JP4941152B2 - 色変換ルックアップテーブル作成装置及び方法、並びに、そのためのプログラム - Google Patents

色変換ルックアップテーブル作成装置及び方法、並びに、そのためのプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP4941152B2
JP4941152B2 JP2007192223A JP2007192223A JP4941152B2 JP 4941152 B2 JP4941152 B2 JP 4941152B2 JP 2007192223 A JP2007192223 A JP 2007192223A JP 2007192223 A JP2007192223 A JP 2007192223A JP 4941152 B2 JP4941152 B2 JP 4941152B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
color
ink
color system
value
gray
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007192223A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009033239A5 (ja
JP2009033239A (ja
Inventor
隆志 伊藤
佳文 荒井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2007192223A priority Critical patent/JP4941152B2/ja
Publication of JP2009033239A publication Critical patent/JP2009033239A/ja
Publication of JP2009033239A5 publication Critical patent/JP2009033239A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4941152B2 publication Critical patent/JP4941152B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Image Processing (AREA)
  • Facsimile Image Signal Circuits (AREA)
  • Color Image Communication Systems (AREA)

Description

この発明は、色変換ルックアップテーブルを作成する技術に関し、特に、平滑化処理を利用して色変換ルックアップテーブルを作成する技術に関する。
色変換ルックアップテーブルは、入力表色系を出力表色系に変換するためのルックアップテーブルである。色変換ルックアップテーブルの入力表色系の座標値は、入力表色系の色空間内の点の位置を表しており、出力表色系の座標値は出力表色系の色空間内の点の位置を表している。なお、本明細書において、任意の色空間内の点を「色点」又は「格子点」とも呼ぶ。また、色変換ルックアップテーブルに登録されている入力値で表される色点及び出力値で表される色点を、それぞれ「入力格子点」及び「出力格子点」とも呼ぶ。
色変換ルックアップテーブルの入力格子点や出力格子点の配置を平滑なものにする技術として、例えば本願の出願人により開示された特許文献1に記載されたものがある。
特開2006−197080号公報
この平滑化処理では、L*a*b*表色系の格子点を移動させた後、目的関数を用いた最適化処理を利用して、移動後のL*a*b*格子点に対応する最適なインク量を決定している。この最適なインク量は、目的関数を最小とするようなインク量として決定される。
ところで、色変換ルックアップテーブルの一種として、RGB表色系又はCMYK表色系である入力表色系の座標値を、実際のプリンタで用いられるインク表色系のインク量に変換するためのルックアップテーブルが用いられる。これらの入力表色系の色空間は、グレー階調に相当する直線であるグレー直線を含んでいる。例えば、RGB表色系では、R,B,Gの3つの値が互いに等しい直線がこのグレー直線に相当する。また、CMYK表色系では、K軸(C=M=Y=0の軸)がグレー直線に相当する。
インク表色系を用いた色再現では、グレーの再現方法として、無彩色インクのみを用いる再現方法と、いわゆるコンポジットブラック(C,M,Yインクの混色)を用いる再現方法のいずれかを選択できる。ある種の色変換ルックアップテーブルでは、入力表色系のグレー直線上の色を再現する際に、コンポジットブラックよりも無彩色インクを優先的に利用して再現したいという要望がある。しかし、上述した特許文献1の技術では、入力表色系のグレー直線上の色を再現する際に無彩色インクが優先的に利用されるように色変換ルックアップテーブルを作成することは困難であった。
本発明は、入力表色系のグレー階調の色を再現する際に無彩色インクが優先的に利用されるように色変換ルックアップテーブルを作成することのできる技術を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1] 入力表色系の座標値を、無彩色インクと有彩色インクとを含む複数種類のインクで構成されるインク表色系のインク量に変換するための色変換ルックアップテーブルの作成装置であって、
前記無彩色インクのみを用いてグレー階調を表現するグレー階調特性を生成するグレー階調特性生成部と、
前記入力表色系の所定の色点である複数の入力表色系色点のそれぞれに対応付けられた初期値として、前記インク表色系の初期値と、前記入力表色系に対応する機器独立表色系の色点である機器独立表色系色点位置と、を設定する初期値設定部と、
前記複数の機器独立表色系色点の分布を初期位置から平滑化する処理を実行するとともに、平滑化処理後の前記複数の機器独立表色系色点に対応する前記インク表色系のインク量を決定する平滑化処理部と、
前記平滑化処理の結果に基づいて、前記入力表色系の座標値を前記インク表色系のインク量に変換するための色変換ルックアップテーブルを作成するテーブル作成部と、
を備え、
前記テーブル作成部は、前記グレー階調で表現される色点の集合である入力表色系グレー色点群については、前記グレー階調特性生成部の生成した前記グレー階調特性に基づいた色変換ルックアップテーブルを作成する、ルックアップテーブル作成装置。
