JP2020063878A - 焼結原料の装入装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ロッド支持部材に頼らずにスリットシュートのロッドの撓みを軽減し、さらに、分級性能も確保することができる焼結原料の装入装置を提供する。【解決手段】焼結原料の装入装置10は、フィーダ32と、パレット台車22との間に配置されるスリットシュート2を備える。スリットシュート2は、間隔をおいて平行に配置された複数のロッド2aによって形成されるスリットを含む。スリットは、フィーダから供給される焼結原料を、スリットを抜けてパレット台車22に落下する第1焼結原料と、スリットの上方を通って落下する第2焼結原料に分けてパレット台車22に装入するように配置される。ロッド2aの断面形状は、垂直方向の最大寸法Lが水平方向の最大寸法Wより長く、且つ、水平方向の寸法が最大となる部分の最も下の線WMLが、ロッド2aの断面の垂直方向の中央VCLより上に位置する形状である。【選択図】図6

Description

本発明は、焼結機における焼結原料の装入装置に関する。
焼結機は、無端軌道上に配置した複数のパレット台車を有する。複数のパレットは互いに隣接し、連続した搬送コンベヤーを形成する。連続する複数のパレットの上に焼結用の原料が積載され、搬送される。搬送中に、積載した原料中の粉コークス等の燃料に点火される。点火後、原料中の燃料が燃焼することで、鉄鉱石が加熱され、部分溶融して焼結鉱を形成する。原料が積載された複数のパレットの下には、負圧を生じさせる複数の連続した風箱群が配置される。パレット台車に積載された原料の燃焼排ガスは、風箱に吸引される。そのため、原料には、上部から空気が常に供給されることになる。
焼結機のパレット台車に装入される焼結原料は、約10mm以下の鉄鉱石粉に適当な粒度の粉コークス又は石炭と、必要に応じて石灰石粉とを混合・造粒したものである。パレット台車に装入され積層された焼結原料においては、コークス又は石炭(以下、単にコークスと称する。)の燃焼によって焼結反応が進行する。そのため、パレット台車に積層された焼結原料への空気供給、すなわち焼結層の通気性の良否は、生産性を左右する大きな要因となる。ここで、焼結層の高さ方向に均一な粒度で焼結原料を分布させると、焼結層内の熱移動の特徴から、下層部になるにしたがって高温となり通気抵抗が増大する。したがって、下方吸引式の焼結機においては、焼結パレット台車に積載される焼結原料の下層に粗粒、上層に細粒を配置するような原料の粒度偏析装入が行われる。又は、上層部にコークス分を多くするカーボン偏析装入が行われる。これにより、焼結層の通気性の改善が図られる。
特公平3−031769号公報(特許文献1)には、装入シュートを備える焼結原料の装入装置が開示されている。装入シュートには、上方より、助走シュート、スリットシュート、下部シュートが配置される。スリットシュートの落下部にはデフレクターシュートが配置される。また、助走シュート、デフレクターシュート及び下部シュートには、スクレーパーが設けられる。スリットシュートには、横方向に移動する櫛歯状の掻板が設けられる。この構成により、装入原料が分級され、下層に粗粒、上層に細粒となるような粒度偏析及びカーボン偏析がなされた焼結原料層が得られる。また、スクレーパー及び掻板が往復動することにより、各シュートに付着した原料が掻き落とされる。これにより、原料の付着や目詰まりに起因する原料の滑降の乱れや偏析のバラツキが防止される。
特開2005−291538号公報(特許文献2)には、スクリーン状シュートを有する装入装置が開示されている。スクリーン状シュートでは、幅方向と略平行な複数のロッドが間隔をおいて並列される。スクリーン構成部材間の間隔は、シュート上部側ほど狭くなっている。これにより、原料充填層の表層部における原料の圧密化の防止が図られる。また、スクリーン状シュートの複数のロッドは、ロッド保持部材により、シュート長手方向で一体に保持される。ロッド保持部材の幅方向での設置数は1又は2とされる。
特開2005−291567号公報(特許文献3)には、スクリーン状シュートを有する装入装置が開示されている。スクリーン状シュートは、ロッドの両端を保持した状態で幅方向での移動が可能な2組のロッド保持・横行手段を有する。シュート長手方向で並列したロッド群が、ロッド群毎に、2組のロッド保持・横行手段に交互に保持される。スクリーン状シュートの幅方向の少なくとも1箇所には、複数のロッドをシュート長手方向で一体に保持するロッドガイド部材が設けられる。
特公平3−031769号公報 特開2005−291538号公報 特開2005−291567号公報
