JP4944253B2 - 容器詰緑茶飲料及びその製造方法 - Google Patents
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Description
特許文献2には、高温抽出茶飲料と同程度の高い香りをもち、低温抽出茶飲料と同程度の深い旨味と強いコク、弱い渋みを有する茶飲料として、茶葉を80〜100℃の高温水中で30〜90秒抽出した後、冷水を加えて30〜50℃の低温とした後、120〜300秒抽出する2段階抽出法により得られる茶飲料が開示されている。
特許文献4には、香味を向上させるために玉露茶と深蒸し茶の抽出液を混合する方法が開示されている。
特許文献6には、茶生葉を釜で炒ることによって、加熱による火入れ茶特有の芳香を発揚させ、茶の香味を向上させる方法が提案されている。
特許文献7には、淹れたての茶の香気を有しかつバランスのとれた香味を有する密封容器入り緑茶飲料を提供するべく、茶葉(緑茶)から45〜70℃のイオン交換水等の低温水性媒体により抽出された緑茶抽出液に、茶生葉から湯水で抽出した抽出物をそのまま、又は、濃縮及び/若しくは乾燥した生葉抽出エキスを配合して、密封容器入り緑茶飲料を製造する方法が提案されている。
特許文献9には、緑茶特有の香り、旨味やコク味を適度に有し、色調が薄い緑黄色を呈し、長期保存しても沈殿を生じない半透明緑茶飲料の製造法として、緑茶をpH8.0〜10.0で温水抽出し、該抽出液をpH5.5〜7.0、濁度が660nmにおけるT%で83〜93%となるようにそれぞれ調整した後包装容器に充填、密封する方法が開示されている。
特許文献11及び特許文献12には、渋味や苦味を抑えた容器詰飲料として、高濃度カテキン類を含有した緑茶抽出物に炭水化物を適宜割合で配合してなる容器詰飲料が開示されている。
本発明は、このような課題を解決して、味と香りのバランスがよく、滋味がありながらもスッキリとした後味を備えており、冷めた状態でも香り立ちと滋味のある、新たな容器詰緑茶飲料を提供せんとするものである。
「主成分」とは、当該主成分の機能を妨げない範囲で他の成分を含有することを許容する意を包含する。この際、当該主成分の含有割合を特定するものではないが、緑茶を抽出して得られた抽出液乃至抽出物が、固形分濃度として、飲料中の50質量%以上、特に70質量%以上、中でも特に80質量%以上(100%含む)を占めるのが好ましい。
かかる観点から、糖類濃度は、好ましくは90ppm〜120ppmである。
糖類の濃度を上記範囲に調整するには、茶葉の乾燥(火入)加工や抽出を適宜条件にして調整することができる。例えば、茶葉の乾燥(火入)加工を強くすると糖類は分解されて減少し、また、高温で長時間抽出すると糖類は分解されて減少する。しかるに、茶葉の乾燥(火入)条件と、抽出条件により糖類濃度を調整できる。
この際、糖類を添加して調整することも可能であるが、緑茶飲料のバランスが崩れるおそれがあるため、糖類を添加することなく、茶抽出液を得るための条件を調整するほか、茶抽出液どうしの混合、或いは茶抽出物の添加などによって調整するのが好ましい。
かかる観点から、還元糖の濃度に対する非還元糖の濃度の比率(非還元糖/還元糖)は、好ましくは2.5〜7.2、特に好ましくは2.9〜7.0である。
還元糖に対する非還元糖の濃度の比率を上記範囲に調整するには、茶葉の乾燥(火入)加工や抽出を適宜条件にして調整することができる。例えば、茶葉に乾燥(火入)加工を施すと、先ず還元糖が減少し、次に非還元糖が減少していくため、茶葉に乾燥(火入)加工を施し、低温長時間で抽出することで、非還元糖/還元糖の比率を低くすることができる。
この際、糖類を添加して調整することも可能であるが、緑茶飲料のバランスが崩れるおそれがあるため、糖類を添加することなく茶抽出液を得るための条件を調整するほか、茶抽出液どうしの混合、或いは茶抽出物の添加などによって調整するのが好ましい。
総カテキン類濃度は、特に350ppm〜850ppmであるのがより好ましく、中でも特に400ppm〜850ppmであるのがさらに好ましい。
この際、総カテキン類とは、カテキン(C)、ガロカテキン(GC)、カテキンガレート(Cg)、ガロカテキンガレート(GCg)、エピカテキン(EC)、エピガロカテキン(EGC)、エピカテキンガレート(ECg)
及びエピガロカテキンガレート(EGCg)の合計8種の意味であり、総カテキン類濃度とは8種類のカテキン濃度の合計値の意味である。
総カテキン類濃度を上記範囲に調整するには、抽出条件で調整するようにすればよい。この際、カテキン類を添加して調整することも可能であるが、緑茶飲料のバランスが崩れるおそれがあるため、茶抽出液を得るための条件を調整するほか、茶抽出液どうしの混合、或いは茶抽出物の添加などによって調整するのが好ましい。
