JP2009185356A - 焼結鉱の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】微粒の炭素含有ダスト類を炭材の一部として有効活用しつつ、焼結鉱の歩留や生産性を悪化させることなく、安定して焼結鉱を製造しうる方法を提供する。
【解決手段】焼結原料として配合される、炭材の平均粒径(50%粒子径)dと鉱石の平均粒径dとの比d/dが0.47〜0.80となるように、前記炭材の粒度を調整する。前記炭材の粒度の調整は、例えば、コークス粉および/または無煙炭に、沈殿ブリーズ、高炉乾ダストおよびヤードスラリよりなる群から選ばれた少なくとも1種の微粒炭素含有ダスト類の添加量を調節することにより行うことができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、高炉原料である焼結鉱の製造方法に関し、詳しくは、例えばDL型焼結機により、高生産性かつ高歩留で焼結鉱を製造する技術に関する。
焼結鉱は、通常、複数銘柄の粉状鉱石に、スケール、返鉱等の雑原料と、石灰石、生石灰、珪石、蛇紋岩等の副原料と、コークス粉等の炭材を適量配合した焼結配合原料に、水分を添加してドラムミキサやディスクペレタイザで混合造粒して擬似粒子化した後、この擬似粒子を例えばDL型焼結機(以下、単に「焼結機」ということあり。)に充填し、この充填層表層部の炭材に着火し、大気を下向き吸引することにより焼成して得られる。
ここで、焼結鉱製造に用いられる炭材は、その粒度により焼結鉱の生産性および品質に大きく影響することが知られている。すなわち、炭材の粒度が細かくなりすぎると焼結充填層内の通気性が悪化して、燃焼温度が上昇しににくくなる一方、炭材の粒度が粗くなりすぎると燃焼温度のムラが助長され、いずれの場合も焼結鉱の歩留低下や生産性阻害を引き起こすとされ、炭材の最適な平均粒径(50%粒子径d50、以下同じ。)は1〜3mmといわれている(例えば、非特許文献1参照)。
焼結鉱製造に用いられる炭材は主としてコークス粉であるが、その他に、無煙炭や、近年では、製鉄所内で回収された、沈殿ブリーズ、高炉乾ダスト、ヤードスラリなどの炭素を含有する微粒のダスト類も、資源の有効活用の観点から、コークス粉や無煙炭に添加して炭材の一部として用いられるようになってきている。ここに、「沈殿ブリーズ」とは、コークス炉でコークスを製造する際に発生した微粉コークスを湿式集塵機で回収したものであり、「高炉乾ダスト」とは、高炉ガス中の、微粉カーボンを含むダストを乾式集塵機で回収したものであり、「ヤードスラリ」とは、コークス輸送系の搬送コンベアから発生した微粉コークスを水洗、濃縮し、ヤードの鉱石スラリ中へ混合したものである。
ここで、図1に、出願人の加古川製鉄所の焼結工場で使用している各種炭材の粒度分布を示す。同図に示すように、平均粒径は、通常のコークス粉と無煙炭が約3mmであるのに比べて、沈殿ブリーズと高炉乾ダストは約150μm、ヤードスラリは20μmと大幅に細かい。
ここで、従来より、焼結充填層の上層部は下層部に比べて炭材を多く装入するのが焼結鉱の品質(歩留)および生産性向上に効果的であるとされている(例えば、特許文献1〜3参照)
一方、一般に、造粒後の焼結原料(擬似粒子)を焼結機に装入した時には、大粒径の原料は転動分級作用により下層部に装入されやすいので、炭材の場合もその粒度が大きいほど下層部に装入されやすくなる(特許文献4参照)。
このことからすると、上記微粒の炭素含有ダスト類を炭材の一部に用いた場合、この微粒の炭素含有ダスト類は上層部に装入されやすく、焼結充填層の上層部は下層部に比べて炭材が多く装入されることとなり、焼結鉱の品質(歩留)および生産性向上に寄与するはずである。
