上記目的を達成するために、この発明の一の局面における表示装置は、所定の機能を有するとともに、第1トランジスタを含む第1領域と、第1領域に設けられるとともに、第1トランジスタに対応する領域に配置され、第1電位が与えられる第1遮光膜と、所定の機能を有するとともに、第2トランジスタを含む第2領域と、第2領域に設けられるとともに、第2トランジスタに対応する領域に配置され、第2電位が与えられる第2遮光膜とを備え、第1電位は、第1トランジスタのゲート電極に供給される正側電位と負側電位との中間の電位であり、第2電位は、第2トランジスタのゲート電極に供給される正側電位と負側電位との中間の電位である。
この一の局面による表示装置では、上記のように、第1トランジスタに対応する領域に配置された第1遮光膜に第1電位を与えるとともに、第2トランジスタに対応する領域に配置された第2遮光膜に第2電位を与えることによって、第1および第2遮光膜の電位をそれぞれ第1および第2電位に固定することができる。これにより、第1および第2遮光膜の電位が変動しないので、第1および第2遮光膜の電位の変動に伴う第1および第2トランジスタのしきい値電圧の変動を抑制することができる。このため、第1および第2トランジスタの動作を安定させることができる。また、第1領域に設けられた第1遮光膜に第1電位を与えるとともに、第2領域に設けられた第2遮光膜に第2電位を与えることによって、それぞれ所定の機能を有する第1および第2領域に設けられた第1遮光膜と第2遮光膜とに個別に電位を与えることができる。これにより、たとえば、第1および第2トランジスタのオフ状態において、第1および第2トランジスタのドレイン領域にそれぞれ異なる電位が印加されることに起因して、第1領域に含まれる第1トランジスタのチャネル領域の電位と、第2領域に含まれる第2トランジスタのチャネル領域の電位とが異なる値になった場合に、第1トランジスタのチャネル領域の電位に応じて第1遮光膜に与える第1電位を調節することにより、第1遮光膜と第1トランジスタのチャネル領域との間の電位差が第1トランジスタのしきい値電圧を超えないようにすることができる。また、第2トランジスタのチャネル領域の電位に応じて第2遮光膜に与える第2電位を調節することにより、第2遮光膜と第2トランジスタのチャネル領域との間の電位差が第2トランジスタのしきい値電圧を超えないようにすることができる。このため、第1および第2遮光膜にそれぞれ第1電位および第2電位を与えた場合にも、オフ時に第1トランジスタおよび第2トランジスタがオン状態になるのを抑制することができるので、表示装置の動作不良を抑制することができる。また、所定の機能を有する第1領域に第1電位が与えられる第1遮光膜を設けるとともに、所定の機能を有する第2領域に第2電位が与えられる第2遮光膜を設けることによって、トランジスタ毎に遮光膜を設けるとともに、その遮光膜毎に所定の電位を個別に与える場合に比べて、遮光膜に電位を与える配線などの数を減少させることができるので、その分、スペースが増大するのを抑制することができる。これにより、表示装置が大型化するのを抑制することができる。
また、第1電位は、第1トランジスタのゲート電極に供給される正側電位と負側電位との中間の電位であり、第2電位は、第2トランジスタのゲート電極に供給される正側電位と負側電位との中間の電位である。なお、上記の正側電位は、信号ラインに印加される高い電位を意味するとともに、負側電位は、信号ラインに印加される低い電位を意味する。また、上記の中間の電位には、正側電位と負側電位との実質的に中間の電位も含まれる。これにより、第1および第2トランジスタがpチャネルトランジスタまたはnチャネルトランジスタのどちらである場合にも、容易に、第1電位が与えられる第1遮光膜と第1トランジスタのチャネル領域との間の電位差を第1トランジスタのオフ領域の電圧範囲内に制御することができるとともに、第2電位が印加された第2遮光膜と第2トランジスタのチャネル領域との間の電位差を第2トランジスタのオフ領域の電圧範囲内に制御することができる。これにより、第1および第2トランジスタが、pチャネルトランジスタおよびnチャネルトランジスタのどちらである場合にも、容易に、オフ時に第1および第2トランジスタがオンするのを抑制することができる。また、第1および第2電位をそれぞれ第1および第2トランジスタのゲート電極に供給される正側電位と負側電位との実質的に中間の電位にすることによって、第1および第2トランジスタのゲート電極にそれぞれ供給される正側電位と負側電位とを用いて、容易に、第1および第2電位を生成することができる。
上記一の局面による表示装置において、好ましくは、第1トランジスタを含む第1領域は、所定の機能を有する第1回路部を含み、第2トランジスタを含む第2領域は、所定の機能を有する第2回路部を含む。このように構成すれば、所定の機能を有する第1回路部に第1トランジスタが設けられ、かつ、所定の機能を有する第2回路部に第2トランジスタが設けられた表示装置において、容易に、それぞれ所定の機能を有する第1回路部および第2回路部に設けられた第1遮光膜と第2遮光膜とに個別に電位を与えることができる。
この場合、好ましくは、第1回路部は、第1トランジスタを有する画素部を含み、第2回路部は、画素部を含む表示部の周辺に設けられ、第2トランジスタを有する周辺回路部を含み、第1遮光膜は、画素部に含まれる第1トランジスタの下方に配置された画素部遮光膜を含み、第2遮光膜は、周辺回路部に含まれる第2トランジスタの下方に配置された周辺回路部遮光膜を含む。このように構成すれば、たとえば、第1および第2トランジスタのオフ状態において、第1および第2トランジスタのドレイン領域にそれぞれ異なる電位が印加されることに起因して、画素部に含まれる第1トランジスタのチャネル領域の電位と、周辺回路部に含まれる第2トランジスタのチャネル領域の電位とが異なる値になった場合に、第1トランジスタのチャネル領域の電位に応じて画素部遮光膜に与える第1電位を調節することにより、画素部遮光膜と第1トランジスタのチャネル領域との間の電位差が第1トランジスタのしきい値電圧を超えないようにすることができる。また、第2トランジスタのチャネル領域の電位に応じて周辺回路部遮光膜に与える第2電位を調節することにより、周辺回路部遮光膜と第2トランジスタのチャネル領域との間の電位差が第2トランジスタのしきい値電圧を超えないようにすることができる。これにより、画素部および周辺回路部において、画素部遮光膜および周辺回路部遮光膜にそれぞれ第1および第2電位を与えた場合にも、オフ時に第1および第2トランジスタがオン状態になるのを抑制することができる。
上記第1回路部が画素部を含む構成において、好ましくは、画素部は、複数の第1トランジスタを含み、画素部の複数の第1トランジスタの少なくとも1つは、スイッチング素子として機能し、画素部遮光膜は、少なくともスイッチング素子として機能する第1トランジスタの下方を覆うように配置されている。このように構成すれば、たとえば、スイッチング素子として機能する第1トランジスタの下方のみを覆うように画素部遮光膜を配置することによって、スイッチング素子として機能する第1トランジスタおよびスイッチング素子として機能しない第1トランジスタの各々の下方に画素部遮光膜を別個に配置する場合に比べて、画素部遮光膜に電位を供給するための配線の引き回しが複雑になるのを抑制することができる。また、映像信号の画素部への供給は、スイッチング素子として機能する第1トランジスタにより制御されるので、スイッチング素子として機能する第1トランジスタの下方に画素部遮光膜を配置すれば、光照射によるリーク電流の発生に起因して、画素部に供給される映像信号の信号電位が変化するという不都合が生じるのを抑制することができる。なお、スイッチング素子として機能する第1トランジスタの能動層としての結晶層を形成する際に、レーザ光を用いて結晶層の結晶化を行う場合に、レーザ光が画素部遮光膜で反射することにより結晶層(能動層)の結晶性がばらついたとしても、スイッチング素子として機能する第1トランジスタの特性は、結晶層(能動層)の結晶性に依存しにくいので、スイッチング素子として機能する第1トランジスタの特性のばらつきを抑制することができる。したがって、スイッチング素子として機能する第1トランジスタの下方のみを覆うように画素部遮光膜を配置すれば、画素部遮光膜に電位を供給するための配線の引き回しが複雑になるのを抑制しながら、映像信号の信号電位に応じた階調以外の階調で画像が表示されるのを抑制することができる。
上記第2回路部が周辺回路部を含む構成において、好ましくは、周辺回路部は、少なくともpチャネルトランジスタを含み、周辺回路部遮光膜は、少なくともpチャネルトランジスタの下方に配置されている。このように構成すれば、たとえば、周辺回路部がnチャネルトランジスタとpチャネルトランジスタとを含む場合に、pチャネルトランジスタの下方のみを覆うように周辺回路部遮光膜を配置することによって、nチャネルトランジスタおよびpチャネルトランジスタの各々の下方に周辺回路部遮光膜を別個に配置する場合に比べて、周辺回路部遮光膜に電位を供給するための配線の引き回しが複雑になるのを抑制することができる。ここで、一般的に、nチャネルトランジスタは、pチャネルトランジスタに比べてキャリアの移動度が大きいことにより、pチャネルトランジスタのゲート幅よりも小さいゲート幅を有するように構成されている。これにより、nチャネルトランジスタは、ゲート幅が小さい分、能動層への光の入射による誤動作が起こりにくい。このため、nチャネルトランジスタの下方に周辺回路部遮光膜を配置しなかったとしても、周辺回路部の動作が不安定になりやすくなることがない。したがって、pチャネルトランジスタの下方のみを覆うように周辺回路部遮光膜を配置すれば、周辺回路部遮光膜に電位を供給するための配線の引き回しが複雑になるのを抑制しながら、周辺回路部の動作が不安定になるのを抑制することができる。
上記一の局面による表示装置において、好ましくは、第1の厚みを有する第1トランジスタの第1ゲート絶縁膜と、第1トランジスタと第1遮光膜との間に設けられ、第1ゲート絶縁膜の第1の厚みの3倍以上の第2の厚みを有する第1絶縁膜と、第3の厚みを有する第2トランジスタの第2ゲート絶縁膜と、第2トランジスタと第2遮光膜との間に設けられ、第2ゲート絶縁膜の第3の厚みの3倍以上の第4の厚みを有する第2絶縁膜とをさらに備える。このように構成すれば、第1遮光膜(第2遮光膜)が意図しないゲート電極として機能する場合に、ゲート絶縁膜として機能する第1絶縁膜(第2絶縁膜)が大きい厚みで形成されるので、第1遮光膜(第2遮光膜)に第1電位(第2電位)を印加した場合にも、第1トランジスタ(第2トランジスタ)のチャネル領域は第1遮光膜(第2遮光膜)の電位の影響を受けにくくなる。この場合、第1遮光膜(第2遮光膜)に印加する第1電位(第2電位)により第1トランジスタ(第2トランジスタ)のチャネル領域に与えられる実効的な電圧は、第1電位(第2電位)と同じ電位を第1トランジスタ(第2トランジスタ)のゲート電極に印加した場合にチャネル領域に与えられる電圧のほぼ1/3になる。これにより、第1遮光膜(第2遮光膜)に第1電位(第2電位)を印加したことに起因する第1トランジスタ(第2トランジスタ)のしきい値電圧の変化を低減することができる。
また、上記第1回路部が画素部を含む構成において、第1回路部は、第1トランジスタを有する画素部を複数含み、1つの画素部遮光膜によって、複数の画素部の各々の第1トランジスタの下方が覆われていてもよい。このように構成すれば、第1回路部において、複数の第1トランジスタに対して1つずつ画素部遮光膜を設けるとともに、その複数の画素部遮光膜に対して所定の電位を個別に与える場合に比べて、画素部遮光膜に電位を与える配線などの数を減少させることができる。これにより、配線数が減少する分、第1回路部が大きくなるのを抑制することができるので、表示装置が大型化するのを抑制することができる。
また、上記第2回路部が周辺回路部を含む構成において、周辺回路部は、pチャネルトランジスタに加えて、nチャネルトランジスタを含み、周辺回路部遮光膜は、nチャネルトランジスタおよびpチャネルトランジスタの下方に配置されていてもよい。このように構成すれば、周辺回路部のnチャネルトランジスタおよびpチャネルトランジスタの両方の動作が不安定になるのを抑制することができる。
また、上記第1および第2ゲート絶縁膜と、第1および第2絶縁膜とをさらに備えた構成において、第1ゲート絶縁膜および第1絶縁膜は、同じ材料からなり、第2ゲート絶縁膜および第2絶縁膜は、同じ材料からなっていてもよい。このように構成すれば、容易に、第1遮光膜(第2遮光膜)に印加する第1電位(第2電位)により第1トランジスタ(第2トランジスタ)のチャネル領域に与えられる実効的な電圧を、第1電位(第2電位)と同じ電位を第1トランジスタ(第2トランジスタ)のゲート電極に印加した場合にチャネル領域に与えられる電圧のほぼ1/3にすることができる。
また、上記正側電位と負側電位との中間の電位を生成する構成において、正側電位と負側電位との中間の電位を生成するための電位生成回路部をさらに備えてもよい。このように構成すれば、容易に、電位生成回路部により、正側電位と負側電位との中間の電位を生成することができる。
また、上記第1電位が第1トランジスタのゲート電極に供給される正側電位と負側電位との中間の電位であり、第2電位が第2トランジスタのゲート電極に供給される正側電位と負側電位との中間の電位である構成において、第1領域および第2領域の少なくとも一方は、nチャネルトランジスタおよびpチャネルトランジスタの両方を含んでいてもよい。このように構成すれば、第1領域がnチャネルトランジスタおよびpチャネルトランジスタの両方を含む場合に、第1領域のnチャネルトランジスタおよびpチャネルトランジスタの下方に配置された第1遮光膜に、第1領域のnチャネルトランジスタ(pチャネルトランジスタ)のゲート電極に供給される正側電位と負側電位との中間の電位を印加することにより、容易に、第1遮光膜とnチャネルトランジスタのチャネル領域との間の電位差をnチャネルトランジスタのオフ領域の電圧範囲内に制御することができるとともに、第1遮光膜とpチャネルトランジスタのチャネル領域との間の電位差をpチャネルトランジスタのオフ領域の電圧範囲内に制御することができる。また、第2領域がnチャネルトランジスタおよびpチャネルトランジスタの両方を含む場合には、第2領域のnチャネルトランジスタおよびpチャネルトランジスタの下方に配置された第2遮光膜に、第2領域のnチャネルトランジスタ(pチャネルトランジスタ)のゲート電極に供給される正側電位と負側電位との中間の電位を印加することにより、容易に、第2遮光膜とnチャネルトランジスタのチャネル領域との間の電位差をnチャネルトランジスタのオフ領域の電圧範囲内に制御することができるとともに、第2遮光膜とpチャネルトランジスタのチャネル領域との間の電位差をpチャネルトランジスタのオフ領域の電圧範囲内に制御することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態による液晶表示装置の全体構成を概略的に示した平面図である。図2は、図1に示した第1実施形態による液晶表示装置の画素部の回路図である。図3は、図1に示した第1実施形態による液晶表示装置の画素部のnチャネルトランジスタ近傍の構造を示した断面図である。まず、図1〜図3を参照して、第1実施形態による液晶表示装置の構成について説明する。
第1実施形態による液晶表示装置は、図1に示すように、液晶表示パネル1と、液晶表示パネル1に取り付けられた外部回路部2とを備えている。液晶表示パネル1は、表示部3と、表示部3の周辺に設けられたH系ドライバ4およびV系ドライバ5とを含んでいる。また、表示部3には、複数の画素部6がマトリクス状に配置されている。各々の画素部6には、スイッチング素子としてのnチャネルトランジスタ8が配置されるスイッチング素子部7が設けられている。また、各画素部6は、図2に示すように、補助容量9と、画素電極10と、画素電極10に対向配置された各画素部6に共通の対向電極11と、画素電極10と対向電極11との間に配置された液晶12とを含んでいる。なお、画素部6は、本発明の「第1領域」および「第1回路部」の一例であり、nチャネルトランジスタ8は、本発明の「第1トランジスタ」の一例である。
また、nチャネルトランジスタ8のゲート電極8aには、ゲート線が接続されている。このゲート線を介してnチャネルトランジスタ8のゲート電極8aに正側電位Vddおよび負側電位Vbbが印加される。また、nチャネルトランジスタ8のドレイン領域8bは、ドレイン線に接続されているとともに、ソース領域8cは、補助容量9の一方電極と、画素電極10とに接続されている。また、nチャネルトランジスタ8のドレイン領域8bには、ドレイン線を介して映像信号の信号電位Vsigが印加される。また、補助容量9の他方電極と、対向電極11とは、各画素部6に共通の共通電位Vcomに接続されている。
また、表示部3には、図1に示すように、表示部遮光膜13が設けられている。この表示部遮光膜13は、画素部6のスイッチング素子部7の下方を覆うように形成された画素部遮光領域13aと、ゲート線およびドレイン線の下方を覆うように形成された格子状の配線部遮光領域13bとによって構成されている。なお、この画素部遮光領域13aは、本発明の「第1遮光膜」および「画素部遮光膜」の一例である。画素部遮光領域13aは、画素部6のスイッチング素子部7に配置されたnチャネルトランジスタ8に入射する光を遮光するために設けられており、配線部遮光領域13bと一体的に形成されている。また、配線部遮光領域13bは、ゲート線およびドレイン線に入射する光を遮光するために設けられている。また、表示部遮光膜13の画素部6のスイッチング素子部7以外の領域に対応する領域は、開口されている。そして、この表示部遮光膜13の開口された領域を介して、映像を表示する光が出射されるように構成されている。
また、画素部6に含まれるnチャネルトランジスタ8は、TFT(薄膜トランジスタ)によって構成されており、図3に示すような構造を有している。具体的には、ガラス基板14上に約300nmの厚みを有する絶縁膜からなるバッファ層15が形成されている。このバッファ層15上の所定領域に、上記した表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aが設けられている。この表示部遮光膜13は、約100nmの厚みを有するMo膜によって構成されている。また、表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aおよびバッファ層15上には、画素部遮光領域13aを覆うように約300nmの厚みを有するSiO2膜からなる絶縁膜16が形成されている。
また、絶縁膜16上の所定領域には、約70nmの厚みを有する結晶シリコン膜17が形成されている。この結晶シリコン膜17は、nチャネルトランジスタ8の能動層としての機能を有する。結晶シリコン膜17には、nチャネルトランジスタ8のチャネル領域8dと、チャネル領域8dを挟むように設けられたドレイン領域8bおよびソース領域8cとが形成されている。また、nチャネルトランジスタ8では、結晶シリコン膜17にチャネルドープが行われることにより、nチャネルトランジスタ8のしきい値電圧Vthが所定の正電圧になるように構成されている。なお、この所定の正のしきい値電圧Vthは、表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aに1/2(Vdd+Vbb)の電位を与えたときに、nチャネルトランジスタ8の下部チャネルがオン状態にならないような値に設定されている。また、結晶シリコン膜17を覆うように、約100nmの厚みを有するSiO2膜からなるnチャネルトランジスタ8のゲート絶縁膜18が形成されている。
すなわち、第1実施形態では、表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aと、結晶シリコン膜17との間に設けられた絶縁膜16の厚み(約300nm)が、nチャネルトランジスタ8のゲート絶縁膜18の厚み(約100nm)の約3倍になるように構成されていいる。なお、絶縁膜16を約500nmの厚みで形成した場合には、絶縁膜16を形成するプロセスにかかる時間が増大したり、成膜時や、その後のプロセスにおいて絶縁膜16に生じる応力により絶縁膜16にクラックが発生するなどの不都合が生じる場合がある。この第1実施形態のように、絶縁膜16を約300nmの厚みで形成する場合には、上記のような不都合が生じるのを抑制することが可能である。また、ゲート絶縁膜18上のチャネル領域8dに対応する領域には、約150nmの厚みを有する金属膜からなるゲート電極8aが形成されている。そして、ドレイン領域8b、ソース領域8cおよびチャネル領域8dが形成された結晶シリコン膜17と、ゲート絶縁膜18と、ゲート電極8aとによって、nチャネルトランジスタ8(TFT)が形成されている。
また、ゲート電極8aおよびゲート絶縁膜18上には、ゲート電極8aを覆うように絶縁膜19が形成されている。この絶縁膜19およびゲート絶縁膜18の結晶シリコン膜17のドレイン領域8bおよびソース領域8cに対応する領域には、それぞれ、絶縁膜19上に達するプラグ20aおよび20bが設けられている。そして、ドレイン領域8bは、対応するプラグ20aを介して上記したドレイン線に繋がるように構成されているとともに、ソース領域8cは、対応するプラグ20bを介して上記した補助容量9の一方電極と、画素電極10とに繋がるように構成されている。
また、絶縁膜16およびゲート絶縁膜18の表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aに対応する領域には、絶縁膜16およびゲート絶縁膜18を貫通するように形成された1層目のプラグ21が設けられている。この1層目のプラグ21は、表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aに接続されている。また、ゲート絶縁膜18上の1層目のプラグ21に対応する領域には、1層目のプラグ21に接続される中間配線層22が設けられている。そして、絶縁膜19の中間配線層22に対応する領域には、絶縁膜19上に達する2層目のプラグ23が形成されている。この2層目のプラグ23は、中間配線層22に接続されている。また、絶縁膜19上の2層目のプラグ23に対応する領域には、2層目のプラグ23に接続される配線層24が設けられている。この配線層24は、後述する外部回路部2の電位生成回路部39a(図1参照)に繋がるように構成されている。