電子局在カテキン濃度は、特に305ppm〜750ppmであるのがより好ましい。
なお、本発明でいう「電子局在カテキン」とは、トリオール構造(ベンゼン環にOH基が3基隣り合う構造)を有し、イオン化したときに電荷の局在が起こりやすいと考えられるカテキンであり、具他的には、エピガロカテキンガレート(EGCg)、エピガロカテキン(EGC)、エピカテキンガレート(ECg)、ガロカテキンガレート(GCg)、ガロカテキン(GC)
、カテキンガレート(Cg)などがある。
電子局在カテキン濃度を上記範囲に調整するには、抽出条件で調整すればよいが、抽出時間や温度で変化しやすく、飲料の香気保持の面からも、温度が高すぎたり、抽出時間が長すぎたりするのは好ましくない。この際、電子局在カテキンを添加して調整することも可能であるが、緑茶飲料のバランスが崩れるおそれがあるため、茶抽出液を得るための条件を調整するほか、茶抽出液どうしの混合、或いは茶抽出物の添加などによって調整するのが好ましい。
糖類濃度に対する電子局在カテキン濃度の比率(電子局在カテキン/糖類)は、3.6〜6.8であるのが特に好ましい。
糖類濃度に対する電子局在カテキン濃度の比率を上記範囲に調整するには、抽出条件で調整可能であるが、カテキンは高温での抽出率が高まるが、糖類は分解しやすい為、抽出時間は短いほうが好ましい。この際、電子局在カテキン及び糖類を添加して調整することも可能であるが、緑茶飲料のバランスが崩れるおそれがあるため、茶抽出液を得るための条件を調整するほか、茶抽出液どうしの混合、或いは茶抽出物の添加などによって調整するのが好ましい。
なお、テアニンは、緑茶等に含まれるグルタミン酸の誘導体であり、例えば、L−グルタミン酸−γ−エチルアミド(L−テアニン)、L−グルタミン酸−γ−メチルアミド、D−グルタミン酸−γ−エチルアミド(D−テアニン)、D−グルタミン酸−γ−メチルアミド等のL−またはD−グルタミン酸−γ−アルキルアミド、L−またはD−グルタミン酸−γ−アルキルアミドを基本構造に含む誘導体(例えばL−またはD−グルタミン酸−γ−アルキルアミドの配糖体など)などがある。
テアニン濃度に対する糖類濃度の比率を上記範囲に調整するには、原料の乾燥条件を強めるようにすればよい。この際、糖類及びテアニンを添加して調整することも可能であるが、緑茶飲料のバランスが崩れるおそれがあるため、茶抽出液を得るための条件を調整するほか、茶抽出液どうしの混合、或いは茶抽出物の添加などによって調整するのが好ましい。
本容器詰緑茶飲料の茶葉由来の可溶性固形分は、0.25%〜0.42%であるのがより好ましく、中でも特に0.30%〜0.40%であるのがさらに好ましい。
茶葉由来の可溶性固形分を上記範囲に調整するには、茶葉量と抽出条件で適宜調整できる。
かかる観点から、茶葉由来の可溶性固形分濃度に対する糖類濃度の比率は、2.6〜4.4であるのがより好ましく、中でも特に2.8〜4.0であるのがさらに好ましい。
茶葉由来の可溶性固形分濃度に対する糖類濃度の比率を上記範囲に調整するには、茶葉量を増やすことにより固形分濃度を高めることができ、原料茶の乾燥条件との組み合わせにより比率を調整することができる。この際、糖類を添加して調整することも可能であるが、緑茶飲料のバランスが崩れるおそれがあるため、茶抽出液を得るための条件を調整するほか、茶抽出液どうしの混合、或いは茶抽出物の添加などによって調整するのが好ましい。
かかる観点から、茶葉由来の可溶性固形分濃度に対する電子局在カテキン濃度の比率は、15.0〜19.5であるのがより好ましい。
茶葉由来の可溶性固形分濃度に対する電子局在カテキン濃度の比率を上記範囲に調整するには、抽出温度でカテキンの溶出性が異なるので抽出条件等で調整するようにすればよい。この際、糖類を添加して調整することも可能であるが、緑茶飲料のバランスが崩れるおそれがあるため、茶抽出液を得るための条件を調整するほか、茶抽出液どうしの混合、或いは茶抽出物の添加などによって調整するのが好ましい。
茶葉由来の可溶性固形分濃度に対する総カテキン類濃度の比率は、17.0〜22.0であるのがより好ましく、中でも特に18.0〜21.6であるのがさらに好ましい。
茶葉由来の可溶性固形分濃度に対する総カテキン類濃度の比率を上記範囲に調整するには、茶葉の乾燥条件や抽出条件で調整するようにすればよい。
この際、カテキン類を添加して調整することも可能であるが、緑茶飲料のバランスが崩れるおそれがあるため、茶抽出液を得るための条件を調整するほか、茶抽出液どうしの混合、或いは茶抽出物の添加などによって調整するのが好ましい。