スリットシュートのロッドは、幅方向の両端で支持される。ロッドの支持された両端の間の中央部は撓む。ロッドが撓むことにより、スリット間隔の均一性が低下する。また、また、ロッドが撓むと、スクレーパーによるロッドへの付着物の除去が十分でなくなる。ロッドが撓んで、スクレーパーから逃げるためである。結果として分級性能を低下させてしまう。
上記の特開2005−291538号公報及び特開2005−291567号公報では、スクリーンシュートに、ロッド保持部材又はロッドガイドが設けられる。これにより、ロッドの撓みが軽減される。しかし、これらのロッド保持部材又はロッドガイドのようなロッド支持部材は、スリットシュートにおける原料の流れを阻害する。ロッド支持部材は、スリット上を滑降している原料の流れを幅方向で左右に分けてしまう。また、ロッド支持部材によりスリットが幅方向に分断される。そのため、スリットから下に落ちていく原料の流れが、ロッド支持部材によって左右に分けられてしまう。そのため、ロッド支持部材の下の領域では、原料の堆積が少なくなるので、そこに谷が形成される。その谷へ粗粒が転がり込んでくる。これにより、スリットシュートを経て積層される原料の充填密度、原料粒度が、幅方向において均一でなくなる。
例えば、ロッド支持部材の真下においてパレット台車に堆積された原料は、幅方向の両側から粗粒が流れ込んだ状態の堆積状態を呈しており、通気抵抗が小さくなる。通気抵抗が小さい部分は、風が多く流れるため、焼結が早く完了する。一方、ロッド支持部材の無い部分の真下に堆積された原料は、密な充填状態となっており、通気性が悪い。通気性が悪い部分は、焼結完了が遅れる。その結果、焼結機の排鉱断面では、焼結完了部分と未完了の部分が存在することになる。これは、生産性の低下を招く。ロッド支持部材が複数ある場合は、疎な密度の原料の充填状態が複数存在する。この場合、焼結未完了部分もロッド支持部材の数だけ存在することになる。
発明者らは、ロッド支持部材に頼らずに、ロッドの撓みを減らすことを検討した。ロッド支持部材に頼らない場合、例えば、ロッドを太くすることが考えられる。しかし、ロッドを単純に太くすると、分級性能が大きく低下する。
本発明は、ロッド支持部材に頼らずにスリットシュートのロッドの撓みを軽減して分級性能を確保することができる焼結原料の装入装置を提供することを目的とする。
本発明の実施形態における焼結原料の装入装置は、前記焼結原料を供給するフィーダと、前記焼結原料を積載して無端軌道上を搬送されるパレット台車との間に配置されるスリットシュートを備える。前記スリットシュートは、間隔をおいて平行に配置された複数のロッドによって形成されるスリットを含む。前記ロッドの断面形状は、垂直方向の最大寸法が水平方向の最大寸法より長く、且つ、水平方向の寸法が最大となる部分が、前記ロッドの断面の垂直方向の中央より上に位置する形状である。
本願開示によれば、ロッド支持部材に頼らずにスリットシュートのロッドの撓みを軽減して分級性能を確保することができる焼結原料の装入装置を提供することができる。
図1は、焼結原料の装入装置を含む焼結システムの構成例を示す図である。 図2は、装入装置とその周辺の構成例を示す断面図である。 図3は、スリットシュートの構成例を示す図である。 図4は、図3に示すA−A線における断面図である。 図5は、ロッドの延在方向に垂直な面における断面図である。 図6は、ロッドの延在方向に垂直な面における断面図である。 図7は、ロッドの断面形状の変形例を示す図である。 図8は、ロッドの断面形状の変形例を示す図である。 図9は、ロッドの断面形状の変形例を示す図である。 図10は、ロッドの断面形状の変形例を示す図である。 図11は、スクレーパーの構成例を説明するための図である。 図12は、スクレーパーの変形例を説明するための図である。 図13は、スクレーパーの変形例を説明するための図である。
発明者らは、スリットシュートにおいて、ロッドの両端を支持し、両端の間にロッド支持部材を設けないで、ロッドの撓み量を所望の範囲内に抑えることを検討した。まず、ロッドの直径を大きくすることで、撓み量を減らすことを検討した。ロッドの直径を大きくすると、ロットが太くなる。ロッドが太くなると、分級性能が低下する。また、ロッドが太くなるとロッドは重くなる。ロッドが重くなると、かえって、自重による撓み量が増える。
また、ロッドの代わりにワイヤーロープを用いることで、付与できる緊張力を大きくすることができる。ロッドとワイヤーロープを同じ断面径で比較すると、ワイヤーロープの方が大きな張力がかけられるため撓みにくい。しかし、ワイヤーロープの場合、表面に撚りに沿う窪みがある。そのため、ワイヤーロープでは、付着物が成長しやすく、付着物の除去もしにくい。付着物が成長することで分級性能が低下する。そのため分級性能の観点からは、ワイヤーロープよりロッドが好ましい。
