JP5041971B2 - ハイブリッド型船外機の制御装置、ならびにそれを用いた航走支援システムおよび船舶 - Google Patents
ハイブリッド型船外機の制御装置、ならびにそれを用いた航走支援システムおよび船舶 Download PDFInfo
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Description
また、エンジンおよび電動モータの両方を備えた、いわゆるハイブリッド型の原動機が提案されている。下記特許文献1に示されているハイブリッドシステムでは、エンジンおよび電動モータの両方、または、それらの一方のみが駆動させられ、その駆動力でプロペラを回転させるようになっている。また、このハイブリッドシステムでは、エンジンおよび電動モータの両方を駆動させる場合には、操船のために操作される操作レバーの操作速度および操作時間、ならびに、エンジンのスロットル開度および回転変動時間に基づいて、電動モータの出力が調節される。
図1Aは、水中排気を説明するための概念図であって、船舶が前進している状態を示す。図1Bは、水中排気を説明するための概念図であって、船舶が後進している状態を示す。操船者が操作レバーを前進方向へ操作していて、船舶が前進している状態では、図1Aに示すように、プロペラは、水を後方へ掻き出す方向へ回転される。したがって、水中排気された排気ガスの泡は後方へ遠ざかる。しかし、操船者が操作レバーを後進方向へ操作していて、船舶が後進を始めると、プロペラは、排気による泡を含んだ水中で回転するようになる(図1B参照)。このとき、プロペラが泡を巻き込む「泡巻込み」が発生する。これにより、プロペラによって掻き出される水量が実質的に少なくなるため、推進効率が低下する。すなわち、プロペラの回転速度に応じた推進力を得ることができなくなる。しかも、プロペラの回転速度が高くなるほど、エンジンからの排気量が増加するため、それに応じて泡巻込みが激しくなる。したがって、プロペラ回転速度が高いほど、泡巻込みに起因する推進力低下の度合いが大きくなる。
そこで、この発明の目的は、乗船者に与える違和感を抑制するようにエンジンおよび電動モータを制御できるハイブリッド型船外機の制御装置を提供することである。
第1の発明においては、前記制御手段は、前記速度指令手段によって生成される速度指令値に対して、前記プロペラの回転方向に応じて異なるしきい値を適用することにより、前記第1モードと前記第2モードとを切り換える。
この構成により、プロペラの回転方向が泡巻込みが生じにくい第1の回転方向のときは、比較的小さい第1のしきい値が適用される。これにより、電動モータのみでプロペラが駆動される第1モードを抑制できるから、消費電力を低減できる。一方、プロペラの回転方向が泡巻込みが生じやすい第2の回転方向のときは、比較的大きい第2のしきい値が適用される。これにより、泡巻込みに起因する推進力低下の影響を効果的に抑制できる。
この構成によれば、回転方向判定手段は、方向指令手段によって生成される方向指令に基づいてプロペラの回転方向を判定する。したがって、プロペラの回転方向が、泡巻込みの生じる方向であるかどうかを容易に判定できる。
前記第1の回転方向が船舶に前進方向の推進力を与える前進方向であり、前記第2の回転方向が船舶に後進方向の推進力を与える後進方向であってもよい。
前記船外機の水中排気が船舶の後方に向けて排出されるようになっていてもよい。この場合、水中排気が船舶の後方に向けて排出されるので、船舶を前進させる場合には泡巻込みは生じにくく、船舶を後進させる場合には泡巻込みが生じやすい。そこで、前進方向に対応する第1のしきい値を小さく定めることにより、電動モータによるプロペラの駆動を抑制できる。これにより、電力消費を抑制できる。一方、後進方向に対応する第2のしきい値を大きく定めることにより、泡巻込みに起因する推進力低下の影響を抑制できる。
この構成によれば、電動モータ回転速度設定手段は、泡巻込みによる推進効率の低下を補償するように電動モータの目標回転速度を設定する。そのため、第1モードから第2モードへ切り換えるときに、泡巻込みに起因する推進力低下を抑制できる。これにより、乗船者に与える違和感をさらに緩和できる。
この構成によれば、エンジン回転速度設定手段は、第1モードから第2モードへ切り換えるときにプロペラが発生する推進力が連続するようにエンジンの目標回転速度を設定する。そのため、第1モードから第2モードへ切り換えるときの推進力低下を抑制できるので、乗船者に与える違和感をさらに抑制できる。
