃材及び/又は鉄鋼製造プロセスで発生したスラグであることを特徴とする水中沈設用資材。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の水中沈設用資材は、芯材の周囲に配された未炭酸化Ca含有材の粒状物及び/又は粉状物を主原料とする石材原料を、主として主原料中に含まれる未炭酸化Caの炭酸化反応で生成させたCaCOをバインダーとして固結させ、この固結物により芯材の表面を覆う被覆層を形成したものである。
【0025】
CaOなどの未炭酸化Caを含む固体粒子を炭酸ガス雰囲気下に置くと、下記反応式(CaOの場合)によってCaCOが生成し、このCaCOをバインダーとして粒子間に固結現象を生じる。
CaO+CO → CaCO
なお、未炭酸化Ca含有材がスラグの場合、大部分のスラグにはCaOとともにある程度の量のMgOが含まれており、このMgO(このMgOが変化したMg(OH)を含む)も上記炭酸化反応によりMgCOに変化し、バインダーの一部となる。
【0026】
本発明において使用する芯材の形状は任意であるが、複雑な形状を有する芯材を用いることにより質量に対して表面積の大きい水中沈設用資材を得ることができる。例えば、芯材として複数の枝状部及び/又は凹凸部を有するものを用いれば、珊瑚形状や樹枝形状の水中沈設用資材が得られる。また、芯材としては例えば箱型やフレームやパイプを立体的に組み立てた人工漁礁用の金属製構造体などを用いることができる。
また、芯材の材質も特に限定されないが、強度や形状の選択性などの点で鋼材などの金属が好ましい。また、樹脂製などの芯材を用いることもできる。
【0027】
図1及び図2はそれぞれ本発明の水中沈設用資材を、石材原料の固結物(炭酸固化物)である被覆層を断面した状態で示したものである。
図1において、1aは芯材、2aは芯材1aの表面を覆う被覆層であり、この被覆層2aは、未炭酸化Ca含有材の粒状物及び/又は粉状物を主原料とする石材原料を未炭酸化Caの炭酸化反応で生成させたCaCOをバインダーとして固結させた固結物からなるものである。芯材1aは複数の枝分かれ部を有する珊瑚形状又は樹枝形状のものであり、したがって、水中沈設用資材もほぼ相似形状である。
図2において、1bは芯材、2bは芯材1bの表面を覆う被覆層であり、この被覆層2bも、図1と同様の石材原料の固結物からなるものである。芯材1bはフレームやパイプを立体的に組み立てた人工漁礁用の金属製構造体からなっている。
【0028】
このような水中沈設用資材は、芯材1の形状を選択することにより任意の形状に構成することができるため、褐虫藻類などの光合成を活性化でき、また藻類や海中微小生物の成育や棲息に適した環境スペースを提供できる大きい表面積を有する資材を得ることができる。また、芯材1を用いたことで優れた強度と水中での安定性(芯材の重量による定置安定性)を確保できる。さらに、芯材1を用いたことで優れた強度が確保できるため、炭酸固化体(石材原料の固結物=被覆層2)の気孔率や気孔径の大きさの調整幅が広く、このため炭酸固化体の気孔率や気孔径の大きさを適宜調整することにより、炭酸固化体の表面や内部に褐虫藻類などの棲息や光合成に適した空間(気孔)を形成することができる。
【0029】
前記被覆層2a,2bの主原料である未炭酸化Ca含有材は、組成としてCaOおよび/またはCa(OH)を含むものであればよく、したがって、鉱物としてのCaO、Ca(OH)の他に、2CaO・SiO、3CaO・SiO、ガラスなどのように組成の一部として固体粒子中に存在するものも含まれる。
【0030】
このような未炭酸化Ca含有材の種類に特に制限はないが、特にCaO(および/またはCa(OH))の含有率が高く、しかも資源のリサイクルを図ることができるという点で、鉄鋼製造プロセスで発生するスラグ、コンクリート(例えば、廃コンクリート)が好ましい。また、上記スラグやコンクリート以外に、モルタル、ガラス、アルミナセメント、CaO含有耐火物などが挙げられ、これらの固体粒子の集合体の1種以上を単独でまたは混合して、或いはスラグおよび/またはコンクリートと混合して使用することもできる。
