JP4944736B2 - 船外機の制御装置、ならびにそれを用いた航走支援システムおよび船舶 - Google Patents

船外機の制御装置、ならびにそれを用いた航走支援システムおよび船舶 Download PDF

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Description

この発明は、プロペラを回転させるための駆動源として水中排気を行うエンジンを備える船外機を制御するための制御装置、ならびにそのような制御装置を備えた航走支援システムおよび船舶に関する。
船舶に推進力を与える船舶用推進装置の一つに船外機がある。船外機では、プロペラを回転させるための駆動力を発生する原動機が船外に配置される。エンジン式船外機では、原動機としてのエンジンとともに、エンジンが発生する駆動力をプロペラに伝達するトランスミッションとしてのクラッチが備えられている。クラッチは、前進位置、後進位置および中立位置の各シフト位置をとることができる。前進位置とは、プロペラが前進回転(前進方向の推進力を発生する方向の回転)するようにエンジンの回転力を伝達するシフト位置である。後進位置とは、プロペラが後進回転(後進方向の推進力を発生する方向の回転)するようにエンジンの回転力を伝達するシフト位置である。中立位置とは、エンジンの回転力をプロペラに伝達しないシフト位置である。
船舶には、操船のために操作される操作レバーが備えられている。操作レバーが中立位置にある場合、つまり、操作レバーが操作されていない場合、エンジンはアイドリング状態にある。また、クラッチのシフト位置は、前記中立位置にある。操作レバーを、前進方向へ操作すると、クラッチのシフト位置は前進位置となり、かつ、操作レバーの操作量に応じた目標回転速度でエンジンが駆動される。これにより、水を後方へ掻き出す方向へプロペラが回転(前進回転)され、船舶を前進させる推進力が発生する。一方、操作レバーを、後進方向へ操作すると、クラッチのシフト位置は後進位置となり、かつ、操作レバーの操作量に応じた目標回転速度でエンジンが駆動される。これにより、前進時とは逆の方向へプロペラが回転(後進回転)され、船舶を後進させる推進力が発生する。
エンジン式船外機では、エンジンの駆動によって発生した排気ガスを、空中だけでなく水中でも排出する。以下では、空中での排気ガスの排出を「空中排気」といい、水中での排気ガスの排出を「水中排気」という。
下記特許文献1に示されているエンジン式船外機での水中排気では、プロペラのボスに設けられた水中排気出口から排気ガスが排出される。
下記特許文献2に示されているエンジン式船外機では、水中排気出口のみならず、エンジンのケーシングにおいてプロペラのボスと対向する位置に設けられた水中排気口からも排気ガスが排出される。
特開2002−349257号公報 特許第3469278号公報
図1Aは、水中排気を説明するための概念図であって、船舶が前進している状態を示す。図1Bは、水中排気を説明するための概念図であって、船舶が後進している状態を示す。操船者が操作レバーを前進方向へ操作していて、船舶が前進している状態では、図1Aに示すように、プロペラは、水を後方へ掻き出す方向へ回転される。したがって、水中排気された排気ガスの泡は後方へ遠ざかる。しかし、操船者が操作レバーを後進方向へ操作していて、船舶が後進を始めると、プロペラは、排気による泡を含んだ水中で回転するようになる(図1B参照)。このとき、プロペラが泡を巻き込む「泡巻込み」が発生する。これにより、プロペラによって掻き出される水量が実質的に少なくなるため、推進効率が低下する。すなわち、プロペラの回転速度に応じた推進力を得ることができなくなる。しかも、プロペラの回転速度が高くなるほど、エンジンからの排気量が増加するため、それに応じて泡巻込みが激しくなる。したがって、プロペラ回転速度が高いほど、泡巻込みに起因する推進力低下の度合いが大きくなる。
また、船舶の後進速度がある程度上昇すると、泡の滞留が少なくなるため、泡巻込みが発生しにくくなる。換言すれば、船舶の後進速度が低いほど、泡巻込みの発生が激しい。一方、泡巻込みは、船舶が後進しているときだけでなく、たとえば、2km/h程度の低速前進速度域において、操作レバーを後進方向へ操作する減速時にも発生する。
つまり、操作レバーが前進方向へ操作され、かつ、船舶の前進速度が所定速度(たとえば2km/h)を超える場合では、泡巻込みによる推進効率低下は発生しないと考えられる。一方、操作レバーが後進方向へ操作され、かつ、船舶の前進速度が前記所定速度以下の場合、または船舶が後進する場合では、泡巻込みにより、プロペラの推進効率が低下する。そのため、操作レバーを前進方向へ操作する場合と後進方向へ操作する場合とでは、同じ推進力を得るための操作量が異なる。これにより、操作レバーを操作する操船者に違和感を与えるおそれがある。
この発明の目的は、操船者に違和感を与えないようにエンジンを制御するための船外機の制御装置を提供することである。
また、この発明の他の目的は、前述のような制御装置を備えた航走支援システムおよび船舶を提供することである。
この発明は、プロペラと、前記プロペラを回転させ、水中排気を行うエンジンとを備える船外機を制御するための制御装置を提供する。この制御装置は、前記エンジンの水中排気による前記船外機の推進力の低下を判定する判定手段と、前記判定手段が、推進力の低下が発生すると判定したときには、推進力の低下が発生しないと判定したときに比べて出力が大きくなるように前記エンジンを制御する制御手段とを含む。
この構成によれば、船外機の推進力の低下が発生すると判定されると、推進力の低下が発生しないと判定したときに比べて出力が大きくなるようにエンジンが制御される。これにより、推進力の低下を抑制または回避することができるので、操船者に与える違和感を緩和できる。
前記判定手段は、前記船外機が備えられる船舶の進行速度に基づいて推進力の低下を判定するものであってもよい。この構成によれば、泡巻込み発生に関連のある船舶の進行速度に基づいて推進力の低下が判定される。したがって、推進力の低下の有無を正確に判定することができる。
また、前記判定手段は、前記推進力の方向に基づいて当該推進力の低下を判定するものであってもよい。この構成によれば、泡巻込み発生に関連のある推進力の方向に基づいて推進力の低下が判定される。したがって、推進力の低下の有無を正確に判定することができる。推進力の方向は、プロペラの回転方向、操船のための操作部材の位置、およびエンジンの駆動力をプロペラに伝達するクラッチのシフト位置に対応している。したがって、前記判定ユニットは、プロペラの回転方向、操作部材の位置、またはクラッチのシフト位置に基づいて推進力の低下を判定するものであってもよい。
前記判定手段は、前記プロペラが前記エンジンの水中排気により発生する泡を巻き込む運転状態かどうかを判定する泡巻込み判定手段を含むものであってもよい。この場合に、前記制御手段は、前記泡巻込み判定手段が、前記プロペラが泡を巻き込む運転状態ではないと判定したときには、所定の通常制御モードに基づいて前記エンジンを制御し、前記泡巻込み判定手段が、前記プロペラが泡を巻き込む運転状態であると判定したときは、前記通常モードとは異なる補正制御モードに基づいて前記エンジンを制御するものであることが好ましい。
この構成によれば、プロペラが泡を巻き込む運転状態かどうかに応じて、エンジンの制御が通常制御モードと補正制御モードとで切り換えられる。これにより、泡巻込みに起因してプロペラの推進効率が低下する状況かどうかに応じて、エンジンを適切に制御することができるので、操船者に与える違和感を緩和できる。
前記通常制御モードは、前記制御手段が所定の第1の特性に従って第1の目標エンジン回転速度を定める制御モードであってもよい。また、前記補正制御モードは、前記制御手段が前記第1の特性よりも高い目標エンジン回転速度を設定するための第2の特性に従って第2の目標エンジン回転速度を定める制御モードであってもよい。
この構成によれば、補正制御モードでは、制御手段によって、通常制御モードでの第1特性よりも高い目標エンジン回転速度を設定するための第2の特性に従って第2の目標エンジン回転速度が定められる。つまり、プロペラが泡を巻き込む運転状態で設定される第2の目標エンジン回転速度は、プロペラが泡を巻き込んでいない運転状態で設定される第1の目標エンジン回転速度よりも高い。これにより、泡巻込みによるプロペラの推進効率低下を、エンジン回転速度を高くすることによって補償できる。その結果、泡巻込みの有無によらずに、所望の推進力を発生させることが可能になり、操船者に与える違和感を抑制できる。