この構成によれば、泡巻込みによる推進効率の低下に起因する違和感を抑制するように、電動モータのみによるプロペラの駆動(第1モード)と、エンジンによるプロペラの駆動(第2モード)とを適切に切り換えることができる。これにより、乗船者に与える違和感を低減させることができる。
この構成によれば、泡巻込みによる推進効率の低下に起因する違和感を抑制するように、電動モータのみによるプロペラの駆動(第1モード)と、エンジンによるプロペラの駆動(第2モード)とを適切に切り換えることができる。これにより、乗船者に与える違和感を低減させることができる。
図2は、この発明の一実施形態に係る船舶1の構成を説明するための概念図である。この船舶1は、船体2と、船体2の船尾3に取り付けられた一対の船外機4,5とを備えている。
一対の船外機4,5は、船尾3および船首6を通る中心線7に対して、左右対称な位置に取り付けられている。詳しくは、船外機4は、船体2の左舷後部に取り付けられており、船外機5は、船体2の右舷後部に取り付けられている。以下では、船外機4,5を区別するために、それぞれ、「左舷船外機4」、「右舷船外機5」と呼ぶことがある。
航走制御装置13は、左舷ECU8および右舷ECU9との間で、船内LAN12を介して通信を行う。詳しくは、航走制御装置13は、船外機ECU8,9から、各船外機4,5に備えられたエンジンおよび電動モータの回転速度と、各船外機4,5の向きを表す操舵角とを取得する。その一方で、航走制御装置13は、各船外機ECU8,9に対して、各船外機4,5に備えられたプロペラ14の目標回転方向(前進方向または後進方向)、ならびに、プロペラ14の目標回転速度および目標操舵角を表すデータを与えるようになっている。エンジンの回転速度は、プロペラ14の回転速度と一対一に対応する。同様に、電動モータの回転速度は、プロペラ14の回転速度と一対一の対応関係にある。
各船外機4,5は、取り付け機構としてのクランプブラケット20およびスイベルブラケット21と、推進器としての推進ユニット22とを備えている。クランプブラケット20は、船体2の後尾板に着脱自在に固定されている。スイベルブラケット21は、水平回動軸としてのチルト軸23を中心に、クランプブラケット20に回動自在に結合されている。
推進ユニット22は、ハウジングとして、上部に上カウリング26と下カウリング27とを備え、下部に上ケーシング28と下ケーシング29とを備えている。上カウリング26および下カウリング27の内部には、エンジン30が配置されている。上ケーシング28および下ケーシング29の内部には、電動モータ31、エンジン30のための排気系、およびプロペラ14のための動力伝達系が配置されている。
クランク軸33の下端には、上ケーシング28および下ケーシング29内を上下方向に通ってプロペラシャフト18の前端部近傍まで延びるドライブシャフト19が連結されている。エンジン30を駆動することで、ドライブシャフト19を軸線まわりに回転させることができる。ドライブシャフト19の途中には、上から順に、多板クラッチ43および電動モータ31が介装されている。
シフト機構32は、駆動ギヤ48、前進ギヤ49、後進ギヤ50、およびドッグクラッチ54を備えている。駆動ギヤ48、前進ギヤ49および後進ギヤ50は、いずれもベベルギヤからなる。駆動ギヤ48は、ドライブシャフト19の下端に固定されている。前進ギヤ49および後進ギヤ50は、プロペラシャフト18上に回動自在に配置されている。ドッグクラッチ54は、前進ギヤ49と後進ギヤ50との間に配置されている。前進ギヤ49は、前方側から駆動ギヤ48に噛合しており、後進ギヤ50は、後方側から駆動ギヤ48に噛合している。そのため、ドライブシャフト19とともに駆動ギヤ48が回転されると、前進ギヤ49および後進ギヤ50は、互いに反対方向に回転される。一方、ドッグクラッチ54は、プロペラシャフト18にスプライン結合されている。すなわち、ドッグクラッチ54は、プロペラシャフト18に対してその軸方向に摺動自在であるが、プロペラシャフト18に対する相対回動はできず、プロペラシャフト18とともに回転する。
次に、エンジン30の吸排気系について説明する。
