本発明に係る除湿機能付き熱交換形換気装置は、室内の空気を室外に排出するための排気風路を流通する排気流と、室外の空気を室内へ給気するための給気風路を流通する給気流との間で熱交換する熱交換形換気装置と、給気流に対して除湿する除湿装置と、を備える。除湿装置は、圧縮機と放熱器と膨張器と吸熱器とを含んで構成される冷凍サイクルと、吸熱器と放熱器との間に配置され、第一流路を流れる空気と第二流路を流れる空気との間で熱交換する熱交換器と、を含む。除湿装置は、給気風路から熱交換後の給気流が導入されるとともに、排気風路から排気流が導入されるように構成される。除湿装置に導入された給気流の一部分は、吸熱器、熱交換器の第一流路の順に流通した後に、放熱器を流通することなく給気風路に導出され、除湿装置に導入された給気流の他の部分は、熱交換器の第二流路を流通した後に、放熱器を流通することなく給気風路に導出される。除湿装置に導入された排気流は、放熱器を流通した後に、排気風路に導出される。
こうした構成によれば、除湿装置における放熱器の冷却(排熱)に必要なエネルギーを、熱交換形換気装置からの排気流(除湿を必要する夏季において、給気流よりも温度が低い排気流)によって得ることができるため、除湿後の空気(給気流)を放熱器に対して流通させることなく室内に吹き出すことができる。つまり、冷凍サイクルと熱交換器とを組み合わせた除湿装置を適用した場合でも、除湿に伴って生じる温度上昇が抑制された給気流を送風可能な除湿機能付き熱交換形換気装置とすることができる。
また、除湿装置は、放熱器に対して水を吹き付ける水吹付部をさらに備え、除湿装置に導入された排気流は、水吹付部によって水が吹き付けられた状態の放熱器を流通した後に、排気風路に導出される構成とすることが好ましい。
こうした構成とすることで、除湿装置における放熱器の冷却(排熱)に必要なエネルギーを、熱交換形換気装置からの排気流の空気熱と、吹き付けられた水の気化熱とによって得ることができるため、放熱器を効果的に冷却することができ、除湿後の空気(給気流)を放熱器に対して流通させることなく室内に吹き出すことができる。
また、給気風路から熱交換後の給気流が導入されるように構成され、導入された給気流に対して加湿する液体微細化装置と、液体微細化装置に対して外部から水を導入する第一状態と、除湿装置に対して外部から水を導入する第二状態とに切り替える水路切替部と、をさらに備え、水路切替部は、加湿時に第一状態に切り替えるとともに、除湿時に第二状態に切り替える構成としてもよい。
こうした構成とすることで、加湿のために液体微細化装置に導入される外部からの水を、水路切替部によって容易に除湿装置に導入するように切り替えることができる。つまり、加湿機能付き熱交換形換気装置に対して除湿装置を適用する場合には、外部からの水の供給を液体微細化装置と共通化することができるので、除湿装置における水吹付部による放熱器への水の吹き付け処理を低コストで実現することができる。
また、室外の空気を取り入れ、放熱器を流通した後に、熱交換後の排気風路に導出する送風装置を備えるように構成してもよい。
こうした構成とすることで、除湿装置における放熱器の冷却(排熱)に必要なエネルギーを、熱交換形換気装置からの排気流の空気熱と、送風装置からの送風気流の空気熱とによって得ることができるため、放熱器を効果的に冷却することができ、除湿後の空気(給気流)を放熱器に対して流通させることなく室内に吹き出すことができる。
また、除湿時において、除湿装置から室内に供給される給気流の温度は、給気流の一部分の風量と給気流の他の部分の風量の比率を制御することによって調節される構成としてもよい。
こうした構成によれば、吸熱器によって冷却された気流(第一流路を流通した給気流の一部分)によって、第二流路を流通した給気流の他の部分の温度をさらに低下させることができるので、室内に供給される給気流の温度が所望の温度となるように容易に調整することができる。
以下、本発明を実施するための形態について添付図面を参照して説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。また、全図面を通して、同一の部位については同一の符号を付して説明を省略している。さらに、本発明に直接には関係しない各部の詳細については重複を避けるために、図面ごとの説明は省略している。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(前提例)
まず、図1、図2を参照して、本発明の実施の形態の前提例となる熱交換形換気装置について説明する。図1は、本発明の前提例に係る熱交換形換気装置の住宅における設置状態を示す模式図である。図2は、本発明の前提例に係る熱交換形換気装置の構成を示す模式図である。
図1において、家1の屋内に熱交換形換気装置10が設置されている。熱交換形換気装置10は、屋内の空気と屋外の空気とを熱交換しながら換気する装置である。
