JP4943562B2 - 焼結機における原料装入装置 - Google Patents
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Description
本願は、2010年03月12日に、日本に出願された特願2010−056348号及び2010年03月12日に、日本に出願された特願2010−056279号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
その際、原料層の上層部には、下層部に比較して燃料分(カーボン源)を多く装入し、下層部には、上層部と比較して原料粒度が粗くなるように装入する。例えば、シュートの先端部に、ふるい棒をパレット方向に向けて段違いに設けた分級装置が用いられている(特許文献1参照)。
特に、シュートの上方側の原料落下地点では、原料の落下位置は絶えず変動しており、付着した原料が、上から落ちてくる次の原料によって洗らい落とされる機会が少なく、特に堆積しやすくなっている。これにより、定期的に付着原料を除去する必要が生じている。
また、シュートの先端部に分級装置が取り付けられている場合は、より効果的に分級装置を機能させるためには、焼結原料の各粒が、シュート上を流れるように滑り落ちて、ふるい棒の上に降り注ぐ必要がある。しかしながら、焼結原料の流れが不規則になると、付着部分下の原料の装入状態が変化する可能性がある。
その問題を解決するため、シュートの表面をセラミックタイルでライニングして、耐摩耗性を高め、シュートの取替え頻度を少なくする対策が取られている。
しかし、この装置は、底面が閉じた状態のスクレパーがシュート表面上を直接摺動する構成である。前述のように、底部をシュート表面から浮かした状態で摺動させる構成のスクレパーには適用することはできない技術である。
すなわち、
(1)本発明の一態様に係る焼結原料の装入装置は、焼結原料をパレット上へ装入させるシュートと;前記シュート上を往復移動して、かつ、前記シュート上に堆積した前記焼結原料を前記シュートから除去するスクレパーと;を備え、前記スクレパーが、前記シュートの上面に対して傾斜して設けられた傾斜板と、前記傾斜板の下面側の前端に取付けられたスクレパー工具と、前記傾斜板を支持する支持枠体と、前記支持枠体に取付けられ、かつ、前記傾斜板及び前記支持枠体を前記シュートの前記上面上において走行させるローラ装置とを有しており;前記前記傾斜板の幅寸法が前記シュートの幅寸法と同一又はそれ以上である。
(3)上記(2)に記載の焼結原料の装入装置は、前記支持枠体が、前記傾斜板の前方側まで延びる縦補強板と、前記傾斜板の幅方向に延びる横補強板と、前記シュートに対して平行な方向に延びる平行補強板とを有し;前記縦補強板の先端に斜めの切り欠き部が形成されることによって、前記空間が形成されることが好ましい。
(4)上記(1)に記載の焼結原料の装入装置は、前記スクレパー工具及び前記支持枠体が、前記シュートの上面から間隔をおいて前記ローラ装置によって支持され;前記シュートの前記上面と前記支持枠体の下端部との間の間隔は、前記シュートの前記上面と前記スクレパー工具の下端部との間の間隔よりも大きいことが好ましい。
(5)上記(1)に記載の焼結原料の装入装置は、前記スクレパー工具が前記シュートの前端に達したとき、前記傾斜板が、前記焼結原料の落下位置をカバーする長さであることが好ましい。
(6)上記(1)に記載の焼結原料の装入装置は、前記シュートが、基板と、前記基板の表面に配置された複数のセラミックタイルとを備えることが好ましい。
(7)上記(6)に記載の焼結原料の装入装置は、前記焼結原料の流れ方向から見て、前記複数のセラミックタイルのうちの一つである第1のセラミックタイルと、前記第1のセラミックタイルの下流側に隣接する第2のセラミックタイルとの位置関係は、面一である、あるいは、前記第1のセラミックタイルが前記第2のセラミックタイルに対して突出していることが好ましい。