これらの素材は必要に応じて破砕処理され、粉状及び/又は粒状の固体粒子の集合体として用いられる。
【0031】
鉄鋼製造プロセスで発生するスラグとしては、高炉徐冷スラグ、高炉水砕スラグなどの高炉系スラグ、予備処理、転炉、鋳造等の工程で発生する脱炭スラグ、脱燐スラグ、脱硫スラグ、脱珪スラグ、鋳造スラグなどの製鋼系スラグ、鉱石還元スラグ、電気炉スラグなどを挙げることができるが、これらに限定されるものではなく、また、2種以上のスラグを混合して用いることもできる。
また、コンクリートとしては、例えば、建築物や土木構造物の取壊しなどにより生じた廃コンクリートなどを用いることができる。
【0032】
また、石材原料は、主原料である未炭酸化Ca含有材の他に、金属鉄、酸化鉄、可溶性シリカ、未炭酸化カルシウムの中から選ばれる1種以上を含むことができる。
被覆層2中に含まれる鉄分(金属鉄、酸化鉄)は、水中に溶出して水中の硫黄を固定(硫化鉄の生成)し、さらに、石材表面に付着する藻類等の水生植物の栄養源となる。このため石材中には適量の鉄分が含まれていることが好ましい。
【0033】
鉄鋼製造プロセスで発生するスラグには相当量の鉄分が含まれており、このスラグから地金(鉄分)を回収する工程を経た後でも、スラグ中にはある程度の鉄分が残存している。したがって石材原料にスラグを用いる場合には、通常、石材原料中にはある程度の鉄分が含まれることになるが、石材に鉄分を含有させる場合、そのような元々含まれる鉄分を利用してもよいし、或いは別途添加材として鉄分(金属鉄または酸化鉄)を添加してもよい。この添加材としては、例えば、鉄鋼製造プロセスで発生する含鉄ダスト(製鉄ダスト等)、ミルスケールを用いてもよい。
【0034】
被覆層2中に含まれる可溶性シリカは、水中に溶出して石材表面に付着する藻類等の水生植物の栄養源となる。このため石材原料中には適量の可溶性シリカを含ませることもできる。可溶性シリカ源としては、例えば、火力発電所等において石炭燃焼により生じるフライアッシュ(可溶性シリカ含有量:45〜75重量%)、クリンカーアッシュ(可溶性シリカ含有量:50〜65重量%)を用いてもよい。
【0035】
被覆層2中に少量のカルシウム分が含まれる場合、これが水中に微量に溶出して水中の燐を固定(燐を吸着してリン酸カルシウムを生成)する。このため石材原料中には未炭酸化カルシウム分(CaO、Ca(OH)等)が少量含まれていてもよい。なお、被覆層2中に未炭酸化カルシウム分が多量に含まれる場合には、先に述べたコンクリート製資材と同様に水のpHを上昇させるという問題があるが、燐を吸着するには炭酸固化後に残存する程度の少量の未炭酸化カルシウムが含まれていれば足りる。
【0036】
被覆層2中に未炭酸化カルシウム分を含有させるには、石材原料中のCaO、Ca(OH)の一部を炭酸化させることなく残存させる方法が採られる。この未炭酸化のままで残存させるカルシウム分としては元々石材原料中に含まれるカルシウム分であってもよいし、石材原料中に添加材として添加されたカルシウム分であってもよい。
【0037】
また、被覆層2中には上記成分以外にも、必要に応じて任意の成分を適量、すなわち被覆層の強度低下等を招かない限度で適宜含有させることができる。
また、バインダーとなる成分として、例えば、セメントや水砕スラグ微粉末等を少量添加してもよい。
主原料である未炭酸化Ca含有材や他の石材原料の粒度は特に限定されないが、一般には全量50mm以下、好ましくは実質的に6mm以下が望ましい。
【0038】
次に、本発明の水中沈設用資材の製造方法について説明する。
図3は本発明の水中沈設用資材の製造方法の一実施形態を示すもので、同図(イ)は容器B及び充填層Aを断面した状態を、その部分拡大図は管体3(芯材1)を断面した状態を、同図(ロ)は石材原料の固結物(炭酸固化物)である被覆層2を断面した状態をそれぞれ示している。
【0039】