前記制御装置は、1.0以上の補正係数を設定する補正係数設定手段と、前記第1の目標エンジン回転速度に前記補正係数設定手段によって設定される補正係数を乗じて前記第2の目標エンジン回転速度を求め、これにより、前記第2の特性を設定する特性設定手段とをさらに含むものであってもよい。
この構成によれば、第2の目標エンジン回転速度は、第1の目標エンジン回転速度に1.0以上の補正係数を乗じて得られる値に定められる。そのため、第2の目標エンジン回転速度は、第1の目標エンジン回転速度以上に定められる。
前記制御装置は、前記プロペラの回転速度指令値を生成する速度指令手段をさらに含むものであってもよい。この場合に、前記補正係数設定手段は、前記速度指令手段による前記回転速度指令値の減少および/または当該船外機が備えられる船舶の進行速度の増加に応じて前記補正係数を1.0へ近づけるものであることが好ましい。
この構成によれば、補正係数設定手段は、速度指令手段によるプロペラの回転速度指令値の減少および/または船舶の進行速度の増加に応じて補正係数を1.0へ近づける。プロペラの回転速度が小さい場合や、船舶が高速に進行している場合には、プロペラの泡巻込みが発生しなくなり、推進力の低下が生じなくなる。そこで、このような状況に近づくに従って補正係数を1.0に近づけることにより、第2の目標回転速度が第1の目標回転速度に近づいていく。こうして、プロペラの回転速度指令値および/または船舶の進行速度に応じて、適切にエンジンの回転速度を制御できる。
前記泡巻込み判定手段は、前記プロペラの回転方向が、前記エンジンの水中排気により生じる泡を遠ざける第1の方向であるか、当該泡を引き寄せる第2の方向であるかを判定する回転方向判定手段を含むものであってもよい。
この構成によれば、泡巻込み判定手段は、泡巻込み発生の要因であるプロペラの回転方向を判定する回転方向判定手段を含んでいるので、プロペラが泡を巻き込む運転状態であるかどうかを正確に判定することができる。
前記泡巻込み判定手段は、当該船外機が備えられる船舶の進行速度が、所定の前進速度以下かどうかを判定する速度判定手段を含むものであってもよい。
この構成によれば、泡巻込み判定手段は、船舶の進行速度が所定の前進速度以下かどうかを判定する速度判定手段を含んでいる。これにより、船舶が低速前進中または後進中であって、したがって、プロペラが泡を巻き込みやすい運転状態であるかどうかを正確に判定することができる。
この発明の航走支援システムは、船外機と、この船外機を制御するための前述の制御装置とを含む。船外機は、プロペラと、前記プロペラを回転させ、水中排気を行うエンジンとを備える。
この構成によれば、船外機の推進力の低下が発生すると判定されると、推進力の低下が発生しないと判定したときに比べて出力が大きくなるようにエンジンを制御することができる。具体的には、泡を巻き込む運転状態であると判定された場合には、その運転状態に適した制御モードに基づいて、操船者に違和感を与えないようにエンジンを制御することができる。これにより、泡巻込みに起因してプロペラの推進効率が低下しているかどうかに応じて、エンジンを適切に制御することができるので、操船者に与える違和感を緩和できる。
この発明の船舶は、船体と、船外機と、この船外機を制御するための前述の制御装置とを含む。船外機は、プロペラ、および前記プロペラを回転させ、水中排気を行うエンジンを備える。
この構成によれば、船外機の推進力の低下が発生すると判定されると、推進力の低下が発生しないと判定したときに比べて出力が大きくなるようにエンジンを制御することができる。具体的には、泡を巻き込む運転状態であると判定された場合には、その運転状態に適した制御モードに基づいて、操船者に違和感を与えないようにエンジンを制御することができる。これにより、泡巻込みに起因してプロペラの推進効率が低下しているかどうかに応じて、エンジンを適切に制御することができるので、操船者に与える違和感を緩和できる。
船舶は、クルーザ、釣り船、ウォータージェット、水上滑走艇(watercraft)のような比較的小型のものであってもよい。
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図2は、この発明の一実施形態に係る船舶1の構成を説明するための概念図である。この船舶1は、船体2と、船体2の船尾3に取り付けられた一対の船外機4,5とを備えている。
一対の船外機4,5は、船尾3および船首6を通る中心線7に対して、左右対称な位置に取り付けられている。詳しくは、船外機4は、船体2の左舷後部に取り付けられており、船外機5は、船体2の右舷後部に取り付けられている。以下では、船外機4,5を区別するために、それぞれ、「左舷船外機4」、「右舷船外機5」と呼ぶことがある。
左舷船外機4および右舷船外機5には、それぞれ、電子制御ユニット(ECU)8,9(以下、区別するために「左舷ECU8」、「右舷ECU9」と呼ぶことがある。また、総称するときには「船外機ECU8,9」などという。)が備えられている。左舷ECU8および右舷ECU9には、それぞれ、バッテリー10が接続されており、各バッテリー10から、対応する船外機ECUおよび船外機に電力が供給される。船外機4,5は、後述するように、内燃機関および電動モータでプロペラを駆動するハイブリッド型の船外機である。
船体2には、操船のために操作されるレバー11(速度指令手段および方向指令手段として機能する。)が設けられている。レバー11を操作することで、船舶1の前後進および左右への旋回を制御することができる。レバー11の操作に係わる情報は、たとえば、船体2内に配置されたCAN(Control Area Network)などの船内LAN12を介して、航走制御装置13に与えられるようになっている。
航走制御装置13は、マイクロコンピュータを含む電子制御ユニット(ECU)である。この航走制御装置13は、船外機4,5を制御するための制御装置として機能し、推進力の制御および舵取制御を行う。また、航走制御装置13と、船外機4,5とをまとめて航走支援システムと定義することができる。
航走制御装置13は、左舷ECU8および右舷ECU9との間で、船内LAN12を介して通信を行う。詳しくは、航走制御装置13は、船外機ECU8,9から、各船外機4,5に備えられたエンジンおよび電動モータの回転速度と、各船外機4,5の向きを表す操舵角とを取得する。その一方で、航走制御装置13は、各船外機ECU8,9に対して、各船外機4,5に備えられたプロペラ14の目標回転方向(前進方向または後進方向)、ならびに、プロペラ14の目標回転速度および目標操舵角を表すデータを与えるようになっている。エンジンの回転速度は、プロペラ14の回転速度と一対一に対応する。同様に、電動モータの回転速度は、プロペラ14の回転速度と一対一の対応関係にある。
船体2には、船舶1の進行速度を測定する速度センサ42が備えられている。速度センサ42が測定した船舶1の進行速度のデータは、航走制御装置13にリアルタイムで与えられる。以下において、船舶1の進行速度を表す場合、たとえば、「+2km/h」は、前進速度が2km/hであることを示し、「−2km/h」は、後進速度が2km/hであることを示す。符号15は、終端器を表す。
図3は、各船外機4,5に共通の構成を説明するための図解的な断面図である。図3において、紙面左側が前側であり、紙面右側が後側である。
各船外機4,5は、取り付け機構としてのクランプブラケット20およびスイベルブラケット21と、推進器としての推進ユニット22とを備えている。クランプブラケット20は、船体2の後尾板に着脱自在に固定されている。スイベルブラケット21は、水平回動軸としてのチルト軸23を中心に、クランプブラケット20に回動自在に結合されている。
推進ユニット22は、スイベルブラケット21に、操舵軸24まわりに回動自在に取り付けられており、前側に操舵ロッド25を備えている。操舵ロッド25には、たとえば、液圧シリンダを含み、対応する船外機ECU8,9によって制御される操舵アクチュエータ60が結合されている。操舵アクチュエータ60を駆動させることによって、推進ユニット22を操舵軸24まわりに回動させることができ、舵取り操作を行うことができる。操舵アクチュエータ60には、操舵角を検出するための操舵角センサ61が接続されている。
