JP2010000049A - ジャスミン茶飲料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ジャスミン茶のリナロールとメチルアンスラニレイトの総重量(A)に対するベンジルアルコール(B)の重量の割合(B)/(A)を、1.90以上とすること。
【効果】この(B)/(A)≧1.9となるジャスミン茶飲料を容器に充填して冷蔵し、冷蔵状態で飲用しても華やかで強いトップノートを有し、そのトップノートの拡散性は、ホットジャスミン茶飲料のように華やかで強いことを確認した。また、トップノートだけでなく、飲用後(飲み込んだ後)のラストノートにまで、ジャスミンの甘い花香が持続する(残香性を有する)従来にないタイプの容器入りジャスミン茶飲料である。
【選択図】なし
Description
1.(A)リナロール及びメチルアンスラニレイト、並びに(B)ベンジルアルコールを含有し、前記(A)の総重量に対する前記(B)の重量の割合((B)/(A))が1.90以上である、ジャスミン茶飲料。
2.(A)リナロール及びメチルアンスラニレイト、並びに(B)ベンジルアルコールを、茶葉抽出物として含有する、1に記載のジャスミン茶飲料。
3.室温以下の温度で飲用するための容器入り飲料である、1又は2に記載のジャスミン茶飲料。
4.680nmにおける吸光度が、0.015以下である、1〜3のいずれかに記載のジャスミン茶飲料。
5.Naイオンを60ppm以上含有する、1〜4のいずれかに記載のジャスミン茶飲料。
6.非重合カテキンを300ppm以上含有する、1〜5のいずれかに記載のジャスミン茶飲料。
7.(A)リナロール及びメチルアンスラニレイトと(B)ベンジルアルコールを、前記(A)の総重量に対する前記(B)の重量の割合が1.90以上となるように含有させることによる、ジャスミン茶飲料の香味増強方法。
8.(A)リナロール及びメチルアンスラニレイトと(B)ベンジルアルコールを、前記(A)の総重量に対する前記(B)の重量の割合が1.90以上となるように含有させることを特徴とする、ジャスミン茶飲料の製造方法。
本明細書におけるジャスミン茶飲料とは、ジャスミン茶葉の抽出物、すなわち緑茶又は弱発酵茶に天然のジャスミンの花を混ぜて印花し着香させた茶葉から抽出して得られた茶飲料や、天然のジャスミンの花の抽出物を含有する茶飲料をいう。
本発明のジャスミン茶飲料は、(A)リナロール及びメチルアンスラニレイト、並びに(B)ベンジルアルコールを含有する。リナロール及びメチルアンスラニレイトの総重量に対するベンジルアルコールの重量の割合((B)/(A))は、1.90以上が好ましい。ジャスミンの花香は、通常、トップノートに強く感じられるものであるが、(B)/(A)が1.90以上であるとラストノートにまでジャスミンの甘い花香を維持でき、特に(B)/(A)が2.20以上であると飲用後(飲み込んだ後)にまでジャスミンの残香を強く感じることができるので好ましい。また、(B)/(A)が1.94以上であると、室温以下の温度、例えば冷蔵状態で飲用した場合にも、口に含んだときに感じられる、リナロール及びメチルアンスラニレイト由来のトップノート(極めて爽やかな香りで、雑味のない清涼感のあるジャスミンの香り)を増強することができる。すなわち、(B)/(A)が1.94以上、好ましくは2.20以上のジャスミン茶飲料は、ジャスミンの甘みのある味わいと、鼻の奥の方にまで薫ってくるジャスミンの香りとを、トップノート(口に含んだ瞬間)からラストノート(飲み込んだ後)まで堪能することができる。一方、(B)/(A)が1.90未満であるジャスミン茶飲料を冷蔵状態で飲用すると、重く清涼感に欠けた花香で、しかもその花香は極めて弱く、すぐに消失してしまう。本発明においては、(B)/(A)の割合は、1.90以上であれば特に制限されないが、ベンジルアルコールの含有率が高すぎる場合には、石鹸様の香りが強くなり花香と違う香味と感じられる可能性がある。従って、(B)/(A)の割合は、典型的には、10.0以下、好ましくは5.0以下とする。
