JP5375666B2

JP5375666B2 - ドワイトロイド式焼結機の床敷き鉱装入装置および焼結鉱の製造方法

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Publication number: JP5375666B2
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Description

本発明は、高炉等の主原料として用いられる焼結鉱を製造するドワイトロイド式焼結機の床敷き鉱装入装置および焼結鉱の製造方法に関する。

図１に、焼結鉱を製造するドワイトロイド式焼結機の概略図を示す。図１において、ドワイトロイド式焼結機１は、無限軌道上を走行する焼結パレット２を有し、鉄鉱石にコークス粉と石灰粉を混合して原料を調合し、この原料を、移動している焼結パレット２に装入する。次いで、焼結パレット２に装入された原料の表面部のコークスに点火装置３で点火し、焼結パレット２の下側の風箱４から空気を吸引しながらコークスを燃焼させ、その燃焼熱で鉄鉱石を焼結させて、焼結鉱を製造する。

焼結機のパレットに原料を装入する際には、焼結パレット２のグレート（格子）面から細粒の原料が落下することを防止するために、焼結パレット２のグレート面上に、まず粗粒の成品焼結鉱からなる床敷き鉱を床敷き鉱用ホッパー５から装入し、その上に配合した焼結原料を焼結原料用ホッパー６から装入する。

焼結パレット上に床敷き鉱と配合原料とを装入する従来の配合原料供給装置の例を図２に示す。図２に示す装置は、床敷き鉱用に十分な量の粗粒の焼結鉱を成品焼結鉱から採取することが困難であり、細粒および粗粒の混合状態の床敷き鉱を使用する場合に用いるものであり、細粒および粗粒の床敷き鉱が混在して装入されている床敷き鉱ホッパー５から床敷き鉱を、シュート直下にパレット進行方向と逆方向に傾斜して設けられたグリズリー型分級装置８を介して進行するパレット２上に装入し、パレット・グレート間隔より大きい粒径の粗粒床敷き鉱を直接パレット・グレート面上に敷設し、またこれより小さい粒径の細粒床敷き鉱を粗粒床敷き鉱の上面に敷設するようにして、ドワイトロイド式（ＤＬ型）焼結機１に床敷き鉱を装入している（例えば、特許文献１参照。）。

床敷き鉱用ホッパー５の落下シュート７下端にグリズリー型分級装置８を設け、落下する床敷き鉱のうち粗粒部分を篩い上としてグリズリー型分級装置８の傾斜面を落下させて焼結パレット２の上流部分に落下させ、細粒部分を篩い下としてグリズリー型分級装置８下部の、粗粒の床敷き鉱が敷設された焼結パレット２上に落下させる。９は床敷き鉱用ホッパー５からの排出量を調整するゲートである。これにより、粗粒の床敷き鉱を優先して焼結パレット２上に装入することができるので、焼結パレット２のグレート面１０からの細粒の床敷き鉱の落下を防止することができる。焼結原料用ホッパー６内の原料はロータリフィーダ１１等で定量的に切出し、シュート１２等を介して焼結パレット２の床敷き鉱上に装入する。

通常の床敷き鉱用ホッパーとしては、図２においてグリズリー型分級装置８を有さないものや、焼結原料用ホッパー６のようにロールフィーダーを用いて床敷き鉱を切り出すタイプのものが使用されている。

また、図１に示すドワイトロイド式焼結機において、床敷き鉱用ホッパー５と焼結原料用ホッパー６間の焼結パレット２上部に、焼結パレット２上に装入された床敷き鉱の層厚を均一化する床敷き原料敷設装置を設けることで、焼結パレットの幅方向に均等な層厚と充填密度を有する床敷き原料層を得ることのできるものが知られている（例えば、特許文献２参照。）。図３に床敷き原料敷設装置１３の上面図、図４に床敷き原料敷設装置１３のパレット幅方向の正面図を示す。床敷き原料敷設装置１３は、焼結パレット２上の床敷き鉱の表面を均すスクレーパーに相当するものである。