図1に示す通り、排気流2は、黒色矢印のごとく、熱交換形換気装置10を介して屋外に放出される。排気流2は、屋内から屋外に排出される空気の流れである。また、給気流3は、白色矢印のごとく、熱交換形換気装置10を介して室内に取り入れられる。給気流3は、屋外から屋内に取り込まれる空気の流れである。例えば、日本の冬季を挙げると、排気流2は20~25℃であるのに対して、給気流3は氷点下に達することもある。熱交換形換気装置10は、換気を行うとともに、この換気時に、排気流2の熱を給気流3へと伝達し、不用な熱の放出を抑制している。
熱交換形換気装置10は、図2に示す通り、本体ケース11、熱交換素子12、排気ファン13、内気口14、排気口15、給気ファン16、外気口17、給気口18、排気風路4、給気風路5を備えている。本体ケース11は、熱交換形換気装置10の外枠である。本体ケース11の外周には、内気口14、排気口15、外気口17、給気口18が形成されている。内気口14は、排気流2を熱交換形換気装置10に吸い込む吸込口である。排気口15は、排気流2を熱交換形換気装置10から屋外に吐き出す吐出口である。外気口17は、給気流3を熱交換形換気装置10に吸い込む吸込口である。給気口18は、給気流3を熱交換形換気装置10から屋内に吐き出す吐出口である。
本体ケース11の内部には、熱交換素子12、排気ファン13、給気ファン16が取り付けられている。また、本体ケース11の内部には、排気風路4、給気風路5が構成されている。熱交換素子12は、排気風路4を流通する排気流2と、給気風路5を流通する給気流3との間で熱交換(顕熱と潜熱)を行うための部材である。排気ファン13は、排気流2を内気口14から吸い込み、排気口15から吐出するための送風機である。給気ファン16は、給気流3を外気口17から吸い込み、給気口18から吐出するための送風機である。排気風路4は、内気口14と排気口15とを連通する風路である。給気風路5は、外気口17と給気口18とを連通する風路である。排気ファン13により吸い込まれた排気流2は、排気風路4内の熱交換素子12、排気ファン13を経由し、排気口15から屋外へと排出される。また、給気ファン16により吸い込まれた給気流3は、給気風路5内の熱交換素子12、給気ファン16を経由し、給気口18から屋内へと供給される。
熱交換形換気装置10は、熱交換換気を行う場合には、熱交換素子12の排気ファン13および給気ファン16を動作させ、熱交換素子12において排気風路4を流通する排気流2と、給気風路5を流通する給気流3との間で熱交換を行う。これにより、熱交換形換気装置10は、換気を行う際に、室外に放出する排気流2の熱を室内に取り入れる給気流3へと伝達し、不要な熱の放出を抑制し、室内に熱を回収する。この結果、冬季においては、換気を行う際に、屋外の温度が低い空気によって屋内の温度低下を抑制することができる。一方、夏季においては、換気を行う際に、屋外の温度が高い空気によって屋内の温度上昇を抑制することができる。
(実施の形態1)
次に、図3を参照して、本実施の形態1に係る除湿機能付き熱交換形換気装置について説明する。図3は、本発明の実施の形態1に係る除湿機能付き熱交換形換気装置の構成を示す模式図である。なお、図3以降の各模式図では、排気風路4および給気風路5を、熱交換形換気装置10内の排気流2および給気流3の流れ(黒矢印)と兼用して表記している。
本実施の形態1に係る除湿機能付き熱交換形換気装置50は、図3に示すように、前提例に係る熱交換形換気装置10に対して、除湿機能を付与する手段としての除湿装置30を連結した構成を有している。
除湿装置30は、熱交換形換気装置10での熱交換後の給気流3の除湿を行うためのユニットである。除湿装置30は、圧縮機31と放熱器32と膨張器33と吸熱器34とを含んで構成される冷凍サイクルと、熱交換器35と、を備えている。そして、本実施の形態の冷凍サイクルは、圧縮機31と放熱器32と膨張器33と吸熱器34とをこの順序で環状に連結して構成されている。冷凍サイクルには、例えば、冷媒として代替フロン(HFC134a)が利用される。また、冷凍サイクルを構成する各機器の連結には、銅管がよく用いられ、溶接方式で連結される。
圧縮機31は、冷凍サイクルにおける低温・低圧の冷媒ガス(作動媒体ガス)を圧縮し、圧力を高めて高温化する機器である。本実施の形態では、圧縮機31は、冷媒ガスの温度を45℃程度にまで高温化している。
放熱器32は、圧縮機31によって高温・高圧となった冷媒ガスと空気(排気流2)との間で熱交換することによって、熱を外部(冷凍サイクル外)に放出させる機器である。このとき、冷媒ガスは、高圧下で凝縮されて液化する。放熱器32では、導入される冷媒ガスの温度(45℃程度)が空気の温度より高いため、熱交換すると、空気は昇温され、冷媒ガスは冷却される。なお、放熱器32は、凝縮器ともいう。
膨張器33は、放熱器32によって液化した高圧の冷媒を減圧して元の低温・低圧の液体とする機器である。なお、膨張器33は、膨張弁ともいう。