(8)上記(6)に記載の焼結原料の装入装置は、前記セラミックタイルの角部に曲面が形成され;前記曲面が形成された前記セラミックタイルの表面を接着面として前記基板に接着されていることが好ましい。
(9)上記(6)に記載の焼結原料の装入装置は、前記セラミックタイルが、前記基板上の前記焼結原料の落下地点を中心として部分的に設けられていることが好ましい。
図1及び図2に示すように、焼結原料の装入装置Aは、シュート4と、スクレパー15とを備えている。シュート4は、ドラムフィーダー3と焼結機のパレット7との間に設けられ、ドラムフィーダー3によって切り出された焼結原料をパレット7上に供給する(装入する)。このシュート4は、図2に示すように、パレット7の搬送方向に沿って敷設された一対のレール10上を走行する支持台車11上に取り付けられる。
図2では、シュート4の先に、特許文献1で示されるような、ふるい棒6を有する分級装置5を取付けた例を示している。
この支持台車11の位置に対する傾動架台12の傾斜角度によって、シュート4とドラムフィーダー3との距離やシュート4の傾斜角度を調整できる。
スクレパー15が付着原料の除去動作中も原料の装入を中断することのないようにするためには、傾斜板18はシュート4の機能を有する必要がある。このため、傾斜板18は、シュート4に対して傾斜して配置されており、その表面は耐摩耗性の鋼板やセラミックタイルなどによってライニングされている。
シュート4は、図6に示すように、シュート本体114と、シュート本体114の表面に配置された複数のセラミックタイル9とを備えている。
図1で示すような、シュート4の先端部に、ふるい棒6をパレットに向けて段違いに設けた焼結原料1の装入装置においても、図5に示すように、シュート4のすべり面をセラミックタイル9でライニングして、シュート4の摩耗を防止することができる。
すべり面をセラミックタイル9でライニングしたシュート4は、鋼板をすべり面とするシュートに比べて、表面が一様ではない。特に、図6に示すようにタイルの継目に段差が形成されやすく、段差をなくして鋼板のように全体を平滑にすることは、非常に困難である。
もし、焼結原料の流れ方向から見て下流側のタイルの角部が、上流側のタイルの角部より上方に突出して高くなっていると、そこに段差d1が形成される。その段差に衝突した原料粒子は、そこで跳ね上がることになり、原料粒子の流れが不規則になると考えられる。
具体的には、上流から下流に向けて隣接するセラミックタイル9の間に段差がないか、段差が形成されても、必ず下流側が低くなるようにする。即ち、下向きの段差d2(図6参照)が形成されるようにして、上向きの段差d1が形成されないようにしたところ、原料粒子の跳ね上がりが起きないようになり、ふるい棒6への焼結原料の付着が、鋼板を用いていたのと同程度まで低減した。
そのため、セラミックタイル9をタイル基板112に接着剤113によって接着する前に、予めタイルを並べてみて、段差の発生の程度を確認する必要がある。
また、種々の並び替えを行っても上向きの段差が残る場合や段差が微小な場合には、突出する部分を研磨して除去し、段差をなくすようにする。その場合、研磨にともなってセラミックタイル9の表面の表面粗さが増加すると、焼結原料1がセラミックタイル9に付着しやすくなるので、元のセラミックタイル9の表面と同様の平滑さに仕上げる必要がある。
そのような窪みは、原料が窪みに沿って流れやすくなるので、原料の一様な流れを阻害する要因になる。そのため、図6に示すように、Rが形成されているセラミックタイル9の表面を接着面としてタイル基板(基板)112に接着することが好ましい。
幅3.5mのシュートの原料落下部分を原料流れ方向の幅60cmにわたってセラミックタイルでライニングした。100×100×10t(mm)のアルミナ製のセラミックタイルを用いた。
タイルを図5のように千鳥格子状に隙間なく並べた。
本実施形態としては、セラミックタイル9を種々並べなおして上向きの段差d1が形成されないようにしたシュート4を用いた。
比較例としては、段差の向きを考慮することなく、単純にタイルを並べており、上向きの段差d1が12箇所形成されているシュートを用いた。