この装置によれば、予めグレー階調特性を設定しておき、入力表色系グレー色点群に対応するインク表色系のインク量をグレー階調特性に基づいて決定するので、入力表色系のグレー階調の色を再現する際に無彩色インクが優先的に利用されるように色変換ルックアップテーブルを作成することができる。
[適用例2] 適用例1記載のルックアップテーブル作成装置であって、
前記インク表色系は、濃度の異なる複数種類の無彩色インクを含み、
前記グレー階調特性生成部は、前記複数種類の無彩色インクのみを用いてグレー階調を表現するグレー階調特性を生成する、ルックアップテーブル作成装置。
この構成では、濃度の異なる複数種類の無彩色インクを用いてグレー階調特性が生成されるので、入力表色系のグレー階調の色を再現する際に、これらの複数種類の無彩色インクが優先的に利用されるように色変換ルックアップテーブルを作成することができる。
[適用例3] 適用例1又は2記載のルックアップテーブル作成装置であって、さらに、
前記インク表色系のインク量を機器独立表色系の座標値に変換する表色系変換部を備え、
前記初期値設定部は、前記複数の入力表色系色点のそれぞれに対応付けられた前記インク表色系の初期値を、前記表色系変換部を利用して前記機器独立表色系の座標値に変換することによって、前記複数の機器独立表色系色点の初期位置を決定する、ルックアップテーブル作成装置。
この構成では、複数の入力表色系色点のそれぞれに対してインク表色系の初期値を設定すれば、表色系変換部によって複数の機器独立表色系色点の初期位置を決定することができる。
[適用例4] 適用例3記載のルックアップテーブル作成装置であって、
前記平滑化処理部と前記初期値設定部は、
(i)前記初期値設定部が、前記入力表色系グレー色点群のグレー階調の値を用いて前記グレー階調特性を参照することによって前記入力表色系グレー色点群に対応する前記無彩色インクのインク量を決定する工程と、
(ii)前記初期値設定部が、前記表色系変換部を利用して前記無彩色インクのインク量を前記機器独立表色系の色点の座標値に変換する工程と、
(iii)前記平滑化処理部が、前記無彩色インクのインク量に対応する前記機器独立表色系の色点に関する平滑化を実行することによって前記機器独立表色系グレー色点群の位置を決定するとともに、前記機器独立表色系グレー色点群に対応する前記インク表色系のインク量の最適値を前記表色系変換部を利用して決定する工程と、
を含む局所的な平滑化処理を実行する、ルックアップテーブル作成装置。
この構成では、グレー階調特性を参照して入力表色系グレー色点群に対応する無彩色インクのインク量を決定することができ、その無彩色インク量で再現される機器独立表色系の色点に関して平滑化を実行するので、入力表色系グレー色点群に対応する最終的なインク量としてグレー階調特性に近似したインク量を求めることが可能である。
[適用例5] 適用例4記載のルックアップテーブル作成装置であって、
前記平滑化処理部は、前記入力表色系グレー色点群に関する前記局所的な平滑化処理において、前記入力表色系グレー色点群のうちの最も濃度の高い紙黒点に関しては、前記表色系変換部を利用して前記紙黒点に対応する前記機器独立表色系の色点が可能な限り暗くなるように前記局所的な平滑化処理を実行する、ルックアップテーブル作成装置。
この構成によれば、紙黒点を可能な限り暗くするので、再現可能な色域を広げることができる。
[適用例6] 適用例5記載のルックアップテーブル作成装置であって、
前記入力表色系は、前記RGB表色系であり、
前記入力表色系の色空間における前記グレー階調は、前記RGB表色系の3つの入力値であるR値とG値とB値とが互いに等しい直線付近にある、ルックアップテーブル作成装置。
この構成では、RGB表色系を入力とする3次元色変換ルックアップテーブルにおいて、R=G=Bの直線付近のグレー階調に対するインク量を、グレー階調特性に近似したものとすることが可能である。
[適用例7] 適用例4記載のルックアップテーブル作成装置であって、
前記平滑化処理部は、前記入力表色系グレー色点群に関する前記局所的な平滑化処理において、前記入力表色系グレー色点群のうちの最も濃度の高い最高濃度グレー点に関しては、前記グレー階調特性を参照して得られる前記最高濃度グレー点に対応する前記インク表色系のインク量と、当該インク量から前記機器独立表色系変換部による変換で得られる前記機器独立表色系の色点の位置と、を移動しないように拘束しつつ前記局所的な平滑化処理を実行する、ルックアップテーブル作成装置。
この構成では、最高濃度グレー点についてはグレー階調特性で設定されたインク量を維持しつつ、他のグレー点に関して平滑な色点分布を得ることができる。
[適用例8] 適用例7記載のルックアップテーブル作成装置であって、
前記入力表色系は、前記CMYK表色系であり、
前記入力表色系の色空間における前記グレー階調は、前記CMYK表色系のK軸付近にある、ルックアップテーブル作成装置。
この構成では、CMYK表色系を入力とする4次元色変換ルックアップテーブルにおいて、K軸付近のインク量を、グレー階調特性に近似したものとすることが可能である。
[適用例9] 適用例8記載のルックアップテーブル作成装置であって、
前記入力表色系は、K値が一定でC値とM値とY値がそれぞれ所定の定義範囲内の値を取るKレイヤを複数含んでおり、
前記平滑化処理部は、各Kレイヤ上の入力表色系色点のうちで前記入力表色系グレー色点群以外の色点に関しては、前記入力表色系グレー色点群に関する前記局所的な平滑化処理で決定された前記インク表色系のインク量のうちの前記無彩色インクのインク量を固定しつつ前記有彩色インク量の変更を許容して前記平滑化処理を実行する、ルックアップテーブル作成装置。
この構成によれば、各Kレイヤ上において無彩色インクの好ましいインク量を維持しつつ有彩色インクのインク量を変更するだけで、各Kレイヤにおける色点の分布を平滑なものとすることができる。
[適用例10] 適用例1ないし9のいずれかに記載のルックアップテーブル作成装置であって、
前記平滑化処理部は、
前記RGB表色系の3次元色立体の外殻面上の色点、又は、前記CMYK表色系においてK値が一定である複数の3次元色立体の外殻面上の色点に関して前記平滑化処理を実行し、
前記外殻面上の色点に関する前記平滑化処理の後に、前記外殻面上の色点が移動しないように拘束しつつ、前記外殻面の内側に存在する他の色点に関して前記平滑化処理を実行する、ルックアップテーブル作成装置。