焼結鉱の歩留を向上させるためには、焼結原料を焼結機で焼成して製造される焼結ケーキを均一に焼成させる必要がある。焼結ケーキを均一に焼成させるためには、焼結パレット上に装入される焼結原料を均一化することが重要であり、そのためには焼結パレットのグレート面上に装入された床敷き鉱の上面が焼結パレットの幅方向（焼結パレットの進行方向と直角方向）で水平に平滑化されていることが必要である。

しかし、特許文献１に記載のような従来技術を用いた場合、床敷き鉱用ホッパーから落下シュート等を介して焼結パレットのグレート上面に床敷き鉱を供給する際に、床敷き鉱の層厚が焼結パレット幅方向で変化し、焼結パレットの上面に装入された床敷き鉱の上面を水平に平滑化することができないという課題があった。

また、特許文献２に記載のように床敷き原料敷設装置（スクレーパー）を用いて焼結パレット上に装入された床敷き鉱の上面を平滑化する場合、焼結パレットのサイドウオール（側壁：図３、図４の１４）近辺の床敷き鉱は、焼結パレットのサイドウオール側に押し付けられてサイドウオール部分で山状に盛り上がり、焼結パレット幅方向全体としての平滑化は困難である。さらに、床敷き原料敷設装置は、その構造が複雑であり、構成部品、部材が多数あるため、これらの構成部品、部材の保全に多くの手間と費用がかかるという問題もある。

これに対して、ドワイトロイド式焼結機を用いて焼結鉱を製造する際に、比較的低いコストで、焼結パレットに装入される床敷き鉱の上面を、焼結パレットの幅方向において水平に平滑化できる、ドワイトロイド式焼結機の床敷き鉱装入装置および焼結鉱の製造方法が知られている（例えば、特許文献３参照。）。

特開平４−６６６２４号公報特開平３−５０４９３号公報特開２００９−３０８５３号公報

特許文献２に記載の装置は、上記の平滑化の問題等の他に以下の問題がある。すなわち、焼結パレット上に装入された床敷き鉱は、粗粒と細粒とがほぼ均一に混合されているために、焼結パレット（図３、４における２）のグレート（格子）面のスリット状の開口隙間が５〜６ｍｍあることから、この隙間より小さい径の細粒が前記グレート（格子）面のスリット状の隙間から下方へ落下してしまい、床敷き鉱として有効に利用できずに、床敷き鉱の原単位が落下の分だけ増加してしまうという問題である。

一方で、特許文献３に記載のドワイトロイド式焼結機の床敷き鉱装入装置および焼結鉱の製造方法を用いれば、比較的低いコストで、ドワイトロイド式焼結機の焼結パレットに装入される床敷き鉱の上面を、焼結パレットの幅方向において水平に平滑化できる。しかし、特許文献２と同様に細粒がグレート（格子）面のスリット状の隙間から下方へ落下してしまい、床敷き鉱の原単位がこの分増加してしまう問題がある。

したがって本発明の目的は、このような従来技術の課題を解決し、ドワイトロイド式焼結機を用いて焼結鉱を製造する際に、比較的低いコストで、焼結パレットに装入される床敷き鉱の上面を、焼結パレットの幅方向において水平に平滑化できるとともに、細粒の落下を防止して、床敷き鉱の原単位を低減できる、ドワイトロイド式焼結機の床敷き鉱装入装置および焼結鉱の製造方法を提供することにある。

このような課題を解決するための本発明の特徴は以下の通りである。
（１）、ドワイトロイド式焼結機の焼結パレットに床敷き鉱を装入するための床敷き鉱ホッパーとシャッターとを有する装置であって、前記床敷き鉱ホッパーが下部に切り出しゲートが設けられた床敷き鉱上部ホッパーと、該床敷き鉱上部ホッパーの下方に設置され、該床敷き鉱上部ホッパーから排出される床敷き鉱を受ける、底部が開口している床敷き鉱下部ホッパーとからなり、前記床敷き鉱下部ホッパー下部の幅がほぼ前記焼結パレット幅と同じであり、下部が前記焼結パレットとほぼ同じ幅である前記床敷き鉱下部ホッパーの一つの側壁の前面下部に前記床敷き鉱下部ホッパーの幅方向全長に亘り、上下動可能で下部が平坦なシャッターを設け、前記床敷き鉱下部ホッパーの上端部にグリズリー型分級装置を設け、前記床敷き鉱下部ホッパーの内部に、該床敷き鉱下部ホッパーの全幅にわたり仕切り板を設けることで、該床敷き鉱下部ホッパー内部に焼結パレットの進行方向に２分割した空間が設けられていることを特徴とする床敷き鉱装入装置。
（２）、（１）に記載の床敷き鉱装入装置を用い、該装置の床敷き鉱下部ホッパー下端を焼結パレットのグレート面から５０ｍｍ以内の高さ位置に設置して、前記焼結パレット上に床敷き鉱を装入し、該床敷き鉱の上に焼結原料を装入して焼結鉱を製造することを特徴とする焼結鉱の製造方法。

