JP3688591B2 - 焼結鉱の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、焼結鉱の製造方法の改善技術に属するものであり、特に焼結鉱強度を均一に高めて歩留りの向上を達成することによって、生産性の向上を図った焼結鉱の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
焼結鉱は、粉鉱石、あるいは製鉄所内で発生する含鉄原料(ミルスケール、高炉ダスト、転炉ダスト等)などの酸化鉄原料を主原料とし、これに粉状の石灰石や珪石等を副原料として配合し、さらに炭材としてコークス粉、無煙炭粉等を加えたものを、点火、焼結して製造されるのが一般的である。
【0003】
図3は、焼結機としては代表的なドワイトロイド(DL)式の焼結機の概要を示す概略説明図であり、図中21は移動パレット、22はドラムミキサー、23は点火炉、24はブロワー、25aは主原料(粉鉱石)ホッパー、25bは副原料ホッパー、1は炭材ホッパーを各々示す。この焼結機により焼結鉱を製造するに当たっては、焼結済みの成品焼結鉱のうち10〜20mm粒度のものを床敷として20〜30mm載置した移動パレット21上に上記のような主原料、副原料、および炭材の混合物を載置する。より具体的には、ホッパー25a、25b、および1に各々貯蔵された前記主原料、副原料、および炭材を取り出し、さらに水分を添加して、ドラムミキサー22で混合造粒し、擬似粒子化された焼結原料を、供給ホッパー26からドラムフィーダー27で装入シュート(スローピングシュート)16を介して移動パレット21上に300〜600mmの厚さに層状に敷きつめる。そして、原料装入位置の直後に設置された点火炉23によって、原料層の上層部に存在する炭材(通常は、粉コークスが使用される)に着火する。層状に敷きつめられた原料層中にはブロワー24による上方から下方への空気吸引によって空気が流れており、これによって燃焼位置は上層部から漸次下層部中の炭材へ徐々に燃え移っていく。炭材の燃焼発熱によって、原料充填物の一部が溶融し、その後冷却されることによって原料粒子が相互に焼結結合して、その後クラッシャー(図示せず)によって約50mm以下に破砕され、篩い分けされて次工程の高炉などで使用しやすい粒度に調整される。
【0004】
ところで、成品焼結鉱の歩留りは、供給熱量、結合スラグ量とその強度および空隙率等のさまざまな要因によって影響を受ける。その要因の中でも、焼結原料充填層の上層部に存在する脆化層の影響が最も大きく、成品焼結鉱の歩留りを特に低くしている。この脆化層は、焼結原料充填層の最表層から30〜50mmまでの深さ部分の上層部に存在するとされ、焼結鉱の結合に必要な溶融スラグの形成量が他の部分よりも著しく少なく脆い充填層である。この脆化層が形成される理由は次の通りと考えられている。すなわち、焼結工程においては、必然的に上方から室温程度の空気が吸引される。このため、この焼結原料充填層の上層部において、造滓成分の溶融化に必要な高い温度まで鉱石類が加熱される前に、焼結原料充填層(ベッド)中の粉コークスの燃焼が終了してしまう。そして、これにより焼結原料充填層の上層部では、焼結鉱の結合に必要な溶融スラグの形成量が不十分な状態となりやすく、この溶融スラグの形成量が不十分な部分が脆化層となる。
【0005】
このような脆化層をなくして、焼結鉱の歩留りを向上させるためには、前記粉コークスなどの炭材を焼結原料充填層の上層部に偏析させることによって、この上層部の炭材濃度を高くすることが有効であることが知られており(例えば、「材料とプロセス」、vol.13、1990、第964頁)、その具体的方法として種々の提案がなされたものの、実際の焼結鉱の製造方法には適用できなかった(例えば、特開昭61−127827号公報、実開平1−66599号公報、特開平5−98358号公報)。
【0006】
そこで、本出願人は、実際の焼結鉱の製造に使用できる具体的方法についてさらに研究開発を重ねた結果、特開平10−330854号公報に開示した発明を完成するに至り、この発明の実機焼結機への適用を試みた。特開平10−330854公報に開示した発明の概要は以下の通りである。