この実施形態では、芯材1として、管壁に適当な間隔で複数のガス通孔30が貫設された管体3を用いている。この管体3は図1に示した芯材と同様、複数の枝分かれ部を有する珊瑚形状又は樹枝形状であり、その管壁全体に適当な間隔で複数のガス通孔30が貫設されているとともに、その基端部31(幹部の端部)から管体3内にCO又はCO含有ガスが供給されるようになっている。なお、管壁に貫設するガス通孔30の孔径やピッチは、石材原料の種類や粒度、管体3の径、被覆層2の厚さ、ガス吹込み流量に応じて適宜選択される。また、管体3の各枝分かれ部の先端が開放していると、この開放端に向けてガスが優先的に流れる恐れがあり、これを考慮する場合には各枝分かれ部の先端を閉塞した構造とする。
【0040】
前記管体3を、適当な容器B内に形成された未炭酸化Ca含有材の粒状物及び/又は粉状物を主原料とする石材原料(以下、単に「石材原料」という)の充填層A内に配置する。この際、管体3を容器B内に適当な保持手段を介して配置し、しかる後、容器B内に石材原料を装入し、充填層Aを形成する。この充填層Aは得ようとする被覆層2の気孔率などに応じて、必要に応じて締め固めがなされる。この締め固めは加圧方式や振動方式などにより行うことができる。この石材原料の締め固めは、後述する各実施形態も同様である。
【0041】
次いで、管体3内にその基端部31(なお、この基端部31は充填層Aの上面から出ている)からCO又はCO含有ガスを供給し、これを前記ガス通孔30から吐出させる。これにより管体3外側の石材原料が、主としてその主原料中に含まれる未炭酸化Caの炭酸化反応で生成したCaCOをバインダーとして固結し、この固結物により管体3の表面を覆う被覆層2が形成される。管体3の周囲の石材原料のみが固化する条件でガスの吹込みを終了し、管体3を充填層Aから取り出すことにより、芯材1である管体3の表面を前記固結物の被覆層2が覆う水中沈設用資材が得られる。
【0042】
未炭酸化Ca含有材を含む石材原料を炭酸ガスとの反応を利用して効率的に炭酸固化させるには水分が必要である。これは水にCaOと炭酸ガスが溶解することにより炭酸化反応が促進されるためである。したがって、石材原料には適量の水が添加される必要がある。一般に、石材原料中の水分量は、水分含有量3%以上であって、且つ原料充填層内に炭酸ガスが流れる通路が確保されるとともに、ガス吹き込みにより原料充填層が崩壊(流動化)するようなことがない程度の水分含有量とすることが好ましい。
【0043】
使用されるCO又はCO含有ガスとしては、例えば一貫製鉄所内で排出される石灰焼成工場排ガス(通常、CO:25%前後)や加熱炉排ガス(通常、CO:6.5%前後)等が好適であるが、これらに限定されるものではない。また、CO含有ガス中のCO濃度が低すぎると処理効率が低下するという問題を生じるが、それ以外の問題は格別ない。したがって、CO濃度は特に限定しないが、効率的な処理を行うには3%以上のCO濃度とすることが好ましい。
【0044】
また、COの吹込量にも特別な制限はなく、充填層が流動しない程度にガス吹き込みを行えばよいが、一般的な目安としては0.004〜0.5m/min・t(原料ton)程度のガス吹き込み量が確保できればよい。また、ガス吹き込み時間(炭酸化処理時間)にも特別な制約はないが、目安としては炭酸ガス(CO)の吹込量が未炭酸化Ca含有材の重量の3%以上となる時点、すなわち、ガス量に換算すると材料1t当たり15m以上のCOが供給されるまでガス吹き込みを行うことが好ましい。
【0045】
吹き込まれるCO又はCO含有ガスは常温でよいが、ガスが常温よりも高温であればそれだけ反応性が高まるため有利である。但し、ガスの温度が過剰に高いと充填層の水分を乾燥させたり、或いはCaCOがCaOとCOに分解してしまうため、高温ガスを用いる場合でもこのような分解を生じない程度の温度のガス(通常、水の沸点以下)を用いる必要がある。
【0046】
図4は本発明の水中沈設用資材の製造方法の他の実施形態を示すもので、同図(イ)は型枠4及び充填層Aを断面した状態を、その部分拡大図は管体3(芯材1)を断面した状態を、同図(ロ)は石材原料の固結物(炭酸固化物)である被覆層2を断面した状態をそれぞれ示している。
