JP4942799B2 - 除加湿装置及びそれを備えた空気調和機 - Google Patents

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Description

本発明は、水を微細粒化したミストを室内に放出し、室内のウィルス抑制や人体への保湿、加湿効果を得るための除加湿装置及びそれを備えた空気調和機に関するものである。
従来、除加湿装置に、水を微細粒化するための静電霧化装置を備えたものがある。ここで静電霧化装置とは、放電電極と、放電電極に対向して位置する対向電極と、放電電極に水を供給する供給手段とを備え、放電電極と対向電極との間に高電圧を印加することで放電電極に保持される水を霧化させ、ナノサイズで強い電荷を持つマイナスイオンミストを発生させるものである。該イオンミストの粒径は3〜数十nm程度であって、人体の角質細胞の大きさである70nmよりも小さな粒径であるため、このナノイオンミストの拡散により角質層表面の奥までも水分が十分に補給されて、高い保湿効果を得ることができる。
静電霧化装置に関し、第1の従来技術として例えば「液体溜め部6の液位を第1運転モードの設定時と第2運転モードの設定時とで変えるという簡単な構成で、単一の静電霧化装置1において、殺菌や脱臭や有害物質の分解を主な目的として活性種を含んだナノメータサイズの帯電微粒子ミストのみを発生させる運転と、殺菌や脱臭や有害物質の分解に加えて加湿を効果的に行うことを目的として活性種を含んだナノメータサイズの帯電微粒子ミストとミクロンサイズの帯電微粒子ミストとを発生させる運転とを使用目的に応じて選択することができる静電霧化装置」が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
第2の従来技術として、例えば「放電極と、放電極に水を供給する供給手段とを備え、放電極に高電圧を印加することで放電極に保持される水を霧化させる静電霧化装置において、上記供給手段として、空気中の水分を基に放電極部分に水が生成されるように、冷却部と放熱部とを有するぺルチェユニットを備えて該ぺルチェユニットの冷却部側に放電極を設けることを特徴とする静電霧化装置」が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
第3の従来技術として、例えば「放電電極と、放電電極と対向する対向電極と、放電電極に熱的に接続される冷却部と放熱部とを有し前記冷却部を介して放電電極を冷却することで空気中の水分を結露させて放電電極に水を供給する水供給手段と、放電電極と対向電極との間に高電圧を印加する高電圧印加部とで、放電電極に供給された水を静電霧化する静電霧化装置の主体が構成され、前記静電霧化装置の主体が配置される空間に隔壁を設けて該空間を湿気を含んだ空気の供給手段が配置される高湿度領域と低湿度領域とに仕切り、高湿度領域に放電電極と対向電極とを配置すると共に、低湿度領域に水供給手段の電気接続部と高電圧印加部の電気接続部を配置して成ることを特徴とする静電霧化装置」が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2007−260625号公報(請求項1及び2、図1) 特許第3952044号公報(請求項1、図1) 特開2008−018404号公報(請求項1、図1)
第1の従来技術では、液体補給部に別途水を供給する手段、あるいは使用者自身が水を補給する手間が必要であり、また供給する水が純水でない場合は、スケール等の発生や、放電電極に不純物が付着するなどの問題点があった。
第2の従来技術では、ペルチェユニットの冷却部を通過する空気と接触するのは放電極だけであり、伝熱面積が小さいために得られる結露水が少ないという問題点があった。また、空気の湿度が低い場合には結露水が得られないために、充分な量のミストを発生させることができないという問題点もあった。
第3の従来技術では、高湿度領域を生成するために、湿気を含んだ空気の供給手段に、第1の従来技術と同様に給水が必要であるという問題点があった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、水分吸着手段により生成された高湿空気を冷却して空気条件に依らず結露水を確保し、その結露水を霧化手段により充分な量のミストとし、得られたミストを含む加湿空気を室内に給気することができる除加湿装置及びそれを備えた空気調和機を提供することを目的とする。
本発明に係る除加湿装置は、水分を吸着する第1領域と水分が脱離される第2領域とを有する水分吸着手段と、室外の空気を前記第1領域に供給する第1送風手段と、空気を加熱する加熱手段と、前記加熱手段により加熱された空気を前記第2領域に供給する第2送風手段と、前記第2領域から脱離された水分を含む空気を冷却し、結露水を生成させるための冷却手段と、前記結露水を蓄えるための貯水手段と、前記貯水手段に蓄えられた結露水を霧化するための霧化手段と備え、前記第1送風手段により通風され、少なくとも前記第1領域を内部に備えた第1風路と、前記第2送風手段により通風され、前記加熱手段と、前記加熱手段の下流側に設けられた前記第2領域とを内部に備えた第2風路と、を有し、前記冷却手段は、前記第1風路に備えられた放熱側フィンと、前記第2風路に備えられ前記第2領域より下流側に設けられた吸熱側フィンとを有するものである。
本発明においては、空気条件に依らず充分な量のミストを発生させることができ、ミストによって人体の肌が親水化するので、肌が水分を取り込みにくい低湿度環境でも保湿効果が得られる。また、室内の湿度上昇によってウィルスの活動を抑制するとともに、ミストによる抗ウィルス作用も働き、ウィルスに対して相乗的な効果が得られる。
本発明の実施の形態1に係る除加湿装置の斜視図である。 本発明の実施の形態1に係る除加湿装置の概略構成図である。 本発明の実施の形態1に係る空気線図上における空気状態の変化図である。 本発明の実施の形態2に係る除加湿装置の斜視図である。 本発明の実施の形態2に係る除加湿装置の概略構成図である。 本発明の実施の形態2に係る空気線図上における空気状態の変化図である。 本発明の実施の形態3に係る除加湿装置の概略構成図である。 本発明の実施の形態3に係る空気線図上における空気状態の変化図である。 本発明の実施の形態4に係る除加湿装置の概略構成図である。 本発明の実施の形態4に係る空気線図上における空気状態の変化図である。 本発明の実施の形態5に係る空気調和機の概略構成図の一例である。 本発明の実施の形態5に係る空気調和機の概略構成図の一例である。 本発明の実施の形態5に係る空気調和機の概略構成図の一例である。 本発明の実施の形態6に係る空気調和機の概略構成図の一例である。 本発明の実施の形態6に係る空気調和機の概略構成図の一例である。 本発明の実施の形態7に係る空気調和機の概略構成図の一例である。 本発明の実施の形態7に係る空気調和機の概略構成図の一例である。 本発明の実施の形態8に係る人体検知手段の設置図の一例である。 本発明の実施の形態8に係る人体検知手段の詳細図の一例である。 本発明の実施の形態8に係る人体検知センサの検出データの概念図の一例である。 本発明の実施の形態8に係る人体検知センサの検出データの概念図の一例である。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る除加湿装置の斜視図であり、図2は、本発明の実施の形態1に係る除加湿装置の概略構成図である。
除加湿装置は、室外1000に設置される除加湿装置メインユニット100と、室内2000に設置される除加湿装置サブユニット150に分割され、除加湿装置メインユニット100の内部には、冷却部20、加湿部30が備えられ、除加湿装置サブユニット150の内部には、霧化部10が備えられている。
図2において霧化部10は、放電電極11、接地電極12、高圧電源13、貯水部14、加圧手段15により構成されている。冷却部20は、放熱側フィン21、吸熱側フィン22、水捕集部23、送水手段24、ペルチェ素子25により構成されている。加湿部30は、水分吸着手段31、駆動手段32、第1送風手段33、第2送風手段34、加熱手段35により構成されている。
本実施の形態1では、除加湿装置メインユニット100は室外1000に設置されている。
第1吸気口101及び第1排気口102によって、除加湿装置メインユニット100内部に形成される第1通風路Aには、室外空気が連通する。第2吸気口103及び第2排気口104によって、除加湿装置メインユニット100内部に形成される第2通風路Bにも、室外空気が通過する。
除加湿装置メインユニット100と除加湿装置サブユニット150は、送水配管105によって接続されている。
霧化部10における放電電極11は、例えば発泡金属やセラミックなどの導電性の高い材料を用いて、中空の円柱形状に成形されている。放電電極11の先端部は尖鋭形状を有しており、高圧電源13を介して、室内2000の空間に面した霧化水噴出口12aを有する接地電極12と接続されている。
貯水部14の内部あるいは近傍には、例えばポンプや機械的に液体を押し込むことが可能な機構を有する加圧手段15が、放電電極11の底部に接続されるように設置される。放電電極11は、貯水部14の内部から外部へ突出する形で設置される。
冷却部20におけるペルチェ素子25の放熱面は、第1通風路Aに面しており、ペルチェ素子25の冷却面は、第2通風路Bに面している。放熱面には放熱側フィン21が、冷却面には吸熱側フィン22がそれぞれ接触して設置される。また、吸熱側フィン22は水捕集部23の真上に位置するように配置される。
水捕集部23の内部あるいは近傍には、例えば楊程の大きいポンプなどの送水手段24が設置され、送水配管105の室外1000側の端部と接続されている。送水配管105の室内2000側の端部は、霧化部10内部の貯水部14と接続されている。水捕集部23に滞留した凝縮水W1は、送水手段24によって送水配管105を介して貯水部14に送られる。
