JPH0113034B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

発明の技術分野 この発明は、DL型焼結機における原料の装入
方法および装置に係り、特に焼結機パレツト高さ
方向に粒度偏析を効果的に生ぜしめて給鉱させる
ことが可能な原料装入方法および装置に関する。 従来技術とその問題点 DL型焼結機における焼結鉱製造プロセスで給
鉱装置からパレツト上への焼結原料装入に際し
て、上層部は下層部に比べて燃料分（コークス）
を多く、かつ上層部に比し下層部は原料粒度が粗
くなるように装入する方が焼結鉱の品質および生
産性向上に効果的であることは周知である。 現在のDL型焼結機では第７図に示すごとく、
給鉱ホツパー１からドラムフイーダ２あるいはベ
ルトフイーダ（図示せず）を介して落下供給され
る原料をシユート３を介して焼結機パレツト４上
に給鉱する方法が一般的である。 しかしながら、このような周知の装入方法によ
つても、装入原料層５の上層には微粉コークスが
偏析しがちであり、この意味では上層のコークス
含有量が下層より高めになる傾向が認められる
が、焼結鉱の品質および生産性の充分なる向上効
果をもたらすほどのものではない。 そこで、従来、第７図に示すような原料装入装
置をパレツト進行方向に数基、例えば２基間隔を
置いて配置し、パレツト上流側の装置から粉コー
クス配合率の低い原料を、下流側の装置から粉コ
ークス配合率の高い原料を、装入原料層上部に高
粉コークス配合原料層が、下部に低粉コークス配
合原料層がそれぞれ形成されるように給鉱する２
段装入方法が提案されている。 しかし、この方法は設備費が高価につく上、既
設のDL型焼結機に実施する場合には点火炉を移
設したり、あるいはストランド長を延長したりし
なければならず、改造に多額の費用を要する欠点
がある。 また、第８図に示すごとく、シユートの下半分
を網目板３―１に、上半分を盲板３―２により構
成するとともに、振動装置６にて該シユートを左
右に振動させる原料供給装置が提案されている
（実開昭51−58103）。この装置は、上方の盲板３
―２から供給される原料を下方の網目板３―１に
て振動ふるい分けつつ、シユート下端へスローピ
ングせしめ、網目板のふるい上粗粒原料の上にふ
るい下細粒原料を落下堆積させて、上層が細粒原
料で下層が粗粒原料からなる２層の装入原料層を
得るというものである。 しかし、この方式は短期的に有効であるも、長
時間の連続使用においては焼結原料が含水４％以
上の湿潤なものであるため網目に付着し目詰りを
発生させ、有効な機能が発揮できない欠点があつ
た。特に目開間隔が10mm以下となると大きな問題
となる。 また、これらの外に、スリツト状のシユートを
使用したものが提案されている（実開昭49−
39805、実開昭51−55804等）。しかし、いずれも
スリツトによる原料の分散を主体に考えたもの
で、粒度偏析のための分級効果は少なく、焼結鉱
品質および生産性において十分な向上効果を得る
に至つていない。 発明の目的 この発明は、従来の前記実情に鑑みてなされた
ものであり、特に成品焼結鉱の強度、成品歩留、
生産性の向上効果を十分にもたらす最適な原料偏
析装入状態を得ることができる新規な装入方法
と、安価でかつ偏析度の大幅なコントロール機能
を備えた装入装置を提案することを目的とするも
のである。 発明の構成 この発明に係るDL型焼結機の原料装入方法は、
原料給鉱部におけるドラムフイーダと焼結機パレ
ツトとの間に、原料流れ方向にスリツトバーを配
した上下２枚のスリツトバーシユートを千鳥状に
相重ねるとともに各シユート上端を同一軸にて上
下方向に回動可能に設け、シユート下部に向つて
上下方向の目開間隔を大きくし、かつ該シユート
を45度以上に傾斜させ、ドラムフイーダからの原
料を上下２枚構造のスリツトバーシユート上に落
下させて焼結機パレツトに給鉱することを特徴と
するものであり、またその装入装置としては、原
料流れ方向にスリツトバーを配した上下２枚のス
リツトバーシユートを千鳥状に相重ねるとともに
各シユート上端を同一軸にて上下方向に回動可能
に軸着し、シユート下部に向つて上下方向の目開
間隔が大きくなる構造となし、かつ該２枚構造の
シユートを45度以上（好ましくは50〜60度）の角
度に傾斜設置することを特徴とするものである。 以下、この発明について詳細に説明する。 DL型焼結機の原料装入方法として、スリツト
状のシユートを使用したものが従来提案されてい
るが、いずれもスリツトによる原料の分散を主体
にしたものであるため、粒度偏析のための分級効
果が少ないことはすでに述べたとおりである。す
なわち、従来提案されている方法はドラムフイー
ダから落下する原料をスリツトバーに衝突させる
