JP7264321B1 - 溶銑温度の予測方法、操業ガイダンス方法、溶銑の製造方法、溶銑温度の予測装置、操業ガイダンス装置、高炉操業ガイダンスシステム、高炉操業ガイダンスサーバ及び端末装置 - Google Patents

溶銑温度の予測方法、操業ガイダンス方法、溶銑の製造方法、溶銑温度の予測装置、操業ガイダンス装置、高炉操業ガイダンスシステム、高炉操業ガイダンスサーバ及び端末装置 Download PDF

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Abstract

溶銑温度の予測方法は、高炉の炉内における反応及び伝熱現象を考慮した物理モデルを用いて、炉内の反応量を算出する反応量算出ステップ(S1)と、物理モデルを用いて算出された反応量と、実測された反応量との間の乖離度を算出する乖離度算出ステップ(S2)と、算出される乖離度が小さくなるように、炉内のガスに偏り流れを生じさせる物理モデルのパラメータを調整するモデルパラメータ調整ステップ(S3)と、パラメータが調整された物理モデルを用いて、将来の溶銑温度を予測する溶銑温度予測ステップ(S4)と、を含む。

Description

本開示は、溶銑温度の予測方法、操業ガイダンス方法、溶銑の製造方法、溶銑温度の予測装置、操業ガイダンス装置、高炉操業ガイダンスシステム、高炉操業ガイダンスサーバ及び端末装置に関する。
製鉄業において熟練オペレータの減少が課題となっており、高炉の安定操業の継続が困難になりつつある。高炉の安定操業を維持する上で溶銑温度制御は重要である。溶銑温度が低下するとスラグの粘性が増大して排出が困難となり、高炉の生産性を低下させ得る。また、溶銑温度が極端に低下すると、溶銑及びスラグが凝固して排出できなくなり、高炉の操業が停止する炉冷事故が生じ得る。溶銑温度を予測する手法について多くの提案がされている(例えば特許文献1、特許文献2参照)。
特許第6531782号公報 特許第6024718号公報
ここで、炉冷事故が生じるメカニズムは様々であるが、典型的なケースにおいて、粒度の細かい原料の装入又はスラグの液面レベルの上昇の際に通気抵抗が大きくなり、炉内ガスの流れが不均一になることが生じる。炉内ガスの流れが不均一になると、焼結鉱とCOガスとの接触が悪化し、炉下部において吸熱をともなう直接還元反応が生じて、溶銑温度の低下に至ると考えられる。
溶銑温度予測のために炉内の状態をモデル化した従来の物理モデルでは、固体の空隙率のばらつきが小さい充填層を仮定してガス流れを計算する。従来の物理モデルでは、上記のようなガス偏流(炉内ガスの流れの不均一性)に起因した溶銑温度の低下を再現することが困難であった。
以上の問題を解決すべくなされた本開示の目的は、高精度に溶銑温度を予測できる溶銑温度の予測方法及び溶銑温度の予測装置を提供することにある。また、本開示の目的は、高精度に予測された溶銑温度に基づいて、高炉の操業のガイダンスを行う操業ガイダンス方法、溶銑の製造方法、操業ガイダンス装置、高炉操業ガイダンスシステム、高炉操業ガイダンスサーバ及び端末装置を提供することにある。
本開示の一実施形態に係る溶銑温度の予測方法は、
高炉の炉内における反応及び伝熱現象を考慮した物理モデルを用いて、前記炉内の反応量を算出する反応量算出ステップと、
前記物理モデルを用いて算出された前記反応量と、実測された反応量との間の乖離度を算出する乖離度算出ステップと、
算出される前記乖離度が小さくなるように、前記炉内のガスに偏り流れを生じさせる前記物理モデルのパラメータを調整するモデルパラメータ調整ステップと、
前記パラメータが調整された前記物理モデルを用いて、将来の溶銑温度を予測する溶銑温度予測ステップと、を含む。
本開示の一実施形態に係る操業ガイダンス方法は、
上記の溶銑温度の予測方法によって予測された前記溶銑温度に基づいて、前記溶銑温度を上昇させるための操業アクションを提示する操業アクション提示ステップを含む。
本開示の一実施形態に係る溶銑の製造方法は、
上記の操業ガイダンス方法によって提示される前記操業アクションに従って溶銑を製造する。
本開示の一実施形態に係る溶銑温度の予測装置は、
高炉の炉内における反応及び伝熱現象を考慮した物理モデルを記憶する記憶部と、
前記物理モデルを用いて、前記炉内の反応量を算出する反応量算出部と、
前記物理モデルを用いて算出された前記反応量と、実測された反応量との間の乖離度を算出する乖離度算出部と、
算出される前記乖離度が小さくなるように、前記炉内のガスに偏り流れを生じさせる前記物理モデルのパラメータを調整するモデルパラメータ調整部と、
前記パラメータが調整された前記物理モデルを用いて、将来の溶銑温度を予測する溶銑温度予測部と、を備える。
本開示の一実施形態に係る操業ガイダンス装置は、