また、H系ドライバ4は、図1に示すように、シフトレジスタ回路25と、サンプリングトランジスタ26と、バッファ27と、DAコンバータ28とを含んでいる。また、H系ドライバ4に隣接するように、クロック発生回路29が配置されている。なお、シフトレジスタ回路25、サンプリングトランジスタ26、バッファ27、DAコンバータ28およびクロック発生回路29は、本発明の「第2領域」および「周辺回路部」の一例である。これらのシフトレジスタ回路25、サンプリングトランジスタ26、バッファ27、DAコンバータ28およびクロック発生回路29は、それぞれ、上記した画素部6のnチャネルトランジスタ8とほぼ同様の構成を有するnチャネルトランジスタを有している。なお、このnチャネルトランジスタは、本発明の「第2トランジスタ」の一例である。ただし、このnチャネルトランジスタでは、ゲート電極に正側電位Vddと負側電位Vssとが与えられるとともに、ドレイン領域には、それぞれの回路部に応じた信号電位Vsigが供給される。
また、第1実施形態では、シフトレジスタ回路25、サンプリングトランジスタ26、バッファ27、DAコンバータ28およびクロック発生回路29の下方をそれぞれ覆うように、シフトレジスタ回路遮光膜30、サンプリングトランジスタ遮光膜31、バッファ遮光膜32、DAコンバータ遮光膜33およびクロック発生回路遮光膜34が設けられている。なお、このシフトレジスタ回路遮光膜30、サンプリングトランジスタ遮光膜31、バッファ遮光膜32、DAコンバータ遮光膜33およびクロック発生回路遮光膜34は、本発明の「第2遮光膜」および「周辺回路部遮光膜」の一例である。そして、シフトレジスタ回路遮光膜30、サンプリングトランジスタ遮光膜31、バッファ遮光膜32、DAコンバータ遮光膜33およびクロック発生回路遮光膜34により、それぞれ、シフトレジスタ回路25、サンプリングトランジスタ26、バッファ27、DAコンバータ28およびクロック発生回路29の各々に設けられたnチャネルトランジスタに入射する光が遮光される。
また、V系ドライバ5は、シフトレジスタ回路35と、レベル変換回路36とを含んでいる。なお、このシフトレジスタ回路35およびレベル変換回路36は、本発明の「第2領域」および「周辺回路部」の一例である。また、シフトレジスタ回路35およびレベル変換回路36は、それぞれ、上記した画素部6のnチャネルトランジスタ8とほぼ同様の構成を有するnチャネルトランジスタを有している。なお、このnチャネルトランジスタは、本発明の「第2トランジスタ」の一例である。ただし、レベル変換回路36に設けられたnチャネルトランジスタでは、ゲート電極に正側電位Vddと負側電位Vbbとが与えられる一方、シフトレジスタ回路35に設けられたnチャネルトランジスタでは、ゲート電極に正側電位Vddと負側電位Vssとが与えられる。
また、第1実施形態では、シフトレジスタ回路35およびレベル変換回路36の下方をそれぞれ覆うように、シフトレジスタ回路遮光膜37およびレベル変換回路遮光膜38が設けられている。なお、このシフトレジスタ回路遮光膜37およびレベル変換回路遮光膜38は、本発明の「第2遮光膜」および「周辺回路部遮光膜」の一例である。このシフトレジスタ回路遮光膜37およびレベル変換回路遮光膜38により、それぞれ、シフトレジスタ回路35およびレベル変換回路36の各々に設けられたnチャネルトランジスタに入射する光が遮光される。
また、外部回路部2には、電位生成回路部39aおよび39bが設けられている。一方の電位生成回路部39aは、1/2(Vdd+Vbb)の電位を生成する機能を有するととともに、他方の電位生成回路部39bは、1/2(Vdd+Vss)の電位を生成する機能を有する。
ここで、第1実施形態では、一方の電位生成回路部39aは、配線40aを介して、表示部遮光膜13と、レベル変換回路遮光膜38とに接続されている。これにより、表示部遮光膜13と、レベル変換回路遮光膜38とには、電位生成回路部39aから正側電位Vddと負側電位Vbbとの中間電位1/2(Vdd+Vbb)が供給されるように構成されている。
また、外部回路部2には、電位生成回路部39aと、表示部遮光膜13およびレベル変換回路遮光膜38との間の配線40aに接続され、電位生成回路部39aから供給される電位を調節するための可変抵抗器41が設けられている。この可変抵抗器41により、電位生成回路部39aから供給される電位を約±3Vの範囲で上昇または低下させることが可能なように構成されている。これは、プロセスのばらつきによりしきい値電圧Vthがシフトした場合に、この可変抵抗器41により表示部遮光膜13に供給する電位を調節することによって、画素部6のnチャネルトランジスタ8のしきい値電圧Vthを調節することが可能なように構成されている。すなわち、可変抵抗器41により表示部遮光膜13に供給する電位を上昇させる場合には、画素部6のnチャネルトランジスタ8のチャネル領域8dの電位が上昇するので、nチャネルトランジスタ8のしきい値電圧Vthは低下する。一方、可変抵抗器41により表示部遮光膜13に供給する電位を低下させる場合には、画素部6のnチャネルトランジスタ8のチャネル領域8dの電位が低下するので、nチャネルトランジスタ8のしきい値電圧Vthは上昇する。
また、第1実施形態では、他方の電位生成回路部39bは、配線40bを介して、シフトレジスタ回路遮光膜30および37と、サンプリングトランジスタ遮光膜31と、バッファ遮光膜32と、DAコンバータ遮光膜33と、クロック発生回路遮光膜34とに接続されている。これにより、シフトレジスタ回路遮光膜30および37と、サンプリングトランジスタ遮光膜31と、バッファ遮光膜32と、DAコンバータ遮光膜33と、クロック発生回路遮光膜34とには、電位生成回路部39bから正側電位Vddと負側電位Vssとの中間電位1/2(Vdd+Vss)が供給されるように構成されている。
図4〜図7は、本発明の第1実施形態による液晶表示装置の画素部のnチャネルトランジスタの動作を説明するための電圧波形図である。図8は、本発明の第1実施形態による液晶表示装置の画素部のnチャネルトランジスタの電流―電圧特性を示した図である。次に、図1〜図8を参照して、第1実施形態による液晶表示装置の画素部のnチャネルトランジスタの動作について説明する。なお、以下の動作説明では、ドット反転駆動方式の液晶表示装置における画素部のnチャネルトランジスタの動作について説明する。また、各供給電位を、正側電位Vdd:約7V、負側電位Vbb:約−4V、共通電位Vcom:約3.5V、信号電位Vsig:約1V〜約6Vに設定する。また、nチャネルトランジスタのしきい値電圧Vthは、約1Vであるものとする。これにより、nチャネルトランジスタは、ゲート電極とチャネル領域との間の電圧(電位差)が約1V以上のときオン状態となる。また、nチャネルトランジスタは、ゲート電極とチャネル領域との間の電位差が約0.5V以下のときオフ状態になるものとする。
なお、図4〜図7に示した波形の前提となる画素への映像信号の書き込み動作としては、まず、1段目のゲート線に沿って、そのゲート線に繋がる3つの画素毎に順次書き込み動作が行われる。そして、1段目のゲート線に繋がる全ての画素の走査が終了すると、2段目のゲート線に繋がる画素に対して同様に、3つずつ画素への書き込み動作が行われる。このようにして、表示部に設けられた全てのゲート線に繋がる画素に対して順次書き込み動作が行われる。そして、全てのゲート線の走査が終了すると、再度、1段目のゲート線から同様の書き込み動作が繰り返し行われる。図4〜図7には、1段目のゲート線に繋がる画素の中で最初に書き込み動作が行われる3つの画素の内の3番目の画素のnチャネルトランジスタに関する電圧波形を示している。
また、図4〜図7では、最初の3つの電圧パルスがnチャネルトランジスタの上部チャネルのオン期間に対応しているとともに、次の3つの電圧パルスがオフ期間に対応しており、その後、3つの電圧パルス毎に交互にオン期間とオフ期間とに対応している。なお、上記のオン期間における3つの電圧パルスは、それぞれ、書き込み動作時に同時に選択された3つの画素に対する書き込み信号に対応している。また、上記のオフ期間における3つの電圧パルスは、それぞれ、上記の3番目の画素に書き込み動作が行われた後、残りの画素に対して書き込み動作が行われている期間に、上記の3番目の画素に印加される電圧を表している。すなわち、オフ期間における1つ目の電圧パルスは、上記の3番目の画素に書き込んだ後、その画素と同じゲート線に繋がる残りの画素に対して書き込み動作が行われている期間に上記の3番目の画素に印加される電圧を示している。また、2つ目および3つ目の電圧パルスは、上記の3番目の画素に接続される1段目のゲート線の走査が終了した後、2段目および3段目のゲート線に繋がる画素に対して順次書き込み動作が行われている期間に上記の3番目の画素に印加される電圧を示している。なお、図4〜図7では、オン期間とオフ期間とにおいて、各電圧パルスの期間を同じ長さに図示しているが、実際には、オフ期間における電圧パルスの期間は、オン期間における電圧パルスの期間に比べて非常に長い期間となる。また、図4〜図7では、オフ期間に3つの電圧パルスが画素に印加されるように図示しているが、このオフ期間では、表示部に設けられたゲート線の数に応じて、印加される電圧パルスの数が変化する。したがって、実際には、数百本のゲート線が表示部に設けられているのが一般的であるので、オフ期間には、図4〜図7に図示している電圧パルスの数(3つ)よりも非常に多くの電圧パルスが上記の3番目の画素に印加される。
まず、画素部6(図2参照)のnチャネルトランジスタ8のゲート電極8aに入力される電位(ゲート電位Vgate)は、図4に示すように、正側電位Vdd(約7V)と、負側電位Vbb(約−4V)とに交互に切り替わる。そして、nチャネルトランジスタ8のドレイン領域8bに入力される信号電位Vsigは、図4の点線に示すように、約1V〜約6Vの範囲で電位が変化する。この際、nチャネルトランジスタ8のチャネル領域8dの電位(Vch)は、図4の一点鎖線に示すような波形を示すとともに、約1.0V〜約5.5Vの範囲で変化する。なお、図4中のチャネル領域8dの電位Vchは、チャネル領域8dの中央部近傍における電位を示している。この場合において、nチャネルトランジスタ8のゲート電極8aとドレイン領域8bとの間の電圧(電位差)Vgd=Vgate−Vsigと、ゲート電極8aとチャネル領域8dとの間の電圧(電位差)Vgc=Vgate−Vchとは、図5に示すような波形で変化する。
したがって、ゲート電位Vgate(図4参照)が正側電位Vdd(約7V)の期間、nチャネルトランジスタ8のゲート電極8aとチャネル領域8dとの間の電圧(電位差)Vgc(図5参照)は、約1.8V〜約6.0Vの範囲の電圧になる。すなわち、この期間、nチャネルトランジスタ8のゲート電極8aとチャネル領域8dとの間の電圧(電位差)Vgc(約1.8V〜約6.0V)は、nチャネルトランジスタ8のオン領域の電圧(約1V以上)になるので、nチャネルトランジスタ8はオン状態になる。一方、ゲート電位Vgate(図4参照)が負側電位Vbb(約−4V)の期間、nチャネルトランジスタ8のゲート電極8aとチャネル領域8dとの間の電圧(電位差)Vgc(図5参照)は、約−9.5V〜約−5.0Vの範囲の電圧になる。すなわち、この期間、nチャネルトランジスタ8のゲート電極8aとチャネル領域8dとの間の電圧(電位差)Vgc(約−9.5V〜約−5.0V)は、nチャネルトランジスタ8のオフ領域の電圧(電位差)(約0.5V以下)になるので、nチャネルトランジスタ8はオフ状態になる。
また、第1実施形態では、nチャネルトランジスタ8を覆うように設けられた表示部遮光膜13の画素部遮光領域13a(図3参照)に電位生成回路部39a(図1参照)から1/2(Vdd+Vbb)の電位を印加する。これにより、表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aの電位Vbackは、図6に示すように、1/2(Vdd+Vbb)=約1.5Vに固定される。この際、画素部遮光領域13aとnチャネルトランジスタ8のチャネル領域8dとの間の実効的な電圧(電位差)Vbcは、図7に示すような波形を示す。なお、この画素部遮光領域13aとnチャネルトランジスタ8のチャネル領域8dとの間の実効的な電圧(電位差)Vbcは、nチャネルトランジスタ8のゲート電極8aとチャネル領域8dとの間の電圧(電位差)Vgcに対する相対的な電圧である。すなわち、画素部遮光領域13aと、チャネル領域8dが形成された結晶シリコン膜17(図3参照)との間の絶縁膜16の厚み(約300nm)は、nチャネルトランジスタ8のゲート絶縁膜18の厚み(約100nm)の約3倍であるので、画素部遮光領域13aに電位を与えたときに画素部遮光領域13aからチャネル領域8dに印加される電界の強度は、同じ電位をゲート電極8aに与えたときにゲート電極8aからチャネル領域8dに印加される電界の強度の約1/3になる。このため、図7には、画素部遮光領域13aとチャネル領域8dとの間の実効的な電圧(電位差)Vbcとして、表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aの電位Vbackと、チャネル領域8dの電位Vchとの電位差の1/3の電圧(1/3(Vback−Vch))を示している。なお、図7には、上記と同様の観点から、表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aとドレイン領域8bとの間の実効的な電圧(電位差)Vbdとして、画素部遮光領域13aの電位Vbackとドレイン領域8bに印加される信号電位Vsigとの電位差の1/3の電圧(1/3(Vback−Vsig))の波形も示している。
画素部遮光領域13aとnチャネルトランジスタ8のチャネル領域8dとの間の実効的な電圧(電位差)Vbcは、図7に示すように、約−1.3V〜約0.2Vの範囲で変化する。これにより、画素部遮光領域13aとチャネル領域8dとの間の実効的な電圧(電位差)Vbc(約−1.3V〜約0.2V)は、図8に示すように、常に、nチャネルトランジスタ8のオフ領域の電圧(約0.5V以下)になる。このため、画素部遮光領域13aに1/2(Vdd+Vbb)の電位を与える場合には、nチャネルトランジスタ8の下部チャネルはオフ状態に保持される。これにより、ゲート電極8aに負側電位Vbbを印加することによりnチャネルトランジスタ8の上部チャネルをオフ状態に保持している期間に、表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aに1/2(Vdd+Vbb)の電位を印加する場合にも、nチャネルトランジスタ8の下部チャネルがオンするのが抑制される。このため、この期間にnチャネルトランジスタ8の下部チャネルを介してドレイン領域8bとソース領域8cとの間に電流が流れるのが抑制される。
なお、レベル変換回路36、シフトレジスタ回路部25および35、サンプリングトランジスタ26、バッファ27、DAコンバータ28およびクロック発生回路29の各々に含まれるnチャネルトランジスタにおいても、上記した画素部6のnチャネルトランジスタ8と同様の動作が行われる。これにより、レベル変換回路36に含まれるnチャネルトランジスタの上部チャネル(ゲート電極側のチャネル領域)をオフ状態に保持している期間に、レベル変換回路遮光膜38に1/2(Vdd+Vbb)の電位を与える場合にも、nチャネルトランジスタの下部チャネル(遮光膜側のチャネル領域)がオンするのが抑制されるので、下部チャネルを介してnチャネルトランジスタのドレイン領域とソース領域との間に電流が流れるのが抑制される。また、シフトレジスタ回路部25および35、サンプリングトランジスタ26、バッファ27、DAコンバータ28およびクロック発生回路29の各々に含まれるnチャネルトランジスタの上部チャネルをオフ状態に保持している期間に、対応する遮光膜に1/2(Vdd+Vss)の電位を与える場合にも、nチャネルトランジスタの下部チャネルがオンするのが抑制されるので、下部チャネルを介してnチャネルトランジスタのドレイン領域とソース領域との間に電流が流れるのが抑制される。
第1実施形態では、上記のように、表示部遮光膜13およびレベル変換回路遮光膜38に1/2(Vdd+Vbb)の電位を与えるとともに、シフトレジスタ回路遮光膜30および37と、サンプリングトランジスタ遮光膜31と、バッファ遮光膜32と、DAコンバータ遮光膜33と、クロック発生回路遮光膜34とに1/2(Vdd+Vss)の電位を与えることによって、表示部遮光膜13およびレベル変換回路遮光膜38を1/2(Vdd+Vbb)の電位に固定することができるとともに、シフトレジスタ回路遮光膜30および37と、サンプリングトランジスタ遮光膜31と、バッファ遮光膜32と、DAコンバータ遮光膜33と、クロック発生回路遮光膜34とを1/2(Vdd+Vss)の電位に固定することができる。これにより、表示部遮光膜13と、レベル変換回路遮光膜38と、シフトレジスタ回路遮光膜30および37と、サンプリングトランジスタ遮光膜31と、バッファ遮光膜32と、DAコンバータ遮光膜33と、クロック発生回路遮光膜34とにおいて電位が変動しないので、これらの遮光膜の電位の変動に伴って、画素部6のnチャネルトランジスタ8のしきい値電圧と、レベル変換回路36、シフトレジスタ回路25および35、サンプリングトランジスタ26、バッファ27、DAコンバータ28およびクロック発生回路29の各々に含まれるnチャネルトランジスタのしきい値電圧が変動するのを抑制することができる。このため、画素部6のnチャネルトランジスタ8の動作と、レベル変換回路36、シフトレジスタ回路25および35、サンプリングトランジスタ26、バッファ27、DAコンバータ28およびクロック発生回路29の各々に含まれるnチャネルトランジスタの動作とを安定させることができる。
また、第1実施形態では、表示部遮光膜13およびレベル変換回路遮光膜38に1/2(Vdd+Vbb)の電位を与えるとともに、シフトレジスタ回路遮光膜30および37、サンプリングトランジスタ遮光膜31、バッファ遮光膜32、DAコンバータ遮光膜33およびクロック発生回路遮光膜34に1/2(Vdd+Vss)の電位を与えることによって、上記の各遮光膜と、対応するnチャネルトランジスタのチャネル領域との間の電圧(電位差)Vbcがそのnチャネルトランジスタのしきい値電圧Vthを超えないようにすることができる。このため、表示部遮光膜13およびレベル変換回路遮光膜38に1/2(Vdd+Vbb)の電位を与えるとともに、シフトレジスタ回路遮光膜30および37、サンプリングトランジスタ遮光膜31、バッファ遮光膜32、DAコンバータ遮光膜33およびクロック発生回路遮光膜34に1/2(Vdd+Vss)の電位を与えた場合にも、画素部6のnチャネルトランジスタ8と、レベル変換回路36、シフトレジスタ回路25および35、サンプリングトランジスタ26、バッファ27、DAコンバータ28およびクロック発生回路29の各々のnチャネルトランジスタとがオン状態になるのを抑制することができる。これにより、画素部6のnチャネルトランジスタ8と、レベル変換回路36、シフトレジスタ回路25および35、サンプリングトランジスタ26、バッファ27、DAコンバータ28およびクロック発生回路29の各々のnチャネルトランジスタとをオフ状態に保持している期間に、対応する遮光膜に電位が与えられることにより上記のnチャネルトランジスタがオンすることに起因して液晶表示装置の動作不良が発生するのを抑制することができる。
また、第1実施形態では、表示部3、レベル変換回路36、シフトレジスタ回路25および35、サンプリングトランジスタ26、バッファ27、DAコンバータ28およびクロック発生回路29に対応して、それぞれ、表示部遮光膜13、レベル変換回路遮光膜38、シフトレジスタ回路遮光膜30および37、サンプリングトランジスタ遮光膜31、バッファ遮光膜32、DAコンバータ遮光膜33およびクロック発生回路遮光膜34を設けるとともに、これらの遮光膜にそれぞれ電位を与えることによって、上記の各回路部に含まれるnチャネルトランジスタ毎に遮光膜を設けるとともに、その遮光膜毎に所定の電位を個別に与える場合に比べて、遮光膜に電位を与える配線やプラグの数を減少させることができるとともに、遮光膜とトランジスタ端との間のスペース(スペースのマージン)を大幅に減少させることができるので、液晶表示装置が大型化するのを抑制することができる。
また、第1実施形態では、nチャネルトランジスタ8と表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aとの間に、nチャネルトランジスタ8のゲート絶縁膜18の厚みの約3倍の厚みを有する絶縁膜16を設けることによって、画素部遮光領域13aが意図しないゲート電極として機能する場合に、ゲート絶縁膜として機能する絶縁膜16が大きい厚みで形成されるので、画素部遮光領域13aに1/2(Vdd+Vbb)の電位を印加した場合にも、nチャネルトランジスタ8のチャネル領域8dは、その電位の影響を受けにくくなる。これにより、画素部遮光領域13aに1/2(Vdd+Vbb)の電位を印加したことに起因するnチャネルトランジスタ8のしきい値電圧Vthの変化を低減することができる。
図9〜図11は、本発明の第1実施形態による液晶表示装置の画素部のnチャネルトランジスタの製造プロセスを説明するための断面図である。次に、図1、図3および図9〜図11を参照して、第1実施形態による液晶表示装置の画素部のnチャネルトランジスタの製造プロセスについて説明する。
まず、図9に示すように、ガラス基板14上に約300nmの厚みを有するバッファ層15を設ける。そして、スパッタ法を用いて、バッファ層15上に約100nmの厚みを有するMo膜(図示せず)を形成した後、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて、そのMo膜をパターニングする。これにより、図1に示すように、バッファ層15上の所定領域に、表示部遮光膜13と、シフトレジスタ回路遮光膜30および37と、サンプリングトランジスタ遮光膜31と、バッファ遮光膜32と、DAコンバータ遮光膜33と、クロック発生回路遮光膜34と、レベル変換回路遮光膜38とが形成される。なお、この際、表示部遮光膜13は、画素部6のスイッチング素子部7を覆う画素部遮光領域13aと、ゲート線およびドレイン線を覆う格子状の配線部遮光領域13bとを有するように形成される。また、表示部遮光膜13の画素部6のスイッチング素子部7以外の領域に対応する領域は、開口されており、光が通過可能なように形成される。
そして、図9に示すように、CVD法を用いて、約300nmの厚みを有するSiO2膜からなる絶縁膜16を形成する。その後、CVD法を用いて、絶縁膜16の全面上に約70nmの厚みを有する非晶質シリコン膜(図示せず)を形成した後、その非晶質シリコン膜の結晶化を行う。具体的には、基板をホットプレート上で約300℃に加熱しながら、非晶質シリコン膜に連続発振型の赤外レーザ光を照射することにより非晶質シリコン膜を加熱する。この際、赤外レーザ光がMo膜からなる表示部遮光膜13と、シフトレジスタ回路遮光膜30および37(図1参照)と、サンプリングトランジスタ遮光膜31と、バッファ遮光膜32と、DAコンバータ遮光膜33と、クロック発生回路遮光膜34と、レベル変換回路遮光膜38とにも照射されることにより、これらの遮光膜は発熱する。そして、その遮光膜からの熱によって、非晶質シリコン膜はさらに加熱される。これにより、非晶質シリコン膜は溶融する。