また、推進ユニット22は、チルト軸23まわりの回動(チルトアップまたはチルトダウン)が可能である。
推進ユニット22は、ハウジングとして、上部に上カウリング26と下カウリング27とを備え、下部に上ケーシング28と下ケーシング29とを備えている。上カウリング26および下カウリング27の内部には、エンジン30が配置されている。上ケーシング28および下ケーシング29の内部には、電動モータ31、エンジン30のための排気系、およびプロペラ14のための動力伝達系が配置されている。
下ケーシング29の下端部には、前後方向に延びるプロペラシャフト18が軸支されている。プロペラシャフト18の後端部は、下ケーシング29から機外に露出されており、この後端部に、プロペラ14のボス部16が相対回転不能に取り付けられている。ボス部16は、小径部70と、大径部71とを一体的に構成したものである。小径部70は、プロペラシャフト18が挿通される前後方向に長手の円筒状のものである。また、大径部71は、小径部70を収容し、小径部70よりも大径の中空円筒状のものである。小径部70の外周面と大径部71の内周面との間には、隙間72が形成されている。大径部71の後端には、隙間72に連通する水中排気口17が形成されている。
エンジン30は、たとえば、V型6気筒の4サイクルエンジンであり、そのクランク軸33の軸線が上下方向となるように設置されている。エンジン30において、クランク軸33を収めるクランクケース34には、シリンダブロック35が取り付けられている。このシリンダブロック35に2つのシリンダヘッド36が取付けられることで前述したV型の気筒が形成されている。
各シリンダヘッド36において、クランク軸33から最も離れた位置には、ヘッドカバー37が取り付けられている。各シリンダヘッド36においてヘッドカバー37が取り付けられた部分には、カムと一体成形されたカム軸(図示せず)が軸支されている。図示されていないが、クランク軸33の回転力がタイミングベルトによって各シリンダヘッド36のカム軸に伝達されるようになっている。これにより、カム軸が回転し、それに伴って、カムを介して吸気弁及び排気弁が開閉されるようになっている。
各シリンダブロック35におけるそれぞれの気筒にはピストン(図示せず)が往復運動可能に設けられている。図示されていないが、各ピストンは、コンロッドを介してクランク軸33に連結されている。そのため、各ピストン(図示せず)が往復運動することにより、クランク軸33が軸線まわりに回転される。エンジン30には、クランク軸33の回転速度をエンジン30の回転速度として検出するためのエンジン回転検出部63が備えられている。
次に、プロペラ14の動力伝達系および電動モータ31について説明する。
クランク軸33の下端には、上ケーシング28および下ケーシング29内を上下方向に通ってプロペラシャフト18の前端部近傍まで延びるドライブシャフト19が連結されている。エンジン30を駆動することで、ドライブシャフト19を軸線まわりに回転させることができる。ドライブシャフト19の途中には、上から順に、多板クラッチ43および電動モータ31が介装されている。
多板クラッチ43は、上下方向に対向する1組のクラッチ板44を備えている。一方のクラッチ板44に他方のクラッチ板44を圧接させることで、ドライブシャフト19において多板クラッチ43よりも上側の部分と、多板クラッチ43よりも下側の部分とを連結することができる。以下では、この動作を、「多板クラッチ43を繋ぐ」という。また、一方のクラッチ板44から他方のクラッチ板44を離間させることで、ドライブシャフト19において多板クラッチ43よりも上側の部分と、多板クラッチ43よりも下側の部分との連結状態を解除することができる。以下では、この動作を、「多板クラッチ43を切る」という。また、多板クラッチ43に関連して、多板クラッチ43を切る、または繋ぐために作動するクラッチアクチュエータ74が備えられている。クラッチアクチュエータ74の動作は、対応する船外機ECU8,9によって制御される。
電動モータ31は、その回転軸がドライブシャフト19と同軸となるように設置されている。電動モータ31は、前述したバッテリー10からの電力が供給されることで駆動され、ドライブシャフト19を回転させることができる。電動モータ31のみでプロペラ14を駆動する時には、電動モータ31の駆動力がエンジン30のクランク軸33に伝達されないように、多板クラッチ43が切られる。一方、電動モータ31の駆動が停止され、エンジン30の駆動によってドライブシャフト19が回転されるときには、多板クラッチ43は繋げられる。この状態では、電動モータ31の回転軸は、ドライブシャフト19に対して従動回転する。これにより、電動モータ31は、発電を行い、バッテリー10を充電する。つまり、電動モータ31は、ジェネレータとしても機能する。また、電動モータ31には、回転軸の回転速度を電動モータ31の回転速度として検出するためのモータ回転検出部62が備えられている。
ドライブシャフト19の下端部とプロペラシャフト18の前端部との間には、シフト機構32が介在されている。このシフト機構32を介して、ドライブシャフト19の回転力がプロペラシャフト18に伝達されるようになっている。
シフト機構32は、駆動ギヤ48、前進ギヤ49、後進ギヤ50、およびドッグクラッチ54を備えている。駆動ギヤ48、前進ギヤ49および後進ギヤ50は、いずれもベベルギヤからなる。駆動ギヤ48は、ドライブシャフト19の下端に固定されている。前進ギヤ49および後進ギヤ50は、プロペラシャフト18上に回動自在に配置されている。ドッグクラッチ54は、前進ギヤ49と後進ギヤ50との間に配置されている。前進ギヤ49は、前方側から駆動ギヤ48に噛合しており、後進ギヤ50は、後方側から駆動ギヤ48に噛合している。そのため、ドライブシャフト19とともに駆動ギヤ48が回転されると、前進ギヤ49および後進ギヤ50は、互いに反対方向に回転される。一方、ドッグクラッチ54は、プロペラシャフト18にスプライン結合されている。すなわち、ドッグクラッチ54は、プロペラシャフト18に対してその軸方向に摺動自在であるが、プロペラシャフト18に対する相対回動はできず、プロペラシャフト18とともに回転する。
ドッグクラッチ54は、ドライブシャフト19と平行に上下方向に延びるシフトロッド55の軸回りの回動によって、プロペラシャフト18上で摺動される。これにより、ドッグクラッチ54は、前進ギヤ49と結合した前進位置と、後進ギヤ50と結合した後進位置と、前進ギヤ49および後進ギヤ50のいずれとも結合されないニュートラル位置(中立位置)とのいずれかのシフト位置に制御される。ドッグクラッチ54が前進位置にあるとき、前進ギヤ49の回転がドッグクラッチ54を介して実質的に滑りのない状態でプロペラシャフト18に伝達される。これにより、プロペラ14は、一方向(前進方向)に回転し、船体2を前進させる方向の推進力を発生する。一方、ドッグクラッチ54が後進位置にあるとき、後進ギヤ50の回転がドッグクラッチ54を介して実質的に滑りのない状態でプロペラシャフト18に伝達される。これにより、プロペラ14は、反対方向(後進方向)に回転し、船体2を後進させる方向の推進力を発生する。ドッグクラッチ54がニュートラル位置にあるとき、ドライブシャフト19の回転はプロペラシャフト18に伝達されないので、いずれの方向の推進力も生じない。
シフトロッド55に関連して、ドッグクラッチ54のシフト位置を変化させるためのシフトアクチュエータ59が設けられている。シフトアクチュエータ59は、たとえば、電動モータからなり、対応する船外機ECU8,9によって動作制御される。
次に、エンジン30の吸排気系について説明する。
上カウリング26内において、エンジン30の前方には、吸気サイレンサ38が配置されている。吸気サイレンサ38には、機外に連通する連通穴39が形成されている。吸気サイレンサ38には、吸気通路40の一端が接続されている。吸気通路40の他端には、吸気マニホールド(図示せず)が接続されている。図示されていないが、吸気マニホールドは、エンジン30の各気筒における吸気ポート(図示せず)に接続されている。吸気マニホールドには、各気筒に対応するインジェクタが接続されている。吸気サイレンサ38の連通穴39から吸気通路40を介して吸気された外気と、インジェクタから噴射された燃料とが混合されて吸気ガスが形成される。この吸気ガスが、吸気マニホールドを介して各気筒の吸気ポートに供給される。