上記の溶銑温度の予測装置によって予測された前記溶銑温度に基づいて、前記溶銑温度を上昇させるための操業アクションを提示する操業アクション提示部を備える。
本開示の一実施形態に係る高炉操業ガイダンスシステムは、
高炉操業ガイダンスサーバと、端末装置と、を備え、
前記高炉操業ガイダンスサーバは、
高炉の操業状態を示す実測値を取得する実測値取得部と、
前記高炉の炉内における反応及び伝熱現象を考慮した物理モデルを記憶する記憶部と、
前記物理モデルを用いて、前記炉内の反応量を算出する反応量算出部と、
前記物理モデルを用いて算出された前記反応量と、実測された反応量との間の乖離度を算出する乖離度算出部と、
算出される前記乖離度が小さくなるように、前記炉内のガスに偏り流れを生じさせる前記物理モデルのパラメータを調整するモデルパラメータ調整部と、
前記パラメータが調整された前記物理モデルを用いて、将来の溶銑温度を予測する溶銑温度予測部と、
予測された前記溶銑温度に基づいて、前記溶銑温度を上昇させるための操業アクションを提示する操業アクション提示部と、を備え、
前記端末装置は、
前記高炉操業ガイダンスサーバによって提示された前記操業アクションを取得する操業アクション取得部と、
取得した前記操業アクションを表示する表示部と、を備える。
本開示の一実施形態に係る高炉操業ガイダンスサーバは、
高炉の操業状態を示す実測値を取得する実測値取得部と、
前記高炉の炉内における反応及び伝熱現象を考慮した物理モデルを記憶する記憶部と、
前記物理モデルを用いて、前記炉内の反応量を算出する反応量算出部と、
前記物理モデルを用いて算出された前記反応量と、実測された反応量との間の乖離度を算出する乖離度算出部と、
算出される前記乖離度が小さくなるように、前記炉内のガスに偏り流れを生じさせる前記物理モデルのパラメータを調整するモデルパラメータ調整部と、
前記パラメータが調整された前記物理モデルを用いて、将来の溶銑温度を予測する溶銑温度予測部と、
予測された前記溶銑温度に基づいて、前記溶銑温度を上昇させるための操業アクションを提示する操業アクション提示部と、を備える。
本開示の一実施形態に係る端末装置は、
高炉操業ガイダンスサーバとともに高炉操業ガイダンスシステムを構成する端末装置であって、
前記高炉操業ガイダンスサーバによって提示された操業アクションを取得する操業アクション取得部と、
取得した前記操業アクションを表示する表示部と、を備え、
前記高炉操業ガイダンスサーバは、高炉の炉内における反応及び伝熱現象を考慮した物理モデルを用いて算出した前記炉内の反応量と、実測された反応量との間の乖離度が小さくなるように、前記炉内のガスに偏り流れを生じさせる前記物理モデルのパラメータを調整して、
前記操業アクションは、前記パラメータが調整された前記物理モデルを用いて予測された将来の溶銑温度に基づく、溶銑温度を上昇させるための操業アクションである。
本開示によれば、高精度に溶銑温度を予測できる溶銑温度の予測方法及び溶銑温度の予測装置を提供することができる。また、本開示によれば、高精度に予測された溶銑温度に基づいて、高炉の操業のガイダンスを行う操業ガイダンス方法、溶銑の製造方法、操業ガイダンス装置、高炉操業ガイダンスシステム、高炉操業ガイダンスサーバ及び端末装置を提供することができる。
図1は、本開示で用いられる物理モデルの入出力情報を示す図である。 図2は、溶銑温度の将来の予測結果を例示する図である。 図3は、偏流を考慮しない物理モデルによる予測結果を例示する図である。 図4は、偏流を考慮する物理モデルによる予測結果を例示する図である。 図5は、炉内温度分布の計算結果を例示する図である。 図6は、一実施形態に係る溶銑温度の予測装置及び操業ガイダンス装置の構成例を示す図である。 図7は、一実施形態に係る溶銑温度の予測方法を示すフローチャートである。 図8は、一実施形態に係る操業ガイダンス方法を示すフローチャートである。 図9は、一実施形態に係る高炉操業ガイダンスシステムの構成例を示す図である。
以下、図面を参照して本開示の一実施形態に係る溶銑温度の予測方法、操業ガイダンス方法、溶銑の製造方法、溶銑温度の予測装置、操業ガイダンス装置、高炉操業ガイダンスシステム、高炉操業ガイダンスサーバ及び端末装置が説明される。本開示において用いられる物理モデルは、参考文献1(K.Takatani et al. ISIJ International,Vol.39(1999),pp.15)に記載の方法と同様、鉱石の還元、鉱石とコークスとの間の熱交換及び鉱石の融解等の物理現象を考慮した偏微分方程式群から構成された、非定常状態における高炉の内部(炉内)の状態を計算可能な物理モデル(非定常モデル)である。非定常状態は、例えば吹き抜け、棚吊りなどの事象が発生することを含む。
