JP6835535B2 - カテキン含有飲料の着色抑制方法 - Google Patents

カテキン含有飲料の着色抑制方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6835535B2
JP6835535B2 JP2016216638A JP2016216638A JP6835535B2 JP 6835535 B2 JP6835535 B2 JP 6835535B2 JP 2016216638 A JP2016216638 A JP 2016216638A JP 2016216638 A JP2016216638 A JP 2016216638A JP 6835535 B2 JP6835535 B2 JP 6835535B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catechin
vitamin
preparation
water
beverage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016216638A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018068263A (ja
Inventor
善行 松本
善行 松本
杉浦 和彦
和彦 杉浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taiyo Kagaku KK
Original Assignee
Taiyo Kagaku KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taiyo Kagaku KK filed Critical Taiyo Kagaku KK
Priority to JP2016216638A priority Critical patent/JP6835535B2/ja
Publication of JP2018068263A publication Critical patent/JP2018068263A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6835535B2 publication Critical patent/JP6835535B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、カテキンを含有する飲料に対し、ビタミンEを添加、好ましくはビタミンEを微細粒子製剤として分散させて添加することで、保存によるカテキンの着色を抑制できる方法に関する。
近年、フレーバーウォーターの市場が拡大している。フレーバーウォーターは、天然水や水をベースに、フレーバーや甘味を加えた透明飲料であり、水のような印象を持ちつつ、かつ嗜好性を有する製品である。最近では、天然水ブランドのまま風味付けした製品が数多く登場している。
一方、スポーツドリンクは、運動や日常生活などでの発汗によって体から失われた水分やミネラルを補給することを目的とした飲料である。
フレーバーウォーターやスポーツドリンクなどの商品には、商品価値の向上や、他社製品との差別化のために、健康によいイメージであるカテキンが利用されることがある。しかしながら、カテキンは光・熱・酸素・金属イオンといった要因に不安定であり、保存中に着色することが知られている。これらの問題を解決するために、製品中にビタミンCを添加する方法(例えば、特許文献1参照。)や、飲料中の金属イオンを除く方法が考えられるが、それぞれに何らかの欠点がある。
例えば、ビタミンCを添加する方法は、ビタミンC自体が保存中に、着色してしまう欠点があり、透明飲料には応用できない。また、飲料中の金属イオンを除く方法は、天然水を原料とするフレーバーウォーターや、ミネラルを補給する目的のスポーツドリンクには応用できない欠点がある。
ビタミンEは脂溶性であり、水に溶けにくい抗酸化成分であることから、飲料に添加されることは少ないが、栄養強化のために利用されることがある。その際、カテキンと併用して飲料に添加することも提案されているが、ビタミンEを主として利用するための特異臭の抑制(例えば、特許文献2参照。)や、乳製品の酸化劣化抑制(例えば、特許文献3参照。)、カロテノイドの色素退色防止(例えば、特許文献4参照。)が目的であり、カテキンの着色を抑制する効果は確認されていない。また、いずれの先行技術文献も、ビタミンEに対するカテキンの割合が少なく、カテキンの利用を目的とした技術ではない。
坂本裕:茶業試験場研究報告,No.6,48(1970) 特許第4869878号公報 特開2015−104384号公報 特開2015−119647号公報
本発明が解決しようとする課題は、カテキンによる飲料の保存による着色を抑制し、商品本来の色調や透明感を損ねることがない方法を提供することが目的である。