吸熱器34は、膨張器33を流通した冷媒が空気から熱を奪って蒸発し、液状の冷媒を低温・低圧の冷媒ガスとする機器である。吸熱器34では、導入される冷媒の温度が空気の温度より低いため、熱交換すると、空気が冷却され、冷媒が昇温される。なお、吸熱器34は、蒸発器ともいう。
熱交換器35は、顕熱型の熱交換素子を備えた熱交換器である。熱交換器35は、従来の除湿装置100における熱交換器111(図9参照)と同様、吸熱器34と放熱器32との間の空間に配置されている。熱交換器35の内部には、所定の方向に空気が流れる第一流路36と、この第一流路36と略直交する方向に空気が流れる第二流路37と、を備える。第一流路36は、吸熱器34から導入される空気を、放熱器32を流通させることなく、給気風路5に導出する流路である。第二流路37は、熱交換形換気装置10から導入された空気を、放熱器32を流通させることなく、給気風路5に導出する流路である。そして、熱交換器35は、第一流路36を流れる空気と第二流路37を流れる空気との間で顕熱のみ交換する。
次に、熱交換形換気装置10と除湿装置30との間での気流(排気流2、給気流3)の流れについて図3を参照して説明する。なお、以下の説明では、熱交換後の気流(排気流2、給気流3)または風路(排気風路4、給気風路5)は、熱交換形換気装置10における熱交換素子12を通過した後の気流または風路を示し、熱交換前の気流または風路は、熱交換素子12を通過する前の気流をまたは風路を示すものとする。
図3に示すように、熱交換形換気装置10には、熱交換後の排気風路4に切替ダンパ40が設置され、熱交換後の給気風路5に切替ダンパ41が設置されている。切替ダンパ40は、排気風路4を流通する排気流2を屋外に流す状態と、排気風路4を流通する排気流2を除湿装置30に流す状態とを切り替えるためのダンパである。また、切替ダンパ41は、給気風路5を流通する給気流3を屋内に流す状態と、給気風路5を流通する給気流3を除湿装置30に流す状態とを切り替えるためのダンパである。
除湿機能付き熱交換形換気装置50では、各切替ダンパによって除湿装置30に気流が流れる状態とすることで、熱交換後の給気流3に対して除湿が実行される。除湿の詳細については後述する。なお、除湿の必要がない冬季などの場合には、各切替ダンパによって除湿装置30に気流が流れない状態とすることで、除湿装置30に起因した圧力損失の上昇が抑制され、除湿機能付き熱交換形換気装置50として、年間を通じての省エネルギーでの運転を実現することができる。
また、図3に示すように、除湿装置30には、内部に導入される熱交換後の給気流3を、2つの気流(第一給気流3a、第二給気流3b)に分割する分岐ダンパ42が設置されている。第一給気流3aは、吸熱器34に導入され、第一流路36を流通する気流であり、第二給気流3bは、熱交換器35に導入され、第二流路37を流通する気流である。分岐ダンパ42は、第一給気流3aの風量と第二給気流3bの風量の比率を可変に構成されている。つまり、分岐ダンパ42は、ダンパの角度(熱交換後の給気流3の分岐割合)を調整することによって、第二給気流3bに対する第一給気流3aの割合を容易に増減させることが可能となっている。ここで、第一給気流3aは、請求項の「除湿装置に導入された給気流の一部分」に相当し、第二給気流3bは、請求項の「除湿装置に導入された給気流の他の部分」に相当する。
除湿装置30では、分割された給気流3のうち第一給気流3aは、吸熱器34、熱交換器35の第一流路36の順に流通した後に、放熱器32を流通することなく、熱交換形換気装置10における熱交換後の給気風路5に導出される。一方、第二給気流3bは、熱交換器35の第二流路37を流通した後に、放熱器32を流通することなく、熱交換後の給気風路5に導出される。本実施の形態では、除湿装置30は、熱交換器35を流通した第一給気流3aと熱交換器35を流通した第二給気流3bとを合流させた後に、熱交換後の給気風路5に導出するように構成されている。これにより、室内に送風される給気流3としての温度調整がなされる。室内に送風される給気流3の温度調整方法については後述する。
一方、除湿装置30に導入された排気流2は、放熱器32を流通した後に、熱交換形換気装置10における熱交換後の排気風路4に導出される。つまり、本実施の形態では、除湿装置30は、熱交換形換気装置10から導入される排気流2によって放熱器32が冷却されるように構成されている。
次に、本実施の形態1に係る除湿機能付き熱交換形換気装置50の除湿の動作について説明する。
まず、除湿機能付き熱交換形換気装置50を運転することによって、排気ファン13と給気ファン16が駆動し、熱交換形換気装置10の内部には、排気風路4を流通する排気流2と、給気風路5を流通する給気流3とが生じる。
例えば、夏季において、排気流2は、エアコンなどによって快適な温度湿度に空調された屋内の空気であり、給気流3は、高温多湿の屋外の空気である。
排気流2と給気流3とは、熱交換形換気装置10の内部で顕熱と潜熱が交換される。この際、高温多湿の給気流3から排気流2に水分が移動するため、給気流3の水分が除去される。つまり、熱交換形換気装置10の内部での全熱交換によって、給気流3に対する除湿(第一除湿)がなされる。