しかしながら、実際には、上記微粒の炭素含有ダスト類を炭材の一部として用いると、焼結鉱の品質(歩留)および生産性が逆に悪化する現象が見られるため、上記微粒の炭素含有ダスト類を有効に活用できないのが現状であった。
稲角忠弘、「叢書 鉄鋼技術の流れ 第二シリーズ 第1巻 焼結鉱」、日本鉄鋼協会、2000年9月、p.204 特開2007−169774号公報(特許請求の範囲等) 特開平8−209255号公報([0003]、図4) 特開平8−121973号公報(請求項5、図5) 特開平10−81920号公報(「0006」)
そこで、本発明は、微粒の炭素含有ダスト類(以下、「微粒炭素含有ダスト類」という。)を炭材の一部として有効活用しつつ、焼結鉱の歩留や生産性を悪化させることなく、安定して焼結鉱を製造しうる方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、微粒炭素含有ダスト類を炭材の一部として使用した場合に生じる上記問題の原因を解明するために、種々の検討を行った。
先ず、通常操業においては、造粒条件(例えば、生石灰添加量、水分添加量等)を変更すれば、造粒後における擬似粒子中の250μm未満の粒子量が大きく変化することが経験的に知られていることから、焼結配合原料中の250μm未満の粒子が、擬似粒子の付着粉となると考えられる。そして、図1に例示したように、沈殿ブリーズと高炉乾ダストは250μm未満の粒子を約60質量%も含み、ヤードスラリはほぼ全量が250μm未満の粒子からなるため、これらの微粒炭素含有ダスト類を炭材の一部として用いると、付着粉の量が増加することから、擬似粒子の粒度分布自体に大きな影響を及ぼすとともに、擬似粒子の粒度ごとの炭材含有量にも大きく影響を及ぼすと推定される。そして、このような擬似粒子の粒度分布の変動に伴って、上記転動分級作用による焼結充填層高さ方向の擬似粒子の粒度分布が変わり、該擬似粒子の粒度ごとの炭材含有量の分布の変化とも相まって、焼結充填層高さ方向の炭材の濃度分布も変わると推定される。
このように、炭材の粒度分布の変化に伴う擬似粒子の粒度分布および炭材含有量の変化により、焼結充填層高さ方向の炭材の濃度分布が変化して適正な炭材濃度分布から外れ、その結果として、焼結鉱の品質(歩留)および生産性が悪化したものと想定される。
そして、さらに、擬似粒子は、主として鉱石の核粒子の周りに鉱石と炭材の微粉粒子が付着して成長することから、擬似粒子の炭材含有量は、鉱石の粒度と炭材の粒度との相対的な関係で定まると想定される。
そこで、発明者らは、上記鉱石の粒度と炭材の粒度との相対的な関係を簡易かつ定量的に表す指標として、焼結原料として配合される、炭材の平均粒径(50%粒子径、以下同じ。)dと鉱石の平均粒径dとの比d/dを採用した。
そして、該指標d/dを種々変更して焼結鍋試験を行った結果(後記実施例参照)、該指標d/dを適正範囲内に制御することで、焼結充填層高さ方向の炭材の濃度分布を適正に維持でき、その結果として、焼結鉱の品質(歩留)および生産性を改善できることを見出し、以下の発明を完成するに至った。
請求項1に記載の発明は、焼結原料として配合される、炭材の平均粒径(50%粒子径、以下同じ。)dと鉱石の平均粒径dとの比d/dが0.47〜0.80となるように、前記炭材の粒度を調整することを特徴とする焼結鉱の製造方法である。
請求項2に記載の発明は、焼結原料を2つの系列に分けて造粒し、これら両系列の造粒物を合わせて焼成することにより焼結鉱を製造する方法において、各系列ごとに、焼結原料として配合される、炭材の平均粒径dと鉱石の平均粒径dとの比(d/d)が0.47〜0.80となるように、前記炭材の粒度を調整することを特徴とする焼結鉱の製造方法である。