発明者らは、鋭意検討の結果、ロッドの断面形状を工夫することで、分級性能を確保しつつ、ロッドの撓みを減らすことに想到した。さらに、発明者らは、下記の実施形態に想到した。
(構成1)
本発明の実施形態の構成1における焼結原料の装入装置は、前記焼結原料を供給するフィーダと、前記焼結原料を積載して無端軌道上を搬送されるパレット台車との間に配置されるスリットシュートを備える。前記スリットシュートは、間隔をおいて平行に配置された複数のロッドによって形成されるスリットを含む。前記ロッドの断面形状は、垂直方向の最大寸法が水平方向の最大寸法より長く、且つ、水平方向の寸法が最大となる部分が、前記ロッドの断面の垂直方向の中央より上に位置する形状である。
上記構成1によれば、フィーダから供給された焼結原料が、スリットシュートの複数のロッドによって形成されるスリットによって分級され、パレット台車に装入される。ここで、ロッドの断面形状は、縦長で、且つ、上部が太く下部が細い。このようなロッドの断面形状によれば、ロッドの断面積の増加を抑えつつ、ロッドの剛性を高めることができる。そのため、分級性能を確保し、且つ、垂直方向の撓みに対するロッドの剛性を高めることができる。その結果、ロッド支持部材に頼らずにスリットシュートのロッドの撓みを軽減して、分級性能を確保することが可能になる。
例えば、スリットシュートの複数のロッドは、幅方向に離間する2つ支持部で支持される。複数のロッドの2つの支持部の間には、ロッド支持部材を設けない構成とすることが可能である。すなわち、複数のロッドの焼結原料が通る領域には、ロッド支持部材がない構成とすることができる。これにより、ロッド支持部材が、焼結原料の流れの障害となることが避けられる。その結果、ロッド支持部材によってパレット台車に堆積された焼結原料の充填密度、粒度が不均一になることを避けることができる。なお、本発明は、スリットシュートに、ロッド支持部材が設けられる形態を除外するものではない。スリットシュートに、ロッド支持部材が設けられてもよい。
一例として、前記ロッドの断面形状は、垂直方向の最大寸法が水平方向の最大寸法より長く、且つ、水平方向の寸法が最大となる部分が、前記ロッドの断面の垂直方向の中央より上に位置する形状としてもよい。これにより、ロッドの断面積の増加を抑えつつ、ロッドの剛性を高める効果がより得られやすくなる。
また、一例として、前記スリットシュートは、前記複数のロッドが、斜め下方向に向かって並ぶように配置されてもよい。すなわち、前記複数のロッドは、垂直方向に対して傾いた面上に並ぶよう配置されてもよい。これにより、垂直方向から見て複数のロッドの間に隙間ができる。これらの隙間がスリットとなる。前記フィーダから供給される焼結原料が前記複数のロッドの上に導かれるように、前記スリットシュートが配置される。前記フィーダから供給される焼結原料は、前記スリットを抜けて前記パレット台車に落下するものと、前記スリットの上方を通って前記パレット台車に落下するものに分けられる。
(構成2)
上記構成1において、前記ロッドの断面形状は、前記水平方向の寸法が最大となる部分より上の部分の外縁が円弧であってもよい。これにより、ロッドの上を原料が滑降しやすくなる。また、ロッドへの付着物が成長しにくくなる。さらに、ロッドへの付着物を除去しやすくなる。そのため、分級性能がより確保しやすくなる。
(構成3)
上記構成2において、前記ロッドの断面形状は、前記水平方向の寸法が最大となる部分より下の部分において、下方であるほど水平方向の寸法が小さくなる形状であってもよい。これにより、ロッドの垂直方向の寸法を長くしつつ、ロッドの重量の増加を抑えることができる。すなわち、ロッドの重量に対して、効率良く剛性の向上させることができる。
(構成4)
上記構成1〜3のいずれかにおいて、前記ロッドは、細長い板を、2つの長辺のうち一方を他方に近づけるように曲げた形状であってもよい。これにより、ロッドの重量の増加を抑えつつ、ロッドの垂直方向の寸法を長くすることができる。すなわち、ロッドの重量に対して、効率良く剛性の向上させることができる。このように、本発明におけるロッドは、中実の棒の他、板を曲げた形状のものも含まれる。
(構成5)
上記構成1〜3のいずれかにおいて、前記ロッドは、水平方向の寸法が最大となる部分を含む上部と、前記上部から下方に延びるリブとを有してもよい。リブによって、ロッドの撓みに対する剛性をより高めることができる。