図1に示すように、物理モデルに与えられる入力変数の中で時間変化する主なものは、送風流量、送風酸素流量、微粉炭流量、コークス比、送風湿分、送風温度、炉頂ガス圧である。これらの入力変数は高炉の操作変数又は操業因子である。送風流量、送風酸素流量、微粉炭流量は、それぞれ、高炉に送られる空気、酸素、微粉炭の流量である。コークス比は、炉頂部におけるコークス比であって、1トンの溶銑生成量に対して使用されるコークス重量である。送風湿分は、高炉に送られる空気の湿度である。送風温度は、高炉に送られる空気の温度である。炉頂ガス圧は、炉内のガスの炉頂における圧力である。
また、物理モデルの主な出力変数は、ガス利用率、ソルーションロスカーボン量、還元材比、造銑速度、溶銑温度である。物理モデルを用いて時々刻々変化する溶銑温度、造銑速度を計算可能である。この計算の時間間隔は特に限定されないが、本実施形態において30分である。後述する物理モデルの式の「t+1」と「t」との時間差が、本実施形態では30分である。本実施形態において、物理モデルは、炉内の三次元的な温度分布及び鉱石の還元率分布などを推定可能な三次元の非定常モデルである。ただし、物理モデルの形態は三次元の非定常モデルに限定されない。
物理モデルを以下の式により表すことができる。
Figure 0007264321000001
ここでx(t)は物理モデル内で計算される状態変数である。状態変数は、例えばコークスの温度、鉄の温度、鉱石の酸化度、原料の降下速度などである。y(t)は制御変数である溶銑温度(HMT:Hot Metal Temperature)である。u(t)は上記の入力変数であって、高炉の操業を行うオペレータが操作可能な変数である。つまり、入力変数は、送風流量BV(t)、送風酸素流量BVO(t)、微粉炭流量PCI(t)、コークス比CR(t)、送風湿分BM(t)、送風温度BT(t)、炉頂ガス圧TGP(t)である。u(t)=(BV(t),BVO(t),PCI(t),CR(t),BM(t),BT(t),TGP(t))で表すことができる。
ここで、現時点での入力変数が将来も保持されることを仮定して、式(1)及び式(2)を繰り返して計算することによって、将来の溶銑温度を予測することができる。図2は、このような繰り返し計算による溶銑温度の将来の予測結果を例示する。図2の横軸は時間軸である。単位は時間である。また、マイナスは過去の時間を示す。図2の左側に配置された入力変数のグラフは上記の記号を用いている。また、図2の右側に物理モデルの出力変数のグラフが配置されている。ηCOはガス利用率である。SLCはソルーションロスカーボン量である。RARは還元材比である。Prodは造銑速度である。HMTは上記の通り、溶銑温度である。
図2の例では、現時点から5時間前にコークス比(CR)の増加があり、15時間前から8時間前にかけての送風湿分(BM)の減少があった。これらの影響によって、将来の溶銑温度(HMT)が上昇する予測がされている。その後の実績(実高炉で実測された値)を重ねてプロットしたところ、予測通りに上昇傾向が一致した。以下に検討する炉冷などの非定常な状態でなければ、十分良好な予測精度が達成されている。
上記の手法で、さらに炉冷が生じた場合の入力変数を用いた予測結果を図3に示す。図3では、図2より横軸(時間軸)で示される期間が長くなっており、単位が日である。炉冷が生じる典型的なケースにおいて、炉内ガスの流れが不均一になる。炉内ガス流れが特定方位に偏ると、酸化鉄とCOガス及びHガスの接触が悪化して、酸化鉄の還元遅れが生じる。図3の例において、19.5日以降でガス利用率(ηCO)が低下し、19.2日以降でソルーションロスカーボン量(SLC)が増大している。実線で示される物理モデルの計算では、このような事象を予測できていない。また、図3の例において、溶銑温度(HMT)について、上記の繰り返し計算によって8時間先の予測が行われたが、プロットした実績値との大きな乖離が生じている。つまり、従来手法では、物理モデルでガス偏流を表すことができず、炉冷が生じるような場合に予測値と実績値(実測値)との乖離が大きい。
そこで、新たな手法として、炉冷が生じるような場合であっても、炉内の反応量(ガス利用率、ソルーションロスカーボン量など)の値が実測値に合致するように、物理モデルのガス流れに関わるパラメータを調整した。具体的には、このようなパラメータとして、炉内の充填層内の特定の領域における空隙率を調整(例えば上昇)することにより、炉内のガス偏り流れを発生させた。特定の領域は、例えば充填層における位置が方位と関連付けられる場合に(図5参照)、特定の方位であってよい。
