JPH0658194B2 - 焼結機の原料装入装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明はホツパーからロールフイーダーを介して落下
供給される原料を、シユートを介して焼結機パレツト上
に供給装入する焼結機の原料装入装置に関する。

〔従来の技術〕

連続下方吸引式焼結機による焼結鉱製造プロセスにおい
て、給鉱装置からパレツト上に焼結原料を装入する際
に、上層部は下層部に比較して燃料分（コークス）を多
く、かつ下層部は上層部に比較して原料粒度が粗くなる
ように装入するほうが品質の向上、焼結歩留の向上、着
火燃料の燃料原単位の低減および生産性の向上に効果的
であることは一般に知られていることである。そして上
述のように装入する方法や装置が従来いろいろと工夫さ
れてきた。特に特公昭59-30776号公報に記載の開口を設
けた２枚以上のシユートを使用して原料を偏析して装入
する方法や装置は、焼結鉱の上述のような目的に大きく
貢献していると判断される。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかしながら上述した特公昭59-30776号公報の装置で
は、スリットバーならびにデフレクターシユートまたは
一対以上のシユートから構成されているので、次のよう
な問題点があつた。

1) ロールフイーダーと焼結機パレツト間はあまり間隔
があいていないので、２段のスリツトバーまたはシユー
トを設置するのは困難である。

2)下段のシユートまたはデフレクタープレートは、従来
のスローピングシユートで装入する場合と同様に、原料
の摺動により摩耗が激しい。

3)スリツトバーも原料中で篩分けを行うので、摩耗が激
しく寿命が短い。またスリツトバーに原料が付着した
り、目詰りが発生したりする。

この発明は以上のような従来技術の問題点を解消し、狭
い場所に設置でき、摩耗や目詰りの少ない焼結原料の装
入装置を提供することを目的としている。

〔問題点を解決するための手段〕

この発明はホツパーからロールフイーダーを介して落下
供給される原料をシユートを介して焼結機パレツト上に
供給装入する焼結機の原料装入装置において、前記シユ
ートを一対の巻取ドラムの間に複数本のワイヤーを間隙
を開けて水平方向に張架し且つ傾斜して形成した焼結機
の原料装入装置であり、実施態様としてワイヤー間開口
部の水平投影面積が調整機構により可変にした焼結機の
原料装入装置であり。さらにその実施態様としてワイヤ
ー間開口部の水平投影面積の調整機構が一端を回動自在
に係止され２個以上のワイヤーを通す孔を設けた調整板
である焼結機の原料装入装置である。

〔作用〕

ホツパーからロールフイーダーを介して落下供給される
原料をシユートを介して焼結機上に供給装入する焼結機
の原料装入装置において、前記シユートを一対の巻取ド
ラムの間に複数本のワイヤーを間隙を開けて水平方向に
張架し且つ傾斜して形成したので、ロールフイーダーと
焼結機パレツト間のせまい場所に容易に設置できるとと
もに、ワイヤーをワイヤー間開口部の水平投影面積調整
機構で適度に傾けてやることにより、原料の粒径の大き
いものはパレツト底部に、また原料の粒径の小さいもの
はパレツト上部に偏析して装入することができる。した
がつて焼結鉱の品質、製品歩留、生産性の向上および燃
料原単位の低減を達成することができる。

〔実施例〕

本発明の一実施例を第１図および第２図に基づき説明す
る。第１図は、本発明の焼結機の原料装入装置の使用状
況を示す側面図、第２図はその正面図である。給鉱ホツ
パー１によりロールフイーダー２を介して装入される焼
結原料３は、本発明の焼結機の原料装入装置４を構成す
る傾斜して配置された７本のワイヤー５に当たり、粒径
の大きいものはこのワイヤー５上をバウンドしながら落
下し、パレツト６の火格子７に堆積する。また粒径の小
さなものはワイヤーとワイヤーの間から落下し、火格子
上に堆積している粒径の大きい原料の上に堆積する。こ
のためパレツト６の中では、粒径の大きい原料が火格子
に近い底部に、粒径の小さい原料および原料と比較して
粒径の小さい粉コークス（平均粒径で原料は2.5〜3mm、
粉コークスは1mm）がパレツト６の上部に偏析した状態
で装入されているという焼結機の操業にとつて理想的な
装入状態となつている。なお安定した焼結を行うため、
カツトオフプレート８で原料の層厚が一定になるように
している。

偏析装入のためののワイヤー５は、第２図のように両端
を巻取ドラム９によつて巻取られている。したがつてワ
イヤーの長さをパレツト６のの幅より十分長いものにし
ておけば、ワイヤーが摩耗した場合でも設備を停止する
ことなく、巻取ドラムでワイヤー５を巻取ることによ
り、ワイヤー５を正常な状態にしてやることができる。