上カウリング26内において、エンジン30の前方には、吸気サイレンサ38が配置されている。吸気サイレンサ38には、機外に連通する連通穴39が形成されている。吸気サイレンサ38には、吸気通路40の一端が接続されている。吸気通路40の他端には、吸気マニホールド(図示せず)が接続されている。図示されていないが、吸気マニホールドは、エンジン30の各気筒における吸気ポート(図示せず)に接続されている。吸気マニホールドには、各気筒に対応するインジェクタが接続されている。吸気サイレンサ38の連通穴39から吸気通路40を介して吸気された外気と、インジェクタから噴射された燃料とが混合されて吸気ガスが形成される。この吸気ガスが、吸気マニホールドを介して各気筒の吸気ポートに供給される。
水中排気路58は、ボス部16の隙間72を介して水中排気口17に連通している。水中排気口17は、後方に向けて開口している。したがって、エンジン30の水中排気は、船舶の後方に向けて排出されるようになっている。
図5は、レバー11の図解的な側面図である。図5において、紙面左側を前側とし、紙面右側を後側とする。
レバー11の中立位置は、ロッド52が操作盤51の表面に対して直立した位置である。操船者が、ノブ53を把持し、レバー11を所望の方向に向けて中立位置から傾倒させると、航走制御装置13が、レバー11の傾倒位置(傾倒方向および傾倒量)に基づいて各船外機4,5におけるプロペラ14の回転方向および回転速度ならびに操舵角を制御する。これにより、船舶1の進行速度および進行方向を、レバー11の傾倒方向に応じた向きに変更することができる。図5では、レバー11を前後方向に傾倒させる場合の傾倒量が示されている。そして、以下では、船舶1を前進させる場合および後進させる場合について説明する。
以下では、レバー11を中立位置から前側へ所定量傾倒させたときのレバー11の傾倒位置を「前進開始位置」といい、レバー11を前進開始位置から前側へさらに所定量傾倒させたときのレバー11の傾倒位置を「前進切換位置」という。そして、レバー11を前進切換位置からさらに前側へ目一杯傾倒したときのレバー11の傾倒位置を「前進全開位置」という。一方、レバー11を中立位置から後側へ所定量傾倒させたときのレバー11の傾倒位置を「後進開始位置」といい、レバー11を後進開始位置から後側へさらに所定量傾倒させたときのレバー11の傾倒位置を「後進切換位置」という。そして、レバー11を後進切換位置からさらに後側へ目一杯傾倒したときのレバー11の傾倒位置を「後進全開位置」という。
船舶1が前進している状態で、レバー11を後側へ傾倒させると進行速度を減少させる制動動作を行うことができる。船舶1が後進している状態でレバー11を前側に傾倒させたときも同様に、制動動作を行える。
図6は、レバー11の操作に基づいて各船外機4,5を制御するための制御系統を示すブロック図である。
航走制御装置13は、制御選択部67、通常制御部68および補正制御部69を備えている。制御選択部67は、判定手段、泡巻込み判定手段、制御手段、回転方向判定手段および速度判定手段として機能し、補正制御部69は、特性設定手段、補正係数設定手段、電動モータ回転速度設定手段およびエンジン回転速度設定手段として機能する。
制御選択部67は、レバー11が後側へ傾倒される(レバー11の傾倒位置が中立位置よりも後側に移動される)と(ステップS11のYES)、プロペラ14の目標回転方向が後進方向であると判定する。そして、制御選択部67は、速度センサ42の出力を参照して、船舶1の進行速度が+2km/h以下かどうかを判定する(ステップS12)。前述したように、レバー11の傾倒位置が後側、つまりプロペラ14の回転方向が後進方向であり、かつ船舶1の進行速度が+2km/h以下になると泡巻込みが発生しやすくなる。そこで、ステップS12において、船舶1の進行速度が、+2km/h以下であれば(ステップS12のYES)、制御選択部67は、補正制御部69を選択する(ステップS14)。船舶1の進行速度が+2km/hを超えていれば(ステップS12のNO)、制御選択部67は、通常制御部68を選択する(ステップS13)。
このように、制御選択部67は、プロペラ14の回転方向だけでなく、船舶1の進行速度が所定の前進速度以下かどうかを判定するので、プロペラ14が泡を巻き込みやすい運転状態であるかどうかを正確に判定することができる。そして、この判定に基づいて、通常制御部68による制御と、補正制御部69による制御とのいずれかを選択することができる。