本発明によれば、比較的低いコストで、ドワイトロイド式焼結機の焼結パレットに装入される床敷き鉱の上面を、焼結パレットの幅方向において水平に平滑化できるとともに、焼結パレットのグレート（格子）面のスリット状の隙間からこぼれ落ちる床敷き鉱を少なくできる。

これにより、床敷き鉱原単位を低減させると共に、焼結パレット幅方向での焼成温度のばらつきが低減し、焼結ケーキの焼成が均一化し、返鉱原単位が減少して、焼結鉱の歩留も向上する。

ドワイトロイド式焼結機の概略図。従来の配合原料供給装置。床敷き原料敷設装置の上面図（従来例）。床敷き原料敷設装置のパレット幅方向の正面図（従来例）。本発明の床敷き鉱装入装置の一実施形態を示す概略図（斜視図）。本発明の床敷き鉱装入装置の一実施形態を示す概略図（側面図）。本発明の床敷き鉱装入装置の一実施形態を示す概略図（下部断面図）。焼結パレット内の床敷き鉱の装入状態（本発明例）。焼結パレット内の床敷き鉱の装入状態（従来例）。本発明例と比較例における返鉱原単位の比較を示すグラフ。本発明例と比較例における床敷き鉱原単位の比較を示すグラフ。

本発明の、ドワイトロイド式焼結機の焼結パレットに床敷き鉱を装入するための装置は、床敷き鉱ホッパーとシャッターとを有し、床敷き鉱ホッパーが下部に切り出しゲートが設けられた床敷き鉱上部ホッパーと、床敷き鉱上部ホッパーの下方に設置され、床敷き鉱上部ホッパーから排出される床敷き鉱を受ける、底部が開口している床敷き鉱下部ホッパーとからなり、床敷き鉱下部ホッパー下部の幅がほぼ焼結パレット幅と同じであり、設置した際に焼結パレットの進行方向に相当する面の側壁となる、下部が焼結パレットとほぼ同じ幅である床敷き鉱下部ホッパーの一つの側壁の前面下部に床敷き鉱下部ホッパーの幅方向全長に亘って、上下動可能で下部が平坦なシャッターが設けられている。シャッターの上下動により、床敷き鉱装入装置を焼結機上に設置した際に、床敷き鉱下部ホッパーの下端部分と焼結パレット面との間に形成される床敷き鉱の排出口の開度を調整することができる。

そしてさらに、床敷き鉱上部ホッパーと床敷き鉱下部ホッパーの間のゲートの下部である、床敷き鉱下部ホッパーの上端部にグリズリー型分級装置を設け、さらに、床敷き鉱下部ホッパーの内部に、床敷き鉱下部ホッパーの全幅にわたり仕切り板を設けることで、床敷き鉱下部ホッパー内部に焼結パレットの進行方向に２分割した空間が設けられている。