加湿部30における水分吸着手段31は、円柱形状で駆動手段32により回転自在である。水分吸着手段31に備えられる多孔質基材として、例えばゼオライト、シリカゲル、活性炭等の吸着剤を塗布あるいは表面処理あるいは含浸されたものが使用される。
水分吸着手段31は、第1通風路Aと連通する吸着領域31aと、第2通風路Bと連通する再生領域31bに2分割されている。第1通風路Aには第1送風手段33が備えられ、第2通風路Bには第2送風手段34及び加熱手段35が備えられる。
次に、図1〜図3を用いて、本実施の形態1に係る除加湿装置の動作の一例について説明する。
図3は、除加湿装置の動作を分かりやすくするために、空気線図上における空気状態の変化を示したものである。
第1通風路Aにおいて、第1送風手段33により第1吸気口101から吸い込まれた第1室外空気A1は、冷却部20の放熱側フィン21を通過する際に若干昇温され、放熱後空気A2となる。放熱後空気A2は加湿部30において、水分吸着手段31の吸着領域31aを通過する際に水分を吸着され、乾燥した吸着後空気A3となる。吸着後空気A3は、第1排気口102より室外1000へ排気される。
第2通風路Bにおいて、第2送風手段34により第2吸気口103から吸い込まれた第2室外空気B1は、加湿部30の加熱手段35により昇温されて、高温低湿の加熱後空気B2となる。加熱後空気B2は、水分吸着手段31の再生領域31bを通過する。
水分吸着手段31は、駆動手段32によって回転している。そのため、吸着領域31aにて吸着された水分が再生領域31bに回転移動してきている。加熱後空気B2は、再生領域31bにおける水分を再生し、結果として高湿な再生後空気B3が得られる。
再生後空気B3は、冷却部20の吸熱側フィン22を通過する際に冷却される。すなわち図3に示すように、絶対湿度一定のまま徐々に相対湿度が増加する。再生後空気B3は、飽和線に到達した後結露するため飽和線に沿って絶対湿度が低下する。そして、飽和空気である吸熱後空気B4となって第2排気口104より室外1000へ排気され、同時に凝縮水W1を生成する。
吸熱後空気B4により生成された凝縮水W1は、水捕集部23に一旦集められる。そして凝縮水W1は、送水手段24によって送水配管105を介して霧化部10の貯水部14に送られる。
貯水部14に蓄えられた凝縮水W1は、加圧手段15によって中空の放電電極11に供給される。このとき、放電電極11と接地電極12に対し高圧電源13で高電圧を印加する。すると、接地電極12に設けられた霧化水噴出口12aから霧化水W2が発生し、霧化水W2は室内2000に供給される。
このように、ペルチェ素子25の冷却面に設置された吸熱側フィン22に、水分吸着手段31によって生成された再生後空気B3を供給する。吸熱側フィン22により再生後空気B3を冷却することにより、空気条件に依らず凝縮水W1を確保できるため、充分な量の霧化水W2を発生させることができる。
したがって、本実施の形態1では以下に示す効果が得られる。
(1)室内2000への霧化水W2の連続的供給により、人体の肌が親水化し、肌が水分を取り込みにくい低湿度環境でも保湿効果が得られる。また、霧化水W2による抗ウィルス作用も得られる。
(2)加圧手段15により凝縮水W1を放電電極11に強制的に供給しているため、放電電極11の保持水分量が増加し、より効果的に霧化水W2を発生させることができる。
(3)送水手段24を設け、凝縮水W1を除加湿装置サブユニット150に液体の状態で搬送してから霧化するため、霧化水W2が結合することなく、微細粒子状態で確実に室内2000に供給できる。空気搬送の場合と比較して搬送圧損が小さく、室内への騒音伝播の問題も低減できる。
以下では、本実施の形態1に関する除加湿装置の補足説明を追記する。
[ペルチェ素子25の省略について]
図1及び図2では、ペルチェ素子25の放熱面に放熱側フィン21を、冷却面に吸熱側フィン22をそれぞれ接触して設置し、2つのフィンがペルチェ素子25を挟み込む構成としている。
しかし、ペルチェ素子25は設置せず、放熱側フィン21のフィン部分を第1通風路Aの内部に、吸熱側フィン22のフィン部分を第2通風路Bの内部にそれぞれ配置し、2つのフィンの土台部分を貼り合わせた形状で一体に成形してもよい。
上記の構成とすることで、放熱側フィン21には比較的低温の第1室外空気A1が、吸熱側フィン22には高温の再生後空気B3が供給される。そのため、放熱側と吸熱側との間で温度差を確保でき、高価なペルチェ素子25を使用することなく、再生後空気B3を冷却し凝縮水W1を得ることが可能となる。
[第1通風路A及び第2通風路Bを通過させる空気風量について]
第1送風手段33によって、第1通風路Aを通過させる空気風量は、なるべく多いほうが望ましい。
その理由は、放熱側フィン21に供給される室外空気A1の風量が多いほど、放熱側フィン21における放熱量が増加するとともに、放熱後空気A2の温度上昇を抑え、吸着領域31aにおける吸着量低下の原因となる相対湿度の低下を抑制できるからである。
通過風量と絶対湿度差ΔXA(図3参照)の積に比例する吸着量は、吸着領域31aに供給される放熱後空気A2の風量が多いほど増加するが、吸着後空気A3は室外1000に排気されるので、風量が多くなっても室内2000への騒音の影響は少ない。
第2送風手段34によって、第2通風路Bを通過させる空気風量は、なるべく少ないほうが望ましい。
再生領域31bにおける加湿量は、吸着量と同様に、通過風量と絶対湿度差ΔXB(図3参照)の積に比例するが、それ以上に加熱後空気B2の温度TB2に大きく依存する。そのため、加熱手段35に供給される第2室外空気B1及び加熱後空気B2の風量が多くなってTB2が低下すると、絶対湿度差ΔXBが小さくなって加湿量は低下してしまう。
そこで、加湿量が著しく低下しない程度に、再生領域31bに供給される加熱後空気B2の風量をなるべく少なくすることにより、再生後空気B3の相対湿度φB3を飽和線に近づけることが可能となる。また、吸熱側フィン22における顕熱処理量を減少させ、凝縮効率も向上するため、凝縮水W1を効果的に得ることができる。
[除加湿装置メインユニット100の設置箇所について]
図1及び図2では、除加湿装置メインユニット100を室外1000に設置しているが、室内2000に設置し、第1室外空気A1及び第2室外空気B1の吸込、並びに吸着後空気A3及び吸熱後空気B4の排気を、壁(室内外境界)3000を貫通させて行ってもよい。
また、除加湿装置メインユニット100自体を壁3000に跨って設置し、第1吸気口101、第1排気口102、第2吸気口103及び第2排気口104は、全て室外1000に面するように配置し、空気の搬送は壁3000を貫通させずに行ってもよい。
上記の場合も、除加湿装置メインユニット100及び除加湿装置サブユニット150の内部の構成、動作は全く同じであり、同様の効果が得られる。さらに、加湿空気である吸熱後空気B4を室内2000に供給すれば、室内2000の湿度が上昇してウィルスの活動を抑制するとともに、霧化水W2による抗ウィルス作用も働き、ウィルスに対して相乗的な効果が得られる。
[水分吸着手段31の再生に用いる空気について]
図1及び図2では、第2吸気口103から第2室外空気B1を吸入し、水分吸着手段31の再生に用いているが、室外空気B1の代わりに室内2000の空気を加熱手段35によって加熱し、加熱後空気B2を生成して水分吸着手段31の再生に用いてもよい。
この場合、特に霧化水W2が必要とされる冬場であれば、室内2000の空気は暖房されて第2室外空気B1より温度が高い。そのため、加熱後空気B2として必要な温度を得るための、加熱手段35における加熱量を削減する効果が期待できる。
[第1送風手段33及び第2送風手段34の設置箇所について]
図1及び図2では、第1送風手段33を、水分吸着手段31の吸着領域31a及び放熱側フィン21の風下側に設置し、第2送風手段34を、加熱手段35、水分吸着手段31の再生領域31b及び吸熱側フィン22の風下側に設置し、どちらも空気を吸い出す構成としている。
しかし、第1送風手段33及び第2送風手段34を、それぞれ第1通風路A及び第2通風路Bの風上側に設置し、第1室外空気A1及び第2室外空気B1を押し込む構成としてもよい。
風下側から空気を吸い出す場合には、風路圧損が小さくなるため送風手段を小型化できる。風上側から空気を押し込む場合には、水分吸着手段31における風速分布が均一化され、水分吸着手段31の全体に担持された吸着剤を有効に使用できる。さらに加熱手段35においても、加熱部分全体を有効に使用できる。
[加圧手段15の省略について]
図1及び図2では、貯水部14の内部あるいは近傍にポンプなどの加圧手段15を設け、放電電極11に凝縮水W1を強制的に供給する構成となっている。しかし、放電電極11の中空部分を極細にして毛細管現象により吸水するなどの方法により、放電電極11に凝縮水W1を供給してもよい。
あるいは、送水配管105の室内2000側の端部に放電電極11の底部を直接接続し、送水手段24の押圧によって放電電極11に凝縮水W1を供給してもよい。いずれの場合も、加圧手段15を省略することができ、低コストとなる。
本実施の形態1に関する、除加湿装置の補足説明は以上である。
[実施の形態1の総括]
以上のように、吸熱側フィン22に水分吸着手段31によって生成された高湿空気を供給し、空気条件に依らず結露水を確保し、さらに結露水を加圧手段15によって放電電極11に供給して霧化を促進させることによって充分な量の霧化水を発生させ、得られた霧化水を室内に供給することができる。これにより、人体への保湿、加湿効果や室内のウィルス抑制効果のある除加湿装置を得ることができる。
このとき、放熱側フィン21に比較的低温の室外空気を大風量で供給することにより放熱効率が向上し、一方の吸熱側フィン22に供給する高湿空気の風量をなるべく少なくすることにより、吸熱側フィン22における顕熱処理量を低減させ、より効率的に凝縮水W1及び霧化水W2を得ることのできる除加湿装置となる。
実施の形態2.