次に、熱交換後の給気流3は、除湿装置30に導入されて除湿される。具体的には、除湿装置30に導入された給気流3のうち第一給気流3aは、吸熱器34によって冷却される。これにより、第一給気流3aの温度が露点温度以下となり、第一給気流3aが結露するので、第一給気流3aの水分が除去される。つまり、吸熱器34を流通することによって、第一給気流3aに対する除湿(第二除湿)がなされる。
加えて、除湿装置30に導入された給気流3のうち残りの第二給気流3bは、熱交換器35の第二流路37に流入し、第一流路36内の吸熱器34で冷却された第一給気流3aと熱交換される。これにより、第二流路37内の第二給気流3bが冷却されて結露するので、第二給気流3bの水分が除去される。つまり、熱交換器35で顕熱交換することによって、第二給気流3bに対する除湿(第三除湿)がなされる。
つまり、除湿機能付き熱交換形換気装置50は、熱交換形換気装置10と吸熱器34と熱交換器35との各機器による除湿(第一除湿~第三除湿)によって、屋外の高温多湿の給気流3から水分を除去し、その際、必要な除湿量を確保している。
さらに、除湿機能付き熱交換形換気装置50における除湿装置30は、熱交換形換気装置10の排気風路4から排気流2を導入し、導入された排気流2が放熱器32を流通する構成となっている。放熱器32では、導入された排気流2によって、吸熱器34において吸熱されるエネルギーと、圧縮機31において冷凍サイクル内の冷媒を循環させるためのエネルギーとに相当する熱量が排熱され、放熱器32から熱を奪った排気流2は排気風路4に導出されてそのまま屋外に排出される。つまり、放熱器32は、導入された排気流2によって冷却される。そして、給気流3(第一給気流3a、第二給気流3b)は、放熱器32を流通することなく給気風路5に導出されるので、除湿処理に起因した給気流3(第一給気流3aと第二給気流3bの混合気流)の温度上昇が生じることはない。
次に、本実施の形態1に係る除湿機能付き熱交換形換気装置50における給気流3の温度調整方法について説明する。
除湿機能付き熱交換形換気装置50には、図3に示すように、分岐ダンパ42の分岐割合の制御に関連して、熱交換前の排気流2の空気温度を検出する第一温度センサ45と、除湿装置30の熱交換器35を流通して合流した後の給気流3(第一給気流3aと第二給気流3bの混合気流)の空気温度を検出する第二温度センサ46と、分岐ダンパ42を制御する制御部(図示せず)と、を有する。
制御部は、第一温度センサ45によって検出した温度に基づいて、分岐ダンパ42の分岐割合を調整させ、第二温度センサ46によって検出される温度が所定の温度範囲となるように分岐ダンパ42を制御する。具体的には、制御部は、第一温度センサ45での温度と比べて、第二温度センサ46での温度が高い場合には、第二給気流3bの風量に対する第一給気流3aの風量を増加させ、除湿後の給気流3の温度を下降させる。一方、制御部は、第一温度センサ45での温度と比べて、第二温度センサ46での温度が低い場合には、第二給気流3bの風量に対する第一給気流3aの風量を減少させ、給気流3の温度を上昇させる。これにより、除湿機能付き熱交換形換気装置50では、第一温度センサ45(屋内から吸い込んだ熱交換前の排気流2)と同等の温度となる給気流3を給気することが可能となる。
本実施の形態1に係る除湿機能付き熱交換形換気装置50によれば、除湿装置30における放熱器32の冷却(排熱)に必要なエネルギーを、熱交換形換気装置10からの排気流2(除湿を必要する夏季において、給気流3よりも温度が低い排気流2)によって得ることができるため、除湿後の空気(給気流)を放熱器に対して流通させることなく室内に吹き出すことができる。つまり、冷凍サイクルと熱交換器35とを組み合わせた除湿装置30を適用した場合でも、除湿に伴って生じる温度上昇が抑制された給気流を送風することができる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る除湿機能付き熱交換形換気装置50aは、除湿装置30aにおける放熱器32に対して水を吹き付ける水吹付部38が構成されている点で実施の形態1と異なる。これ以外の除湿機能付き熱交換形換気装置50aの構成は、実施の形態1に係る除湿機能付き熱交換形換気装置50と同様である。以下、実施の形態1で説明済みの内容は再度の説明を適宜省略し、実施の形態1と異なる点を主に説明する。
本発明の実施の形態2に係る除湿機能付き熱交換形換気装置50aについて、図4を参照して説明する。図4は、本発明の実施の形態2に係る除湿機能付き熱交換形換気装置の構成を示す模式図である。
図4に示すように、除湿機能付き熱交換形換気装置50aにおける除湿装置30aには、放熱器32に対して水を吹き付ける水吹付部38と、水吹付部38に対して水を供給するとともに、放熱器32に吹き付けた際に生じる余剰水を排水するための給排水管39と、が設けられている。