かかる観点から、ゲラニオールに対するフルフラールの含有比(フルフラール/ゲラニオール)は、0.6〜2.9であるのが特に好ましく、中でも0.8〜2.6であるのがさらに好ましい。
ゲラニオールに対するフルフラールの含有比を上記範囲に調整するには、茶葉の乾燥(火入)加工を適宜条件にして調整することができる。例えば、茶葉に低温で乾燥(火入)加工を施すと含有比を小さくし、茶葉に高温で乾燥(火入)加工を施すと含有比を大きくすることができる。
この際、フルフラール及びゲラニオールを含む香料などを添加して調整することも可能であるが、緑茶飲料のバランスが崩れるおそれがあるため、茶抽出液を得るための条件を調整するほか、茶抽出液どうしの混合、或いは茶抽出物の添加などによって調整するのが好ましい。
かかる観点から、90積算質量%の粒子径(D90)は、好ましくは2700μm以上である。
90積算質量%の粒子径(D90)を上記範囲に調整するには、原料に乾燥(火入)加工を施すことや抽出液を濾過することなどにより調整することができる。この濾過としては、限外濾過、微細濾過、精密濾過、逆浸透膜濾過、電気透析、生物機能性膜などの膜濾過、その他多孔質媒体を用いた濾滓濾過などを挙げることができる。中でも生産性と粒子径調整の観点から、シリカ分を多く含んだ濾剤又は珪藻土などの多孔質媒体のどちらか一方又は両方を用いた濾滓濾過によって調整可能である。
かかる観点から、10積算質量%の粒子径(D10)は、より好ましくは400μm以上、特に好ましくは1000μm以上である。
10積算質量%の粒子径(D10)を上記範囲に調整するには、原料に乾燥(火入)加工を施すことや抽出液を濾過することにより調整することができる。この濾過としては、限外濾過、微細濾過、精密濾過、逆浸透膜濾過、電気透析、生物機能性膜などの膜濾過、その他多孔質媒体を用いた濾滓濾過などを挙げることができる。中でも生産性と粒子径調整の観点から、シリカ分を多く含んだ濾剤又は珪藻土などの多孔質媒体のどちらか一方又は両方を用いた濾滓濾過によって調整可能である。
なお、上記D90及びD10の粒子径は、本容器詰緑茶飲料中の多糖類、タンパク質、などの水不溶性固形分や抽出残渣等の粒子の径、またそれらを核として他の成分が吸着して析出するなどした粒子の径を測定したものである。
また、ゲラニオールに対するフルフラールの含有比は、SPME法(固相マイクロ抽出法)などで測定することができ、上記D90及びD10は、レーザー回析式粒度分布測定装置などにより測定することができる。
本容器詰緑茶飲料を充填する容器は、特に限定するものではなく、例えばプラスチック製ボトル(所謂ペットボトル)、スチール、アルミなどの金属缶、ビン、紙容器などを用いることができ、特に、ペットボトルなどの透明容器等を好ましく用いることができる。
本容器詰緑茶飲料は、例えば、茶葉原料の選定と共に、茶葉の乾燥(火入)加工や抽出の条件を適宜調整して、飲料中の還元糖の濃度と非還元糖の濃度とを合わせた糖類濃度を75ppm〜250ppmに調整し、還元糖の濃度に対する非還元糖の濃度の比率(非還元糖/還元糖)を2.0〜8.0に調整し、且つ、90積算質量%の粒子径(D90)を2500μm以上に調整することにより製造することができる。
例えば、茶葉を200℃〜270℃で乾燥(火入)加工し、その茶葉を高温短時間で抽出した抽出液と、従来一般的な緑茶抽出液、すなわち茶葉を80℃〜150℃で乾燥(火入)加工し、その茶葉を低温長時間で抽出した抽出液とを用意し、これらを濾過した後、適宜割合で配合することにより、本容器詰緑茶飲料を製造することができる。
乾燥加工に関しては、茶加工でいう「火入」すなわち、緑茶特有の香りを引き立たせる工程が好ましい。例えば棚式、ドラム式などの方式で、乾燥熱風、直火、遠赤外線などを単独或いは複数組み合わせ利用することが、火香や甘香の面でより好ましい。但し、このような製造方法に限定されるものではない。
また、粒子径を調整するには、茶葉に乾燥(火入)加工を施すことによりできるが、抽出液に、シリカ分を多く含んだ濾剤を用いるシリカ吸着や珪藻土濾過などの多孔質媒体を用いた珪藻土濾過などの濾滓濾過をすることが好ましい。
珪藻土濾過の一例としては、濾過担体表面に珪藻土からなる助剤層(プリコート)を形成させ、必要に応じて珪藻土濾過剤を原液(未濾過液としての茶抽出液)に注入(ボディフィード)しながら、原液(未濾過液としての茶抽出液)を前記助剤層に送るようにすればよい。
ここで、「プリコート」とは、濾過操作の前に、助剤を清澄な液体に分散させ、これを循環させて、濾過担体(例えば金属製の網(leaf)、厚手濾紙(filter pad)、積層金属環(candle)、セラミック筒(candle)など)の表面に厚さ数mmの助剤の層を形成することであり、これによって懸濁固形分が濾材に直接付着して汚染することを防ぐことができ、また、濾液の清澄度を向上させることができる。