通常制御部68は、レバー11が前側へ傾倒され、前進開始位置まで傾倒されると(ステップS21のYES)、予め設定された通常モータ特性(図9参照)を選択する(ステップS22)。また、ステップS22では、通常制御部68は、通常モータ特性に基づいて、レバー11の傾倒位置に対応する目標モータ回転速度Vmを生成する。そして、通常制御部68は、電動モータ31の駆動のみによるプロペラ14の回転を実施する(ステップS23)。具体的には、通常制御部68は、各船外機ECU8,9に、目標モータ回転速度Vmに基づく電動モータ31の駆動制御を実施させる。
プロペラ回転が実施されている状態(ステップS23)で、レバー11が前進切換位置まで傾倒されると(ステップS24のYES)、通常制御部68は、予め設定された通常エンジン特性(図9参照)を選択する(ステップS25)。また、ステップS25において、通常制御部68は、通常エンジン特性に基づいて、レバー11の傾倒位置に対応する目標エンジン回転速度Veを生成する。そして、通常制御部68は、エンジン30の駆動によるプロペラ14の回転を実施する(ステップS26)。具体的には、通常制御部68は、各船外機ECU8,9に、目標エンジン回転速度Veに基づくエンジン30の駆動制御を実施させる。
図9の例では、通常モータ特性は、レバー11の傾倒量の増加に対して目標モータ回転速度Vmがリニアに増加するように定められている。また、通常エンジン特性も同様に、レバー11の傾倒量の増加に対して目標エンジン回転速度Veがリニアに増加するように定められている。そして、前進切り換え位置における目標モータ回転速度Vmと目標エンジン回転速度Veは等しく定められている。これにより、電動モータ31のみでプロペラ14を駆動している状態と、エンジン30の駆動力をプロペラ14に伝達する状態との切り換えの前後において、推進力の連続性が確保されるようになっている。
補正制御部69は、レバー11が後進開始位置まで傾倒されると(ステップS31のYES)、予め設定された第1補正モータ特性(図9参照)を選択する(ステップS32)。また、ステップS32において、補正制御部69は、第1補正モータ特性に基づいて、レバー11の傾倒位置に対応する目標モータ回転速度Vm’を生成する。そして補正制御部69は、電動モータ31の駆動のみによるプロペラ14の回転を実施する(ステップS33)。具体的には、補正制御部69は、各船外機ECU8,9に、目標モータ回転速度Vm’に基づく電動モータ31の駆動制御を実施させる。
第1補正モータ特性は、図9の例では、通常モータ特性と同様に定められている。すなわち、レバー11の後進方向への傾倒量に対して目標モータ回転速度Vm’はリニアに定められるようになっている。そして、傾倒量に対する目標モータ回転速度Vm,Vm’の関係は、通常モータ特性と第1補正モータ特性との間で等しくなっている。
レバー11が後進切換位置まで傾倒されていない場合、つまり、レバー11の傾倒位置が後進開始位置と後進切換位置との間にある場合には(ステップS34のNO)、補正制御部69は、目標エンジン回転速度Ve’を生成しない。すなわち、電動モータ31の駆動のみによるプロペラ14の回転が継続される。
レバー11を前側へ傾倒させていく場合は、泡巻込みが発生しない。したがって、前進切換位置おいて電動モータ31の駆動のみからエンジン30の駆動へ切り換えるときに、目標モータ回転速度Vmと目標エンジン回転速度Veとを等しくしておけばよい。これにより、推進力が連続し、レバー11の傾倒位置に応じて、推進力が滑らかに出力される。
ところで、レバー11の傾倒位置が前進切換位置から後進切換位置までの間にあるときの船舶1の速度領域は、「デッドスロー領域」といわれている。デッドスロー領域での実際の最大プロペラ回転速度は、たとえば、700rpmから1000rpmである。デッドスロー領域は、離着岸やトローリングなどの極低速での前後進が行われる速度域である。この領域で推進力の不連続が頻発すると、乗船者に与える違和感は特に大きくなる。
この変形例では、後側へのレバー11の傾倒に対して、第1補正エンジン特性に代えて、第2補正エンジン特性(図9参照)を用いる。第2補正エンジン特性は、レバー11の中立位置からの傾倒量が同じ場合に、通常エンジン特性に基づく目標エンジン回転速度Veと等しくなるように目標エンジン回転速度Ve’を定める特性である。