【0007】
すなわち、図2において、焼結原料Rを、供給ホッパー26から移動パレット21の移動方向とは逆向きに設置された装入シュート16(16a)により移動パレット21上に載置するにあたり、焼結原料Rが前記装入シュート16(16a)上を落下する途中で、炭材Pを焼結原料Rの下部に添加し、移動パレット21上に載置された焼結原料充填層Sの上層部に存在する前記炭材の配合量を下層部よりも多くして操業を行うものである(なお、装入シュート上段16aは、後述の本発明の実施例の構成である)。さらに、実施例1で後述するように、焼結原料充填層Sの上層部に存在する前記炭材の粒度は、1〜3mmとすることが最も好ましく、次いで3〜5mmとすることが好ましい(後述の表1参照)。炭材の粒径が1mm未満では、その燃焼により、固体である鉱石類への伝熱よりも空気への伝熱の方が優先的に進行することにより、鉱石類の温度が十分上昇せず、鉱石粒子間の溶融結合力が得られず、強度が低下する可能性があるからである。一方、炭材の粒径が5mmを超えると、点火バーナーで炭材に着火するまでの時間が長くなり、生産速度の低下要因となる可能性があるからである。
【0008】
しかしながら、上記発明を実機焼結機に適用するにあたり、以下の問題が残っていた。
【0009】
すなわち、予め焼結原料として添加される炭材(以下、「焼結原料用炭材」という。)としては、通常、開き目5mm角のスクリーンで篩分けされた篩下が用いられるため、1mm未満の細かい粒子を一定量含んだ5mm以下程度の粒度範囲のものが用いられる。一方、新たに添加する炭材(以下、「添加炭材」という。)の粒度は、上記のごとく、1〜3mmが最も好ましく、次いで3〜5mmが好ましいが、このような粒度範囲のものをスクリーンによる篩分けで得ようとすると、新たに1mm、3mmの開き目のスクリーンを追加する必要があり設備コストが上昇することに加え、このような細かい開き目のスクリーンは詰まりやすく、篩効率が著しく低下するため、実用的でない。また、篩分けした添加炭材を貯蔵しておくホッパーを別途設置する必要もある。
【0010】
一方、焼結原料用炭材を、既設の炭材ホッパー内に一旦貯蔵するためホッパーの上方から重力装入する際、通常はホッパーの中心軸近辺に落下させるので、いわゆるパーコレーション現象により、細かい粒子はホッパーの中心近傍に、粗い粒子はホッパーの側壁部に集まりやすい。本発明者らは、この偏析現象を利用することにより、上記問題を解決できると考え、以下のような設備構成を案出した。
【0011】
すなわち、炭材ホッパーの側壁部に開口を設け、その開口から炭材を抜出すことにより、1mm未満の細かい粒子の割合が減少した、1〜5mmの粒子の割合が高い添加炭材を選択的に取り出せるとしたものである。これにより、新たなスクリーンを追加する必要はなく、かつ添加炭材を一旦貯蔵しておくためのホッパーも別途設ける必要がない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、開き目5mm角のスクリーンで篩分けされた篩下粉には、5mmを超える粒度の粒子(粗粒)が混入することが避けられない。例えば、スクリーンの開き目の摩耗や破損により開き目が大きくなって5mmを超える粗粒がスクリーンを通過してしまう場合や、スクリーンから炭材ホッパーまで炭材を搬送するため直列に配置された複数のベルトコンベヤのうちの一部のベルトコンベヤを、5mm以下の篩下粉の搬送のみでなく、5mm超の篩上の粗粒の炭材を他の工場で使用する目的で搬送するのにも兼用し、搬送先に応じて交互に切り替えて使用しているときに、切換えの際にベルトコンベヤ上に残留した粗粒が篩下に混入してしまう場合などが想定される。従来は、焼結原料用炭材にこのような粗粒が混入しても、その混入割合はあまり高くないので、焼結原料中に混合される場合にはほとんど影響がなく問題とならなかった。
【0013】
ところが、粗い粒子ほど、ホッパーへの装入の際に、より側壁側に集まりやすく、炭材ホッパー側壁部から抜出した粒子中には、5mm超の粗粒が非常に高い割合で混入するため、前記特開平10−330854号公報に開示した発明の効果が十分に得られないことがわかった。