また、本発明で用いる珪藻土には、酸処理によって鉄が溶出除去された珪藻土を用いるのが好ましい。鉄は、緑茶飲料において味に影響するばかりか、褐変の原因にもなるからである。珪藻土の酸処理の方法については、特に限定するものではないが、例えば、混合槽に珪藻土と酸性水とを投入した後攪拌する方法や、混合槽中の珪藻土と水との混合物に酸を添加した後攪拌する方法など、任意の方法で珪藻土と酸性水とを接触させた後、固液分離に続いて水洗浄し、水懸濁状態又は湿潤状態のまま珪藻土を用いる方法などを採用することができる。水懸濁状態又は湿潤状態のまま珪藻土を用いることにより、珪藻土から溶出する鉄分をより低減させることができる。なお、ここでの酸性水とは、pH7.0未満、好ましくはpH1〜5の酸性水(酸性を呈する水溶液)であり、例えばクエン酸、乳酸、酢酸等の有機酸や、燐酸、硝酸、塩酸等の無機酸の水溶液などを挙げることができる。
珪藻土にシリカゲル、パーライト、セルロース等の他の濾過助剤を混合して用いてもよい。
シリカ吸着は、茶抽出液にシリカを添加して茶抽出液とシリカとを接触させ、茶抽出液中のオリ成分を選択的にシリカに吸着させ、添加したシリカを後工程にて除去すればよい。
シリカ(二酸化珪素;SiO2)は、結晶質及び非晶質のいずれでもよい。また、天然物及び合成物のいずれでもよい。合成物の場合、乾式法(気相法)、湿式法(水ガラス法;ゲルタイプ及び沈降性タイプを含む)、ゾル・ゲル法などの任意の合成法により製造されたシリカを用いることができる。
シリカ含有物としては、例えば天然物である珪酸塩や珪藻土等の粘土鉱物、水晶、石英などを挙げることができる。
シリカの添加量は、抽出する緑茶原料(茶葉質量)に対し0.5〜20倍量、特に1〜10倍量とするのが好ましい。
添加量のほか、シリカの粒子径、細孔径、電荷、シリカ表面に存在する水酸基(シラノール基)を制御することにより、シリカの吸着性能を調整し、これによって吸着除去するタンパク質や多糖類の種類と量を調整して緑茶飲料の香味を調整することができる。
この際、茶抽出液中にシリカを添加した後、茶抽出液を20〜40℃になるまで冷却させながらシリカと接触させるのが好ましい。茶抽出液を20℃以下まで冷却させると、クリームダウンが生じてシリカの吸着能力を低下させるおそれがある。その一方、40℃よりも高くすると茶抽出液が熱によって変化し香味が損なわれる可能性がある。
また、シリカを添加する茶抽出液は、弱酸性領域(pH4.5〜5.5)に調整するのが好ましい。弱酸性領域に調整することでカテキン類の変化が抑えられる。なお、pH4.5より低くするとクリームダウンが生じてシリカの吸着能力を低下させるおそれがある点に注意する必要がある。
茶抽出液からシリカを除去するには、シリカを除去するためのシリカ濾過工程を別途挿入するようにしてもよいし、吸着工程に続く遠心分離、珪藻土濾過或いはその他の濾過工程でシリカを除くようにしてもよい。
本発明において「緑茶飲料」とは、茶を抽出して得られた茶抽出液乃至茶抽出物を主成分とする飲料の意である。
また、「容器詰緑茶飲料」とは、容器に詰めた緑茶飲料の意であるが、同時に希釈せずに飲用できる緑茶飲料の意味でもある。
なお、実施例において「還元糖の濃度」とは、グルコース(ブドウ糖)、フルクトース(果糖)、セロビオース及びマルトース(麦芽糖)の濃度合計の意味であり、「非還元糖の濃度」とは、スクロース(蔗糖)、スタキオース及びラフィノースの濃度合計の意味である。
以下の抽出液A〜Dを作製し、これらを用いて実施例1〜4及び比較例1〜7の茶飲料を作製して、官能評価を行なった。
摘採後の茶葉(やぶきた種、鹿児島県産1番茶)を、荒茶加工し、回転ドラム型火入機で設定温度85℃、乾燥時間25分の条件にて乾燥加工(火入加工)を施し、その茶葉を、茶葉90g、60℃の熱水10L、抽出時間7分の条件にて抽出した。この抽出液をステンレスメッシュ(20メッシュ)で濾過して茶殻を取り除いた後、さらに、ステンレスメッシュ(80メッシュ)で濾過して抽出液Aを得た。
摘採後の茶葉(やぶきた種、鹿児島県産1番茶)を、荒茶加工し、回転ドラム型火入機で設定温度145℃、乾燥時間20分の条件にて乾燥加工(火入加工)を施し、その茶葉を、茶葉80g、85℃の熱水10L、抽出時間5.5分の条件にて抽出した。この抽出液をステンレスメッシュ(20メッシュ)で濾過して茶殻を取り除いた後、さらに、ステンレスメッシュ(80メッシュ)で濾過して抽出液Bを得た。