そして、赤外レーザ光の照射後、溶融した非晶質シリコン膜が冷却されることにより、結晶化する。この際、レーザ光を基板に対して相対的に横方向(ガラス基板14の上面に平行な方向)にスキャンさせれば、柱状晶が横方向に形成され、比較的大きな結晶が形成される。なお、上記の赤外レーザ光の照射により非晶質シリコン膜の融点以上の温度まで加熱されなかった領域がある場合には、その領域では微結晶が形成される。なお、結晶化には、エキシマレーザアニール法(ELA)や、その他のエネルギー照射手段による結晶化法を用いてもよい。また、固相結晶化法(SPC)を用いてもよい。上記のようにして、非晶質シリコン膜が結晶化されることにより、結晶シリコン膜(図示せず)が得られる。そして、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて、その結晶シリコン膜をパターニングすることにより、nチャネルトランジスタ8の能動層としての島状化された結晶シリコン膜17が形成される。この後、結晶シリコン膜17にチャネルドープを行う。
次に、図10に示すように、CVD法を用いて、絶縁膜16および結晶シリコン膜17上に、結晶シリコン膜17を覆うように、約100nmの厚みを有するSiO2膜からなるゲート絶縁膜18を形成する。この後、表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aからゲート絶縁膜18上に達する1層目のプラグ21を形成した後、ゲート絶縁膜18および1層目のプラグ21上に約150nmの厚みを有する金属膜(図示せず)を形成する。そして、その金属膜(図示せず)をパターニングすることにより、結晶シリコン膜17のチャネル領域8dに対応する領域にゲート電極8aを形成するとともに、1層目のプラグ21に繋がる中間配線層22を形成する。
次に、図11に示すように、結晶化シリコン膜17に対応する領域以外の領域をレジスト膜50で覆った後、そのレジスト膜50とゲート電極8aとをマスクとして、結晶シリコン膜17に不純物をイオン注入する。これにより、結晶シリコン膜17にドレイン領域8bおよびソース領域8cと、ドレイン領域8bおよびソース領域8cに挟まれたチャネル領域8dとが形成される。この後、レジスト膜50を除去する。
そして、図3に示すように、ゲート絶縁膜18上に、ゲート電極8aおよび中間配線層22を覆うように絶縁膜19を形成する。その後、中間配線層22に繋がる2層目のプラグ23と、結晶シリコン膜17のドレイン領域8bおよびソース領域8cにそれぞれ繋がるプラグ20aおよび20bとを形成した後、絶縁膜19上に2層目のプラグ23に繋がる配線層24を形成する。上記のようにして、図3に示した第1実施形態による液晶表示装置の画素部6のnチャネルトランジスタ8が形成される。
(第1参考例)
図12は、本発明の第1参考例による液晶表示装置の画素部のnチャネルトランジスタ近傍の構造を示した断面図である。次に、図12を参照して、第1参考例による液晶表示装置の構成について説明する。
この第1参考例では、上記第1実施形態と異なり、画素部6のnチャネルトランジスタ48のゲート電極48aと、表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aとが接続されている。なお、このnチャネルトランジスタ48は、本発明の「第1トランジスタ」の一例である。具体的には、図12に示すように、画素部6のnチャネルトランジスタ48のゲート電極48aと、中間配線層42とが繋がって形成されることにより、表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aと、画素部6のnチャネルトランジスタ48のゲート電極48aとが、プラグ21と中間配線層42とを介して接続されている。なお、この第1参考例では、1つのゲート線に接続される複数のnチャネルトランジスタ48のゲート電極48aに対して接続される画素部遮光領域13aと、他のゲート線に接続される複数のnチャネルトランジスタ48のゲート電極48aに対して接続される画素部遮光領域13aとは、電気的に分断されている。
これにより、第1参考例では、同一のゲート線に接続される複数のnチャネルトランジスタ48のゲート電極48aに印加される電位Vgateが、それらの複数のnチャネルトランジスタ48のゲート電極48aにそれぞれ繋がる画素部遮光領域13aに同様に印加されるように構成されている。このため、第1参考例では、表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aをnチャネルトランジスタ48のゲート電極として機能させることが可能なように構成されている。第1参考例による液晶表示装置の上記以外の構成は、上記第1実施形態による液晶表示装置の構成と同様である。なお、第1参考例による液晶表示装置のレベル変換回路遮光膜には、上記第1実施形態と同様、1/2(Vdd+Vbb)の固定電位が印加されるように構成されている。また、第1参考例による液晶表示装置のH系ドライバのシフトレジスタ回路遮光膜と、サンプリングトランジスタ遮光膜と、バッファ遮光膜と、DAコンバータ遮光膜と、V系ドライバのシフトレジスタ回路遮光膜とには、上記第1実施形態と同様、1/2(Vdd+Vss)の固定電位が印加されるように構成されている。
図13は、本発明の第1参考例による液晶表示装置の画素部のnチャネルトランジスタの動作を説明するための電圧波形図である。図14は、本発明の第1参考例による液晶表示装置の画素部のnチャネルトランジスタの電流−電圧特性を示した図である。次に、図12〜図14を参照して、第1参考例による液晶表示装置の画素部のnチャネルトランジスタの動作について説明する。
この第1参考例による液晶表示装置の画素部6のnチャネルトランジスタ48(図12参照)では、ゲート電極48a、ドレイン領域8bおよびチャネル領域8dに、それぞれ、図4に示した上記第1実施形態によるゲート電位Vgate、信号電位Vsigおよびチャネル領域8dの電位Vchと同様の電位を印加する。これにより、第1参考例によるnチャネルトランジスタ48のゲート電極48aとドレイン領域8bとの間の電圧Vgdと、ゲート電極48aとチャネル領域8dとの間の電圧Vgcとは、それぞれ、図5に示した第1実施形態によるnチャネルトランジスタ8のゲート電極8aとドレイン領域8bとの間の電圧Vgdと、ゲート電極8aとチャネル領域8dとの間の電圧Vgcと同様の波形を示す。
そして、第1参考例では、nチャネルトランジスタ48のゲート電極48aと、表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aとが接続されていることにより、ゲート電極48aに印加されるゲート電位Vgateと同じ電位が、表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aに印加される。すなわち、この第1参考例による表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aに印加される電位Vbackは、図4に示した第1実施形態によるnチャネルトランジスタ8のゲート電位Vgateと同じになる。そして、第1参考例では、nチャネルトランジスタ48のゲート電極48aに正側電位Vddが印加される期間には、対応する画素部遮光領域13aにも正側電位Vddが印加されるとともに、nチャネルトランジスタ48のゲート電極48aに負側電位Vbbが印加される期間には、対応する画素部遮光領域13aにも負側電位Vbbが印加される。
また、第1参考例による表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aと、nチャネルトランジスタ48のドレイン領域8bとの間の実効的な電圧Vbd=1/3(Vback−Vsig)は、図13に示すように、図5に示した第1実施形態によるnチャネルトランジスタ8のゲート電極8aとドレイン領域8bとの間の電圧(電位差)Vgd=Vgate−Vsigの波形の電圧値を1/3に縮小した波形を示す。また、第1参考例による表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aと、nチャネルトランジスタ48のチャネル領域8dとの間の実効的な電圧Vbc=1/3(Vback−Vch)は、図13に示すように、図5に示した第1実施形態によるnチャネルトランジスタ8のゲート電極8aとチャネル領域8dとの間の電圧(電位差)Vgc=Vgate−Vchの波形の電圧値を1/3に縮小した波形を示す。
したがって、nチャネルトランジスタ48の上部チャネルがオン状態の期間において、第1参考例による表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aと、nチャネルトランジスタ48のチャネル領域8dとの間の実効的な電圧(電位差)Vbcは、約0.6V〜約2.0Vの範囲で変化する。一方、nチャネルトランジスタ48の上部チャネル(ゲート電極48a側のチャネル)がオフ状態の期間において、第1参考例による表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aと、nチャネルトランジスタ48のチャネル領域8dとの間の実効的な電圧(電位差)Vbcは、約−3.2V〜約−1.7Vの範囲で変化する。これにより、図14に示すように、nチャネルトランジスタ48の上部チャネルがオフ状態の期間において、画素部遮光領域13aとチャネル領域8dとの間の実効的な電圧(電位差)Vbc(約−3.2V〜約−1.7V)は、nチャネルトランジスタ48のオフ領域の電圧(約0.5V以下)になる。このため、nチャネルトランジスタ48の上部チャネルがオフ状態である期間に、nチャネルトランジスタ48の下部チャネル(画素部遮光領域13a側のチャネル)がオンするのが抑制される。これにより、この期間にnチャネルトランジスタ48の下部チャネルを介してドレイン領域8bとソース領域8cとの間に電流が流れるのが抑制される。
第1参考例では、上記のように、表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aと、対応する画素部6のnチャネルトランジスタ48のゲート電極48aとを接続することにより、表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aに、対応する画素部6のnチャネルトランジスタ48のゲート電極48aに印加される電位Vgateと同じ電位を与えることによって、nチャネルトランジスタ48のゲート電極48aに負側電位Vbbが印加される場合には、画素部遮光領域13aにも、負側電位Vbbが印加される。これにより、ゲート電極48aに負側電位Vbbを印加することによりnチャネルトランジスタ48の上部チャネルをオフ状態に保持している期間に、画素部遮光領域13aにも負側電位Vbbが与えられることに起因してnチャネルトランジスタ48の下部チャネルがオンするのを抑制することができる。このため、液晶表示装置の動作不良の発生を抑制することができる。
また、第1参考例では、画素部遮光領域13aに、対応するnチャネルトランジスタ48のゲート電極48aに印加される電位と同じ電位を与えることによって、画素部遮光領域13aをnチャネルトランジスタ48のゲート電極48aとして機能させることができるので、nチャネルトランジスタ48のゲート電極48aと、表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aとの両方を用いてnチャネルトランジスタ48を駆動させることができる。これにより、画素部6のnチャネルトランジスタ48の駆動能力を向上させることができる。このため、nチャネルトランジスタ48を介して信号電位Vsigの高速な書き込みを行うことができる。
第1参考例による上記以外の効果は、上記第1実施形態による効果と同様である。
(第2参考例)
図15は、本発明の第2参考例による液晶表示装置の画素部のnチャネルトランジスタ近傍の構造を示した断面図である。次に、図15を参照して、第2参考例による液晶表示装置の構成について説明する。
この第2参考例では、上記第1実施形態と異なり、画素部6のnチャネルトランジスタ58のドレイン領域8bと、表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aとが接続されている。なお、このnチャネルトランジスタ58は、本発明の「第1トランジスタ」の一例である。具体的には、図15に示すように、表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aに接続された1層目のプラグ21上に、2層目のプラグ53が設けられている。そして、絶縁膜19上の2層目のプラグ53に対応する領域に配線層54が形成されている。この配線層54は、2層目のプラグ53と、nチャネルトランジスタ58のドレイン領域8bに繋がるプラグ20aとに接続されている。これにより、nチャネルトランジスタ58のドレイン領域8bと、表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aとは、プラグ20a、配線層54、1層目のプラグ21および2層目のプラグ53を介して接続されている。なお、ドレイン領域8bと、画素部遮光領域13aとは、1層目のプラグ21により直接接続してもよい。
これにより、第2参考例では、表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aに、画素部6のnチャネルトランジスタ58のドレイン領域8bに印加される電位と同じ電位が印加されるように構成されている。なお、第2参考例では、配線部遮光領域13bと、画素部遮光領域13aとは、分断されており、配線部遮光領域13bには、適当な電位(1/2(Vdd+Vss))が印加されている。第2参考例による液晶表示装置の上記以外の構成は、上記第1実施形態による液晶表示装置の構成と同様である。なお、第2参考例による液晶表示装置のレベル変換回路遮光膜には、上記第1実施形態と同様、1/2(Vdd+Vbb)の固定電位が印加されるように構成されている。また、第2参考例による液晶表示装置のH系ドライバのシフトレジスタ回路遮光膜と、サンプリングトランジスタ遮光膜と、バッファ遮光膜と、DAコンバータ遮光膜と、クロック発生回路遮光膜と、V系ドライバのシフトレジスタ回路遮光膜とには、上記第1実施形態と同様、1/2(Vdd+Vss)の固定電位が印加されるように構成されている。
図16は、本発明の第2参考例による液晶表示装置の画素部のnチャネルトランジスタの動作を説明するための電圧波形図である。図17は、本発明の第2参考例による液晶表示装置の画素部のnチャネルトランジスタの電流−電圧特性を示した図である。次に、図15〜図17を参照して、第2参考例による液晶表示装置の画素部のnチャネルトランジスタの動作について説明する。
この第2参考例による液晶表示装置の画素部6のnチャネルトランジスタ58では、ゲート電極8aおよびドレイン領域8bに、それぞれ、図4に示した上記第1実施形態によるゲート電位Vgateおよび信号電位Vsigと同様の電位を印加する。この際、nチャネルトランジスタ58のチャネル領域8dの電位Vchは、図4に示した第1実施形態によるチャネル領域8dの電位Vchと同様になる。これにより、第2参考例によるnチャネルトランジスタ58のゲート電極8aとドレイン領域8bとの間の電圧Vgdと、ゲート電極8aとチャネル領域8dとの間の電圧Vgcとは、それぞれ、図5に示した第1実施形態によるnチャネルトランジスタ8のゲート電極8aとドレイン領域8bとの間の電圧Vgdと、ゲート電極8aとチャネル領域8dとの間の電圧Vgcと同様の波形を示す。
そして、第2参考例では、nチャネルトランジスタ58のドレイン領域8bと、表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aとが接続されていることにより、ドレイン領域8bに印加される信号電位Vsigと同じ電位が、表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aに印加される。これにより、画素部遮光領域13aとnチャネルトランジスタ58のドレイン領域8bとの間の実効的な電圧Vbd=1/3(Vback−Vsig)は、図16に示すように、約0Vになる。また、画素部遮光領域13aとnチャネルトランジスタ58のチャネル領域8dとの間の実効的な電圧Vbc=1/3(Vback−Vch)は、図16に示すような波形を示す。
これにより、nチャネルトランジスタ58の上部チャネルがオン状態の期間において、第2参考例による表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aと、nチャネルトランジスタ58のチャネル領域8dとの間の実効的な電圧(電位差)Vbcは、約−0.3V〜約0.8Vの範囲で変化する。一方、nチャネルトランジスタ58の上部チャネルがオフ状態の期間において、第2参考例による表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aと、nチャネルトランジスタ58のチャネル領域8dとの間の実効的な電圧(電位差)Vbcは、約−0.7V〜約0.4Vの範囲で変化する。このため、図17に示すように、nチャネルトランジスタ58の上部チャネルがオフ状態の期間において、画素部遮光領域13aとチャネル領域8dとの間の実効的な電圧Vbc(約−0.7V〜約0.4V)は、nチャネルトランジスタ58のオフ領域の電圧(約0.5V以下)になる。これにより、nチャネルトランジスタ58の上部チャネルがオフ状態である期間に、ドレイン領域8bに印加される信号電位Vsigと同じ電位が表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aに印加される場合にも、nチャネルトランジスタ58の下部チャネルがオンするのが抑制される。このため、この期間にnチャネルトランジスタ58の下部チャネルを介してドレイン領域8bとソース領域8cとの間に電流が流れるのが抑制される。
第2参考例では、上記のように、画素部6のnチャネルトランジスタ58の上部チャネルがオフ状態の期間において、nチャネルトランジスタ58のチャネル領域8dの電位は、ドレイン領域8bの電位(信号電位Vsig)が変化する電圧範囲内で、かつ、ドレイン領域8bの電位(信号電位Vsig)に対応した電位になる。これにより、表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aと、対応する画素部6のnチャネルトランジスタ58のドレイン領域8bとを接続することにより、表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aに、対応する画素部6のnチャネルトランジスタ58のドレイン領域8bに印加される信号電位Vsigと同じ電位を与えることによって、nチャネルトランジスタ58の上部チャネルがオフ状態の期間において、表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aと、nチャネルトランジスタ58のチャネル領域8dとの間の実効的な電圧(電位差)Vbcを約−0.7V〜約0.4Vの範囲内に制御することができる。このため、表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aと、nチャネルトランジスタ58のチャネル領域8dとの間の実効的な電圧(電位差)Vbcをnチャネルトランジスタ58のオフ領域の電圧範囲内(約0.5V以下)に制御することができる。これにより、表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aにドレイン領域8bに印加される信号電位Vsigと同じ電位が印加されることに起因して、nチャネルトランジスタ58の上部チャネルのオフ時に、nチャネルトランジスタ58の下部チャネルがオンするのを抑制することができる。このため、液晶表示装置の動作不良が発生するのが抑制される。
また、第2参考例では、表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aと、nチャネルトランジスタ58のドレイン領域8bとを接続することにより、nチャネルトランジスタ58のドレイン領域8bに接続されるドレイン線の電気容量が表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aの分増加する。これにより、ドレイン線に映像信号(信号電位Vsig)が供給される際に、その映像信号の電荷をドレイン線およびドレイン線に繋がる電気容量として寄与する部分に十分蓄積することができる。そして、その十分に蓄積された電荷を、ゲート線から所定の走査信号が供給されることによりnチャネルトランジスタ58がオンする期間に、nチャネルトランジスタ58を介して各画素に供給することができる。これにより、液晶表示装置の画質を向上させることができる。
第2参考例による上記以外の効果は、上記第1実施形態による効果と同様である。
(第2実施形態)
図18は、本発明の第2実施形態による有機EL(Electro Luminescence)表示装置の画素部の回路図である。図18を参照して、この第2実施形態では、本発明を有機EL表示装置に適用する例について説明する。
この第2実施形態による有機EL表示装置では、図18に示すように、スイッチング素子としてのnチャネルトランジスタ68と、補助容量69と、陽極70と、陰極71と、陽極70と陰極71との間に狭持された有機EL素子72と、pチャネルトランジスタ73とによって画素部66が構成されている。なお、画素部66は、本発明の「第1領域」および「第1回路部」の一例であり、nチャネルトランジスタ68およびpチャネルトランジスタ73は、本発明の「第1トランジスタ」の一例である。
また、nチャネルトランジスタ68のゲート電極68aには、ゲート線が接続されている。このゲート線を介してnチャネルトランジスタ68のゲート電極68aに正側電位Vddおよび負側電位Vbbが印加される。また、nチャネルトランジスタ68のドレイン領域68bは、ドレイン線に接続されているとともに、ソース領域68cは、補助容量69の一方電極と、pチャネルトランジスタ73のゲート電極73aとに接続されている。また、nチャネルトランジスタ68のドレイン領域68bには、ドレイン線を介して信号電位Vsigが印加される。また、補助容量69の他方電極には、正側電位PVddが供給される。また、pチャネルトランジスタ73のドレイン領域73bには、正側電位PVddが供給されるとともに、ソース領域73cは、陽極70に接続されている。また、陰極71には、各画素部66に共通の接地電位GND(Vcom)が供給される。