図4は、本発明の実施の形態2に係る除加湿装置の斜視図であり、図5は、本発明の実施の形態2に係る除加湿装置の概略構成図である。なお、実施の形態1と同一の箇所については説明を割愛する。
室外1000に設置される除加湿装置メインユニット200の内部には、霧化部10、冷却部20及び加湿部30が備えられている。霧化部10及び加湿部30の構成は、実施の形態1と同一である。冷却部20は、放熱側フィン21、吸熱側フィン22及びペルチェ素子25により構成されている。
本実施の形態2では、除加湿装置メインユニット200が室外1000に設置される。そして、第1吸気口201及び排気口202によって、第1通風路Aが除加湿装置メインユニット100の内部に形成されている。また、第2吸気口203及び給気口204によって、空気ダクト205を介して室内2000と連通する第2通風路Bが、除加湿装置メインユニット100の内部に形成されている。
冷却部20において、ペルチェ素子25の放熱面は第1通風路Aに面し、ペルチェ素子25の冷却面は第2通風路Bに面している。放熱面には放熱側フィン21が、冷却面には吸熱側フィン22がそれぞれ接触して設置され、吸熱側フィン22は霧化部10の貯水部14の真上に位置するように配置される。
貯水部14の内部あるいは近傍には、実施の形態1と同様に、加圧手段15が放電電極11の底部に接続されるように設置される。加圧手段15は、例えばポンプや機械的に液体を押し込むことが可能な機構を有するものである。放電電極11は、貯水部14の内部から外部へ突出する形で設置される。
次に、図4〜図6を用いて、本実施の形態2に係る除加湿装置の動作の一例について説明する。
図6は、除加湿装置の動作を分かりやすくするために、空気線図上における空気状態の変化を示したものである。
第1通風路Aにおいて、第1送風手段33により第1吸気口201から吸い込まれた第1室外空気A1は、冷却部20の放熱側フィン21を通過する際に若干昇温され、放熱後空気A2となる。その後、放熱後空気A2は加湿部30において、水分吸着手段31の吸着領域31aを通過する際に水分を吸着され、乾燥した吸着後空気A3となる。吸着後空気A3は、排気口202より室外1000へ排気される。
第2通風路Bにおいて、第2送風手段34により第2吸気口203から吸い込まれた第2室外空気B1は、加湿部30の加熱手段35により昇温されて、高温低湿の加熱後空気B2となる。加熱後空気B2は、水分吸着手段31の再生領域31bを通過する。
水分吸着手段31は、駆動手段32によって回転している。そのため、吸着領域31aにて吸着された水分が再生領域31bに回転移動してきている。加熱後空気B2は、再生領域31bにおける水分を再生し、結果として高湿な再生後空気B3が得られる。
再生後空気B3は、冷却部20の吸熱側フィン22を通過する際に冷却される。すなわち図6に示すように、絶対湿度一定のまま徐々に相対湿度が増加する。再生後空気B3は、飽和線に到達した後結露するため飽和線に沿って絶対湿度が低下する。そして、飽和空気である吸熱後空気B4となって給気口204に到達し、同時に凝縮水W1を生成する。
吸熱後空気B4により生成された凝縮水W1は、霧化部10の貯水部14に蓄えられ、加圧手段15によって中空の放電電極11に供給される。このとき、放電電極11と接地電極12に対し高圧電源13で高電圧を印加する。すると、接地電極12に設けられた霧化水噴出口12aから霧化水W2が発生する。霧化水W2を吸熱後空気B4に供給することによって、霧化水を含む加湿空気である霧化後空気B5が、給気口204から空気ダクト205を介して室内2000に供給される。
このように、霧化部10において生成した霧化水W2を、吸熱側フィン22にて冷却され飽和状態となった吸熱後空気B4に供給することにより、霧化水W2を含む加湿空気である霧化後空気B5を連続的に室内2000に供給できる。これにより、実施の形態1で示した効果に加え、霧化後空気B5により室内2000の湿度が上昇することによってウィルスの活動を抑制するとともに、霧化水W2による抗ウィルス作用も働き、ウィルスに対して相乗的な効果が得られる。
以下では、本実施の形態2に関する除加湿装置の補足説明を追記する。
[ペルチェ素子25の省略について]
図4及び図5では、ペルチェ素子25の放熱面に放熱側フィン21を、冷却面に吸熱側フィン22をそれぞれ接触して設置し、2つのフィンがペルチェ素子25を挟み込む構成としている。
しかし、ペルチェ素子25は設置せず、放熱側フィン21のフィン部分を第1通風路Aの内部に、吸熱側フィン22のフィン部分を第2通風路Bの内部にそれぞれ配置し、2つのフィンの土台部分を貼り合わせた形状で一体に成形してもよい。
上記の構成とすることで、放熱側フィン21には比較的低温の第1室外空気A1が、吸熱側フィン22には高温の再生後空気B3が供給される。そのため、放熱側と吸熱側との間で温度差を確保でき、高価なペルチェ素子25を使用することなく、再生後空気B3を冷却し凝縮水W1を得ることが可能となる。
[第1通風路A及び第2通風路Bを通過させる空気風量について]
第1送風手段33によって、第1通風路Aを通過させる空気風量は、なるべく多いほうが望ましい。
その理由は、放熱側フィン21に供給される室外空気A1の風量が多いほど、放熱側フィン21における放熱量が増加するとともに、放熱後空気A2の温度上昇を抑え、吸着領域31aにおける吸着量低下の原因となる相対湿度の低下を抑制できるからである。
通過風量と絶対湿度差ΔXA(図6参照)の積に比例する吸着量は、吸着領域31aに供給される放熱後空気A2の風量が多いほど増加するが、吸着後空気A3は室外1000に排気されるので、風量が多くなっても室内2000への騒音の影響は少ない。
第2送風手段34によって、第2通風路Bを通過させる空気風量は、なるべく少ないほうが望ましい。
再生領域31bにおける加湿量は、吸着量と同様に、通過風量と絶対湿度差ΔXB(図6参照)の積に比例するが、それ以上に加熱後空気B2の温度TB2に大きく依存する。そのため、加熱手段35に供給される第2室外空気B1及び加熱後空気B2の風量が多くなってTB2が低下すると、絶対湿度差ΔXBが小さくなって加湿量は低下してしまう。
そこで、加湿量が著しく低下しない程度に、再生領域31bに供給される加熱後空気B2の風量をなるべく少なくすることにより、再生後空気B3の相対湿度φB3を飽和線に近づけることが可能となる。また、吸熱側フィン22における顕熱処理量を減少させ、凝縮効率も向上するため、凝縮水W1を効果的に得ることができる。さらに、室内2000へ給気される霧化後空気B5の風量も少なくなるので、室内への騒音伝播の問題も低減できる。
[除加湿装置メインユニット200の設置箇所について]
図4及び図5では、除加湿装置メインユニット200を室外1000に設置し、室内2000への霧化後空気B5の給気を、壁(室内外境界)3000を貫通させて行っている。しかし、除加湿装置メインユニット200を室内2000に設置し、第1室外空気A1及び第2室外空気B1の吸込、並びに吸着後空気A3の排気を、壁3000を貫通させて行ってもよい。
また、除加湿装置メインユニット200自体を壁3000に跨って設置し、空気の搬送は壁3000を貫通させずに行ってもよい。上記の場合も、除加湿装置メインユニット200の内部の構成、動作は全く同じであり、同様の効果が得られる。
[水分吸着手段31の再生に用いる空気について]
図4及び図5では、第2吸気口203から第2室外空気B1を吸入し再生に用いているが、室外空気B1の代わりに室内2000の空気を加熱手段35によって加熱し、加熱後空気B2を生成してもよい。
この場合、特に霧化水W2が必要とされる冬場であれば、室内2000の空気は暖房されて第2室外空気B1より温度が高いため、加熱後空気B2として必要な温度を得るための、加熱手段35における加熱量を削減することが可能となるという効果が期待できる。
[第1送風手段33及び第2送風手段34の設置箇所について]
図4及び図5では、第1送風手段33を、水分吸着手段31の吸着領域31a及び放熱側フィン21の風下側に設置し、第2送風手段34を、加熱手段35、水分吸着手段31の再生領域31b及び吸熱側フィン22の風下側に設置し、どちらも吸い出す構成としている。
しかし、第1送風手段33及び第2送風手段34を、それぞれ第1通風路A及び第2通風路Bの風上側に設置し、第1室外空気A1及び第2室外空気B1を押し込む構成としてもよい。
風下側から空気を吸い出す場合には、風路圧損が小さくなるため送風手段を小型化できる。風上側から空気を押し込む場合には、水分吸着手段31における風速分布が均一化され、水分吸着手段31の全体に担持された吸着剤を有効に使用できる。さらに加熱手段35においても、加熱部分全体を有効に使用できる。
[加圧手段15の省略について]
図4及び図5では、貯水部14の内部あるいは近傍にポンプなどの加圧手段15を設け、放電電極11に凝縮水W1を強制的に供給する構成となっている。しかし、放電電極11の中空部分を極細にして毛細管現象により吸水するなどの方法により、放電電極11に凝縮水W1を供給してもよい。この場合も、加圧手段15を省略することができ、低コストとなる。
本実施の形態2に関する、除加湿装置の補足説明は以上である。
[実施の形態2の総括]
以上のように、生成した霧化水W2を、吸熱側フィン22にて冷却された飽和状態となった加湿空気に混ぜて室内へ連続的に供給することにより、加湿空気により室内の湿度が上昇する。室内温度の上昇によって、ウィルスの活動を抑制するとともに、霧化水W2による抗ウィルス作用も働き、ウィルスに対して相乗的な効果のある除加湿装置を得ることができる。
このとき、放熱側フィン21に比較的低温の室外空気を大風量で供給することにより放熱効率が向上し、一方の吸熱側フィン22に供給する高湿空気の風量をなるべく少なくすることにより、吸熱側フィン22における顕熱処理量を低減させ、より効率的に凝縮水W1及び霧化水W2を得ることのできる除加湿装置となる。
実施の形態3.
