JPH0354397Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、焼結機のスリツトシユート式装入装
置において、シユートの交換を容易とした原料の
装入装置に関する。

〔従来の技術〕

従来鉄鋼業において、高炉に装入される焼結鉱
を製造するに際しては、約10mm以下の鉄鉱石粉末
に適当な粒度のコークスと、必要に応じて石灰石
粉末とを混合し、焼結パレツトに装入後表層のコ
ークスに点火し、下方向への空気を吸引しながら
コークスを燃焼させ、その燃焼熱で粉鉱石を焼結
するようにした焼結機が用いられている。

このような焼結機においては、コークスの燃焼
によつて焼結が進行するために、焼結層への空気
の供給すなわち焼結層の通気の良否は、生産性を
左右する大きな要因となる。

この場合焼結層の高さ方向に均一な粒度で原料
やコークスを分布させると、焼結層内の熱移動の
特徴から、下層部になるにしたがつて高温となり
通気抵抗が増大する。従つて焼結機においては、
進入する焼結パレツトの下層に粗粒、上層に細粒
となるような原料の粒度偏析および上層にコーク
ス分を多くするカーボン偏析をおこなつて原料を
装入し、焼結層が形成される。このようにして焼
結層内における通気抵抗の減少、コークスの燃焼
効率の向上と温度分布の改善を図り、焼結歩留り
の向上とともに良質の焼結鉱を得るようにしてい
る。

このような目的に使用される原料の装入装置と
して、例えば実開昭60−77999号公報（第３図）、
実開昭60−155894号公報（第４図）の原料装入装
置がそれぞれ開示している。

第３図に示した装入装置は、ホツパー２１から
フイーダー２２を介して焼結原料を焼結機のパレ
ツト２３上へ供給装入する焼結原料の装入装置に
おいて、上記フイーダー２２から落下する焼結原
料を受けて傾斜滑降せしめるシユート２４の延長
線上に、所定のピツチで複数本のロープ２５をパ
レツト幅方向に緊張状態で配設してスリツトシユ
ートを形成する。なお２６はロープ２５を両端に
おいて緊張する取付フレームである。このように
してシユート２４上に落下した焼結原料はスリツ
トシユートのロープ２５によつてふるい分けられ
て、パレツト２３に対して粒度およびカーボン偏
析装入がおこなわれる。

第４図に示した装入装置は、上記の装入装置と
構造は同じであるが、ロープ２５をロツド２５ａ
としたスリツトシユートであり、その作用も全く
同じである。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところで上記のロープ２５またはロツド２５ａ
は、原料の滑動やふるい分けにより摩耗が著しく
一定時間毎に取り替える必要があるが、ロープ２
５、ロツド２５ａは取付フレーム２６に固定され
ているので、取替えに手数を要し、また作業場所
も狭隘なために作業に困難をきたすうえに、取替
え時間も長くかかり、従つて装置の稼働率も悪く
なつて生産性が低下する。更にはロープ２５、ロ
ツド２５ａのピツチが固定されているので、原料
の粒度構成が変つた場合などにはそのピツチの変
更が容易にできないという問題点があつた。

本考案は上記問題点を解消するためになされた
もので、スリツトシユートの交換を容易とし生産
性を向上させる焼結原料の装入装置を提供する。

〔問題点を解決するための手段〕

上記問題点を解決するための本考案の技術的手
段は、ホツパーからフイーダーを介して供給され
る焼結原料をうけて、該原料を傾斜滑降せしめる
シユートの延長線上にスリツトシユートを設け、
該シユートにより焼結原料をふるい分けて焼結パ
レツトに偏析装入するようにした装入装置におい
て、方形に組立てられたカセツト枠の両側部に相
対する支持台を取付け、該支持台間に平行に複数
本の線状部材を張設して前記スリツトシユートを
構成し、線状部材が前記シユートの延長線に一致
するようにカセツト枠を装入装置の本体枠に取付
けたことを特徴とする焼結原料の装入装置であ
る。