なお、この第2実施形態による有機EL表示装置においても、図1に示した上記第1実施形態による液晶表示装置と同様の表示部遮光膜13と、シフトレジスタ回路遮光膜30および37と、サンプリングトランジスタ遮光膜31と、バッファ遮光膜32と、DAコンバータ遮光膜33と、クロック発生回路遮光膜34と、レベル変換回路遮光膜38とが設けられている。また、第2実施形態による有機EL表示装置では、図1に示した第1実施形態によるものと同様の表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aが画素部66(図18参照)のnチャネルトランジスタ68およびpチャネルトランジスタ73の両方の下方を覆うように設けられている。また、第2実施形態による有機EL表示装置では、図1に示した第1実施形態によるものと同様の表示部遮光膜13と、レベル変換回路遮光膜38とに、1/2(Vdd+Vbb)の固定電位が印加されるように構成されている。また、第2実施形態による有機EL表示装置では、図1に示した第1実施形態によるものと同様のシフトレジスタ回路遮光膜30および37と、サンプリングトランジスタ遮光膜31と、バッファ遮光膜32と、DAコンバータ遮光膜33と、クロック発生回路遮光膜34とに、1/2(Vdd+Vss)の固定電位が印加されるように構成されている。第2実施形態による有機EL表示装置の上記以外の構成は、上記第1実施形態による液晶表示装置の構成と同様である。
図19〜図22は、本発明の第2実施形態による有機EL表示装置の画素部のnチャネルトランジスタの動作を説明するための電圧波形図である。図23は、本発明の第2実施形態による有機EL表示装置の画素部のnチャネルトランジスタの電流−電圧特性を示した図である。図24〜図27は、本発明の第2実施形態による有機EL表示装置の画素部のpチャネルトランジスタの動作を説明するための電圧波形図である。図28は、本発明の第2実施形態による有機EL表示装置の画素部のpチャネルトランジスタの電流−電圧特性を示した図である。次に、図18〜図28を参照して、本発明の第2実施形態による有機EL表示装置の画素部のnチャネルトランジスタおよびpチャネルトランジスタの動作について説明する。
なお、以下の動作説明では、ドット反転駆動方式の有機EL表示装置における画素部のnチャネルトランジスタおよびpチャネルトランジスタの動作について説明する。また、各供給電位を、nチャネルトランジスタのゲート電極に与える正側電位Vdd:約7.5V、pチャネルトランジスタのドレイン領域に与える正側電位PVdd:約8V、負側電位Vbb:約−2V、信号電位Vsig:約3.5V〜約6.5Vに設定する。また、nチャネルトランジスタのしきい値電圧Vthは、約1Vであり、pチャネルトランジスタのしきい値電圧Vthは、約−2.5Vであるものとする。これにより、nチャネルトランジスタは、ゲート電極とチャネル領域との間の電圧が約1V以上のときオン状態となり、pチャネルトランジスタは、ゲート電極とチャネル領域との間の電圧(電位差)が約−2.5V以下のときオン状態になる。また、nチャネルトランジスタは、ゲート電極とチャネル領域との間の電圧が約0.5V以下のときオフ状態になり、pチャネルトランジスタは、ゲート電極とチャネル領域との間の電圧が約−2.0V以上のときオフ状態になるものとする。
まず、画素部66のnチャネルトランジスタ68のゲート電極68aに入力される電位(ゲート電位Vgate)は、図19に示すように、正側電位Vdd(約7.5V)と、負側電位Vbb(約−2V)とに交互に切り替わる。そして、nチャネルトランジスタ68のドレイン領域68bに入力される信号電位Vsigは、約3.5V〜約6.5Vの範囲で電位が変化する。この際、nチャネルトランジスタ68のチャネル領域68dの電位Vchは、図19に示すような波形を示すとともに、約3.5V〜約6.8Vの範囲で変化する。なお、図18中のチャネル領域68dの電位Vchは、チャネル領域68dの中央部近傍の電位を示している。この場合において、nチャネルトランジスタ68のゲート電極68aとドレイン領域68bとの間の電圧Vgd=Vgate−Vsigと、ゲート電極68aとチャネル領域68dとの間の電圧Vgc=Vgate−Vchとは、図20に示すような波形で変化する。
したがって、ゲート電位Vgate(図19参照)が正側電位Vdd(約7.5V)の期間、nチャネルトランジスタ68のゲート電極68aとチャネル領域68dとの間の電圧(電位差)Vgc(図20参照)は、約0.7V〜約4Vの範囲の電圧になる。すなわち、この期間において、初期状態から信号電位Vsigの1つ目の電圧パルスが印加される期間以外のゲート電極68aとチャネル領域68dとの間の電圧Vgc(約1V〜約4V)は、nチャネルトランジスタ68のオン領域の電圧(約1V以上)になるので、nチャネルトランジスタ68はオン状態になる。一方、ゲート電位Vgate(図19参照)が負側電位Vbb(約−2V)の期間、nチャネルトランジスタ68のゲート電極68aとチャネル領域68dとの間の電圧(電位差)Vgc(図20参照)は、約−8.5V〜約−5.5Vの範囲の電圧になる。すなわち、この期間、ゲート電極68aとチャネル領域68dとの間の電圧Vgc(約−8.5V〜約−5.5V)は、nチャネルトランジスタ68のオフ領域の電圧(約0.5V以下)になるので、nチャネルトランジスタ68はオフ状態になる。
また、第2実施形態では、画素部66のnチャネルトランジスタ68を覆うように設けられた表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aに1/2(Vdd+Vbb)の固定電位を印加する。これにより、表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aの電位Vbackは、図21に示すように、1/2(Vdd+Vbb)=約2.75Vに固定される。この際、画素部遮光領域13aとnチャネルトランジスタ68のドレイン領域68bとの間の実効的な電圧(電位差)Vbd=1/3(Vback−Vsig)と、画素部遮光領域13aとnチャネルトランジスタ68のチャネル領域68dとの間の実効的な電圧(電位差)Vbc=1/3(Vback−Vch)とは、それぞれ、図22に示すような波形を示す。そして、画素部遮光領域13aとnチャネルトランジスタ68のチャネル領域68dとの間の実効的な電圧Vbcは、図22に示すように、約−1.4V〜約−0.3Vの範囲で変化する。これにより、画素部遮光領域13aとチャネル領域68dとの間の実効的な電圧Vbc(約−1.4V〜約0.3V)は、図23に示すように、常に、nチャネルトランジスタ68のオフ領域の電圧(約0.5V以下)になる。これにより、nチャネルトランジスタ68の上部チャネルをオフ状態に保持している期間に、表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aに1/2(Vdd+Vbb)の電位を印加する場合にも、nチャネルトランジスタ68の下部チャネルがオンするのが抑制される。このため、この期間にnチャネルトランジスタ68の下部チャネルを介してドレイン領域68bとソース領域68cとの間に電流が流れるのが抑制される。
次に、画素部66のpチャネルトランジスタ73のゲート電極73aに入力される電位(ゲート電位Vgate(Pch)=nチャネルトランジスタ68のソース電位Vs)は、図24に示すように、約3.5V〜約6.5Vの範囲で変化する。そして、pチャネルトランジスタ73のドレイン領域73bには、正側電位PVdd(約8V)が印加される。この際、pチャネルトランジスタ73のチャネル領域73dの電位Vchは、図24に示すような波形を示す。これにより、pチャネルトランジスタ73のゲート電極73aとドレイン領域73bとの間の電圧(電位差)Vgd=Vgate(Pch)−Vd(Pch)と、ゲート電極73aとチャネル領域73dとの間の電圧(電位差)Vgc=Vgate(Pch)−Vch(Pch)とは、図25に示すような波形で変化する。そして、ゲート電極73aとチャネル領域73dとの間の電圧Vgcがpチャネルトランジスタ73のオン領域の電圧(約−2.5V以下)になる期間、pチャネルトランジスタ73はオン状態になる。一方、ゲート電極73aとチャネル領域73dとの間の電圧Vgcがpチャネルトランジスタ73のオフ領域の電圧(約−2V以上)になる期間、pチャネルトランジスタ73はオフ状態になる。
また、第2実施形態では、画素部66のpチャネルトランジスタ73を覆うように設けられた表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aに1/2(Vdd+Vbb)=約2.75Vの電位を印加する。これにより、第2実施形態による画素部遮光領域13aの電位Vbackは、図26に示すように、約2.75Vに固定される。この際、画素部遮光領域13aとpチャネルトランジスタ73のドレイン領域73bとの間の実効的な電圧(電位差)Vbd=1/3(Vback−Vd(Pch))は、図27に示すように、約−1.75Vになる。また、画素部遮光領域13aとpチャネルトランジスタ73のチャネル領域73dとの間の実効的な電圧(電位差)Vbc=1/3(Vback−Vch(Pch))は、図27に示すような波形を示すとともに、約−1.75V〜約−0.25Vの範囲の電圧になる。これにより、画素部遮光領域13aとpチャネルトランジスタ73のチャネル領域73dとの間の実効的な電圧(電位差)Vbc(約−1.75V〜約−0.25V)は、図28に示すように、常に、pチャネルトランジスタ73のオフ領域の電圧(約−2V以上)になる。このため、pチャネルトランジスタ73の上部チャネルがオフ状態に保持されている期間に、表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aに1/2(Vdd+Vbb)の電位を印加する場合にも、pチャネルトランジスタ73の下部チャネルがオンするのが抑制される。このため、この期間にpチャネルトランジスタ73の下部チャネルを介してドレイン領域73bとソース領域73cとの間に電流が流れるのが抑制される。
第2実施形態では、上記のように、有機EL表示装置において、表示部遮光膜13およびレベル変換回路遮光膜38に1/2(Vdd+Vbb)の電位を与えるとともに、シフトレジスタ回路遮光膜30および37と、サンプリングトランジスタ遮光膜31と、バッファ遮光膜32と、DAコンバータ遮光膜33と、クロック発生回路遮光膜34とに1/2(Vdd+Vss)の電位を与えることによって、表示部遮光膜13およびレベル変換回路遮光膜38を1/2(Vdd+Vbb)の電位に固定することができるとともに、シフトレジスタ回路遮光膜30および37と、サンプリングトランジスタ遮光膜31と、バッファ遮光膜32と、DAコンバータ遮光膜33と、クロック発生回路遮光膜34とを1/2(Vdd+Vss)の電位に固定することができる。これにより、表示部遮光膜13と、レベル変換回路遮光膜38と、シフトレジスタ回路遮光膜30および37と、サンプリングトランジスタ遮光膜31と、バッファ遮光膜32と、DAコンバータ遮光膜33と、クロック発生回路遮光膜34とにおいて電位が変動しないので、これらの遮光膜の電位の変動に伴って、画素部66のnチャネルトランジスタ68およびpチャネルトランジスタ73のしきい値電圧と、レベル変換回路36、シフトレジスタ回路25および35、サンプリングトランジスタ26、バッファ27、DAコンバータ28およびクロック発生回路29の各々に含まれるnチャネルトランジスタのしきい値電圧とが変動するのを抑制することができる。このため、有機EL表示装置において、画素部66のnチャネルトランジスタ68およびpチャネルトランジスタ73の動作と、レベル変換回路36、シフトレジスタ回路25および35、サンプリングトランジスタ26、バッファ27、DAコンバータ28およびクロック発生回路29の各々に含まれるnチャネルトランジスタの動作とを安定させることができる。
また、第2実施形態では、有機EL表示装置において、表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aおよびレベル変換回路遮光膜38に1/2(Vdd+Vbb)の電位を与えるとともに、シフトレジスタ回路遮光膜30および37、サンプリングトランジスタ遮光膜31、バッファ遮光膜32、DAコンバータ遮光膜33およびクロック発生回路遮光膜34に1/2(Vdd+Vss)の電位を与えることによって、上記の各遮光膜と、対応する画素部66のnチャネルトランジスタ68およびpチャネルトランジスタ73、レベル変換回路36、シフトレジスタ回路25および35、サンプリングトランジスタ26、バッファ27、DAコンバータ28およびクロック発生回路29の各々に含まれるnチャネルトランジスタとの間の電圧(電位差)Vbcが上記nチャネルトランジスタまたはpチャネルトランジスタのそれぞれのしきい値電圧Vthを超えないようにすることができる。このため、表示部遮光膜13およびレベル変換回路遮光膜38に1/2(Vdd+Vbb)の電位を与えるとともに、シフトレジスタ回路遮光膜30および37、サンプリングトランジスタ遮光膜31、バッファ遮光膜32、DAコンバータ遮光膜33およびクロック発生回路遮光膜34に1/2(Vdd+Vss)の電位を与えた場合にも、画素部66のnチャネルトランジスタ68およびpチャネルトランジスタ73の下部チャネルと、レベル変換回路36、シフトレジスタ回路25および35、サンプリングトランジスタ26、バッファ27、DAコンバータ28およびクロック発生回路29の各々のnチャネルトランジスタの下部チャネルとがオン状態になるのを抑制することができる。これにより、画素部66のnチャネルトランジスタ68およびpチャネルトランジスタ73の上部チャネルと、レベル変換回路36、シフトレジスタ回路25および35、サンプリングトランジスタ26、バッファ27、DAコンバータ28およびクロック発生回路29の各々のnチャネルトランジスタの上部チャネルとをオフ状態に保持している期間に、対応する遮光膜に電位が与えられることにより上記のnチャネルトランジスタまたはpチャネルトランジスタの下部チャネルがオンすることに起因して有機EL表示装置の動作不良が発生するのを抑制することができる。
第2実施形態による上記以外の効果は、上記第1実施形態による効果と同様である。
(第3参考例)
この第3参考例では、上記第2実施形態と異なり、有機EL表示装置の表示部遮光膜の画素部遮光領域に、対応する画素部のnチャネルトランジスタおよびpチャネルトランジスタのゲート電極と同じ電位を印加する場合について説明する。
この第3参考例による有機EL表示装置は、図18に示した第2実施形態による画素部66と同様の画素部を有している。ただし、第3参考例では、図18に示した第2実施形態による画素部66のnチャネルトランジスタ68およびpチャネルトランジスタ73が、図12に示した第1参考例によるゲート電極48aと、表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aとがプラグ21および中間配線層42とを介して接続された構造を有するように構成されている。なお、この第3参考例では、1つのゲート線に接続される複数のnチャネルトランジスタ68(pチャネルトランジスタ73)のゲート電極に対してそれぞれ接続される画素部遮光領域13aと、他のゲート線に接続される複数のnチャネルトランジスタ68(pチャネルトランジスタ73)のゲート電極に対してそれぞれ接続される画素部遮光領域13aとは、電気的に分断されている。これにより、第3参考例では、図18に示した第2実施形態による画素部66のnチャネルトランジスタ68およびpチャネルトランジスタ73の各々のゲート電極68aおよび73aと、対応する表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aとに同じ電位が印加されるように構成されている。第3参考例による有機EL表示装置の上記以外の構成は、上記第2実施形態による有機EL表示装置の構成と同様である。
なお、第3参考例による有機EL表示装置のレベル変換回路遮光膜には、上記第2実施形態と同様、1/2(Vdd+Vbb)の固定電位が印加されるように構成されている。また、第3参考例による有機EL表示装置のH系ドライバのシフトレジスタ回路遮光膜と、サンプリングトランジスタ遮光膜と、バッファ遮光膜と、DAコンバータ遮光膜と、クロック発生回路遮光膜と、V系ドライバのシフトレジスタ回路遮光膜とには、上記第2実施形態と同様、1/2(Vdd+Vss)の固定電位が印加されるように構成されている。
図29は、本発明の第3参考例による有機EL表示装置の画素部のnチャネルトランジスタの動作を説明するための電圧波形図である。図30は、本発明の第3参考例による有機EL表示装置の画素部のnチャネルトランジスタの電流−電圧特性を示した図である。図31は、本発明の第3参考例による有機EL表示装置の画素部のpチャネルトランジスタの動作を説明するための電圧波形図である。図32は、本発明の第3参考例による有機EL表示装置の画素部のpチャネルトランジスタの電流−電圧特性を示した図である。次に、図29〜図32を参照して、第3参考例による有機EL表示装置の画素部のnチャネルトランジスタおよびpチャネルトランジスタの動作について説明する。
この第3参考例による有機EL表示装置の画素部66のnチャネルトランジスタ68では、ゲート電極68aおよびドレイン領域68bに、それぞれ、図19に示した上記第2実施形態によるゲート電位Vgateおよび信号電位Vsigと同様の電位を印加する。これにより、第3参考例によるnチャネルトランジスタ68のチャネル領域68dには、図19に示した第2実施形態によるチャネル領域68dの電位Vchと同様の電位が印加される。これにより、第3参考例による画素部66のnチャネルトランジスタ68の上部チャネル側では、上記第2実施形態と同様の動作が行われる。
そして、第3参考例では、nチャネルトランジスタ68のゲート電極68aと、表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aとが接続されていることにより、同一のゲート線に接続される複数のnチャネルトランジスタ68のゲート電極68aに印加される電位Vgateが、それらの複数のnチャネルトランジスタ68のゲート電極68aにそれぞれ接続される画素部遮光領域13aに同様に印加される。すなわち、この第3参考例による表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aに印加される電位Vbackは、図19に示した第2実施形態によるnチャネルトランジスタ68のゲート電位Vgateと同様の波形を示す。そして、第3参考例では、nチャネルトランジスタ68のゲート電極68aに正側電位Vddが印加される期間には、対応する画素部遮光領域13aにも正側電位Vddが印加される。一方、nチャネルトランジスタ68のゲート電極68aに負側電位Vbbが印加される期間には、対応する画素部遮光領域13aにも負側電位Vbbが印加される。そして、第3参考例による表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aと、nチャネルトランジスタ68のドレイン領域68bとの間の実効的な電圧Vbd=1/3(Vback−Vsig)は、図29に示すように、図20に示した第2実施形態によるnチャネルトランジスタ68のゲート電極68aとドレイン領域68bとの間の電圧Vgdの波形の電圧値を1/3に縮小した波形を示す。また、第3参考例による表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aと、nチャネルトランジスタ68のチャネル領域68dとの間の実効的な電圧Vbc=1/3(Vback−Vch)は、図29に示すように、図20に示した第2実施形態によるnチャネルトランジスタ68のゲート電極68aとチャネル領域68dとの間の電圧Vgcの波形の電圧値を1/3に縮小した波形を示す。
したがって、nチャネルトランジスタ68の上部チャネルがオン状態の期間において、第3参考例による表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aと、nチャネルトランジスタ68のチャネル領域68dとの間の実効的な電圧(電位差)Vbcは、約0.2V〜約1.3Vの範囲で変化する。一方、nチャネルトランジスタ68の上部チャネルがオフ状態の期間において、第3参考例による表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aと、nチャネルトランジスタ68のチャネル領域68dとの間の実効的な電圧(電位差)Vbcは、約−2.8V〜約−1.8Vの範囲で変化する。これにより、図30に示すように、第3参考例によるnチャネルトランジスタ68の上部チャネルがオフ状態の期間において、画素部遮光領域13aとチャネル領域68dとの間の実効的な電圧Vbc(約−2.8V〜約−1.8V)は、nチャネルトランジスタ68のオフ領域の電圧(約0.5V以下)になる。このため、nチャネルトランジスタ68の上部チャネルがオフ状態である期間に、nチャネルトランジスタ68の下部チャネルがオンするのが抑制される。これにより、この期間にnチャネルトランジスタ68の下部チャネルを介してドレイン領域68bとソース領域68cとの間に電流が流れるのが抑制される。
次に、第3参考例による有機EL表示装置の画素部66のpチャネルトランジスタ73では、ゲート電極73aおよびドレイン領域73bに、それぞれ、図24に示した第2実施形態によるゲート電位Vgate(Pch)および正側電位PVddと同じ電位が印加される。これにより、第3参考例によるpチャネルトランジスタ73のチャネル領域73dには、図24に示した第2実施形態によるチャネル領域73dの電位Vchと同様の電位が印加される。このため、第3参考例による画素部66のpチャネルトランジスタ73の上部チャネル側では、上記第2実施形態によるpチャネルトランジスタ73と同様の動作が行われる。
そして、第3参考例では、pチャネルトランジスタ73のゲート電極73aと、表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aとが接続されていることにより、ゲート電極73aに印加されるゲート電位Vgate(Pch)と同じ電位が、表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aに印加される。すなわち、この第3参考例による表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aに印加される電位Vbackは、図24に示した第2実施形態によるゲート電位Vgate(Pch)と同様の波形を示す。これにより、第3参考例による表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aと、pチャネルトランジスタ73のドレイン領域73bとの間の実効的な電圧Vbd=1/3(Vback−Vd(Pch))は、図31に示すように、図25に示した第2実施形態によるpチャネルトランジスタ73のゲート電極73aとドレイン領域73bとの間の電圧Vgdの波形の電圧値を1/3に縮小した波形を示す。また、第3参考例による表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aと、pチャネルトランジスタ73のチャネル領域73dとの間の実効的な電圧Vbc=1/3(Vback−Vch(Pch))は、図31に示すように、図25に示した第2実施形態によるpチャネルトランジスタ73のゲート電極73aとチャネル領域73dとの間の電圧Vgcの波形の電圧値を1/3に縮小した波形を示す。