請求項3に記載の発明は、前記炭材の粒度の調整を、コークス粉および/または無煙炭に、沈殿ブリーズ、高炉乾ダストおよびヤードスラリよりなる群から選ばれた少なくとも1種の微粒炭素含有ダスト類の添加量を調節することにより行う請求項1または2に記載の焼結鉱の製造方法である。
本発明によれば、炭材の平均粒径dと鉱石の平均粒径dとの比d/dを適正範囲内に制御することで、焼結充填層内の高さ方向の炭材濃度分布を適正に維持することが可能となり、その結果として、微粒炭素含有ダスト類を炭材の一部に用いても、焼結鉱の品質(歩留)および生産性を悪化させることなく、安定して焼結鉱を製造できるようになった。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
〔実施形態1〕
本発明に係る焼結鉱の製造方法は、例えば、複数銘柄の粉状鉱石に、スケール、返鉱等の雑原料と、石灰石、生石灰、珪石、蛇紋岩等の副原料と、炭材とを適量配合した焼結配合原料に、水分を添加してドラムミキサやディスクペレタイザで混合造粒して擬似粒子化した後、この擬似粒子を焼結機に充填し、この充填層表層部の炭材に着火し、大気を下向き吸引することにより焼成して焼結鉱を製造するに当たり、上記炭材の平均粒径(50%粒子径)dと鉱石の平均粒径dとの比d/dが0.47〜0.80となるように、上記炭材の粒度を調整することを特徴とするものである。
ここに、「鉱石」は、複数銘柄の粉状鉱石と雑原料とを併せたものをいい、鉱石の平均粒径dは、各粉状鉱石および各雑原料の平均粒径を加重平均したものである。
「炭材」としては、コークス粉のみ、無煙炭のみ、または、コークス粉と無煙炭の混合物の他、これら「コークス粉および/または無煙炭」に沈殿ブリーズ、高炉乾ダストおよびヤードスラリよりなる群から選ばれた少なくとも1種の微粒炭素含有ダスト類を添加したものを用いることができる。
そして、炭材の粒度の調整は、炭材として、コークス粉のみ、無煙炭のみ、または、コークス粉と無煙炭の混合物を用いる場合は、例えばコークス粉や無煙炭の粉砕粒度を変更することにより行えば良く、炭材として、コークス粉や無煙炭に微粒炭素含有ダスト類を添加したものを用いる場合は、コークス粉や無煙炭の粉砕粒度の変更に代えてまたは加えて、添加する微粒炭素含有ダスト類の種類を変更することや、その添加量を調節することでも行うことができる。
炭材の平均粒径dと鉱石の平均粒径dとの比(d/d)を0.47〜0.80とするのは、以下の理由による(後記実施例、図3〜7参照)。
/dが0.47未満になると、鉱石の核粒子に対する炭材中の付着粉の割合が過剰となって、付着しきれずに遊離した炭材の微粒割合が増加し、これが上記転動分級作用により焼結充填層の上層部に集中的に装入され、その結果、通気障害が生じて該上層部の焼成温度が過度に低下し、焼結鉱の歩留および生産性の低下を招くためである。
一方、d/dが0.80を超えると、鉱石の核粒子に対して炭材中の付着粉の割合が不足して、擬似粒子中の炭材含有量が低下し、これが上記転動分級作用により焼結充填層の下層部に集中的に装入され、その結果、該下層部の焼成温度が過度に低下し、この場合にも焼結鉱の歩留および生産性の低下を招くためである。
これに対して、d/dを0.47〜0.80の範囲内に制御することで、鉱石の核粒子に対する炭材中の付着粉の割合が適正な量となり、造粒後にも微粒炭材の遊離を生じることがなくなり上層部の通気性が確保されるとともに、擬似粒子中の炭材含有量が十分に確保されて、下層部まで十分な炭材濃度分布が得られ、上層部から下層部まで適正な焼成温度が得られ、焼結鉱の歩留および生産性の改善が図られる。