摘採後の茶葉(やぶきた種、宮崎県産3番茶)を、釜炒り製法で荒茶加工し、回転ドラム型火入機で設定温度265℃、乾燥時間15分の条件にて乾燥加工(火入加工)を施し、その茶葉を、茶葉55g、90℃の熱水10L、抽出時間5.5分の条件にて抽出した。この抽出液をステンレスメッシュ(20メッシュ)で濾過して茶殻を取り除いた後、さらに、ステンレスメッシュ(80メッシュ)で濾過して抽出液Cを得た。
摘採後の茶葉(やぶきた種、宮崎県産3番茶)を、釜炒り製法で荒茶加工し、回転ドラム型火入機で設定温度200℃、乾燥時間15分の条件にて乾燥加工(火入加工)を施し、その茶葉を、茶葉100g、85℃の熱水10L、抽出時間3.5分の条件にて抽出した。この抽出液をステンレスメッシュ(20メッシュ)で濾過して茶殻を取り除いた後、さらに、ステンレスメッシュ(80メッシュ)で濾過して抽出液Dを得た。
各抽出液A〜Dを2つの容器に分け、一方をネル布を用いてネル濾過して抽出液A1〜D1を作製し、他方をネル布を用いてネル濾過した後さらに珪藻土(昭和化学工業製「P5」)1m2あたり700gを用いて厚さ2mmのプリコートを濾過担体(ADVANTEC社製 FILTER PAD)上に形成した濾盤に、液量に対して0.2質量%の珪藻土をボディーフィードして珪藻土濾過をして抽出液A2〜D2を作製した。
上記各抽出液の1/10量を量り取り、アスコルビン酸を400ppm添加した後、重曹を添加してpH6.2に調整し、イオン交換水を加えて全量を500mlに調整し、この液をUHT殺菌(135℃、30秒)を行い、プレート内で冷却し、85℃にて透明プラスチック容器(PETボトル)に充填して容器詰緑茶飲料とした。その後キャップ部を30秒間転倒殺菌し、直ちに20℃まで冷却した溶液を、レーザー回析粒度分布測定装置(島津製作所製「SALD−2100」)を用い、90積算質量%の粒子径(D90)及び10積算質量%の粒子径(D10)を測定した。測定した結果を下記表1に示す。
抽出液A1〜D1及びA2〜D2を、以下の表2に示す割合で配合した。さらに適宜ゲラニオール及びフルフラールを含む抽出エキスを添加し、アスコルビン酸を400ppm添加した後、重曹を添加してpH6.2に調整し、イオン交換水を加えて全量を5000mlに調整し、この液をUHT殺菌(135℃、30秒)を行い、プレート内で冷却し、85℃にて透明プラスチック容器(PETボトル)に充填して容器詰緑茶飲料とした。その後キャップ部を30秒間転倒殺菌し、直ちに20℃まで冷却し、実施例1〜4及び比較例1〜7の緑茶飲料を作製した。
実施例1〜4及び比較例1〜7の緑茶飲料の成分及びpHを以下に示したとおり測定した。その結果を下記表3に示す。
カラム:Dionex社製「Carbopack PA1 φ4.6×250mm」
カラム温度:30℃
移動相:A相200mM NaOH
:B相1000mM Sodium Acetate
:C相超純水
流速:1.0mL/min
注入量:50μL
検出:Dionex社製「ED50 金電極」
カラム:waters社製「Xbridge shield RP18 φ3.5×150mm」
カラム温度:40℃
移動相:A相水
:B相アセトニトリル
:C相1%リン酸
流速:0.5mL/min
注入量:5μL
検出:waters社製「UV検出器UV230nm 」
ゲラニオールに対するフルフラールの含有比は、得られたMSスペクトルより、特徴のあるピークを選定し面積値から算出した。
SPMEファイバー:スペルコ社製「DVB/carboxen/PDMS」
GC-MSシステム
装置:アジレント社製5973N
カラム:アジレント社製「DB-WAX,60m×0.25mm×0.25μm」
カラムオーブン:35〜240℃,6℃/min
実施例1〜4及び比較例1〜7の緑茶飲料を用い、初期の香り、中間の香り、口に残る香り、滋味、経時(二次沈殿、色調変化)について評価した。
実施例1〜4及び比較例1〜7の緑茶飲料を常温で1週間保管した後、5℃に冷却した。これを20人の日頃緑茶を飲みなれている一般消費者に試飲してもらい、以下の評価で点数を付け、20人の平均点が3.5以上を「◎」、3以上3.5未満を「○」、2以上3未満を「△」、1以上2未満を「×」として評価した。また、経時(二次沈殿、色調変化)については、実施例1〜4及び比較例1〜7の緑茶飲料を25℃にて4ヵ月間保管し、上記審査官に目視にて評価してもらった。これらの結果を、上記表3に示す。
特に強い=4
強い=3
ある=2
弱い=1
特に強い=4
強い=3
ある=2
弱い=1
特に強い=4
強い=3
ある=2
弱い=1
特に良い=4
良い=3
普通=2
弱い=1
−:なし=4
±:近め(10cm程度の距離)から目視して、沈殿物が確認される=2
+:遠め(50cm程度の距離)から目視して、容器下部に「米粒大程度のサイズ」の沈殿物が確認される=0