除湿装置30aでは、冷凍サイクルを構成する放熱器32は全体が排気風路4内に配置され、それ以外の各機器(圧縮機31、膨張器33、吸熱器34、熱交換器35)は排気風路4外に配置される。
水吹付部38は、水ノズルを有し、排気風路4内において水ノズルから放熱器32に対して水を霧状に噴霧する。噴霧された水は、放熱器32を構成する放熱パイプ等の表面に付着し、放熱器32の熱によって気化する。そして、気化した水は、放熱器32を流通する排気流2によって排気風路4に導出されてそのまま屋外に排出される。
給排水管39は、一方の端部が電磁弁等の開閉手段を介して水吹付部38と接続されるとともに、他方の端部が住宅施設の給水設備および排水設備に接続される。そして、給排水管39は、水吹付部38に対して水を供給するとともに、放熱器32に吹き付けた際に生じる余剰水を排水する。
除湿装置30aに導入された排気流2は、水吹付部38によって水が吹き付けられた状態の放熱器32を流通した後に、熱交換形換気装置10における熱交換後の排気風路4に導出されてそのまま屋外に排出される。つまり、本実施の形態では、除湿装置30aは、熱交換形換気装置10から導入される排気流2の空気熱と、吹き付けられた水の気化熱とによって放熱器32が冷却されるように構成されている。
本実施の形態2に係る除湿機能付き熱交換形換気装置50aによれば、除湿装置30aにおける放熱器32の冷却(排熱)に必要なエネルギーを、熱交換形換気装置10からの排気流2の空気熱と、水吹付部38によって吹き付けられた水の気化熱とによって得ることができるため、放熱器32を効果的に冷却することができ、除湿後の空気(給気流3)を放熱器32に対して流通させることなく室内に吹き出すことができる。つまり、冷凍サイクルと熱交換器35とを組み合わせた除湿装置30aを適用した場合でも、除湿に伴って生じる温度上昇が抑制された給気流3を送風することができる。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3に係る除湿機能付き熱交換形換気装置50bは、熱交換形換気装置10における熱交換後の給気流3に対して加湿を行う液体微細化装置60が搭載されている点、及び液体微細化装置60に対して外部から水を供給する第一状態と、除湿装置30aに対して外部から水を導入する第二状態とに切り替える水路切替部44とを有して構成されている点で実施の形態2と異なる。これ以外の除湿機能付き熱交換形換気装置50bの構成は、実施の形態2に係る除湿機能付き熱交換形換気装置50aと同様である。以下、実施の形態2で説明済みの内容は再度の説明を適宜省略し、実施の形態2と異なる点を主に説明する。なお、本発明の実施の形態3に係る除湿機能付き熱交換形換気装置50bは、液体微細化装置60を搭載しており、当初の除湿機能に加え、加湿機能も備えるので、調湿機能付き熱交換形換気装置または除加湿機能付き熱交換形換気装置とも言える。
本発明の実施の形態3に係る除湿機能付き熱交換形換気装置50bについて、図5を参照して説明する。図5は、本発明の実施の形態3に係る除湿機能付き熱交換形換気装置の構成を示す模式図である。
図5に示すように、除湿機能付き熱交換形換気装置50bには、熱交換形換気装置10における熱交換後の給気流3に対して加湿を行う液体微細化装置60が搭載されている。
そして、熱交換形換気装置10には、熱交換後の給気風路5に切替ダンパ43が設置されている。切替ダンパ43は、給気風路5を流通する給気流3を屋内に流す状態と、給気風路5を流通する給気流3を液体微細化装置60に流す状態とを切り替えるためのダンパである。なお、除湿装置30aを流通した給気流3は、切替ダンパ43よりも上流側(熱交換素子12側)において給気風路5に導出されるように構成されている。
除湿機能付き熱交換形換気装置50bでは、切替ダンパ43によって液体微細化装置60に気流が流れる状態とすることで、熱交換後の給気流3に対して加湿が実行される。加湿の詳細については後述する。なお、加湿の必要がない夏季などの場合には、切替ダンパ43によって液体微細化装置60に気流が流れない状態とすることで、液体微細化装置60に起因した圧力損失の上昇が抑制され、除湿機能付き熱交換形換気装置50bとして、年間を通じての省エネルギーでの運転を実現することができる。
さらに、除湿機能付き熱交換形換気装置50bには、液体微細化装置60に対して外部から水を導入する第一状態と、除湿装置30aに対して外部から水を導入する第二状態とに切り替えるための水路切替部44が設けられている。水路切替部44は、第一状態において液体微細化装置60と給排水管39とを第一通水路44aを介して連通し、第二状態において除湿装置30aと給排水管39とを第二通水路44bを介して連通するように構成されている。そして、水路切替部44は、熱交換後の給気流3に対して加湿処理を行う場合に第一状態に切り替え、熱交換後の給気流3に対して除湿処理を行う場合に第二状態に切り替えられる。