好ましいd/dの範囲は、0.52〜0.75であり、さらに好ましいd/dの範囲は、0.57〜0.70である。
〔実施形態2〕
上記実施形態1では、造粒系統が1系列のみ配置された場合について例示したが、本発明は、造粒系統が並列して2系列配置された場合にも適用できるものである。
すなわち、本実施形態は、焼結原料を2つの並列する系列に分けて造粒し、これら両系列の造粒物を合わせて焼成することにより焼結鉱を製造する方法において、各系列ごとに、焼結原料として配合される、炭材の平均粒径dと鉱石の平均粒径dとの比(d/d)が0.47〜0.80、好ましくは0.52〜0.75であり、さらに好ましくは0.57〜0.70となるように、前記炭材の粒度を調整することを特徴とするものである。
「焼結原料を2つの系列に分けて造粒し、これら両系列の造粒物を合わせて焼成することにより焼結鉱を製造する方法」としては、例えば、本出願人が開発し、既に特許出願(特開2003−313614号公報参照)を行った、「焼結原料として配合される各種粉鉱石をAl含有量に応じて2系列に分類し、この各系列の粉鉱石に対し、全焼結原料の塩基度CaO/SiOを所要値とするように、各系列の粉鉱石中の粒径1mm以下の微粉部分におけるAl含有量に応じて添加量を調整した石灰石を添加し、かつ、この石灰石の添加量に応じて配合量を調整した炭材を配合し、各配合物をそれぞれ混合・造粒し、各造粒物を混合した後、焼結機にて焼成することで、低スラグ焼結鉱を低コストで製造する方法」がある。
各系列ごとに、d/dが上記所定範囲(0.47〜0.80、好ましくは0.52〜0.75、さらに好ましくは0.57〜0.70)となるように、炭材の粒度を調整する手段としては、各系列ごとに上記実施形態1と同様の手段を用いることができる他、例えば、炭材として、コークス粉と無煙炭に、沈殿ブリーズと高炉乾ダストとヤードスラリとを添加したものを用いる場合には、例えば以下の手段を用いることができる。
すなわち、コークス粉と無煙炭とは一定の粉砕粒度とし、先ず各系列ごとに鉱石の供給割合に応じて、概略所定の炭材配合割合となるようにコークス粉と無煙炭を振り分け、次いで各系列の鉱石の平均粒径dに応じて、微粒炭素含有ダスト類の種類を選択するとともにその添加量を調節することで、両系列ともに、所定の炭材配合割合を確保しつつ、d/dを上記所定範囲に制御することができる。
本発明の効果を確認するため、以下の造粒試験および焼結鍋試験を実施した。
(1)造粒試験
本造粒試験は、試験条件を単純化するため、鉱石は下記表1に示す成分組成の単銘柄鉱石(返鉱も使用せず)とし、造粒後焼成して得られる焼結鉱の塩基度(CaO/SiO)とSiO含有量を、加古川製鉄所で製造している実機焼結鉱の塩基度(CaO/SiO質量比)=2.10およびSiO含有量=5.4質量%に一致するように副原料の添加量を調整した。定量的には、該炭材を除く焼結原料合計量(乾粉)に対して、石灰石18.2質量%、硅石1.7質量%をそれぞれ配合した(なお、本造粒試験では、生石灰は使用しなかった)。
Figure 2009185356
下記表2に本造粒試験に用いた鉱石と炭材の粒度分布を示す。
Figure 2009185356
同表に示すように、鉱石粒度は一定にし、炭材粒度のみを順次変更してd/dを変化させ、以下の条件で造粒を行った。なお、炭材としては、コークス粉を粒径別に篩い分け、これらの配合割合を調整することにより、炭材粒度の変更を行った。
・造粒機:ドラムミキサ(内径340mm)