床敷き鉱上部ホッパーから排出される床敷き鉱は、グリズリー型分級装置で分級されるが、床敷き鉱下部ホッパー内部に焼結パレットの進行方向に２分割するための仕切り板を、床敷き鉱下部ホッパーの上端から下端にかけて全長にわたり設けることで、グリズリー型分級装置で分級された細粒は、グリズリーの隙間を通過して、仕切り板で２分割された床敷き鉱下部ホッパーの前方部（焼結パレットの進行方向に向かって前側）空間に装入される。一方、グリズリー型分級装置で分級された粗粒は、グリズリー上面を転げ落ちて、仕切り板で２分割された床敷き鉱下部ホッパーの後方部（焼結パレットの進行方向に向かって後側）空間に導入される。このようにして分離された粗粒と細粒は、床敷き鉱下部ホッパー下端の排出口から床敷き鉱として排出されるが、先に粗粒が焼結パレットのグレート面上に装入され、続いて床敷き鉱の細粒が先に装入された粗粒の上へ導入されることとなる。これにより焼結パレットのグレート面からの細粒の床敷き鉱の落下を防止することができる。

図５〜７を用いて本発明の床敷き鉱装入装置を説明する。図５は本発明の一実施形態であり、床敷き鉱装入装置を焼結パレット上に設置した場合の、斜視図の概略図である。床敷き鉱装入装置は、ドワイトロイド式焼結機の無限軌道上を走行する複数の焼結パレットに床敷き鉱を供給するために設置されるものであり、ドワイトロイド式焼結機は、図１に示したように無限軌道上を走行する焼結パレットと、該焼結パレットに床敷き鉱を装入する床敷き鉱装入装置と、装入された床敷き鉱の上に焼結原料を装入する焼結原料用ホッパーを有している。

床敷き鉱装入装置２１は、床敷き鉱上部ホッパー２２、床敷き鉱下部ホッパー２３からなり、床敷き鉱上部ホッパー２２の下部に切り出しゲート２４が設けられている。床敷き鉱上部ホッパー２２の下方に、床敷き鉱上部ホッパー２２から排出される床敷き鉱を受ける、上面部が全て開口状態に形成された床敷き鉱下部ホッパー２３が設置されている。床敷き鉱下部ホッパー２３の幅（図５中に矢印で示す焼結パレット２の進行方向に垂直な、焼結パレット２の幅方向での幅）は、床敷き鉱上部ホッパー２２の幅（焼結パレット２の幅方向での幅）よりも大なる幅寸法を有している。図５において、床敷き鉱下部ホッパー２３の下面は開口されており、床敷き鉱下部ホッパー２３の側壁のうち、焼結パレット２の進行方向に向いた面の前面下部に上下動可能なシャッター２５（均しゲート板）が設けられている。

図６、図７も本発明の床敷き鉱装入装置の一実施形態であり、図６は側面図（焼結機ライン進行方向に対して横方向から見た図）、図７は床敷き鉱装入装置下部の縦断面図（焼結機ライン進行方向に平行な方向での断面図）である。図６、７中の矢印は焼結パレットの進行方向であり、図６においては床敷き鉱下部ホッパー２３の内部のグリズリー型分級装置３２と仕切り板３３も、説明の都合上示している。図６、図７において２６（２６ａ、２６ｂ）は床敷き鉱下部ホッパー２３の底部の開口部であり、床敷き鉱下部ホッパー２３を所定の距離だけ焼結パレットのグレート面１０の上方に設置することで、図６、図７における左側の下端部に床敷き鉱下部ホッパー２３の幅方向全長に亘る床敷き鉱の排出口を形成することができる。そして床敷き鉱下部ホッパー２３の側壁前面下部に設けられたシャッター２５を、床敷き鉱下部ホッパー２３の側壁の下端よりも下の位置まで下げることのできる構造とすることで、上下動可能なシャッター２５（均しゲート板）が上記床敷き鉱の排出口の全面に設けられることになる（図６、図７においてはシャッター２５は閉状態である。）。図７において斜線で示されている部分がシャッター２５である。２７は磨耗防止のライナーである。

床敷き鉱下部ホッパー２３の下端部の幅は、床敷き鉱下部ホッパー２３がパレットの側壁に接触しない程度で、ほぼパレット幅に等しく設定されている。２８はスプロケットである。