変化少ない=4
やや変化している=3
変化している=2
変化が著しい=1
総合(内質)として、初期の香り、中間の香り、口に残る香り、滋味の評価試験の平均点を算出し、平均点が3.5以上を「◎」、3以上3.5未満を「○」、2以上3未満を「△」、1以上2未満を「×」として評価した。
総合(外観)として、二次沈殿、色調変化の評価試験の平均点を算出し、平均点が3.5以上を「◎」、3以上3.5未満を「○」、2以上3未満を「△」、1以上2未満を「×」として評価した。
総合評価として、総合(内質)及び総合(外観)の平均点を算出し、平均点が3.5以上を「◎」、3以上3.5未満を「○」、2以上3未満を「△」、1以上2未満を「×」として評価した。
実施例1〜4は、いずれも総合評価「○」以上の評価であり好適な結果が得られた。
一方、比較例1〜7は、いずれも総合評価「×」の評価であり、好ましくない結果であった。
これら結果から、糖類濃度は75ppm〜250ppmの範囲、還元糖の濃度に対する非還元糖の濃度の比率(非還元糖/還元糖)は2.0〜8.0の範囲、90積算質量%の粒子径(D90)は2500以上の範囲が、初期の香り、中間の香り、口に残る香り、滋味、二次沈殿、色調変化が良好になる範囲であると想定され、これらがこの範囲にある緑茶飲料は、味と香りのバランスがよく、滋味がありながらもスッキリとした後味を備えており、冷めた状態でも香り立ちと滋味のある飲料になることが見出せた。
以下の抽出液E,Fを作製し、これらを用いて実施例5〜9を作製して官能評価により、後味、香味のバランスの評価を行った。
摘採後の茶葉(やぶきた種、鹿児島県産1番茶)を、荒茶加工し、回転ドラム型火入機で設定温度210℃、乾燥時間14分の条件にて乾燥加工(火入加工)を施し、その茶葉を、茶葉100g、85℃の熱水10L、抽出時間5分の条件にて抽出した。この抽出液をステンレスメッシュ(20メッシュ)で濾過して茶殻を取り除いた後、さらに、ステンレスメッシュ(80メッシュ)で濾過し、その濾液を、SA1連続遠心分離機(ウエストファリアー社製)を用いて流速300L/h、回転数10000rpm、遠心沈降液面積(Σ)1000m2の条件にて遠心分離し、さらに酸処理した珪藻土を1m2あたり700gを用いて厚さ2mmのプリコートを濾過担体(ADVANTEC社製 FILTER PAD)上に形成した濾盤に、液量に対して0.2質量%の酸処理した珪藻土をボディーフィードして抽出液Eを得た。この際、珪藻土は、昭和化学工業製「ラヂオライト♯300」を40倍量の硫酸液(pH1.5)に浸し、2時間攪拌しながら室温にて放置した後、水洗いして濾液がpH5になるまで洗浄した後、回転式ドラムにて乾燥させたものを用いた。
摘採後の茶葉(やぶきた種、宮崎県産3番茶)を、釜炒り製法で荒茶加工し、回転ドラム型火入機で設定温度255℃、乾燥時間14分の条件にて乾燥加工(火入加工)を施し、その茶葉を、茶葉90g、75℃の熱水10L、抽出時間4分の条件にて抽出した。この抽出液をステンレスメッシュ(20メッシュ)で濾過して茶殻を取り除いた後、さらに、ステンレスメッシュ(80メッシュ)で濾過し、その濾液を、SA1連続遠心分離機(ウエストファリアー社製)を用いて流速300L/h、回転数10000rpm、遠心沈降液面積(Σ)1000m2の条件にて遠心分離し、さらに酸処理した珪藻土を1m2あたり700gを用いて厚さ2mmのプリコートを濾過担体(ADVANTEC社製 FILTER PAD)上に形成した濾盤に、液量に対して0.2質量%の酸処理した珪藻土をボディーフィードして抽出液Fを得た。この際、珪藻土は、昭和化学工業製「ラヂオライト♯300」を40倍量の硫酸液(pH1.5)に浸し、2時間攪拌しながら室温にて放置した後、水洗いして濾液がpH5になるまで洗浄した後、回転式ドラムにて乾燥させたものを用いた。
各抽出液E及びFの1/10量を量り取り、アスコルビン酸を400ppm添加した後、重曹を添加してpH6.2に調整し、イオン交換水を加えて全量を1000mlに調整し、この液をUHT殺菌(135℃、30秒)を行い、プレート内で冷却し、85℃にて透明プラスチック容器(PETボトル)に充填して容器詰緑茶飲料とした。その後キャップ部を30秒間転倒殺菌し、直ちに20℃まで冷却した溶液を、レーザー回析粒度分布測定装置(島津製作所製「SALD−2100」)を用い、90積算質量%の粒子径(D90)及び10積算質量%の粒子径(D10)を測定した。その測定結果を下記表4に示す。