その結果、比較例のシュートを用いた場合では、14日後にシュートのふるい棒に、原料が付着し、3mm径のふるい棒が10mm径になったので、原料を落とす作業が必要になった。これに対し、本実施形態のシュートを用いた場合では、付着した原料を落とす作業が必要になったのは70日後であった。
傾斜板18は、スクレパー15のスクレパー工具16がシュート4の前端位置まで到達したとき、焼結原料1の落下範囲(落下位置)をカバーする長さであることが好ましい。本実施形態において、傾斜板18の進行方向(焼結原料が流れる方向)に沿った縦幅は、その条件を満たす幅に形成されている。
また、図9に示すように、スクレパー15の支持枠体17の側部に、ブラケット33を介して下向き及び横向きにガイドローラ34を取り付けている。傾動架台12上のシュート4側に固定したガイドレール35にそれぞれ接触させて、スクレパー15の左右の案内と、浮き上がりの防止を図っている。
また、シュート4表面に対する傾斜板18の傾斜角度は、できるだけ小さく形成されているのが望ましい。しかしながら、スクレパー15は、横に伸張した形状となっているので、あまり傾斜角度が小さいと、補強板の幅が充分とれない。これにより、特に横方向の中央部に充分な強度を確保できなくなり、中央部が浮き上がったりして、十分な除去効果が発揮できない可能性がある。そこでこの点を考慮して、傾斜板18の傾斜角度や補強板の構成を決める必要がある。具体的には、傾斜板18とシュート4とのなす角度は5°〜35°程度であることが好ましい。
図8Aは図7のA−A線矢視図であり、支持枠体17の両端部と、内部4箇所の構造を示している。
支持枠体17は、図8A及び図8Bに示すように、縦横及び水平に配置された複数の補強板を有している。この複数の補強板は、本実施形態では、前部縦板(縦補強板)23と、中心横板(横補強板)25と、水平板(平行補強板)26とを有している。
前部縦板23は、焼結原料1の流れ方向に沿って傾斜板18の前方側まで延びている。中心横板25は、シュート4及び傾斜板18の幅方向に伸びている。水平板26は、シュート4に対して平行な方向に延びている。また、中心横板25を挟んで中心横板25の後方側には、後部縦板24が配置されている。このような複数の補強板によって傾斜板18を支持するように適宜構成されており、複数の補強板の下面は開放されている。また、前部縦板23、後部縦板24、中心横板25はシュート4に対して垂直に配置されていても良い。
また、中心横板25にはシリンダ装置20のロッドやガイドロッド21の先端部が取付けられる。
また、図8Bは図7のB−B線矢視図であり、ローラ装置19が取付けられる位置の構造を示している。この例では、前部縦板23の間に固定される水平板26にローラ装置19が取付けられるようになっている。
本実施形態では、各空間28の横のつながりを確保するため、前部縦板23の前端には、斜めの切り欠き27が形成される。この切り欠き27により、図4に示されるように、両端部及び内部に配置される前部縦板23の前端と、スクレパー工具16の裏面との間に、隙間29が形成される。この隙間29により、スクレパー工具16の後方に、シュート4の幅方向に連続し、かつ、スクレパー15の外部に連通する空間が形成される。
このため、支持枠体17の内部が焼結原料1によって満たされることがなく、スクレパー15の移動は円滑に行われる。
本実施形態の装置では、スクレパー工具の下端とシュートの上面との間に2mmの間隔を、縦板(前部縦板及び後部縦板)の下端とシュートの上面との間に6mmの間隔をそれぞれ設けた。また、スクレパー工具の内側にも、支持枠体の内部に配置される縦板及び両側に配置される側板のそれぞれの前端部を斜めに切り欠いて連続する空間を形成した。
その結果、操業にともなってスクレパーの内部(後方)に焼結原料がある程度は蓄積したが、内部が原料によって満たされるまでには至らず、問題なく操業が継続できた。