図５〜７を用いて、グリズリー型分級装置と仕切り板について説明する。床敷き鉱上部ホッパー２２と床敷き鉱下部ホッパー２３の間の切り出しゲート２４の下方である、床敷き鉱下部ホッパー２３の上端部にグリズリー型分級装置３２を設けて、さらに床敷き鉱下部ホッパー２３の内部に仕切り板３３を設けることで、床敷き鉱下部ホッパー２３の内部を床敷き鉱下部ホッパー２３の前方部空間３４ａ（焼結パレット２の進行方向に向かって前側）と床敷き鉱下部ホッパー２３の後方部空間３４ｂ（焼結パレット２の進行方向に向かって後側）に２分割している。これにより床敷き鉱下部ホッパー２３の底部の開口部２６も２６ａ、２６ｂの２つに分割される。グリズリー型分級装置３２を前方部空間３４ａの上部に、篩い面がパレット進行方向に対して後方に向けて（上流側に向かって）下りの傾斜を有するように設置することで、グリズリー型分級装置３２で分級された粗粒は後方部空間３４ｂに、分級された細粒は前方部空間３４ａに装入される。

床敷き鉱上部ホッパー２２と床敷き鉱下部ホッパー２３とは一体として形成することも可能であるが、上下２段ホッパーとして、間に切り出しゲートを設けた方が、床敷き鉱の装入量の制御が容易であり、メンテナンスも容易である。

上記の床敷き鉱装入装置を用いる際には、シャッターが設置された面を焼結パレットの進行方向に向けて（下流側に向けて）焼結パレット上に設置する。そして装置の下端を焼結パレットのグレート面から所定の高さ位置に設置して、前記焼結パレット上に床敷き鉱を装入する。焼結パレットのグレート面１０上に落下・装入される床敷き鉱３０ｂは、焼結パレットの進行速度に応じてグレート面１０の移動長さ分だけ装入されるので、焼結パレットの幅方向における床敷き鉱の装入量は均一であり、床敷き鉱下部ホッパー２３の下端から焼結パレットのグレート面１０との距離（落下距離）を５０ｍｍ程度と小さくすることで床敷き鉱が落下する際に衝突飛散することを極めて少なくできるので、床敷き鉱を焼結パレットのグレート面１０上に平滑的に装入することができる。したがって、床敷き鉱下部ホッパー２３の下端のグレート面からの高さは、５０ｍｍ以内とすることが好ましい。

この際に、床敷き鉱装入装置２１の床敷き鉱上部ホッパー２２に装入された粗粒と細粒との混合状態である床敷き鉱３０ａは、切り出しゲート２４の開閉により、切り出しゲート２４の下方に設けたグリズリー型分級装置３２の上面に所定量が装入され、この床敷き鉱のうち細粒はグリズリー型分級装置３２の篩い面の孔又はスリットを通過してグリズリー型分級装置３２の下方に設けた床敷き鉱下部ホッパー２３の内部の仕切り板３３で２分割された内の、前方部空間３４ａに落下、装入される。

一方、床敷き鉱上部ホッパー２２から装入された床敷き鉱のうち粗粒は、グリズリー型分級装置３２の篩い面を傾斜の方向に転がり落ちて、床敷き鉱下部ホッパー２３の後方部空間３４ｂに落下、装入され、滞留する仕組みである。

床敷き鉱下部ホッパー２３内の前方部空間３４ａ内の細粒および後方部空間３４ｂ内の粗粒は各々に床敷き鉱下部ホッパー２３下端の開口部２６ａ、２６ｂからシャッター２５の昇降位置に応じた開放隙間の大きさに対応して焼結パレット２のグレート面１０に落下、装入される。

この時、焼結パレット２の進行方向に対して後方部空間３４ｂの開口部２６ｂの方が開口部２６ａより先行してあることから、後方部空間３４ｂ内に滞留している粗粒が前方部空間３４ａ内に滞留している細粒より先行して、焼結パレット２のグレート面１０上に落下、装入され、この後に続いて細粒が、装入された粗粒の上に落下、装入されることとなる。

これにより焼結パレット２のグレート面１０の隙間より大きい粗粒の床敷き鉱がグレート面１０の隙間を充填して、グレート面１０の隙間が減少した状態の上に、細粒の床敷き鉱が装入されることで、焼結パレット２のグレート面１０の隙間から下方へ落下してしまう細粒の床敷き鉱を減少させることができる。