図7は、本発明の実施の形態3に係る除加湿装置の概略構成図である。なお、実施の形態1と同一の箇所については説明を割愛する。
除加湿装置は、室外1000に設置される除加湿装置メインユニット300と、室内2000に設置される除加湿装置サブユニット350に分割され、除加湿装置メインユニット300の内部には、冷却部20、加湿部30が備えられ、除加湿装置サブユニット350の内部には、霧化部10が備えられている。
霧化部10及び冷却部20の構成は実施の形態1と同一であるが、加湿部30は、水分吸着手段31、駆動手段32、加熱手段35及び第3送風手段36により構成されている。
本実施の形態3では、除加湿装置メインユニット300は室外1000に設置されている。
吸気口301、第1排気口302及び第2排気口303によって、第3通風路Cが除加湿装置メインユニット300の内部に形成されている。また、除加湿装置メインユニット300と除加湿装置サブユニット350は、送水配管304によって接続されている。
加湿部30の水分吸着手段31は、実施の形態1と同様に、吸着領域31aと再生領域31bに2分割されているが、どちらも第3通風路Cに連通している。第3通風路Cには、第3送風手段36及び加熱手段35が配置されており、吸着領域31a、第3送風手段36、加熱手段35、再生領域31bの順に空気が流れる構成となっている。
次に、図7及び図8を用いて、本実施の形態3に係る除加湿装置の動作の一例について説明する。
図8は、除加湿装置の動作を分かりやすくするために、空気線図上における空気状態の変化を示したものである。
第3通風路Cにおいて、第3送風手段36により吸気口301から吸い込まれた室外空気C1は、冷却部20の放熱側フィン21を通過する際に若干昇温され、放熱後空気C2となる。放熱後空気C2は加湿部30において、水分吸着手段31の吸着領域31aを通過する際に水分を吸着され、乾燥した吸着後空気C3となる。吸着後空気C3は、吸着後循環空気C3aと吸着後排気空気C3bとに分割され、吸着後排気空気C3bは第1排気口302より室外1000へ排気される。
吸着後循環空気C3aは、加湿部30の加熱手段35により昇温されて、高温低湿の加熱後空気C4となる。加熱後空気C4は、水分吸着手段31の再生領域31bを通過する。
水分吸着手段31は、駆動手段32によって回転している。そのため、吸着領域31aにて吸着された水分が再生領域31bに回転移動してきている。加熱後空気C4は、再生領域31bにおける水分を再生し、結果として高湿な再生後空気C5が得られる。
再生後空気C5は、冷却部20の吸熱側フィン22を通過する際に冷却される。すなわち図8に示すように、絶対湿度一定のまま徐々に相対湿度が増加する。再生後空気C5は、飽和線に到達した後結露するため飽和線に沿って絶対湿度が低下する。そして、飽和空気である吸熱後空気C6となって第2排気口303より室外1000へ排気され、同時に凝縮水W1を生成する。
吸熱後空気C6により生成された凝縮水W1は、水捕集部23に一旦集められる。そして凝縮水W1は、送水手段24によって送水配管304を介して霧化部10の貯水部14に送られる。
貯水部14に蓄えられた凝縮水W1は、加圧手段15によって中空の放電電極11に供給される。このとき、放電電極11と接地電極12に対し高圧電源13で高電圧を印加する。すると、接地電極12に設けられた霧化水噴出口12aから霧化水W2が発生し、霧化水W2は室内2000に供給される。
このように、水分吸着手段31の吸着領域31aを通過した、低湿の吸着後空気C3の一部を循環させた吸着後循環空気C3aを、加熱手段35によって加熱し水分吸着手段31の再生に用いている。これにより、実施の形態1で示した効果に加え、室外空気を直接加熱して再生に用いるよりも湿度が低下する(図8におけるΔXC2-C3)。そのため、吸着入口空気(C2)と再生入口空気(C4)との相対湿度差が大きくなり、水分吸着手段31の再生領域31bにおける加湿量が増加するという効果がある。
また、吸着後空気C3は吸着熱により若干温度も上昇しているため、加熱後空気C4として必要な温度を得るための、加熱手段35における加熱量を削減することができる。
以下では、本実施の形態3に係る除加湿装置の補足説明を追記する。
[ペルチェ素子25の省略について]
図7では、ペルチェ素子25の放熱面に放熱側フィン21を、冷却面に吸熱側フィン22をそれぞれ接触して設置し、2つのフィンがペルチェ素子25を挟み込む構成としている。
しかし、ペルチェ素子25は設置せず、放熱側フィン21のフィン部分及び吸熱側フィン22のフィン部分を第3通風路Cの内部に配置し、2つのフィンの土台部分を貼り合わせた形状で一体に成形してもよい。
上記の構成とすることで、放熱側フィン21には比較的低温の室外空気C1が、吸熱側フィン22には高温の再生後空気C5が供給される。そのため、放熱側と吸熱側との間で温度差を確保でき、高価なペルチェ素子25を使用することなく、再生後空気C5を冷却し凝縮水W1を得ることが可能となる。
[第3通風路Cを通過させる空気風量について]
第3通風路Cにおいて、第1排気口302より上流側に配置された、放熱側フィン21及び水分吸着手段31の吸着領域31aを通過する空気風量は、なるべく多いほうが望ましい。また、第1排気口302より下流側に配置された、加熱手段35、水分吸着手段31の再生領域31b及び吸熱側フィン22を通過する空気風量は、なるべく少ないほうが望ましい。
すなわち、吸着後空気C3を吸着後循環空気C3aと吸着後排気空気C3bとに分割する際、ダンパやシャッターなどを用いるか、第1排気口302の大きさを調節するなどして、吸着後循環空気C3aより吸着後排気空気C3bを多くするのが望ましい。
その理由は、放熱側フィン21に供給される室外空気C1の風量が多いほど、放熱側フィン21における放熱量が増加するとともに、放熱後空気C2の温度上昇を抑え、吸着領域31aにおける吸着量低下の原因となる相対湿度の低下を抑制できるからである。
通過風量と絶対湿度差ΔXC2-C3(図8参照)の積に比例する吸着量は、吸着領域31aに供給される放熱後空気C2の風量が多いほど増加するが、吸着後空気C3の大部分は吸着後排気空気C3bとして室外1000に排気されるので、風量が多くなっても室内2000への騒音の影響は少ない。
再生領域31bにおける加湿量は、吸着量と同様に、通過風量と絶対湿度差ΔXC4-C5(図8参照)の積に比例するが、それ以上に加熱後空気C4の温度TC4に大きく依存する。そのため、加熱手段35に供給される吸着後循環空気C3a及び加熱後空気C4の風量が多くなってTC4が低下すると、絶対湿度差ΔXC4-C5が小さくなって加湿量は低下してしまう。
そこで、加湿量が著しく低下しない程度に、再生領域31bに供給される加熱後空気C4の風量をなるべく少なくすることにより、再生後空気C5の相対湿度φC5を飽和線に近づけることが可能となる。また、吸熱側フィン22における顕熱処理量を減少させ、凝縮効率も向上するため、凝縮水W1を効果的に得ることができる。
[除加湿装置メインユニット300の設置箇所について]
図7では、除加湿装置メインユニット300を室外1000に設置しているが、室内2000に設置し、室外空気C1の吸込、及び吸熱後空気B4の排気を、壁(室内外境界)3000を貫通させて行ってもよい。
また、除加湿装置メインユニット300自体を壁3000に跨って設置し、吸気口301、第1排気口302及び第2排気口303は全て室外1000に面するように配置し、空気の搬送は壁3000を貫通させずに行ってもよい。
上記の場合も、除加湿装置メインユニット300及び除加湿装置サブユニット350の内部の構成、動作は全く同じであり、同様の効果が得られる。さらに、加湿空気である吸熱後空気C6を室内2000に供給すれば、室内2000の湿度が上昇してウィルスの活動を抑制するとともに、霧化水W2による抗ウィルス作用も働き、ウィルスに対して相乗的な効果が得られる。
[第3送風手段36の設置箇所について]
図7では、第3送風手段36を、水分吸着手段31の吸着領域31a及び放熱側フィン21の風下側に設置し、加熱手段35、水分吸着手段31の再生領域31b及び吸熱側フィン22の風上側に設置している。そして、吸着領域31a及び放熱側フィン21からは空気を吸い出し、加熱手段35、再生領域31b及び吸熱側フィン22には空気を押し込む構成となっている。
しかし、第3送風手段36を最も風上側に設置し、室外空気C1を第3通風路C全体に押し込む構成としてもよい。
風下側から空気を吸い出す場合には、風路圧損が小さくなるため送風手段を小型化できる。風上側から空気を押し込む場合には、水分吸着手段31における風速分布が均一化され、水分吸着手段31の全体に担持された吸着剤を有効に使用できる。さらに加熱手段35においても、加熱部分全体を有効に使用できる。
[加圧手段15の省略について]
図7では、貯水部14の内部あるいは近傍にポンプなどの加圧手段15を設け、放電電極11に凝縮水W1を強制的に供給する構成となっている。しかし、放電電極11の中空部分を極細にして毛細管現象により吸水するなどの方法により、放電電極11に凝縮水W1を供給してもよい。
あるいは、送水配管304の室内2000側の端部に放電電極11の底部を直接接続し、送水手段24の押圧によって放電電極11に凝縮水W1を供給してもよい。いずれの場合も、加圧手段15を省略することができ、低コストとなる。
[霧化部10と除加湿装置メインユニット300との一体化について]
図7では、除加湿装置は、室外1000に設置される除加湿装置メインユニット300と、室内2000に設置される除加湿装置サブユニット350に分割されている。除加湿装置メインユニット300の内部には、冷却部20、加湿部30が備えられ、除加湿装置サブユニット350の内部には、霧化部10が備えられている。
しかし、実施の形態2と同様に、除加湿装置メインユニット300の内部に霧化部10も備えて一体化し、吸熱後空気C6に霧化水W2を混ぜて室内2000に供給してもよい。この場合、実施の形態2で示した効果に加え、本実施の形態3で前述した効果が期待できる。
本実施の形態3に関する、除加湿装置の補足説明は以上である。
[実施の形態3の総括]
以上のように、水分吸着手段31の吸着領域31aを通過した、低湿の吸着後空気C3の一部を循環させた空気を加熱し再生に用いているので、室外空気を直接加熱して再生に用いるよりも湿度が低下する。そのため、吸着入口空気と再生入口空気との相対湿度差が大きくなって加湿量が増加する。
また、吸着後空気は吸着熱により若干温度も上昇しているため、加熱後空気C4として必要な温度を得るための、加熱手段35における加熱量を削減することが可能な除加湿装置を得ることができる。このとき、放熱側フィン21に比較的低温の室外空気を大風量で供給することにより放熱効率が向上し、一方の吸熱側フィン22に供給する高湿空気の風量をなるべく少なくすることにより、吸熱側フィン22における顕熱処理量を低減させ、より効率的に凝縮水W1及び霧化水W2を得ることのできる除加湿装置となる。
実施の形態4.