(構成6)
上記構成1〜5のいずれかにおいて、上記焼結原料の装入装置は、前記複数のロッドの間にはめ込まれ、前記複数のロッドの延在方向に移動可能なスクレーパーをさらに備えてもよい。スクレーパーをロッドの延在方向に移動させることで、ロッドへの付着物を掻き落とすことができる。
(構成7)
上記構成6において、前記スクレーパーは、前記複数のロッドに対応する複数の切り欠きを有してもよい。この場合、前記切り欠きの水平方向の最小幅は、前記ロッドの断面の水平方向における最大寸法と同じか又はより大きくすることができる。これにより、スクレーパーを、垂直方向から取り付け、又は取り外しが可能になる。
本明細書において、垂直方向は、水平面に直交する方向であり、重力方向と一致する。搬送方向は、原料を積んだパレット台車が軌道上を搬送されるときのパレット台車の進行方向である。幅方向は、搬送方向及び垂直方向に直交する方向とする。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
(実施形態1)
<焼結システムの構成例>
図1は、本実施形態における焼結原料の装入装置を含む焼結システムの構成例を示す図である。図1に示す例では、焼結システムは、鉄鉱石貯留部41、コークス貯留部42、ミキサー43、及び焼結機100を含む。鉄鉱石貯留部41から鉄鉱石TSが、コークス貯留部42から粉コークス及び石炭CCが、ベルトコンベアで運ばれ、ミキサー43に投入される。ミキサー43には、必要に応じて、石灰石が投入されてもよい。ミキサー43は、鉄鉱石、及びコークスを配合して造粒する。ミキサー43で造粒された焼結原料は、ベルトコンベアで運ばれ、焼結機100のホッパ31に投入される。
焼結機100は、無端軌道に互いに隣接して配置される複数のパレット台車22を備える。無端軌道Kは、上段軌道Kuと下段軌道Kdを含む。無端軌道Kの上段軌道Kuでは、上流である給鉱側KSから下流である排鉱側HSに向かって、矢印Y1で示す方向に焼結用の原料を積載したパレット台車22が搬送される。この上段軌道Kuの搬送方向をy軸とし、幅方向をx軸、垂直方向をz軸とする直交座標系を定義する。
無端軌道Kの上段軌道Kuの上方には、ホッパ31、フィーダ32、装入装置10及び点火炉33が配置される。ホッパ31は、焼結原料を収容する。フィーダ32は、ホッパ31に収容された焼結原料を切り出し、落下させる。これにより、装入装置10に焼結原料が供給される。装入装置10は、フィーダ32から供給された焼結用原料を偏析して装入する。
点火炉33は、パレット台車22に収納された焼結原料の表面に点火する。点火により、パレット台車22の焼結原料の上層部から燃焼が開始する。無端軌道Kの上段軌道Kuのパレット台車22の下方には、複数の風箱23が配置される。複数の風箱23のガスは、主ダクト5を介して誘引排風機9によって吸引される。風箱23内のガスは負圧になる。パレット台車22の焼結原料の周りのガスは、風箱23に吸引される。パレット台車22の焼結原料には、大気から空気が吸い込まれる。パレット台車22が、上段軌道Kuの下流の端に達するまでに、燃焼は、パレット台車22の焼結原料の最下層まで達する。上段軌道Kuの下流の端において、パレット台車22は反転する。これにより、パレット台車22の焼結鉱が、排鉱される。
<装入装置の構成例>
図2は、装入装置10とその周辺の構成例を示す断面図である。図2は、パレット台車の幅方向(x方向)に垂直な面の断面を示す。図2に示す例では、フィーダ32は、ロールフィーダである。フィーダ32の外周面の一部は、ホッパ31の原料収納部の底面となっている。フィーダ32が回転することにより、ホッパ31に収納された焼結原料が装入装置10へ落下する。
装入装置10は、フィーダ32と、パレット台車22との間に配置される。装入装置10は、助走シュート1、スリットシュート2、下段シュート3及びカットプレート4を有する。助走シュート1は、フィーダ32から落下する焼結原料を受ける位置に配置される。助走シュート1は、板状である。助走シュート1の上面が、焼結原料が滑降する滑降面となる。助走シュート1の下端にスリットシュート2が取り付けられる。助走シュート1の滑降面とスリットシュート2の滑降面は連続している。助走シュート1の滑降面の水平面に対する角度と、スリットシュート2の滑降面の水平面に対する角度は同じ(θ1)である。滑降面は、上部が下部より搬送方向の下流になるように、水平面に対して傾いている。助走シュート1とスリットシュート2は一体的に傾動可能な構成とすることができる。この場合、角度θ1が可変となる。助走シュート1とスリットシュート2の回転軸の方向は、幅方向と同じである。