ここで、充填層内のガス流れを支配する通気抵抗は、原料の粒度と空隙率に大きく影響される。ただし、炉内の粒度及び空隙率を直接的にリアルタイム測定することは困難である。本実施形態においては、ガス流れに関わるパラメータとして、空隙率のみが調整された。空隙率に代えて、又は空隙率とともに、粒度が調整対象のパラメータとされてよい。つまり、ガス流れに関わるパラメータとして調整されるパラメータは、炉内の充填層内の特定の領域における空隙率及び粒度の少なくとも1つであってよい。
本実施形態において、空隙率を変化させる手順は以下の通りである。ある時間ステップtにおけるソルーションロスカーボン量(SLC)などの反応量の実測値と物理モデルを用いた算出された計算値(予測値)との解離度が算出される。次に、反応量の実測値と計算値との解離が小さくなるように、以下の式(3)のように特定の領域の充填層の空隙率を時間ステップごとに更新する。
Figure 0007264321000002
ここで、εは空隙率である。SLCactはソルーションロスカーボン量の実測値である。SLCcalはソルーションロスカーボン量の計算値である。式(3)において、解離度は実測値から計算値を減算して得られる。本実施形態において、反応量として吸熱量に大きく影響を与えるソルーションロスカーボン量を用いたが、別の例として反応量はガス利用率であってよい。つまり、反応量は、ソルーションロスカーボン量及びガス利用率の少なくとも1つを含んでよい。また、反応量は、造銑速度などを含んでよい。
また、本実施形態において、3次元モデルの円周方向に区分した8メッシュのうち、1つのメッシュのみについて空隙率が変化するようにした。このとき、高さ方向について全領域で空隙率が変化するようにした。また、半径方向について、壁に近接したメッシュ領域のみで空隙率が変化するようにした。
図4は、このように炉内ガスの偏り流れを物理モデル内で発生させて、図3と同じように予測を行った結果を示す。図3との比較から明らかなように、予測の精度が向上した。図4に示すように、例えばソルーションロスカーボン量(SLC)の増加及び溶銑温度(HMT)の低下が、精度よく予測されている。
また、図5は、図4における19.5日の時点での炉内温度分布及びガス流れの結果を示す。この例において、充填層における位置は方位(東(E)、南(S)、西(W)及び北(N))と関連付けられている。また、縦方向は、高炉の高さ方向を示す。図5の例では、特定方位(具体的には西(W))にガス流れが偏っており、その方位の温度が高くなっている。また、偏り流れが生じた方位と反対側(具体的には東(E))で温度が低下していることがわかる。このような温度分布の偏りについては、例えば炉内の複数個所に設けられた温度センサの検出値の比較によって検証することが可能である。
ここで、特許文献1の技術においても物理モデルの一部のパラメータ(鉄鉱石のガス還元平衡パラメータ)が調整される。しかし、特許文献1の技術では、炉内のガス流れの円周方向分布は均一であることを前提としている。本実施形態の手法は、例えば炉頂ガスゾンデなどの情報に基づいてガス流れの円周方向分布が不均一と判断された場合に有効である。
本実施形態に係る溶銑温度の予測装置(詳細については後述)は、上記のように乖離度が小さくなるように、炉内のガスに偏り流れを生じさせる物理モデルのパラメータを調整する。そして、パラメータが調整された物理モデルを用いて、将来の溶銑温度を予測することによって、高精度に溶銑温度を予測できる。
本実施形態に係る操業ガイダンス装置(詳細については後述)は、予測された溶銑温度が閾値以下の場合に、ガイダンスとして、溶銑温度を上昇させるための操業アクションを提示することができる。操業アクションは、例えばコークス比を上昇させることなどである。操業ガイダンス装置が、適切な操業アクションをオペレータに提示することで、操業上のトラブル(例えば生産性の低下、炉冷事故など)を回避することができる。
図6は、一実施形態に係る溶銑温度の予測装置10及び操業ガイダンス装置20の構成例を示す図である。図6に示すように、溶銑温度の予測装置10は、記憶部11と、反応量算出部12と、乖離度算出部13と、モデルパラメータ調整部14と、溶銑温度予測部15と、を備える。操業ガイダンス装置20は、記憶部21と、溶銑温度判定部22と、操業アクション提示部23と、を備える。溶銑温度の予測装置10は、高炉に備えられたセンサなどから、高炉の操業状態を示す各種の測定値である実績値(実測値とも称される)を取得し、上記の物理モデルを用いた計算を行う。操業ガイダンス装置20は、溶銑温度の予測装置10によって算出された溶銑温度を取得し、高炉の操業のためのガイダンスとして、操業アクションを表示部30に表示させる。操業ガイダンス装置20は、予測される溶銑温度が閾値(一例として1500℃)以下となる場合に、溶銑温度を上昇させるためのガイダンスとして操業アクションを表示部30に表示させる。表示部30は、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)又は有機ELパネル(Organic Electro-Luminescence Panel)などの表示装置であってよい。