図9は、本発明の実施の形態4に係る除加湿装置の概略構成図である。なお、実施の形態1と同一の箇所については説明を割愛する。
除加湿装置は、室外1000に設置される除加湿装置メインユニット400と、室内2000に設置される除加湿装置サブユニット450に分割され、除加湿装置メインユニット400の内部には、冷却部20、加湿部30が備えられ、除加湿装置サブユニット450の内部には、霧化部10が備えられている。
霧化部10及び冷却部20の構成は実施の形態1と同一であるが、加湿部30は、水分吸着手段31、駆動手段32、加熱手段35及び第4送風手段37により構成されている。
本実施の形態4では、除加湿装置メインユニット400は室外1000に設置されている。
第1吸気口401、第2吸気口402及び排気口403によって、第4通風路Dが除加湿装置メインユニット400内部に形成されている。また、除加湿装置メインユニット400と除加湿装置サブユニット450は、送水配管404によって接続されている。
加湿部30において水分吸着手段31は、実施の形態1と同様に、吸着領域31aと再生領域31bに2分割されているが、どちらも第4通風路Dに連通している。第4通風路Dには、加熱手段35及び第4送風手段37が配置されており、加熱手段35、再生領域31b、第4送風手段37、吸着領域31aの順に空気が流れる構成となっている。
次に、図9及び図10を用いて、本実施の形態4に係る除加湿装置の動作の一例について説明する。
図10は、除加湿装置の動作を分かりやすくするために、空気線図上における空気状態の変化を示したものである。
第4通風路Dにおいて、第4送風手段37により第1吸気口401から吸い込まれた第1室外空気D1は、加湿部30の加熱手段35により昇温されて、高温低湿の加熱後空気D2となる。加熱後空気D2は、水分吸着手段31の再生領域31bを通過する。
水分吸着手段31は、駆動手段32によって回転している。そのため、吸着領域31aにて吸着された水分が再生領域31bに回転移動してきている。加熱後空気D2は、再生領域31bにおける水分を再生し、結果として高湿な再生後空気D3が得られる。
再生後空気D3は、冷却部20の吸熱側フィン22を通過する際に冷却される。すなわち図10に示すように、絶対湿度一定のまま徐々に相対湿度が増加する。再生後空気D3は、飽和線に到達した後は結露するため、飽和線に沿って絶対湿度が低下する。そして、飽和空気である吸熱後空気D4となって第4送風手段37の方へ循環し、同時に凝縮水W1を生成する。
循環した吸熱後空気D4は、第4送風手段37により第2吸気口402から吸い込まれた第2室外空気D5と混合されて混合空気D6となった後、冷却部20の放熱側フィン21を通過する際に若干昇温され、放熱後空気D7となる。その後、加湿部30において、水分吸着手段31の吸着領域31aを通過する際に、放熱後空気D7は水分を吸着される。放熱後空気D7は、乾燥した吸着後空気D8となって排気口403より室外1000へ排気される。
生成された凝縮水W1は、水捕集部23に一旦集められ、送水手段24によって送水配管404を介して霧化部10の貯水部14に送られる。貯水部14に蓄えられた凝縮水W1は、加圧手段15によって中空の放電電極11に供給される。このとき、放電電極11と接地電極12に対し高圧電源13で高電圧を印加する。すると、接地電極12に設けられた霧化水噴出口12aから霧化水W2が発生し、霧化水W2は室内2000に供給される。
このように、水分吸着手段31の再生領域31bを通過し、吸熱側フィン22によって冷却されて飽和空気となった吸熱後空気D4を循環させ、水分吸着手段31の吸着領域31aにおいて吸着させている。
これにより、実施の形態1で示した効果に加え、室外空気を直接吸着するよりも絶対湿度が高く、また飽和空気に近い空気を吸着できるので、湿度が高いほど吸着量が多くなる水分吸着手段31における吸着量が増加するという効果がある。また、吸着領域31aにおける吸着量が増加することにより、再生領域31bにおける加湿量も増加するので、より多くの凝縮水W1及び霧化水W2が得られるという効果も期待できる。
以下では、本実施の形態4に関する除加湿装置の補足説明を追記する。
[ペルチェ素子25の省略について]
図9では、ペルチェ素子25の放熱面に放熱側フィン21を、冷却面に吸熱側フィン22をそれぞれ接触して設置し、2つのフィンがペルチェ素子25を挟み込む構成としている。
しかし、ペルチェ素子25は設置せず、放熱側フィン21のフィン部分及び吸熱側フィン22のフィン部分を第4通風路Dの内部に配置し、2つのフィンの土台部分を貼り合わせた形状で一体に成形してもよい。
上記の構成とすることで、放熱側フィン21には比較的低温の混合空気D6が、吸熱側フィン22には高温の再生後空気D3が供給される。そのため、放熱側と吸熱側との間で温度差を確保でき、高価なペルチェ素子25を使用することなく、再生後空気D3を冷却し凝縮水W1を得ることが可能となる。
[第4通風路Dを通過させる空気風量について]
第4通風路Dにおいて、第2吸気口402より上流側に配置された、加熱手段35、水分吸着手段31の再生領域31b及び吸熱側フィン22を通過する空気風量は、なるべく少ないほうが望ましい。また、第2吸気口402より下流側に配置された、放熱側フィン21及び水分吸着手段31の吸着領域31aを通過する空気風量は、なるべく多いほうが望ましい。
すなわち、第2吸気口402より第2室外空気D5を吸気する際、ダンパやシャッターなどを用いるか、第2吸気口402の大きさを調節するなどして、循環させる吸熱後空気D4より第2室外空気D5を多くして混合空気D6を生成するのが望ましい。
放熱側フィン21に供給される混合空気D6の風量が多いほど、放熱側フィン21における放熱量が増加するとともに、放熱後空気D7の温度上昇を抑え、吸着領域31aにおける吸着量低下の原因となる相対湿度の低下を抑えることができる。
また、通過風量と絶対湿度差ΔXD7-D8(図10参照)に比例する吸着量は、吸着領域31aに供給される放熱後空気D7の風量が多いほど増加する。またこのとき、吸着後空気D8は室外1000に排気されるので、風量が多くなっても室内2000への騒音の影響は少ない。
再生領域31bにおける加湿量は、吸着量と同様に、通過風量と絶対湿度差ΔXD2-D3(図10参照)の積に比例するが、それ以上に加熱後空気D2の温度TD2に大きく依存する。そのため、加熱手段35に供給される第1室外空気D1及び加熱後空気D2の風量が多くなってTD2が低下すると、絶対湿度差ΔXD2-D3が小さくなって加湿量は低下する。
そこで、加湿量が著しく低下しない程度に、再生領域31bに供給される加熱後空気D2の風量をなるべく少なくすることにより、再生後空気D3の相対湿度φD3を飽和線に近づけることが可能となり、吸熱側フィン22における顕熱処理量を減少させ凝縮効率も向上するため、凝縮水W1を効果的に得ることができる。
[除加湿装置メインユニット400の設置箇所について]
図9では、除加湿装置メインユニット400を室外1000に設置しているが、室内2000に設置させてもよく、第1室外空気D1及び第2室外空気D5の吸込、並びに吸着後空気D8の排気を、壁(室内外境界)3000を貫通させて行ってもよい。
また、除加湿装置メインユニット400自体を壁3000に跨って設置し、第1吸気口401、第2吸気口402及び排気口403は全て室外1000に面するように配置し、空気の搬送は壁3000を貫通させずに行ってもよい。これらの場合も、除加湿装置メインユニット400、及び除加湿装置サブユニット450内部の構成、動作は全く同じであり、同様の効果が得られる。
[水分吸着手段31の再生に用いる空気について]
図9では、第1吸気口401から第1室外空気D1を吸入し、水分吸着手段31の再生に用いているが、室外空気D1の代わりに室内2000の空気を加熱手段35によって加熱し、加熱後空気D2を生成して水分吸着手段31の再生に用いてもよい。
この場合、特に霧化水W2が必要とされる冬場であれば、室内2000の空気は暖房されて第1室外空気D1より温度が高い。そのため、加熱後空気D2として必要な温度を得るための、加熱手段35における加熱量を削減する効果が期待できる。
[第4送風手段37の設置箇所について]
図9では、第4送風手段37を、水分吸着手段31の吸着領域31a及び放熱側フィン21の風上側に設置し、加熱手段35、水分吸着手段31の再生領域31b及び吸熱側フィン22の風下側に設置している。したがって、吸着領域31a及び放熱側フィン21には空気を押し込み、加熱手段35、再生領域31b及び吸熱側フィン22からは空気を吸い出す構成としている。
しかし、第4送風手段37を最も風下側に設置し、第4の通風路D全体にわたって空気を吸い出す構成としてもよい。
風下側から空気を吸い出す場合には、風路圧損が小さくなるため送風手段を小型化できる。風上側から空気を押し込む場合には、水分吸着手段31における風速分布が均一化され、水分吸着手段31の全体に担持された吸着剤を有効に使用できる。
[加圧手段15の省略について]
図9では、貯水部14の内部あるいは近傍にポンプなどの加圧手段15を設け、放電電極11に凝縮水W1を強制的に供給する構成となっている。しかし、放電電極11の中空部分を極細にして毛細管現象により吸水するなどの方法により、放電電極11に凝縮水W1を供給してもよい。
あるいは、送水配管404の室内2000側の端部に放電電極11の底部を直接接続し、送水手段24の押圧によって放電電極11に凝縮水W1を供給してもよい。いずれの場合も、加圧手段15を省略することができ、低コストとなる。
[霧化部10と除加湿装置メインユニット400との一体化について]
図9では、除加湿装置は、室外1000に設置される除加湿装置メインユニット400と、室内2000に設置される除加湿装置サブユニット450に分割されている。除加湿装置メインユニット400の内部には、冷却部20、加湿部30が備えられ、除加湿装置サブユニット450の内部には、霧化部10が備えられている。
しかし、実施の形態2と同様に、除加湿装置メインユニット400の内部に霧化部10も備えて一体化し、吸熱後空気D4の一部を取り出して霧化水W2を混ぜて室内2000に供給してもよい。この場合、実施の形態2で示した効果に加え、本実施の形態4で前述した効果が期待できる。
本実施の形態4に関する、除加湿装置の補足説明は以上である。
[実施の形態4の総括]
以上のように、水分吸着手段31の再生領域31bを通過し、吸熱側フィン22によって冷却されて飽和空気となった空気を循環させて吸着させているので、室外空気を直接吸着するよりも絶対湿度が高く、また飽和空気に近い空気を吸着できる。したがって、水分吸着手段31における吸着量が増加し、吸着量が増加することにより加湿量も増加するので、より多くの凝縮水W1及び霧化水W2を得ることが可能な除加湿装置となる。
このとき、放熱側フィン21に比較的低温の室外空気を大風量で供給することにより放熱効率が向上し、一方の吸熱側フィン22に供給する高湿空気の風量をなるべく少なくすることにより、吸熱側フィン22における顕熱処理量を低減させ、より効率的に凝縮水W1及び霧化水W2を得ることのできる除加湿装置となる。
実施の形態5.