この実施形態では、管壁に適当な間隔で複数のガス通孔30が貫設された管体3を用いる点は図3の実施形態と同様であるが、石材原料の充填層Aが芯材形状に沿って形成されるような内部形状を有する型枠4を用い、この型枠4により充填層Aを管体形状に沿って形成し、この充填層A中の石材原料のほぼ全部を管体3の外側で固結させるようにしたものである。
【0047】
この実施形態では、例えば、管体3を型枠4内に適当な保持手段を介して配置し、しかる後、型枠4内に石材原料を装入し、充填層Aを形成する。次いで、管体3内にその基端部31からCO又はCO含有ガスを供給し、これを前記ガス通孔30から吐出させ、充填層A全体を固結させる。そして、充填層A全体が固結した後脱型することにより、芯材1である管体3の表面を充填層の前記固結物による被覆層2が覆う水中沈設用資材が得られる。
その他の構成及び製造条件は、図3に示す実施形態と同様である。
【0048】
図5は本発明の水中沈設用資材の製造方法の他の実施形態を示すもので、同図(イ)は管体3(芯材1)に対する石材原料aの付着層を断面した状態を、その部分拡大図は管体3を断面した状態を、同図(ロ)は石材原料の固結物(炭酸固化物)である被覆層2を断面した状態をそれぞれ示している。
この実施形態では、芯材1として管壁全体に適当な間隔で複数のガス通孔30が貫設された管体3を用いるのは図3の実施形態と同様であるが、この管体3の外面に石材原料aを急結剤を用いて付着させる。そして、この管体3内にその基端部31からCO又はCO含有ガスを供給してこれを前記ガス通孔30から吐出させることにより、管体外面に付着した石材原料aを固結させ、管体3の表面を覆う被覆層2を得るものである。
【0049】
前記急結剤としては、セメントの急結剤として用いられている公知の急結剤を用いることができる。石材原料aを管体3の外面に付着させるには、例えば、あらかじめ最適水分含有量に調整した石材原料aを圧送して吹き付け用ノズルの先端で急結剤を添加し、これを管体3に吹き付けて付着させる方法など、任意の方法を採用することができる。
【0050】
図6は本発明の水中沈設用資材の製造方法の他の実施形態を示すもので、同図(イ)とその部分拡大図は芯材1に対する石材原料aの付着層を断面した状態を、同図(ロ)は容器C及び石材原料aの付着層を断面した状態を、同図(ハ)は石材原料の固結物(炭酸固化物)である被覆層2を断面した状態をそれぞれ示している。
この実施形態では芯材1(この場合は、管体でなくてよい)の外面に石材原料aを急結剤を用いて付着させるのは図5の実施形態と同様であるが、この石材原料aを付着させた芯材1をCO又はCO含有ガス雰囲気の容器C内に置くことにより芯材外面に付着した石材原料aを固結させ、芯材1の表面を覆う被覆層2を得るものである。
なお、急結剤や石材原料を芯材外面に付着させる方法は、図5に示す実施形態と同様である。
【0051】
図7は本発明の水中沈設用資材の製造方法の他の実施形態を示すもので、同図(イ)とその部分拡大図は型枠5及び充填層Aを断面した状態を、同図(ロ)は石材原料の固結物(炭酸固化物)である被覆層2を断面した状態をそれぞれ示している。
この実施形態では、石材原料の充填層Aが芯材形状に沿って形成されるような内部形状を有する型枠5を用い、この型枠5内に石材原料の充填層Aを形成するとともに、この充填層A内部に芯材1を配置する。この実施形態では、例えば芯材1を型枠5内に適当な保持手段を介して配置し、しかる後、型枠5内に石材原料を装入し、充填層Aを形成する。
【0052】
次いで、型枠5内にその一端側からCO又はCO含有ガスを供給することにより石材原料を固結させる。そして、充填層A全体が固結した後脱型することにより、芯材1の表面を充填層の前記固結物による被覆層2が覆う水中沈設用資材が得られる。なお、本実施形態のように型枠5が芯材の形状に応じた複雑な形状(本実施形態では複数の枝分かれ部を有する形状)の場合には、ガスの通気性を確保するため型枠の複数箇所(本実施形態では、各枝分かれ部の先端)から排気を行うことが好ましい。
【0053】