次に、液体微細化装置60について図6を参照して説明する。図6は、本発明の実施の形態3に係る除湿機能付き熱交換形換気装置における液体微細化装置の構成を示す模式図である。
図6に示すように、液体微細化装置60は、吸込口62と、吹出口63と、内筒64と、外筒68と、水受け部71と、を備えている。
吸込口62は、液体微細化装置60の内部に空気を吸い込むための開口であり、液体微細化装置60の側面に設けられている。また、吸込口62は、ダクトが接続可能な形状(例えば、円筒形状)であり、切替ダンパ43を介して熱交換後の給気風路5と接続されている(図5参照)。
吹出口63は、液体微細化装置60の内部を通過した空気を吹き出すための開口であり、液体微細化装置60の上面に設けられている。また、吹出口63は、内筒64と外筒68とによって仕切られる領域(内筒64と外筒68との間の領域)に形成されている。そして、吹出口63は、液体微細化装置60の上面部における内筒64の周囲に設けられる。さらに、吹出口63は、吸込口62よりも上方に位置するように設けられている。また、吹出口63は、筒状のダクトが接続可能な形状であり、熱交換後の給気風路5と接続されている(図5参照)。
そして、吸込口62から吸い込まれた空気は、後述する液体微細化手段77によって、加湿された空気となって吹出口63から吹き出される。
内筒64は、液体微細化装置60の内部の中央付近に配置される。また、内筒64は、略鉛直方向下方に向けて開口した通風口67を有し、中空円筒形状に形成されている。
外筒68は、円筒形状に形成され、内筒64を内包するように配置されている。また、外筒68の側壁68aには、後述する貯水部70に水を供給するための給水口72が設けられている。そして、給水口72は、第一通水路44aを介して給排水管39と接続されている。なお、給水口72は、貯水部70の上面(貯水部70に貯水され得る最大水位の面:水面80)よりも鉛直方向上方の位置に設けられている。
水受け部71は、液体微細化装置60の底部全面に亘って設けられている。水受け部71は、例えば、装置に異常が生じて水漏れが発生した際に、装置から漏れた水を一時的に溜めることができる。
次に、液体微細化装置60の内部構造について説明する。
図6に示すように、液体微細化装置60は、その内部に、吸込連通風路65と、内筒風路66と、外筒風路69と、貯水部70と、液体微細化手段77と、水受け部71と、を有する。
吸込連通風路65は、吸込口62と内筒64(内筒風路66)とを連通するダクト形状の風路であり、吸込口62から吸い込まれた空気は、吸込連通風路65を介して内筒64の内部に至る構成となっている。
内筒風路66は、内筒64の内側に設けられた風路であり、内筒64の下端に設けられた開口(通風口67)を介して、内筒64の外側に設けられた外筒風路69(図6の破線矢符で示す風路)と連通している。内筒風路66には、風路内に液体微細化手段77が配置されている。
外筒風路69は、内筒64と外筒68との間に形成された風路であり、吹出口63と連通している。
貯水部70は、液体微細化装置60の下部(内筒64の下部)に設けられ、水を貯留する。貯水部70は、略すり鉢形状に形成されて、貯水部70の側壁は、外筒68の下端と接続されて一体化している。そして、貯水部70は、外筒68の側壁68aに設けられた給水口72から水が供給され、貯水部70の底面に設けられた排水口73から水が排出される構造となっている。ここで、排水口73は、給水口72と同様、別の第一通水路44aを介して給排水管39と接続されている。なお、排水口73は、貯水部70底面の最も低い位置に設けられていることが好ましい。
液体微細化手段77は、液体微細化装置60の主要部であり、水の微細化を行うところである。具体的には、液体微細化手段77は、揚水管(吸上管)74と、回転板75と、モータ76と、を有する。また、液体微細化手段77は、内筒64の内側すなわち内筒64に覆われる位置に設けられている。
揚水管74は、回転により貯水部70から水を吸い上げる。また、揚水管74は中空の円錐台形状に形成され、直径の小さい側の先端が貯水部70に貯水された水の水面80以下になるように設けられている。
回転板75は、中央が開口したドーナツ状の円板形状に形成され、揚水管74の直径の大きい側、言い換えれば揚水管74の上部の周囲に配置されている。揚水管74の直径の大きい側には、その側面に複数の開口(図示せず)が設けられており、吸い上げた水が開口を通過して回転板75に供給されるようになっている。そして、回転板75は、揚水管74により吸い上げられた水を回転面方向に放出する。
モータ76は、揚水管74および回転板75を回転させる。
水受け部71は、貯水部70の鉛直方向下方において、液体微細化装置60の底部全面に亘って設けられている。
次に、図6を用いて液体微細化装置の動作について説明する。