吸気マニホールドには、電動スロットルバルブ64と、電動スロットルバルブ64の開度を変化させるために作動するスロットルアクチュエータ65とが備えられている。スロットルアクチュエータ65の動作は、対応する船外機ECU8,9によって制御される。この制御によって電動スロットルバルブ64の開度が変化されることにより、吸気ガスの流量が調整される。具体的には、電動スロットルバルブ64の開度が大きくなると吸気ガスの流量が増加し、電動スロットルバルブ64の開度が小さくなると吸気ガスの流量が減少する。エンジン30の回転速度は、吸気ガスの流量が増加すると上昇し、吸気ガスの流量が減少すると低下する。
各気筒における排気ポート75には、排気マニホールド41が接続されている。この排気マニホールド41は、排気通路45に接続されている。排気通路45は、シリンダヘッド36の下部に配置されていて、上ケーシング28の上下方向途中まで下方に延びて形成されている。排気マニホールド41および排気通路45によって、排気ポート75からの排気ガスが通る主排気路56が構成されている。
上ケーシング28の後側面には、空中排気口47が形成されている。上ケーシング28内部には、排気通路45と空中排気口47とを連通する空中排気路57が設けられている。上ケーシング28において、排気通路45の下方には、排気通路45よりも内部空間が広い排気膨張室46が設けられている。排気膨張室46は、排気通路45に連通している。
下ケーシング29内部には、排気膨張室46とプロペラ14の隙間72とを連通する排気中継路73が設けられている。排気膨張室46、排気中継路73および隙間72によって水中排気路58が構成されている。
水中排気路58は、ボス部16の隙間72を介して水中排気口17に連通している。水中排気口17は、後方に向けて開口している。したがって、エンジン30の水中排気は、船舶の後方に向けて排出されるようになっている。
図4は、船舶1の前進速度、泡巻込みが生じていない状態を想定した理想的な推進力(破線で示す。)、および泡巻込みが生じている実際の状態での推進力(実線で示す。)の各時間変化を示す図である。図4に示されている状況は、次のとおりである。すなわち、船舶1が前進状態にあるときに、操船者がレバー11を後進方向へ操作する。これにより、プロペラ14の回転方向が、前進方向から後進方向に反転される。電動スロットルバルブ64の開度は一定に保たれている。これにより、船舶1が減速されている。
泡巻込みのない状態を想定した理想的な推進力は、緩やかに低下している。前進している状態(速度が正)でプロペラ14の回転方向が後進方向の場合は、船舶1の前進速度が大きいほどプロペラ14にかかる負荷が大きくなる。換言すれば、前進速度が大きいほどプロペラ14が発生する推進力は大きくなる。これが、理想的な推進力の緩やかな低下に表れている。
プロペラ14が前進方向に回転し、船舶1が前進している場合、エンジン30の排気ガスは、通常、主排気路56および水中排気路58を通過し、水中排気口17から水中排気される。船舶1の前進速度が、たとえば+2km/hを超えているときには、プロペラ14によって掻き出された水によって水中排気口17周辺が負圧の環境にあるため、プロペラ14からの水中排気が促進される。しかし、船舶1が前進しているため、水中排気された排気ガスの泡は、プロペラ14から遠ざけられるので、泡巻込みが発生しない。
一方、プロペラ14が後進方向に回転し、かつ、船舶1の前進速度が+2km/h以下になると、プロペラ14の近傍に泡が滞留しやすくなる。これにより、泡巻込みが発生する。その結果、電動スロットルバルブ64の開度を一定にしたままの状態では、実際の推進力は、理想的な推進力に比べて低下する。この推進力低下を是正するためには、電動スロットルバルブ64の開度を大きくしなければならない。
船舶1の前進速度が+2km/hから0km/hへ減速されるに従って、泡巻込みの発生度合いは高くなる。船舶1の前進速度が0km/h未満になる、つまり船舶1が後進する場合において、その後進速度が0km/h近傍のときは、泡巻込みの発生度合いは引き続き高い。船舶1の後進速度が上昇すると、水中排気口17付近の水圧が、エンジン30の排気圧を上回る。これにより、水中排気の比率が低下し(空中排気の比率が増加し)、泡巻込みが発生しにくくなる。この場合、エンジン30の排気ガスの多くは、主排気路56および空中排気路57を通過し、空中排気口47から空中排気される。このように、プロペラ14の回転方向が後進方向であり、船舶1の進行速度が0km/h前後であるときに、泡巻込み、および泡巻込みによる推進力低下が最も激しいことがわかる。
プロペラ14の回転方向が前進方向であるとき、エンジン30の水中排気は、プロペラ14の回転によって当該プロペラ14から遠ざけられる。一方、プロペラ14の回転方向が後進方向であるとき、エンジン30の水中排気は、プロペラ14の回転によって当該プロペラ14に引き寄せられる。
図5は、レバー11の図解的な側面図である。図5において、紙面左側を前側とし、紙面右側を後側とする。
レバー11は、ロッド52と、ロッド52の遊端部に設けられた略球体状のノブ53とを備えている。ロッド52は、船体2に設けられた操作盤51から突設されており、任意の方向へ傾倒自在である。
レバー11の中立位置は、ロッド52が操作盤51の表面に対して直立した位置である。操船者が、ノブ53を把持し、レバー11を所望の方向に向けて中立位置から傾倒させると、航走制御装置13が、レバー11の傾倒位置(傾倒方向および傾倒量)に基づいて各船外機4,5におけるプロペラ14の回転方向および回転速度ならびに操舵角を制御する。これにより、船舶1の進行速度および進行方向を、レバー11の傾倒方向に応じた向きに変更することができる。図5では、レバー11を前後方向に傾倒させる場合の傾倒量が示されている。そして、以下では、船舶1を前進させる場合および後進させる場合について説明する。
前後方向におけるレバー11の傾倒位置は、操作盤51に備えられた位置センサ66によって検出され、航走制御装置13に与えられる。
以下では、レバー11を中立位置から前側へ所定量傾倒させたときのレバー11の傾倒位置を「前進開始位置」といい、レバー11を前進開始位置から前側へさらに所定量傾倒させたときのレバー11の傾倒位置を「前進切換位置」という。そして、レバー11を前進切換位置からさらに前側へ目一杯傾倒したときのレバー11の傾倒位置を「前進全開位置」という。一方、レバー11を中立位置から後側へ所定量傾倒させたときのレバー11の傾倒位置を「後進開始位置」といい、レバー11を後進開始位置から後側へさらに所定量傾倒させたときのレバー11の傾倒位置を「後進切換位置」という。そして、レバー11を後進切換位置からさらに後側へ目一杯傾倒したときのレバー11の傾倒位置を「後進全開位置」という。
レバー11が前進開始位置と後進開始位置との間にある場合には、エンジン30はアイドリング状態にあり、電動モータ31の駆動は停止されている。このとき、多板クラッチ43は切られており、かつ、ドッグクラッチ54はニュートラル位置に制御される。したがって、エンジン30の駆動力はプロペラ14に伝達されないので、推進力は発生しない。
また、レバー11が、前進開始位置と前進切換位置との間にある場合には、エンジン30はアイドリング状態にあり、多板クラッチ43が切られ、ドッグクラッチ54は前進位置に制御される。したがって、電動モータ31の駆動力のみが伝達されることによって、プロペラ14が前進方向に回転される。レバー11が前進切換位置と前進全開位置との間にある場合には、多板クラッチ43が繋げられ、ドッグクラッチ54は前進位置に制御される。これにより、エンジン30の駆動力が伝達されることによって、プロペラ14が前進方向に回転される。
一方、レバー11が、後進開始位置と後進切換位置との間にある場合には、エンジン30はアイドリング状態にあり、多板クラッチ43が切られ、ドッグクラッチ54が後進位置に制御される。そして、電動モータ31の駆動力のみが伝達されることによって、プロペラ14が後進方向に回転される。レバー11が後進切換位置と後進全開位置との間にある場合には、多板クラッチ43が繋げられ、ドッグクラッチ54は後進位置に制御される。これにより、エンジン30の駆動力が伝達されることによって、プロペラ14が後進方向に回転される。