図8は本発明の水中沈設用資材の製造方法の他の実施形態を示すもので、同図(イ)とその部分拡大図は型枠6及び充填層Aを断面した状態を、同図(ロ)は容器C、型枠6及び充填層Aを断面した状態を、同図(ハ)は石材原料の固結物(炭酸固化物)である被覆層2を断面した状態をそれぞれ示している。
この実施形態では、石材原料の充填層Aが芯材形状に沿って形成されるような内部形状を有する型枠6を用いる点は図7に示す実施形態と同様であるが、この型枠6の型枠壁に適当な間隔で複数のガス通孔60を貫設し、このガス通孔60を通じて型枠内にCO又はCO含有ガスを供給するようにしたものである。
【0054】
この実施形態では、図7の実施形態と同様にして型枠6内に石材原料の充填層Aを形成するとともに、充填層A内部に芯材1を配置する。そして、この型枠6をCO又はCO含有ガス雰囲気の容器C内に適当な保持手段を介して配置し、前記ガス通孔60を通じて型枠6内にCO又はCO含有ガスを供給することで充填層Aの石材原料aを固結させる。そして、充填層A全体が固結した後脱型することにより、芯材1の表面を充填層の前記固結物による被覆層2が覆う水中沈設用資材が得られる。
【0055】
図9は本発明の水中沈設用資材の製造方法の他の実施形態を示すもので、同図(イ)は型枠6及び充填層Aを断面した状態を、その部分拡大図は管体3(芯材1)を断面した状態を、同図(ロ)は容器C、型枠6及び充填層Aを断面した状態を、同図(ハ)は石材原料の固結物(炭酸固化物)である被覆層2を断面した状態をそれぞれ示している。
この実施形態では、型枠壁に適当な間隔で複数のガス通孔60が貫設され、且つ石材原料の充填層Aが芯材形状に沿って形成されるような内部形状を有する型枠6を用いる点は図7に示す実施形態と同様であるが、芯材1として管壁全体に適当な間隔で複数のガス通孔30が貫設された管体3を用いる。
【0056】
この実施形態では、石材原料の充填層Aを形成し、且つ充填層Aの内部に管体3(芯材1)を配置した型枠6をCO又はCO含有ガス雰囲気の容器C内に適当な保持手段を介して配置し、前記ガス通孔60を通じて型枠6内にCO又はCO含有ガスを供給するとともに、前記管体3内にもCO又はCO含有ガスを供給してこれを前記ガス通孔30から吐出させることにより型枠6内にCO又はCO含有ガスを供給し、これにより充填層Aの石材原料aを固結させる。そして、充填層A全体が固結した後脱型することにより、芯材1である管体3の表面を充填層の前記固結物による被覆層2が覆う水中沈設用資材が得られる。
【0057】
また、図10及び図11は芯材を用いないで水中沈設用資材を製造する本発明法の実施形態をそれぞれ示している。なお、図10(イ)は型枠7及び充填層Aを断面した状態を示している。また、図11(イ)及びその部分拡大図は型枠8及び充填層Aを断面した状態を、同図(ロ)は容器C、型枠8及び充填層Aを断面した状態をそれぞれ示している。
このうち図10の実施形態では、内部空間形状が複数の枝状部を有する型枠7内に石材原料を充填して充填層Aを形成し、この型枠7内にその一端側からCO又はCO含有ガスを供給することにより充填層Aを固結させ、しかる後、この固結物を脱型することにより水中沈設用資材を得るものである。
【0058】
また、図11の実施形態では、型枠壁に適当な間隔で複数のガス通孔80が貫設され、且つ内部空間形状が複数の枝状部を有する型枠8を用い、この型枠8内に石材原料を充填して充填層Aを形成した後、型枠8をCO又はCO含有ガス雰囲気の容器C内に適当な保持手段を介して配置し、前記ガス通孔80を通じて型枠8内にCO又はCO含有ガスを供給することにより充填層Aを固結させ、しかる後、この固結物を脱型することにより水中沈設用資材を得るものである。
【0059】
なお、以上のような芯材を使用しない製造方法では、型枠として内部空間形状が複数の枝状部及び/又は凹凸部を有する型枠が用いられ、これにより表面積が大きい水中沈設用石材が得られる。
【0060】
【発明の効果】