ことによつて分散させる方式であり、その使用す
るスリツトバーシユート自体も単にスリツトバー
を平面に配しただけのものである。従つて、原料
を分散させる効果は得られても、粒度偏析を改善
するための分級効果は不十分である。また、スリ
ツトバーシユートの目開間隔がシユート上部から
下部まで同一の場合、原料鉱石がかみ込み目詰り
が発生し、本来の機能が十分に発揮されない事態
が起こる。 この発明者らは、上記の問題点を解決すべく
種々検討した結果、スリツトバーの上端を同一高
さレベルにし、下端を一つおきに高さを変えて配
設することにより、シユート上端から下端へ向つ
て上下方向の目開間隔を大きくすることができる
ことを見い出した。 具体的には、原料流れ方向にスリツトバーを配
した上下２枚のスリツトバーシユートを千鳥状に
相重ねるとともに、各シユート上端を同一軸にて
上下方向に回動可能に軸支することにより、シユ
ート上端から下端に向つて上下方向の目開間隔が
必然的に大きくなるとともに、上下各シユートを
上下方向に回動させることにより前記目開間隔を
変化させることができる２枚構造のスリツトバー
シユートを用いて原料を装入する方法である。 すなわち、上下方向の目開間隔をシユート下部
に向かうほど大きくすることによつて、仮に原料
鉱石のかみ込みが生じても原料の流れに押し流さ
れるので目詰りは生じないことになり、長時間の
装入においても本来の機能が維持される。 この発明において、スリツトバーシユートの傾
斜角度を45度以上（好ましくは50〜60度）とした
のは、45度以下では原料の流れが悪く滞流現象が
発生し、大きな原料装入むらが発生するからであ
る。 また、この発明のスリツトバーシユートの目開
間隔については原料粒度、含水分に応じて変更す
ればよいが、最大20mm以下程度が望ましい。しか
し、目開間隔が小さくなり、また付着性の強い原
料の場合には目詰りが生じることがある。そこで
この発明においては、上下スリツトバーシユート
をそれぞれ上端の共通支軸を軸とする上下回動機
構を設け、周期的に上下スリツトバーシユートを
回動させて目開間隔を可変としたのである。 第１図および第２図はこの発明方法を実施する
ための原料装入装置を示す概略図であり、焼結機
パレツト４とドラムフイーダ２との間に設置した
２枚構造のスリツトバーシユート１３を介して原
料を装入する構造となしたもので、スリツトバー
シユート１３の上端は上下とも同一高さレベルで
あり、下端はスリツトバー１本おきに高さを変え
て設置されている。 すなわち、この発明に係るスリツトバーシユー
トはその構造を第３図および第４図に示すごと
く、原料流れ方向に配した多数のスリツトバー１
３―１ａ，１３―１ｂの下端を連杆１３―２ａ，
１３―２ｂでつないで一体化したものを千鳥状に
相重ね、上側のスリツトバー１３―１ａと下側の
スリツトバー１３―１ｂの上端に一本の支軸１３
―３を緩貫通してそれぞれ上下方向に回動自在と
なしたものである。この２枚構造のスリツトバー
シユート１３は傾斜角θ＝45度以上に設置してい
る。 上記スリツトバーシユートは平面的には同一間
隔（通常４〜８mmの目開間隔）のスリツトが多数
形成されたものであるが、側面的にはシユート上
端から下端に向つて目開間隔が大きくなつてい
る。この上側スリツトバー１３―１ａと下側スリ
ツトバー１３―１ｂの間隔、すなわち垂直方向の
目開間隔１５は、上下スリツトバー１３―１ａ，
１３―１ｂを回動させることによつて種々変える
ことができるが、その範囲は前記したとおり最大
20mm以下で十分である。 なおシユート全体の角度調整、垂直方向の目開
間隔調整は、シリンダー等を利用した調整機構
（図示せず）により行なう仕組みとなす。 発明の作用・効果 上記装置において、ドラムフイーダ２から切出
された原料は、傾斜角４５度以上に設置されたス
リツトバーシユート１３上に落下し、スリツトバ
ー群の表面に沿つて転動する。この時、スリツト
から落下しない粗粒原料は第１図シユート下端Ａ
点まで転がり、パレツト４内下層部に斜面を形成
して装入される。そして、原料堆積斜面Ｂを転が
る過程でさらに分級され、下から上に向つて粗粒
のものから順に装入される。 一方、細粒原料はシユート下端まで転がること
なくスリツトバー群のスリツトを通り抜けてパレ
ツト４内の前記粗粒堆積層の上に装入されるが、
スリツトバーは隣接間で高さレベルが異つてお
り、垂直方向の目開間隔１５がシユート下部に向
かうほど大きくなつているので、より微粉なもの
ほどシユート上部でスリツトを通過し、順次移動
するパレツト内には細粒の中でも径の大なるもの
から原料が堆積し、最も径の小なるものが最上層
に装入される。すなわち、パレツト高さ方向に粒
度偏析（上層部は細粒、下層部は粗粒）のついた
装入が行なわれる。 ところで、スリツトシユートの目開間隔がシユ