したがって、第3参考例による表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aと、pチャネルトランジスタ73のチャネル領域73dとの間の実効的な電圧Vbcは、図31に示すように、約−1.5V〜約0Vの範囲で変化する。これにより、図32に示すように、第3参考例による画素部遮光領域13aとpチャネルトランジスタ73のチャネル領域73dとの間の実効的な電圧Vbc(約−1.5V〜約0V)は、pチャネルトランジスタ73のオフ領域の電圧(約−2V以上)になる。このため、pチャネルトランジスタ73の上部チャネルがオフ状態である期間に、pチャネルトランジスタ73の下部チャネルがオンするのが抑制される。これにより、この期間にpチャネルトランジスタ73の下部チャネルを介してドレイン領域73bとソース領域73cとの間に電流が流れるのが抑制される。
第3参考例では、上記のように、有機EL表示装置において、表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aと、対応する画素部66のnチャネルトランジスタ68のゲート電極68aとを接続することにより、表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aに、対応する画素部66のnチャネルトランジスタ68のゲート電位Vgateと同じ電位を与えることによって、ゲート電極68aに負側電位Vbbを印加することによりnチャネルトランジスタ68の上部チャネルをオフ状態に保持している期間には、画素部遮光領域13aにも負側電位Vbbが与えられることに起因してnチャネルトランジスタ68の下部チャネルがオンするのを抑制することができる。このため、有機EL表示装置の動作不良の発生を抑制することができる。
また、第3参考例では、有機EL表示装置において、表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aと、対応する画素部66のpチャネルトランジスタ73のゲート電極73aとを接続することにより、表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aに、対応する画素部66のpチャネルトランジスタ73のゲート電位Vgateと同じ電位を与えることによって、pチャネルトランジスタ73の上部チャネルをオフ状態に保持している期間には、pチャネルトランジスタ73の下部チャネルがオンするのを抑制することができる。このため、有機EL表示装置の動作不良の発生を抑制することができる。
また、第3参考例では、上記のように、有機EL表示装置において、表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aと、対応する画素部66のnチャネルトランジスタ68のゲート電極68a(pチャネルトランジスタ73のゲート電極73a)とを接続することにより、表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aに、対応する画素部66のnチャネルトランジスタ68のゲート電極68a(pチャネルトランジスタ73のゲート電極73a)に印加される電位と同じ電位を与えることによって、表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aを画素部66のnチャネルトランジスタ68(pチャネルトランジスタ73)のゲート電極として機能させることができる。これにより、nチャネルトランジスタ68のゲート電極68aと、表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aとの両方を用いてnチャネルトランジスタ68を駆動させることができるとともに、pチャネルトランジスタ73のゲート電極73aと、表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aとの両方を用いてpチャネルトランジスタ73を駆動させることができる。これにより、画素部66のnチャネルトランジスタ68およびpチャネルトランジスタ73の駆動能力を向上させることができる。
なお、図31に示した第3参考例による画素部遮光領域13aとpチャネルトランジスタ73のチャネル領域73dとの間の実効的な電圧Vbc(約−1.5V〜約0V)は、常にpチャネルトランジスタ73のオフ領域の電圧(約−2V以上)になっているが、pチャネルトランジスタ73の上部チャネルがオン状態になる期間に、電圧Vbcがpチャネルトランジスタ73のオン領域の電圧(約−2.5V以下)になるように各供給電位を設定すれば、容易に、表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aをpチャネルトランジスタ73の下部チャネル側のゲート電極として機能させることができる。
第3参考例による上記以外の効果は、上記第1実施形態による効果と同様である。
(第4参考例)
この第4参考例では、上記第2実施形態と異なり、有機EL表示装置の表示部遮光膜の画素部遮光領域に、対応する画素部のnチャネルトランジスタおよびpチャネルトランジスタのドレイン領域と同じ電位を印加する場合について説明する。
この第4参考例による有機EL表示装置は、図18に示した第2実施形態による画素部66と同様の画素部を有している。ただし、第4参考例では、図18に示した第2実施形態による画素部66のnチャネルトランジスタ68およびpチャネルトランジスタ73が、図15に示した第2参考例によるnチャネルトランジスタ58と同様の構造を有するように構成されている。すなわち、第4参考例では、図18に示した第2実施形態による画素部66のnチャネルトランジスタ68およびpチャネルトランジスタ73が、図15に示した第2参考例によるドレイン領域8bと、表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aとが1層目のプラグ21と、2層目のプラグ53と、配線層54と、プラグ20aとを介して接続された構造を有するように構成されている。なお、ドレイン領域8bと画素部遮光領域13aとは、1層目のプラグ21により直接接続してもよい。これにより、第4参考例では、図18に示した第2実施形態による画素部66のnチャネルトランジスタ68およびpチャネルトランジスタ73の各々のドレイン領域68bおよび73bと、対応する表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aとに同じ電位が印加されるように構成されている。なお、第4参考例では、配線部遮光領域13bと、画素部遮光領域13aとは、分断されており、配線部遮光領域13bには、適当な電位(1/2(Vdd+Vss))が印加されている。第4参考例による有機EL表示装置の上記以外の構成は、上記第2実施形態による有機EL表示装置の構成と同様である。
なお、第4参考例による有機EL表示装置のレベル変換回路遮光膜には、上記第2実施形態と同様、1/2(Vdd+Vbb)の電位が印加されるように構成されている。また、第3参考例による有機EL表示装置のH系ドライバのシフトレジスタ回路遮光膜と、サンプリングトランジスタ遮光膜と、バッファ遮光膜と、DAコンバータ遮光膜と、クロック発生回路遮光膜と、V系ドライバのシフトレジスタ回路遮光膜とには、上記第2実施形態と同様、1/2(Vdd+Vss)の電位が印加されるように構成されている。
図33は、本発明の第4参考例による有機EL表示装置の画素部のnチャネルトランジスタの動作を説明するための電圧波形図である。図34は、本発明の第4参考例による有機EL表示装置の画素部のnチャネルトランジスタの電流−電圧特性を示した図である。図35は、本発明の第4参考例による有機EL表示装置の画素部のpチャネルトランジスタの動作を説明するための電圧波形図である。図36は、本発明の第4参考例による有機EL表示装置の画素部のpチャネルトランジスタの電流−電圧特性を示した図である。次に、図33〜図36を参照して、第4参考例による有機EL表示装置の画素部のnチャネルトランジスタおよびpチャネルトランジスタの動作について説明する。
この第4参考例による有機EL表示装置の画素部66のnチャネルトランジスタ68では、ゲート電極68aおよびドレイン領域68bに、それぞれ、図19に示した上記第2実施形態によるゲート電位Vgateおよび信号電位Vsigと同様の電位を印加する。この際、第4参考例によるnチャネルトランジスタ68のチャネル領域68dには、図19に示した第2実施形態によるチャネル領域68dの電位Vchと同様の電位が印加される。これにより、第4参考例による画素部66のnチャネルトランジスタ68の上部チャネル側では、上記第2実施形態と同様の動作が行われる。
そして、第4参考例では、nチャネルトランジスタ68のドレイン領域68bと、対応する表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aとが接続されていることにより、ドレイン領域68bに印加される信号電位Vsigと同じ電位が、表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aに印加される。これにより、第4参考例による表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aと、nチャネルトランジスタ68のドレイン領域68bとの間の実効的な電圧Vbd=1/3(Vback−Vsig)は、図33に示すように、約0Vになる。また、第4参考例による画素部遮光領域13aとnチャネルトランジスタ68のチャネル領域68dとの間の実効的な電圧Vbc=1/3(Vback−Vch)は、図33に示すような波形を示すとともに、約−0.2V〜約0.4Vの範囲で変化する。
したがって、図34に示すように、第4参考例による画素部遮光領域13aとnチャネルトランジスタ68のチャネル領域68dとの間の実効的な電圧Vbc(約−0.2V〜約0.4V)は、nチャネルトランジスタ68のオフ領域の電圧(約0.5V以下)になる。これにより、第4参考例では、nチャネルトランジスタ68の上部チャネルがオフ状態である期間に、nチャネルトランジスタ68のドレイン領域68bに印加される信号電位Vsigと同じ電位が表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aに印加される場合にも、nチャネルトランジスタ68の下部チャネルがオンするのが抑制される。このため、この期間にnチャネルトランジスタ68の下部チャネルを介してドレイン領域68bとソース領域68cとの間に電流が流れるのが抑制される。
次に、第4参考例による有機EL表示装置の画素部66のpチャネルトランジスタ73では、ゲート電極73aおよびドレイン領域73bに、それぞれ、図24に示した第2実施形態によるゲート電位Vgate(Pch)および正側電位PVddと同様の電位が印加される。この際、第4参考例によるpチャネルトランジスタ73のチャネル領域73dには、図24に示した第2実施形態によるチャネル領域73dの電位Vchと同様の電位が印加される。これにより、第4参考例による画素部66のpチャネルトランジスタ73の上部チャネル側では、上記第2実施形態によるpチャネルトランジスタ73と同様の動作が行われる。
そして、第4参考例では、pチャネルトランジスタ73のドレイン領域73bと、表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aとが接続されていることにより、ドレイン領域73bに印加される正側電位PVdd(約8V)と同じ電位が、表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aに印加される。これにより、第4参考例による表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aと、pチャネルトランジスタ73のドレイン領域73bとの間の実効的な電圧Vbd=1/3(Vback−Vd(Pch))は、図35に示すように、約0Vになる。また、第4参考例による画素部遮光領域13aとpチャネルトランジスタ73のチャネル領域73dとの間の実効的な電圧Vbc=1/3(Vback−Vch(Pch))は、図35に示すような波形を示すとともに、約0V〜約1.5Vの範囲で変化する。
これにより、図36に示すように、第4参考例による画素部遮光領域13aとpチャネルトランジスタ73のチャネル領域73dとの間の実効的な電圧(電位差)Vbc(約0V〜約1.5V)は、pチャネルトランジスタ73のオフ領域の電圧(約−2V以上)になる。このため、第4参考例では、pチャネルトランジスタ73の上部チャネルがオフ状態である期間に、ドレイン領域73bに印加される正側電位PVddと同じ電位が対応する表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aに印加される場合にも、pチャネルトランジスタ73の下部チャネルがオンするのが抑制される。このため、この期間にpチャネルトランジスタ73の下部チャネルを介してドレイン領域73bとソース領域73cとの間に電流が流れるのが抑制される。
第4参考例では、上記のように、画素部66のnチャネルトランジスタ68のチャネル領域68dの電位は、ドレイン領域68bの電位(信号電位Vsig)が変化する電圧範囲内で、かつ、ドレイン領域68bの電位(信号電位Vsig)に対応した電位になる。これにより、有機EL表示装置において、表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aと、対応する画素部66のnチャネルトランジスタ68のドレイン領域68bとを接続することにより、表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aに、対応する画素部66のnチャネルトランジスタ68のドレイン領域68bに印加される信号電位Vsigと同じ電位を与えることによって、表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aと、対応するnチャネルトランジスタ68のチャネル領域68bとの間の実効的な電圧(電位差)Vbcを約−0.2V〜約0.4Vの範囲内に制御することができる。このため、表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aと、対応するnチャネルトランジスタ68のチャネル領域68bとの間の実効的な電圧(電位差)Vbcをnチャネルトランジスタ68のオフ領域の電圧範囲内(約0.5V以下)に制御することができる。これにより、表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aにドレイン領域68bに印加される信号電位Vsigと同じ電位が印加されることに起因して、nチャネルトランジスタ68の上部チャネルのオフ時に、nチャネルトランジスタ68の下部チャネルがオンするのを抑制することができる。このため、有機EL表示装置の動作不良の発生を抑制することができる。
また、第4参考例では、画素部66のpチャネルトランジスタ73のチャネル領域73dの電位は、ドレイン領域73bの正側電位PVddに対応した所定の範囲内の電位になる。これにより、有機EL表示装置において、表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aと、対応する画素部66のpチャネルトランジスタ73のドレイン領域73bとを接続することにより、表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aに、対応する画素部66のpチャネルトランジスタ73のドレイン領域73bに印加される正側電位PVddと同じ電位を与えることによって、表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aと、対応するpチャネルトランジスタ73のチャネル領域73dとの間の実効的な電圧(電位差)Vbcを約0V〜約1.5Vの範囲内に制御することができる。このため、表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aと、対応するpチャネルトランジスタ73のチャネル領域73dとの間の実効的な電圧(電位差)Vbcをpチャネルトランジスタ73のオフ領域の電圧範囲内(約−2V以上)に制御することができる。これにより、表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aにドレイン領域73bに印加される正側電位PVddと同じ電位が印加されることに起因して、pチャネルトランジスタ73の上部チャネルのオフ時に、pチャネルトランジスタ73の下部チャネルがオンするのを抑制することができる。これによっても、有機EL表示装置の動作不良の発生を抑制することができる。
また、第4参考例では、表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aと、nチャネルトランジスタ68のドレイン領域68bとを接続することにより、nチャネルトランジスタ68のドレイン領域68bに接続されるドレイン線の電気容量が表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aの分増加する。これにより、ドレイン線に映像信号(信号電位Vsig)が供給される際に、その映像信号の電荷をドレイン線およびドレイン線に繋がる電気容量として寄与する部分に十分蓄積することができる。そして、その十分に蓄積された電荷を、ゲート線から所定の走査信号が供給されることによりnチャネルトランジスタ68がオンする期間に、nチャネルトランジスタ68を介してpチャネルトランジスタ73のゲートに供給することができる。これにより、ドレイン線の電気容量が小さい場合と異なり、ドレイン線に供給された映像信号の信号電位Vsigを十分にpチャネルトランジスタ73aのゲートに伝達することができるので、映像信号の信号電位Vsigに応じたpチャネルトランジスタ73のオン状態(オフ状態)の制御を確実に行うことができる。このため、pチャネルトランジスタ73を介して有機EL素子72に印加される電位を映像信号に応じて正確に制御することができるので、有機EL表示装置の画質を向上させることができる。
第4参考例による上記以外の効果は、上記第1実施形態による効果と同様である。
(第5参考例)
この第5参考例では、上記第2実施形態と異なり、有機EL表示装置の画素部のpチャネルトランジスタの下方に配置された表示部遮光膜の画素部遮光領域にpチャネルトランジスタのドレイン領域に印加される正側電位PVddを印加するとともに、画素部のnチャネルトランジスタの下方に配置された表示部遮光膜の画素部遮光領域に1/2(Vdd+Vbb)の電位を印加する場合について説明する。
この第5参考例による有機EL表示装置は、図18に示した第2実施形態による画素部66と同様の画素部を有している。ただし、第5参考例では、図18に示した第2実施形態による画素部66のpチャネルトランジスタ73の下方に配置された表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aに対して、pチャネルトランジスタ73のドレイン領域73bに繋がる正側電位PVddを供給する信号線が接続されている。これにより、第5参考例では、画素部66のpチャネルトランジスタ73の下方に配置された表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aに正側電位PVddが与えられる。第5参考例による有機EL表示装置の上記以外の構成は、上記第2実施形態による有機EL表示装置の構成と同様である。
なお、第5参考例による画素部66の配線部遮光領域13bおよびnチャネルトランジスタ68の下方に配置された表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aには、上記第2実施形態と同様、1/2(Vdd+Vbb)の電位が印加されている。また、第5参考例による有機EL表示装置のレベル変換回路遮光膜には、上記第2実施形態と同様、1/2(Vdd+Vbb)の電位が印加されるように構成されている。また、第5参考例による有機EL表示装置のH系ドライバのシフトレジスタ回路遮光膜と、サンプリングトランジスタ遮光膜と、バッファ遮光膜と、DAコンバータ遮光膜と、クロック発生回路遮光膜と、V系ドライバのシフトレジスタ回路遮光膜とには、上記第2実施形態と同様、1/2(Vdd+Vss)の電位が印加されるように構成されている。
次に、第5参考例による有機EL表示装置の画素部のnチャネルトランジスタおよびpチャネルトランジスタの動作について説明する。
この第5参考例による有機EL表示装置の画素部66のnチャネルトランジスタ68は、上記第2実施形態による画素部66のnチャネルトランジスタ68と全く同様の動作を行うことにより、nチャネルトランジスタ68の上部チャネルがオフ状態である期間に、nチャネルトランジスタ68の下部チャネルがオンするのが抑制される。
そして、第5参考例による画素部66のpチャネルトランジスタ73では、ゲート電極73aに、図24に示した第2実施形態によるゲート電位Vgate(Pch)と同様の電位が印加されるとともに、ドレイン領域73bに正側電位PVdd(約8V)が印加される。この際、第5参考例によるpチャネルトランジスタ73のチャネル領域73dの電位Vch(Pch)は、図24に示した第2実施形態によるチャネル領域73dの電位Vch(Pch)と同様の波形を示す。これにより、第5参考例によるpチャネルトランジスタ73の上部チャネル側では、上記第2実施形態によるpチャネルトランジスタ73と同様の動作が行われる。
そして、第5参考例では、pチャネルトランジスタ73の下方に配置された表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aに正側電位PVdd(約8V)が印加される。これにより、第5参考例によるpチャネルトランジスタ73の下部チャネル側では、上記第4参考例によるpチャネルトランジスタ73の下部チャネル側と同様の動作が行われる。これにより、pチャネルトランジスタ73の上部チャネルがオフ状態である期間に、pチャネルトランジスタ73の下部チャネルがオンするのが抑制される。