以上述べた本願の請求項1〜4の発明の水中沈設用資材によれば、芯材の形状を選択することにより任意の形状に構成することができるため、大きな表面積を確保することが可能であり、これにより褐虫藻類などの光合成を活性化でき、また広く藻類や海中微小生物の成育や棲息に適した環境スペースを提供することができる。また、芯材を用いたことで優れた強度と水中での安定性(芯材の重量による定置安定性)を確保できる。さらに、芯材を用いたことで優れた強度が確保できるため、従来技術により得られる水中沈設用石材に比べて炭酸固化体(被覆層)の気孔率や気孔径の大きさの調整幅が広く、このため気孔率や気孔径の大きさを適宜調整することにより、炭酸固化体の表面や内部に褐虫藻類などの棲息や光合成に適した空間(気孔)を形成することができる。
【0061】
また、請求項5〜16の発明の製造方法によれば、以上のような水中沈設用資材を安価に且つ効率的に製造することができる。また、請求項17〜20の発明の製造方法によれば、芯材を用いることなく大きい表面積を有する水中沈設用資材を安価に且つ効率的に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水中沈設用資材の一実施形態を被覆層を断面した状態で示す説明図
【図2】本発明の水中沈設用資材の他の実施形態を被覆層を断面した状態で示す説明図
【図3】本発明の水中沈設用資材の製造方法の一実施形態を示す説明図
【図4】本発明の水中沈設用資材の製造方法の他の実施形態を示す説明図
【図5】本発明の水中沈設用資材の製造方法の他の実施形態を示す説明図
【図6】本発明の水中沈設用資材の製造方法の他の実施形態を示す説明図
【図7】本発明の水中沈設用資材の製造方法の他の実施形態を示す説明図
【図8】本発明の水中沈設用資材の製造方法の他の実施形態を示す説明図
【図9】本発明の水中沈設用資材の製造方法の他の実施形態を示す説明図
【図10】本発明の水中沈設用資材の製造方法の他の実施形態を示す説明図
【図11】本発明の水中沈設用資材の製造方法の他の実施形態を示す説明図
【符号の説明】
1,1a,1b…芯材、2、2a,2b…被覆層、3…管体、4,5,6,7,8…型枠、a…石材原料、A…充填層、B,C…容器、31…基端部、30,60,80…ガス通孔

Claims (20)

  1. 芯材の周囲に配された未炭酸化Ca含有材の粒状物及び/又は粉状物を主原料とする石材原料を、主として主原料中に含まれる未炭酸化Caの炭酸化反応で生成させたCaCOをバインダーとして固結させ、該固結物により芯材の表面を覆う被覆層を形成したことを特徴とする水中沈設用資材。
  2. 未炭酸化Ca含有材がCaO含有廃材及び/又は鉄鋼製造プロセスで発生したスラグであることを特徴とする請求項1に記載の水中沈設用資材。
  3. 芯材が複数の枝状部及び/又は凹凸部を有することを特徴とする請求項1または2に記載の水中沈設用資材。
  4. 芯材が人工漁礁用の金属製構造体であることを特徴とする請求項1、2または3に記載の水中沈設用資材。
  5. 管壁に適当な間隔で複数のガス通孔が貫設された管体を、未炭酸化Ca含有材の粒状物及び/又は粉状物を主原料とする石材原料の充填層内に配置し、該管体内にCO又はCO含有ガスを供給してこれを前記ガス通孔から吐出させることにより、前記管体外側の石材原料を、主としてその主原料中に含まれる未炭酸化Caの炭酸化反応で生成させたCaCOをバインダーとして固結させ、該固結物により前記管体の表面を覆う被覆層を形成させ、芯材である管体の表面を前記固結物の被覆層が覆う水中沈設用資材を得ることを特徴とする、水中沈設用資材の製造方法。
  6. 充填層中の石材原料の一部が管体外側で固結することを特徴とする請求項5に記載の水中沈設用資材の製造方法。
  7. 充填層が管体形状に沿って形成され、該充填層中の石材原料のほぼ全部が管体外側で固結することを特徴とする請求項5に記載の水中沈設用資材の製造方法。
