JP7070191B2 - 高さ方向原料分布推定装置、高さ方向原料分布推定プログラム、及びその方法 - Google Patents

高さ方向原料分布推定装置、高さ方向原料分布推定プログラム、及びその方法 Download PDF

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Description

本発明は、高さ方向原料分布推定装置、高さ方向原料分布推定プログラム、及びその方法に関する。
焼結工程において、鉄鉱石、熱源となるコークス及びCaO源となる石灰石等の原料をパレット上に装入することで積層される焼結原料層の高さ方向の原料の分布を適正に制御することが望まれる。焼結原料層は、粉鉄鉱石、粉コークス及び石灰石等の原料を造粒して形成された造粒体である擬似粒子を積層することにより形成される。擬似粒子は、粒度が比較的大きな原料の粒子を核に、粉コークス及び石灰石等を含む、粒度が比較的小さな原料を水分を介して前記核の表面に接着して形成される。焼結工程の終了後に焼結原料層が焼結されて形成された焼結体が粉砕されて、複数の焼結鉱が形成される。
焼結工程において、焼結原料層内での原料の溶解が進行するほど、焼結鉱の粒度が大きくなり、焼結工程の歩留が向上する。しかしながら、焼結原料層内での原料の溶融が過剰に進行すると、原料が溶融することで焼結原料層の内部に形成される空隙が喪失して、焼結原料層の内部の空気の流れが阻害され、コークスが十分に燃焼しなくなる。コークスが十分に燃焼しなくなると、焼結工程の歩留が低下するおそれがある。
焼結工程における溶融現象は、鉄鉱石中のFe23と石灰石中のCaOとが加熱により互いに反応して生成される溶融開始温度1200℃~1300℃の低融点複合酸化物が溶融することで生じる。焼結原料層の高さ方向における鉄鉱石の分布は略均一であるが、焼結原料層の高さ方向における石灰石及びコークスの分布は、粒度構成及び粒度偏析に応じて変化する。原料を適切に溶解させるために、焼結原料層の高さ方向における石灰石及びコークス等の原料の分布を適正に制御することが望まれる。
特許文献1及び非特許文献1には、焼結原料層の高さ方向におけるカーボンすなわちコークスの分布を推定することが記載される。また、特許文献2及び3並びに非特許文献2には、焼結原料層の高さ方向におけるCaOの分布を制御することが記載される。
特開2007-169774号公報 特開平6-248365号公報 特許第2606881号公報
「焼結原料挿入部における偏析」梶川ら、鉄と鋼67(1981年) 「焼結層高方向におけるCaO偏析の効果に関する検討」中村ら、鉄と鋼73(1987年) 「DEM Analysis on Size Segregation in Feed Bed of Sintering Machine」中野ら、ISIJ International Vol. 52 (2012) No. 9 p. 1559-1564
パレットに擬似粒子を装入して焼結原料層を積層するときに、擬似粒子の粒度に応じた粒度偏析を付与することで、焼結原料層の高さ方向の原料の分布が制御される。パレットに擬似粒子を装入するときに、擬似粒子は自然な粒度偏析を受ける。すなわち、粒度が大きい擬似粒子は、焼結原料層の下方に多く分布するように配置される。一方、粒度が小さい擬似粒子は、焼結原料層の上方に多く分布するように配置される。所定の原料を粒度が小さい擬似粒子に多く含有させることで、所定の原料を焼結原料層の上方に多く分布させることができる。一方、所定の原料を粒度が大きい擬似粒子に多く含有させることで、所定の原料を焼結原料層の下方に多く分布させることができる。例えば、粒度が小さい擬似粒子に粉コークスをより多く含有させることで、より多くの粉コークスを焼結原料層の上方に分布させることができる。
また、原料を破砕する破砕機の破砕強度の制御、及び原料を分級する篩の網目の大きさの制御等により、所定の原料の粒度を変更することで、焼結原料層の高さ方向の所定の原料の分布を制御することができる。例えば、より多くのコークスを焼結原料層の上方に分布させたいときは、コークスを粉砕する粉砕機の破砕強度を大きくして、生成される粉コークスの粒度を小さくする。また、より多くのコークスを焼結原料層の下方に分布させたいときは、擬似粒子を生成するときに使用される粉コークスを分級するときの篩の網目を粗くして、粉コークスの粒度を大きくする。
図11は、焼結原料層の高さ方向の原料の分布を調整する従来の方法を説明するための図である。
焼結システム900は、原料貯蔵部11と、造粒装置12と、サージホッパ13と、装入装置14と、パレット15とを有する。原料貯蔵部11は、原料鉄鉱石111、石灰石等のCaO源原料(以下、単に石灰石とも称する)112、コークス及びFeO等の熱源料(以下、単にコークスとも称する)113を貯蔵する。造粒装置12は、原料貯蔵部11に貯蔵された原料鉄鉱石111、石灰石112及びコークス113を混合すると共に、水分を添加して擬似粒子を造粒する。サージホッパ13は、造粒装置12で造粒された擬似粒子を貯蔵する。装入装置14は、粒度が大きい擬似粒子が下方に多く分布し且つ粒度が小さい擬似粒子が上方に多く分布するように、擬似粒子をパレット15上に装入して焼結原料層を形成する。焼結原料層が搭載されたパレット15は、矢印Aで示される方向に移動する。パレット15が矢印Aで示される方向に移動するときに、不図示の点火炉から高温ガスが焼結原料層の上面に噴射され、パレット15上で焼結が進行して焼結体が形成される。
オペレータは、パレット15に搭載された焼結原料層の原料を掘削して、掘削した原料の高さ方向の分布を化学分析により測定して原料の高さ方向の分布を取得する。オペレータは、取得した原料の高さ方向の分布が、焼結原料層の高さ方向の望ましい分布と一致しているか否かを判断する。オペレータは、取得した原料の高さ方向の分布が、焼結原料層の高さ方向の望ましい分布と一致してないと判断したとき、所定の原料の粒度を調整する。例えば、コークスを焼結原料層の上方に配置することが好ましいと判断したときは、コークスの粒度を小さくする。オペレータは、所定の原料の粒度を調整した後に、焼結原料層の掘削及び化学分析を再度実行する。また、オペレータは、所定の原料の粒度を調整する毎に、粒度が焼成された所定の原料の粒度分布を把握するために、粒度分析を実行する。
しかしながら、原料の粒度の変化に伴う焼結原料層の高さ方向の原料の分布の変化は予測できないため、オペレータは、原料の分布が望ましい分布に一致するまで焼結原料層の掘削及び化学分析を繰り返し実行する可能性がある。
そこで、本発明は、原料の粒度の変化に伴う焼結原料層の高さ方向の原料の分布を推定可能な高さ方向原料分布推定装置を提供することを目的とする。
このような課題を解決する本発明は、以下に高さ方向原料分布推定装置、高さ方向原料分布推定プログラム、及び高さ方向原料分布推定方法を要旨とするものである。