【0014】
そこで、本発明は、簡易な手段でこのような粗粒の混入を防止して、添加炭材の粒度を最適化することにより、焼結鉱の歩留りを向上させる焼結鉱の製造方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、主原料である酸化鉄原料に、副原料と、炭材ホッパーの底部から切り出した炭材とを予め混合して焼結原料とし、該焼結原料を、移動パレットの移動方向とは逆向きに設置された装入シュートにより、該移動パレット上に層状に載置するに際し、前記装入シュート上を流下する焼結原料の下部に新たな炭材を添加することにより、前記移動パレット上に載置された焼結原料充填層の上層部に存在する炭材の配合量を、該上層部よりも下層の充填層部分に存在する炭材の配合量よりも多くして操業を行う焼結鉱の製造方法において、前記新たに装入する炭材が、前記炭材ホッパーの側壁部に設けられた、粗粒混入防止手段を備えた開口部から切り出されたものであることを特徴とする焼結鉱の製造方法である。
【0016】
この発明によれば、ホッパーの側壁部に粗粒混入防止手段を備えた開口部を設けたことから、前記新たに混合する炭材(添加炭材)に粗粒が混入することを防止しつつ、細粒の割合が少ない炭材を抜出すことができ、添加炭材の粒度範囲を適正にし、その結果、焼結鉱の歩留りを向上できる。
【0017】
請求項2の発明は、前記粗粒混入防止手段が、前記開口部から炭材抜出し方向の側に、前記開口部の全面又は該開口部から炭材を抜出す炭材抜出しレッグの断面の全面にわたってグリズリーを設置したものであることを特徴とする請求項1に記載の焼結鉱の製造方法である。
【0018】
この発明によれば、グリズリーという簡易な手段で粗粒の混入を防止できる。
【0019】
請求項3の発明は、前記粗粒混入防止手段が、さらに、前記開口部上方でかつ前記炭材ホッパーの側壁内面に邪魔板を設置したものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の焼結鉱の製造方法である。
【0020】
この発明によれば、邪魔板により、開口部へ粗粒が直接流入することが防止ないし緩和され、かつグリズリーより上方の空間が粒子で密充填されることが防止されて、グリズリーに粗粒が詰まることが軽減され、さらに円滑に炭材を切り出せる。
【0021】
請求項4の発明は、前記邪魔板の水平方向への張り出し長さを、該邪魔板が設置されている高さにおける前記炭材ホッパーの水平断面の直径又は差し渡し長さの5〜20%としたことを特徴とする請求項3に記載の焼結鉱の製造方法である。
【0022】
この発明によれば、邪魔板の水平方向への張り出し長さを上記下限値(5%)以上とすることにより、上記請求項3の発明の作用効果を確実に得られることに加え、上記上限値(20%)以下とすることにより、適正粒度範囲の粒子の開口部への流入量を確保できる。
【0023】
請求項5の発明は、前記粗粒混入防止手段が、さらに、前記炭材ホッパーの中央部と側壁部の中間部に炭材を抜出す開口を備えた炭材抜出しシュートを前記開口部に接続したものであることを特徴とする請求項2に記載の焼結鉱の製造方法である。
【0024】
この発明によれば、炭材の抜出しをホッパーの中央部と側壁部の中間としていることから、抜出し炭材(添加炭材)への細粒、粗粒とも混入割合が小さく、グリズリーが粗粒で詰まることを軽減し炭材の円滑な切り出しを可能としつつ、適正粒度の添加炭材を抜出すことができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、図を用いて以下に詳細に説明する。
【0026】
図1は、本発明の焼結鉱製造方法の実施に係る、炭材ホッパーの断面図であり、図2は、本発明の焼結鉱製造方法の実施に係る、焼結機の給鉱部の概略説明図であり、図3は、本発明の焼結鉱製造方法の実施に係る、焼結設備の全体フロー図であり、図4は、本発明の焼結鉱製造方法の実施に係る、新たに添加する炭材(添加炭材)を供給する設備の概略フロー図である。
【0027】