床敷き鉱装入装置２１の床敷き鉱上部ホッパー２２に装入された床敷き鉱は、切り出しゲート２４の開閉により、所定量が床敷き鉱下部ホッパー２３に装入され、床敷き鉱下部ホッパー２３内の床敷き鉱は、下部の開口部２６から順次排出されるが、焼結パレットが停止中は流出せず、床敷き鉱下部ホッパー２３内の床敷き鉱は落下しない。操業が開始されると、シャッター２５を上方向に移動することで側壁下部の床敷き鉱の排出口部分に開放隙間が形成され（図６、７において左下部）、焼結パレットのグレート面１０の移動と共にシャッター２５の下部から焼結パレットに床敷き鉱が装入される。シャッター２５は上下動可能な機構を有し、床敷き鉱の装入量を調整すると共に、均しゲートとして、床敷き鉱表面を焼結パレットのグレート面１０への装入と同時に均して平坦にする役目を兼ね備えている。また、床敷き鉱下部ホッパー２３下部の開口部２６の幅は、ほぼパレット幅に等しく設定されているので、焼結パレットの両端部に盛り上がりが形成されることはない。

以上のように本発明では、床敷き鉱下部ホッパー２３の焼結パレット２の進行方向に向いた面（焼結パレット２の進行方向に対して下流側）の側壁の前面下部にシャッターを有する床敷き鉱の排出口が形成されることにより、装入量の調整と表面の均し作業を行いながら床敷き鉱の装入を行なうことができるので、余分な量の床敷き鉱が焼結パレットに装入されることがなく、焼結パレット幅方向において水平で平滑な表面を有するように装入できる。さらに、床敷き鉱の内の粗粒を先行して焼結パレットのグレート面１０に落下、装入することで、粗粒の上に細粒を落下、装入することができ、細粒がグレート面１０の隙間から下方へ落下する量を少なくすることができる。

図８に、図５〜７に示す装置を用いて焼結パレットに床敷き鉱を装入した場合の、焼結パレット内の床敷き鉱の装入状態を焼結パレットの進行方向に垂直な方向（焼結パレットの幅方向）での断面図で示す。図８に示すように、焼結パレットの幅方向において、床敷き鉱３０層の層厚は均一で平滑的であり、かつ装入充填密度を均一にできるので、その上方に装入する焼結原料を層厚均一に装入することができる。３１は床敷き鉱３０の上に装入した焼結原料である。これにより、焼結パレットのグレート面１０上の、床敷き鉱３０と焼結原料３１全体としての通気度が均一になり、したがって焼結鉱を均一に焼成することが可能となる。これにより返鉱原単位が低減する。

これに対して従来の床敷き鉱装入装置を用いた場合は、例えば図２に示す装置では、ゲート９の開閉により床敷き鉱ホッパーからの排出量を調整し、排出された原料は落下シュート７を流れ落ちて焼結パレット上に装入されるため図９に示すように床敷き鉱３０層の表面に凹凸が発生する。凹凸を掻き板等で均すと、焼結パレットの側壁部分に盛り上がり部分が形成されてしまうことになる。さらには粗粒と細粒とが混合しているので、グレート面１０の隙間５〜６ｍｍより小さい床敷き鉱は該隙間から下方へ落下し、この結果図９に示すように床敷き鉱の表面が凹凸になってしまい、平滑化しない。この床敷き鉱の上に焼結原料を装入すると、床敷き鉱３０と焼結原料３１全体としての通気度は幅方向位置でばらついており、したがって焼結鉱を均一に焼成することは困難である。

（本発明例）ドワイトロイド式焼結機において、図５〜７に示す装置と同様の、床敷き鉱下部ホッパーの下面が開放され、焼結パレット進行方向の側壁の前面下部にシャッター設置した本発明の床敷き鉱装入装置を用いて、床敷き鉱を焼結パレットに装入し、さらに焼結原料を装入して焼結鉱の製造を行なった。床敷き鉱装入装置は、その床敷き鉱下部ホッパーの下端部が焼結パレットのグレート面から５０ｍｍの高さ位置となるように設置した。