これに対し、比較例としてスクレパー工具の下端とシュートの上面との間の間隔及び前部縦板23の下端とシュート上面との間の間隔をともに2mmとするとともに、前部縦板の前端に切り欠きを形成せずにスクレパー工具の裏側にシュートの幅方向に連続する空間を形成しないようにしたスクレパーを用いた。この場合には、操業後60日でスクレパー内部が原料によって満たされて、詰まりが発生し、スクレパーの移動が困難になった。
2 原料ホッパー
3 ドラムフィーダー
4 シュート4
5 分級装置
6 ふるい棒
7 パレット
8 原料層
9 セラミックタイル
10 レール
11 支持台車
12 傾動架台
13 軸体
14 駆動シリンダ装置
15 スクレパー(全体)
16 スクレパー工具
17 支持枠体
18 傾斜板
19 ローラ装置
20 シリンダ装置
21 ガイドロッド
22 ベース部材
23 前部縦板
24 後部縦板
25 中心横板
26 水平板
27 切り欠き
28 空間
29 隙間
30 間隔
31 間隔
32 ふるい棒駆動装置
33 ブラケット
34 ガイドローラ
35 ガイドレール
112 タイル基板
114 シュート本体
a 間隔30の高さ
b 間隔31の高さ
d1 上向きの段差
d2 下向きの段差
Claims (9)
- 焼結原料をパレット上へ装入させるシュートと;
前記シュート上を往復移動して、かつ、前記シュート上に堆積した前記焼結原料を前記シュートから除去するスクレパーと;
を備え、
前記スクレパーが、前記シュートの上面に対して傾斜して設けられた傾斜板と、前記傾斜板の下面側の前端に取付けられたスクレパー工具と、前記傾斜板を支持する支持枠体と、前記支持枠体に取付けられ、かつ、前記傾斜板及び前記支持枠体を前記シュートの前記上面上において走行させるローラ装置とを有しており;
前記前記傾斜板の幅寸法が前記シュートの幅寸法と同一又はそれ以上である;
ことを特徴とする焼結原料の装入装置。 - 前記スクレパー工具の後方に、前記シュートの幅方向に連続し、かつ、前記スクレパーの外部に連通する空間が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の焼結原料の装入装置。
- 前記支持枠体が、前記傾斜板の前方側まで延びる縦補強板と、前記傾斜板の幅方向に延びる横補強板と、前記シュートに対して平行な方向に延びる平行補強板とを有し;
前記縦補強板の先端に斜めの切り欠き部が形成されることによって、前記空間が形成される;
ことを特徴とする請求項2に記載の焼結原料の装入装置。 - 前記スクレパー工具及び前記支持枠体が、前記シュートの上面から間隔をおいて前記ローラ装置によって支持され;
前記シュートの前記上面と前記支持枠体の下端部との間の間隔は、前記シュートの前記上面と前記スクレパー工具の下端部との間の間隔よりも大きい;
ことを特徴とする請求項1に記載の焼結原料の装入装置。 - 前記スクレパー工具が前記シュートの前端に達したとき、前記傾斜板が、前記焼結原料の落下位置をカバーする長さであることを特徴とする請求項1に記載の焼結原料の装入装置。
- 前記シュートが、基板と、前記基板の表面に配置された複数のセラミックタイルとを備えることを特徴とする請求項1に記載の焼結原料の装入装置。
- 前記焼結原料の流れ方向から見て、前記複数のセラミックタイルのうちの一つである第1のセラミックタイルと、前記第1のセラミックタイルの下流側に隣接する第2のセラミックタイルとの位置関係は、面一である、あるいは、前記第1のセラミックタイルが前記第2のセラミックタイルに対して突出していることを特徴とする請求項6に記載の焼結原料の装入装置。
- 前記セラミックタイルの角部に曲面が形成され;
前記曲面が形成された前記セラミックタイルの表面を接着面として前記基板に接着されていることを特徴とする請求項6に記載の焼結原料の装入装置。 - 前記セラミックタイルが、前記基板上の前記焼結原料の落下地点を中心として部分的に設けられていることを特徴とする請求項6に記載の焼結原料の装入装置。
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