スリットシュート2は、間隔をおいて平行に配置された複数のロッド2aによって形成されるスリットを含む。図2に示す例では、ロッド2aの延在方向(x方向)が幅方向と同じになるようにスリットシュート2が配置される。なお、ロッドの延在方向は、ロッドの長手方向又はロッドの長軸方向でもある。複数のロッド2aは、助走シュート1の滑降面から延びる仮想の延長面上に並ぶよう配置される。なお、複数のロッド2aは、仮想の平面又は曲面上に並ぶように配置することができる。すなわち、スリットシュート2の滑降面は、平面であっても曲面であってもよい。
複数のロッド2aは、垂直方向の上方から下方に向かって斜めに並んで配置される。すなわち、最上段のロッドから下のロッドになるほど、最上段のロッドとの搬送方向の距離が大きくなっている。図2に示す例では、複数のロッド2aは、下部が上部より搬送方向の上流となるように傾いた仮想面上に並んで配置される。これにより、垂直方向から見て、焼結原料の滑降方向と、パレット台車の搬送方向が、互いに対向すなわち反対になる。言い換えれば、装入装置10の焼結原料は、搬送方向と反対の方向に向かって滑降する。
フィーダ32から供給され、助走シュート1を滑降した焼結原料は、スリットシュート2のスリットに流れ込む。焼結原料のうち、比較的細かいものは、スリットでふるい落とされる。比較的粗いものは、スリットを形成する複数のロッド2aの表面(スリットシュートの滑降面)を滑降する。
図3は、スリットシュート2を、複数のロッド2aの並ぶ方向と幅方向の双方に垂直な方向から見た図である。スリットシュート2は、複数のロッド2aと、複数のロッド2aの両端を支持する一対のフレーム2bと、一対のフレーム2bの間に、一対のフレームに対して固定された一対の突っ張り材2cを有する。複数のロッド2aは、フレーム2bを貫通する。複数のロッド2aには、両端を延在方向に引っ張る緊張力が付与される。
図4は、図3に示すA−A線における断面図である。図4では、ロッド2aに緊張力を付与する機構が示される。図4に示す例では、フレーム2bは、ロッド緊張支持フレーム2b1と、ロッド支持ブロック2b2と、ロッド緊張ボルト2b3を含む。ロッド支持ブロック2b2は、ロッド2aの先端に取り付けられ、ロッド2aに固定される。ロッド2aは、ロッド支持ブロック2b2を貫通した状態で抜けないように固定される。ロッド支持ブロック2b2には、複数のロッド2aが固定される。ロッド緊張支持フレーム2b1は、ロッド支持ブロック2b2と突っ張り材2cの間に配置される。ロッド緊張ボルト2b3は、ロッド支持ブロック2b2を貫通し、ロッド緊張支持フレーム2b1に到達する。
ロッド緊張ボルト2b3を締めると、ロッド緊張ボルト2b3がロッド支持ブロック2b2に深く入り、ロッド緊張支持フレーム2b1を押す。これにより、ロッド支持ブロック2b2には、ロッド緊張支持フレーム2b1から離れる方向に力が働く。これにより、ロッド2aに延在方向に延びる力が加わる。すなわち、ロッド2aに緊張力が付与される。ロッド緊張ボルト2b3の締め具合により、緊張力を調整できる。なお、ロッド2aに緊張力を付与する機構は、図4に示す例に限られない。
再び、図2を参照し、スリットシュート2の下方には、下段シュート3が配置される。下段シュート3は、板状である。下段シュート3の上面が、スリットシュート2のスリットから落下した焼結原料を受けるよう、下段シュート3が配置される。下段シュート3の上面が、焼結原料の滑降面となる。本例では、下段シュート3の滑降面の水平面に対する角度θ2は、スリットシュート2及び助走シュート1の滑降面の角度θ1より大きい(θ1<θ2)。
下段シュート3の下端には、カットプレート4が取り付けられる。カットプレート4は、下段シュート3の下端に、幅方向を回転軸として傾動可能に取り付けられる。カットプレート4の下段シュート3に取り付けられる端部とは反対側の端部には、ローラ4aが取り付けられる。ローラ4aは、パレット台車22に堆積した焼結原料の表面をならす。下段シュート3及びローラ4aは、昇降可能に設置されてもよい。例えば、下段シュート3は、滑降面に平行な方向すなわち図2の矢印Y2の方向に、昇降可能であってもよい。
上述したように、スリットシュート2において、焼結原料のうち細粒がスリットの下に、粗粒がスリットの上に分級される。スリットから落ちた細粒は、下段シュート3を滑降する。下段シュート3を滑降する細粒は、下段シュート3の滑降面との摩擦により速度が落ちる。スリットシュート2の上方を滑降する粗粒の速度は、下段シュート3の細粒の速度より速い。これにより、粗粒と細粒が分級される。そのため、パレット台車22の火格子面H1上の下層には粗粒が、上層には細粒が堆積して原料充填層が形成される。