(容器入りジャスミン茶飲料の製造方法)
本発明の容器入りジャスミン茶飲料は、常法により製造することができる。すなわち、1)ジャスミン茶を水性溶媒で抽出する抽出工程、
2)必要に応じて抽出液に酸化防止剤及び/又はpH調整剤を添加する調合工程、
3)抽出液又は調合液を加熱殺菌する殺菌工程、及び
4)容器に充填する充填工程
を含む製造法により製造される。
市販のペットボトル入りジャスミン茶飲料Aについて、その香気成分量を測定した。測定方法は以下のとおり。
GC:Agilent Technologies製 GC6890N
MS:Agilent Technologies製 5975inert
カラム
HP-1 0.32mmφ×30m(膜厚 5μm)
SPMEファイバー
Supelco製 65μm PDMS/DVB
定量イオン
Benzyl Alchol :m/z=108
Linalool :m/z=71
Benzyl acetate :m/z=108
indole :m/z=117
Methyl anthranilate :m/z=119
温度条件
35℃(3min保持)−10℃/min−250℃
キャリアガス流量
He 1.7ml/min.
注入法
スプリットレス 3min.
Inj温度
250℃
IF温度
250℃
イオン化室温度
250℃
EM電圧
2700eV
測定質量範囲
29〜350amu
ジャスミン茶飲料Aは、リナロールを0.12μg/ml、メチルアンスラニレイトを0.09μg/ml、ベンジルアルコールを0.38μg/ml含有し、(A)リナロール及びメチルアンスラニレイトの総量に対する(B)ベンジルアルコールの割合((A)/(B))は、1.809であった。このジャスミン茶飲料Aに、合成法により得られたベンジルアルコールを10、20、100ppm添加して、ジャスミン茶飲料の香味に及ぼす影響を評価した(試験品1〜3)。
複数のジャスミン茶葉を混合し、約70℃の温水で5分間抽出した。茶葉を分離した後、冷却して遠心分離を行い、不溶性固形分を除去した。この抽出液に、L−アスコルビン酸ナトリウム及び重曹を添加して、調合液を得た。この調合液中の溶存酸素を、デアレーターを用いて脱気し、調合液中の溶存酸素を3〜4ppm程度とした。
Claims (8)
- (A)リナロール及びメチルアンスラニレイト、並びに(B)ベンジルアルコールを含有し、前記(A)の総重量に対する前記(B)の重量の割合((B)/(A))が1.90以上である、ジャスミン茶飲料。
- (A)リナロール及びメチルアンスラニレイト、並びに(B)ベンジルアルコールを、茶葉抽出物として含有する、請求項1に記載のジャスミン茶飲料。
- 室温以下の温度で飲用するための容器入り飲料である、請求項1又は2に記載のジャスミン茶飲料。
- 680nmにおける吸光度が、0.015以下である、請求項1〜3のいずれかに記載のジャスミン茶飲料。
- Naイオンを60ppm以上含有する、請求項1〜4のいずれかに記載のジャスミン茶飲料。
- 非重合カテキンを300ppm以上含有する、請求項1〜5のいずれかに記載のジャスミン茶飲料。
- (A)リナロール及びメチルアンスラニレイトと(B)ベンジルアルコールを、前記(A)の総重量に対する前記(B)の重量の割合が1.90以上となるように含有させることによる、ジャスミン茶飲料の香味増強方法。
- (A)リナロール及びメチルアンスラニレイトと(B)ベンジルアルコールを、前記(A)の総重量に対する前記(B)の重量の割合が1.90以上となるように含有させることを特徴とする、ジャスミン茶飲料の製造方法。
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