・炭材を除く焼結原料合計量:6kg(乾粉)
・炭材量:炭材以外の焼結原料合計量(乾粉)に対して4.5質量%
・目標造粒水分量:焼結原料合計量(乾粉)に対して7.0質量%
・混合・造粒条件:混合20rpm×10分、造粒20rpm×10分
そして、得られた造粒物(擬似粒子)を、湿状態のままで10mm、5mm、3mmの篩で篩い分けし、−3mmの擬似粒子については、湿状態のままでは篩目に付着してうまく篩えないので乾燥機で十分乾燥した後、さらに、0.25mmの篩で篩い分け、各粒径範囲ごとに化学分析を行い、炭素濃度(乾量基準)を測定した。
擬似粒子の粒径範囲ごとの炭素濃度の測定結果を図2に示す。なお、同図においては、擬似粒子径(擬似粒子の各粒径範囲の代表径)として、篩目の上下限値の算術平均径を採用した。ただし、0.25mm以下のものは篩目の下限を0mmと仮定して代表径を0.125mmとし、10mm超のものは篩目の上限を15mmと仮定して代表径を12.5mmとした。
同図に示すように、d/dを0.88から0.42へと順次低下させていくと、10mm超(代表径12.5mm)の擬似粒子では、炭素含有量はやや増加するものの約1質量%で飽和し、粒子径が0.25mm超10mm以下(代表径1.625〜7.5mm)の擬似粒子では、その炭素含有量は約3質量%で平衡し、0.25mm以下(代表径0.125mm)の擬似粒子では、その炭素含有量は大幅に増加する傾向にあることが認められる。
このことから、炭材中の0.25mm以下の微粒部分は、鉱石の核粒子へ付着していくものの、その付着量は一定量で飽和し、過剰の炭材微粒部分は遊離して存在するものと推定され、d/dを低下させると、炭材中の0.25mm以下の微粒割合が増加し、造粒後の遊離粉の割合も増加するものと考えられる。
(2)焼結鍋試験
既述したように、実機焼結機へ焼結原料を装入する際には、その転動分級作用により、焼結充填層の上層部には細粒が、下層部には祖粒がそれぞれ偏析する。そこで、本焼結鍋試験においては、該実機焼結機での充填状態を模擬するために、上記造粒試験で造粒された擬似粒子を3mmの篩で篩い分け、先ず、3mm超の擬似粒子を焼結鍋(内径130mm)に装入し、その上に3mm以下の擬似粒子を装入して、負圧3.5kPa(一定)で大気吸引の条件で焼成試験を行った。
図3に、焼結充填層の上層部のC濃度と下層部のC濃度の比(以下、「上下層部C濃度比」という。)に及ぼすd/dの影響を示す。なお、該上層部のC濃度は、上記3mm以下の擬似粒子中のC濃度に、該下層部のC濃度は、上記3mm超の擬似粒子中のC濃度に、それぞれ相当するので、上記3mmの篩で篩い分けた後、篩上および篩下からおのおの擬似粒子をサンプリングして化学分析によりC濃度を求めた。同図に示すように、d/dが0.42および0.88のとき、上層部のC濃度と下層部のC濃度の比が著しく高くなり、上層部でC量が過剰になり、下層部でC量が不足していることがわかった。
図4に、焼結充填層の上、中、下各部のヒートパターンを、図5に、同焼結充填層の上、中、下各部の最高到達温度に及ぼすd/dの影響を示す。なお、試験は同一条件で2回ずつ行い、上、中、下各部の温度は、焼結鍋の側面から各高さ位置に挿入した熱電対により測定を行った。図4および5に示すように、d/dが0.47より小さくなると上層部の最高到達温度が急激に低下する一方、dC/dOが0.80を超えると下層部の最高到達温度が急激に低下する傾向を示すことがわかった。
また、図6に、焼結時間に及ぼすd/dの影響を示す。同図に示すように、焼結時間は、d/dが0.63付近で最短となり、d/dが0.63付近から離れるほど(小さくなっても、大きくなっても)延長される傾向を示すことがわかった。