エンジン30の駆動力がプロペラ14に伝達されるとき、エンジン30の駆動力不足を補うために電動モータ31が併せて駆動されても構わない。ただし、前述のとおり、本実施形態では、エンジン30でプロペラ14を駆動するときには、電動モータ31はエンジン30によって回転される発電機として機能し、バッテリー10の充電を行う。また、レバー11が後進開始位置と後進切換位置との間にある場合に、エンジン30をアイドリング状態とするのではなく、停止させることとしてもよい。そして、エンジン30の駆動力が必要とされる時点でエンジン30を始動させる構成としてもよい。
このように、レバー11を中立位置から前側または後側へ傾倒させると、先ず電動モータ31の駆動のみによって、船舶1が前後進する。さらにレバー11を傾倒させると、船舶1の進行速度が上昇し、駆動力発生源が電動モータ31からエンジン30へと切り換わる。
船舶1が前進している状態で、レバー11を後側へ傾倒させると進行速度を減少させる制動動作を行うことができる。船舶1が後進している状態でレバー11を前側に傾倒させたときも同様に、制動動作を行える。
なお、エンジン30がアイドリング状態のときには、エンジン30の排気は主として空中排気によって行われ、水中排気は実質的に生じないか、発生してもごくわずかである。
図6は、レバー11の操作に基づいて各船外機4,5を制御するための制御系統を示すブロック図である。
航走制御装置13は、制御選択部67、通常制御部68および補正制御部69を備えている。制御選択部67は、判定手段、泡巻込み判定手段、制御手段、回転方向判定手段および速度判定手段として機能し、補正制御部69は、特性設定手段、補正係数設定手段、電動モータ回転速度設定手段およびエンジン回転速度設定手段として機能する。
操船者が、レバー11を操作すると、位置センサ66によって検出されたレバー11の傾倒位置のデータは、制御選択部67、通常制御部68および補正制御部69に与えられる。速度センサ42によって検出された船舶1の進行速度のデータは、制御選択部67、通常制御部68および補正制御部69に与えられる。また、通常制御部68および補正制御部69には、バッテリー10の蓄電量のデータが与えられ、通常制御部68および補正制御部69は、バッテリー10の蓄電状態を監視する。前述したように、バッテリー10は、電動モータ31に電力を供給し、電動モータ31は、バッテリー10を充電する。
制御選択部67は、レバー11の傾倒位置および船舶1の進行速度に応じて、通常制御部68または補正制御部69を選択する選択制御を行うものである。通常制御部68は、後述する通常制御を行うものである。補正制御部69は、後述する補正制御を行うものである。通常制御および補正制御では、レバー11の傾倒位置および船舶1の進行速度に応じて、各船外機4,5におけるプロペラ14の目標回転方向および目標回転速度がそれぞれ設定され、各船外機ECU8,9に与えられる。具体的には、プロペラ14の目標回転速度は、電動モータ31の目標回転速度およびエンジン30の目標回転速度に変換されて、各船外機ECU8,9に与えられる。このように、レバー11は、プロペラ14の回転方向の指令と回転速度の指令値とを生成する方向指令手段および速度指令手段としての役割を担う。
電動モータ31の目標回転速度が与えられると、各船外機ECU8,9は、プロペラ14の目標回転方向に基づいてドッグクラッチ54のシフト位置(前進、後進、ニュートラル)を決定する。そして、各船外機ECU8,9は、多板クラッチ43を切るようにクラッチアクチュエータ74の動作を制御し、多板クラッチ43が切れると、ドッグクラッチ54が所定のシフト位置へ変化するようにシフトアクチュエータ59の動作を制御する。そして、各船外機ECU8,9は、電動モータ31を目標回転速度となるように制御する。電動モータ31の回転速度制御に関し、具体的には、モータ回転検出部62によって検出された実測回転速度に基づくフィードバック制御が行われる。
一方、エンジン30の目標回転速度が与えられると、各船外機ECU8,9は、プロペラ14の目標回転方向に基づいてドッグクラッチ54のシフト位置を決定する。そして、各船外機ECU8,9は、多板クラッチ43を繋ぐようにクラッチアクチュエータ74の動作を制御し、多板クラッチ43が繋がると、ドッグクラッチ54が所定のシフト位置へ変化するようにシフトアクチュエータ59の動作を制御する。そして、各船外機ECU8,9は、電動スロットルバルブ64の開度がエンジン30の目標回転速度に対応した開度となるように、スロットルアクチュエータ65を制御する。エンジン30の回転速度制御に関し、具体的には、エンジン回転検出部63によって検出された実測回転速度に基づくフィードバック制御が行われる。
図7は、制御選択部67によって所定の制御周期毎に繰り返し実行される選択制御を説明するためのフローチャートである。
制御選択部67は、レバー11が後側へ傾倒される(レバー11の傾倒位置が中立位置よりも後側に移動される)と(ステップS11のYES)、プロペラ14の目標回転方向が後進方向であると判定する。そして、制御選択部67は、速度センサ42の出力を参照して、船舶1の進行速度が+2km/h以下かどうかを判定する(ステップS12)。前述したように、レバー11の傾倒位置が後側、つまりプロペラ14の回転方向が後進方向であり、かつ船舶1の進行速度が+2km/h以下になると泡巻込みが発生しやすくなる。そこで、ステップS12において、船舶1の進行速度が、+2km/h以下であれば(ステップS12のYES)、制御選択部67は、補正制御部69を選択する(ステップS14)。船舶1の進行速度が+2km/hを超えていれば(ステップS12のNO)、制御選択部67は、通常制御部68を選択する(ステップS13)。
一方、レバー11が前側へ傾倒される(レバー11の傾倒位置が中立位置よりも前側に移動される)と(ステップS11のNO)、制御選択部67は、プロペラ14の目標回転方向が前進方向であると判定し、通常制御部68を選択する(ステップS13)。
このように、制御選択部67は、プロペラ14の回転方向だけでなく、船舶1の進行速度が所定の前進速度以下かどうかを判定するので、プロペラ14が泡を巻き込みやすい運転状態であるかどうかを正確に判定することができる。そして、この判定に基づいて、通常制御部68による制御と、補正制御部69による制御とのいずれかを選択することができる。
図8は、通常制御部68による通常制御を説明するためのフローチャートである。図9は、レバー11の傾倒位置と目標エンジン回転速度および目標モータ回転速度との関係を示したグラフである。
通常制御部68は、レバー11が前側へ傾倒され、前進開始位置まで傾倒されると(ステップS21のYES)、予め設定された通常モータ特性(図9参照)を選択する(ステップS22)。また、ステップS22では、通常制御部68は、通常モータ特性に基づいて、レバー11の傾倒位置に対応する目標モータ回転速度Vmを生成する。そして、通常制御部68は、電動モータ31の駆動のみによるプロペラ14の回転を実施する(ステップS23)。具体的には、通常制御部68は、各船外機ECU8,9に、目標モータ回転速度Vmに基づく電動モータ31の駆動制御を実施させる。
レバー11が前進開始位置まで傾倒されていないとき、つまり、レバー11の傾倒位置が中立位置と前進開始位置との間にあるときには(ステップS21のNO)、通常制御部68は、目標モータ回転速度Vmを生成せずに、レバー11の傾倒位置を監視する。
プロペラ回転が実施されている状態(ステップS23)で、レバー11が前進切換位置まで傾倒されると(ステップS24のYES)、通常制御部68は、予め設定された通常エンジン特性(図9参照)を選択する(ステップS25)。また、ステップS25において、通常制御部68は、通常エンジン特性に基づいて、レバー11の傾倒位置に対応する目標エンジン回転速度Veを生成する。そして、通常制御部68は、エンジン30の駆動によるプロペラ14の回転を実施する(ステップS26)。具体的には、通常制御部68は、各船外機ECU8,9に、目標エンジン回転速度Veに基づくエンジン30の駆動制御を実施させる。
レバー11が前進切換位置まで傾倒されていないとき、つまり、レバー11の傾倒位置が前進開始位置と前進切換位置との間にある場合には(ステップS24のNO)、通常制御部68は、引き続き、電動モータ31の駆動のみによるプロペラ回転を実施する。
