JPH0331769B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は焼結機のスリツトバー式装入装置にお
いて、装入原料の粒度およびカーボン偏析を安定
させ良質の焼結鉱を得る焼結機の原料装入装置に
関する。

〔従来の技術〕

従来の鉄鋼業において、高炉に装入される焼結
鉱を製造するに際しては、約10mm以下の鉄鉱石粉
末に適当な粒度のコークスと、必要に応じて石灰
石粉末とを混合し、焼結パレツトに装入後表層の
コークスに点火し、下方向へ空気を吸引しながら
コークスを燃焼させ、その燃焼熱で粉鉱石を焼結
するようにした焼結機が用いられている。

このような焼結機においては、コークスの燃焼
によつて焼結が進行するために、焼結層への空気
の供給すなわち焼結層の通気の良否は、生産性を
左右する大きな要因となる。

この場合焼結層の高さ方向に均一な粒度で原料
やコークスを分布させると、焼結層内の熱移動の
特徴から、下層部になるにしたがつて高温となり
通気抵抗が増大する。従つて、焼結機において
は、進入する焼結パレツトの下層に粗粒、上層に
細粒となるような原料の粒度偏析および上層にコ
ークス分を多くするカーボン偏析をおこなつて原
料を装入し、焼結層が形成される。このようにし
て焼結層内における通気抵抗の減少、コークスの
燃焼効率の向上と温度分布の改善を図り、焼結歩
留りの向上とともに良質の焼結鉱を得るようにし
ている。

上記の目的を達成するために例えば実開昭51−
58103号公報（第２図）、実開昭60−77999号公報
（第３図）、実開昭60−155894号公報（第４図）の
原料装入装置、また第５図に示す原料装入装置が
それぞれ開示されている。

第２図の原料装入装置３０は、焼結パレツトの
進行方向に対して一定のシユート角度を保持して
助走シユート３２と網目板３３とから構成された
装入シユート３１を前後に移動可能とした移動台
車３４上に設け、かつ装入シユート３１は傾動可
能とされている。このようにしてホツパー３５か
らドラムフイーダー３６を介して助走シユート３
２上に落下された焼結原料３７は、網目板３３に
よりふるい分け、焼結パレツト３８に対して粒度
およびカーボン偏析装入がおこなわれる。なお、
この偏析装入の制御は装入シユート３１の角度お
よび移動台車３４の移動によつておこなわれる。

第３図および第４図の原料装入装置４０，５
０、は、それぞれ前記装入装置３０を改良したも
のであり、前記網目板３３の代りに所定のピツチ
で複数本のロープ４１またはロツド５１をパレツ
ト幅方向に配設するとともに、それぞれロープ４
１およびロツド５１に付着する原料を除去するス
クレーパー４２，５２を配設したものであり、原
料ふるい分けの効果を向上するとともに、操業中
に偏析効果が変化しないように適時付着原料をス
クレープするようにしたものである。

第５図の原料装入装置６０は、装入シユート６
１を助走シユート６２、スリツトシユート６３お
よび下部シユート６４で構成し、さらにスリツト
シユート６３の落下部にデフレクターシユート６
５を取付けた構造であり、これは原料の偏析効果
をより高めるために、従来の装入装置に下部シユ
ート６４およびデフレクターシユート６５を付加
したものである。

〔発明が解決しようとする問題点〕

ところで上記第２図に示した原料装入装置３０
は、焼結原料のふるい分けに網目板３３が使用さ
れているので、偏析装入機能としては効果は小さ
く、また網目板３３や助走シユート３２に原料が
付着し易く、その除去にも手数を要し、生産性も
よくないという問題点があつた。

第３図および第４図の原料装入装置４０，５０
は、焼結原料のふるい分けに、パレツト幅方向に
配設されたロープ４１またはロツド５１は使用さ
れ、偏析装入機能は向上し、またロープ４１やロ
ツド５１に付着した原料はスクレーパー４２，５
２により除去されるようになつたが、助走シユー
ト４３，５３の原料付着の問題は依然解決せず、
また、単にロープ４１やロツド５１などのふるい
装置にて焼結原料をふるい落すのみでは、完全な
偏析装入にはならないという問題点も残してい
る。