また、図7に、成品歩留に及ぼすd/dの影響を示す。同図に示すように、成品歩留は、d/dが0.47〜0.80の間では、40質量%以上の高い値を維持するが、d/dが0.47より小さくなると40質量%を下回るようになり、一方d/dが0.80を超えると40質量%から大幅に低下する傾向を示すことがわかった。なお、本焼結鍋試験で40質量%以上の成品歩留は、加古川製鉄所の実機焼結機では70質量%以上の成品歩留(後記実施例3参照)に相当するものである。
以上の結果から、d/dを0.47未満、または、0.80超とすると、焼結充填層の上層部のC量が過剰となる一方、下層部のC量が不足し、上部または下部の最高到達温度が過度に低下するともに、焼結時間が長くなり、成品歩留も低下することがわかった。
したがって、焼結時間をできるだけ短時間に維持しつつ(すなわち、高生産性を維持しつつ)、高い成品歩留を確保するためには、d/dは0.47〜0.80の範囲とする必要があることが確認された。
次に、上記実施形態2で説明したような、造粒系統を並列する2つの系列(それぞれ、第1系列、第2系列と呼ぶ。)に分けて造粒し、これら両系列の造粒物を合わせて焼成する方法への、本発明の適用性について検討を行うため、上記実施例1と同様の造粒試験および焼結鍋試験を実施した。
(1)造粒試験
本造粒試験では、上記実施例1と同様、試験条件を単純化するため、各系列で用いる鉱石としては、下記表3に示す成分組成で下記表4に示す粒度分布を有する鉱石AおよびB(返鉱を用いず)をそれぞれ用いた。そして、両系列とも、加古川製鉄所で製造している実機焼結鉱の塩基度(CaO/SiO質量比)=2.1およびSiO含有量=5.4質量%に一致するように副原料の添加量を調整する(下記実施例3の実機試験でも同じ)とともに、炭材配合率は、上記炭材を除く焼結原料に対して第1系列、第2系列とも4.0質量%となるように炭材の添加量を調整した。なお、第1系列と第2系列の炭材を除く焼結原料の分配比率は65:35(一定)とした。
Figure 2009185356
Figure 2009185356
そして、上記実施例1と同様、両系列とも鉱石粒度は一定にし、各粒径別のコークス粉の配合割合を調整することにより炭材粒度のみを順次変更して下記表5に示すように、両系列のd/dの組合せを変化させ、上記実施例1と同じ造粒条件で、各系列ごとに分けて造粒を行い、両系列の造粒物を合わせて全体造粒物とした。
Figure 2009185356
(2)焼結鍋試験
そして、上記実施例1と同様の条件で、すなわち、実機焼結機での充填状態を模擬するために、上記造粒試験で得られた全体造粒物を3mmの篩で篩い分け、先ず、3mm超の擬似粒子を焼結鍋(内径130mm)に装入し、その上に3mm以下の擬似粒子を装入して、負圧3.5kPa(一定)で大気吸引の条件で焼成試験を行った。
図8に、各ケースにおける、焼結充填層の上下層部C濃度比、および、成品歩留を示す。なお、該上下層部C濃度比の値は、図3から各系列のd/dにそれぞれ対応する「上層部のC濃度と下層部のC濃度の比」の値を読み取り、これらの読み取り値を第1系列と第2系列との分配比率で加重平均して求めた値である。
図8に示すように、両系列のd/dとも0.47〜0.80の範囲を外れるケース1の場合は、上下層部C濃度比が1.2を超えて過大になり、上層部のC量が過剰となる一方、下層部のC量が不足し、成品歩留も40%を大幅に下回るの対し、両系列のd/dとも0.47〜0.80の範囲に入るケース2および3の場合は、上下層部C濃度比が1.2より小さくなり、焼結充填層のC濃度分布が適正化され、成品歩留も40%以上確保できることがわかった。