(1)対象原料の粒度の分布を示す対象原料粒度分布情報を取得する対象原料粒度分布情報取得部と、
前記対象原料を含む複数の原料により造粒された擬似粒子における前記対象原料の粒度の分布を示す対象原料賦存情報を取得する対象原料賦存情報取得部と、
前記擬似粒子が積層された焼結原料層の高さ方向における前記擬似粒子の粒度の分布を示す擬似粒子分布情報を取得する擬似粒子分布情報取得部と、
前記対象原料粒度分布情報、前記対象原料賦存情報及び前記擬似粒子分布情報に基づいて、前記焼結原料層における前記対象原料の高さ方向の分布を推定する高さ方向原料分布推定部と、
を有する高さ方向原料分布推定装置。
(2)前記対象原料賦存情報は、前記擬似粒子の粒度を区分した複数の粒子粒度区分のそれぞれにおける前記対象原料の粒度の存在比率を、前記対象原料の粒度を区分した複数の原料粒度区分毎に示す賦存マトリックスを含む、(1)に記載の高さ方向原料分布推定装置。
(3)前記対象原料賦存情報取得部は、前記対象原料粒度分布情報に対応する前記対象原料の粒度の分布、及び前記擬似粒子分布情報に対応する前記焼結原料層の高さ方向における前記擬似粒子の粒度の分布の変化に関わらず、所定の賦存マトリックスを取得する、(2)に記載の高さ方向原料分布推定装置。
(4)前記対象原料粒度分布情報は、原料の全体量に対する前記対象原料の粒度の存在比率を、前記原料粒度区分毎に示す対象原料粒度分布マトリックスを含む、(3)に記載の高さ方向原料分布推定装置。
(5)前記擬似粒子分布情報は、前記焼結原料層の高さ方向を区分した複数の高さ領域のそれぞれにおける前記擬似粒子の存在比率を、粒子粒度区分毎に示す偏析マトリックスを含む、(4)に記載の高さ方向原料分布推定装置。
(6)前記高さ方向原料分布推定部は、前記対象原料粒度分布マトリックス、前記賦存マトリックス及び前記偏析マトリックスを乗算して、前記複数の高さ領域のそれぞれにおける前記対象原料の存在比率を、前記原料粒度区分毎に示す対象原料高さ分布マトリックスを演算する、(5)に記載の高さ方向原料分布推定装置。
(7)推定された前記対象原料の高さ方向の分布と、前記対象原料の高さ方向の所望の分布とを比較して、前記対象原料の粒度が所望の大きさより大きいか否かを判断する高さ方向原料分布判定部と、
前記対象原料の粒度が所望の大きさより小さいと判断されると、前記対象原料の粒度を大きくする指示を示す対象原料粒度指示信号を生成し、前記対象原料の粒度が所望の大きさより大きいと判断されると、前記対象原料の粒度を小さくする指示を示す対象原料粒度指示信号を生成する対象原料粒度指示信号生成部と、
前記対象原料粒度指示信号を出力する対象原料粒度指示信号出力部と、
を更に有する、(1)~(6)の何れか一つに記載の高さ方向原料分布推定装置。
(8)対象原料が、粉コークスまたは石灰石である、(1)~(7)の何れか一つに記載の高さ方向原料分布推定装置。
(9)対象原料の粒度の分布を示す対象原料粒度分布情報を取得し、
前記対象原料を含む複数の原料により造粒された擬似粒子における前記対象原料の粒度の分布を示す対象原料賦存情報を取得し、
前記擬似粒子が積層された焼結原料層の高さ方向における前記擬似粒子の粒度の分布を示す擬似粒子分布情報を取得し、
前記対象原料粒度分布情報、前記対象原料賦存情報及び前記擬似粒子分布情報に基づいて、前記焼結原料層における前記対象原料の高さ方向の分布を推定する、
ことを含む高さ方向原料分布推定方法。
(10)対象原料の粒度の分布を示す対象原料粒度分布情報を取得し、
前記対象原料を含む複数の原料により造粒された擬似粒子における前記対象原料の粒度の分布を示す対象原料賦存情報を取得し、
前記擬似粒子が積層された焼結原料層の高さ方向における前記擬似粒子の粒度の分布を示す擬似粒子分布情報を取得し、
前記対象原料粒度分布情報、前記対象原料賦存情報及び前記擬似粒子分布情報に基づいて、前記焼結原料層における前記対象原料の高さ方向の分布を推定する、
ことをコンピュータに実行させる高さ方向原料分布推定プログラム。
一実施形態では、原料の粒度の変化に伴う焼結原料層の高さ方向の原料の分布を推定可能な高さ方向原料分布推定装置を提供することができる。
対象原料粒度分布マトリックスδ、賦存マトリックスP及び偏析マトリックスDの関係を模式的に示す図である。 第1実施形態に係る高さ方向原料分布推定装置を含む焼結システムを示す図である。 図2に示す石灰石粒度分布マトリックス生成部が実行する石灰石粒度分布マトリックス生成処理のフローチャートである。 図2に示す賦存マトリックス生成部が実行する賦存マトリックス生成処理のフローチャートである。 図2に示す偏析マトリックス生成部が実行する偏析マトリックス生成処理のフローチャートである。 図2に示す高さ方向原料分布推定装置が焼結原料層における石灰石の高さ方向の分布を推定する推定処理のフローチャートである。 第2実施形態に係る高さ方向原料分布推定装置を含む焼結システムを示す図である。 第1擬似粒子~第3擬似粒子の粒度分布を示す図である。 第1擬似粒子~第3擬似粒子の粒子粒度区分毎のCaO濃度を示す図である。 第1擬似粒子~第3擬似粒子の粒子粒度区分毎のC濃度を示す図である。 焼結原料層の高さ方向の原料の分布を調整する従来の方法を説明するための図である。
以下図面を参照して、本発明に係る高さ方向原料分布推定装置、高さ方向原料分布推定プログラム、及びその方法について説明する。但し、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態に限定されない。
(実施形態に係る高さ方向原料分布推定装置の概要)
実施形態に係る高さ方向原料分布推定装置は、対象原料粒度分布マトリックスδ、賦存マトリックスP及び偏析マトリックスDに基づいて、焼結原料層の高さ方向の対象原料の分布を示す対象原料高さ分布マトリックスCを推定する。対象原料高さ分布マトリックスCは、対象原料の粒度の分布を示す対象原料粒度分布情報であり、焼結原料層の高さ方向を区分した複数の高さ領域のそれぞれにおける対象原料の粒度の存在比率を、対象原料の粒度を区分した原料粒度区分毎に示す。すなわち、焼結原料層の高さ方向の対象原料の分布を示す対象原料高さ分布マトリックスCは、
Figure 0007070191000001
で示される。ここで対象原料高さ分布パラメータC1~Chは、焼結原料層の高さ方向を、それぞれが所定の長さを有するh個の高さ領域に区分したときの対象原料の高さ領域毎の存在比率である。対象原料高さ分布C1は焼結原料層の最下部の高さ領域における対象原料の存在比率を示し、対象原料高さ分布Chは焼結原料層の最上部の高さ領域における対象原料の存在比率を示す。
また、対象原料粒度分布マトリックスδは、対象原料の粒度の分布を示す対象原料粒度分布情報であり、焼結体の原料の全体量に対する対象原料の粒度の存在比率を、原料粒度区分毎に示す。すなわち、対象原料粒度分布マトリックスδは、