第５図の原料装入装置６０は、さらに下部シユ
ート６４およびデフレクターシユート６５を付加
して、ふるい分けられた粗粒および細粒共に偏析
を効率的におこなうようにした装置であるが、や
はり付着した焼結原料の除去が完全におこなえる
装置ではなく、その除去に手数を要し、生産性に
も問題点があつた。

本発明の従来の装入装置の問題点に鑑みなされ
たもので、付着した原料を効率よく除去して安定
した偏析装入をおこない高生産性を維持する焼結
原料の装入装置を提供する。

〔問題点を解決するための手段〕

上記問題点を解決するための本発明の技術的手
段は、焼結パレツトの進行方向に対して一定のシ
ユート角度を保持して上方より助走シユート、ス
リツトシユート、下部シユートと、スリツトシユ
ートの落下部にデフレクターシユートとを配設し
て装入シユートを構成し、該シユートをパレツト
の進行方向に平行に移動可能とした台車上に記載
し、かつ該台車に前記シユート角度を変化させる
傾動装置を取付けるとともに、前記助走シユート
およびデフレクターシユートにはそれぞれ上下に
摺動するスクレーパーと、前記スリツトシユート
には横方向に移動する櫛菌状の掻板および下部シ
ユートには上面を横方向に摺動するスクレーパー
を一体としてそれぞれ設けたことを特徴とする焼
結原料の装入装置である。

〔作用〕

焼結原料ホツパー等からドラムフイーダーを介
して焼結原料の装入装置の助走シユート上に供給
された焼結原料は、助走シユート上を転動しなが
らスリツトシユート上に降下する。ここで原料中
の細粒はふるい落されてデフレクターシユート上
に落下し、粗粒はそのまま下部シユートに到る。
下部シユートにおいては原料は滑動しながらさら
に分級されて、進入してくる焼結パレツトの下層
部に装入され、またデフレクターシユート上に落
下した細粒は、同様に滑動しながら分級され、焼
結パレツトの上層部に装入され、焼結パレツト内
においては下層に焼結原料の粗粒、上層に細粒と
なるような粒度偏析およびカーボン偏析がおこな
われ、焼結原料層が形成される。

運転中には適時スクレーパーを上下動させて助
走シユートおよびデフレクターシユートに付着し
た原料を掻ぎ落し、また掻板と下部シユート用の
スクレーパーを横方向に往復動させてスリントシ
ユートおよび下部シユートに付着した原料を掻き
落し、原料の付着や目詰りに起因する原料の滑動
の乱れや偏析のバラツキを防止し、粒度偏析の安
定化を図る。

また操業度の変化により生産量や原料構成に変
化が生じた場合は、その生産量、原料構成に最適
の偏析をおこないうるように原料装入装置全体を
パレツトの進行方向に平行に前後進させて原料の
落下点を調整し、また傾動装置を作動させて装入
装置全体のシユート角度を調整して、原料の滑
動、ふるい分け、装入の状態を制御する。

〔実施例〕

本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
第１図は焼結原料の装入装置１の側面図であり、
上部には焼結原料を供給するホツパー２およびド
ラムフイーダー３が設けられ、下部には矢視方向
に焼結パレツト４が走行するようになつている。

装入装置１の構造は、焼結パレツト４の進行方
向に対して一定のシユート角度αを保持して上方
より板状の助走シユート５と、所定のピツチにて
複数本の線状部材をパレツトの幅方向に配設して
複数のスリツト状開口を形成させたスリツトシユ
ート６と、板状の下部シユート７とが連接され、
さらにスリツトシユート６の落下部に板状のデフ
レクターシユート８を設けて構成された装入シユ
ート９が、焼結パレツト４の上部においてパレツ
ト進行方向に平行に移動可能とした台車１０上に
載置されており、また台車１０上には支点１１を
中心として、装入シユート９のシユート角度αを
変化させる傾動装置１２が取付けられている。な
お１３は台車１０用の駆動モータ、１４は傾動用
のモータである。