複数の船外機4,5を備える船舶1では、各船外機4,5が発生する推進力の合力により、船舶1を旋回させずに、前後進以外の平行移動(横移動)を行うことができる。このような操船により、離着岸が一層容易になる。たとえば、船舶1が右側へ横移動を行う場合、右側へ向かう推進力を発生させるためには、左舷船外機4からは右前方へ向かう推進力を発生させるとともに、右舷船外機5からは右後方へ向かう推進力を発生させればよい。これにより、それらの推進力の合力は右方向へ向く。このとき、左舷船外機4のプロペラ14は前進方向に回転され、右舷船外機5のプロペラ14は後進方向に回転されることになり、プロペラ14の回転方向が互いに反対となる。したがって、左舷船外機4ではエンジン駆動のときでも泡巻込みは生じないが、右舷船外機5ではエンジン駆動時には泡巻込みが発生する条件となる。
たとえば、前述の図12および図13に示した補正制御の例では、モータ駆動とエンジン駆動とを切り換えるしきい値となるレバー傾倒量A,Bを前進回転と後進回転とで異ならせるだけでなく、レバー傾倒量Bでの推進力を連続させている。すなわち、レバー傾倒量Bにおいて、モータ駆動による推進力とエンジン駆動による推進力を連続させている。しかし、デッドスロー領域での推進力不連続の問題は、後進方向に関するしきい値であるレバー傾倒量Bを前進方向に関するしきい値であるレバー傾倒量Aよりも大きくしておけば解消できる。したがって、デッドスロー領域外での推進力の不連続を不問にするとすれば、プロペラ14の回転方向によらずに、通常モータ特性および通常エンジン特性に従って目標回転速度Vm’,Ve’を設定することとしても差し支えない。
また、前述の実施形態では、通常制御モードおよび補正制御モードの2つのモードで推進力を発生させることとしたが、補正制御モードを複数設けて多段階で推進力を補正するようにしてもよい。また、推進力低下を数値的に検出してエンジン回転速度をフィードバック制御するようにしてもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
2 船体
3 船尾
4 左舷船外機
5 右舷船外機
6 船首
7 中心線
8 左舷ECU
9 右舷ECU
10 バッテリー
11 レバー
12 船内LAN
13 航走制御装置
14 プロペラ
15 終端器
16 ボス部
17 水中排気口
18 プロペラシャフト
19 ドライブシャフト
20 クランプブラケット
21 スイベルブラケット
22 推進ユニット
23 チルト軸
24 操舵軸
25 操舵ロッド
26 上カウリング
27 下カウリング
28 上ケーシング
29 下ケーシング
30 エンジン
31 電動モータ
32 シフト機構
33 クランク軸
34 クランクケース
35 シリンダブロック
36 シリンダヘッド
37 ヘッドカバー
38 吸気サイレンサ
39 連通穴
40 吸気通路
41 排気マニホールド
42 速度センサ
43 多板クラッチ
44 クラッチ板
45 排気通路
46 排気膨張室
47 空中排気口
48 駆動ギヤ
49 前進ギヤ
50 後進ギヤ
51 操作盤
52 ロッド
53 ノブ
54 ドッグクラッチ
55 シフトロッド
56 主排気路
57 空中排気路
58 水中排気路
59 シフトアクチュエータ
60 操舵アクチュエータ
61 操舵角センサ
62 モータ回転検出部
63 エンジン回転検出部
64 電動スロットルバルブ
65 スロットルアクチュエータ
66 位置センサ
67 制御選択部
68 通常制御部
69 補正制御部
70 小径部
71 大径部
72 隙間
73 排気中継路
74 クラッチアクチュエータ
75 排気ポート
Claims (11)
- プロペラと、前記プロペラを回転させるための駆動力を発生する電動モータと、前記プロペラを回転させるための駆動力を発生させるとともに、水中排気を行うエンジンとを備えるハイブリッド型船外機を制御するための制御装置であって、
前記プロペラの回転速度を表す速度指令値を生成する速度指令手段と、
前記プロペラの回転方向および前記速度指令手段によって生成される速度指令値に応じて、前記電動モータの駆動力のみを前記プロペラに伝達する第1モードと、前記エンジンの駆動力を前記プロペラに伝達する第2モードとを切り換える制御手段とを含み、
前記制御手段は、前記速度指令手段によって生成される速度指令値に対して、前記プロペラの回転方向に応じて異なるしきい値を適用することにより、前記第1モードと前記第2モードとを切り換えるものである、ハイブリッド型船外機の制御装置。 - 前記制御手段は、前記プロペラの回転方向が前記エンジンの水中排気を前記プロペラから遠ざける第1の回転方向である場合に第1のしきい値を適用し、前記プロペラの回転方向が前記エンジンの水中排気を前記プロペラに引き寄せる第2の回転方向である場合に前記第1のしきい値より大きい第2のしきい値を適用するものである、請求項1記載のハイブリッド型船外機の制御装置。