図11は、本発明の実施の形態5に係る、除加湿装置を備えた空気調和機の概略構成図である。
実施の形態1で説明した、除加湿装置メインユニット100を空気調和機の室外機1100の側面に設置し、除加湿装置サブユニット150を空気調和機の室内機2100の内部に設置したものである。
空気調和機は周知のとおり、冷媒延長配管1200によって室外機1100と室内機2100とが接続されてヒートポンプサイクルを形成している。室外機1100の内部には、図示しないが、圧縮機、室外機熱交換器、室外機送風機、膨張弁などが設置され、室内機2100の内部には、室内機熱交換器2101、室内機送風機2102などが設置されている。
本実施の形態5に係る空気調和機に備えられる、除加湿装置メインユニット100及び除加湿装置サブユニット150の内部については、実施の形態1と同一であるため説明を割愛する。
送水配管105は、冷媒配管1200を貫通させるために既設されている壁貫通穴3100を貫通して設置されている。また、室内機2100内部に設置された除加湿装置サブユニット150の、霧化水W2を供給するための霧化水噴出口12aは、室内機2100内部の室内機送風機2102の下流側に開放されるように設置されている。
次に、本実施の形態5に係る空気調和機の動作の一例について説明する。
動作についても、除加湿装置メインユニット100及び除加湿装置サブユニット150の内部については、実施の形態1と同一であるため説明を割愛する。
除加湿装置メインユニット100で生成された凝縮水W1は、送水手段24によって、送水配管105を介し壁貫通穴3100を経由して、除加湿装置サブユニット150内部の霧化部10に搬送される。
霧化部10において発生した霧化水W2は、室内機2100内部の室内機送風機2102の下流側に連続的に供給される。このとき、ヒートポンプサイクルが暖房運転を行っていれば、高温空気である熱交換器通過後空気R2に霧化水W2が供給され、室内機吹出空気R3は湿分を含む温風となって室内2000は暖房加湿される。
また、ヒートポンプサイクルが冷房運転を行っていれば、低温空気である熱交換器通過後空気R2に霧化水W2が供給され、室内機吹出空気R3は湿分を含む冷風となり、室内2000は冷房加湿される。
このように、除加湿装置メインユニット100及び除加湿装置サブユニット150を空気調和機と接続し、霧化水W2を熱交換器通過後空気R2に混入して室内2000に供給することにより、実施の形態1で示した効果に加え、ヒートポンプサイクルが暖房運転時には、暖房による室内の乾燥を防ぐことができる。
また、室内機吹出空気R3は霧化水W2を含んでいるので、暖房運転、冷房運転いずれの場合においても、霧化水W2によって人体の肌が親水化し、肌が水分を取り込みにくい低湿度環境でも保湿効果が得られる。また、室内機吹出空気R3は拡散するので、攪拌効果によって人体の肌水分上昇を促進できるという効果が得られる。
除加湿装置メインユニット100は、空気調和機の室外機1100の側面に一体に設置され、除加湿装置サブユニット150は、空気調和機の室内機2100の内部に設置されている。したがって、新たな設置スペースを確保する必要なく、空気調和機に除加湿装置による静電霧化機能を追加することができる。
図11では、除加湿装置メインユニット100は室外機1100の側面に設置されているが、室外機送風機の送風を阻害しない位置であれば、例えば室外機1100の上面や底面に一体化して設置してもよい。この場合も、霧化水W2を熱交換器通過後空気R2に混入して室内2000に供給するという動作は同じであり、同様の効果が得られる。
また、送水手段24を設け、室外機1100側面に設置された除加湿装置メインユニット100にて生成された凝縮水W1を、室内機2100内部に設置された除加湿装置サブユニット150に液体の状態で搬送してから霧化している。そのため、霧化水W2が結合することなく、微細粒子状態で確実に室内2000に供給することが可能となり、空気搬送の場合と比較し、搬送圧損が小さく、室内への騒音伝播の問題も低減できる。
除加湿装置メインユニット100は、空気調和機の室外機1100の側面に一体に設置されているので、付近には室外機1100に内蔵された圧縮機や室外機送風機が存在する。そこで、除加湿装置メインユニット100の第2吸気口103を室外機1100内部に連通させ、第2送風手段34により、第2室外空気B2の代わりに、圧縮機周辺や室外機送風機の回転モータ周辺の空気を吸い込ませ、加熱手段35によって加熱し、加熱後空気B2を生成してもよい。
この場合、圧縮機や室外機送風機回転モータの排熱を回収できるため、加熱後空気B2として必要な温度を得るための、加熱手段35における加熱量を削減することが可能となるという効果が期待できる。
図11では、実施の形態1で説明した除加湿装置メインユニット100を、空気調和機の室外機1100の側面に設置し、除加湿装置サブユニット150を空気調和機の室内機2100の内部に設置している。しかし、図12のように、実施の形態2で説明した除加湿装置メインユニット200を室外機1100の側面に設置し、空気ダクト205を、壁貫通穴3100を貫通させ、室内機2100内部の室内機送風機2102の下流側に開放されるように設置してもよい。
この場合、霧化水W2を含む加湿空気である霧化後空気B5を熱交換器通過後空気R2に混入して室内2000に供給することになるので、実施の形態2で示した効果も期待できる。
同様に、実施の形態3で説明した除加湿装置メインユニット300及び除加湿装置サブユニット350、あるいは、実施の形態4で説明した除加湿装置メインユニット400及び除加湿装置サブユニット450を、それぞれ空気調和機の室外機1100の側面、及び空気調和機の室内機2100の内部に設置してもよい。
この場合も、霧化水W2を熱交換器通過後空気R2に混入して室内2000に供給するという動作は同じなので、実施の形態3あるいは実施の形態4で示した効果に加え、本実施の形態5で前述した効果が期待できる。
また、実施の形態2で説明した除加湿装置メインユニット200を設置する場合には、図13に示すように、空気ダクト205を、壁貫通穴3100を貫通させ、室内機2100内部の室内機熱交換器2101の上流側に開放されるような通風路を形成する。そして、室内機送風機2102によって、霧化後空気B5が室内空気R1とともに室内機熱交換器2101に吸い込まれるようにしてもよい。
この場合、第2通風路Bを通風する空気風量は少ないため、第2送風手段34は不要となり、低コスト化が図れるだけでなく、除加湿装置メインユニット200をコンパクト化することが可能となる。
以上のように、除加湿装置を空気調和機と接続し、生成した霧化水W2を室内機吹出空気R3とともに室内に供給することにより、室内の乾燥を防ぎ、また吹出空気の攪拌効果により、霧化水W2による人体への保湿効果を促進することが可能な除加湿機能を有する空気調和機を得ることができる。
また、除加湿装置を空気調和機と一体にして設置しているので、新たな設置スペースを確保する必要がなく、また室外機の圧縮機や送風機モータの排熱を再生に利用すれば、加熱手段35における加熱量を削減できる。また、室内空気の給気及び霧化水W2を含む加湿空気の給気を室内機送風機2102で併用すれば、送風手段を削減できるため、低コストでコンパクトな除加湿機能を有する空気調和機となる。
実施の形態6.
図14は、本発明の実施の形態6に係る、除加湿装置を備えた空気調和機の概略構成図である。
実施の形態1で説明した除加湿装置メインユニット100を、冷媒配管を貫通させるために既設されている壁貫通穴3100付近の室外1000側に設置し、除加湿装置サブユニット150を空気調和機の室内機2100の内部に設置したものである。なお実施の形態5と同一の箇所については説明を割愛する。
除加湿装置メインユニット100及び除加湿装置サブユニット150の内部については、実施の形態1と同一であるため説明を割愛する。
送水配管105は、既設の壁貫通穴3100を貫通して設置されている。室内機2100内部に設置された除加湿装置サブユニット150の、霧化水W2を供給するための霧化水噴出口12aは、室内機2100内部の室内機送風機2102の下流側に開放されるように設置されている。
次に、本実施の形態6に係る空気調和機の動作の一例について説明する。
動作についても、除加湿装置メインユニット100及び除加湿装置サブユニット150の内部については、実施の形態1と同一であるため説明を割愛する。
除加湿装置メインユニット100で生成された凝縮水W1は、送水手段24によって、送水配管105を介し壁貫通穴3100を経由して、除加湿装置サブユニット150内部の霧化部10に搬送される。霧化部10において発生した霧化水W2は、室内機2100内部の室内機送風機2102の下流側に連続的に供給される。
このとき、ヒートポンプサイクルが暖房運転を行っていれば、高温空気である熱交換器通過後空気R2に霧化水W2が供給され、室内機吹出空気R3は湿分を含む温風となって室内2000は暖房加湿される。
一方、ヒートポンプサイクルが冷房運転を行っていれば、低温空気である熱交換器通過後空気R2に霧化水W2が供給され、室内機吹出空気R3は湿分を含む冷風となり、室内2000は冷房加湿される。
このように、除加湿装置メインユニット100を、既設の壁貫通穴3100付近に設置することにより、実施の形態5で示した効果に加え、凝縮水W1を室内へ搬送するための送水配管105が短くなり低コスト化を図ることができる。加えて、楊程がほとんど必要なくなるため、送水手段24を小型化することが可能、あるいは、加圧手段15と送水手段24を共通化することが可能となる。
図14では、実施の形態1で説明した除加湿装置メインユニット100を、既設の壁貫通穴3100付近の室外1000側に設置し、除加湿装置サブユニット150を空気調和機の室内機2100の内部に設置している。しかし、実施の形態2で説明した除加湿装置メインユニット200を、既設の壁貫通穴3100付近の室外1000側に設置し、空気ダクト205を、壁貫通穴3100を貫通させ、室内機2100内部の室内機送風機2102の下流側に開放されるように設置してもよい。
この場合、霧化水W2を含む加湿空気である霧化後空気B5を熱交換器通過後空気R2に混入して室内2000に供給することになるので、実施の形態2で示した効果も期待できる。
同様に、実施の形態3で説明した、除加湿装置メインユニット300及び除加湿装置サブユニット350、あるいは実施の形態4で説明した、除加湿装置メインユニット400及び除加湿装置サブユニット450を、それぞれ既設の壁貫通穴3100付近の室外1000側、及び空気調和機の室内機2100の内部に設置してもよい。
この場合も、霧化水W2を熱交換器通過後空気R2に混入して室内2000に供給するという動作は同じなので、実施の形態3あるいは実施の形態4で示した効果に加え、本実施の形態6で前述した効果が期待できる。
また、実施の形態2で説明した除加湿装置メインユニット200を設置する場合には、空気ダクト205を、壁貫通穴3100に貫通させ、室内機2100内部の室内機熱交換器2101の上流側に開放されるような通風路を形成する。そして、室内機送風機2102によって、霧化後空気B5が室内空気R1とともに室内機熱交換器2101に吸い込まれるようにしてもよい。
この場合、第2通風路Bを通風する空気風量は少ないため、第2送風手段34は不要となり、低コスト化が図れるだけでなく、除加湿装置メインユニット200をコンパクト化することが可能となる。
図14では、第2吸気口103は室外1000に開放され、第2室外空気B1を吸入し再生に用いている。しかし、図15に示すように、暖房運転時には、第2吸気口103は、壁貫通穴3100を貫通して、室内機2100内部の室内機熱交換器2101の下流側に開放されるような通風路を形成し、熱交換器通過後空気R2を除加湿装置メインユニット100内に吸い込むようにしてもよい。
この場合、熱交換器通過後空気R2は、凝縮器である室内機熱交換器2101により昇温されており、除加湿装置メインユニット100に吸い込まれる空気は加熱後空気B2となるため、除加湿装置メインユニット100内の加熱手段35を停止する、あるいは投入電力を削減することができ、大幅な省エネとなる。
以上のように、除加湿装置を空気調和機と接続し、生成した霧化水W2を室内機吹出空気R3とともに室内に供給することにより、室内の乾燥を防ぎ、また吹出空気の攪拌効果により、霧化水W2による人体への保湿効果を促進することが可能な除加湿機能を有する空気調和機を得ることができる。
また、除加湿装置を既設の壁貫通穴付近に設置しているので、凝縮水W1の搬送距離が短くなり楊程もほとんど必要なくなるため、送水手段を小型化することが可能となる。このとき、室内機熱交換器2101通過後の空気を水分吸着手段31の再生に利用すれば、加熱手段35が不要となる、あるいは投入電力を削減することができるため、大幅な省エネ効果が得られる。
実施の形態7.