本発明者は、鋭意検討の結果、カテキンを含有する飲料に対し、ビタミンEを添加、好ましくは微細粒子製剤として分散させて添加することで、保存による着色を抑えることが可能となり、本発明を完成するに至った。
本発明により、カテキンを含有する飲料において、保存による飲料の着色を抑制し、商品本来の色調や透明感を損ねることがない方法を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明におけるカテキンとは、カテキン、ガロカテキン、カテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート及びエピガロカテキンガレートの合計8種より選択された1種以上である。茶抽出物は、茶葉又は茶葉を粉砕したものを、水又は熱水もしくはグリセリンやエタノールなどのアルコールにより抽出した画分、又は酢酸エチル可溶画分、アセトン可溶画分より得たものである。上記精製工程により特定の成分比率を上げた茶抽出物製品も市販されている。使用する茶抽出物製品中のカテキンの含量は特に限定するものではないが、60%以上含有されていることが好ましく、さらに好ましくは70%以上含有されていることがよい。これらカテキンの含量は、酒石酸鉄を用いた比色定量法により測定可能であるが、各カテキンの組成を詳細に測定するためには、高速液体クロマトグラフィーで測定することが好適である。
本発明で用いる茶抽出物の原料は、特に限定するものではないが、好ましくはツバキ科の植物であるCamellia Sinensisの葉より製造される不発酵茶である緑茶、半発酵茶である烏龍茶、発酵茶である紅茶が挙げられる。それらの中で、好ましくは不発酵茶である緑茶を用いるのがカテキン含量の点より好ましい。
本発明の飲料に含まれるカテキンの量は特に限定するものではないが、0.0016〜0.008%が好ましい。0.0016%未満では期待される効果は得られにくく、0.008%を超えると、飲料の色調に影響を及ぼす可能性もある。
本発明に用いるビタミンEとは、天然および合成のトコフェロールであって、特に限定されるものではない。植物原料由来の油脂から抽出、精製される場合は、特に限定されるものではないが、代表例として大豆油、小麦胚芽油、パーム油などが挙げられる。また、抽出トコフェロール中のα,β,γ,δの成分比率は、植物の種類や品種、産地などにも影響されるが、工業的に分子蒸留などの工程により特定の同族体組成の成分比率を上げた製品が市販されている。トコフェロール中の各同族体の含有量は、食品添加物公定書に記載の測定方法(高速液体クロマトグラフ法)により測定が可能である。
本発明に使用されるビタミンEは、その精製方法などは特に限定しないが、総トコフェロール中、α−トコフェロールを40%以上含有するものであり、好ましくはα−トコフェロールを60%以上含有するものが望ましく、さらに好ましくはα−トコフェロールを75%以上含有するものが望ましい。
本発明の飲料に含まれるビタミンE量は特に限定するものではないが0.002%以上が好ましい。0.002%未満では期待される効果は得られにくい可能性もある。上限値については特に限定されるものではないが、風味の点により、0.01%以下が好ましい。
本発明のビタミンEを水に分散させる界面活性剤としては、特に限定されるものではないが、好ましくは炭素数8〜22の飽和ないし不飽和脂肪酸で、単品又は混合した構成脂肪酸からなるポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリソルベートの1種または2種以上を含むことが望ましく、さらに好ましくはポリグリセリン脂肪酸エステルであることが望ましい。調製法については、特に限定されるものではないが、例えば水及び/ 又はグリセリンに界面活性剤を溶解させた後、ビタミンEを添加し、乳化装置を用い乳化することにより分散できる。乳化装置は、特に限定されるものではないが、具体的には、ホモミキサー、コロイドミル、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザーなどが挙げられる。
本発明における水及び/又は多価アルコールと界面活性剤でビタミンE製剤を調製する場合は、好ましくは平均粒子径1.0μm以下の微細な乳化粒子とすることによって、油溶性であるビタミンEの分離がなく、分散性が向上するため、効果的にカテキンの着色を抑制することができる。さらに好ましくは平均粒子径0.1μm以下が望ましい。0.1μm以下の微細な乳化にすることよって、さらに乳化安定性に優れるものとなる。また、平均粒子径が小さくなればなるほど、トコフェロール類とカテキンの接する表面積が大きくなることから、着色抑制効果も増大し、効果を十分に発揮することができる。
本発明におけるビタミンEを水に分散させた時の平均粒子径はベックマンコールター社の粒度分布測定装置(L−230)などを用いて容易に測定することができる。