（比較例）また比較のために、床敷き鉱上部ホッパーと床敷き鉱下部ホッパーとの間にドラムフィーダを設置し、グリズリー型分級装置と仕切り板を除去し、シャッターの下端を床敷き鉱下部ホッパーの下端位置と同じになる位置で固定して、床敷き鉱下部ホッパーが単なるシュートとしてのみ機能する状態とした床敷き鉱装入装置を用いて焼結鉱の製造を行なった。この場合は床敷き鉱は、床敷き鉱上部ホッパーの下部からロールフィーダーを介して焼結パレット上に落下するので、約１ｍの高さから落下している状態であった。

操業結果を比較して、図１０、１１に示す。

図１０によれば、比較例の返鉱原単位が平均３００ｋｇ／ｔ−ｓｉｎｔｅｒであるのに対し、本発明例では２９０ｋｇ／ｔ−ｓｉｎｔｅｒであり、本発明の床敷き鉱装入装置を用いることで返鉱原単位が低減できることが分かる。これは、焼結パレット上の床敷き鉱と焼結原料との層が、全体として通気度が均一になり、焼結鉱が均一に焼成されたためと考えられる。

また図１１によれば、比較例の床敷き鉱原単位が平均１３０ｋｇ／ｔ−ｓｉｎｔｅｒであるのに対し、本発明例では１１０ｋｇ／ｔ−ｓｉｎｔｅｒであり、本発明の床敷き鉱装入装置を用いることで床敷き鉱原単位も低減できることが分かる。床敷き鉱の装入が均一化できたことで、比較例では発生する余分な床敷き鉱の装入量が減少する上に、細粒の床敷き鉱の落下を防止できるので、床敷き鉱原単位を低減することができる。

１ドワイトロイド式焼結機
２焼結パレット
３点火装置
４風箱
５床敷き鉱用ホッパー
６焼結原料用ホッパー
７落下シュート
８グリズリー型分級装置
９ゲート
１０グレート面
１１ロータリフィーダ
１２シュート
１３床敷き原料敷設装置
１４側壁
２１床敷き鉱装入装置
２２床敷き鉱上部ホッパー
２３床敷き鉱下部ホッパー
２４切り出しゲート
２５シャッター
２６（２６ａ、２６ｂ）床敷き鉱下部ホッパーの底部の開口部
２７ライナー
２８スプロケット
３０（３０ａ、３０ｂ）床敷き鉱
３１焼結原料
３２グリズリー型分級装置
３３仕切り板
３４ａ前方部空間
３４ｂ後方部空間

Claims

ドワイトロイド式焼結機の焼結パレットに床敷き鉱を装入するための床敷き鉱ホッパーとシャッターとを有する装置であって、前記床敷き鉱ホッパーが下部に切り出しゲートが設けられた床敷き鉱上部ホッパーと、該床敷き鉱上部ホッパーの下方に設置され、該床敷き鉱上部ホッパーから排出される床敷き鉱を受ける、底部が開口している床敷き鉱下部ホッパーとからなり、前記床敷き鉱下部ホッパー下部の幅がほぼ前記焼結パレット幅と同じであり、下部が前記焼結パレットとほぼ同じ幅である前記床敷き鉱下部ホッパーの一つの側壁の前面下部に前記床敷き鉱下部ホッパーの幅方向全長に亘り、上下動可能で下部が平坦なシャッターを設け、前記床敷き鉱下部ホッパーの上端部にグリズリー型分級装置を設け、前記床敷き鉱下部ホッパーの内部に、該床敷き鉱下部ホッパーの全幅にわたり仕切り板を設けることで、該床敷き鉱下部ホッパー内部に焼結パレットの進行方向に２分割した空間が設けられていることを特徴とする床敷き鉱装入装置。
請求項１に記載の床敷き鉱装入装置を用い、該装置の床敷き鉱下部ホッパー下端を焼結パレットのグレート面から５０ｍｍ以内の高さ位置に設置して、前記焼結パレット上に床敷き鉱を装入し、該床敷き鉱の上に焼結原料を装入して焼結鉱を製造することを特徴とする焼結鉱の製造方法。