図16は、本発明の実施の形態7に係る、除加湿装置を備えた空気調和機の概略構成図である。
実施の形態1で説明した、除加湿装置メインユニット100を空気調和機の室内機2100の側面に設置し、除加湿装置サブユニット150を空気調和機の室内機2100の内部に設置したものである。なお実施の形態5と同一の箇所については説明を割愛する。
除加湿装置メインユニット100及び除加湿装置サブユニット150の内部については、実施の形態1と同一であるため説明を割愛する。
第1通風路Aにおいて、少なくとも第1吸気口101は、壁貫通穴3100を貫通して室外1000に開放されるような通風路を形成している。送水配管105は室内機2100内部に設置され、室内機2100内部に設置された除加湿装置サブユニット150の、霧化水W2を供給するための霧化水噴出口12aは、室内機2100内部の室内機送風機2102の下流側に開放されるように設置されている。
次に、本実施の形態7に係る空気調和機の動作の一例について説明する。
動作についても、除加湿装置メインユニット100及び除加湿装置サブユニット150の内部については、実施の形態1と同一であるため説明を割愛する。
除加湿装置メインユニット100で生成された凝縮水W1は、送水手段24によって、送水配管105を介して、除加湿装置サブユニット150内部の霧化部10に搬送される。霧化部10において発生した霧化水W2は、室内機2100内部の室内機送風機2102の下流側に連続的に供給される。
このとき、ヒートポンプサイクルが暖房運転を行っていれば、高温空気である熱交換器通過後空気R2に霧化水W2が供給され、室内機吹出空気R3は湿分を含む温風となって室内2000は暖房加湿される。
また、ヒートポンプサイクルが冷房運転を行っていれば、低温空気である熱交換器通過後空気R2に霧化水W2が供給され、室内機吹出空気R3は湿分を含む冷風となり、室内2000は冷房加湿される。
このように、除加湿装置メインユニット100を、空気調和機の室内機2100の側面に設置することにより、実施の形態6で示した効果に加え、以下の効果が得られる。
すなわち、除加湿装置メインユニット100では、第2吸気口103から、第2室外空気B1の代わりに室内2000の空気(R1)を吸入し、加熱手段35によって加熱して加熱後空気B2を生成することになる。
そのため、特に霧化水W2が必要とされる冬場であれば、室内2000の空気は暖房されて第2室外空気B1より温度が高いため、加熱後空気B2として必要な温度を得るための、加熱手段35における加熱量を削減することが可能となるという効果がある。
また、第2排気口104からは、吸熱側フィン22にて冷却された飽和状態となった吸熱後空気B4が室内2000に供給されるので、室内2000が加湿されて湿度が上昇することによってウィルスの活動を抑制するとともに、霧化水W2による抗ウィルス作用も働き、ウィルスに対して相乗的な効果が得られる。
除加湿装置メインユニット100は、空気調和機の室内機2100の側面に一体に設置され、除加湿装置サブユニット150は空気調和機の室内機2100の内部に設置されている。したがって、新たな設置スペースを確保する必要なく、空気調和機に除加湿装置による静電霧化機能を追加することができる。
図16では、除加湿装置メインユニット100は室内機2100の側面に設置されているが、室内機送風機2102の送風を阻害しない位置であれば、例えば室内機2100の上面や背面に一体化して設置してもよい。この場合も、霧化水W2を熱交換器通過後空気R2に混入して室内2000に供給するという動作は同じであり、同様の効果が得られる。
図14では、実施の形態1で説明した、除加湿装置メインユニット100を空気調和機の室内機2100の側面に設置し、除加湿装置サブユニット150を空気調和機の室内機2100の内部に設置している。しかし、実施の形態2で説明した除加湿装置メインユニット200を室内機2100の側面に設置し、空気ダクト205を、室内機2100内部の室内機送風機2102の下流側に開放されるように設置してもよい。
この場合、霧化水W2を含む加湿空気である霧化後空気B5を熱交換器通過後空気R2に混入して室内2000に供給することになるので、実施の形態2で示した効果も期待できる。このとき、空気搬送であっても、搬送距離が短いため搬送圧損は小さく、また空気ダクト205の周囲は比較的高温の室内空気であるため、ダクト内の結露の問題も回避できる。
同様に、実施の形態3で説明した、除加湿装置メインユニット300及び除加湿装置サブユニット350、あるいは実施の形態4で説明した、除加湿装置メインユニット400及び除加湿装置サブユニット450を、それぞれ空気調和機の室内機2100の側面、及び空気調和機の室内機2100の内部に設置してもよい。
この場合も、霧化水W2を熱交換器通過後空気R2に混入して室内2000に供給するという動作は同じなので、実施の形態3あるいは実施の形態4で示した効果に加え、本実施の形態7で前述した効果が期待できる。
また、実施の形態2で説明した除加湿装置メインユニット200を設置する場合には、空気ダクト205を、室内機2100内部の室内機熱交換器2101の上流側に開放されるような通風路を形成する。そして、室内機送風機2102によって、霧化後空気B5が室内空気R1とともに室内機熱交換器2101に吸い込まれるようにしてもよい。
この場合、第2通風路Bを通風する空気風量は少ないため、第2送風手段34は不要となり、低コスト化が図れるだけでなく、除加湿装置メインユニット200をコンパクト化することが可能となる。
図16では、第2吸気口103は室内2000に開放され、室内空気(R1)を吸入し再生に用いている。しかし、図17に示すように、暖房運転時には、第2吸気口103は、室内機2100内部の室内機熱交換器2101の下流側に開放されるような通風路を形成し、熱交換器通過後空気R2を除加湿装置メインユニット100内に吸い込むようにしてもよい。
この場合、熱交換器通過後空気R2は、凝縮器である室内機熱交換器2101により昇温されており、除加湿装置メインユニット100に吸い込まれる空気は加熱後空気B2となるため、除加湿装置メインユニット100内の加熱手段35を停止する、あるいは投入電力を削減することができ、大幅な省エネとなる。
以上のように、除加湿装置を空気調和機と接続し、生成した霧化水W2を室内機吹出空気R3とともに室内に供給することにより、室内の乾燥を防ぎ、また吹出空気の攪拌効果により、霧化水W2による人体への保湿効果を促進することが可能な除加湿機能を有する空気調和機を得ることができる。
また、除加湿装置を室内機と一体にして設置しているので、比較的高温の室内空気を再生に利用することができ、加熱手段35における加熱量を削減することが可能となる。また、吸熱側フィン22にて冷却され、飽和状態となった加湿空気が室内に供給されるので、湿度が上昇することによってウィルスの活動を抑制するとともに、霧化水W2による抗ウィルス作用も働き、ウィルスに対して相乗的な効果が得られる。
実施の形態8.
図18は、本発明の実施の形態8に係る、空気調和機に備えられる人体検知手段の設置図の一例である。
これは、実施の形態5〜7で説明した除加湿装置を備えた空気調和機において、室内機2100の前面に人体検知手段2110を設置したものである。
また図19は、人体検知手段2110の詳細図の一例である。
人体検知センサ2111は、回転モータ2112と駆動部2113により接続され、回転モータ2112の正転、逆転の回転運動により、駆動部2113及び人体検知センサ2111が往復運動を行う構造となっている。
人体検知センサ2111としては、例えば、表面の赤外線放出量から表面温度を検出するサーモパイルセンサ、同様に赤外線放出量の変化を検出する焦電型センサ、輝度を検出する画像センサなどを用い、それらを検出する素子を回転モータ2112の回転軸と同方向(室内機高さ方向)に複数個並べた構造となっている。
また図19において、人体検知手段2110は、回転モータ2112の回転軸が略鉛直方向、あるいは鉛直方向より室内機前面側に傾くように設置されている。したがって、回転モータ2112の回転運動により、人体検知センサ2111は室内機の幅方向に往復運動を行う。
そのため、回転モータ2112の回転軸方向に複数個並べられた素子が、一列分の素子数でありながら、複数列分に相当する室内全体を検知することが可能な構成となっている。なお、除加湿装置メインユニット100、除加湿装置サブユニット150及び室内機2100の内部については、実施の形態5〜7と同一であるため説明を割愛する。
次に、本実施の形態8に係る、空気調和機に備えられる人体検知手段の動作の一例について説明する。
動作についても、除加湿装置メインユニット100、除加湿装置サブユニット150及び室内機2100の内部については、実施の形態5〜7と同一であるため説明は割愛する。
図18及び図19において、人体検知手段2110は、回転モータ2112を回転させることにより、人体検知センサ2111の室内機高さ方向に複数個並べられた素子が、室内機の幅方向を走査するため、室内全体の情報を検知する。
図20は、人体検知センサ2111として、赤外線放出量から表面温度を検出するサーモパイルセンサを用いた場合における、検出データの概念図の一例であり、表面温度の分布を示したものである。
検出データは碁盤の目状に出力され、縦方向のデータ数は、室内機高さ方向に複数個並べられた素子数となる。また横方向のデータ数は、室内機幅方向に走査されたステップ数となる。室内には、床面や壁面、家具などの躯体が存在し、その表面温度は人体より一般的に低温であるため、図20中に白色で示したように、高温部分として人体位置が検出できる。
また図21には、人体検知センサ2111として、赤外線放出量の変化を検出する焦電型センサ、または輝度を検出する画像センサを用いた場合における、検出データの概念図の一例であり、時々刻々の検出データを差分したものである。
焦電型センサや画像センサの絶対値出力では、人体を検出するのは困難であるが、時系列データを差分することにより、移動物体の赤外線や輝度の変化量のみを検出できるため、図21中に白色で示したように、動きのある人体位置を検出することが可能となる。
以上のように、人体位置を検出することにより、除加湿装置メインユニット100及び除加湿装置サブユニット150において生成された霧化水W2、あるいは除加湿装置メインユニット200において生成された霧化水W2を含む霧化後空気B5を混入した室内機吹出空気R3を、図示しない室内機2100のベーンやフラップを制御して、人体位置に選択的に供給することができる。
このとき、検出された人体位置に室内機吹出空気R3を集中的に供給してもよいが、ベーンやフラップの制御分解能には限界があるため、室内を例えば高さ方向に3エリア、幅方向に5エリアというように複数のエリアに分割し、人体位置が含まれるエリアに、室内機吹出空気R3を供給するようにしたほうが現実的である。