本発明において、低色度カテキン含有飲料とは特に限定されるものではないが、上水試験方法(日本水道協会2001年版)記載の透過光測定法により求められた色度が100度以下である飲料が好ましい。例えば、ニアウォーター、フレーバーウォーター、スポーツドリンク、炭酸飲料、アルコール飲料に類する飲料を挙げることができる。色度は、試料の溶解性物質及びコロイド性物質が呈する類黄色ないし黄褐色の程度を、波長390nmの吸光度から求めることができる。精製水1L中に白金イオン1mg及びコバルトイオン0.5mgを含むときの呈色に相当するものを1度とする。
本発明における硬度とは、水の中に含まれるミネラル類のうちカルシウムとマグネシウムの合計含有量の指標であり、以下の簡便式を用いて計算することができる。 硬度[mg/l]=(カルシウム量[mg/l]×2.5)+(マグネシウム量[mg/l]×4.1)
本発明の飲料に含まれる硬度は特に限定するものではないが、硬度20mg/l以上の天然水やスポーツドリンクなど、硬度が高い飲料ほどカテキンの着色が促進されるため、着色を抑制する効果を十分に確認することができる。
本発明は、カテキン含有飲料の保存による着色を抑制する方法として利用できる。
以下、実施例において本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
多価アルコールとして、グリセリン(日本油脂(株)製)78gにイオン交換水10gとポリグリセリン脂肪酸エステルであるデカグリセリンモノミリステート(太陽化学(株)製、HLB値14)を4g添加し、65℃に加温溶解した。抽出トコフェロール(d−α−トコフェロール含量95%以上)8gを油相とし、これを多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数9000rpmで乳化させてビタミンE製剤100gを得た。ビタミンE製剤を水に分散させたときの平均粒子径は0.07μmであった。この様にして得られたビタミンE製剤を0.025%、茶抽出物(太陽化学(株)製、カテキン含量80.0%)を0.002%になるよう、酸糖液に添加した。酸糖液は、果糖ブドウ糖液糖(ハイクラフトF)6%になるよう天然水(硬度21.5)に溶解し、クエン酸とクエン酸ナトリウムを合わせて0.1%、pH3.5になるように調製したものである。飲料殺菌後(90℃、5分間)、無色透明の100mlペットボトルに充填し、37℃、4週間保管した。充填直後と4週間保管後に、色彩測定(Lab値)を行った。
実施例2
実施例1と同様に調製した酸糖液に、ビタミンE製剤0.038%、茶抽出物0.002%添加し、同様の評価を行った。
実施例3
実施例1と同様に調製した酸糖液に、ビタミンE製剤0.05%、茶抽出物0.002%添加し、同様の評価を行った。
実施例4
実施例1と同様に調製した酸糖液に、ビタミンE製剤0.025%、茶抽出物0.005%添加し、同様の評価を行った。
実施例5
実施例1と同様に調製した酸糖液に、ビタミンE製剤0.038%、茶抽出物0.005%添加し、同様の評価を行った。
実施例6
実施例1と同様に調製した酸糖液に、ビタミンE製剤0.05%、茶抽出物0.005%添加し、同様の評価を行った。
実施例7
実施例1と同様に調製した酸糖液に、ビタミンE製剤0.025%、茶抽出物0.01%添加し、同様の評価を行った。
実施例8
実施例1と同様に調製した酸糖液に、ビタミンE製剤0.038%、茶抽出物0.01%添加し、同様の評価を行った。
実施例9
実施例1と同様に調製した酸糖液に、ビタミンE製剤0.05%、茶抽出物0.01%添加し、同様の評価を行った。
比較例1
実施例1と同様に調製した酸糖液に、茶抽出物0.002%添加し、同様の評価を行った。
比較例2
実施例1と同様に調製した酸糖液に、茶抽出物0.005%添加し、同様の評価を行った。
比較例3
実施例1と同様に調製した酸糖液に、茶抽出物0.01%添加し、同様の評価を行った。
比較例4
実施例1と同様に調製した酸糖液に、ビタミンC0.005%、茶抽出物0.002%添加し、同様の評価を行った。
比較例5
実施例1と同様に調製した酸糖液に、ビタミンC0.015%、茶抽出物0.002%添加し、同様の評価を行った。
色彩測定(Lab値)は、Agilemt Cary60UV−Vis分光光度計を用い室温にて測定した。また、飲料の保管前後のLab値の差から、色差(ΔE)を算出した。
Figure 0006835535
Figure 0006835535
表1及び2より、カテキンを含む飲料に、ビタミンEを微細粒子製剤として添加することで、保存によるカテキンの着色が抑制されることは明らかである。特にビタミンE含量が0.002重量%以上を含有する場合、優れた着色抑制効果を有する。
カテキンを含有する低色度飲料において、商品本来の色調や透明感を損ねることがない方法を提供することで、商品価値の向上が期待でき、産業上貢献大である。