図9の例では、通常モータ特性は、レバー11の傾倒量の増加に対して目標モータ回転速度Vmがリニアに増加するように定められている。また、通常エンジン特性も同様に、レバー11の傾倒量の増加に対して目標エンジン回転速度Veがリニアに増加するように定められている。そして、前進切り換え位置における目標モータ回転速度Vmと目標エンジン回転速度Veは等しく定められている。これにより、電動モータ31のみでプロペラ14を駆動している状態と、エンジン30の駆動力をプロペラ14に伝達する状態との切り換えの前後において、推進力の連続性が確保されるようになっている。
図10は、補正制御部69による補正制御を説明するためのフローチャートである。
補正制御部69は、レバー11が後進開始位置まで傾倒されると(ステップS31のYES)、予め設定された第1補正モータ特性(図9参照)を選択する(ステップS32)。また、ステップS32において、補正制御部69は、第1補正モータ特性に基づいて、レバー11の傾倒位置に対応する目標モータ回転速度Vm’を生成する。そして補正制御部69は、電動モータ31の駆動のみによるプロペラ14の回転を実施する(ステップS33)。具体的には、補正制御部69は、各船外機ECU8,9に、目標モータ回転速度Vm’に基づく電動モータ31の駆動制御を実施させる。
レバー11が後進開始位置まで傾倒されていない場合、つまり、レバー11の傾倒位置が中立位置と後進開始位置との間にある場合には(ステップS31のNO)、補正制御部69は、目標モータ回転速度Vm’を生成せず、レバー11の傾倒位置の監視を継続する。
第1補正モータ特性は、図9の例では、通常モータ特性と同様に定められている。すなわち、レバー11の後進方向への傾倒量に対して目標モータ回転速度Vm’はリニアに定められるようになっている。そして、傾倒量に対する目標モータ回転速度Vm,Vm’の関係は、通常モータ特性と第1補正モータ特性との間で等しくなっている。
電動モータ31の駆動のみでプロペラ14を回転させる場合、排気ガスが水中に排気されないので、レバー11の傾倒位置および船舶1の進行速度にかかわらず、泡巻込みが生じることはない。そのため、中立位置から前側および後側のそれぞれの方向へ同じ傾倒量だけレバー11を傾倒させたときに、通常制御における目標モータ回転速度Vmと補正制御における目標モータ回転速度Vm’とが等しくなるように、第1補正モータ特性が設定されている。
電動モータ31によってプロペラ回転が実施されている状態(ステップS33)で、レバー11が後進切換位置まで傾倒されると(ステップS34のYES)、補正制御部69は、目標エンジン回転速度Ve’を生成する(ステップS35)。具体的には、補正制御部69は、船舶1の進行速度およびレバー11の傾倒量に基づいて補正係数を設定する。また、補正制御部69は、その傾倒量を通常エンジン特性に適用して得られる目標エンジン回転速度Ve(基本値)を求める。さらに、補正制御部69は、この目標エンジン回転速度Ve(基本値)に前記補正係数を乗じることで、目標エンジン回転速度Ve’を生成する。レバー11の様々な傾倒量に応じて目標エンジン回転速度Ve’がそれぞれ生成されることにより、結果として、第1補正エンジン特性(図9参照)が設定されることになる。つまり、結果的には、第1補正エンジン特性に従って、目標エンジン回転速度Ve’が生成される。
こうして目標エンジン回転速度Ve’が生成されると、補正制御部69は、エンジン30の駆動によるプロペラ14の回転へと切り換える(ステップS36)。具体的には、補正制御部69は、各船外機ECU8,9に、目標エンジン回転速度Ve’に基づくエンジン30の駆動制御を実施させる。
レバー11が後進切換位置まで傾倒されていない場合、つまり、レバー11の傾倒位置が後進開始位置と後進切換位置との間にある場合には(ステップS34のNO)、補正制御部69は、目標エンジン回転速度Ve’を生成しない。すなわち、電動モータ31の駆動のみによるプロペラ14の回転が継続される。
図11は、補正制御部69が前記補正係数を定めるときに用いるマップを示す。このマップは、補正係数と、レバー11の傾倒量および船舶1の進行速度との関係を表している。補正係数は、前述のとおり、通常エンジン特性に従う目標エンジン回転速度Veに乗じることによって、第1補正エンジン特性に従う目標エンジン回転速度Ve’を得るための係数である。
エンジン30の駆動によってプロペラ14を後進回転させる場合、船舶1の進行速度によっては、泡巻込みが発生する。この泡巻込みが発生する場合には、通常エンジン特性と同様に目標エンジン回転速度を設定しても、通常制御の場合に比べて推進力が低下する。この推進力低下を是正するために、第1補正エンジン特性(図9参照)は、通常エンジン特性での目標エンジン回転速度Ve(基本値)に1.0以上の補正係数を乗じて目標エンジン回転速度Ve’を定めるように設定される。より具体的には、補正制御部69は、通常エンジン特性を参照して、レバー11の後側への傾倒量に対応した目標エンジン回転速度Veを求める。さらに、補正制御部69は、その目標エンジン回転速度Veに1.0以上の補正係数を乗じることにより、第1補正エンジン特性に従う目標エンジン回転速度Ve’を求める。これにより、第1補正エンジン特性に基づく目標エンジン回転速度Ve’は、通常エンジン特性に基づく目標エンジン回転速度Ve以上に定められることになる(図9参照)。
図9に示すとおり、後進切換位置において、第1補正モータ特性に従う目標モータ回転速度Vm’と第1補正エンジン特性に従う目標エンジン回転速度Ve’とは、連続しておらず、目標エンジン回転速度Ve’の方が高くなっている。これは、エンジン30でプロペラ14を回転させるときの泡巻込みに起因する推進力の低下を補償するためである。したがって、後進切換位置において、プロペラ14の目標回転速度は不連続になるが、推進力の連続性は保たれる。
泡巻込みは、前述したように、船舶1の後進速度が高くなると発生しにくくなる。また、レバー11の傾倒量を小さくするとエンジン回転速度が低下し、水中排気される泡の量が減るので、泡巻込みが発生しにくくなり、前述した推進力低下が少なくなる。そのため、補正制御部69は、レバー11の傾倒量が小さくなる程、また、船舶1の後進速度が大きくなる程、補正係数を1.0に近付くように可変設定する。
一方、レバー11の傾倒量が大きくなる程、また、船舶1の後進速度が小さくなる程、前述した推進力低下が大きくなる。そこで、補正制御部69は、レバー1の傾倒量が大きくなるに従って、補正係数を、たとえば、1.1→1.3→1.5と増加するように可変設定する。さらに、船舶1の進行速度が0km/hから+2km/hの間にある場合も、レバー11の傾倒量が大きくなる程、また、船舶1の前進速度が小さくなる程、補正係数が増加するように可変設定される。そのため、第1補正エンジン特性に基づく目標エンジン回転速度Ve’は、通常エンジン特性に基づく目標エンジン回転速度Veよりも確実に高く定められる。また、補正係数を状況に応じて変更することで、目標エンジン回転速度Ve’を適切に定めることができる。
図12は、レバー11の傾倒位置とプロペラ14が発生する推進力との関係の一例を示したグラフである。この例では、前進開始位置から前進切換位置までのレバー11の傾倒量Aよりも、後進開始位置から後進切換位置までのレバー11の傾倒量Bが大きく設定されている。
レバー11を前側へ傾倒させていく場合は、泡巻込みが発生しない。したがって、前進切換位置おいて電動モータ31の駆動のみからエンジン30の駆動へ切り換えるときに、目標モータ回転速度Vmと目標エンジン回転速度Veとを等しくしておけばよい。これにより、推進力が連続し、レバー11の傾倒位置に応じて、推進力が滑らかに出力される。
泡巻込みによる推進力低下は、レバー11の傾倒位置が後進切換位置に到達し、エンジン30の水中排気が始まることにより発生する。ここで、補正制御により、目標エンジン回転速度Ve’を、通常制御での目標エンジン回転速度Veより高く定めていないと、図示破線矢印で示すように、後進切換位置において推進力が連続しない。
ところで、レバー11の傾倒位置が前進切換位置から後進切換位置までの間にあるときの船舶1の速度領域は、「デッドスロー領域」といわれている。デッドスロー領域での実際の最大プロペラ回転速度は、たとえば、700rpmから1000rpmである。デッドスロー領域は、離着岸やトローリングなどの極低速での前後進が行われる速度域である。この領域で推進力の不連続が頻発すると、乗船者に与える違和感は特に大きくなる。