まず、溶銑温度の予測装置10の構成要素が説明される。記憶部11は、高炉の炉内における反応及び伝熱現象を考慮した物理モデルを記憶する。また、記憶部11は、溶銑温度の予測に関するプログラム及びデータを記憶する。記憶部11は、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス及び磁気記憶デバイスなどの任意の記憶デバイスを含んでよい。半導体記憶デバイスは例えば半導体メモリを含んでよい。記憶部11は、複数の種類の記憶デバイスを含んでよい。
反応量算出部12は、物理モデルを用いて、炉内の反応量を算出する。本実施形態において、反応量はソルーションロスカーボン量及びガス利用率の少なくとも1つを含む。
乖離度算出部13は、物理モデルを用いて算出された反応量と、実測された反応量との間の乖離度を算出する。本実施形態において、乖離度は反応量の実測値から計算値を減算して得られる。
モデルパラメータ調整部14は、算出される乖離度が小さくなるように、物理モデルのパラメータのうち炉内のガスに偏り流れを生じさせるパラメータを調整する。本実施形態において、調整されるパラメータは、炉内の充填層内の特定の領域における空隙率である。ただし、空隙率に代えて、又は空隙率とともに、粒度が用いられてよい。
溶銑温度予測部15は、パラメータが調整された物理モデルを用いて、将来の溶銑温度を予測する。溶銑温度の予測は、上記の式(1)及び式(2)を繰り返して計算することによって行われる。予測された溶銑温度は、操業ガイダンス装置20に出力される。
次に、操業ガイダンス装置20の構成要素が説明される。記憶部21は、操業ガイダンスに関するプログラム及びデータを記憶する。記憶部21は、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス及び磁気記憶デバイスなどの任意の記憶デバイスを含んでよい。半導体記憶デバイスは例えば半導体メモリを含んでよい。記憶部21は、複数の種類の記憶デバイスを含んでよい。
溶銑温度判定部22は、溶銑温度の予測装置10によって予測された溶銑温度が閾値以下であるかを判定する。閾値以下である場合に、溶銑温度判定部22は、操業アクション提示部23に操業アクションを提示させる。
操業アクション提示部23は、溶銑温度を上昇させるための操業アクションを提示する。操業アクション提示部23は、例えばコークス比の10%上昇を操業アクションとして表示部30に表示させてよい。ここで、操業アクション提示部23は、コークス比の適切な値などを溶銑温度の予測装置10に計算させてよい。すなわち、操業アクション提示部23は、提示する操業アクションを定めるために、溶銑温度の予測装置10に物理モデルを用いたシミュレーションを実行させてよい。
オペレータは、表示部30に示された操業アクションに基づいて、高炉の操業条件を変更してよい。このような高炉についての操業ガイダンスは、溶銑を製造する製造方法の一部として実行され得る。さらに、溶銑の製造を管理するコンピュータが、操業ガイダンス装置20によって提示される操業アクションに従って、溶銑の製造の条件を自動的に変更してよい。
ここで、溶銑温度の予測装置10と操業ガイダンス装置20とは、個別の装置であってよいし、一体の装置であってよい。一体の装置である場合に、記憶部11と記憶部21とは、同じ記憶デバイスで実現されてよい。
溶銑温度の予測装置10及び操業ガイダンス装置20は、例えば高炉の操業又は溶銑の製造を制御するプロセスコンピュータなどのコンピュータによって実現されてよい。コンピュータは、例えばメモリ及びハードディスクドライブ(記憶装置)、CPU(処理装置)、ディスプレイなどの表示装置を備える。オペレーティングシステム(OS)及び各種の処理を実施するためのアプリケーションプログラムは、ハードディスクドライブに格納することができ、CPUにより実行される際にはハードディスクドライブからメモリに読み出される。また、処理途中のデータについては、メモリに格納され、必要があればHDDに格納される。各種機能は、CPU、メモリ等のハードウエアとOS及び必要なアプリケーションプログラムとを有機的に協働させることにより実現される。記憶部11及び記憶部21は、例えば記憶装置で実現されてよい。反応量算出部12、乖離度算出部13、モデルパラメータ調整部14、溶銑温度予測部15、溶銑温度判定部22及び操業アクション提示部23は、例えばCPUで実現されてよい。表示部30は、例えば表示装置で実現されてよい。