<ロッドの断面形状>
図5は、ロッド2aの延在方向に垂直な面における断面図である。ロッド2aは、ロッド2aの断面形状が縦長となっている。また、ロッド2aの断面の上部が太く、下部が細くなっている。このようなロッド2aの形状及び配置により、分級性能を確保しつつ、ロッド2aの撓みを減らすことが可能になる。以下、詳細に説明する。
図6は、ロッド2aの延在方向に垂直な面における断面図である。ロッド2aの垂直方向の最大寸法Lは、ロッド2aの水平方向の最大寸法Wより長い。また、ロッド2aの断面において、水平方向の寸法が最大(W)となる部分の最も下の線WMLが、ロッド2aの断面の垂直方向の中央VCLより上に位置する。すなわち、ロッド2aの断面形状が縦長となっている。また、ロッド2aの断面の上部が太く、下部が細くなっている。この構成により、ロッド2aの水平方向の最大寸法Wが同じ場合、ロッドの断面を円形にする場合に比べて、撓みを小さくできる。言い換えると、ロッドの断面を円形にする場合に比べて、ロッド2aの水平方向の最大寸法Wを小さくしても撓みを同等に抑えることができる。すなわち、このようなロッド2aの断面形状にすることにより、ロッド2aの撓みが小さく、分級性能が良好な装入装置10を得ることができる。
ここで、ロッド2aの断面において、水平方向の寸法が最大(W)となる部分の水平方向の線を直径とする仮想円VCを定義する。この場合、ロッド2aの水平方向の寸法が最大(W)となる部分より上の部分2Uの外縁は、仮想円VCの上半分の中に位置し、且つ、ロッド2aの水平方向の寸法が最大(W)となる部分より下の部分2Dの外縁は、仮想円VCの下半分より下方に位置する。すなわち、ロッド2aの断面の上部が太く、下部が細くなっている。
また、図6に示すロッド2aの断面において、水平方向の寸法が最大(W)となる部分より上の部分2Uの外縁は円弧である。これにより、ロッドの上を原料が滑降しやすくなる。また、ロッドへの付着物が成長しにくくなる。さらに、ロッドへの付着物を除去しやすくなる。焼結原料の粒は、ロッド2aの上部の断面が円弧になった部分に衝突し、その後、飛び跳ねてスリットシュート2上を滑降していくか、ロッド2aの間のスリットに落ちるかが分かれる。そのため、ロッド2aの上部の表面形状が分級性能に影響する。図6に示すように、ロッド2aの断面の水平方向の幅が最大になる部分より上の部分2Uの外縁を半円とすることで、断面が同じ径の円である場合と同等の分級性能が得られる。
また、図6に示すロッド2aの断面は、水平方向の寸法が最大となる部分より下の部分2Dにおいて、下方であるほど水平方向の寸法が小さくなっている。ロッド2aの断面は、水滴の逆さまの形状となっている。このような形状のロッド2aは、例えば、線材の冷間引き抜き技術を用いて製造することができる。
図6に示すロッド2aの断面形状は、水平方向の寸法が最大となる部分が、ほぼ1つの線と見なせる形状である。これに対して、水平方向の寸法が最大となる部分が垂直方向に連続する場合もある。図7は、ロッド2aの変形例の断面形状を示す図である。図7に示すロッド2aの断面は、水平方向の寸法が最大となる部分が垂直方向に一定の距離だけ延びている。
図7に示す例では、ロッド2aの断面において、水平方向の寸法が最大(W)となる部分の最も下の線WMLが、ロッド2aの断面の垂直方向の中央VCLより上に位置する。また、水平方向の寸法が最大(W)となる部分の最も上の水平方向の線を直径とする仮想円VC1の上半分の中に、ロッド2aの水平方向の寸法が最大(W)となる部分より上の部分2Uの外縁が位置する。また、水平方向の寸法が最大(W)となる部分の最も下の水平方向の線を直径とする仮想円VC2の下半分且つ、ロッド2aの水平方向の寸法が最大(W)となる部分より下の部分2Dの外縁は、仮想円VCの下半分より下方に位置する。すなわち、ロッド2aの断面の上部が太く、下部が細くなっている。図7に示す断面形状のロッド2aにおいても、図6に示す断面形状のロッド2aと同様の効果が得られる。
図8は、ロッド2aの変形例の断面形状を示す図である。図8に示す例では、ロッド2aは、水平方向の寸法が最大となる部分を含む上部と、上部から下方に延びるリブ2Lとを有する。この変形例のロッド2aの断面形状は、水平方向の寸法が最大(W)となる部分が、ロッド2aの断面の垂直方向の中央VCLより上に位置する。このような断面形状のロッド2aも、図6に示す断面形状のロッド2aと同様の効果が得られる。