上記実施例2の結果を受けて、加古川製鉄所内の実機焼結工場において、本発明の適用を試みた。
本実機焼結工場では、上記実施形態2で説明したように、造粒系統を並列する2つの系列(第1系列、第2系列)に分けてそれぞれの系列に設置したドラムミキサで造粒し、これら両系列の造粒物を合わせて焼成することにより焼結鉱を製造する方法を採用している。第1系列と第2系列の「炭材を除く焼結原料」の分配比率は上記実施例2と同じ65:35(一定)とし、各系列の鉱石(それぞれ複数銘柄の鉱石を混合使用)の平均粒径は一定に固定した。一方、炭材としては、粗粒炭材としてコークス粉と無煙炭を用い、微粒炭材として沈殿ブリーズと高炉湿ダストとヤードスラリを用い、各系列ごとに該粗粒炭材と該微粒炭材との配合比率を変更することで、炭材の平均粒径を調整してd/dを設定した。なお、上記実施例2と同様、両系列とも、塩基度(CaO/SiO質量比)=2.10およびSiO含有量=5.4質量%に一致するように副原料の添加量を調整した。
従来すなわち比較例の期間では、第1系列と第2系列とで、炭材配合率は、上記炭材を除く焼結原料(乾粉)に対して外装でおのおの3.9質量%と3.6質量%とし、d/dは、おのおの0.54と0.91(前者は0.47〜0.80の範囲内であるが、後者は0.47〜0.80の範囲外)として操業を行っていた。
これに対し、発明例の期間では、第1系列と第2系列とで、炭材配合率は、上記炭材を除く焼結原料(乾粉)に対して外装でおのおの3.4質量%と3.5質量%に変更するとともに、d/dは、おのおの0.62と0.69(ともに0.47〜0.80の範囲内)に変更して操業を行った。
操業結果を下記表6に示す。
Figure 2009185356
同表より、比較例の期間と発明例の期間とで、成品歩留およびTIの値に明りょうな差は見られなかったものの、3〜10mmの細粒焼結鉱の割合が明らかに減少しており、本発明による焼結鉱強度の改善効果が確認できた。
各種炭材の粒度分布を示すグラフ図である。 擬似粒子径と擬似粒子中の炭素濃度との関係を示すグラフ図である。 /dと、焼結充填層の上下層部C濃度比との関係を示すグラフ図である。 焼結充填層の上、中、下各部のヒートパターンに及ぼすd/dの影響を示すグラフ図である。 /dと、焼結充填層の上、中、下各部の最高到達温度との関係を示すグラフ図である。 /dと焼結時間との関係を示すグラフ図である。 /dと成品歩留との関係を示すグラフ図である。 各ケースにおける、(a)焼結充填層の上下層部C濃度比、および、(b)成品歩留を示すグラフ図である。

Claims (3)

  1. 焼結原料として配合される、炭材の平均粒径(50%粒子径、以下同じ。)dと鉱石の平均粒径dとの比d/dが0.47〜0.80となるように、前記炭材の粒度を調整することを特徴とする焼結鉱の製造方法。
  2. 焼結原料を2つの系列に分けて造粒し、これら両系列の造粒物を合わせて焼成することにより焼結鉱を製造する方法において、各系列ごとに、焼結原料として配合される、炭材の平均粒径dと鉱石の平均粒径dとの比(d/d)が0.47〜0.80となるように、前記炭材の粒度を調整することを特徴とする焼結鉱の製造方法。
  3. 前記炭材の粒度の調整を、コークス粉および/または無煙炭に、沈殿ブリーズ、高炉乾ダストおよびヤードスラリよりなる群から選ばれた少なくとも1種の微粒炭素含有ダスト類の添加量を調節することにより行う請求項1または2に記載の焼結鉱の製造方法。
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