抽出液E,Fを、以下の表5に示す割合で配合し、アスコルビン酸を400ppm添加した後、重曹を添加してpH6.2に調整し、イオン交換水を加えて全量を10000mlに調整し、この液をUHT殺菌(135℃、30秒)を行い、プレート内で冷却し、85℃にて透明プラスチック容器(PETボトル)に充填して容器詰緑茶飲料とした。その後キャップ部を30秒間転倒殺菌し、直ちに20℃まで冷却し、実施例5〜9の緑茶飲料を作製した。
実施例5〜9の緑茶飲料の成分及びpHを測定した結果を下記表6に示す。成分及びpHは、上記と同様に測定した。
実施例5〜9の緑茶飲料を、後味、香味のバランスについて評価した。
実施例5〜9の緑茶飲料を37℃で1.5ヶ月間保管した後、5℃に冷却した。これを20人の日頃緑茶を飲みなれている一般消費者に、試飲してもらい、以下の評価で点数を付け、20人の平均点が3.5以上を「◎」、3以上3.5未満を「○」、2以上3未満を「△」、1以上2未満を「×」として評価した。これらの結果を、上記表6に示す。
特に良好=4
良好=3
普通=2
悪い=1
特に良好=4
良好=3
僅かに崩れる=2
崩れる=1
実施例5〜7は、いずれも「○」以上の評価であり好適な結果が得られた。
一方、実施例8,9は「△」の評価であり、実施例5〜7の結果と比較すると若干劣る結果であった。
これら結果から、糖類/(茶葉由来可溶性固形分×100)が2.5〜5.0の範囲であると、後味及び香味のバランスが良好になる範囲であると想定され、これらがこの範囲にある緑茶飲料は、冷めた状態でも後味がよく、香味のバランスのある飲料になることが見出せた。
以下の抽出液G,Hを作製し、これらを用いて実施例10〜14の緑茶飲料を作製して経時後の官能評価を行なった。
摘採後の茶葉(やぶきた種、鹿児島県産1番茶)を、荒茶加工し、回転ドラム型火入機で設定温度265℃、乾燥時間15分の条件にて乾燥加工(火入加工)を施し、その茶葉を、茶葉80g、80℃の熱水10L、抽出時間5分の条件にて抽出した。この抽出液をステンレスメッシュ(20メッシュ)で濾過して茶殻を取り除いた後、さらに、ステンレスメッシュ(80メッシュ)
で濾過し、その濾液を、SA1連続遠心分離機(ウエストファリアー社製)を用いて流速300L/h、回転数10000rpm、遠心沈降液面積(Σ)1000m2の条件にて遠心分離し、さらに酸処理した珪藻土を1m2あたり700gを用いて厚さ2mmのプリコートを濾過担体(ADVANTEC社製 FILTER PAD)上に形成した濾盤に、液量に対して0.2質量%の酸処理した珪藻土をボディーフィードして抽出液Gを得た。この際、珪藻土は、昭和化学工業製「ラヂオライト♯300」を40倍量の硫酸液(pH1.5)に浸し、2時間攪拌しながら室温にて放置した後、水洗いして濾液がpH5になるまで洗浄した後、回転式ドラムにて乾燥させたものを用いた。
摘採後の茶葉(やぶきた種、静岡県産1番茶)を、釜炒り製法で荒茶加工し、回転ドラム型火入機で設定温度115℃、乾燥時間32分の条件にて乾燥加工(火入加工)を施し、その茶葉を、茶葉110g、90℃の熱水10L、抽出時間4分の条件にて抽出した。この抽出液をステンレスメッシュ(20メッシュ)で濾過して茶殻を取り除いた後、さらに、ステンレスメッシュ(80メッシュ)で濾過し、その濾液を、SA1連続遠心分離機(ウエストファリアー社製)を用いて流速300L/h、回転数10000rpm、遠心沈降液面積(Σ)1000m2の条件にて遠心分離し、さらに酸処理した珪藻土を1m2あたり700gを用いて厚さ2mmのプリコートを濾過担体(ADVANTEC社製 FILTER PAD)上に形成した濾盤に、液量に対して0.2質量%の酸処理した珪藻土をボディーフィードして抽出液Hを得た。この際、珪藻土は、昭和化学工業製「ラヂオライト♯300」を40倍量の硫酸液(pH1.5)に浸し、2時間攪拌しながら室温にて放置した後、水洗いして濾液がpH5になるまで洗浄した後、回転式ドラムにて乾燥させたものを用いた。
各抽出液G,Hの1/10量を量り取り、アスコルビン酸を400ppm添加した後、重曹を添加してpH6.2に調整し、イオン交換水を加えて全量を1000mlに調整し、この液をUHT殺菌(135℃、30秒)を行い、プレート内で冷却し、85℃にて透明プラスチック容器(PETボトル)に充填して容器詰緑茶飲料とした。その後キャップ部を30秒間転倒殺菌し、直ちに20℃まで冷却した溶液を、レーザー回析粒度分布測定装置(島津製作所製「SALD−2100」)を用い、90積算質量%の粒子径(D90)及び10積算質量%の粒子径(D10)を測定した。その測定結果を下記表7に示す。