この構成によれば、外殻面上の色点の平滑化を実行した後に内部の色点の平滑化を実行するので、すべてを同時に実行する場合に比べて処理を高速化することができる。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、色変換ルックアップテーブルの作成方法および装置、そのための平滑化処理方法及び装置、それらの方法または装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体等の形態で実現することができる。
次に、本発明の実施の形態を以下の順序で説明する。
A.装置構成と全体処理手順:
B.力学モデル:
C.スムージング処理の典型的処理手順:
D.第1実施例(3D−LUT作成):
E.第2実施例(4D−LUT作成):
F.第3実施例(3D−LUT作成):
G.第4実施例(4D−LUT作成):
H.変形例
A.装置構成と全体処理手順:
図1は、本発明の一実施例におけるルックアップテーブル作成装置の構成を示すブロック図である。この装置は、ベースLUT作成モジュール100と、色補正LUT作成モジュール200と、フォワードモデルコンバータ300と、LUT格納部400と、を備えている。「LUT」は、ルックアップテーブルの略語である。これらのモジュール100,200やコンバータ300の機能は、メモリに格納されたコンピュータプログラムをコンピュータが実行することによってそれぞれ実現される。また、LUT格納部400は、ハードディスク装置などの記録媒体によって実現される。
ベースLUT作成モジュール100は、グレー階調作成モジュール110と、スムージング処理初期値設定モジュール120と、スムージング処理モジュール130と、テーブル作成モジュール140とを有している。スムージング処理モジュール130は、色点移動モジュール132と、インク量最適化モジュール134と、画質評価指数算出モジュール136とを有している。フォワードモデルコンバータ300は、分光プリンティングモデルコンバータ310と、色算出部320とを備えている。これらの各部の機能については後述する。
LUT格納部400は、インバースモデル初期LUT410や、ベース3D−LUT510,ベース4D−LUT520,色補正3D−LUT610,色補正4D−LUT620などを格納するためのものである。但し、インバースモデル初期LUT410以外のLUTは、ベースLUT作成モジュール100や色補正LUT作成モジュール200によって作成されるものである。ベース3D−LUT510は、RGB表色系を入力とし、インク量を出力とする色変換ルックアップテーブルである。一方、ベース4D−LUT520は、CMYK表色系を入力とし、インク量を出力とする色変換ルックアップテーブルである。なお、「3D」や「4D」は、入力値の数を意味している。これらのベースLUT510,520の入力表色系であるRGB表色系やCMYK表色系は、いわゆる機器依存表色系では無く、特定のデバイスとは無関係に設定された仮想の表色系(あるいは抽象的な表色系)である。これらのベースLUT510,520は、例えば色補正LUT610,620を作成する際に使用される。「ベースLUT」という名前は、色補正LUTを作成する基礎として用いられるからである。色補正LUT610,620は、標準的な機器依存表色系(例えばsRGB表色系やJAPAN COLOR 2001表色系)を、特定のプリンタのインク量に変換するためのルックアップテーブルである。インバースモデル初期LUT410については後述する。
図2は、実施例の全体処理手順を示すフローチャートである。図3(A)〜(C)は、図2のステップS100〜S300によってベース3D−LUTを作成する場合の処理内容を示す説明図である。ステップS100では、フォワードモデルコンバータ300とインバースモデル初期LUT410とが準備される。ここで、「フォワードモデル」とは、インク量を機器独立表色系の色彩値(測色値)に変換する変換モデルを意味し、「インバースモデル」とは、逆に、機器独立表色系の色彩値をインク量に変換する変換モデルを意味している。実施例では、機器独立表色系としてCIE-L*a*b*表色系を使用する。なお、以下では、CIE-L*a*b*表色系の色彩値を、単に「L*a*b*値」又は「Lab値」とも呼ぶ。
図3(A)に示すように、フォワードモデルコンバータ300の前段を構成する分光プリンティングモデルコンバータ310は、複数種類のインクのインク量を、そのインク量に応じて印刷されるカラーパッチの分光反射率R(λ)に変換する。なお、本明細書において「カラーパッチ」という用語は、有彩色のパッチに限らず、無彩色のパッチも含む広い意味で使用される。本実施例では、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)、淡シアンLc、淡マゼンタLm、淡ブラックLk、極淡ブラックLLkの8種類のインクを利用可能なカラープリンタを想定しており、分光プリンティングモデルコンバータ310もこの8種類のインクのインク量を入力としている。但し、プリンタで使用する複数種類のインクとしては、任意のインクセットを利用することが可能である。色算出部320は、分光反射率R(λ)からL*a*b*表色系の色彩値を算出する。この色彩値の算出には、予め選択された光源(例えば標準の光D50)がカラーパッチの観察条件として使用される。なお、分光プリンティングモデルコンバータ310を作成する方法としては、例えば特表2007−511175号公報に記載された方法を採用することが可能である。
インバースモデル初期LUT410は、L*a*b*値を入力とし、インク量を出力とするルックアップテーブルである。この初期LUT410は、例えば、L*a*b*空間を複数の小セルに区分し、各小セル毎に最適なインク量を選択して登録したものである。この選択は、例えば、そのインク量で印刷されるカラーパッチの画質を考慮して行われる。一般に、或る1つのL*a*b*値を再現するインク量の組み合わせは多数存在する。そこで、初期LUT410では、ほぼ同じL*a*b*値を再現する多数のインク量の組み合わせの中から、画質等の所望の観点から最適なインク量を選択したものが登録されている。この初期LUT410の入力値であるL*a*b*値は各小セルの代表値である。一方、出力値であるインク量はそのセル内のいずれかのL*a*b*値を再現するものである。従って、この初期LUT410では、入力値であるL*a*b*値と出力値であるインク量とが厳密に対応したものとなっておらず、出力値のインク量をフォワードモデルコンバータ300でL*a*b*値に変換すると、初期LUT410の入力値とは多少異なる値が得られる。但し、初期LUT410として、入力値と出力値とが完全に対応するものを利用してもよい。また、初期LUT410を用いずにベースLUTを作成することも可能である。なお、小セル毎に最適なインク量を選択して初期LUT410を作成する方法としては、例えば上記特表2007−511175号公報に記載された方法を採用することが可能である。