図7は、一実施形態に係る溶銑温度の予測方法を示すフローチャートである。溶銑温度の予測装置10は、図7に示されるフローチャートに従って、予測した溶銑温度を出力する。図7に示される溶銑温度の予測方法は、溶銑の製造方法の一部として実行されてよい。
反応量算出部12は、物理モデルを用いて炉内の反応量を算出する(ステップS1、反応量算出ステップ)。乖離度算出部13は、物理モデルを用いて算出された反応量と、実測された反応量との間の乖離度を算出する(ステップS2、乖離度算出ステップ)。モデルパラメータ調整部14は、乖離度が小さくなるように、炉内のガスに偏り流れを生じさせる物理モデルのパラメータを調整する(ステップS3、モデルパラメータ調整ステップ)。そして、溶銑温度予測部15は、パラメータが調整された物理モデルを用いて、将来の溶銑温度を予測する(ステップS4、溶銑温度予測ステップ)。
図8は、一実施形態に係る操業ガイダンス方法を示すフローチャートである。操業ガイダンス装置20は、図8に示されるフローチャートに従って、操業アクションを提示する。図8に示される操業ガイダンス方法は、溶銑の製造方法の一部として実行されてよい。
溶銑温度判定部22は、溶銑温度の予測装置10によって予測された溶銑温度が閾値以下の場合に(ステップS11のYes)、操業アクション提示部23に操業アクションを提示させる。操業アクション提示部23は、溶銑温度を上昇させるための操業アクションを表示部30に提示する(ステップS12、操業アクション提示ステップ)。溶銑温度判定部22によって予測された溶銑温度が閾値より高いと判定された場合に(ステップS11のNo)、操業アクションは提示されない。
図9は、一実施形態に係る高炉操業ガイダンスシステムの構成を示す図である。高炉操業ガイダンスシステムは、例えば図9の破線で示すように、高炉操業ガイダンスサーバ40及び端末装置50で構成されてよい。高炉操業ガイダンスサーバ40は、溶銑温度の予測装置10及び操業ガイダンス装置20の機能を備え、例えばコンピュータによって実現されてよい。また、端末装置50は、少なくとも表示部30として機能し、例えばタブレットなどの携帯端末装置又はコンピュータによって実現されてよい。高炉操業ガイダンスサーバ40と端末装置50とは、例えばインターネットなどのネットワーク経由でデータを相互に送受信できる。高炉操業ガイダンスサーバ40と端末装置50とは、同じ場所(例えば同じ工場内)にあってよいし、物理的に離れて配置されていてよい。また、高炉操業ガイダンスシステムは、上記の構成に限定されるものでなく、例えば高炉の操業データ(一例として操業状態を示す実測値及び操業パラメータ)を集約する操業データサーバ60をさらに含んで構成されてよい。操業データサーバ60は、ネットワーク経由で高炉操業ガイダンスサーバ40及び端末装置50と通信可能であって、例えば溶銑の製造を管理するコンピュータで実現されてよい。操業データサーバ60は、高炉操業ガイダンスサーバ40又は端末装置50と同じ場所にあってよいし、物理的に離れて配置されていてよい。以下、高炉操業ガイダンスサーバ40及び端末装置50を備えて構成される高炉操業ガイダンスシステムを例に、構成要素などが説明される。
高炉操業ガイダンスサーバ40は、高炉の実測値を取得し、上記の物理モデルを用いた計算を行って、算出された溶銑温度に基づく高炉の操業のためのガイダンスとして、操業アクションを表示部30として機能する端末装置50に表示させる。高炉操業ガイダンスサーバ40は、図6を参照して説明された溶銑温度の予測装置10の構成要素及び操業ガイダンス装置20の構成要素を備える。具体的に述べると、高炉操業ガイダンスサーバ40は、記憶部と、反応量算出部12と、乖離度算出部13と、モデルパラメータ調整部14と、溶銑温度予測部15と、溶銑温度判定部22と、操業アクション提示部23と、を備える。記憶部は、高炉の炉内における反応及び伝熱現象を考慮した物理モデル、溶銑温度の予測に関するプログラム及びデータ、操業ガイダンスに関するプログラム及びデータなどを記憶する。反応量算出部12、乖離度算出部13、モデルパラメータ調整部14、溶銑温度予測部15、溶銑温度判定部22及び操業アクション提示部23については、上記の説明と同じである。また、高炉操業ガイダンスサーバ40は、高炉の操業状態を示す実測値を取得する実測値取得部を備えてよい。実測値取得部は、高炉に備えられたセンサ又は高炉のプロセスコンピュータなどから直接的に実測値を取得してよいし、操業データサーバ60を介して実測値を取得してよい。
端末装置50は、高炉操業ガイダンスサーバ40とともに高炉操業ガイダンスシステムを構成し、操業アクションを表示する。端末装置50は少なくとも表示部30を備える。表示部30は上記の説明と同じである。また、端末装置50は、高炉操業ガイダンスサーバ40によって提示された操業アクションを取得する操業アクション取得部を備えてよい。