初めに、図示しない給水設備と接続された給排水管39より水が給水口72から貯水部70に供給され、貯水部70に水が貯水される。そして、吸込口62から液体微細化装置60の内部に吸い込まれた空気(熱交換後の給気流3)は、吸込連通風路65、内筒風路66、液体微細化手段77、外筒風路69の順に通過し、吹出口63から外部(例えば、室内)に向けて吹き出される。このとき、液体微細化手段77によって発生した水滴と、内筒風路66を通過する空気とが接触し、水滴が気化することにより空気を加湿することができる。また、貯水部70に貯水された水は、所定時間が経過したのち排水口73から装置外に排出される。
その詳細な動作を説明する。
吸込口62から吸込連通風路65を通過して内筒風路66の内筒に取り込まれた空気は、液体微細化手段77を通過する。揚水管74および回転板75がモータ76の動作により回転すると、回転により貯水部70に貯水された水が揚水管74の内壁面を伝って上昇する。上昇した水は、回転板75の表面を伝って引き伸ばされ、回転板75の外周端から回転面方向に向かって微細な水滴として放出される。放出された水滴は内筒64の内壁面に衝突して破砕され、さらに微細な水滴となる。この回転板75から放出された水滴と、内筒64の内壁面に衝突し破砕された水滴とが内筒64を通過する空気と接触し、水滴が気化して空気の加湿が行われる。なお、発生した水滴の一部は気化しないが、液体微細化手段77を内筒64で覆われるように配置しているので、気化しなかった水滴は内筒64の内側表面に付着して貯水部70に落下する。
そして、水滴を含んだ空気(加湿された空気)は、内筒64の下端に設けられた通風口67から、下方に設けられた貯水部70に向けて吹き出される。そして、内筒64と外筒68との間に形成された外筒風路69に向かって流れる。ここで、外筒風路69内を通過する空気は鉛直方向上方に向かって送風されるため、内筒風路66内を下方に流れる空気と送風方向が対向する向きに変わることとなる。
このとき、通風口67から空気とともに吹き出された水滴はその慣性により空気の流れに追従できず、貯水部70の水面80もしくは外筒68の内側壁面に付着する。この作用は水滴の重量が大きいほど作用が大きく、すなわち、気化しにくい直径の大きな水滴ほど作用が大きいため、これにより大粒の水滴を流れる空気から分離することができる。
そして、内筒風路66から通風口67を介して外筒風路69に流入した空気は、外筒風路69を通って上向きに流れる。そして、吹出口63から外部に吹き出される。このとき、水滴の一部は重力により貯水部70へ落下する、もしくは、内筒64の外壁あるいは外筒68の内壁に付着する。そして、内筒64の外壁や外筒68の内壁に付着した水滴は、内筒64の外側壁面や外筒68の内側壁面を伝って貯水部70へ落下する。
以上述べたようにして、液体微細化装置60は、液体微細化手段77によって空気(熱交換後の給気流3)を加湿することができる。
本実施の形態3に係る除湿機能付き熱交換形換気装置50bによれば、除湿機能付き熱交換形換気装置50aと同様、放熱器32を効果的に冷却することができ、除湿後の空気(給気流3)を放熱器32に対して流通させることなく室内に吹き出すことができる。また、除湿機能付き熱交換形換気装置50bでは、加湿のために液体微細化装置60に導入される外部からの水を、水路切替部44によって容易に除湿装置30aに導入するように切り替えることができる。つまり、加湿機能付き熱交換形換気装置に対して除湿装置30aを適用する場合には、外部からの水の供給を液体微細化装置60と共通化することができるので、除湿装置30aにおける水吹付部38による放熱器32への水の吹き付け処理を低コストで実現することができる。
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4に係る除湿機能付き熱交換形換気装置50dは、除湿装置30における放熱器32に対して給気流3(熱交換前の給気流3)を流通させる送風装置90が構成されている点で実施の形態1と異なる。これ以外の除湿機能付き熱交換形換気装置50cの構成は、実施の形態1に係る除湿機能付き熱交換形換気装置50と同様である。以下、実施の形態1で説明済みの内容は再度の説明を適宜省略し、実施の形態1と異なる点を主に説明する。
本発明の実施の形態4に係る除湿機能付き熱交換形換気装置50cについて、図7を参照して説明する。図7は、本発明の実施の形態4に係る除湿機能付き熱交換形換気装置の構成を示す模式図である。
図7に示すように、除湿機能付き熱交換形換気装置50cには、除湿装置30の放熱器32に対して給気流3(熱交換前の給気流3)を流通させる送風装置90が搭載されている。
送風装置90は、熱交換形換気装置10の熱交換前の給気風路5から切替ダンパ47によって分岐された給気流3の一部(第三給気流3c)を吸い込み、除湿装置30の放熱器32を流通させた後に、熱交換前の給気風路5に導出するための送風機である。
切替ダンパ47は、給気風路5を流通する給気流3の全量を熱交換形換気装置10側に流す状態と、給気風路5を流通する給気流3の一部を送風装置90側に流す状態とを切り替えるためのダンパである。