図2のステップS200では、ベースLUT作成のための初期入力値がユーザによって設定される。図3(B)は、ベース3D−LUT510の構成とその初期入力値設定の例を示している。ベース3D−LUT510の入力値としては、RGBの各値として予め定められたほぼ等間隔の値が設定される。1組のRGB値はRGB色空間内の点を表していると考えられるので、1組のRGB値を「入力格子点」とも呼ぶ。ステップS200においては、複数の入力格子点のうちから予め選択されたいくつかの少数の入力格子点に対するインク量の初期値がユーザによって入力される。この初期入力値が設定される入力格子点としては、RGB色空間における3次元色立体の頂点に相当する入力格子点を少なくとも選択することが好ましい。この3次元色立体の頂点では、RGBの各値がその定義範囲の最小値又は最大値を取る。具体的には、RGBの各値を8ビットで表現した場合には、(R,G,B)=(0,0,0)、(0,0,255)、(0,255,0)、(255,0,0)、(0,255,255)、(255,0,255)、(255,255,0)、(255,255,255)である8つの入力格子点に関してインク量の初期入力値が設定される。なお、(R,G,B)=(255,255,255)の入力格子点に対するインク量は、すべて0に設定される。他の入力格子点に対するインク量の初期入力値は任意であり、例えば0に設定される。図3(B)の例では、(R,G,B)=(0,0,32)の入力格子点に対するインク量が0以外の値になっているが、これはこのLUT510が完成したときの値である。
図2のステップS300では、スムージング処理モジュール130(図1)が、ステップS200で設定された初期入力値に基づいてスムージング処理(平滑化処理)を実行する。図3(C)は、ステップS300の処理内容を示している。図3(C)の左側には、スムージング処理前の状態における複数の色点の分布が2重丸と白丸とで示されている。これらの色点は、L*a*b*空間における3次元色立体CSを構成している。各色点のL*a*b*座標値は、ベース3D−LUT510の複数の入力格子点におけるインク量を、フォワードモデルコンバータ300(図3(A))を用いてL*a*b値に変換した値である。上述したように、ステップS200では一部の少数の入力格子点についてのみインク量の初期入力値が設定される。そこで、他の入力格子点に対するインク量の初期値は、初期入力値からスムージング処理初期値設定モジュール120(図1)によって設定される。この初期値設定方法については後述する。
L*a*b*表色系の3次元色立体CSは、以下の8つの頂点(図3(C)の2重丸の点)を有している。
・点PK:(R,G,B)=(0,0,0)に対応する紙黒点。
・点PW:(R,G,B)=(255,255,255)に対応する紙白点。
・点PC:(R,G,B)=(0,255,255)に対応するシアン点。
・点PM:(R,G,B)=(255,0,255)に対応するマゼンタ点。
・点PY:(R,G,B)=(255,255,0)に対応するイエロー点。
・点PR:(R,G,B)=(255,0,0)に対応するレッド点。
・点PG:(R,G,B)=(0,255,0)に対応するグリーン点。
・点PB:(R,G,B)=(0,0,255)に対応するブルー点。
図3(C)の右側は、スムージング処理後の色点の分布を示している。スムージング処理は、L*a*b*空間における複数の色点を移動させて、それらの色点の分布を等間隔に近い平滑なものにする処理である。スムージング処理では、さらに、移動後の各色点のL*a*b*値を再現するために最適なインク量も決定される。この最適なインク量がベースLUT510の出力値として登録されると、ベースLUT510が完成する。
図4(A)〜(C)は、入力表色系の色点(すなわち入力格子点)とL*a*b*表色系の色点との対応関係を示している。L*a*b*表色系の3次元色立体CSの頂点は、ベースLUT510の入力表色系の3次元色立体の頂点と一対一に対応している。また、各頂点を結ぶ辺(稜線)も、両方の色立体で互いに対応しているものと考えることができる。スムージング処理前のL*a*b*表色系の各色点は、ベースLUT510の入力格子点にそれぞれ対応付けられており、従って、スムージング処理後のL*a*b*表色系の各色点もベースLUT510の入力格子点にそれぞれ対応付けられる。なお、ベースLUT510の入力格子点はスムージング処理によって変化しない。スムージング処理後のL*a*b*表色系の3次元色立体CSは、ベースLUT510の出力表色系を構成するインクセットで再現可能な色域(カラーガマット)の全体に対応している。従って、ベースLUT510の入力表色系は、このインクセットで再現可能な色域の全体を表す表色系としての意義を有している。
ベースLUT510を作成する際に、L*a*b*空間においてスムージング処理を行う理由は以下の通りである。ベースLUT510では、なるべく大きな色域を再現できるように出力表色系のインク量を設定したいという要望がある。特定のインクセットで再現可能な色域は、インクデューティ制限(一定面積に吐出可能なインク量の制限)などの所定の制限条件を考慮して決定される。一方、上述したフォワードモデルコンバータ300は、これらの制限条件が考慮されておらず、再現可能な色域とは無関係に作成されている。そこで、スムージング処理の際にインクデューティ制限等の制限条件を考慮してL*a*b*空間内の色点の取り得る範囲を決定すれば、特定のインクセットで再現可能な色域を決定することが可能となる。なお、色点の移動を行うアルゴリズムとしては、例えば、後述する力学モデルを使用したものが利用される。