以上のように、本実施形態に係る溶銑温度の予測方法及び溶銑温度の予測装置10は、上記の構成によって高精度に溶銑温度を予測できる。また、本実施形態に係る操業ガイダンス方法、溶銑の製造方法、操業ガイダンス装置20、高炉操業ガイダンスシステム、高炉操業ガイダンスサーバ40及び端末装置50は、高精度に予測された溶銑温度に基づいて、高炉の操業のガイダンスを行うことができる。例えばオペレータは、ガイダンスとして示された操業アクションに従うことによって、操業上のトラブル(一例として炉冷事故)を回避することができる。
本開示に係る実施形態について、諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形又は修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形又は修正は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部又は各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部又はステップなどを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。本開示に係る実施形態は装置が備えるプロセッサにより実行されるプログラム又はプログラムを記録した記憶媒体としても実現し得るものである。本開示の範囲にはこれらも包含されるものと理解されたい。
図6に示される溶銑温度の予測装置10及び操業ガイダンス装置20の構成は一例である。溶銑温度の予測装置10、操業ガイダンス装置20は、図6に示す構成要素の全てを含まなくてよい。また、溶銑温度の予測装置10、操業ガイダンス装置20は、図6に示す以外の構成要素を備えてよい。例えば、操業ガイダンス装置20は、さらに表示部30を備える構成であってよい。
10 溶銑温度の予測装置
11 記憶部
12 反応量算出部
13 乖離度算出部
14 モデルパラメータ調整部
15 溶銑温度予測部
20 操業ガイダンス装置
21 記憶部
22 溶銑温度判定部
23 操業アクション提示部
30 表示部
40 高炉操業ガイダンスサーバ
50 端末装置
60 操業データサーバ

Claims (10)

  1. 高炉の炉内における反応及び伝熱現象を考慮した物理モデルを用いて、前記炉内のガス利用率、ソルーションロスカーボン量、還元材比及び造銑速度の少なくとも1つである反応量を算出する反応量算出ステップと、
    前記物理モデルを用いて算出された前記反応量と、実測された反応量との間の乖離度を算出する乖離度算出ステップと、
    算出される前記乖離度が現在の前記乖離度より将来的に小さくなるように、前記炉内のガスに偏り流れを生じさせる前記物理モデルのパラメータを調整するモデルパラメータ調整ステップと、
    前記パラメータが調整された前記物理モデルを用いて、将来の溶銑温度を予測する溶銑温度予測ステップと、を含み、
    前記パラメータは、前記炉内の充填層内の円周方向に区分した領域のうちの特定の領域における空隙率及び粒度の少なくとも1つである、溶銑温度の予測方法。
  2. 前記反応量は、ソルーションロスカーボン量及びガス利用率の少なくとも1つを含む、請求項1に記載の溶銑温度の予測方法。
  3. 請求項1又は2に記載の溶銑温度の予測方法によって予測された前記溶銑温度に基づいて、前記溶銑温度を上昇させるための操業アクションを提示する操業アクション提示ステップを含む、操業ガイダンス方法。
  4. 請求項に記載の操業ガイダンス方法によって提示される前記操業アクションに従って溶銑を製造する、溶銑の製造方法。
  5. 高炉の炉内における反応及び伝熱現象を考慮した物理モデルを記憶する記憶部と、
    前記物理モデルを用いて、前記炉内のガス利用率、ソルーションロスカーボン量、還元材比及び造銑速度の少なくとも1つである反応量を算出する反応量算出部と、
    前記物理モデルを用いて算出された前記反応量と、実測された反応量との間の乖離度を算出する乖離度算出部と、
    算出される前記乖離度が現在の前記乖離度より将来的に小さくなるように、前記炉内のガスに偏り流れを生じさせる前記物理モデルのパラメータを調整するモデルパラメータ調整部と、
    前記パラメータが調整された前記物理モデルを用いて、将来の溶銑温度を予測する溶銑温度予測部と、を備え、
    前記パラメータは、前記炉内の充填層内の円周方向に区分した領域のうちの特定の領域における空隙率及び粒度の少なくとも1つである、溶銑温度の予測装置。