図9は、ロッド2aの変形例の断面形状を示す図である。図9に示す例では、ロッド2aは、細長い板を、2つの長辺のうち一方を他方に近づけるように曲げて得られる形状である。この変形例の断面形状は、水平方向の寸法が最大(W)となる部分の最も下の線WMLが、ロッド2aの断面の垂直方向の中央VCLより上に位置する。図9に示す断面形状のロッド2aは、たとえば、ロールフォーミングを用いて、細長い板を曲げ加工することで作ることができる。図9に示す例では、ロッド2aを形成する細長い板の長辺の延びる方向すなわち長手方向が、x方向となる。細長い板は、2つの長辺のうち一方に対応する端部2t1と、他方に対応する端部2t2とが向かい合うように、長手方向に沿って折り曲げられている。折り曲げられた細長い板の2つの長辺のうち一方に対応する端部2t1と、他方に対応する端部2t2がロッド2aの下端となるようロッド2aが配置される。
図10は、ロッド2a形状の変形例の断面形状を示す図である。図10に示す例でも、ロッド2aは、細長い板を、2つの長辺のうち一方を他方に近づけるように曲げて得られる形状である。この変形例の断面形状は、水平方向の寸法が最大(W)となる部分の最も下の線WMLが、ロッド2aの断面の垂直方向の中央VCLより上に位置する。図10に示す断面形状のロッド2aも、たとえば、ロールフォーミングを用いて、細長い板を、曲げ加工することで作ることができる、細長い板は、2つの長辺のうち一方に対応する端部2t1を内側に巻き込むように、折り曲げられている。折り曲げられた細長い板の2つの長辺のうち他方に対応する端部2t2がロッド2aの下端となるようロッド2aが配置される。図9及び図10に示すロッド2aは、軽量である。また、これらのロッド2aは、細長い板からロールフォーミングで容易に製造できる。
上記例のように、ロッド2aを形成することで、ロッド2aの撓みを減らせる。これにより、装入装置10のロッド2a両端の支持部における緊張力を小さくすることができる。そのため、ロッド2aを支持するフレーム構造に過度の剛性を持たせる必要が無くなる。また、ロッド2aの断面において、原料の衝突を受ける上端部が摩耗しても、ロッド2aの下端部は摩耗しない。そのため、長期使用後のロッド2aの剛性の低下が小さい。ロッド2aの摩耗による撓み量増加も小さくなる。スリットシュート2の長期使用が可能になる。結果として、長期にわたって安定した焼結鉱生産が可能となる。
また、本実施形態の装入装置10では、ロッド2aの撓みが少ないため、ロッド2aの両端支持部の間に中間支持材すなわちロッド支持部材を設ける必要はない。すなわち、スリットにおける焼結原料の流れを障害するロッド支持部材を省略できる。そのため、スリットにおける焼結原料の流れの障害物による、幅方向における堆積焼結原料の粒度分布の偏析が起きない。そのため、幅方向で焼結速度の差が発生しない。よって、排鉱部での排鉱する時、未焼成の部分が無くなり生産性が高くなる。
<スクレーパー>
装入装置10には、スクレーパーすなわち掻板が設けられてもよい。スクレーパーは、複数のロッド2aの間にはめ込まれる。スクレーパーは、複数のロッド2aの延在方向に移動可能に取り付けられる。図11は、スクレーパーの構成例を示す図である。図11は、スクレーパー6をロッド2aの延在方向から見た形状の例を示す図である。
スクレーパー6は、複数のロッド2aの延在方向に垂直な面を有する。スクレーパー6は、櫛歯型である。すなわち、スクレーパー6は、複数のロッド2aに対応する複数の切り欠きすなわち溝を有する。ロッド2aがスクレーパー6の切り欠き内に納まるように、スクレーパー6がロッド2aにはめられる。図11に示す切り欠きのパターンP1では、切り欠きの水平方向の最小幅は、ロッド2aの断面の水平方向における最大寸法と同じか又はより大きい。この場合、スクレーパー6を垂直方向の上方からロッド2aの間に差し入れることができる。
図12及び図13は、スクレーパー6の切り欠きのパターンの変形例を示す図である。図12に示す切り欠きのパターンP2では、切り欠きの水平方向の最小幅は、ロッド2aの断面の水平方向における最大寸法より小さい。図12に示す切り欠きのパターンP2では、切り欠きの間に、垂直方向に突出する突起6aが設けられる。図13に示す切り欠きのパターンP3では、切り欠きの水平方向の最小幅は、ロッド2aの断面の水平方向における最大寸法より小さい。パターンP3では、開口部の水平方向の幅が、ロッド2aの断面の水平方向の幅より狭くなっている。
なお、スクレーパー6の形状は、図11〜図13に示す例に限られない。例えば、スクレーパー6は、切り欠きの代わりに、ロッド2aが貫通する穴を有してもよい。