図2のステップS400では、スムージング処理の結果を用いて、テーブル作成モジュール140がベースLUT510を作成する。すなわち、テーブル作成モジュール140は、各入力格子点に対応付けられたL*a*b*表色系の色点を再現するための最適なインク量をベースLUT510(図3(C))の出力値として登録する。なお、スムージング処理では、その計算負荷を軽減するために、ベースLUT510の入力格子点の一部のみに対応する色点のみを処理対象として選択することも可能である。例えば、ベースLUT510の入力格子点におけるRGB値の間隔が16である場合に、スムージング処理の対象となる入力格子点におけるRGB値の間隔を32に設定すれば、スムージング処理の負荷を半減することができる。この場合には、テーブル作成モジュール140は、スムージング処理結果を補間することによってベースLUT510のすべての入力格子点に対するインク量を決定して登録する。
図5(A)〜(C)は、図2のステップS100〜S300によってベース4D−LUT520を作成する場合の処理内容を示す説明図である。図5(A)は、図3(A)と同じである。図5(B)に示すベース4D−LUT520は、入力がCMYK表色系である点が図3(B)に示したベース3D−LUT510と異なっている。このベース4D−LUT520の初期入力値としては、(C,M,Y,K)=(0,0,0,0),(0,0,255,0),(0,255,0,0),(0,255,255,0),(255,0,0,0),(255,0,255,0),(255,255,0,0),(255,255,255,0),(0,0,0,255),(0,0,255,255),(0,255,0,255),(0,255,255,255),(255,0,0,255),(255,0,255,255),(255,255,0,255),(255,255,255,255)である16個の入力格子点に関してインク量の初期値が設定される。他の入力格子点に対するインク量の初期入力値は任意であり、例えば0に設定される。
図5(C)は、スムージング処理の様子を示している。なお、L*a*b*空間においてベース4D−LUT520に対応する色立体としては、図5(C)の右端に示すように、入力値のうちのK値のそれぞれの値に対して1つの3次元色立体CSが存在する。この例では、K=0の色立体とK=32の色立体とを含む複数の色立体CSが図示されている。本明細書では、これらの個々の色立体CSを「Kレイヤ」とも呼ぶ。この理由は、各色立体CSが、CMYK値のうちのK値が一定でC,M,Y値が可変である入力層に対応するものと考えることができるからである。複数の色立体CSは、K値が大きいほど暗い色域を表現するものとなっている。この理由は、後述するように、入力表色系のK値が大きいほど濃ブラックインクKのインク量が多くなるように濃ブラックインクKのインク量が決定されるからである。上述したように、再現可能な色域はインクデューティ制限値によって制限される。このインクデューティ制限値としては、個々のインクのインク量と、全インクの合計インク量と、の2つの制限値が課されるのが普通である。一方、暗い色を再現する方法としては、濃ブラックインクKなどの無彩色インクを用いる方法と、コンポジットブラックを用いる方法とがある。しかし、コンポジットブラックは合計インク量が多くなるので、濃ブラックインクKに比べてインクデューティ制限値に抵触する可能性が高く、暗い色を再現するのには不利である。従って、入力表色系のK値が大きく濃ブラックインクKのインク量が多い色立体の方が、入力表色系のK値が小さく濃ブラックインクKのインク量が少ない色立体に比べてより暗い色を再現することが可能となる。このように、ベース4D−LUTに対応する色立体CSは複数個存在するので、ベース4D−LUT用のスムージング処理では、これらの複数の色立体CSを考慮した処理が実行される。
図6(A),(B)は、ベースLUTを用いた色補正LUTの作成方法を示す説明図である。図6(A)に示すように、ベース3D−LUT510は、RGB値をインク量Ijに変換する。このインク量Ijは、図3(B)に示した8種類のインクのインク量を表している。このとき、インク量Ijの添え字jは1〜8である。変換後のインク量Ijは、フォワードモデルコンバータ300によってL*a*b*値に変換される。一方、sRGB値は、既知の変換式に従ってL*a*b*値に変換される。この変換後のL*a*b*値は、その色域が、フォワードモデルコンバータ300で変換されたL*a*b*値の色域と一致するようにガマットマッピングされる。一方、ベース3D−LUT510とフォワードモデルコンバータ300を通じて、RGB値から変換したL*a*b*値を、逆方向ルックアップテーブルとして、逆変換LUT511を作成する。ガマットマッピングされたL*a*b*値は、この逆変換LUT511によってRGB値に変換される。このRGB値は、さらに、ベース3D−LUT510によってインク量Ijに再度変換される。この最後のインク量Ijと最初のsRGB値の対応関係をルックアップテーブルに登録することによって、色補正3D−LUT610を作成することができる。この色補正3D−LUT610は、sRGB表色系をインク表色系に変換する色変換テーブルである。
図6(B)は、色補正4D−LUT620を作成する方法を示している。図6(A)との違いは、3D−LUT510及びその逆変換LUT511の代わりに、4D−LUT520及びその逆変換LUT521を利用している点と、sRGB表色系をL*a*b*値に変換する既知変換式の代わりにJAPAN COLOR表色系(図中では「jCMYK」と記したもの)をL*a*b*値に変換する既知変換式を使用している点である。良く知られているように、JAPAN COLORは、CMYKの4色で構成される表色系である。なお、図6(B)の方法では、逆変換LUT521において、L*a*b*値からCMYK値に変換する際に、既知変換前の最初のjCMYK値のK値から、逆変換LUT521のKレイヤ(K値が一定を取る部分)が選択される。従って、色補正4D−LUT620として、ベース4D−LUT520のうちのKレイヤにおける特性を反映したものを作成することが可能である。
なお、通常は、ベースLUT510,520がプリンタドライバに実装されており、色補正LUTの作成処理以外の処理にも活用されているが、ここでは他の活用例の説明は省略する。以下では、実施例のスムージング処理に利用される力学モデルについて簡単に説明し、スムージング処理の典型的な処理手順について説明した後に、ベースLUT作成の具体的な実施例を説明する。