第5参考例では、上記のように、pチャネルトランジスタ73のチャネル領域73dの電位は、ドレイン領域73bの正側電位PVddに対応した所定の範囲内の電位になる。これにより、有機EL表示装置において、画素部66のpチャネルトランジスタ73の下方に配置された表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aに、pチャネルトランジスタ73のドレイン領域73bに印加される正側電位PVddと同じ電位を印加することによって、表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aと、対応するpチャネルトランジスタ73のチャネル領域73dとの間の実効的な電圧(電位差)Vbcをpチャネルトランジスタ73のオフ領域の電圧範囲内(約−2V以上)に制御することができる。このため、容易に、表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aに正側電位PVddが印加されることに起因して、画素部66のpチャネルトランジスタ73のオフ時に、画素部66のpチャネルトランジスタ73がオンするのを確実に抑制することができる。その結果、有機EL表示装置の動作不良の発生を抑制することができる。
第5参考例による上記以外の効果は、上記第2実施形態による効果と同様である。
(第3実施形態)
図37は、本発明の第3実施形態による液晶表示装置の周辺回路に含まれるCMOS回路の構成を示した回路図である。この第3実施形態では、液晶表示装置の周辺回路にnチャネルトランジスタおよびpチャネルトランジスタによって構成されたCMOS回路を設ける場合について説明する。
この第3実施形態による液晶表示装置では、図1に示した第1実施形態による液晶表示装置のシフトレジスタ回路25および35、DAコンバータ28、クロック発生回路29およびレベル変換回路36に、図37に示すようなnチャネルトランジスタ81およびpチャネルトランジスタ82からなるCMOS回路83が設けられている。なお、このnチャネルトランジスタ81およびpチャネルトランジスタ82は、本発明の「第2トランジスタ」の一例である。また、nチャネルトランジスタ81のゲート電極81aと、pチャネルトランジスタ82のゲート電極82aとは互いに接続されている。これにより、nチャネルトランジスタ81のゲート電極81aと、pチャネルトランジスタ82のゲート電極82aとには、同じ電位が印加される。また、pチャネルトランジスタ82のソース領域82bには、正側電位Vddが印加されるとともに、nチャネルトランジスタ81のソース領域81bには、負側電位Vbbが印加されている。そして、nチャネルトランジスタ81と、pチャネルトランジスタ82とは、共通のドレイン領域84を有している。
また、第3実施形態では、シフトレジスタ回路25および35、DAコンバータ28、クロック発生回路29およびレベル変換回路36に設けられたCMOS回路83の下方を覆うように、それぞれ、図1に示したシフトレジスタ回路遮光膜30および37、DAコンバータ遮光膜33、クロック発生回路遮光膜34およびレベル変換回路遮光膜38が設けられている。そして、第3実施形態では、シフトレジスタ回路遮光膜30および37、DAコンバータ遮光膜33、クロック発生回路遮光膜34およびレベル変換回路遮光膜38にそれぞれ1/2(Vdd+Vbb)=約2.75Vの電位が印加されている。
第3実施形態による液晶表示装置の上記以外の構成は、上記第1実施形態による液晶表示装置の構成と同様である。なお、第3実施形態による画素部のnチャネルトランジスタの下方に配置された表示部遮光膜の画素部遮光領域には、上記第1実施形態と同様、1/2(Vdd+Vbb)の電位が印加されている。また、第3実施形態による液晶表示装置のサンプリングトランジスタ遮光膜とバッファ遮光膜とには、上記第1実施形態と同様、1/2(Vdd+Vss)の電位が印加されるように構成されている。
図38は、本発明の第3実施形態による液晶表示装置の周辺回路に含まれるCMOS回路の電流−電圧特性を示した図である。次に、図37および図38を参照して、本発明の第3実施形態による液晶表示装置の周辺回路に含まれるCMOS回路83の動作について説明する。なお、CMOS回路83を構成するnチャネルトランジスタのしきい値電圧Vthは、約1Vであり、pチャネルトランジスタのしきい値電圧Vthは、約−2.5Vであるものとする。これにより、CMOS回路83において、nチャネルトランジスタは、ゲート電極とチャネル領域との間の電圧が約1V以上のときオン状態となり、pチャネルトランジスタは、ゲート電極とチャネル領域との間の電圧が約−2.5V以下のときオン状態になる。また、CMOS回路83において、nチャネルトランジスタは、ゲート電極とチャネル領域との間の電圧が約0.5V以下のときオフ状態になり、pチャネルトランジスタは、ゲート電極とチャネル領域との間の電圧が約−2V以上のときオフ状態になるものとする。
この第3実施形態では、CMOS回路83のnチャネルトランジスタ81の上部チャネルがオフ状態で、かつ、nチャネルトランジスタ81のソース領域81bおよびドレイン領域84のいずれか一方に約7.5Vの電位が印加されたときに、対応する遮光膜に1/2(Vdd+Vbb)=約2.75Vの電位を与えた場合、その遮光膜と、CMOS回路83のnチャネルトランジスタ81のチャネル領域81cとの間の実効的な電圧(電位差)Vbcは、図38に示すように、約0.4Vになる。この場合、CMOS回路83のnチャネルトランジスタ81の上部チャネルがオフ状態のとき、対応する遮光膜とnチャネルトランジスタ81のチャネル領域81cとの間の実効的な電圧(電位差)Vbcは、nチャネルトランジスタ81のオフ領域の電圧になる。これにより、このときnチャネルトランジスタ81の下部チャネルがオンするのが抑制される。
また、nチャネルトランジスタ81の上部チャネルがオフ状態で、かつ、nチャネルトランジスタ81のソース領域81bとドレイン領域84とに同じ電位が印加されたときに、対応する遮光膜に1/2(Vdd+Vbb)=約2.75Vの電位を与えた場合には、その遮光膜と、nチャネルトランジスタ81のチャネル領域81cとの間の実効的な電圧(電位差)Vbcは、図38に示した約0.4V以外の電圧になる場合もある。この場合にも、nチャネルトランジスタ81のソース領域81bとドレイン領域84との間に電位差は生じないので、ソース領域81bとドレイン領域84との間にリーク電流は流れない。
一方、CMOS回路83のpチャネルトランジスタ82の上部チャネル(ゲート電極82a側のチャネル)がオフ状態で、かつ、pチャネルトランジスタ82のソース領域82bおよびドレイン領域84のいずれか一方に約7.5Vの電位が印加されたときに、対応する遮光膜に1/2(Vdd+Vbb)=約2.75Vの電位を与えた場合、その遮光膜と、CMOS回路83のpチャネルトランジスタ82のチャネル領域82cとの間の実効的な電圧(電位差)Vbcは、図38に示すように、約0.4Vになる。これにより、CMOS回路83のpチャネルトランジスタ82の上部チャネルがオフ状態のとき、対応する遮光膜とpチャネルトランジスタ82のチャネル領域82cとの間の実効的な電圧Vbcは、pチャネルトランジスタ82のオフ領域の電圧(約−2V以上)になる。これにより、このときpチャネルトランジスタ82の下部チャネル(遮光膜側のチャネル)がオンするのが抑制される。
また、pチャネルトランジスタ82の上部チャネルがオフ状態で、かつ、pチャネルトランジスタ82のソース領域82bとドレイン領域84とに同じ電位が印加されたときに、対応する遮光膜に1/2(Vdd+Vbb)=約2.75Vの電位を与えた場合には、その遮光膜と、pチャネルトランジスタ82のチャネル領域82cとの間の実効的な電圧(電位差)Vbcは、図38に示した約0.4V以外の電圧になる場合もある。この場合にも、pチャネルトランジスタ82のソース領域82bとドレイン領域84との間に電位差は生じないので、ソース領域82bとドレイン領域84との間にリーク電流は流れない。
第3実施形態では、上記のように、シフトレジスタ回路遮光膜30および37、DAコンバータ遮光膜33、クロック発生回路遮光膜34およびレベル変換回路遮光膜38に1/2(Vdd+Vbb)の電位を与えることによって、上記の各遮光膜と対応するCMOS回路83のnチャネルトランジスタ81およびpチャネルトランジスタ82の上部チャネルがオフ状態のときに、各遮光膜と対応するnチャネルトランジスタ81およびpチャネルトランジスタ82の各々のチャネル領域81cおよび82cとの間の電圧Vbcを、nチャネルトランジスタ81およびpチャネルトランジスタ82がそれぞれオフ状態になる電圧にすることができる。このため、CMOS回路83のnチャネルトランジスタ81およびpチャネルトランジスタ82の上部チャネルがそれぞれオフ状態に保持されているときに、nチャネルトランジスタ61およびpチャネルトランジスタ62の下部チャネルがオンするのを抑制することができる。これにより、周辺回路にCMOS回路を含む液晶表示装置の動作不良が発生するのを抑制することができる。
次に、図39を参照して、遮光膜に印加する電位と、その遮光膜に対応するpチャネルトランジスタおよびnチャネルトランジスタのしきい値電圧Vth(設計値)との関係について説明する。なお、この図39では、pチャネルトランジスタおよびnチャネルトランジスタと、それらの下方に配置された遮光膜との間の絶縁膜の厚みを、pチャネルトランジスタおよびnチャネルトランジスタのゲート絶縁膜の厚みの3倍に設定した場合の、遮光膜に印加する電位と、pチャネルトランジスタおよびnチャネルトランジスタのしきい値電圧Vthとの関係を示している。
ここで、図39を参照して、上述した第1および第2実施形態について検討する。上記第1実施形態による液晶表示装置では、表示部遮光膜13(図1参照)の画素部遮光領域13aと対応する画素部6のnチャネルトランジスタ8のチャネル領域8dとの間の実効的な電圧Vbcは約−1.4V〜約0.1Vになる。また、この第1実施形態では、表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aに1/2(Vdd+Vbb)=約1.5Vの電位を印加する。この場合、図39からわかるように、nチャネルトランジスタ8のしきい値電圧Vthは、約1.0Vから約0.8Vに約0.2V分低下するので、nチャネルトランジスタ8のオン領域の電圧範囲(約1V以上)およびオフ領域の電圧範囲(約0.5V以下)は約0.2V低下する方向にシフトする。この場合にも、表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aと対応するnチャネルトランジスタ8のチャネル領域8dとの間の実効的な電圧Vbc(約−1.4V〜約0.1V)は、シフト後のnチャネルトランジスタ8のオフ領域の電圧範囲(約0.3V以下)内に維持される。これにより、第1実施形態による画素部6のnチャネルトランジスタ8の上部チャネルがオフ状態の期間において、対応する表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aに1/2(Vdd+Vbb)の電位を印加することによりnチャネルトランジスタ8のしきい値電圧Vthが低下する場合にも、nチャネルトランジスタ8の下部チャネルはオフ状態に保持される。
また、上記第2実施形態による有機EL表示装置では、表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aと対応する画素部66(図18参照)のnチャネルトランジスタ68のチャネル領域68dとの間の実効的な電圧Vbcは約−1.4V〜約−0.3Vになる。また、この第2実施形態では、表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aに1/2(Vdd+Vbb)=約2.75Vの電位を印加する。この場合、図39からわかるように、nチャネルトランジスタ68のしきい値電圧Vthは、約1.0Vから約0.6Vに約0.4V分低下するので、nチャネルトランジスタ68のオン領域の電圧範囲(約1V以上)およびオフ領域の電圧範囲(約0.5V以下)は約0.4V低下する方向にシフトする。この場合にも、表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aと対応するnチャネルトランジスタ68のチャネル領域68dとの間の実効的な電圧Vbc(約−1.4V〜約−0.3V)は、シフト後のnチャネルトランジスタ68のオフ領域の電圧範囲(約0.1V以下)内に維持される。これにより、第2実施形態による画素部66のnチャネルトランジスタ68の上部チャネルがオフ状態の期間において、対応する表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aに1/2(Vdd+Vbb)の電位を印加する場合にも、nチャネルトランジスタ68の下部チャネルはオフ状態に保持される。
また、上記第2実施形態による有機EL表示装置において、表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aに1/2(Vdd+Vbb)=約2.75Vの電位を印加することによって、画素部66のpチャネルトランジスタ73のしきい値電圧Vthは、図39からわかるように、約−2.5Vから約−2.9Vに低下する。これにより、画素部66のpチャネルトランジスタ73のオン領域の電圧範囲(約−2.5V以下)およびオフ領域の電圧範囲(約−2V以上)は低下する方向にシフトする。このため、pチャネルトランジスタ73のオフ領域の電圧範囲は増大する。この際、表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aと対応するpチャネルトランジスタ73のチャネル領域73dとの間の実効的な電圧Vbcは、シフト後のpチャネルトランジスタ73のオフ領域の電圧範囲内に維持される。これにより、第2実施形態による画素部66のpチャネルトランジスタ73の上部チャネルがオフ状態の期間において、対応する表示部遮光膜13の画素部遮光領域13aに1/2(Vdd+Vbb)の電位を印加する場合にも、pチャネルトランジスタ73の下部チャネルはオフ状態に保持される。
(第6参考例)
図40は、本発明の第6参考例による有機EL表示装置の全体構成を示した平面図である。図41は、図40に示した第6参考例による有機EL表示装置の画素部の回路図であり、図42は、図40に示した第6参考例による有機EL表示装置の周辺回路部(アナログスイッチ)の回路図である。図40〜図42を参照して、この第6参考例では、上記第2実施形態、第3参考例〜第5参考例と異なり、画素部において、nチャネルトランジスタに対応する遮光膜とpチャネルトランジスタに対応する遮光膜とを別個に設ける場合について説明する。なお、図40〜図42において、図中のVdd、PVdd、VbbおよびVsigの各々の電位は、上記第2実施形態と同様である。すなわち、VddおよびPVddの電位は、それぞれ、約7.5Vおよび約8Vである。また、Vbbの電位は、約−2Vであり、Vsigの電位は、約3.5V〜約6.5Vである。
第6参考例による有機EL表示装置は、図40に示すように、有機EL表示パネル91と、有機EL表示パネル91に取り付けられた外部回路部92とを備えている。有機EL表示パネル91は、表示部93と、表示部93の周辺に設けられたH系ドライバ94およびV系ドライバ95とを含んでいる。また、表示部93には、複数の画素部96がマトリクス状に配置されている。
各画素部96は、図41に示すように、スイッチング素子としてのnチャネルトランジスタ101と、補助容量102と、陽極103と、陰極104と、陽極103と陰極104とに狭持された有機EL素子105と、駆動トランジスタとしてのpチャネルトランジスタ106とによって構成されている。nチャネルトランジスタ101は、図40に示した画素部96の所定の領域96aに配置されているとともに、pチャネルトランジスタ106は、図40に示した画素部96の領域96a以外の所定の領域96bに配置されている。なお、nチャネルトランジスタ101およびpチャネルトランジスタ106は、それぞれ、本発明の「第1トランジスタ」および「第2トランジスタ」の一例である。また、領域96aおよび96bは、それぞれ、本発明の「第1領域」および「第2領域」の一例である。また、nチャネルトランジスタ101およびpチャネルトランジスタ106は、上記第2実施形態のnチャネルトランジスタ68およびpチャネルトランジスタ73と同様の構造を有する。すなわち、nチャネルトランジスタ101のしきい値電圧Vthは、約1Vであり、pチャネルトランジスタ106のしきい値電圧Vthは、約−2.5Vである。
また、図41に示すように、nチャネルトランジスタ101のゲート電極101aは、ゲート線GLに接続されている。このゲート線GLを介して、nチャネルトランジスタ101のゲート電極101aに正側電位Vdd(約7.5V)および負側電位Vbb(約−2V)が印加される。また、nチャネルトランジスタ101のドレイン領域101bは、ドレイン線DLに接続されている。このドレイン線DLを介して、nチャネルトランジスタ101のドレイン領域101bに映像信号の信号電位Vsig(約3.5V〜約6.5V)が供給される。nチャネルトランジスタ101のソース領域101cは、補助容量102の一方電極と、pチャネルトランジスタ106のゲート電極106aとに接続されている。pチャネルトランジスタ106のドレイン領域106bは、配線97に接続されている。この配線97を介して、pチャネルトランジスタ106のドレイン領域106bに正側電位PVdd(約8V)が供給される。pチャネルトランジスタ106のソース領域106cは、陽極103に接続されている。また、補助容量102の他方電極には、正側電位PVdd(約8V)が供給されるとともに、陰極104には、各画素部96に共通の接地電位GND(Vcom)が供給される。なお、図41に示した第6参考例の画素部96の回路構成は、図18に示した第2実施形態の画素部66の回路構成と同様である。
また、図40に示すように、H系ドライバ94は、H系シフトレジスタ回路111と、アナログスイッチ112とを含んでいる。アナログスイッチ112は、図42に示すように、nチャネルトランジスタ121とpチャネルトランジスタ122とによって構成されている。このnチャネルトランジスタ121およびpチャネルトランジスタ122のしきい値電圧Vthは、それぞれ、約1Vおよび約−2.5Vである。なお、図42には、1本のドレイン線DLに対応する1つのスイッチのみを図示している。
アナログスイッチ112の具体的な回路構成としては、nチャネルトランジスタ121のドレイン領域とpチャネルトランジスタ122のソース領域とが接続されているとともに、nチャネルトランジスタ121のソース領域とpチャネルトランジスタ122のドレイン領域とが接続されている。また、nチャネルトランジスタ121のドレイン領域(pチャネルトランジスタ122のソース領域)には、映像信号の信号電位Vsigが入力されるとともに、nチャネルトランジスタ121のソース領域(pチャネルトランジスタ122のドレイン領域)には、ドレイン線DLが接続されている。また、nチャネルトランジスタ121のゲート電極には、H系シフトレジスタ回路111(図40参照)の出力信号S1が入力されるとともに、pチャネルトランジスタ122のゲート電極には、H系シフトレジスタ回路111の出力信号S2が入力される。そして、nチャネルトランジスタ121は、アナログスイッチ112の領域112aに配置されているとともに、pチャネルトランジスタ122は、アナログスイッチ112の領域112a以外の領域112bに配置されている。
また、図40に示すように、V系ドライバ95は、V系シフトレジスタ回路113と、レベル変換回路114とを含んでいる。そして、ドレイン線DLは、アナログスイッチ112を介してH系シフトレジスタ回路111に接続されているとともに、ゲート線GLは、レベル変換回路114を介してV系シフトレジスタ回路113に接続されている。
また、外部回路部92は、電位生成回路部92aおよび92bを含んでいる。電位生成回路部92aは、配線97に接続されているとともに、PVdd(約8V)の電位を生成する機能を有する。これにより、pチャネルトランジスタ106のドレイン領域106b(図41参照)に、PVdd(約8V)の電位が配線97を介して供給される。また、電位生成回路部92bは、Vbb(約−2V)の電位を生成する機能を有する。また、この電位生成回路部92bは、レベル変換回路114のLレベル側の電源配線(図示せず)に接続されている。
ここで、第6参考例では、画素部96の領域96a(図41に示したnチャネルトランジスタ101)の下方を覆うように、nチャネルトランジスタ用遮光膜98が設けられているとともに、画素部96の領域96b(図41に示したpチャネルトランジスタ106)の下方を覆うように、pチャネルトランジスタ用遮光膜99が設けられている。なお、nチャネルトランジスタ用遮光膜98は、本発明の「第1遮光膜」の一例であり、pチャネルトランジスタ用遮光膜99は、本発明の「第2遮光膜」の一例である。
具体的な構造としては、nチャネルトランジスタ用遮光膜98は、複数の画素部96の領域96a(nチャネルトランジスタ101)の各々の下方を覆う複数の遮光部98aと、1本のゲート線GLに対して1つずつ設けられた複数の線状部98bと、複数の線状部98bが連結される1つの連結部98cとを有する。nチャネルトランジスタ用遮光膜98の所定のゲート線GLに対応する所定数の遮光部98aは、nチャネルトランジスタ用遮光膜98の所定のゲート線GLに対応する1つの線状部98bに接続されている。また、nチャネルトランジスタ用遮光膜98の複数の線状部98bは、ゲート線GLに沿って延びるように形成されているとともに、そのnチャネルトランジスタ用遮光膜98の複数の線状部98bの一方の端部は、表示部93の外側においてnチャネルトランジスタ用遮光膜98の1つの連結部98cに接続されている。また、nチャネルトランジスタ用遮光膜98の連結部98cは、外部回路部92の電位生成回路部92bに接続されている。すなわち、nチャネルトランジスタ用遮光膜98には、外部回路部92の電位生成回路部92bからVbb(約−2V)の固定電位が供給される。
この第6参考例では、図3に示した第1実施形態と同様、nチャネルトランジスタ101(図41参照)と、nチャネルトランジスタ用遮光膜98の遮光部98aとの間には、nチャネルトランジスタ101のゲート絶縁膜(図示せず)の厚みの約3倍の厚みを有する絶縁膜(図示せず)が設けられている。このため、nチャネルトランジスタ用遮光膜98に電位を与えたときにnチャネルトランジスタ用遮光膜98の遮光部98aからチャネル領域101d(図41参照)に印加される電界の強度は、同じ電位をゲート電極101a(図41参照)に与えたときにゲート電極101aからチャネル領域101dに印加される電界の強度の約1/3になる。したがって、nチャネルトランジスタ用遮光膜98の遮光部98aとチャネル領域101dとの間の実効的な電圧(電位差)Vbcとしては、nチャネルトランジスタ用遮光膜98の遮光部98aの電位Vbackと、チャネル領域101dの電位Vchとの電位差の1/3の電圧となる。すなわち、nチャネルトランジスタ用遮光膜98の遮光部98aとチャネル領域101dとの間の実効的な電圧Vbcは、1/3(Vback−Vch)となる。