  6. 請求項に記載の溶銑温度の予測装置によって予測された前記溶銑温度に基づいて、前記溶銑温度を上昇させるための操業アクションを提示する操業アクション提示部を備える、操業ガイダンス装置。
  7. 前記操業アクション提示部は、予測された前記溶銑温度が閾値以下の場合に、前記操業アクションを提示する、請求項に記載の操業ガイダンス装置。
  8. 高炉操業ガイダンスサーバと、端末装置と、を備え、
    前記高炉操業ガイダンスサーバは、
    高炉の操業状態を示す実測値を取得する実測値取得部と、
    前記高炉の炉内における反応及び伝熱現象を考慮した物理モデルを記憶する記憶部と、
    前記物理モデルを用いて、前記炉内のガス利用率、ソルーションロスカーボン量、還元材比及び造銑速度の少なくとも1つである反応量を算出する反応量算出部と、
    前記物理モデルを用いて算出された前記反応量と、実測された反応量との間の乖離度を算出する乖離度算出部と、
    算出される前記乖離度が現在の前記乖離度より将来的に小さくなるように、前記炉内のガスに偏り流れを生じさせる前記物理モデルのパラメータを調整するモデルパラメータ調整部と、
    前記パラメータが調整された前記物理モデルを用いて、将来の溶銑温度を予測する溶銑温度予測部と、
    予測された前記溶銑温度に基づいて、前記溶銑温度を上昇させるための操業アクションを提示する操業アクション提示部と、を備え、
    前記端末装置は、
    前記高炉操業ガイダンスサーバによって提示された前記操業アクションを取得する操業アクション取得部と、
    取得した前記操業アクションを表示する表示部と、を備え、
    前記パラメータは、前記炉内の充填層内の円周方向に区分した領域のうちの特定の領域における空隙率及び粒度の少なくとも1つである、高炉操業ガイダンスシステム。
  9. 高炉の操業状態を示す実測値を取得する実測値取得部と、
    前記高炉の炉内における反応及び伝熱現象を考慮した物理モデルを記憶する記憶部と、
    前記物理モデルを用いて、前記炉内のガス利用率、ソルーションロスカーボン量、還元材比及び造銑速度の少なくとも1つである反応量を算出する反応量算出部と、
    前記物理モデルを用いて算出された前記反応量と、実測された反応量との間の乖離度を算出する乖離度算出部と、
    算出される前記乖離度が現在の前記乖離度より将来的に小さくなるように、前記炉内のガスに偏り流れを生じさせる前記物理モデルのパラメータを調整するモデルパラメータ調整部と、
    前記パラメータが調整された前記物理モデルを用いて、将来の溶銑温度を予測する溶銑温度予測部と、
    予測された前記溶銑温度に基づいて、前記溶銑温度を上昇させるための操業アクションを提示する操業アクション提示部と、を備え、
    前記パラメータは、前記炉内の充填層内の円周方向に区分した領域のうちの特定の領域における空隙率及び粒度の少なくとも1つである、高炉操業ガイダンスサーバ。
  10. 高炉操業ガイダンスサーバとともに高炉操業ガイダンスシステムを構成する端末装置であって、
    前記高炉操業ガイダンスサーバによって提示された操業アクションを取得する操業アクション取得部と、
    取得した前記操業アクションを表示する表示部と、を備え、
    前記高炉操業ガイダンスサーバは、高炉の炉内における反応及び伝熱現象を考慮した物理モデルを用いて算出した前記炉内のガス利用率、ソルーションロスカーボン量、還元材比及び造銑速度の少なくとも1つである反応量と、実測された反応量との間の乖離度が現在の前記乖離度より将来的に小さくなるように、前記炉内のガスに偏り流れを生じさせる前記物理モデルのパラメータを調整して、
    前記操業アクションは、前記パラメータが調整された前記物理モデルを用いて予測された将来の溶銑温度に基づく、溶銑温度を上昇させるための操業アクションであり、
    前記パラメータは、前記炉内の充填層内の円周方向に区分した領域のうちの特定の領域における空隙率及び粒度の少なくとも1つである、端末装置。
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西岡 浩樹 他,高炉数学モデルの開発,新日鉄住金技報,2018年,第410号,p.73-79,nipponsteel.com/tech/report/mssmc/pdf/410-10.pdf
西岡 浩樹 他: "高炉数学モデルの開発", 新日鉄住金技報, vol. 第410号, JPN7022004607, 2018, pages 73 - 79, ISSN: 0004961908 *

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