Figure 0007070191000002
で示され、対象原料の粒度を、それぞれが所定の幅を有するn個の原料粒度区分に区分したときの焼結体の原料の全体量に対する対象原料の原料粒度区分毎の存在比率を示す。ここで粒度分布パラメータδ1~δnは、対象原料の粒度をn個の原料粒度区分に区分したときの焼結体の原料の全体量に対する対象原料の原料粒度区分毎の存在比率である。粒度分布パラメータδ1は最も小さい原料粒度区分に含まれる対象原料の存在比率を示し、粒度分布パラメータδnは最も大きい原料粒度区分に含まれる対象原料の存在比率を示す。
j番目の原料粒度区分の粒度分布パラメータδjは、
Figure 0007070191000003
で示される。ここで、Lは対象原料の総重量を示し、Qは対象原料以外の原料の総重量を示す。(L+Q)は、焼結体を形成する原料の総重量である。対象原料粒度分布パラメータδn 'は対象原料の粒度をn個の原料粒度区分に区分したときの、対象原料の原料粒度区分毎の存在比率である。対象原料粒度分布パラメータδ1 '~δn 'のそれぞれは、対象原料粒度分布パラメータδ1 '~δn 'の合計が「1」になるように規定される。
また、賦存マトリックスPは、擬似粒子における対象原料の粒度の分布を示す対象原料賦存情報であり、擬似粒子の粒度を区分した複数の粒子粒度区分のそれぞれにおける対象原料の粒度の存在比率を、複数の原料粒度区分毎に示す。すなわち、賦存マトリックスPは、
Figure 0007070191000004
で示される。ここで賦存パラメータp11~pmnは、対象原料を含む複数の原料を造粒して形成された擬似粒子の粒度を、それぞれが所定の幅を有するm個の粒子粒度区分に区分したときの、擬似粒子における対象原料の存在比率を、粒子粒度区分毎に示すパラメータである。列方向に配置される賦存パラメータp11~pm1のそれぞれは賦存パラメータp11~pm1の合計が「1」になるように規定される。同様に、1≦j≦nのとき、列方向に配置される賦存パラメータp1j~pmjのそれぞれは賦存パラメータp1j~pmjの合計が「1」になるように規定される。
造粒装置で造粒された擬似粒子の中で、i番目の粒子粒度区分に区分される擬似粒子に含まれる対象原料の重量Loiは、対象原料の総重量L、対象原料粒度分布パラメータδj '、及び賦存パラメータpi1~pinから、
Figure 0007070191000005
で示される。
また、偏析マトリックスDは、焼結原料層の高さ方向における擬似粒子の粒度の分布を示す擬似粒子分布情報であり、複数の高さ領域のそれぞれにおける擬似粒子の存在比率を、粒子粒度区分毎に示す。すなわち、偏析マトリックスDは、
Figure 0007070191000006
で示される。ここで偏析パラメータD11~Dhmは、m個の粒子粒度区分された擬似粒子のh個に区分された高さ領域のそれぞれにおける存在比率を、m個の粒子粒度区分毎に示すパラメータである。
偏析パラメータDkiは、
Figure 0007070191000007
で示される。ここで、擬似粒子高さ粒度パラメータdk iは、焼結原料層の高さ方向のh個の高さ領域に区分された高さ領域のk番目の高さ領域におけるi番目の粒子粒度区分に区分される擬似粒子の存在比率を示す。擬似粒子高さ粒度パラメータdk 1~dk mのそれぞれは、擬似粒子高さ粒度パラメータdk 1~dk mの合計が「1」になるように規定される。また、擬似粒子粒度パラメータdiは、造粒装置で造粒された擬似粒子のm個の粒子粒度区分に区分された粒子粒度区分のi番目の粒子粒度区分における擬似粒子の存在比率を示す。擬似粒子粒度パラメータd1~dmのそれぞれは、擬似粒子粒度パラメータd1~dmの合計が「1」になるように規定される。
なお、i番目の粒子粒度区分に区分される擬似粒子における対象原料の存在比率は、
Figure 0007070191000008
で示される。また、焼結原料層の高さ方向のk番目の高さ領域における粒度がiである擬似粒子における対象原料の存在比率は、
Figure 0007070191000009
で示される。
図1は、対象原料粒度分布マトリックスδ、賦存マトリックスP及び偏析マトリックスDの関係を模式的に示す図である。図1において、矢印Aで示される原料粒度区分は、第1原料粒度区分RS1~第5原料粒度区分RS5に区分される。矢印Bで示される粒子粒度区分は、第1粒子粒度区分MS1~第5粒子粒度区分MS5に区分される。第1粒子粒度区分MS1~第5粒子粒度区分MS5のそれぞれの範囲は、第1原料粒度区分RS1~第5原料粒度区分RS5のそれぞれの範囲と等しい。矢印Cで示される高さ領域は、第1高さ領域HS1~第3高さ領域HS3に区分される。図1において、対象原料は、石灰石112に含まれる石灰石、粉コークス113に含まれる粉コークスである。焼結原料層の高さ方向における石灰石及び粉コークス粒度分布を推定することで、焼結原料層の高さ方向におけるCaO及びCの濃度分布が推定される。
第1原料粒度区分RS1には、粒度が一番小さい石灰石が区分され、第2原料粒度区分RS2には、第1原料粒度区分RS1に区分される石灰石よりも粒度が大きく且つ第3原料粒度区分RS3に区分される石灰石よりも粒度が小さい石灰石が区分される。第3原料粒度区分RS3には、第2原料粒度区分RS2に区分される石灰石よりも粒度が大きく且つ第4原料粒度区分RS4に区分される石灰石よりも粒度が小さい石灰石が区分される。第4原料粒度区分RS4には、第3原料粒度区分RS3に区分される石灰石よりも粒度が大きく且つ第5原料粒度区分RS5に区分される石灰石よりも粒度が小さい石灰石が区分される。そして、第5原料粒度区分RS5には、粒度が一番大きい石灰石が区分される。
粉コークスに着目する場合、前記石灰石を粉コークスと読み替えて同様の現象が説明される。
粒度分布パラメータδ1は、原料鉄鉱石111、石灰石112、コークス113を含む焼結体の原料の全体量に対する第1原料粒度区分RS1に区分される石灰石の存在比率である。同様に、粒度分布パラメータδ2~δ5のそれぞれは、焼結体の原料の全体量に対する第2原料粒度区分RS2~第5原料粒度区分RS5のそれぞれに区分される石灰石の存在比率である。
第1粒子粒度区分MS1には、粒度が一番小さい擬似粒子が区分され、第2粒子粒度区分MS2には、第1粒子粒度区分MS1に区分される擬似粒子よりも粒度が大きく且つ第3粒子粒度区分MS3に区分される擬似粒子よりも粒度が小さい擬似粒子が区分される。第3粒子粒度区分MS3には、第2粒子粒度区分MS2に区分される擬似粒子よりも粒度が大きく且つ第4粒子粒度区分MS4に区分される擬似粒子よりも粒度が小さい擬似粒子が区分される。第4粒子粒度区分MS4には、第3粒子粒度区分MS3に区分される擬似粒子よりも粒度が大きく且つ第5粒子粒度区分MS5に区分される擬似粒子よりも粒度が小さい擬似粒子が区分される。そして、第5粒子粒度区分MS5には、粒度が一番大きい擬似粒子が区分される。