- プロペラと、前記プロペラを回転させるための駆動力を発生する電動モータと、前記プロペラを回転させるための駆動力を発生させるとともに、水中排気を行うエンジンとを備えるハイブリッド型船外機を制御するための制御装置であって、
前記プロペラの回転速度を表す速度指令値を生成する速度指令手段と、
前記プロペラの回転方向および前記速度指令手段によって生成される速度指令値に応じて、前記電動モータの駆動力のみを前記プロペラに伝達する第1モードと、前記エンジンの駆動力を前記プロペラに伝達する第2モードとを切り換える制御手段とを含み、
前記制御手段は、前記プロペラの回転方向が前記エンジンの水中排気を前記プロペラから遠ざける第1の回転方向である場合において、前記速度指令手段が生成する速度指令値が第1のしきい値以下のときは前記第1モードに制御し、前記速度指令手段が生成する速度指令値が前記第1のしきい値を超えているときは前記第2モードに制御する一方で、前記プロペラの回転方向が前記エンジンの水中排気を前記プロペラに引き寄せる第2の回転方向である場合において、前記速度指令手段が生成する速度指令値が前記第1のしきい値より大きい第2のしきい値以下のときは前記第1モードに制御し、前記速度指令手段が生成する速度指令値が前記第2のしきい値を超えているときは前記第2モードに制御するものである、ハイブリッド型船外機の制御装置。 - 前記プロペラの回転方向を表す方向指令を生成する方向指令手段をさらに含み、
前記制御手段は、前記方向指令手段によって生成される方向指令が前記第1の回転方向を表す場合において、前記速度指令値が前記第1のしきい値以下のときは前記第1モードに制御し、前記速度指令値が前記第1のしきい値を超えているときは前記第2モードに制御する一方で、前記方向指令手段によって生成される方向指令が前記第2の回転方向を表す場合において、前記速度指令値が前記第2のしきい値以下のときは前記第1モードに制御し、前記速度指令値が前記第2のしきい値を超えているときは前記第2モードに制御するものである、請求項3記載のハイブリッド型船外機の制御装置。 - 前記第1の回転方向が船舶に前進方向の推進力を与える前進方向であり、前記第2の回転方向が船舶に後進方向の推進力を与える後進方向である、請求項2〜4のいずれか一項に記載のハイブリッド型船外機の制御装置。
- 前記船外機の水中排気が船舶の後方に向けて排出される、請求項5記載のハイブリッド型船外機の制御装置。
- 前記プロペラの回転方向を表す方向指令を生成する方向指令手段をさらに含み、
前記制御手段は、前記方向指令手段によって生成される方向指令に基づいて前記プロペラの回転方向を判定する回転方向判定手段を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載のハイブリッド型船外機の制御装置。 - 前記第1モードから前記第2モードへの切り換えの前後に前記プロペラが発生する推進力が連続するように前記電動モータの目標回転速度を設定する電動モータ回転速度設定手段をさらに含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載のハイブリッド型船外機の制御装置。
- 前記第1モードから前記第2モードへの切り換えの前後に前記プロペラが発生する推進力が連続するように前記エンジンの目標回転速度を設定するエンジン回転速度設定手段をさらに含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載のハイブリッド型船外機の制御装置。
- プロペラ、前記プロペラを回転させるための駆動力を発生する電動モータ、および前記プロペラを回転させるための駆動力を発生させるとともに、水中排気を行うエンジンを備えるハイブリッド型船外機と、
このハイブリッド型船外機を制御するための請求項1〜9のいずれか一項に記載の制御装置とを含む、航走支援システム。 - 船体と、
プロペラ、前記プロペラを回転させるための駆動力を発生する電動モータ、および前記プロペラを回転させるための駆動力を発生させるとともに、水中排気を行うエンジンを備えるハイブリッド型船外機と、
このハイブリッド型船外機を制御するための請求項1〜9のいずれか一項に記載の制御装置とを含む、船舶。
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