装入原料の理想的な偏析の状態は、ワイヤーとワイヤー
との間の開口部の水平投影面積を適度に設定することに
より可能であるが、この水平投影面積の変更は角度調整
板10により変更が可能である。すなわち角度調整板10
は、第３図のようにワイヤー５を通す通過孔11が設けて
あり、一端を固定ピンで回動自在に係止してある。そし
て他端にはこの角度調整板10をある角度で固定板12に固
定するための差込ピンを通す孔13が設けられている。前
記ワイヤー間開口部の水平投影面積は、調整板10の傾き
を水平に近づければ大きくなり、垂直に近づければ小さ
くなる。角度調整板10は１枚でもよいが２枚のほうがよ
り正確に調整できる。この調整は手動でも電動機を使用
してもよい。このように角度調整板10の傾きを変えるこ
とにより、簡単に原料および粉コークスの偏析状態を変
えることができるので、最適の偏析状態を下記の(1)式
および(2)式で定義づけられる原料粒度偏析度およびコ
ークス濃度偏析度を用いて整理してみた。装入した原料
の鉄鉱石および粉コークスの粒度分布はそれぞれ第１表
のとおりであるが、この粒度分布の鉄鉱石と粉コークス
を重量比で95：５に混合して装入した。

その結果粒度偏析度と歩留との関係は第４図のようにな
り、粒度偏析度が0.2〜0.4の範囲が最適であることが分
かつた。またコークス濃度偏析度も同じような傾向があ
ることが分かつた。

原料粒度偏析度＝（最下層の粒度−最上層の 粒度）÷（全体の平均粒度）……(1)式 コークス濃度偏析度＝（最上層のコークス濃度−最下層 のコークス濃度）÷（全体のコークス濃度）……(2)
式 これは0.2以下では上層の粉コークスの量が少ないた
め、焼結が十分行われず焼結歩留が低下するからであ
り、0.4以上になると最上層の粉コークスの量が多すぎ
るため、鉱石が過度に溶解して通気性が悪くなり、内部
の焼結が十分行われず焼結歩留が低下するからである。
上記(1)，(2)式が0.2〜0.4の間になるように偏析装入し
た場合、従来と比較して1.5〜2.0％焼結歩留が向上す
る。

また粉コークスがパレツトの上層に偏析し、原料の大径
のものがパレツトの下層に偏析するため、通気性がよく
着火性がよいという利点がある。このため焼結のための
点火用燃料（Ｃガスまたは高炉ガス）が、焼結鉱１トン
当たり従来の1.6m³から1.2³と低減できる。さらには通
気性が良くなることにより、原料の層の厚さを厚くする
ことができるので、生産性の向上をも達成することがで
きた。

なおこの装入装置もワイヤーに原料が付着するという問
題はあるが、角度調整板１０のワイヤー通過孔１１を利
用し、巻取ドラム９でワイヤーを巻取り巻もどしを繰り
返すことにより、除去することができる。

〔発明の効果〕

この発明により、焼結鉱の歩留を向上できるとともに着
火用燃料の原単位を低減でき、さらには生産性を向上す
ることができるので、その工業的効果は大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の焼結機の原料装入装置使用状況を示す
側面図、第２図はその正面図、第３図は角度調整板の側
面図、第４図は粒度偏析度と歩留の関係を示すグラフで
ある。 １……給鉱ホッパー、２……ロールフイーダー、 ３……焼結原料、４……焼結機の原料装入装置、 ５……ワイヤー、６……パレット、７……火格子、 ８……カツトオフプレート、９……巻取ドラム、 10……角度調整板、11……通過孔、12……固定板 13……差込ピンを通す孔。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ホツパーからロールフイーダーを介して落
   下供給される原料をシユートを介して焼結機パレツト上
   に供給装入する原料装入装置において、前記シユートを
   一対の巻取ドラムの間に複数本のワイヤーを間隙を開け
   て水平方向に張架し且つ傾斜して形成したことを特徴と
   する焼結機の原料装入装置。
2. 【請求項２】ワイヤー間開口部の水平投影面積を調整機
   構により可変にしたことを特徴とする特許請求の範囲第
   １項記載の焼結機の原料装入装置。
3. 【請求項３】ワイヤー間開口部の水平投影面積調整機構
   が一端を回動自在に係止された複数本のワイヤーを通す
   孔を設けた調整板であることを特徴とする特許請求の範
   囲第２項記載の焼結機の原料装入装置。