このように、除加湿機能を有する空気調和機において、室内機2100に人体検知手段2110を設置し、室内の存在する人体の位置を検出して、除加湿装置にて生成された霧化水W2、あるいは霧化水W2を含む加湿空気である霧化後空気B5を混入した室内機吹出空気R3を、人体位置に選択的に供給することにより、実施の形態5〜7で示した効果に加えて、以下に示す効果が得られる。
すなわち、人体に効果的に霧化水W2及び加湿空気を供給することができるので、人体の肌水分上昇を促進できるという効果が得られ、また室内の加湿や保湿を必要としないエリアには供給しないので、効率的な運転が可能となり、過剰な霧化水W2や加湿空気の生成を防ぐことができるという効果が得られる。
一方で、ある程度の風速を有する室内機吹出空気R3を人体に直接当てると、空気流によって水分が奪われるため、特に温風が供給される暖房運転時には人体の肌水分は低下することがある。そこで、霧化水W2のみが混入された室内機吹出空気R3を供給する場合は、人体検知手段2110によって検出された人体位置を避けて送風するのが望ましい。
この場合も、霧化水W2は帯電しているので、霧化水W2のみが人体に供給され、気流による乾燥感を与えることなく、人体の肌水分上昇を促進できるという効果が得られる。
図18では、人体検知手段2110を室内機2100の前面左側に設置しているが、室内全体を検出できる位置であれば、室内機2100の側面や底面でもよく、またフラップやベーンを制御できるのであれば、室内機2100と別置きとして通信手段を設けてもよい。このとき、人体検知センサ2111に温度依存性がある場合には、室内機吹出空気D3の影響を受けない位置に設置し、誤検出を防ぐ必要がある。
図19では、人体検知センサ2111は、検知素子を回転モータ2112の回転軸と同方向(室内機高さ方向)に複数個並べた構造となっており、回転モータ2112の回転運動によって、人体検知センサ2111が室内機幅方向に往復運動する。したがって、一列分の素子数でありながら、複数列分に相当する室内全体を検知することが可能な構成となっている。
しかし、人体検知センサ2111の検知素子を予め複数列設置し、広角レンズなどを用いて、人体検知センサ2111を固定した状態で、室内全体を検知してもよい。この場合、検知素子のコストは増加するが、駆動による人体位置の検知誤差を防ぐことができるという効果がある。
図20及び図21では、人体検知センサ2111として、表面の赤外線放出量から表面温度を検出するサーモパイルセンサ、赤外線放出量の変化を検出する焦電型センサ、輝度を検出する画像センサのいずれか1つを使用し、人体位置を検出している。しかし、サーモパイルセンサによる表面温度データと、焦電型センサあるいは画像センサによる差分データの双方を用いて、人体位置を検出してもよい。
表面温度データのみでは、夏場など室内の背景温度が高く、人体の表面温度との差が小さい場合には人体位置の検出が困難であり、また差分データのみでは、人体に動きがない場合には検出できないので、双方を用いることにより、誤検知を回避することが可能となる。
以上のように、除加湿機能を有する空気調和機において、室内の人体位置を検出し、生成した霧化水W2、あるいは霧化水W2を含む加湿空気を、室内機吹出空気R3とともに効果的に人体位置に供給することが可能な、除加湿機能を有する空気調和機を得ることができる。
また、人体位置に気流感を与えずに霧化水W2のみを供給することにより、人体の肌水分上昇を促進でき、また室内の加湿や保湿を必要としないエリアには供給せずに、効率的な運転が可能な除加湿機能を有する空気調和機を得ることができる。
また、人体検出手段として、サーモパイルセンサによる表面温度データと、焦電型センサあるいは画像センサによる差分データの双方を用いることにより、人体位置検出精度の高い除加湿機能を有する空気調和機となる。
10 霧化部、11 放電電極、12 接地電極、12a 霧化水噴出口、13 高圧電源、14 貯水部、15 加圧手段、20 冷却部、21 放熱側フィン、22 吸熱側フィン、23 水捕集部、24 送水手段、25 ペルチェ素子、30 加湿部、31 水分吸着手段、31a 吸着領域、31b 再生領域、32 駆動手段、33 第1送風手段、34 第2送風手段、35 加熱手段、36 第3送風手段、37 第4送風手段、100 除加湿装置メインユニット(実施の形態1)、101 第1吸気口、102 第1排気口、103 第2吸気口、104 第2排気口、105 送水配管、150 除加湿装置サブユニット(実施の形態1)、151 室内噴霧口、200 除加湿装置メインユニット(実施の形態2)、201 第1吸気口、202 排気口、203 第2吸気口、204 給気口、205 空気ダクト、300 除加湿装置メインユニット(実施の形態3)、301 吸気口、302 第1排気口、303 第2排気口、304 送水配管、350 除加湿装置サブユニット(実施の形態3)、351 室内噴霧口、400 除加湿装置メインユニット(実施の形態4)、401 第1吸気口、402 第2吸気口、403 排気口、404 送水配管、450 除加湿装置サブユニット(実施の形態4)、451 室内噴霧口、1000 室外、1100 室外機、1200 冷媒延長配管、2000 室内、2100 室内機、2101 室内機熱交換器、2102 室内機送風機、2110 人体検知手段、2111 人体検知センサ、2112 回転モータ、2113 駆動部、3000 壁(室内外境界)、3100 壁貫通穴、A 第1通風路、A1 第1室外空気、A2 放熱後空気、A3 吸着後空気、B 第2通風路、B1 第2室外空気、B2 加熱後空気、B3 再生後空気、B4 吸熱後空気、B5 霧化後空気、C 第3通風路、C1 室外空気、C2 放熱後空気、C3 吸着後空気、C3a 吸着後循環空気、C3b 吸着後排気空気、C4 加熱後空気、C5 再生後空気、C6 吸熱後空気、D 第4通風路、D1 第1室外空気、D2 加熱後空気、D3 再生後空気、D4 吸熱後空気、D5 第2室外空気、D6 混合空気、D7 放熱後空気、D8 吸着後空気、R1 室内空気、R2 熱交換器通過後空気、R3 室内機吹出空気、W1 凝縮水、W2 霧化水。

Claims (18)

  1. 水分を吸着する第1領域と水分が脱離される第2領域とを有する水分吸着手段と、
    室外の空気を前記第1領域に供給する第1送風手段と、
    空気を加熱する加熱手段と、
    前記加熱手段により加熱された空気を前記第2領域に供給する第2送風手段と、
    前記第2領域から脱離された水分を含む空気を冷却し、結露水を生成させるための冷却手段と、
    前記結露水を蓄えるための貯水手段と、
    前記貯水手段に蓄えられた結露水を霧化するための霧化手段と
    備え、
    前記第1送風手段により通風され、少なくとも前記第1領域を内部に備えた第1風路と、
    前記第2送風手段により通風され、前記加熱手段と、前記加熱手段の下流側に設けられた前記第2領域とを内部に備えた第2風路と、
    を有し、
    前記冷却手段は、前記第1風路に備えられた放熱側フィンと、前記第2風路に備えられ前記第2領域より下流側に設けられた吸熱側フィンとを有すること
    を特徴とする除加湿装置。
  2. 前記第1送風手段による送風量を、前記第2送風手段による送風量よりも多くすること
    を特徴とする請求項に記載の除加湿装置。
  3. 前記放熱側フィンと前記吸熱側フィンとは、フィン部分が互いに外側を向くように、土台部分を貼り合わせた形状で一体に成形されていること
    を特徴とする請求項に記載の除加湿装置。
  4. 前記冷却手段は、放熱面と吸熱面とを有するペルチェ素子を備え、前記放熱面には前記放熱側フィンが、前記吸熱面には前記吸熱側フィンがそれぞれ設けられること
    を特徴とする請求項に記載の除加湿装置。
  5. 前記霧化手段は前記結露水を加圧して霧化するための加圧手段を備えること
    を特徴とする請求項1乃至の何れかに記載の除加湿装置。
  6. 前記霧化手段は前記結露水を蓄えるための水供給部を備え、前記水供給部の内部又は近傍に前記加圧手段を備えること
    を特徴とする請求項に記載の除加湿装置。
  7. 前記結露水を前記貯水手段から前記霧化手段へ搬送するための水搬送手段を備えること
    を特徴とする請求項1乃至の何れかに記載の除加湿装置。
  8. 前記霧化手段により生成された霧化水を含む高湿空気を、供給対象の空間まで気体状態で搬送するための空気搬送手段を備えること
    を特徴とする請求項1乃至の何れかに記載の除加湿装置。
  9. 前記霧化手段は静電霧化方式であること
    を特徴とする請求項1乃至の何れかに記載の除加湿装置。
  10. 圧縮機、室外側熱交換器、絞り装置及び室外側送風機を内蔵した室外機と、
    室内側熱交換器及び室内側送風機を内蔵した室内機と、
    前記圧縮機、前記室外側熱交換器、前記絞り装置及び前記室内側熱交換器とを接続し、ヒートポンプサイクルを形成するための冷媒配管と、
    請求項1乃至の何れかに記載の除加湿装置と
    を備えたこと
    を特徴とする空気調和機。
  11. 前記除加湿装置の前記霧化手段にて生成された前記霧化水を含む高湿空気を、前記室内側熱交換器を通過する空気とともに前記室内側送風機により室内へ給気すること
    を特徴とする請求項10に記載の空気調和機。
  12. 前記除加湿装置を前記室外機の側面に設置すること
    を特徴とする請求項10又は11に記載の空気調和機。
  13. 前記室外機に内蔵された前記圧縮機による排熱や、前記室外側送風機を回転させる回転手段による排熱を、前記除加湿装置の前記加熱手段として用いること
    を特徴とする請求項12に記載の空気調和機。
  14. 前記除加湿装置を、前記冷媒配管を貫通させる既設の壁穴付近の室外側に設置すること
    を特徴とする請求項10又は11に記載の空気調和機。
  15. 前記除加湿装置を前記室内機の側面に設置すること
    を特徴とする請求項10又は11に記載の空気調和機。
  16. 前記室内機に内蔵された前記室内側熱交換器を、前記除加湿装置の前記加熱手段として用いること
    を特徴とする請求項14又は15に記載の空気調和機。
  17. 室内の人体位置を検出する人体検出手段を備え、前記人体検出手段により検出された前記人体位置近傍に、前記霧化水を含む加湿空気を送風すること
    を特徴とする請求項10乃至16の何れかに記載の空気調和機。
  18. 室内の人体位置を検出する人体検出手段を備え、前記人体検出手段により検出された前記人体位置近傍を除く領域に、前記室内側熱交換器を通過した前記霧化水を含む空気を送風すること
    を特徴とする請求項10乃至16の何れかに記載の空気調和機。
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