〔作用〕

以上の如く構成された装入装置は、線状部材が
摩耗して取替える必要が生じた場合は、カセツト
枠を本体枠から取外すことにより、スリツトシユ
ート全体を容易に取替えることができる。また適
当な線状部材間隔を有する数種のスリツトシユー
トを準備しておき、原料の粒度構成に応じて適宜
これらのスリツトシユートに取替えて使用すれ
ば、取替えも容易なので生産性を阻害することな
く、安定した偏析装入をおこない得る。

〔実施例〕

本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。

第１図は焼結原料の装入装置１の側面図であ
る。装入装置１の構造は、一定のシユート角度を
保持して本体枠２の斜上側に焼結原料をうけるシ
ユート３が取付けられ、このシユート３の下方延
長線上にスリツトシユート４が取付けられる。第
２図ａおよびｂはスリツトシユート４の詳細構造
を示す平面図および正面図であり、第２図ａの右
半分は第２図ｂの上方よりみた平面図、左半分は
下方よりみた平面図である。スリツトシユート４
は、形材を方形に組立てたカセツト枠５の両側部
に相対するように形材で作られた支持台６を取付
け、カセツト枠５との間に若干の隙間を保持し
て、支持台６間に平行に複数のロープまたはロツ
ドなどの線状部材７を張設して構成する。線状部
材７相互の間隔は、ふるい分ける原料の粒度分布
などにより適宜定めればよい。このスリツトシユ
ート４の線状部材７がシユート３の下方延長線に
一致するようにボルト８によりカセツト枠５を本
体枠２に締結し、装入装置１に取付けられる。

９は移動台車であり、装入装置１全体を支持す
るとともに焼結パレツト（図示なし）の進行方向
に移動可能となつており、また移動台車８上に設
けられた傾動装置１０により装入装置１のシユー
ト角度を適宜調整するようになつている。１１は
スクレーパーであり、シユート３上を上下方向に
摺動して付着した原料を除去する。

以上の如く構成されており、ドラムフイーダー
１２からシユート３へ落下供給された焼結原料
は、シユート３上を滑降してスリツトシユート４
に到り、ここで原料は線状部材７により細粒と粗
粒にふるい分けられ、細粒はそのまま落下し、粗
粒はスリツトシユート４の先端部から落下して焼
結パレツト上に偏析装入がおこなわれる。

スリツトシユート４の線状部材７が摩耗して取
替える場合は、ボルト８を緩めてスリツトシユー
ト４全体を本体枠２から取外し、別のスリツトシ
ユート４を再びボルト８により本体枠２に取り付
ければよい。また適当な線状部材間隔を有する数
種のスリツトシユート４を準備しておけば、原料
の粒度構成に応じて適当なスリツトシユート４に
取替えて使用すれば、常に安定した偏析装入をお
こなうことができる。

〔考案の効果〕

以上説明したごとく本考案は、カセツト枠に線
状部材を張設してスリツトシユートを構成し、ボ
ルトなどにより装入装置の本体枠に取付けるよう
にしているので、線状部材の取替えなどに際して
はスリツトシユート全体を一括して交換すればよ
く、取替え作業が容易かつ短時間でおこなうこと
ができ、また原料構成が変つた場合のスリツトシ
ユートのピツチの変更に対しても迅速に対応でき
る。従つ常に安定した偏析装入とともに、設備の
休止時間を短縮し稼働率をあげて生産性を向上す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の装入装置の側面
図、第２図ａ，ｂはスリツトシユートの平面図お
よび正面図、第３図および第４図は装入装置の従
来例の側面図である。 １……焼結原料の装入装置、２……本体枠、３
……シユート、４……スリツトシユート、５……
カセツト枠、６……支持台、７……線状部材、８
……ボルト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ホツパーからフイーダーを介して供給される焼
   結原料をうけて、該原料を傾斜滑降せしめるシユ
   ートの延長線上にスリツトシユートを設け、該シ
   ユートにより焼結原料をふるい分けて焼結パレツ
   トに偏析装入するようにした装入装置において、
   方形に組立てられたカセツト枠の両側部に相対す
   る支持台を取付け、該支持台間に平行に複数本の
   線状部材を張設して前記スリツトシユートを構成
   し、線状部材が前記シユートの延長線に一致する
   ようにカセツト枠を装入装置の本体枠に取付けた
   ことを特徴とする焼結原料の装入装置。