すなわち、図3において、原料槽は、粉鉱石ホッパー、副原料ホッパー、および炭材ホッパーからなり、それぞれのホッパーから所定量の粉鉱石、副原料、炭材を切り出し、これらに所定量の水分を添加してドラムミキサー内で混合し造粒して焼結原料とする。なお、焼結原料用の炭材は、従来どおり、ホッパーの底部から切り出す。ドラムミキサーで造粒された焼結原料は、バケットエレベータ等により、焼結機の入口上方に設けられた給鉱ホッパーに一旦貯蔵された後、給鉱ホッパーからドラムフィーダで定量的にスローピングシュート(装入シュート)上に切り出され、スローピングシュート上を流下して焼結機の移動パレット上に載置され、焼結原料充填層を形成する。
【0028】
ここまでの工程は、添加炭材を用いない従来の焼結鉱製造方法と共通である。以下、本発明の特徴部分についての説明を行う。
【0029】
図1(a)、(b)に示すように、炭材ホッパー1の側壁部2に設けられた開口3には、添加炭材抜出しレッグ4を接続し、開口部の後方(添加炭材抜出し方向の側)で開口3全面またはレッグ4上部の断面全体にわたってグリズリー5を設置する。グリズリー5のスリット幅は、5mm超の粗粒がレッグ4内に混入しないよう、5mm程度とすればよく、また、グリズリー5の設置角度は、粗粒がグリズリーバー5a上に堆積せずにホッパー1内に戻るよう、粗粒の安息角(30°〜35°)以上とすることが望ましく、一方、垂直に近すぎると、適正粒度の粒子さえもグリズリーバー5aにより跳ね返されて、レッグ4に十分な量が抜出し難くなるので、60°以下程度とすることが好ましい。また、粗粒がグリズリーバー5a上に堆積しにくいよう、グリズリーバー5aは水平にではなくグリズリー5の傾斜方向に沿って設置することが好ましい。さらに、スリット幅はやや下広がりとしておき、かつ、グリズリー5を連続的または間欠的に振動できるようにしておくとよい。これにより、例え、粗粒がスリットに挟まっても、振動により容易に外れてスリット上を滑り落ち、ホッパー1内へ戻るからである。なお、ホッパー1内に戻った粗粒が底部7から切り出されて、焼結原料用炭材Qとして焼結原料に混合されても、前述したように、粗粒の焼結原料中への混入割合は少ないので問題とならない。
【0030】
また、図1(a)、(b)に示すように、開口部3の上方でホッパー1の側壁2内面に邪魔板6を設置することが好ましい。前述したように、ホッパー1への炭材装入時にパーコレーション現象により、粗粒は側壁部2に集まりやすいが、邪魔板6により、側壁部2に集まった粗粒が開口部3に直接流入することが防止ないし緩和され、かつ、グリズリー5より上方の空間が、粒子で密充填されることが防止され、グリズリー5に粗粒が詰まることが軽減される。なお、邪魔板6の張り出し長さWaは、邪魔板6の設置高さにおけるホッパー1の直径または差し渡し長さWbの5〜20%とすることが望ましい。WaがWbの5%以上になると、開口部3への粗粒の流入が顕著に減少し、かつ、グリズリー5上方の空間が十分に疎充填になるためグリズリー5の詰まりはほとんど認められなくなり、また、WaがWbの20%以下であれば、適正粒度範囲の粒子の開口部3への流入量が十分確保でき、必要量の抜出しが円滑に行えるからである。また、邪魔板6の横や先端から粗粒が開口部3へ流入しないよう、邪魔板6の取付幅は、開口の幅より広くし、さらに、邪魔板6の両横から下方に向けて縦向きの板8を取り付けておくことがより好ましい。また、邪魔板6は、取付部からホッパー1の中心に向かって上向きに設置することもよい。粗粒が邪魔板6上に滞留し、開口部3に流れ込みにくくなるからである。上向きの角度は水平に対して40〜60°が好ましい。
【0031】
あるいは、邪魔板6に替えて、炭材ホッパー1の中央部と側壁部の中間部に炭材を抜出す開口を備えた炭材抜出しシュートを設け、これを開口部3に接続してもよい。炭材抜出しシュートの開口の位置・高さは、例えば、開口の位置・高さを適宜変更して、それぞれの場合における抜出し炭材(添加炭材)の粒度分布を測定し、適正粒度分布が得られたときの開口の位置・高さを選択することにより決定すればよい。
【0032】