そこで、図12の例では、制御選択部67は、前進開始位置から前進切換位置までのレバー11の傾倒量Aより、後進開始位置から後進切換位置までのレバー11の傾倒量Bを予め大きく設定している。これにより、低速航行中は、電動モータ31によるプロペラ14の駆動からエンジン30によるプロペラ14の駆動への切り換わりを抑制できる。その結果、泡巻込みに起因する推進力低下の発生を抑制できる。これにより、デッドスロー領域での違和感を大幅に低減することができる。なお、図9においても、図12に対応して、レバー11の後進切換位置までの傾倒量Bは、前進切換位置までの傾倒量Aより大きく設定されている。
また、船舶1を前進させる頻度は、後進させる頻度よりも高い。そのため、前進切換位置までの傾倒量Aを小さく設定しておくことで、電動モータ31の駆動を抑制して、電力消費を抑制できる。これにより、バッテリー10の消耗を抑制できる。その一方で、後進切換位置までの傾倒量Bを大きく設定しておくことで、泡巻込みに起因する違和感を効果的に抑制できる。すなわち、電力消費を抑制し、かつ、違和感の低減を図ることができる。
以上のように、制御選択部67は、レバー11の傾倒位置に応じて、電動モータ31の駆動力のみをプロペラ14に伝達する第1モードと、エンジン30の駆動力をプロペラ14に伝達する第2モードとを切り換える。前述したように、レバー11の傾倒位置は、プロペラ14の回転方向の指令および回転速度の指令値を示すものである。また、プロペラ14の回転方向および回転速度は、泡巻込みの発生に深く関与している。そして、第1モードと第2モードとを切り換えるとき、つまり、レバー11が後進切換位置にあるときが、泡巻込みによる推進力低下が発生するタイミングである。
この実施形態では、泡巻込みが発生する条件のときには、補正制御部69による制御が選択され、第1モードと第2モードとの切り換え時点で推進力の不連続を抑制するように目標エンジン回転速度Ve’が定められる。具体的には、補正制御により、目標エンジン回転速度Ve’は、通常制御での目標エンジン回転速度Veより高く定められる。その結果、泡巻込みが発生しても、通常制御に比べてエンジン30の出力が大きくなるので、後進切換位置において推進力が連続し、レバー11の傾倒位置に応じた推進力が滑らかに出力される。これにより、推進力の低下を回避することができるので、推進力の不連続に起因する違和感を低減できる。なお、後進状態にある船舶1においてレバー11を前側へ傾倒させたときに泡巻込みが発生する場合もあり、その場合においても、補正制御が行われる。
さらに、図12に示した例では、制御選択部67は、第1モードと第2モードとを切り換えるまでのレバー11の傾倒量について、前述したAおよびBといった異なる値(しきい値)を適用している。具体的には、プロペラ14の回転方向が、泡巻込みによる推進力低下が発生する後進方向である場合には、低速航行領域において第1モードから第2モードへの切り換えが生じにくくなるように、傾倒量Bを大きく設定している。これにより、乗船者への違和感をより一層低減できる。
図13は、図12に示した例をさらに変形した補正制御を示している。
この変形例では、後側へのレバー11の傾倒に対して、第1補正エンジン特性に代えて、第2補正エンジン特性(図9参照)を用いる。第2補正エンジン特性は、レバー11の中立位置からの傾倒量が同じ場合に、通常エンジン特性に基づく目標エンジン回転速度Veと等しくなるように目標エンジン回転速度Ve’を定める特性である。
また、この変形例では、後側へのレバー11の傾倒に対して、第1補正モータ特性に代えて、第2補正モータ特性(図9参照)が用いられる。第2補正モータ特性は、レバー11の中立位置からの傾倒量が同じ場合に、目標モータ回転速度Vm’を、通常モータ特性に基づく目標モータ回転速度Vmより低く定める特性である。具体的には、補正制御部69は、レバー11の中立位置から後側への傾倒量を通常モータ特性に適用して、目標モータ回転速度Vm(基本値)を求める。さらに、補正制御部69は、その目標モータ回転速度Vm(基本値)に1.0未満の補正係数を乗じることによって、第2補正モータ特性に従う目標モータ回転速度Vm’を求める。
つまり、補正制御部69は、エンジン30によってプロペラ14を駆動するときの泡巻込みによる推進力低下を見越して、電動モータ31の目標回転速度を予め低く設定する。これにより、後進切換位置において、電動モータ31の駆動によるプロペラ14の推進力と、エンジン30の駆動によるプロペラ14の推進力とを連続させることができる。これにより、レバー11の傾倒位置に応じて推進力が滑らかに出力されるので、操船者その他の乗船者が受ける違和感を低減できる。
図14は、船舶1を横移動させる状況を説明するための概念図である。
複数の船外機4,5を備える船舶1では、各船外機4,5が発生する推進力の合力により、船舶1を旋回させずに、前後進以外の平行移動(横移動)を行うことができる。このような操船により、離着岸が一層容易になる。たとえば、船舶1が右側へ横移動を行う場合、右側へ向かう推進力を発生させるためには、左舷船外機4からは右前方へ向かう推進力を発生させるとともに、右舷船外機5からは右後方へ向かう推進力を発生させればよい。これにより、それらの推進力の合力は右方向へ向く。このとき、左舷船外機4のプロペラ14は前進方向に回転され、右舷船外機5のプロペラ14は後進方向に回転されることになり、プロペラ14の回転方向が互いに反対となる。したがって、左舷船外機4ではエンジン駆動のときでも泡巻込みは生じないが、右舷船外機5ではエンジン駆動時には泡巻込みが発生する条件となる。
このような場合には、左舷船外機4については通常制御を行い、右舷船外機5については補正制御を行うようにすればよい。これにより、横移動操船時において、モータ駆動時とエンジン駆動時とで推進力を連続させることができるので、操船者の意図する方向へと船舶1を横移動させることができ、しかも、操船者その他の乗船者に与える違和感を低減できる。さらに、前述の図12および図13の例のように、モータ駆動からエンジン駆動に切り換えられるときのレバー傾倒量A,Bをプロペラ14の前進回転時と後進回転時とで異なる値としてもよい。これにより、デッドスロー領域で横移動操船を行うときに、モータ駆動とエンジン駆動との切り換わりを抑制できる結果、乗船者に与える違和感をより一層低減することができる。また、モータ駆動による電力消費を抑制しつつ、泡巻込みに起因する違和感を低減できる。
この発明は、以上に説明した実施形態に限定されるものではなく、他の形態でも実施することができる。
たとえば、モータ駆動からエンジン駆動に切り換えられるときのレバー傾倒量A,Bを等しくてもよい。
図15は、レバー11の傾倒位置とプロペラ14が発生する推進力との関係を示したグラフである。ただし、前進開始位置から前進切換位置までのレバー11の傾倒量と、後進開始位置から後進切換位置までのレバー11の傾倒量とが等しい場合の例が示されている。
補正制御によって、上述したように、図示破線矢印で示す後進切換位置での推進力の不連続は解消される。したがって、泡巻込みが発生しても、後進切換位置において推進力が連続するから、レバー11の傾倒位置に応じた推進力が滑らかに出力される。そのため、前進方向および後進方向に関するしきい値としてのレバー傾倒量A,Bを等しくし、後進回転時に、デッドスロー領域内においてモータ駆動とエンジン駆動との切り換えを行っても、操船者その他の乗船者が違和感を受けることはない。
また、たとえば、前述の実施形態では、船外機が2個備えられる構成を例示したが、船外機が1つだけ備えられる構成であってもよいし、船外機が3個以上備えられる構成であってもよい。
また、前述の実施形態では、エンジン30および電動モータ31を原動機として備えるハイブリッド型の船外機4,5の推進力を制御する構成について説明したが、エンジン30だけを原動機として備える構成であっても構わない。
図16は、エンジン30だけを原動機として備える場合において、レバー11の傾倒位置とプロペラ14が発生する推進力との関係を示したグラフである。