助走シユート５およびデフレクターシユート８
の上部には、それぞれスクリユージヤツキ１５，
１６により各シユート５，８の表面に沿つて上下
に摺動するスクレーパー１７，１８が取付けられ
る。スリツトシユート６の上面には線状部材のピ
ツチに合致する櫛歯状の掻板１９と、下部シユー
ト７の表面を摺動するスクレーパー２０とが一体
として取付けられ、スクリユー２１により横方向
に移動するようになつている。なおこの掻板１９
とスクレーパー２０は、釣支装置２２により支点
２３を中心として回動させ釣支するようになつて
いる。

次に具体側について説明する。

助走シユート…900mmとしてセラミツクプレー
ト貼付け スリツトシユート…1000mmとして８mmφのワイ
ヤを43、53、63mmピツチの３種にて選択使用 下部シユート…600mmとしてセラミツクプレー
ト貼付け デフレクターシユート…1200mmとしてセラミツ
クプレート貼付け 助走シユート用スクレーパー…500mmストローク、
電動スクリユージヤツキにて定期的に昇降 スリツトシユート用掻板および下部シユート用ス
クレーパー…5000mmストローク、電動スクリユー
方式により定期的に横行 デフレクターシユート用スクレーパー…1200mm
ストローク、電動スクリユージヤツキにて定期
的に昇降 シユート傾動装置…40°〜60°の範囲にて必要時に
傾動 移動台車…助走シユートへの原料落下位置変更お
よびメンタナンス等のため必要により移動 以上の具体的装置により焼結パレツトに原料装
入をおこなつた結果、装入パレツト内においては
所期の偏析を形成する焼結原料層が得られ、また
適時スクレーパーおよび掻板を作動させることに
より、各シユートに付着した原料を容易に除去す
ることができ、安定した原料装入をおこなうこと
ができた。

〔発明の効果〕

以上説明したごとく本発明は、助走シユート、
スリツトシユート、下部シユートと、さらにスリ
ツトシユートの落下部にデフレクターシユートに
より装入シユートを構成しているので、装入原料
は効率よく分級され、最適に粒度偏析およびカー
ボン偏析された焼結原料層を得ることができる。
また各シユートはスクレーパーにて付着原料を適
時除去するようにしているので、原料の付着や目
詰りに起因する滑動の乱れや偏析のバラツキを防
止することができ、さらには生産量や原料構成の
変化に対応して装入装置を最適の位置、シユート
角度に配設しうるために、常に安定した装入をお
こなうことができ、焼成の均一化により良質の焼
結鉱を得ることができる。また同時に稼働率の向
上により生産性の向上を図り得るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の装入装置の側面
図、第２図〜第５図は装入装置の従来例の各種の
態様を示す側面図である。 １……焼結原料の装入装置、４……焼結パレツ
ト、５……助走シユート、６……スリツトシユー
ト、７……下部シユート、８……デフレクターシ
ユート、９……装入シユート、１０……移動用の
台車、１２……傾動装置、１７，１８，２０……
スクレーパー、１９……掻板。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 焼結パレツトの進行方向に対して一定のシユ
   ート角度を保持して上方より助走シユート、スリ
   ツトシユート、下部シユートと、スリツトシユー
   トの落下部にデフレクターシユートとを配設して
   装入シユートを構成し、該シユートをパレツトの
   進行方向に平行に移動可能とした台車上に載置
   し、かつ該台車に前記シユート角度を変化させる
   傾動装置を取付けるとともに、前記助走シユート
   およびデフレクターシユートにはそれぞれ上下に
   摺動するスクレーパーと、前記スリツトシユート
   には横方向に移動する櫛歯状の掻板および下部シ
   ユートには上面を横方向に摺動するスクレーパー
   を一体としてそれぞれ設けたことを特徴とする焼
   結原料の装入装置。