賦存パラメータp11は、第1粒子粒度区分MS1に区分される擬似粒子に含まれる第1原料粒度区分RS1に区分された石灰石の存在比率を示す。同様に、賦存パラメータp21~p51は、第2粒子粒度区分MS2~第5粒子粒度区分MS5のそれぞれに区分される擬似粒子に含まれる第1原料粒度区分RS1に区分された石灰石の存在比率を示す。賦存パラメータp11~p51のそれぞれは賦存パラメータp11~p51の合計が「1」になるように規定される。
賦存パラメータp22~p52は、第2粒子粒度区分MS2~第5粒子粒度区分MS5のそれぞれに区分される擬似粒子に含まれる第2原料粒度区分RS2に区分された石灰石の存在比率を示す。賦存パラメータp22~p52のそれぞれは賦存パラメータp22~p52の合計が「1」になるように規定される。なお、第1粒子粒度区分MS1の範囲に含まれる擬似粒子の粒度は、第2粒子粒度区分MS2に含まれる石灰石の粒度よりも小さいので、第2粒子粒度区分MS2に含まれる石灰石は、第1粒子粒度区分MS1に存在することはない。
賦存パラメータp33~p53は、第3粒子粒度区分MS3~第5粒子粒度区分MS5のそれぞれに区分される擬似粒子に含まれる第3原料粒度区分RS3に区分された石灰石の存在比率を示す。賦存パラメータp33~p53のそれぞれは賦存パラメータp33~p53の合計が「1」になるように規定される。賦存パラメータp44~p54は、第4粒子粒度区分MS4~第5粒子粒度区分MS5のそれぞれに区分される擬似粒子に含まれる第4原料粒度区分RS4に区分された石灰石の存在比率を示す。賦存パラメータp44~p54のそれぞれは賦存パラメータp44~p54の合計が「1」になるように規定される。賦存パラメータp55は、第5粒子粒度区分に区分される擬似粒子に含まれる第5原料粒度区分RS5に区分された石灰石の存在比率を示す。賦存パラメータp55は「1」である。第3粒子粒度区分MS3に含まれる石灰石は、第1粒子粒度区分MS1~第2粒子粒度区分MS2に存在することはない。第4粒子粒度区分MS4に含まれる石灰石は、第1粒子粒度区分MS1~第3粒子粒度区分MS3に存在することはない。第5粒子粒度区分MS5に含まれる石灰石は、第1粒子粒度区分MS1~第4粒子粒度区分MS4に存在することはない。
第1高さ領域HS1は焼結原料層の高さ方向の一番下の領域であり、第2高さ領域HS2は焼結原料層の高さ方向の中央の領域であり、第3高さ領域HS3は焼結原料層の高さ方向の一番上の領域である。
偏析パラメータD13~D15は、第3粒子粒度区分MS3~第5粒子粒度区分MS5のそれぞれに区分された擬似粒子の第1高さ領域HS1における存在比率を示す。偏析パラメータD23~D24は、第2粒子粒度区分MS2~第4粒子粒度区分MS4のそれぞれに区分された擬似粒子の第2高さ領域HS2における存在比率を示す。偏析パラメータD31~D33は、第1粒子粒度区分MS1~第3粒子粒度区分MS3のそれぞれに区分された擬似粒子の第3高さ領域HS3における存在比率を示す。偏析パラメータD31及びD15は「1」であり、偏析パラメータD22及びD32のそれぞれは偏析パラメータD22及びD32の合計が「1」になるように規定される。また、偏析パラメータD13~D33のそれぞれは偏析パラメータD13~D33の合計が「1」になるように規定され、偏析パラメータD14及びD24のそれぞれは偏析パラメータD14及びD24の合計が「1」になるように規定される。
また、本願発明の発明者は、粒度分布マトリックスδ及び偏析マトリックスDが変化しても、賦存マトリックスPが変化しないことを見出した。本願発明の発明者の知見に基づいて、実施形態に係る高さ方向原料分布推定装置は、対象原料の粒度分布が変化して粒度分布マトリックスδが変化しても、所定の賦存マトリックスPを使用することができる。また、実施形態に係る高さ方向原料分布推定装置は、高さ領域における擬似粒子の粒度分布が変化して偏析マトリックスDが変化した場合も、所定の賦存マトリックスPを使用することができる。実施形態に係る高さ方向原料分布推定装置は、粒度分布マトリックスδ及び偏析マトリックスDが変化しても、所定の賦存マトリックスPを使用するとき、擬似粒子の粒度分布等の変化に応じて賦存マトリックスPを作成し直さなくてもよい。
(第1実施形態に係る高さ方向原料分布推定装置の構成及び機能)
図2は、第1実施形態に係る高さ方向原料分布推定装置を含む焼結システムを示す図である。図2において、実線は焼結の製造工程のフローを示し、破線はサンプリングされる原料又は擬似粒子のフローを示し、一点鎖線は信号のフローを示す。
焼結システム1は、石灰石粒度分布マトリックス生成部21と、賦存マトリックス生成部22と、偏析マトリックス生成部23と、石灰石粒度調整部31と、高さ方向原料分布推定装置40とを有することが焼結システム900と相違する。原料貯蔵部11、造粒装置12、サージホッパ13、装入装置14及びパレット15のそれぞれは、焼結システム900に含まれる同一の符号が付された構成要素と同一の構成及び機能を有するので、ここでは詳細な説明は省略する。
石灰石粒度分布マトリックス生成部21は、原料貯蔵部11から石灰石112を取得するサンプリング部と、石灰石の総重量L及び焼結体を形成する原料の総重量(L+Q)を記憶し、且つ石灰石粒度分布マトリックスδを生成する演算部とを有する。一例では、演算部は、パーソナルコンピュータ等の電子計算機である。また、サンプリング部及び演算部が実行する処理の一部又は全ては、オペレータにより実行されてもよい。
図3は、石灰石粒度分布マトリックス生成部21が実行する石灰石粒度分布マトリックス生成処理のフローチャートである。
まず、石灰石粒度分布マトリックス生成部21は、原料貯蔵部11から複数の石灰石112を取得し(S101)、取得した石灰石を分級して石灰石粒度分布パラメータδj 'を生成する(S102)。次いで、石灰石粒度分布マトリックス生成部21は、石灰石の総重量L及び焼結体を形成する原料の総重量(L+Q)と、生成した石灰石粒度分布パラメータδj 'とを式(3)に代入して、粒度分布パラメータδjを演算する(S103)。石灰石の総重量L及び焼結体を形成する原料の総重量(L+Q)は、不図示の記憶部に記憶される。次いで、石灰石粒度分布マトリックス生成部21は、演算した粒度分布パラメータδjから、式(2)に示す石灰石粒度分布マトリックスδを生成する(S104)。そして、石灰石粒度分布マトリックス生成部21は、生成した石灰石粒度分布マトリックスδを、LAN25を介して高さ方向原料分布推定装置40に出力する(S105)。