このようにして、レッグ4から抜出された添加炭材Pは、図4に示すように、ベルトコンベヤ11等により例えば添加炭材圧送装置12に送られる。そして、添加炭材Pは、圧送装置12により例えば高圧空気で気流輸送されて焼結機13入口上方に設けられた添加炭材ホッパー14に一旦貯蔵される。この添加炭材Pには、5mm超の粗粒の混入がないので、気流輸送しても、途中の配管15内等で詰まりを生じることもない。なお、圧送装置12のかわりに、ベルトコンベヤやバケットエレベータ等を用いて焼結機13上方のホッパー14まで搬送することも可能であり、このような場合には元々配管内等での詰まりの問題は生じないが、圧送装置12に比べ設備コストが高くなる問題がある。
【0033】
次いで、例えば図2に示すように、添加炭材ホッパー14から添加炭材Pを定量的に切り出し、スローピングシュート16上方に設けた添加炭材散布装置17により、幅の広いスローピングシュート16上を流下する焼結原料Rの下部に幅方向に均一に入るように供給する。ここに、添加炭材散布装置17とは、スローピングシュート16の幅にわたって、細長い三角形状の分散板を水平に設置し、分散板をスローピングシュートの幅方向に水平に振動させながら、三角形状の底辺側に添加炭材Pを載置し、その添加炭材Pを三角形状の頂点方向に移動させることにより、添加炭材Pをスローピングシュート16の幅方向に均一に散布するものである(特開2000−178661号公報参照)。幅の広い領域に添加炭材Pを供給する手段として、添加炭材散布装置17は、設置面積が少なくてすみ、かつ設備コストも安いので好ましいが、これに限るものではなく、通常用いられるドラムフィーダ等を用いてもよい。添加炭材Pを焼結原料Rの下部に入るように供給する方法としては、例えば、図2に示すように、スローピングシュート16の一部の区間を2段にして、その上段16a側に焼結原料を装入し、下段16b側に添加炭材Pを装入する方法を用いると、添加炭材Pが焼結原料Rの下部に確実に入るので好ましい。
【0034】
【実施例】
実施例1は、焼結鍋を用いた焼結鉱製造実験により、添加炭材の適正粒度範囲を確認したものであり、実施例2は、本発明を実機焼結機に適用し、その効果の確認を行ったものである。
(実施例1)
図2の装置を用いて(ただし、装入シュート上段6aは設けず)、添加炭材の粒度のみを変更して、焼結原料を積み付け、内径105mm、高さ370mmの円筒型焼結鍋にて焼結鉱の製造実験を行った。焼結原料の条件は、高結晶水鉱石などの低廉鉄鉱石を酸化鉄原料とし、この酸化鉄原料100質量部に対して、石灰石13.8質量部、生石灰2.5質量部、珪石1.8質量部、コークス粉5.3質量部を加え、さらに適量の水を添加して小型のドラムミキサーで擬似粒子化した実機焼結原料(ただし、コークス粉の配合量は、焼結鍋からの熱ロスを補償するため、実機焼結原料の配合量[5.1質量部]より高くしている)を用い、添加炭材は、平均粒径0.5mmの沈殿ブリーズと、コークス粉を篩い分けて作製した、それぞれ−1mm、1〜3mm、3〜5mm、+5mmの粒度のコークス粉を用いた。また、添加炭材の装入条件として、焼結原料装入量は360kg/回とし、スローピングシュート上での、添加炭材の焼結原料への添加量は0.72kg/minで、添加後の焼結原料への全炭材配合量を、酸化鉄原料100質量部に対して5.5質量部とした。スローピングシュートの角度は50°とし、スライドゲート開度は50mm、ドラムフィーダ回転数は45rpm、カットオフゲート高さは350mm、パレット台車移動速度は2.0m/minとし、焼結原料充填層厚みを300mmとした。さらに、焼結条件は、パレット上に充填した焼結原料を前記円筒型焼結鍋に装入して、鍋の下部からファンで空気を吸引するとともに、プロパンバーナで充填層表層部に着火した。このときのファンの吸引圧は焼結が完了するまで、3530Paで一定になるよう調整した。
【0035】
このような条件のもとで焼結し、焼結鉱の落下強度を測定した。落下強度は、焼結後のケーキを2mの高さから、4回鉄板上に落下させて破砕し、5mm以上の篩上の質量割合によって評価した。
【0036】