この場合、電動モータ31が存在しないので、レバー11の傾倒範囲内に、前進切換位置および後進切換位置がない。レバー11が中立位置から前進開始位置まで傾倒されると、ドッグクラッチ54はニュートラル位置から前進位置まで移動する。また、レバー11が中立位置から後進開始位置まで傾倒されると、ドッグクラッチ54はニュートラル位置から後進位置まで移動する。レバー11を中立位置から後進開始位置まで傾倒させ、ドッグクラッチ54が後進位置に移動したときに、泡巻込みによる推進力低下が発生するおそれがある(図示破線矢印参照)。そこで、前述した第1補正エンジン特性(図9参照)による補正制御により、泡巻込みによる推進力低下を補償するように目標エンジン回転速度Ve’を定めればよい。これにより、前進回転時と後進回転時とで、レバー傾倒量と推進力との関係がほぼ等しくなるので、操船者の違和感を抑制できる。デッドスロー領域で船舶1を移動させる場合には、ドッグクラッチ54のシフト位置を、ニュートラル位置から前進位置または後進位置へと小刻みに変化させることで、船舶1の進行速度を調整することになる。
また、前述の実施形態では、通常制御モードおよび補正制御モードの2つのモードで推進力を発生させることとしたが、補正制御モードを複数設けて多段階で推進力を補正するようにしてもよい。また、推進力低下を数値的に検出してエンジン回転速度をフィードバック制御するようにしてもよい。
また、前述の実施形態では、前進から後進への切換えを検出して推進力の補正を行ったが、後進から前進への切換え時にも泡巻込みの問題が同様に発生するので、後進から前進への切換えを検出して推進力の補正をしてもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
図1Aは、水中排気を説明するための概念図であって、船舶が前進している状態を示す。図1Bは、水中排気を説明するための概念図であって、船舶が後進している状態を示す。 この発明の一実施形態に係る船舶の構成を説明するための概念図である。 各船外機に共通の構成を説明するための図解的な断面図である。 船舶の前進速度、泡巻込みが生じていない状態で得られるべき理想的な推進力、および実際の推進力の各時間変化を示す図である。 レバーの図解的な側面図である。 各船外機の制御系統を説明するためのブロック図である。 制御選択部によって所定の制御周期毎に繰り返し実行される選択制御を説明するためのフローチャートである。 通常制御部による通常制御を説明するためのフローチャートである。 レバーの傾倒位置と目標エンジン回転速度および目標モータ回転速度との関係を示したグラフである。 補正制御部による補正制御を説明するためのフローチャートである。 補正制御における補正係数の設定に用いられるマップを示す図である。 前進開始位置から前進切換位置までのレバー傾倒量より、後進開始位置から後進切換位置までのレバー傾倒量を大きく設定した場合における、レバー傾倒位置と推進力との関係の一例を示すグラフである。 前進開始位置から前進切換位置までのレバー傾倒量より、後進開始位置から後進切換位置までのレバー傾倒量を大きく設定した場合における、レバー傾倒位置と推進力との関係の他の例を示すグラフである。 船舶を横移動させる状況を説明するための概念図である。 前進開始位置から前進切換位置までのレバー傾倒量と、後進開始位置から後進切換位置までのレバー傾倒量とが等しい場合における、レバーの傾倒位置とプロペラが発生する推進力との関係を示したグラフである。 エンジンだけを原動機として備える場合における、レバー傾倒位置と推進力との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 船舶
2 船体
3 船尾
4 左舷船外機
5 右舷船外機
6 船首
7 中心線
8 左舷ECU
9 右舷ECU
10 バッテリー
11 レバー
12 船内LAN
13 航走制御装置
14 プロペラ
15 終端器
16 ボス部
17 水中排気口
18 プロペラシャフト
19 ドライブシャフト
20 クランプブラケット
21 スイベルブラケット
22 推進ユニット
23 チルト軸
24 操舵軸
25 操舵ロッド
26 上カウリング
27 下カウリング
28 上ケーシング
29 下ケーシング
30 エンジン
31 電動モータ
32 シフト機構
33 クランク軸
34 クランクケース
35 シリンダブロック
36 シリンダヘッド
37 ヘッドカバー
38 吸気サイレンサ
39 連通穴
40 吸気通路
41 排気マニホールド
42 速度センサ
43 多板クラッチ
44 クラッチ板
45 排気通路
46 排気膨張室
47 空中排気口
48 駆動ギヤ
49 前進ギヤ
50 後進ギヤ
51 操作盤
52 ロッド
53 ノブ
54 ドッグクラッチ
55 シフトロッド
56 主排気路
57 空中排気路
58 水中排気路
59 シフトアクチュエータ
60 操舵アクチュエータ
61 操舵角センサ
62 モータ回転検出部
63 エンジン回転検出部
64 電動スロットルバルブ
65 スロットルアクチュエータ
66 位置センサ
67 制御選択部
68 通常制御部
69 補正制御部
70 小径部
71 大径部
72 隙間
73 排気中継路
74 クラッチアクチュエータ
75 排気ポート

Claims (11)

  1. プロペラと、前記プロペラを回転させ、水中排気を行うエンジンとを備える船外機を制御するための制御装置であって、
    前記エンジンの水中排気による前記船外機の推進力の低下を判定する判定手段と、
    前記判定手段が、推進力の低下が発生すると判定したときには、推進力の低下が発生しないと判定したときに比べて出力が大きくなるように前記エンジンを制御する制御手段とを含む、船外機の制御装置。
  2. 前記判定手段は、前記船外機が備えられる船舶の進行速度に基づいて推進力の低下を判定するものである、請求項1記載の船外機の制御装置。
  3. 前記判定手段は、前記推進力の方向に基づいて当該推進力の低下を判定するものである、請求項1または2記載の船外機の制御装置。
  4. 前記判定手段は、前記プロペラが前記エンジンの水中排気により発生する泡を巻き込む運転状態かどうかを判定する泡巻込み判定手段を含み、
    前記制御手段は、前記泡巻込み判定手段が、前記プロペラが泡を巻き込む運転状態ではないと判定したときには、所定の通常制御モードに基づいて前記エンジンを制御し、前記泡巻込み判定手段が、前記プロペラが泡を巻き込む運転状態であると判定したときは、前記通常モードとは異なる補正制御モードに基づいて前記エンジンを制御するものである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の船外機の制御装置。
  5. 前記通常制御モードは、前記制御手段が所定の第1の特性に従って第1の目標エンジン回転速度を定める制御モードであり、前記補正制御モードは、前記制御手段が前記第1の特性よりも高い目標エンジン回転速度を設定するための第2の特性に従って第2の目標エンジン回転速度を定める制御モードである、請求項4記載の船外機の制御装置。
  6. 1.0以上の補正係数を設定する補正係数設定手段と、
    前記第1の目標エンジン回転速度に前記補正係数設定手段によって設定される補正係数を乗じて前記第2の目標エンジン回転速度を求め、これにより、前記第2の特性を設定する特性設定手段とをさらに含む、請求項5記載の船外機の制御装置。
  7. 前記プロペラの回転速度指令値を生成する速度指令手段をさらに含み、
    前記補正係数設定手段は、前記速度指令手段による前記回転速度指令値の減少および/または当該船外機が備えられる船舶の進行速度の増加に応じて前記補正係数を1.0へ近づけるものである、請求項6記載の船外機の制御装置。
  8. 前記泡巻込み判定手段は、前記プロペラの回転方向が、前記エンジンの水中排気により生じる泡を遠ざける第1の方向であるか、当該泡を引き寄せる第2の方向であるかを判定する回転方向判定手段を含むものである、請求項4〜7のいずれか一項に記載の船外機の制御装置。
  9. 前記泡巻込み判定手段は、当該船外機が備えられる船舶の進行速度が、所定の前進速度以下かどうかを判定する速度判定手段を含むものである、請求項4〜8のいずれか一項に記載の船外機の制御装置。
  10. プロペラと、
    前記プロペラを回転させ、水中排気を行うエンジンとを備える船外機と、
    この船外機を制御するための請求項1〜9のいずれか一項に記載の制御装置とを含む、航走支援システム。
  11. 船体と、
    プロペラ、および前記プロペラを回転させ、水中排気を行うエンジンを備える船外機と、
    この船外機を制御するための請求項1〜9のいずれか一項に記載の制御装置とを含む、船舶。
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