B.力学モデル:
図7は、実施例のスムージング処理に利用される力学モデルを示す説明図である。ここでは、L*a*b*色空間内に複数の色点(白丸及び2重丸)が配列されている様子を示している。但し、ここでは説明の便宜上、色点の配置を2次元的に描いている。この力学モデルでは、着目色点gに対して次式の仮想的な力Fpgが係るものと仮定する。
Figure 0004941152
ここで、Fgは着目色点gが隣接色点gn(nは1〜N)から受ける引力の合計値、Vgは着目色点gの速度ベクトル、-kvVgは速度に応じた抵抗力、Xgは着目色点gの位置ベクトル、Xgnは隣接色点gnの位置ベクトル、kp, kgは係数である。係数kp, kgは予め一定の値に設定される。なお、文中では、ベクトルを示す矢印は省略される。
このモデルは、バネで互いに結ばれた質点の減衰振動モデルである。すなわち、着目色点gに係る仮想合力Fpgは、着目色点gと隣接色点gnとの距離が大きいほど大きくなるバネ力Fgと、着目色点gの速度が大きいほど大きくなる抵抗力-kvVgとの合計値である。この力学モデルでは、各色点について、位置ベクトルXgと速度ベクトルFgの初期値を設定した後に、微少時間経過の位置ベクトルXgと速度ベクトルFgを順次算出してゆく。なお、複数の色点の速度ベクトルVgの初期値は、例えば0に設定される。このような力学モデルを利用すれば、各色点が徐々に移動して、平滑な色点分布を得ることが可能である。
なお、各色点に係る力としては、バネ力Fgと抵抗力-kvVg以外の力を用いても良い。例えば、本出願人により開示された特開2006−197080号公報で説明されている他の種々の力をこの力学モデルで利用してもよい。また、力学モデルを適用して各色点を移動させる際に、特定の色点は、力学モデルによって移動しない拘束点として取り扱うことも可能である。
C.スムージング処理の典型的処理手順:
図8は、スムージング処理(図2のステップS300)の典型的な処理手順を示すフローチャートである。ステップT100では、スムージング処理初期値設定モジュール120(図1)が、スムージング処理の対象とする複数の色点を初期設定する。
図9は、ステップT100の詳細手順を示すフローチャートである。ステップT102では、インク量の初期入力値(図3(B),図5(B))から、スムージング処理の対象となる各色点の仮インク量が決定される。例えば、3D−LUT用のスムージング処理では、次の(2)式、(3)式に従って、各入力格子点に対する仮インク量I(R,G,B)が決定される。
Figure 0004941152
Figure 0004941152
ここで、I(R,G,B)は、入力格子点のRGB値に対するインクセット全体のインク量(図3の例では8種類のインクのインク量)を表している。RGB値が0又は255を取る入力格子点に対するインク量は、図2のステップS200においてユーザによって予め入力された値である。上記(2)式及び(3)式によれば、任意のRGB値における仮インク量I(R,G,B)を求めることが可能である。
4D−LUT用のスムージング処理では、次の(4)式、(5)式に従って、各入力格子点に対する仮インク量I(C,M,Y,K)が決定される。
Figure 0004941152
Figure 0004941152
なお、(4)式からも理解できるように、4D−LUT用のインク量の初期入力値は16個存在するので、初期入力値の設定が煩雑である。そこで、例えば、インク量の初期入力値を設定する入力格子点を、K=0の8個の頂点、すなわち、(C,M,Y,K)=(0,0,0,0),(0,0,255,0),(0,255,0,0),(0,255,255,0),(255,0,0,0),(255,0,255,0),(255,255,0,0),(255,255,255,0)の8個の頂点と、K=255の1個の頂点、例えば、(C,M,Y,K)=(0,0,0,255)の頂点のみとし、K=255の色点のインク量を次の(6)式又は(7)式で決定してもよい。
Figure 0004941152
Figure 0004941152
ここで、I(C,M,Y,0)は、K=0の8個の頂点におけるインク量の初期入力値から、上記(2)式と同様の式で算出されたインク量である。(6)式の関数fD1は値I(C,M,Y,0)と値I(0,0,0,255)の合計値がインクデューティ制限値をオーバーする場合に、値I(C,M,Y,0)を減じることによって、インク量I(C,M,Y,255)がインクデューティ制限値内に納まるようにする関数である。また、(7)式の関数fD2は、値I(C,M,Y,0)と値I(0,0,0,255)の合計値がインクデューティ制限値をオーバーする場合に、合計値(I(C,M,Y,0)+I(0,0,0,255))の全体を減じることによって、インク量I(C,M,Y,255)がインクデューティ制限値内に納まるようにする関数である。
図9のステップT104では、フォワードモデルコンバータ300を用いて、仮インク量に対応する色彩値L*a*b*を求める。この演算は、以下の(8)式又は(9)式で表すことができる。
Figure 0004941152
Figure 0004941152
ここで、L(R,G,B)、L(C,M,Y,K)は変換後の色彩値L*a*b*を示しており、関数fFMはフォワードモデルコンバータ300による変換を意味している。なお、これらの式からも理解できるように、この変換後の色彩値L*a*b*は、ベースLUTの入力値であるRGB値又はCMYK値に対応付けられている。
図9のステップT106では、ステップT104で得られた色彩値L*a*b*を、インバースモデル初期LUT410(図3(A))を用いてインク量に再度変換する。ここで、インバースモデル初期LUT410を用いてインク量に再度変換する理由は、インク量の初期入力値や、ステップT102で決定された仮インク量が、L*a*b*値を再現するインク量として必ずしも好ましいインク量では無いからである。一方、インバースモデル初期LUT410では、画質等を考慮した好ましいインク量が登録されているので、これを用いてL*a*b*値をインク量に再度変換すれば、そのL*a*b*値を実現するための好ましいインク量を初期値として得ることができる。但し、ステップT106を省略してもよい。
上述のステップT100の処理の結果、スムージング処理の対象となる色点について、以下の初期値が決定される。