賦存マトリックス生成部22は、サージホッパ13から複数の擬似粒子を取得するサンプリング部と、取得した複数の擬似粒子を分級する擬似粒子分級部と、擬似粒子を分解する擬似粒子分解部と、原料を分級する原料分級部と、演算部とを有する。演算部は、粒子粒度区分、及び石灰石粒度区分を決定すると共に、石灰石の賦存マトリックスPを生成する処理を実行する。一例では、粒子粒度区分は篩を含み、原料分級部は空気を利用して原料を分級する空気分級部、又は篩を含み、演算部はパーソナルコンピュータ等の電子計算機である。また、サンプリング部、擬似粒子分解部、原料分級部及び演算部が実行する処理の一部又は全ては、オペレータにより実行されてもよい。
図4は、賦存マトリックス生成部22が実行する賦存マトリックス生成処理のフローチャートである。
まず、賦存マトリックス生成部22は、サージホッパ13から複数の擬似粒子を取得し(S201)、取得した複数の擬似粒子のそれぞれを分級し(S202)、分級結果に応じて複数の擬似粒子のそれぞれの粒子粒度区分を決定する(S203)。次いで、賦存マトリックス生成部22は、複数の擬似粒子のそれぞれを水洗することで、複数の擬似粒子のそれぞれを原料に分解する(S204)。次いで、賦存マトリックス生成部22は、分解した原料に含まれる石灰石の粒度区分である石灰石粒度区分を決定する(S205)。次いで、賦存マトリックス生成部22は、粒子粒度区分毎の擬似粒子の数、又は質量と、石灰石粒度区分に区分された石灰石の数、又は質量とを関連付けて、石灰石の賦存マトリックスPを生成する(S206)。そして、賦存マトリックス生成部22は、生成した石灰石の賦存マトリックスPを、LAN25を介して高さ方向原料分布推定装置40に出力する(S207)。
偏析マトリックス生成部23は、焼結原料層に含まれる擬似粒子を高さ領域毎に取得するサンプリング部と、取得した擬似粒子を分級する分級部と、演算部とを有する。演算部は、擬似粒子高さ粒度パラメータdk i、擬似粒子粒度パラメータdi及び偏析マトリックスDを生成する。一例では、分級部は篩を含み、演算部はパーソナルコンピュータ等の電子計算機である。他の例では、サンプリング及び分級部の代わりに装入装置14がパレット15上に擬似粒子を装入するときの画像を取得して、取得した画像に基づいて、擬似粒子高さ粒度パラメータdk iを生成する擬似粒子高さ粒度パラメータ生成装置が配置されてもよい。また、サンプリング部、分級部及び演算部が実行する処理の一部又は全ては、オペレータにより実行されてもよい。
図5は、偏析マトリックス生成部23が実行する偏析マトリックス生成処理のフローチャートである。
偏析マトリックス生成部23は、焼結原料層に含まれる擬似粒子を高さ領域毎に取得し(S301)、取得した擬似粒子を分級して(S302)、擬似粒子のそれぞれの粒子粒度区分を決定する(S303)。次いで、偏析マトリックス生成部23は、決定した粒子粒度区分と、擬似粒子を取得した高さ領域とを関連付けて、擬似粒子高さ粒度パラメータdk iを生成する(S304)。次いで、偏析マトリックス生成部23は、賦存マトリックス生成部22が取得した擬似粒子の数、又は質量、及び粒子粒度区分のそれぞれに区分された擬似粒子の数、又は質量を賦存マトリックス生成部22から取得して、擬似粒子粒度パラメータdiを生成する(S305)。次いで、偏析マトリックス生成部23は、擬似粒子高さ粒度パラメータdk iと擬似粒子粒度パラメータdiとを関連付けて、偏析マトリックスDを生成する(S306)。そして、偏析マトリックス生成部23は、生成した偏析マトリックスDを、LAN25を介して高さ方向原料分布推定装置40に出力する(S307)。
石灰石粒度調整部31は、原料貯蔵部11から取得した石灰石112を粉砕する粉砕機と、粉砕機が粉砕した石灰石を分級して造粒装置12に供給する篩とを有する。石灰石粒度調整部31は、高さ方向原料分布推定装置40から入力させる石灰石粒度指示信号に応じて、造粒装置12に供給する石灰石の粒度を調整する。石灰石粒度指示信号が石灰石の粒度を大きくする指示に対応するとき、石灰石粒度調整部31は、破砕機の破砕強度を減少させると共に篩の網目を大きくして、造粒装置12に供給する石灰石の粒度を大きくする。一方、石灰石粒度指示信号が石灰石の粒度を小さくする指示に対応するとき、石灰石粒度調整部31は、破砕機の破砕強度を増大させると共に篩の網目を小さくして、造粒装置12に供給する石灰石の粒度を小さくする。
あるいは、石灰石粒度調整部31は、原料貯蔵部11から取得した石灰石112を粉砕する粉砕機と、粉砕機が粉砕した石灰石を分級して造粒装置12に供給する篩との、どちらか一方だけを有するでも良い。破砕機だけを有する場合、破砕機の設定と、破砕後の粒度区分の関係を予め求めておけばよい。分級機だけを有する場合、石灰石の粒度変更指示に対応するとき、特定粒度区分の石灰石だけを破棄して、望ましい粒度の石灰石を造粒装置12に供給する。
高さ方向原料分布推定装置40は、通信部41と、記憶部42と、入力部43と、出力部44と、処理部50とを有する。高さ方向原料分布推定装置40は、焼結原料層の高さ方向の石灰石の分布を推定し、推定結果と高さ方向の石灰石の所望の分布との比較に基づいて石灰石の粒度を大きくするか又は小さくするかを示す石灰石粒度指示信号を、石灰石粒度調整部31に出力する。一例では、高さ方向原料分布推定装置40は、焼結工程を監視制御する監視制御装置である。
通信部41は、イーサネット(登録商標)などの有線の通信インターフェース回路を有する。通信部41は、LAN25を介して石灰石粒度分布マトリックス生成部21、賦存マトリックス生成部22、偏析マトリックス生成部23及び石灰石粒度調整部31等と通信を行う。
記憶部42は、例えば、半導体記憶装置、磁気テープ装置、磁気ディスク装置、又は光ディスク装置のうちの少なくとも一つを備える。記憶部42は、処理部50での処理に用いられるオペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、アプリケーションプログラム、データ等を記憶する。例えば、記憶部42は、アプリケーションプログラムとして、焼結原料層における石灰石の高さ方向の分布を推定する推定処理を、処理部50に実行させるための高さ方向原料分布推定プログラム等を記憶する。高さ方向原料分布推定プログラムは、例えばCD-ROM、DVD-ROM等のコンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて記憶部42にインストールされてもよい。
また、記憶部42は、高さ方向原料分布推定処理で使用される種々のデータを記憶する。さらに、記憶部42は、所定の処理に係る一時的なデータを一時的に記憶してもよい。
入力部43は、データの入力が可能であればどのようなデバイスでもよく、例えば、タッチパネル、キーボタン等である。作業者は、入力部43を用いて、文字、数字、記号等を入力することができる。入力部43は、作業者により操作されると、その操作に対応する信号を生成する。そして、生成された信号は、作業者の指示として、処理部50に供給される。