抽出液G,Hを、以下の表8に示す割合で配合し、アスコルビン酸を400ppm添加した後、重曹を添加してpH6.2に調整し、イオン交換水を加えて全量を10000mlに調整し、この液をUHT殺菌(135℃、30秒)を行い、プレート内で冷却し、85℃にて透明プラスチック容器(PETボトル)に充填して容器詰緑茶飲料とした。その後キャップ部を30秒間転倒殺菌し、直ちに20℃まで冷却し、実施例10〜14を作製した。実施例10〜14の緑茶飲料の成分及びpHを測定した結果を下記表9示す。成分及びpHは、上記と同様に測定した。
実施例10〜14の緑茶飲料を、後味、初期の香り、中間の香り、口に残る香り、滋味、香味のバランス、外観について評価した。
実施例10〜14の緑茶飲料を25℃にて9ヶ月間保管した後、常温に戻した。これを20人の日頃緑茶を飲みなれている一般消費者に試飲してもらい、以下の評価で点数を付け、20人の平均点が3.5以上を「◎」、3以上3.5未満を「○」、2以上3未満を「△」、1以上2未満を「×」として評価した。これらの結果を、上記表9に示す。
特に良好=4
良好=3
普通=2
悪い=1
特に強い=4
強い=3
ある=2
弱い=1
特に強い=4
強い=3
ある=2
弱い=1
特に強い=4
強い=3
ある=2
弱い=1
特に良い=4
良い=3
普通=2
弱い=1
特に良好=4
良好=3
僅かに崩れる=2
崩れる=1
変化少ない=4
やや変化している=3
変化している=2
変化が著しい=1
後味、初期の香り、中間の香り、口に残る香り、滋味、香味のバランス、外観の評価試験の平均点を算出し、平均点が3.5以上を「◎」、3以上3.5未満を「○」、2以上3未満を「△」、1以上2未満を「×」として総合評価した。
実施例10〜12は、いずれも総合評価「○」の評価であり好適な結果が得られた。
一方、実施例13,14は「△」の評価であり、実施例10〜12の結果と比較すると若干劣る結果であった。
これら結果から、電子局在カテキン/(茶葉由来可溶性固形分×100)が15.0〜20.0の範囲であると、経時後でも、後味、香味のバランスが良好になる範囲であると想定され、これらがこの範囲にある緑茶飲料は、経時後でも後味及び香味のバランスが良好になる範囲であると想定され、これらがこの範囲にある緑茶飲料は、冷めた状態でも、滋味や香り立ちのある飲料になることが見出せた。
Claims (7)
- シリカ分を含む濾剤又は多孔質媒体をどちらか一方又は両方を用いて濾滓濾過した容器詰緑茶飲料であって、還元糖と非還元糖とを合わせた糖類の濃度が75ppm〜250ppmであり、還元糖の濃度に対する非還元糖の濃度の比率(非還元糖/還元糖)が2.0〜8.0であり、ゲラニオールに対するフルフラールの含有比(フルフラール/ゲラニオール)が0.5〜3.0であり、水不溶性固形分や抽出残渣の90積算質量%の粒子径(D90)が2500μm〜8000.80μmである容器詰緑茶飲料。
- 前記還元糖の濃度は、グルコース、フルクトース、セロビオース、マルトースの合計濃度であり、前記非還元糖の濃度は、スクロース、スタキオース、ラフィノースの合計濃度である請求項1に記載の容器詰緑茶飲料。
- 茶葉由来可溶性固形分の濃度に対する前記糖類の比率(糖類/(茶葉由来可溶性固形分×100))が2.5〜5.0である請求項2に記載の容器詰緑茶飲料。
- 茶葉由来可溶性固形分の濃度に対する電子局在カテキンの濃度の比率(電子局在カテキン/(茶葉由来可溶性固形分×100))が15.0〜20.0である請求項1〜3のいずれかに記載の容器詰緑茶飲料。
- 前記電子局在カテキン濃度が、260ppm〜810ppmである請求項4に記載の容器詰緑茶飲料。
- 緑茶飲料中の還元糖の濃度と非還元糖の濃度とを合わせた糖類濃度を75ppm〜250ppmに調整し、還元糖の濃度に対する非還元糖の濃度の比率(非還元糖/還元糖)を2.0〜8.0に調整し、ゲラニオールに対するフルフラールの含有比(フルフラール/ゲラニオール)を0.5〜3.0に調整し、且つ、シリカ分を含む濾剤又は多孔質媒体をどちらか一方又は両方を用いた濾滓濾過によって水不溶性固形分や抽出残渣の90積算質量%の粒子径(D90)を2500μm〜8000.80μmに調整することを特徴とする容器詰緑茶飲料の製造方法。
- 緑茶飲料中の還元糖の濃度と非還元糖の濃度とを合わせた糖類濃度を75ppm〜250ppmに調整し、還元糖の濃度に対する非還元糖の濃度の比率(非還元糖/還元糖)を2.0〜8.0に調整し、ゲラニオールに対するフルフラールの含有比(フルフラール/ゲラニオール)を0.5〜3.0に調整し、且つ、シリカ分を含む濾剤又は多孔質媒体をどちらか一方又は両方を用いた濾滓濾過によって水不溶性固形分や抽出残渣の90積算質量%の粒子径(D90)を2500μm〜8000.80μmに調整することを特徴とする、容器詰緑茶飲料の香味改善方法。
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