本実施形態では、ロッド支持部材に頼らずにロッド2aの撓みを減らすことができる。そのため、スクレーパー6でロッド2aを撓まないよう支持する必要がない。そのため、スクレーパー6を薄くすることができる。従来は、スクレーパーがロッド支持部材を兼ねていたため、スクレーパーの動作機構及び構造に剛性を持たせる必要があった。そのため、スクレーパーは、幅方向に撓みが無いよう動かさざるを得なかった。これに対して、本実施形態によれば、スクレーパー6は、ロッド2aに沿わせて幅方向に摺動させるだけでよい。例えば、固定されたロッド2aにスクレーパー6の溝を嵌めた状態で、スクレーパー6をロッド2aの延在方向に動かすことで、ロッド2aに対してスクレーパー6を摺動させる構成が可能になる。これにより、ロッドのわずかな撓みにもスクレーパーが容易に追従できるようワイヤーの緊張力を調整することができる。その結果、常に良好な付着物除去が可能となる。
本発明は、上記実施形態に限られない。例えば、装入装置10の構成は、図2に示す例に限られない。ロッドでスリットを形成するシュートを有するあらゆる形態の装入装置に、本発明を適用できる。例えば、装入装置10において、下段シュート3を省略してもよい。スリットシュート2における複数のロッド2aで形成される複数のスリットの間隔は、一定であってもよいし、異なっていてもよい。また、複数のロッド2aは、図2に示す例とは逆に、上部より下部の方が、搬送方向の下流になるよう配置されてもよい。
また、図1に示す例では、ホッパは1つだが、ホッパは複数設けられてもよい。例えば、比較的粗い鉄鉱石をパレット台車22に供給する第1ホッパと、比較的細かい粉鉱石をパレット台車22に供給する第2ホッパが設けられてもよい。例えば、第1ホッパで供給される鉄鉱石を、パレット台車22の原料収容部の底となる火格子を覆うように投入し、第2ホッパで供給される粉鉱石をその上に投入する構成としてもよい。ホッパが複数ある場合、スリットシュートは、複数のホッパのうち少なくとも1つに設けられてもよい。
さらに、装入装置10がスクレーパー6を備える場合、スクレーパー6をロッド2aに沿わせて幅方向に摺動させるためのスクレーパー移動機構が備えられていてもよい。
以上、本発明の一実施形態を説明したが、上述した実施形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施形態を適宜変形して実施することが可能である。
2:スリットシュート
2a:ロッド
6:スクレーパー
10:装入装置
22:パレット台車
31:ホッパ
32:フィーダ

Claims (7)

  1. 焼結原料の装入装置であって、
    前記焼結原料を供給するフィーダと、前記焼結原料を積載して無端軌道上を搬送されるパレット台車との間に配置されるスリットシュートを備え、
    前記スリットシュートは、間隔をおいて平行に配置された複数のロッドによって形成されるスリットを含み、
    前記ロッドの断面形状は、垂直方向の最大寸法が水平方向の最大寸法より長く、且つ、水平方向の寸法が最大となる部分が、前記ロッドの断面の垂直方向の中央より上に位置する形状である、焼結原料の装入装置。
  2. 前記ロッドの断面形状は、前記水平方向の寸法が最大となる部分より上の部分の外縁が円弧である、請求項1に記載の焼結原料の装入装置。
  3. 前記ロッドの断面形状は、前記水平方向の寸法が最大となる部分より下の部分において、下方であるほど水平方向の寸法が小さくなる形状である、請求項2に記載の焼結原料の装入装置。
  4. 前記ロッドは、細長い板を、2つの長辺のうち一方を他方に近づけるように曲げて得られる形状である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の焼結原料の装入装置。
  5. 前記ロッドは、水平方向の寸法が最大となる部分を含む上部と、前記上部から下方に延びるリブとを有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の焼結原料の装入装置。
  6. 前記複数のロッドの間にはめ込まれ、前記複数のロッドの延在方向に移動可能なスクレーパーをさらに備える、請求項1〜5のいずれか1項に記載の焼結原料の装入装置。
  7. 前記スクレーパーは、前記複数のロッドの延在方向に垂直な面を有し、前記複数のロッドに対応する複数の切り欠きを有し、前記切り欠きの水平方向の最小幅は、前記ロッドの断面の水平方向における最大寸法と同じか又はより大きい、請求項6に記載の焼結原料の装入装置。
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