本実施の形態では、除湿装置30は、熱交換形換気装置10から導入される排気流2の空気熱と、送風装置90から導入される第三給気流3cの空気熱とによって放熱器32が冷却されるように構成されている。
本実施の形態4に係る除湿機能付き熱交換形換気装置50cによれば、除湿装置30における放熱器32の冷却(排熱)に必要なエネルギーを、熱交換形換気装置10からの排気流2の空気熱と、送風装置90から導入される第三給気流3cの空気熱とによって得ることができるため、放熱器32を効果的に冷却することができ、除湿後の空気(給気流3)を放熱器32に対して流通させることなく室内に吹き出すことができる。つまり、冷凍サイクルと熱交換器35とを組み合わせた除湿装置30を適用した場合でも、除湿に伴って生じる温度上昇が抑制された給気流3を送風することができる。
(実施の形態5)
本発明の実施の形態5に係る除湿機能付き熱交換形換気装置50dは、除湿装置30における放熱器32に対して屋外の空気(送風気流6)を流通させる送風装置90aが構成されている点で実施の形態1と異なる。これ以外の除湿機能付き熱交換形換気装置50dの構成は、実施の形態1に係る除湿機能付き熱交換形換気装置50と同様である。以下、実施の形態1で説明済みの内容は再度の説明を適宜省略し、実施の形態1と異なる点を主に説明する。
本発明の実施の形態5に係る除湿機能付き熱交換形換気装置50dについて、図8を参照して説明する。図8は、本発明の実施の形態5に係る除湿機能付き熱交換形換気装置の構成を示す模式図である。
図8に示すように、除湿機能付き熱交換形換気装置50dには、除湿装置30の放熱器32に対して屋外の空気(送風気流6)を流通させる送風装置90aが搭載されている。
送風装置90aは、熱交換形換気装置10とは別に設けた外気口(図示せず)から屋外の空気(送風気流6)を吸い込み、除湿装置30の放熱器32を流通させた後に、熱交換後の排気風路4に導出するための送風機である。
本実施の形態では、除湿装置30は、熱交換形換気装置10から導入される排気流2の空気熱と、送風装置90aから導入される送風気流6の空気熱とによって放熱器32が冷却されるように構成されている。なお、送風装置90aは、熱交換形換気装置10とは別に設けた外気口(図示せず)から屋外の空気(送風気流6)を吸い込むので、実施の形態4の送風装置90とは異なり、熱交換形換気装置10とは独立して送風気流6の風量制御を行うことが可能となっている。
本実施の形態5に係る除湿機能付き熱交換形換気装置50dによれば、除湿装置30における放熱器32の冷却(排熱)に必要なエネルギーを、熱交換形換気装置10からの排気流2の空気熱と、送風装置90aから導入される送風気流6の空気熱とによって得ることができるため、放熱器32を効果的に冷却することができ、除湿後の空気(給気流3)を放熱器32に対して流通させることなく室内に吹き出すことができる。つまり、冷凍サイクルと熱交換器35とを組み合わせた除湿装置30を適用した場合でも、除湿に伴って生じる温度上昇が抑制された給気流3を送風することができる。
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、上記実施の形態で挙げた数値は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。
また、本実施の形態1~5に係る除湿機能付き熱交換形換気装置50、50a~50dでは、熱交換器35として、顕熱型の熱交換素子を用いたが、顕熱型の熱交換素子としては、熱交換素子の第一流路36と第二流路37を構成する部材が撥水性(疎水性)を有することが好ましい。撥水性(疎水性)を有する部材としては、例えば、ポリプロピレン、ポリスチレン等の樹脂部材が用いられる。このようにすることで、熱交換素子の内部で発生した結露水が、熱交換素子の外部に流れ出やすくなるので、結露水に起因した熱交換器35の熱交換効率の低下を招くことなく、除湿することが可能となる。
また、本実施の形態4に係る除湿機能付き熱交換形換気装置50bでは、除湿装置30aとして、除湿処理のみが可能が冷凍サイクルを構成していたが、これに限られない。例えば、四方弁(可逆弁)を用いて除湿装置の冷凍サイクルの構成を切り替え、放熱器(凝縮器)と吸熱器(蒸発器)の機能を反転させるようにしてもよい。このように構成することで、除湿装置は、装置内に導入される空気を除湿することが可能な冷房モードと、装置内に導入される空気を加熱することが可能な暖房モードと、に切り替えることが可能となる。つまり、冬季における加湿時には、暖房モードの除湿装置を流通させることによって、液体微細化装置60に導入される空気(熱交換後の給気流3)の温度を上昇させることができる。このため、熱交換後の給気流3に対する加湿量を増加させることができる。また、乾燥した冬季(除湿ニーズなし)の条件下において、室内へ温風を吹き出すことができるため、暖房(空調・床暖房)の負荷を低減することも可能となる。