ート上部から下部まで同一の場合には鉱石がかみ
込み目詰りが発生するが、この発明のシユートの
場合は垂直方向の目開間隔が大きくなつているの
で鉱石はかみ込むことなく原料流に押し流されて
目詰りすることはない。 しかしながら、付着性の強い原料の場合、連続
操業時間が長くなると目詰りが発生することがあ
る。その際には、支軸１３―３を軸にして隣接ス
リツトバーの垂直方向の目開間隔を変えることに
より目詰り原料を離脱させることができる。 また、原料粒度分布構成によつてパレツト高さ
方向の偏析度が異なるので、シユート全体の角度
を変更すればスリツトの分級効果も異なり、それ
ぞれの原料粒度、分級効果、偏析度に応じた調整
を行なうことができる。 一方、パレツト高さ方向のコークス濃度偏析に
ついては、第１表に示す鉱石とコークスの粒度分
布例から明らかなごとくコークス粒度構成の方が
細かい。従つて、パレツト高さ方向に粒度偏析
（上層部は細粒、下層部は粗粒）をつけることに
よつて自動的にコークス濃度偏析（上層部に多
く、下層部に少ない）をつけることができる。

【表】 以上説明したごとく、この発明によれば、粗粒
原料と細粒原料を効果的に分級せしめ、粗粒原料
を下層に、細粒原料を上層にそれぞれ堆積するこ
とができるので、パレツト高さ方向の粒度偏析が
より強化され、焼結鉱品質および生産性において
充分な向上効果を得ることができる。 また、給鉱シユートは上端と下端とでスリツト
バーの高さレベルを変えて垂直方向の目開間隔を
シユート下部に向かうほど大きくしているので、
原料鉱石のかみ込みによる目詰りはほとんど発生
せず、さらにその目開間隔を任意に変更できるの
で、湿潤原料であつても原料の付着による目詰り
も防止することができ、長時間の連続操業におい
てもパレツト高さ方向に粒度偏析のついた装入を
行なうことができる。 また、装入装置自体構造が簡単であるばかりで
なく、既設のDL型焼結機に容易に適用すること
ができる利点があり、設備費、運転費の面でも大
きな効果を奏する。 実施例 前出第１表に示す粒度構成の焼結原料を第２表
に示す条件でパレツトに装入し、焼結鉱を製造し
た結果を第３表に示す。なお第３表には、比較の
ため、第７図および第８図に示す従来の給鉱シユ
ートを用い、それぞれ第２表に示す５および６の
条件で実施した場合の結果を併せて示す。 本実施例におけるパレツト高さ方向の粒度およ
びコークス濃度偏析をそれぞれ第５図および第６
図に従来と比較して示す。 第５図および第６図の結果より明らかなごと
く、パレツト高さ方向の粒度およびコークス濃度
の偏析が従来に比べて大きく、その結果第３表よ
り明らかなごとく焼結性が大巾に改善された。

【表】

【表】 【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明に係る原料給鉱部を模式的に
示す側面図、第２図は同上正面図、第３図はこの
発明に係る原料給鉱シユートを示す正面図、第４
図は第３図―線上の縦断側面図、第５図はこ
の発明の実施例におけるパレツト高さ方向の粒度
分布を示す図表、第６図は同じくパレツト高さ方
向のコークス濃度分布を示す図表、第７図および
第８図は従来の原料給鉱部を示す概略図である。 １……給鉱ホツパー、２……ドラムフイーダ、
４……パレツト、１３……スリツトバーシユー
ト、１３―１ａ……上側スリツトバー、１３―１
ｂ……下側スリツトバー、１３―２ａ……上側ス
リツトバーの連杆、１３―２ｂ……下側スリツト
バーの連杆。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ DL型焼結機の原料給鉱部において、原料流
   れ方向にスリツトバーを配した上下２枚のスリツ
   トバーシユートを千鳥状に相重ねるとともに、各
   シユート上端を同一軸にて上下方向に回動可能に
   設け、シユート下部に向つて上下方向の目開間隔
   を大きくし、かつ該シユートを45度以上に傾斜さ
   せ、ドラムフイーダからの原料を上記２枚構造の
   スリツトバーシユート上に落下させて焼結機パレ
   ツトに給鉱することを特徴とするDL型焼結機の
   原料装入方法。 ２ 給鉱ホツパーからドラムフイーダを介して落
   下供給される原料をシユートを介して焼結機パレ
   ツト上へ供給装入する原料装置において、原料流
   れ方向にスリツトバーを配した上下２枚のスリツ
   トバーシユートを千鳥状に相重ねるとともに各シ
   ユート上端を同一軸にて上下方向に回動可能に軸
   着し、シユート下部に向つて上下方向の目開間隔
   が大きくなる構造となし、かつ該２枚構造のシユ
   ートを45度以上の角度に傾斜設置することを特徴
   とするDL型焼結機の原料装入装置。