出力部44は、映像や画像等の表示が可能であればどのようなデバイスでもよく、例えば、液晶ディスプレイ又は有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等である。出力部44は、処理部50から供給された映像データに応じた映像や、画像データに応じた画像等を表示する。また、出力部44は、紙などの表示媒体に、映像、画像又は文字等を印刷する出力装置であってもよい。
処理部50は、一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を有する。処理部50は、高さ方向原料分布推定装置40の全体的な動作を統括的に制御するものであり、例えば、CPUである。処理部50は、記憶部42に記憶されているプログラム(ドライバプログラム、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。また、処理部50は、複数のプログラム(アプリケーションプログラム等)を並列に実行できる。
処理部50は、石灰石粒度分布マトリックス取得部51と、賦存マトリックス取得部52と、偏析マトリックス取得部53と、高さ方向原料分布推定部54とを有する。処理部50は、高さ方向原料分布判定部55と、石灰石粒度指示信号生成部56と、石灰石粒度指示信号出力部57とを更に有する。これらの各部は、処理部50が備えるプロセッサで実行されるプログラムにより実現される機能モジュールである。あるいは、これらの各部は、ファームウェアとして高さ方向原料分布推定装置40に実装されてもよい。
(第1実施形態に係る高さ方向原料分布推定装置の動作)
図6は、高さ方向原料分布推定装置40が焼結原料層における石灰石の高さ方向の分布を推定する推定処理のフローチャートである。推定処理は、予め記憶部42に記憶されているプログラムに基づいて、主に処理部50により、高さ方向原料分布推定装置40の各要素と協働して実行される。
石灰石粒度分布マトリックス取得部51は、石灰石粒度分布マトリックス生成部21からLAN25を介して石灰石粒度分布マトリックスδを取得する(S401)。次いで、賦存マトリックス取得部52は、賦存マトリックス生成部22から賦存マトリックスPを取得する(S402)。次いで、偏析マトリックス取得部53は、偏析マトリックス生成部23から偏析マトリックスDを取得する(S403)。次いで、高さ方向原料分布推定部54は、石灰石粒度分布マトリックスδ、賦存マトリックスP及び偏析マトリックスDを式(1)に代入して、焼結原料層における石灰石の高さ方向の分布を推定する(S404)。
次いで、高さ方向原料分布判定部55は、推定された焼結原料層における石灰石の高さ方向の分布と、焼結原料層における石灰石の高さ方向の所望の分布とを比較して、原料貯蔵部11から取得した石灰石の粒度が所望の粒度範囲より大きいか否かを判断する(S405)。高さ方向原料分布判定部55は、所望の粒度範囲と比較して、推定された石灰石の焼結原料層の上方の粒度範囲が小さい且つ焼結原料層の下方の粒度範囲が大きいと判断したときに、原料貯蔵部11から取得した石灰石の粒度が所望の粒度範囲より大きいと判断する(S405―YES)。原料貯蔵部11から取得した石灰石の粒度が所望の粒度範囲より大きいと判断される(S405―YES)と、石灰石粒度指示信号生成部56は、石灰石の粒度を小さくする指示を示す石灰石粒度指示信号を生成する(S406)。そして、石灰石粒度指示信号出力部57は、石灰石の粒度を小さくする指示を示す石灰石粒度指示信号を、LAN25を介して石灰石粒度調整部31に出力する(S407)。
原料貯蔵部11から取得した石灰石の粒度が所望の粒度範囲より大きいと判断されなかった(S405―NO)とき、高さ方向原料分布判定部55は、推定された焼結原料層における石灰石の高さ方向の分布と、焼結原料層における石灰石の高さ方向の所望の分布とを比較して、原料貯蔵部11から取得した石灰石の粒度が所望の粒度範囲より小さいか否かを判断する。(S408)。高さ方向原料分布判定部55は、所望の粒度範囲と比較して、推定された石灰石の焼結原料層の上方の粒度範囲が大きく且つ焼結原料層の下方の粒度範囲が小さいと判断したときに、原料貯蔵部11から取得した石灰石の粒度が所望の粒度範囲より小さいと判断する(S408―YES)。原料貯蔵部11から取得した石灰石の粒度が所望の粒度範囲より小さいと判断される(S408―YES)と、石灰石粒度指示信号生成部56は、石灰石の粒度を大きくする指示を示す石灰石粒度指示信号を生成する(S409)。そして、石灰石粒度指示信号出力部57は、石灰石の粒度を大きくする指示を示す石灰石粒度指示信号を、LAN25を介して石灰石粒度調整部31に出力する(S410)。原料貯蔵部11から取得した石灰石の粒度が所望の粒度範囲より大きいと判断されなかった(S408―NO)とき、原料貯蔵部11から取得した石灰石の粒度は、所望の粒度範囲内であると判断されて、処理は終了する。
(第2実施形態に係る高さ方向原料分布推定装置の構成及び機能)
図7は、第2実施形態に係る高さ方向原料分布推定装置を含む焼結システムを示す図である。図7において、実線は焼結の製造工程のフローを示し、破線はサンプリングされる原料又は擬似粒子のフローを示し、一点鎖線は信号のフローを示す。
焼結システム2は、賦存マトリックス生成部22を有さないことが焼結システム1と相違する。また、焼結システム2は、高さ方向原料分布推定装置40の代わりに高さ方向原料分布推定装置60が配置されることが焼結システム1と相違する。高さ方向原料分布推定装置60は、記憶部42及び処理部50の代わりに記憶部62及び処理部70が配置されることが高さ方向原料分布推定装置40と相違する。処理部70は、賦存マトリックス取得部52の代わりに賦存マトリックス取得部72が配置されることが処理部50と相違する。記憶部62及び賦存マトリックス取得部72以外の焼結システム2の構成要素の構成及び機能は、同一符号が付された焼結システム1の構成要素の構成及び機能と同一なので、ここでは詳細な説明は省略する。
記憶部62は、賦存マトリックス621を記憶することが記憶部42と相違する。賦存マトリックス621は、賦存マトリックス生成部22が実行する処理と同様な処理で生成された単一の賦存マトリックスである。賦存マトリックス取得部72は、記憶部62に記憶される賦存マトリックス621を取得し、高さ方向原料分布推定部54は、賦存マトリックス621を使用して焼結原料層における石灰石の高さ方向の分布を推定する。
(実施形態に係る高さ方向原料分布推定装置の作用効果)
高さ方向原料分布推定装置40及び60は、焼結原料層の高さ方向における石灰石の存在比率の分布を、化学分析等の実測に頼らずに推定する。高さ方向原料分布推定装置40及び60は、化学分析等の比較的長い時間が掛かる処理を介することなく石灰石の粒度を容易且つ早急に調整することができる。高さ方向原料分布推定装置40及び60は、石灰石の粒度を早急に調整することができるので、焼結原料層の高さ方向における石灰石の粒度分布の制御、及び装入装置の装入条件変更による焼結原料層の高さ方向の石灰石の粒度偏析の制御が容易になる。