また、pチャネルトランジスタ用遮光膜99は、複数の画素部96の領域96b(pチャネルトランジスタ106)の各々の下方を覆う複数の遮光部99aと、1本のゲート線GLに対して1つずつ設けられた複数の線状部99bと、複数の線状部99bが連結される1つの連結部99cとを有する。pチャネルトランジスタ用遮光膜99の所定のゲート線GLに対応する所定数の遮光部99aは、pチャネルトランジスタ用遮光膜99の所定のゲート線GLに対応する1つの線状部99bに接続されている。また、pチャネルトランジスタ用遮光膜99の複数の線状部99bは、ゲート線GLに沿って延びるように形成されているとともに、そのpチャネルトランジスタ用遮光膜99の複数の線状部99bの一方の端部は、表示部93の外側においてpチャネルトランジスタ用遮光膜99の1つの連結部99cに接続されている。また、pチャネルトランジスタ用遮光膜99の連結部99cは、表示部93の外側において配線97に接続されている。すなわち、pチャネルトランジスタ用遮光膜99には、外部回路部92の電位生成回路部92aから配線97を介してPVdd(約8V)の固定電位が供給される。
この第6参考例では、図3に示した第1実施形態と同様、pチャネルトランジスタ106(図41参照)と、pチャネルトランジスタ用遮光膜99の遮光部99aとの間には、pチャネルトランジスタ106のゲート絶縁膜(図示せず)の厚みの約3倍の厚みを有する絶縁膜(図示せず)が設けられている。このため、pチャネルトランジスタ用遮光膜99に電位を与えたときにpチャネルトランジスタ用遮光膜99の遮光部99aからチャネル領域106d(図41参照)に印加される電界の強度は、同じ電位をゲート電極106a(図41参照)に与えたときにゲート電極106aからチャネル領域106dに印加される電界の強度の約1/3になる。したがって、pチャネルトランジスタ用遮光膜99の遮光部99aとチャネル領域106dとの間の実効的な電圧(電位差)Vbc(Pch)としては、pチャネルトランジスタ用遮光膜99の遮光部99aの電位Vback(Pch)と、チャネル領域106dの電位Vch(Pch)との電位差の1/3の電圧となる。すなわち、pチャネルトランジスタ用遮光膜99の遮光部99aとチャネル領域106dとの間の実効的な電圧Vbc(Pch)は、1/3(Vback(Pch)−Vch(Pch))となる。
次に、図40および図41を参照して、第6参考例による有機EL表示装置の動作について説明する。なお、画素部96のnチャネルトランジスタ101(図41参照)における電圧(Vgate、Vch、Vsig、Vgc、Vgd)変化は、図19および図20に示した第2実施形態と同様である。また、画素部96のpチャネルトランジスタ106(図41参照)における電圧(Vgate(Pch)、Vch(Pch)、Vd(Pch)、Vgc(Pch)、Vgd(Pch))変化は、図24および図25に示した第2実施形態と同様である。
そして、第6参考例では、nチャネルトランジスタ101の下方に設けられたnチャネルトランジスタ用遮光膜98(図40参照)に、Vbb(約−2V)の固定電位が供給されているので、nチャネルトランジスタ用遮光膜98の電位Vbackは、Vbb(約−2V)に固定される。また、nチャネルトランジスタ101のチャネル領域101dの電位Vchは、約3.5V〜約6.5Vの範囲で変化する。
したがって、nチャネルトランジスタ用遮光膜98の遮光部98aとnチャネルトランジスタ101のチャネル領域101dとの間の実効的な電圧(電位差)Vbc=1/3(Vback−Vch)は、約−1.8V〜約−2.8Vの範囲で変化する。これにより、nチャネルトランジスタ用遮光膜98の遮光部98aとnチャネルトランジスタ101のチャネル領域101dとの間の実効的な電圧Vbc(約−1.8V〜約−2.8V)は、常に、nチャネルトランジスタ101のオフ領域の電圧(約0.5V以下)になる。その結果、nチャネルトランジスタ101の上部チャネルをオフ状態に保持している期間に、nチャネルトランジスタ101の下部チャネルがオンするのが抑制される。このため、この期間にnチャネルトランジスタ101の下部チャネルを介してドレイン領域101bとソース領域101cとの間に電流が流れるのが抑制される。
また、第6参考例では、pチャネルトランジスタ106の下方に設けられたpチャネルトランジスタ用遮光膜99(図40参照)に、PVdd(約8V)の固定電位が供給されているので、pチャネルトランジスタ用遮光膜99の電位Vback(Pch)は、PVdd(約8V)に固定される。また、pチャネルトランジスタ106のドレイン領域106bには、pチャネルトランジスタ用遮光膜99に供給される電位と同じPVdd(約8V)の固定電位が供給されている。
したがって、第6参考例では、上記第4参考例と同様、pチャネルトランジスタ用遮光膜99の遮光部99aとpチャネルトランジスタ106のチャネル領域106dとの間の実効的な電圧(電位差)Vbc(Pch)=1/3(Vback(Pch)−Vch(Pch))は、約0V〜約1.5Vの範囲で変化する。これにより、pチャネルトランジスタ用遮光膜99の遮光部99aとpチャネルトランジスタ106のチャネル領域106dとの間の実効的な電圧Vbc(Pch)(約0V〜約1.5V)は、常に、pチャネルトランジスタ106のオフ領域の電圧(約−2V以上)になる。その結果、pチャネルトランジスタ106の上部チャネルをオフ状態に保持している期間に、pチャネルトランジスタ106の下部チャネルがオンするのが抑制される。このため、この期間にpチャネルトランジスタ106の下部チャネルを介してドレイン領域106bとソース領域106cとの間に電流が流れるのが抑制される。
第6参考例では、上記のように、画素部96において、nチャネルトランジスタ101に対応するnチャネルトランジスタ用遮光膜98にVbbの電位を与えるとともに、pチャネルトランジスタ106に対応するpチャネルトランジスタ用遮光膜99にPVddの電位を与えることによって、nチャネルトランジスタ用遮光膜98をVbbの電位に固定することができるとともに、pチャネルトランジスタ用遮光膜99をPVddの電位に固定することができる。これにより、画素部96において、nチャネルトランジスタ用遮光膜98の電位の変動に伴って、nチャネルトランジスタ101のしきい値電圧Vthが変動するのを抑制することができるとともに、pチャネルトランジスタ用遮光膜99の電位の変動に伴って、画素部96のpチャネルトランジスタ106のしきい値電圧Vthが変動するのを抑制することができる。このため、画素部96において、nチャネルトランジスタ101およびpチャネルトランジスタ106の動作を安定させることができる。
また、第6参考例では、上記のように、画素部96において、nチャネルトランジスタ101に対応するnチャネルトランジスタ用遮光膜98にVbbの電位を与えるとともに、pチャネルトランジスタ106に対応するpチャネルトランジスタ用遮光膜99にPVddの電位を与えることによって、nチャネルトランジスタ用遮光膜98とnチャネルトランジスタ101のチャネル領域101dとの間の実効的な電圧Vbcが、nチャネルトランジスタ101のしきい値電圧Vthを超えないようにすることができるとともに、pチャネルトランジスタ用遮光膜99とpチャネルトランジスタ106のチャネル領域106dとの間の実効的な電圧Vbc(Pch)が、pチャネルトランジスタ106のしきい値電圧Vthを超えないようにすることができる。このため、画素部96において、nチャネルトランジスタ用遮光膜98にVbbの電位を与えるとともに、pチャネルトランジスタ用遮光膜99にPVddの電位を与えた場合にも、nチャネルトランジスタ101およびpチャネルトランジスタ106がオン状態になるのを抑制することができる。これにより、画素部96において、nチャネルトランジスタ101およびpチャネルトランジスタ106をオフ状態に保持している期間に、nチャネルトランジスタ用遮光膜98およびpチャネルトランジスタ用遮光膜99に電位が与えられることによりnチャネルトランジスタ101およびpチャネルトランジスタ106がオンすることに起因して、有機EL表示装置の動作が不安定になるという不都合が発生するのを抑制することができる。
また、第6参考例では、上記のように、複数の画素部96の各々のnチャネルトランジスタ101の下方を、1つのnチャネルトランジスタ用遮光膜98により覆うとともに、複数の画素部96の各々のpチャネルトランジスタ106の下方を、1つのpチャネルトランジスタ用遮光膜99により覆うことによって、複数のnチャネルトランジスタ101(pチャネルトランジスタ106)に対して1つずつnチャネルトランジスタ用遮光膜98(pチャネルトランジスタ用遮光膜99)を設けるとともに、その複数のnチャネルトランジスタ用遮光膜98(pチャネルトランジスタ用遮光膜99)に対して所定の電位を個別に与える場合に比べて、nチャネルトランジスタ用遮光膜98(pチャネルトランジスタ用遮光膜99)に電位を与える配線などの数を減少させることができる。これにより、配線数が減少する分、複数の画素部96を含む表示部93が大きくなるのを抑制することができるので、有機EL表示装置が大型化するのを抑制することができる。
また、第6参考例では、上記のように、画素部96において、nチャネルトランジスタ101とnチャネルトランジスタ用遮光膜98との間に、nチャネルトランジスタ101のゲート絶縁膜(図示せず)の厚みの約3倍の厚みを有する絶縁膜(図示せず)を設けることによって、nチャネルトランジスタ用遮光膜98が意図しないゲート電極として機能する場合に、nチャネルトランジスタ用遮光膜98にVbbの電位を印加した場合にも、nチャネルトランジスタ101とnチャネルトランジスタ用遮光膜98との間に設けられたゲート絶縁膜として機能する絶縁膜の厚みが大きいので、nチャネルトランジスタ101のチャネル領域101dに対して、nチャネルトランジスタ用遮光膜98に印加されたVbbの電位の影響が及ぶのを抑制することができる。これにより、nチャネルトランジスタ用遮光膜98にVbbの電位を印加したことに起因して、nチャネルトランジスタ101のしきい値電圧Vthの変化が大きくなるという不都合が発生するのを抑制することができる。
また、第6参考例では、上記のように、画素部96において、pチャネルトランジスタ106とpチャネルトランジスタ用遮光膜99との間に、pチャネルトランジスタ106のゲート絶縁膜(図示せず)の厚みの約3倍の厚みを有する絶縁膜(図示せず)を設けることによって、pチャネルトランジスタ用遮光膜99が意図しないゲート電極として機能する場合に、pチャネルトランジスタ用遮光膜99にPVddの電位を印加した場合にも、pチャネルトランジスタ106とpチャネルトランジスタ用遮光膜99との間に設けられたゲート絶縁膜として機能する絶縁膜の厚みが大きいので、pチャネルトランジスタ106のチャネル領域106dに対して、pチャネルトランジスタ用遮光膜99に印加されたPVddの電位の影響が及ぶのを抑制することができる。これにより、pチャネルトランジスタ用遮光膜99にPVddの電位を印加したことに起因して、pチャネルトランジスタ106のしきい値電圧Vthの変化が大きくなるという不都合が発生するのを抑制することができる。
(第7参考例)
図43は、本発明の第7参考例による有機EL表示装置の全体構成を示した平面図である。図43を参照して、この第7参考例では、図40に示した第6参考例と異なり、画素部において、pチャネルトランジスタの下方を覆う遮光膜を設けずに、スイッチング素子として機能するnチャネルトランジスタの下方を覆うnチャネルトランジスタ用遮光膜のみを設ける場合について説明する。
この第7参考例では、図43に示すように、図40に示した第6参考例と同様、画素部96の領域96a(図41に示したスイッチング素子として機能するnチャネルトランジスタ101)の下方を覆うように、nチャネルトランジスタ用遮光膜98が設けられている。その一方、第7参考例では、図40に示した第6参考例と異なり、画素部96の領域96b(図41に示したpチャネルトランジスタ106)の下方を覆うpチャネルトランジスタ用遮光膜が設けられていない。なお、領域96aは、本発明の「第1領域」および「第1回路部」の一例であり、nチャネルトランジスタ101は、本発明の「第1トランジスタ」の一例である。また、nチャネルトランジスタ用遮光膜98は、本発明の「第1遮光膜」および「画素部遮光膜」の一例である。
また、第7参考例では、アナログスイッチ112の領域112aおよび112b(図42に示したnチャネルトランジスタ121およびpチャネルトランジスタ122)の下方を覆うように、アナログスイッチ用遮光膜131が設けられている。なお、領域112aおよび112bは、本発明の「第2領域」、「第2回路部」および「周辺回路部」の一例であり、nチャネルトランジスタ121およびpチャネルトランジスタ122は、本発明の「第2トランジスタ」の一例である。また、アナログスイッチ用遮光膜131は、本発明の「第2遮光膜」および「周辺回路部遮光膜」の一例である。
また、第7参考例では、外部回路部92に、電位生成回路部92aおよび92bに加えて、正側電位Vddと負側電位Vbbとの中間の電位(1/2(Vdd+Vbb))を生成するための電位生成回路部92cがさらに設けられている。そして、上記したアナログスイッチ用遮光膜131は、電位生成回路部92cに接続されている。これにより、アナログスイッチ用遮光膜131には、正側電位Vddと負側電位Vbbとの中間の電位(1/2(Vdd+Vbb))が供給される。
なお、第7参考例のその他の構成は、上記第6参考例と同様である。
次に、図41〜図43を参照して、第7参考例による有機EL表示装置の動作について説明する。なお、画素部96のnチャネルトランジスタ101(図41参照)における電圧(Vgate、Vch、Vsig、Vgc、Vgd)変化は、図19および図20に示した第2実施形態と同様である。また、画素部96のpチャネルトランジスタ106(図41参照)における電圧(Vgate(Pch)、Vch(Pch)、Vd(Pch)、Vgc(Pch)、Vgd(Pch))変化は、図24および図25に示した第2実施形態と同様である。
そして、第7参考例では、nチャネルトランジスタ101の下方に設けられたnチャネルトランジスタ用遮光膜98(図43参照)に、Vbb(約−2V)の固定電位が供給されているので、nチャネルトランジスタ用遮光膜98の電位Vbackは、Vbb(約−2V)に固定される。また、nチャネルトランジスタ101のチャネル領域101dの電位Vchは、約3.5V〜約6.5Vの範囲で変化する。
したがって、nチャネルトランジスタ用遮光膜98の遮光部98aとnチャネルトランジスタ101のチャネル領域101dとの間の実効的な電圧(電位差)Vbc=1/3(Vback−Vch)は、約−1.8V〜約−2.8Vの範囲で変化する。これにより、nチャネルトランジスタ用遮光膜98の遮光部98aとnチャネルトランジスタ101のチャネル領域101dとの間の実効的な電圧Vbc(約−1.8V〜約−2.8V)は、常に、nチャネルトランジスタ101のオフ領域の電圧(約0.5V以下)になる。その結果、nチャネルトランジスタ101の上部チャネルをオフ状態に保持している期間に、nチャネルトランジスタ101の下部チャネルがオンするのが抑制される。このため、この期間にnチャネルトランジスタ101の下部チャネルを介してドレイン領域101bとソース領域101cとの間に電流が流れるのが抑制される。
また、第7参考例では、アナログスイッチ112のnチャネルトランジスタ121およびpチャネルトランジスタ122(図42参照)の下方に設けられたアナログスイッチ用遮光膜131(図43参照)に、正側電位Vdd(約7.5V)と負側電位Vbb(約−2V)との中間の電位(1/2(Vdd+Vbb)≒3.0V)が供給されている。すなわち、アナログスイッチ用遮光膜131の電位Vbackは、約3.0Vに固定される。また、アナログスイッチ112のnチャネルトランジスタ121およびpチャネルトランジスタ122のチャネル領域の電位は、約3.5V〜約6.5V(映像信号の信号電位Vsig)の範囲で変化する。
したがって、第7参考例では、アナログスイッチ用遮光膜131とnチャネルトランジスタ121(pチャネルトランジスタ122)のチャネル領域との間の実効的な電圧(電位差)Vbc=1/3(Vback−Vch)は、約−1.2V〜約−0.2Vの範囲で変化する。これにより、アナログスイッチ用遮光膜131とnチャネルトランジスタ121のチャネル領域との間の実効的な電圧Vbc(約−1.2V〜約−0.2V)は、常に、nチャネルトランジスタ121のオフ領域の電圧(約0.5V以下)になる。また、アナログスイッチ用遮光膜131とpチャネルトランジスタ122のチャネル領域との間の実効的な電圧Vbc(Pch)(約−1.2V〜約−0.2V)は、常に、pチャネルトランジスタ122のオフ領域の電圧(約−2V以上)になる。その結果、nチャネルトランジスタ121(pチャネルトランジスタ122)の上部チャネルをオフ状態に保持している期間に、nチャネルトランジスタ121(pチャネルトランジスタ122)の下部チャネルがオンするのが抑制される。このため、この期間にnチャネルトランジスタ121(pチャネルトランジスタ122)の下部チャネルを介してドレイン領域とソース領域との間に電流が流れるのが抑制される。
第7参考例では、上記のように、画素部96のnチャネルトランジスタ101に対応するnチャネルトランジスタ用遮光膜98にVbbの電位を与えるとともに、アナログスイッチ112に対応するアナログスイッチ用遮光膜131に1/2(Vdd+Vbb)の電位を与えることによって、nチャネルトランジスタ用遮光膜98をVbbの電位に固定することができるとともに、アナログスイッチ用遮光膜131を1/2(Vdd+Vbb)の電位に固定することができる。これにより、nチャネルトランジスタ用遮光膜98の電位の変動に伴って、画素部96のnチャネルトランジスタ101のしきい値電圧Vthが変動するのを抑制することができるとともに、アナログスイッチ用遮光膜131の電位の変動に伴って、アナログスイッチ112のnチャネルトランジスタ121およびpチャネルトランジスタ122のしきい値電圧Vthが変動するのを抑制することができる。このため、画素部96のnチャネルトランジスタ101と、アナログスイッチ112のnチャネルトランジスタ121およびpチャネルトランジスタ122との動作を安定させることができる。
また、第7参考例では、上記のように、画素部96のnチャネルトランジスタ101に対応するnチャネルトランジスタ用遮光膜98にVbbの電位を与えるとともに、アナログスイッチ112に対応するアナログスイッチ用遮光膜131に1/2(Vdd+Vbb)の電位を与えることによって、画素部96のnチャネルトランジスタ101のチャネル領域101dとnチャネルトランジスタ用遮光膜98との間の実効的な電圧Vbcが、nチャネルトランジスタ101のしきい値電圧Vthを超えないようにすることができるとともに、アナログスイッチ112のnチャネルトランジスタ121(pチャネルトランジスタ122)のチャネル領域とアナログスイッチ用遮光膜131との間の実効的な電圧Vbcが、nチャネルトランジスタ121(pチャネルトランジスタ122)のしきい値電圧Vthを超えないようにすることができる。このため、nチャネルトランジスタ用遮光膜98にVbbの電位を与えるとともに、アナログスイッチ用遮光膜131に1/2(Vdd+Vbb)の電位を与えた場合にも、画素部96のnチャネルトランジスタ101およびアナログスイッチ112のnチャネルトランジスタ121(pチャネルトランジスタ122)がオン状態になるのを抑制することができる。これにより、画素部96のnチャネルトランジスタ101およびアナログスイッチ112のnチャネルトランジスタ121(pチャネルトランジスタ122)をオフ状態に保持している期間に、nチャネルトランジスタ用遮光膜98およびアナログスイッチ用遮光膜131に電位が与えられることによりnチャネルトランジスタ101およびnチャネルトランジスタ121(pチャネルトランジスタ122)がオンすることに起因して、有機EL表示装置の動作が不安定になるという不都合が発生するのを抑制することができる。
また、第7参考例では、上記のように、画素部96において、pチャネルトランジスタ106の下方を覆う遮光膜を設けずに、スイッチング素子として機能するnチャネルトランジスタ101の下方を覆うnチャネルトランジスタ用遮光膜98のみを設けることによって、nチャネルトランジスタ用遮光膜98に電位を供給するための配線の引き回しが複雑になるのを抑制することができる。また、映像信号の画素部96への供給は、スイッチング素子として機能するnチャネルトランジスタ101により制御されるので、スイッチング素子として機能するnチャネルトランジスタ101の下方にnチャネルトランジスタ用遮光膜98を配置すれば、光照射によるリーク電流の発生に起因して、画素部96に供給される映像信号の信号電位Vsigが変化するという不都合が生じるのを抑制することができる。なお、スイッチング素子として機能するnチャネルトランジスタ101の結晶シリコン層(能動層)を形成する際に、レーザ光を用いて結晶シリコン層の結晶化を行う場合に、レーザ光がnチャネルトランジスタ用遮光膜98で反射することにより結晶シリコン層の結晶性がばらついたとしても、スイッチング素子として機能するnチャネルトランジスタ101の特性は、結晶シリコン層(能動層)の結晶性に依存しにくいので、スイッチング素子として機能するnチャネルトランジスタ101の特性のばらつきを抑制することができる。したがって、スイッチング素子として機能するnチャネルトランジスタ101の下方のみを覆うようにnチャネルトランジスタ用遮光膜98を配置すれば、nチャネルトランジスタ用遮光膜98に電位を供給するための配線の引き回しが複雑になるのを抑制しながら、映像信号の信号電位Vsigに応じた階調以外の階調で画像が表示されるのを抑制することができる。
また、第7参考例では、上記のように、アナログスイッチ用遮光膜131に、正側電位Vddと負側電位Vbbとの中間の電位(1/2(Vdd+Vbb))を供給することによって、アナログスイッチ112にnチャネルトランジスタ121およびpチャネルトランジスタ122の両方が含まれていたとしても、アナログスイッチ112のnチャネルトランジスタ121およびpチャネルトランジスタ122の各々のチャネル領域とアナログスイッチ用遮光膜131との間の実効的な電圧Vbcが、nチャネルトランジスタ121およびpチャネルトランジスタ122の各々のしきい値電圧Vthを超えないようにすることができる。