(1)ベースLUTの入力格子点の値:(R,G,B)又は(C,M,Y,K)
(2)各入力格子点に対応するL*a*b*空間の色点の初期座標値:L(R,G,B)又はL(C,M,Y,K)
(3)各入力格子点に対応する初期インク量:I(R,G,B)又はI(C,M,Y,K)
以上の説明から理解できるように、初期値設定モジュール120は、代表的な入力格子点に関する入力初期値から他の入力格子点に関する初期値を設定する機能を有している。初期値設定モジュール120は、更に、グレー階調を表す入力格子点に関する初期値をグレー階調特性に基づいて設定する機能も有しているが、その機能の実例については後述する。なお、初期値設定モジュール120は、スムージング処理モジュール130に含まれるものとしてもよい。
図8のステップT120では、色点移動モジュール132が、上述した力学モデルに従ってL*a*b*空間内の色点を移動させる。
図10(A)〜(D)は、図8のステップS120〜S150の処理内容を示す説明図である。図10(A)に示すように、スムージング処理前には、色点の分布にはかなりの偏りがある。図10(B)は、微少時間経過後の各色点の位置を示している。この移動後の各色点のL*a*b*値を「ターゲット値LABt」と呼ぶ。「ターゲット」という修飾語は、この値LABtが、以下で説明するインク量の最適値の探索処理の際の目標値として使用されるからである。
ステップT130では、インク量最適化モジュール134が、以下の(10)式で表される目的関数Eを用いて、ターゲット値LABtに対するインク量の最適値を探索する(図10(C)参照)。
Figure 0004941152
ここで、Ijは目的関数Eを最小とするインク量、LABFM(Ij)はインク量Ijをフォワードモデルコンバータ300で変換して得られるL*a*b*値、GI(Ij)はインク量Ijで印刷されるカラーパッチの粒状性指数(Graininess Index)、CII(Ij)はそのカラーパッチの色非恒常性指数(Color Inconstancy Index)、TI(Ij)はトータルインク量(=ΣIj)、α,β,γは定数である。(10)式の右辺第1項は、2つのベクトルLABt, LABFM(Ij)で表される2つの色点の距離の2乗を求める演算を意味している。粒状性指数GIと、色非恒常性指数CIIと、トータルインク量TIとは、いずれもカラーパッチの画質を表す画質評価指数として利用されている。すなわち、これらの値GI, CII, TIが小さいほど、インク量Ijで再現されるカラーパッチの画質が良い傾向にある。粒状性指数GIと、色非恒常性指数CIIの算出方法については後述する。
上記(10)式は、力学モデルで微少量だけ移動した後の色点の座標値LABtに近いL*a*b*値を再現するインク量Ijの中で、画質評価指数GI, CII, TIがより小さいインク量が最適なインク量として決定されることを意味している。この最適なインク量の探索は、例えば準ニュートン法などの最適化手法を用いて実行される。このインク量の探索は、ステップT100で設定された各入力格子点の初期インク値から開始される。従って、探索で得られるインク量は、この初期インク量を修正した値となる。
なお、一般に、最適化処理によるインク量の探索は以下の条件の下で実行される。
(最適化条件1)目的関数Eを最小とする
(最適化条件2)使用可能として予め指定されたインクのみを使用する
後述するように、最適化条件1の目的関数Eを与える式としては、上記(10)式以外の種々の式を利用可能である。また、最適化条件2における使用可能なインクとしては、プリンタで利用可能な複数種類のインクのうちの一部のインクのみが指定される場合と、全種類のインクが指定される場合とがある。使用可能なインクの種類は、スムージング処理の対象となる色点毎にユーザによって予め設定されることが好ましい。これらの最適化条件の具体例については更に後述する。
なお、インク量探索時には、上記最適化条件1,2の他に、インクデューティ制限も適用される。インクデューティ制限値としては、例えば、個々のインクのインク量の最大許容値と、合計インク量の許容最大値と、の2つの値が使用される。例えば、各インクのインク量を8ビットで表現したとき、8種類の個々のインクのインク量Ijの最大許容値を180に設定し、合計インク量ΣIjの最大許容値を240に設定してもよい。
粒状性指数GIは、例えば以下の(11)式で与えられる。
Figure 0004941152
ここで、aLは明度補正係数、WS(u)はカラーパッチの印刷に利用されるハーフトーンデータが示す画像のウイナースペクトラム、VTF(u)は視覚の空間周波数特性、uは空間周波数である。(11)式は一次元で表現しているが、空間周波数u, vの関数として二次元画像の空間周波数を算出することは容易である。粒状性指数GIの計算方法としては、例えば、本出願人により開示された特表2007−511161号公報に記載された方法や、Makoto Fujino,Image Quality Evaluation of Inkjet Prints, Japan Hardcopy '99, p.291-294に記載された方法を利用することができる。
色非恒常性指数CIIは、例えば以下の(12)式で与えられる。
Figure 0004941152
ここで、ΔL*は2つの異なる観察条件下(異なる光源下)におけるカラーパッチの明度差、ΔC*abは彩度差、ΔH*abは色相差を示す。色非恒常性指数CIIの計算時には、2つの異なる観察条件下でのL*a*b*値は、色順応変換(CAT)を用いて標準観察条件(例えば標準の光D65の観察下)に変換される。CIIについては、Billmeyer and Saltzman's Principles of Color Technology, 3rd edition, John Wiley & Sons, Inc, 2000, p.129, pp. 213-215を参照。
目的関数Eに含まれる画質評価指数GI, CII, TIの重み係数α、β、γは、それぞれ任意の値に設定可能であるが、典型的には、ユーザによってそれぞれ0又は1のいずれかに設定される。なお、画質評価指数としては、これらのうちの1種類又は2種類のみを使用してもよく、あるいは、これら以外の他の指数を利用することも可能である。各種の画質評価指数は、画質評価指数算出モジュール136(図1)によって算出される。
なお、上記(10)式において、画質評価指数GI, CII, TIを用いずに、右辺第1項のみでインク量の最適値を求めるようにしてもよい。