  8. 管壁に適当な間隔で複数のガス通孔が貫設された管体の外面に、未炭酸化Ca含有材の粒状物及び/又は粉状物を主原料とする石材原料を急結剤を用いて付着させ、該管体内にCO又はCO含有ガスを供給してこれを前記ガス通孔から吐出させることにより、前記管体外面に付着した石材原料を、主としてその主原料中に含まれる未炭酸化Caの炭酸化反応で生成させたCaCOをバインダーとして固結させ、該固結物により前記管体の表面を覆う被覆層を形成させ、芯材である管体の表面を前記固結物の被覆層が覆う水中沈設用資材を得ることを特徴とする、水中沈設用資材の製造方法。
  9. 芯材の外面に、未炭酸化Ca含有材の粒状物及び/又は粉状物を主原料とする石材原料をバインダー急結剤を用いて付着させ、該石材原料を付着させた芯材をCO又はCO含有ガス雰囲気の容器内に置くことにより、石材原料を、主としてその主原料中に含まれる未炭酸化Caの炭酸化反応で生成させたCaCOをバインダーとして固結させ、該固結物により前記芯材の表面を覆う被覆層を形成させ、芯材表面を前記固結物の被覆層が覆う水中沈設用資材を得ることを特徴とする、水中沈設用資材の製造方法。
  10. 石材原料の充填層が芯材形状に沿って形成されるような内部形状を有する型枠内に、未炭酸化Ca含有材の粒状物及び/又は粉状物を主原料とする石材原料を充填するとともに、該石材原料の充填層内部に芯材を配置し、前記型枠内にCO又はCO含有ガスを供給することにより、石材原料の前記充填層を主としてその主原料中に含まれる未炭酸化Caの炭酸化反応で生成させたCaCOをバインダーとして固結させ、該固結物により前記芯材の表面を覆う被覆層を形成させ、芯材表面を前記固結物の被覆層が覆う水中沈設用資材を得ることを特徴とする、水中沈設用資材の製造方法。
  11. 型枠の一端側からその内部にCO又はCO含有ガスを供給することを特徴とする請求項10に記載の水中沈設用資材の製造方法。
  12. 型枠壁に適当な間隔で複数のガス通孔が貫設された型枠を用い、前記ガス通孔を通じて型枠内にCO又はCO含有ガスを供給することを特徴とする請求項10に記載の水中沈設用資材の製造方法。
  13. 型枠壁に適当な間隔で複数のガス通孔が貫設された型枠を用いるとともに、芯材として管壁に適当な間隔で複数のガス通孔が貫設された管体を用い、前記型枠のガス通孔を通じて型枠内にCO又はCO含有ガスを供給するとともに、前記管体内にCO又はCO含有ガスを供給してこれを前記ガス通孔から吐出させることにより型枠内にCO又はCO含有ガスを供給することを特徴とする請求項10に記載の水中沈設用資材の製造方法。
  14. 未炭酸化Ca含有材がCaO含有廃材及び/又は鉄鋼製造プロセスで発生したスラグであることを特徴とする請求項5、6、7、8、9、10、11、12または13に記載の水中沈設用資材の製造方法。
  15. 芯材が複数の枝状部及び/又は凹凸部を有することを特徴とする請求項5、6、7、8、9、10、11、12、13または14に記載の水中沈設用資材の製造方法。
  16. 芯材が人工漁礁用の金属製構造体であることを特徴とする請求項5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15に記載の水中沈設用資材。
  17. 内部空間形状が複数の枝状部及び/又は凹凸部を有する型枠内に、未炭酸化Ca含有材の粒状物及び/又は粉状物を主原料とする石材原料を充填し、前記型枠内にCO又はCO含有ガスを供給することにより、石材原料の前記充填層を主としてその主原料中に含まれる未炭酸化Caの炭酸化反応で生成させたCaCOをバインダーとして固結させ、しかる後、該固結物を脱型することを特徴とする水中沈設用資材の製造方法。
  18. 型枠の一端側からその内部にCO又はCO含有ガスを供給することを特徴とする請求項17に記載の水中沈設用資材の製造方法。
  19. 型枠壁に適当な間隔で複数のガス通孔が貫設された型枠を用い、前記ガス通孔を通じて型枠内にCO又はCO含有ガスを供給することを特徴とする請求項17に記載の水中沈設用資材の製造方法。
  20. 未炭酸化Ca含有材がCaO含有廃材及び/又は鉄鋼製造プロセスで発生したスラグであることを特徴とする請求項17、18または19に記載の水中沈設用資材。
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