表1に、添加炭材の粒度と焼結鉱の落下強度との関係を示す。表1から明らかなように、焼結鉱の落下強度は、添加炭材の粒度が1〜3mmおよび3〜5mmのときに72質量%以上の高い値を示すが(実験No.3、4)、粒度が1mmより小さいときや5mmより大きくなると69質量%以下に低下する(実験No.1、2、5)ことがわかった。
【0037】
以上の結果より、添加炭材の粒度は、1〜5mmとすることが望ましいことが確認できた。
【0038】
【表1】
Figure 0003688591
【0039】
(実施例2)
ドラムミキサーの造粒能力1390t/h、焼成面積330m2の実機焼結機に対して、本発明を適用し、効果の確認を行った。
【0040】
先ず、添加炭材を用いない従来の操業方法を行っていた上記実機焼結機(図3参照)に対して、添加炭材の供給能力2t/hが得られるよう、設備改造を行った。すなわち、炭材ホッパー1には、側壁部2に添加炭材抜き出し用の開口3のみを設け(グリズリー5および邪魔板6は設けない)、添加炭材圧送装置12、添加炭材ホッパー14、添加炭材散布装置17を新設し(図4参照)、スローピングシュート16を2段化する改造を行った。この改造後の設備を用いて、上述した実施例1の焼結鍋実験と同様の原料配合・焼結条件で(ただし、コークス粉配合量は、焼結鍋実験より少なくし、それに合わせて添加炭材添加量も少なくしている)、移動パレット上に焼結原料充填層を載置し、焼結を行った(比較例)。
【0041】
次に、上記の設備に対して、さらに、開口部3に接続した炭材抜出しレッグ4に振動装置(図示せず)を備えたグリズリー5を設置し、かつ開口部3上方でホッパー側壁2内面に、ホッパー1水平断面の差し渡し長さWbの約11%の張り出し長さWaの板(いわゆる「邪魔板」)6を、取付部からホッパー1中心に上向き角度約60°で取り付け、さらに邪魔板6の横および先端部から下方に向けて開口部3の上方を覆う板8を設けた(図1参照)。そして、この再改造後の設備を用いて、上記比較例と同じ原料配合・焼結条件で、移動パレット21上に焼結原料充填層Sを載置し、焼結を行った(本発明例)。
【0042】
なお、本発明の適用による、添加炭材からの粗粒除去の効果を確認するため、本発明適用前後すなわち比較例および本発明例のそれぞれにおいて、添加炭材ホッパー14から切り出された添加炭材Pを採取し、その粒度分布を測定した。その測定結果を図5に示す。図5から明らかなように、本発明適用前(比較例)においては、−1mmの細粒の割合が6質量%と低く、炭材ホッパー1の側壁部2から抜出したことによる、粗粒偏析現象を利用した効果が認められるものの、+5mmの粗粒が28質量%混入しており、望ましい粒度範囲である1〜5mmの割合が68質量%(1〜3mmが40質量%、3〜5mmが28質量%)に留まっていた。それに対して、本発明適用後(本発明例)には、+5mmの粗粒は全く混入しておらず、1〜5mmの割合が92質量%(1〜3mmが54質量%、3〜5mmが38質量%)にまで増加していることが確認された。なお、−1mmの細粒の割合が比較例(6質量%)よりやや高い値(8質量%)を示しているが、+5mmの粗粒の混入が防止されて5mm以下の各粒度範囲の割合がそれぞれ増加したものにすぎず、−1mmの細粒の割合は十分低く維持されている。
【0043】
また、図6は、本発明適用前後の期間における焼結鉱の落下強度(歩留り)の変化の推移を示すものである。図6から明らかなように、本発明適用前(比較例)には、落下強度(歩留り)が約70%であったものが、本発明適用後(本発明例)には、落下強度(歩留り)が約71%へと約1%分上昇し、本発明の効果が確認された。
【0044】
【発明の効果】
以上述べたところから明らかなように、請求項1の発明によれば、ホッパーの側壁部に粗粒混入防止手段を備えた開口部を設けたことから、添加炭材に粗粒が混入することを防止しつつ、細粒の割合が少ない炭材を抜出すことができ、添加炭材の粒度範囲を適正にし、その結果、焼結鉱の歩留りを向上できる。
【0045】
請求項2の発明によれば、グリズリーという簡易な手段で粗粒の混入を防止できるので、設備コストの上昇を最小限に抑えることができる。
【0046】