また、第7参考例では、上記のように、外部回路部92に、正側電位Vddと負側電位Vbbとの中間の電位(1/2(Vdd+Vbb))を生成するための電位生成回路部92cを設けることによって、容易に、アナログスイッチ用遮光膜131に、正側電位Vddと負側電位Vbbとの中間の電位(1/2(Vdd+Vbb))を供給することができる。
なお、第7参考例のその他の効果は、上記第6参考例と同様である。
(第8参考例)
図44は、本発明の第8参考例による有機EL表示装置の全体構成を示した平面図である。図44を参照して、この第8参考例では、図43に示した第7参考例の構成において、アナログスイッチ用遮光膜が2つのアナログスイッチ用遮光膜131aおよび131bに分割されている。具体的には、アナログスイッチ用遮光膜131aは、アナログスイッチ112のnチャネルトランジスタ121(図42参照)の下方を覆うように、アナログスイッチ112のnチャネルトランジスタ121が配置される領域112aに設けられている。このアナログスイッチ用遮光膜131aは、外部回路部92のVbb(約−2V)の電位を生成するための電位生成回路部92bに接続されている。これにより、アナログスイッチ用遮光膜131aには、外部回路部92の電位生成回路部92bからVbb(約−2V)の固定電位が供給される。なお、領域112aは、本発明の「第1領域」および「第1周辺回路部」の一例であり、アナログスイッチ用遮光膜131aは、本発明の「第1遮光膜」の一例である。また、nチャネルトランジスタ121は、本発明の「第1トランジスタ」の一例である。
また、アナログスイッチ用遮光膜131bは、アナログスイッチ112のpチャネルトランジスタ122(図42参照)の下方を覆うように、アナログスイッチ112のpチャネルトランジスタ122が配置される領域112bに設けられている。このアナログスイッチ用遮光膜131bは、外部回路部92のPVdd(約8V)の電位を生成するための電位生成回路部92aに接続されている。これにより、アナログスイッチ用遮光膜131bには、外部回路部92の電位生成回路部92aからPVdd(約8V)の固定電位が供給される。なお、領域112bは、本発明の「第2領域」および「第2周辺回路部」の一例であり、アナログスイッチ用遮光膜131bは、本発明の「第2遮光膜」の一例である。また、pチャネルトランジスタ122は、本発明の「第2トランジスタ」の一例である。
また、第8参考例では、上記第7参考例と同様、画素部96において、領域96bに位置するpチャネルトランジスタ106(図41参照)の下方を覆う遮光膜が設けられておらず、領域96aに位置するスイッチング素子として機能するnチャネルトランジスタ101(図41参照)の下方を覆うnチャネルトランジスタ用遮光膜98のみが設けられている。なお、領域96aは、本発明の「第1領域」の一例であり、nチャネルトランジスタ用遮光膜98は、本発明の「第1遮光膜」の一例である。また、nチャネルトランジスタ101は、本発明の「第1トランジスタ」の一例である。
なお、第8参考例のその他の構成は、上記第6参考例と同様である。
次に、図41、図42および図44を参照して、第8参考例による有機EL表示装置の動作について説明する。なお、画素部96のnチャネルトランジスタ101(図41参照)における電圧(Vgate、Vch、Vsig、Vgc、Vgd)変化は、図19および図20に示した第2実施形態と同様である。また、画素部96のpチャネルトランジスタ106(図41参照)における電圧(Vgate(Pch)、Vch(Pch)、Vd(Pch)、Vgc(Pch)、Vgd(Pch))変化は、図24および図25に示した第2実施形態と同様である。
そして、第8参考例では、nチャネルトランジスタ101の下方に設けられたnチャネルトランジスタ用遮光膜98(図44参照)に、Vbb(約−2V)の固定電位が供給されているので、nチャネルトランジスタ用遮光膜98の電位Vbackは、Vbb(約−2V)に固定される。また、nチャネルトランジスタ101のチャネル領域101dの電位Vchは、約3.5V〜約6.5Vの範囲で変化する。
したがって、nチャネルトランジスタ用遮光膜98の遮光部98aとnチャネルトランジスタ101のチャネル領域101dとの間の実効的な電圧(電位差)Vbc=1/3(Vback−Vch)は、約−1.8V〜約−2.8Vの範囲で変化する。これにより、nチャネルトランジスタ用遮光膜98の遮光部98aとnチャネルトランジスタ101のチャネル領域101dとの間の実効的な電圧Vbc(約−1.8V〜約−2.8V)は、常に、nチャネルトランジスタ101のオフ領域の電圧(約0.5V以下)になる。その結果、nチャネルトランジスタ101の上部チャネルをオフ状態に保持している期間に、nチャネルトランジスタ101の下部チャネルがオンするのが抑制される。このため、この期間にnチャネルトランジスタ101の下部チャネルを介してドレイン領域101bとソース領域101cとの間に電流が流れるのが抑制される。
また、第8参考例では、アナログスイッチ112のnチャネルトランジスタ121(図42参照)の下方に設けられたアナログスイッチ用遮光膜131aに、Vbb(約−2V)の電位が供給されている。このため、アナログスイッチ用遮光膜131aの電位Vbackは、約−2.0Vに固定される。また、アナログスイッチ112のpチャネルトランジスタ122(図42参照)の下方に設けられたアナログスイッチ用遮光膜131bに、PVdd(約8V)の電位が供給されている。このため、アナログスイッチ用遮光膜131bの電位Vback(Pch)は、約8Vに固定される。また、アナログスイッチ112のnチャネルトランジスタ121およびpチャネルトランジスタ122のチャネル領域の電位は、約3.5V〜約6.5V(映像信号の信号電位Vsig)の範囲で変化する。
したがって、第8参考例では、アナログスイッチ用遮光膜131aとnチャネルトランジスタ121のチャネル領域との間の実効的な電圧(電位差)Vbc=1/3(Vback−Vch)は、約−2.8V〜約−1.8Vの範囲で変化する。これにより、アナログスイッチ用遮光膜131aとnチャネルトランジスタ121のチャネル領域との間の実効的な電圧Vbc(約−2.8V〜約−1.8V)は、常に、nチャネルトランジスタ121のオフ領域の電圧(約0.5V以下)になる。また、アナログスイッチ用遮光膜131bとpチャネルトランジスタ122のチャネル領域との間の実効的な電圧(電位差)Vbc(Pch)=1/3(Vback(Pch)−Vch(Pch))は、約0.5V〜約1.5Vの範囲で変化する。これにより、アナログスイッチ用遮光膜131bとpチャネルトランジスタ122のチャネル領域との間の実効的な電圧Vbc(Pch)(約0.5V〜約1.5V)は、常に、pチャネルトランジスタ122のオフ領域の電圧(約−2V以上)になる。その結果、nチャネルトランジスタ121およびpチャネルトランジスタ122の上部チャネルをオフ状態に保持している期間に、nチャネルトランジスタ121およびpチャネルトランジスタ122の下部チャネルがオンするのが抑制される。このため、この期間にnチャネルトランジスタ121およびpチャネルトランジスタ122の下部チャネルを介してドレイン領域とソース領域との間に電流が流れるのが抑制される。
第8参考例では、上記のように、画素部96のnチャネルトランジスタ101に対応するnチャネルトランジスタ用遮光膜98と、アナログスイッチ112のnチャネルトランジスタ121に対応するアナログスイッチ用遮光膜131aとにVbbの電位を与えるとともに、アナログスイッチ112のpチャネルトランジスタ122に対応するアナログスイッチ用遮光膜131bにPVddの電位を与えることによって、nチャネルトランジスタ用遮光膜98およびアナログスイッチ用遮光膜131aをVbbの電位に固定することができるとともに、アナログスイッチ用遮光膜131bをPVddの電位に固定することができる。これにより、nチャネルトランジスタ用遮光膜98の電位の変動に伴って、画素部96のnチャネルトランジスタ101のしきい値電圧Vthが変動するのを抑制することができるとともに、アナログスイッチ用遮光膜131aおよび131bの電位の変動に伴って、アナログスイッチ112のnチャネルトランジスタ121およびpチャネルトランジスタ122のしきい値電圧Vthが変動するのを抑制することができる。このため、画素部96のnチャネルトランジスタ101と、アナログスイッチ112のnチャネルトランジスタ121およびpチャネルトランジスタ122との動作を安定させることができる。
また、第8参考例では、上記のように、画素部96のnチャネルトランジスタ101に対応するnチャネルトランジスタ用遮光膜98と、アナログスイッチ112のnチャネルトランジスタ121に対応するアナログスイッチ用遮光膜131aとにVbbの電位を与えるとともに、アナログスイッチ112のpチャネルトランジスタ122に対応するアナログスイッチ用遮光膜131bにPVddの電位を与えることによって、画素部96のnチャネルトランジスタ101のチャネル領域101dとnチャネルトランジスタ用遮光膜98との間の実効的な電圧Vbcが、nチャネルトランジスタ101のしきい値電圧Vthを超えないようにすることができるとともに、アナログスイッチ112のnチャネルトランジスタ121(pチャネルトランジスタ122)のチャネル領域とアナログスイッチ用遮光膜131a(アナログスイッチ用遮光膜131b)との間の実効的な電圧Vbcが、nチャネルトランジスタ121(pチャネルトランジスタ122)のしきい値電圧Vthを超えないようにすることができる。このため、nチャネルトランジスタ用遮光膜98とアナログスイッチ用遮光膜131aにVbbの電位を与えるとともに、アナログスイッチ用遮光膜131bにPVddの電位を与えた場合にも、画素部96のnチャネルトランジスタ101およびアナログスイッチ112のnチャネルトランジスタ121(pチャネルトランジスタ122)がオン状態になるのを抑制することができる。これにより、画素部96のnチャネルトランジスタ101およびアナログスイッチ112のnチャネルトランジスタ121(pチャネルトランジスタ122)をオフ状態に保持している期間に、nチャネルトランジスタ用遮光膜98およびアナログスイッチ用遮光膜131a(アナログスイッチ用遮光膜131b)に電位が与えられることによりnチャネルトランジスタ101およびnチャネルトランジスタ121(pチャネルトランジスタ122)がオンすることに起因して、有機EL表示装置の動作が不安定になるという不都合が発生するのを抑制することができる。
また、第8参考例では、上記のように、アナログスイッチ112の下方に配置するアナログスイッチ用遮光膜を、nチャネルトランジスタ121に対応するアナログスイッチ用遮光膜131aと、pチャネルトランジスタ122に対応するアナログスイッチ用遮光膜131bとに分割するとともに、アナログスイッチ用遮光膜131aおよび131bに、それぞれ、Vbbの電位およびPVddの電位を与えることによって、nチャネルトランジスタ121のチャネル領域とアナログスイッチ用遮光膜131aとの間の実効的な電圧Vbcを、nチャネルトランジスタ121のしきい値電圧Vthに対してより小さくすることができる。また、pチャネルトランジスタ122のチャネル領域とアナログスイッチ用遮光膜131bとの間の実効的な電圧Vbc(Pch)を、pチャネルトランジスタ122のしきい値電圧Vthに対してより大きくすることができる。これにより、アナログスイッチ112のnチャネルトランジスタ121およびpチャネルトランジスタ122のオフ特性を向上させることができる。この場合、第8参考例では、上記第7参考例と異なり、正側電位Vddと負側電位Vbbとの中間の電位(1/2(Vdd+Vbb))を生成する必要がないので、外部回路部92の回路構成を簡素化することができる。
なお、第8参考例のその他の効果は、上記第9および第7参考例と同様である。
(第9参考例)
図45は、本発明の第9参考例による有機EL表示装置の全体構成を示した平面図である。図45を参照して、この第9参考例では、図44に示した第8参考例と異なり、アナログスイッチ112に対応する領域において、領域112aに位置するnチャネルトランジスタ121(図42参照)の下方を覆う遮光膜が設けられておらず、領域112bに位置するpチャネルトランジスタ122(図42参照)の下方を覆うアナログスイッチ用遮光膜131bのみが設けられている。また、アナログスイッチ用遮光膜131bには、V系ドライバ95に供給されるVVddの正側電位を生成するための電位生成回路部92dが接続されている。
なお、第9参考例のその他の構成は、上記第8参考例と同様である。
第9参考例では、上記のように、アナログスイッチ112に対応する領域において、nチャネルトランジスタ121の下方を覆う遮光膜を設けずに、pチャネルトランジスタ122の下方を覆うアナログスイッチ用遮光膜131bのみを設けることによって、アナログスイッチ用遮光膜131bに電位を供給するための配線の引き回しが複雑になるのを抑制することができる。ここで、一般的に、nチャネルトランジスタ121は、pチャネルトランジスタ122に比べてキャリアの移動度が大きいことにより、pチャネルトランジスタ122のゲート幅よりも小さいゲート幅を有するように構成されている。これにより、nチャネルトランジスタ121は、ゲート幅が小さい分、能動層への光の入射による誤動作が起こりにくい。このため、nチャネルトランジスタ121の下方に遮光膜を配置しなかったとしても、アナログスイッチ112の動作が不安定になりやすくなることがない。したがって、アナログスイッチ112のpチャネルトランジスタ122の下方のみを覆うようにアナログスイッチ用遮光膜131bを配置すれば、アナログスイッチ用遮光膜131bに電位を供給するための配線の引き回しが複雑になるのを抑制しながら、アナログスイッチ112の動作が不安定になるのを抑制することができる。
なお、第9参考例のその他の効果は、上記第8参考例と同様である。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、表示装置の一例として液晶表示装置および有機EL表示装置について説明したが、本発明はこれに限らず、液晶表示装置および有機EL表示装置以外の表示装置にも本発明を適用することができる。たとえば、表面電界ディスプレイ(SED:Surface-conduction Electron-emitter Display)などにも本発明を適用することができる。
また、上記実施形態では、TFTを構成する結晶シリコン膜にチャネルドープを行ったが、本発明はこれに限らず、結晶シリコン膜にチャネルドープを行わなくてもよい。
また、上記第2実施形態、第3参考例〜第5参考例および第6参考例〜第9参考例では、有機EL表示装置に用いるnチャネルトランジスタおよびpチャネルトランジスタをそれぞれ構成する結晶シリコン膜に、両方ともチャネルドープを行ったが、本発明はこれに限らず、nチャネルトランジスタの結晶シリコン膜またはpチャネルトランジスタの結晶シリコン膜のいずれか一方のみにチャネルドープを行ってもよい。この際、遮光膜に種々の電位が与えられる場合にも、リーク電流が流れないようにするために、nチャネルトランジスタおよびpチャネルトランジスタの各々のしきい値電圧Vthのばらつきの分、余裕を見込んだ上で上記のチャネルドープによりnチャネルトランジスタまたはpチャネルトランジスタのしきい値電圧Vthの制御を行ってもよい。
また、上記第2実施形態、第3参考例〜第5参考例および第6参考例〜第9参考例では、表示パネルの下部に配置されたガラス基板を介して下方に光を出射させて映像を表示するボトムエミットタイプの有機EL表示装置に本発明を適用した例について説明したが、本発明はこれに限らず、光がゲート電極方向に出射されるトップエミットタイプの有機EL表示装置に本発明を適用してもよい。
また、上記実施形態では、基板上に形成した非晶質シリコン膜の全面を均一な照射条件下で赤外レーザ光を照射して加熱することにより、横方向に成長した柱状結晶シリコン(擬似単結晶)によって全体が構成された結晶シリコン膜を形成したが、本発明はこれに限らず、赤外レーザ光の照射条件を調節することにより、画素部に結晶粒の小さいポリシリコンからなる結晶シリコン膜を形成するとともに、画素部以外の領域に横方向に成長した柱状結晶シリコンからなる結晶シリコン膜を形成してもよい。これにより、画素部に設けられるトランジスタの性能の均一性が向上するとともに、周辺回路部では、高性能なトランジスタを形成することができる。
また、上記実施形態では、V系ドライバ内にレベル変換回路を設けたが、本発明はこれに限らず、V系ドライバ内にレベル変換回路を設けなくてもよい。
また、上記実施形態では、非晶質シリコン膜に赤外レーザを照射することによって、トランジスタの能動層としての結晶シリコン膜を形成したが、本発明はこれに限らず、非晶質シリコン膜にエキシマレーザなどの紫外レーザを照射することによって、トランジスタの能動層としての結晶シリコン膜を形成してもよい。
また、上記第2参考例および第4参考例では、画素部のnチャネルトランジスタのドレイン領域と、対応する表示部遮光膜の画素部遮光領域とを接続するように構成したが、本発明はこれに限らず、画素部のnチャネルトランジスタのソース領域と、対応する表示部遮光膜の画素部遮光領域とを接続するように構成してもよい。
また、上記第1実施形態、第2実施形態、第1参考例〜第5参考例では、可変抵抗器によりnチャネルトランジスタのしきい値電圧Vthを調節することが可能なように構成したが、本発明はこれに限らず、可変抵抗器以外の手段により、nチャネルトランジスタのしきい値電圧Vthを調節するように構成してもよい。
また、上記第1実施形態、第2実施形態、第1参考例〜第5参考例では、可変抵抗器を外部回路部に設けたが、本発明はこれに限らず、可変抵抗器を表示パネル内に設けてもよい。また、可変抵抗器は、1個に限らず、複数設置してもよい。
また、上記第2参考例および第4参考例では、全ての画素部のnチャネルトランジスタのドレイン領域と、対応する表示部遮光膜の画素部遮光領域とを接続するように構成したが、本発明はこれに限らず、一部の画素部のnチャネルトランジスタのドレイン領域と、対応する表示部遮光膜の画素部遮光領域とを接続するとともに、残りの画素部のnチャネルトランジスタに対応する表示部遮光膜の画素部遮光領域には、1/2(Vdd+Vbb)の電位を与えるように構成してもよい。
上記第3実施形態では、CMOS回路に供給するHレベルの電位をVddとするとともに、Lレベルの電位をVbbとしたが、本発明はこれに限らず、CMOS回路に供給するHレベルの電位をVddとするとともに、Lレベルの電位をVssとしてもよい。なお、この第3実施形態による液晶表示装置では、図1に示した第1実施形態による可変抵抗器41を用いて遮光膜に与える電位を調節してもよい。
また、上記第3実施形態では、周辺回路部に含まれるCMOS回路に対応する遮光膜に1/2(Vdd+Vbb)の固定電位を印加したが、本発明はこれに限らず、図1に示した第1実施形態による可変抵抗器に41などにより遮光膜に印加する電位を調節してもよい。このように構成すれば、CMOS回路を構成するnチャネルトランジスタおよびpチャネルトランジスタのしきい値電圧を調節することができる。これにより、遮光膜とCMOS回路のnチャネルトランジスタおよびpチャネルトランジスタの各々のチャネル領域との間の実効的な電圧Vbcの電圧が、それぞれ、nチャネルトランジスタおよびpチャネルトランジスタのオフ領域の電圧範囲を外れる場合にも、遮光膜とCMOS回路のnチャネルトランジスタおよびpチャネルトランジスタの各々のチャネル領域との間の実効的な電圧Vbcがそれぞれnチャネルトランジスタおよびpチャネルトランジスタのオフ領域の電圧範囲内に入るように調節することが可能である。
また、上記第6参考例〜第9参考例では、Vbbを約−2Vに設定したが、本発明はこれに限らず、Vbbを約0Vに設定してもよい。このようにVbbを約0Vに設定した場合、たとえば、第7参考例(図43参照)の構成では、アナログスイッチ112のnチャネルトランジスタ121およびpチャネルトランジスタ122の下方に設けられたアナログスイッチ用遮光膜131に供給される電位Vbackが1/2(Vdd+Vbb)=1/2(7.5−0)=3.75Vとなる。これにより、アナログスイッチ用遮光膜131とnチャネルトランジスタ121(pチャネルトランジスタ122)のチャネル領域との間の実効的な電圧(電位差)Vbc=1/3(Vback−Vch)は、約−0.917V〜約0.083Vの範囲で変化する。なお、Vch≒3.5V〜6.5Vである。すなわち、アナログスイッチ用遮光膜131とnチャネルトランジスタ121のチャネル領域との間の実効的な電圧Vbcは、常に、nチャネルトランジスタ121のオフ領域の電圧(約0.5V以下)になるとともに、アナログスイッチ用遮光膜131とpチャネルトランジスタ122のチャネル領域との間の実効的な電圧Vbc(Pch)は、常に、pチャネルトランジスタ122のオフ領域の電圧(約−2V以上)になる。このように、Vbbを約0Vに設定すれば、Vbb(約−2V)の電位を生成するための電位生成回路部を設ける必要がないので、外部回路部の構成を簡素化することができる。
また、上記第6参考例〜第9参考例では、スイッチングトランジスタとしてnチャネルトランジスタを用いるとともに、駆動トランジスタとしてpチャネルトランジスタを用いたが、本発明はこれに限らず、スイッチングトランジスタとしてpチャネルトランジスタを用いるとともに、駆動トランジスタとしてnチャネルトランジスタを用いてもよい。
また、上記第8参考例では、アナログスイッチのpチャネルトランジスタに対応するアナログスイッチ用遮光膜に、画素部のpチャネルトランジスタのドレイン領域に供給されるPVddの電位と同じPVddの電位を印加したが、本発明はこれに限らず、アナログスイッチのpチャネルトランジスタに対応するアナログスイッチ用遮光膜に、H系ドライバに供給される正側電位と同じ正側電位を印加してもよいし、V系ドライバに供給される正側電位と同じ正側電位を印加してもよい。アナログスイッチのpチャネルトランジスタに対応するアナログスイッチ用遮光膜に、H系ドライバに供給される正側電位と同じ正側電位を印加する場合には、アナログスイッチ用遮光膜がH系ドライバ(アナログスイッチ)の下方に配置されていることにより、アナログスイッチ用遮光膜に電位を供給するための配線の引き回しが複雑になるのを抑制することができる。また、アナログスイッチのpチャネルトランジスタに対応するアナログスイッチ用遮光膜に、V系ドライバに供給される正側電位と同じ正側電位を印加する場合には、V系ドライバは、H系ドライバよりも低速で動作するので、V系ドライバの動作により印加電位が不安定になるのを抑制することができる。
また、第9参考例では、アナログスイッチ用遮光膜に、V系ドライバに供給されるVVddの電位と同じVVddの電位を印加したが、本発明はこれに限らず、画素部のpチャネルトランジスタのドレイン領域に供給されるPVddの電位と同じPVddの電位を印加してもよいし、H系ドライバに供給される正側電位と同じ正側電位を印加してもよい。