高さ方向原料分布推定装置60は、石灰石粒度分布マトリックスδ及び偏析マトリックスDの変化の有無にかかわらず、記憶部62に記憶される賦存マトリックス621を使用して、焼結原料層の高さ方向における石灰石の存在比率の分布を推定する。高さ方向原料分布推定装置60は、石灰石粒度分布マトリックスδ及び偏析マトリックスDの何れかが変化するごとに、賦存マトリックスを生成する必要がないので、石灰石の粒度を更に容易且つ早急に調整できる。
(実施形態に係る高さ方向原料分布推定装置の変形例)
高さ方向原料分布推定装置40及び60では、存在比率の分布を推定する対象原料は石灰石であるが、実施形態に係る高さ方向原料分布推定装置では、対象原料は、コークス等の炭材、スケール等の他の焼結体の原料であってもよい。焼結原料層の高さ方向における炭材の粒度分布を推定することで、焼結原料層の高さ方向における炭素の濃度分布が推定される。また、焼結原料層の高さ方向におけるスケールの粒度分布を推定することで、焼結原料層の高さ方向におけるFe等の金属、FeO等のさらに酸化する余地のある酸化鉄の濃度分布が推定される。
また、高さ方向原料分布推定装置40及び60では、偏析マトリックス生成部23は、焼結原料層から取得した擬似粒子を分級して偏析マトリックスを生成する。しかしながら、実施形態に係る高さ方向原料分布推定装置では、非特許文献3に記載されるように、DEM(discrete-element method)を使用して、擬似粒子粒度パラメータdiから偏析マトリックスを生成してもよい。DEM(discrete-element method)を使用して偏析マトリックスを生成することで、焼結原料層から擬似粒子を取得し且つ分級する処理を省略することができる。
(賦存パラメータの生成)
賦存パラメータの生成に使用された第1原料の配合率を表1に示す。
Figure 0007070191000010
第1原料は、鉱石A~Dの4種類の豪州産の鉱石と、鉱石X及びYの2種類のブラジル産の鉱石とを含む。豪州産の鉱石A~Dとブラジル産の鉱石X及びYとの合計の配合率は83質量%である。第1原料は、14質量%の石灰石、1質量%の生石灰、2質量%のカンラン岩、15質量%の返鉱、及び4.5質量%の粉コークスを更に含む。
第1原料に6.8%の水分を添加して4分間の造粒時間で造粒して、第1擬似粒子は生成された。生成された第1擬似粒子は、第1粒子粒度区分~第7粒子粒度区分の7つの粒度区分に区分された。第1粒子粒度区分は0.25mm未満とし、第2粒子粒度区分は0.25mm以上であり且つ0.50mm未満とし、第3粒子粒度区分は0.50mm以上であり且つ1.00mm未満とした。また、第4粒子粒度区分は1.00mm以上であり且つ3.00mm未満とし、第5粒子粒度区分は3.00mm以上であり且つ5.00mm未満とし、第6粒子粒度区分は5.00mm以上であり且つ10.00mm未満とした。そして、第7粒子粒度区分は、10.00mm以上とした。
第1擬似粒子は、第1粒子粒度区分~第7粒子粒度区分に区分された後に、水洗されて原料に分解され、第1擬似粒子に含まれた原料のそれぞれは、別個に回収された。第1擬似粒子に含まれた原料のそれぞれは、篩によって、第1石灰石粒度区分~第5石灰石粒度区分の6つの粒度区分に分級された。第1石灰石粒度区分は0.25mm未満とし、第2石灰石粒度区分は0.25mm以上であり且つ0.50mm未満とし、第3石灰石粒度区分は0.50mm以上であり且つ1.00mm未満とした。また、第4石灰石粒度区分は1.00mm以上であり且つ3.00mm未満とし、第5石灰石粒度区分は3.00mm以上であり且つ5.00mm未満とした。分級された原料は、原料粒度区分毎にCaO濃度が測定された。
表2は、分級された原料のCaO濃度の測定結果から演算した石灰石の存在比率と原料粒度区分及び粒子粒度区分との関係を示す。石灰石の存在比率は、原料粒度区分の合計が「1」になるように演算された。
表3は、分級された原料のC濃度の測定結果から演算した粉コークスの存在比率と原料粒度区分及び粒子粒度区分との関係を示す。石灰石の存在比率は、原料粒度区分の合計が「1」になるように演算された。
Figure 0007070191000011
Figure 0007070191000012
表2に示す石灰石の存在比率と原料粒度区分及び粒子粒度区分との関係は、賦存パラメータPと同一である。すなわち、石灰石の賦存パラメータPは、
Figure 0007070191000013
で示される。
また、表3に示す粉コークスの存在比率と原料粒度区分及び粒子粒度区分との関係は、賦存パラメータQと同一である。すなわち、石灰石の賦存パラメータQは、
Figure 0007070191000014
で示される。
(鉱石の粒度を変更したときの賦存パラメータの変動の有無の確認試験)
第1原料と鉱石の粒度が相違する第2原料及び第3原料のCaO濃度及びC濃度を測定して、鉱石の粒度を変更したときの賦存パラメータの変動の有無を確認した。第2原料及び第3原料の配合率を表4及び5に示す。第2原料は、豪州産の鉱石A~Cとブラジル産の鉱石X及びYの代わりに83%の豪州産の鉱石Aを含むことが第1原料と相違する。また、第3原料は、豪州産の鉱石A~Cとブラジル産の鉱石X及びYの代わりに83%のブラジル産の鉱石Xを含むことが第1原料と相違する。第2原料の鉱石は豪州産の鉱石Aのみで構成され、第3原料の鉱石はブラジル産の鉱石Xのみで構成される。
Figure 0007070191000015
Figure 0007070191000016
第1原料~第3原料の鉱石の粒度分布を表6~8に示す。表6において、第1原料の鉱石の粒度分布は、豪州産の鉱石A~D並びにブラジル産の鉱石X及びYの全体の粒度分布である。表6~8において、第1鉱石粒度区分は0.25mm未満とし、第2鉱石粒度区分は0.25mm以上であり且つ0.50mm未満とし、第3鉱石粒度区分は0.50mm以上であり且つ1.00mm未満とした。また、第4鉱石粒度区分は1.00mm以上であり且つ3.00mm未満とし、第5鉱石粒度区分は3.00mm以上であり且つ5.00mm未満とし、第6鉱石粒度区分は5.00mm以上とした。
Figure 0007070191000017
Figure 0007070191000018
Figure 0007070191000019
第2原料及び第3原料のそれぞれに、第1原料と同様に、6.8%の水分を添加して、4分間の造粒時間で造粒して、第2擬似粒子及び第3擬似粒子は生成された。第2擬似粒子及び第3擬似粒子のそれぞれは、第1原料と同様に、第1粒子粒度区分~第7粒子粒度区分の7つの粒度区分に区分された。