請求項3の発明によれば、邪魔板を設置したことより、開口部へ粗粒が直接流入することが防止ないし緩和され、かつグリズリーより上方の空間が粒子で密充填されることが防止されて、グリズリーに粗粒が詰まることが軽減され、さらに円滑に添加炭材を切り出せる。
【0047】
請求項4の発明によれば、邪魔板の水平方向への張り出し長さを所定の下限値以上とすることにより、上記請求項3の発明の作用効果を確実に得られることに加え、当該張り出し長さを所定の上限値以下とすることにより、適正粒度範囲の粒子の開口部への流入量を確保でき、必要な添加炭材の抜出しが円滑に行える。
【0048】
請求項5の発明によれば、添加炭材の抜出しをホッパーの中央部と側壁部の中間としていることから、抜出し炭材(添加炭材)への細粒、粗粒とも混入割合が小さく、グリズリーが粗粒で詰まることを軽減し炭材の円滑な切り出しを可能としつつ、適正粒度の添加炭材を抜出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の焼結鉱製造方法の実施に係る、炭材ホッパーの断面図である。
【図2】本発明の焼結鉱製造方法の実施に係る、焼結機の給鉱部の概略説明図である。
【図3】本発明の焼結鉱製造方法の実施に係る、焼結設備の全体フロー図である。
【図4】本発明の焼結鉱製造方法の実施に係る、新たに添加する炭材(添加炭材)を供給する設備の概略フロー図である。
【図5】比較例および本発明例のそれぞれにおける添加炭材の粒度分布を示す図である。
【図6】本発明適用前後における落下強度の変化を示す推移図である。
【符号の説明】
1…炭材ホッパー、2…側壁(側壁部)、3…開口(開口部)、4…添加炭材抜出しレッグ、5…グリズリー、5a…グリズリーバー、6…邪魔板、7…底部、8…板、11…ベルトコンベヤ、12…添加炭材圧送装置、13…焼結機、14…添加炭材ホッパー、15…配管、16…装入シュート(スローピングシュート)、16a…装入シュート上段、16b…装入シュート下段、17…添加炭材散布装置、21…移動パレット、23…点火炉、24…吸引ファン、25a…粉鉱石ホッパー、25b:副原料ホッパー、26…供給ホッパー、27…ドラムフィーダー、P…添加炭材、Q…焼結原料用炭材、R…焼結原料、S…焼結原料充填層

Claims (5)

  1. 主原料である酸化鉄原料に、副原料と、炭材ホッパーの底部から切り出した炭材とを予め混合して焼結原料とし、該焼結原料を、移動パレットの移動方向とは逆向きに設置された装入シュートにより、該移動パレット上に層状に載置するに際し、前記装入シュート上を流下する焼結原料の下部に新たな炭材を添加することにより、前記移動パレット上に載置された焼結原料充填層の上層部に存在する炭材の配合量を、該上層部よりも下層の充填層部分に存在する炭材の配合量よりも多くして操業を行う焼結鉱の製造方法において、
    前記新たに装入する炭材が、前記炭材ホッパーの側壁部に設けられた、粗粒混入防止手段を備えた開口部から切り出されたものであることを特徴とする焼結鉱の製造方法。
  2. 前記粗粒混入防止手段が、前記開口部から炭材抜出し方向の側に、前記開口部の全面又は該開口部から炭材を抜出す炭材抜出しレッグの断面の全面にわたってグリズリーを設置したものであることを特徴とする請求項1に記載の焼結鉱の製造方法。
  3. 前記粗粒混入防止手段が、さらに、前記開口部上方でかつ前記炭材ホッパーの側壁内面に邪魔板を設置したものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の焼結鉱の製造方法。
  4. 前記邪魔板のホッパー内中心に向かう水平方向への張り出し長さを、該邪魔板が設置されている高さにおける前記炭材ホッパーの水平断面の直径又は差し渡し長さの5〜20%としたことを特徴とする請求項3に記載の焼結鉱の製造方法。
  5. 前記粗粒混入防止手段が、さらに、前記炭材ホッパーの中央部と側壁部の中間部に炭材を抜出す開口を備えた炭材抜出しシュートを前記開口部に接続したものであることを特徴とする請求項2に記載の焼結鉱の製造方法。
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