Claims (6)

  1. カテキン含有飲料に対して、ビタミンEを添加することにより、保存による着色を抑えることを特徴とするカテキン含有飲料の着色抑制方法。
  2. 飲料中のカテキンの濃度が0.0016〜0.008重量%、ビタミンEの濃度が0.002重量%以上である請求項1記載のカテキン含有飲料の着色抑制方法。
  3. 水及び/又は多価アルコール中にビタミンEを界面活性剤で乳化及び/又は分散した製剤として添加することを特徴とする、請求項1又は2記載のカテキン含有飲料の着色抑制方法。
  4. ビタミンEを含有することを特徴とするカテキン含有飲料の着色抑制用ビタミンE製剤。
  5. ビタミンEと界面活性剤を含有することを特徴とする請求項4記載のカテキン含有飲料の着色抑制用ビタミンE製剤。
  6. ビタミンE製剤の平均粒子径が0.1μm以下であることを特徴とする請求項4又は5記載のカテキン含有飲料の着色抑制用ビタミンE製剤。
JP2016216638A 2016-11-04 2016-11-04 カテキン含有飲料の着色抑制方法 Active JP6835535B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016216638A JP6835535B2 (ja) 2016-11-04 2016-11-04 カテキン含有飲料の着色抑制方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016216638A JP6835535B2 (ja) 2016-11-04 2016-11-04 カテキン含有飲料の着色抑制方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018068263A JP2018068263A (ja) 2018-05-10
JP6835535B2 true JP6835535B2 (ja) 2021-02-24

Family

ID=62112280

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016216638A Active JP6835535B2 (ja) 2016-11-04 2016-11-04 カテキン含有飲料の着色抑制方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6835535B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018068263A (ja) 2018-05-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4990845B2 (ja) ジャスミン茶飲料
JP6420419B2 (ja) 高濃度の粉砕茶葉を含有する緑茶飲料
CA3062143A1 (en) Cannabinoid based self-emulsion systems for infused compositions
JP5989492B2 (ja) 抹茶入り緑茶飲料
JP4138511B2 (ja) 色素の退色防止剤
JP2002142677A (ja) 容器詰飲料
JP2002272373A (ja) 容器詰飲料の製造方法
JP2010045994A (ja) 容器詰茶飲料
JP4381665B2 (ja) 茶の油溶性成分を含有する茶飲料
US7939120B2 (en) Method of preventing flavor component from degradation
JP7077055B2 (ja) 茶類抽出物
CN100456958C (zh) 香味成分的防劣化剂
JP2004166632A (ja) 香味成分の劣化防止剤
JP5820681B2 (ja) 苦味抑制剤
JP6835535B2 (ja) カテキン含有飲料の着色抑制方法
WO2018016110A1 (ja) カフェイン含有無色透明飲料
EA018366B1 (ru) Готовый к употреблению напиток зеленого чая и способ его получения
TWI615096B (zh) 粉末茶飲料
JP6440356B2 (ja) 色素退色防止剤
JP2017112924A (ja) メトキシフラボンを含有する飲料
CN115397253B (zh) 含有中链脂肪酸甘油三酯和抗坏血酸的经加热杀菌的容器装饮料
JP6695689B2 (ja) メトキシフラボン含有茶飲料
JP7249764B2 (ja) ポリフェノール類を含有する沈殿が抑制された液状組成物
JP6461471B2 (ja) 酸化劣化が抑制された乳製品
CA3216145A1 (en) Water-soluble cannabis cannabinoid systems for infusing products with nanoemulsions having nanoscale sizes

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191101

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200826

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200930

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201125

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210105

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210204

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6835535

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250