図8は、第1擬似粒子~第3擬似粒子の粒度分布を示す図である。図8において、横軸は粒径を示し、縦軸は第1粒子粒度区分~第6粒子粒度区分に含まれる擬似粒子の存在比率をから第1粒子粒度区分から順に積算した積算率を示す。ひし形印で結ばれた曲線は第1擬似粒子を示し、方形印で結ばれた曲線は第2擬似粒子を示し、三角印で結ばれた曲線は第3擬似粒子を示す。第1擬似粒子~第3擬似粒子の粒度分布は、略同一である。
第2擬似粒子及び第3擬似粒子のそれぞれは、粒子粒度区分毎にCaO濃度及びC濃度が測定された。
図9は、第1擬似粒子~第3擬似粒子の粒子粒度区分毎のCaO濃度を示す図である。図9において、横軸は粒子粒度区分を示し、縦軸はCaO濃度を示す。ひし形印で結ばれた曲線は第1擬似粒子を示し、方形印で結ばれた曲線は第2擬似粒子を示し、三角印で結ばれた曲線は第3擬似粒子を示す。
図10は、第1擬似粒子~第3擬似粒子の粒子粒度区分毎のC濃度を示す図である。図9-2において、横軸は粒子粒度区分を示し、縦軸はC濃度を示す。ひし形印で結ばれた曲線は第1擬似粒子を示し、方形印で結ばれた曲線は第2擬似粒子を示し、三角印で結ばれた曲線は第3擬似粒子を示す。
第1擬似粒子~第3擬似粒子のCaO濃度及びC濃度は、第1粒子粒度区分~第7粒子粒度区分の全てに亘って略同一である。第1擬似粒子~第3擬似粒子は、含有される鉱石の粒度分布は互いに相違するにもかかわらず、第1擬似粒子~第3擬似粒子のCaO濃度及びC濃度は、第1粒子粒度区分~第7粒子粒度区分の全てに亘って略同一である。含有される原料の粒度分布が相違しても擬似粒子のCaO濃度及びC濃度が略一定になることから、粒度分布マトリックスδ及び偏析マトリックスDが変化しても、原料高さ分布マトリックスCは、単一の賦存マトリックスP及びQを使用して演算可能である。
1、2、900 焼結システム
11 原料貯蔵部
12 造粒装置
13 サージホッパ
14 装入装置
15 パレット
21 石灰石粒度分布マトリックス生成部
(対象原料粒度分布マトリックス生成部)
22 賦存マトリックス生成部
23 偏析マトリックス生成部
31 石灰石粒度調整部
40、60 高さ方向原料分布推定装置
41 通信部
42、62 記憶部
43 入力部
44 出力部
50、70 処理部
51 石灰石粒度分布マトリックス取得部
(対象原料粒度分布マトリックス取得部)
52、72 賦存マトリックス取得部
53 偏析マトリックス取得部
54 高さ方向原料分布推定部
55 高さ方向原料分布判定部
56 石灰石粒度指示信号生成部(対象原料粒度指示信号生成部)
57 石灰石粒度指示信号出力部(対象原料粒度指示信号出力部)
621 賦存マトリックス

Claims (10)

  1. 対象原料の粒度の分布を示す対象原料粒度分布情報を取得する対象原料粒度分布情報取得部と、
    前記対象原料を含む複数の原料により造粒された擬似粒子における前記対象原料の粒度の分布を示す対象原料賦存情報を取得する対象原料賦存情報取得部と、
    前記擬似粒子が積層された焼結原料層の高さ方向における前記擬似粒子の粒度の分布を示す擬似粒子分布情報を取得する擬似粒子分布情報取得部と、
    前記対象原料粒度分布情報、前記対象原料賦存情報及び前記擬似粒子分布情報に基づいて、前記焼結原料層における前記対象原料の高さ方向の分布を推定する高さ方向原料分布推定部と、
    を有する高さ方向原料分布推定装置。
  2. 前記対象原料賦存情報は、前記擬似粒子の粒度を区分した複数の粒子粒度区分のそれぞれにおける前記対象原料の粒度の存在比率を、前記対象原料の粒度を区分した複数の原料粒度区分毎に示す賦存マトリックスを含む、請求項1に記載の高さ方向原料分布推定装置。
  3. 前記対象原料賦存情報取得部は、前記対象原料粒度分布情報に対応する前記対象原料の粒度の分布、及び前記擬似粒子分布情報に対応する前記焼結原料層の高さ方向における前記擬似粒子の粒度の分布の変化に関わらず、所定の賦存マトリックスを取得する、請求項2に記載の高さ方向原料分布推定装置。
  4. 前記対象原料粒度分布情報は、原料の全体量に対する前記対象原料の粒度の存在比率を、前記原料粒度区分毎に示す対象原料粒度分布マトリックスを含む、請求項3に記載の高さ方向原料分布推定装置。
  5. 前記擬似粒子分布情報は、前記焼結原料層の高さ方向を区分した複数の高さ領域のそれぞれにおける前記擬似粒子の存在比率を、前記粒子粒度区分毎に示す偏析マトリックスを含む、請求項4に記載の高さ方向原料分布推定装置。
  6. 前記高さ方向原料分布推定部は、前記対象原料粒度分布マトリックス、前記賦存マトリックス及び前記偏析マトリックスを乗算して、前記複数の高さ領域のそれぞれにおける前記対象原料の存在比率を、前記原料粒度区分毎に示す対象原料高さ分布マトリックスを演算する、請求項5に記載の高さ方向原料分布推定装置。
  7. 推定された前記対象原料の高さ方向の分布と、前記対象原料の高さ方向の所望の分布とを比較して、前記対象原料の粒度が所望の大きさより大きいか否かを判断する高さ方向原料分布判定部と、
    前記対象原料の粒度が所望の大きさより小さいと判断されると、前記対象原料の粒度を大きくする指示を示す対象原料粒度指示信号を生成し、前記対象原料の粒度が所望の大きさより大きいと判断されると、前記対象原料の粒度を小さくする指示を示す対象原料粒度指示信号を生成する対象原料粒度指示信号生成部と、
    前記対象原料粒度指示信号を出力する対象原料粒度指示信号出力部と、
    を更に有する、請求項1~6の何れか一項に記載の高さ方向原料分布推定装置。
  8. 前記対象原料が、粉コークスまたは石灰石である、請求項1~7の何れか一項に記載の高さ方向原料分布推定装置。
  9. 対象原料の粒度の分布を示す対象原料粒度分布情報を取得し、
    前記対象原料を含む複数の原料により造粒された擬似粒子における前記対象原料の粒度の分布を示す対象原料賦存情報を取得し、
    前記擬似粒子が積層された焼結原料層の高さ方向における前記擬似粒子の粒度の分布を示す擬似粒子分布情報を取得し、
    前記対象原料粒度分布情報、前記対象原料賦存情報及び前記擬似粒子分布情報に基づいて、前記焼結原料層における前記対象原料の高さ方向の分布を推定する、
    ことを含む高さ方向原料分布推定方法。
  10. 対象原料の粒度の分布を示す対象原料粒度分布情報を取得し、
    前記対象原料を含む複数の原料により造粒された擬似粒子における前記対象原料の粒度の分布を示す対象原料賦存情報を取得し、
    前記擬似粒子が積層された焼結原料層の高さ方向における前記擬似粒子の粒度の分布を示す擬似粒子分布情報を取得し、
    前記対象原料粒度分布情報、前記対象原料賦存情報及び前記擬似粒子分布情報に基づいて、前記焼結原料層における前記対象原料の高さ方向の分布を推定する、
    ことをコンピュータに実行させる高さ方向原料分布推定プログラム。
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