図8のステップT140では、ステップT130で探索されたインク量Ijに対応するL*a*b*値が、フォワードモデルコンバータ300で再計算される(図10(D)参照)。ここで、L*a*b*値を再計算する理由は、探索されたインク量Ijが目的関数Eを最小とするインク量なので、そのインク量Ijで再現されるL*a*b*値は、最適化処理のターゲット値LABtから多少ずれているからである。こうして再計算されたL*a*b*値が、各色点の移動後の座標値として使用される。
ステップT150では、各色点の座標値の移動量の平均値(ΔLab)aveが、予め設定された閾値ε以下であるか否かが判定される。移動量の平均値(ΔLab)aveが閾値εよりも大きい場合には、ステップT120に戻りステップT120〜T150のスムージング処理が継続される。一方、移動量の平均値(ΔLab)aveが閾値ε以下の場合には、色点の分布が十分に平滑になっているので、スムージング処理が終了する。なお、閾値εは、予め適切な値が実験的に決定される。
このように、本実施例の典型的なスムージング処理(平滑化処理)では、力学モデルによって各色点を微少時間間隔毎に移動させつつ、移動後の色点に対応する最適なインク量を最適化手法で探索する。そして、色点の移動量が十分に小さくなるまでそれらの処理が継続される。この結果、図3(C)に示したように、スムージング処理によって、平滑な色点分布を得ることが可能である。
D.第1実施例(3D−LUT作成):
図11は、第1実施例における図2のステップS300の詳細手順を示すフローチャートであり、ベース3D―LUT作成時のスムージング処理手順を示している。ステップS310では、グレー階調作成モジュール110が、グレー階調特性を作成する。
図12(A),(B)は、グレー階調特性の作成処理の内容を示す説明図である。横軸はグレー階調値Grを示し、縦軸は各インクのインク量Ijを示している。「グレー階調値Gr」とは、無彩色の濃度階調を意味しているが、CMYK表色系のK値とは異なるものである。「グレー階調特性」とは、グレー階調値Grを再現するための無彩色インクK,Lk,LLkのインク量Ijを示す特性である。なお、本明細書においては、3種類の無彩色インクK,Lk,LLkのインク量をI4, I7, I8と記している(図10(D)参照)。
図12(A)の黒丸は、グレー階調特性作成時の初期設定値を示している。ここでは、初期設定値として以下の2つが用いられている。
(1)Gr=0のとき、I4=I7=I8=0
(2)Gr=255のとき、I4=180, I7=I8=0
すなわち、グレー階調値Grの最小値(=0)では無彩色インクはすべてゼロに設定され、グレー階調値Grの最大値(=255)では最も濃度の高いブラックインクKのインク量I4が180に設定され、他のブラックインクLk,LLkのインク量I7 ,I8が0に設定されている。なお、Gr=255のときのブラックインクKのインク量I4の値は、インクデューティ制限値と等しい値に設定することが好ましい。こうすれば、インクデューティ制限の範囲内において、グレー階調値Grが最大値を取るときに最も暗い色を再現することが可能となる。
図12(A)の初期設定値を使用してスムージング処理を実行すると、図12(B)に示すようなグレー階調特性f(Gr)が得られる。このスムージング処理は、図8のスムージング処理手順に従って実行される。この際、スムージング処理対象の複数の色点としては、グレー階調値Grの値の全範囲0〜255を等間隔に取った点、例えばGr=0, 16, 32, 48, 64…255の点が採用される。Gr=0及びGr=255以外の点におけるインク量の初期値はすべてゼロとしてもよく、あるいは、Gr=0及びGr=255におけるインク量を直線補間した値を採用してもよい。また、Gr=0及びGr=255の初期設定値は、スムージング処理によって変化しないもの(拘束点)として取り扱われることが好ましい。
グレー階調特性の作成時のスムージング処理におけるインク量探索(図8のステップT130)では、例えば、以下の最適化条件が使用される。
(最適化条件1)下記(13)式の目的関数Eを最小とする
(最適化条件2)無彩色インクK,Lk,LLkのみを使用する
Figure 0004941152
ここで、L*tはターゲット値LABtのうちのL*値、L*FM(Ij)はインク量Ijをフォワードモデルコンバータ300で変換して得られたL*a*b*値のうちのL*値である。すなわち、このスムージング処理では、a*値とb*値は無視してインク量の探索が行われる。この理由は、グレー階調特性f(Gr)では無彩色インクK、Lk,LLkのみを使用するが、これらのインクは完全な無彩色では無く、多少の色味を有しているのが普通だからである。
図12(B)に示すグレー階調特性f(Gr)の黒丸は拘束点(初期設定値が維持される点)であり、白丸はスムージング処理によって決定された点である。グレー階調特性f(Gr)では、グレー階調値Grが小さい最も明るい階調範囲では極淡ブラックインクLLkのみが使用され、その次に明るい階調範囲では極淡ブラックインクLLkと淡ブラックインクLkが使用され、やや暗い階調範囲では淡ブラックインクLkと濃ブラックインクKとが使用され、最も暗い階調範囲では濃ブラックインクKのみが使用される。また、最も明るい階調範囲を除く他の階調範囲では、1種類の無彩色インクのインク量が増加すると、他の種類の無彩色インクのインク量が減少している。なお、無彩色インクとしては、1種類の無彩色インク(ブラックインク)のみを用いても良いが、濃度の異なる2種類以上の無彩色インクを用いることが好ましい。このとき、図12(B)の例からも理解できるように、グレー階調特性f(Gr)としては、1つの無彩色インクのインク量が増加するとともに他の無彩色インクのインク量が減少するような階調範囲を有するものを作成することが好ましい。
なお、スムージング処理を利用してグレー階調特性f(Gr)を設定する代わりに、他の方法でグレー階調特性f(Gr)を設定してもよい。例えば、他のルックアップテーブルで使用されているグレー階調特性をそのまま流用してもよく、あるいは、ユーザが図12(B)のようなグレー階調特性を入力してもよい。但し、スムージング処理を利用してグレー階調特性f(Gr)を設定すれば、各グレー階調値Grの点のインク量Ijで再現される色のL*a*b*値が平滑な分布を示すものとなるので、好ましい階調特性を得ることができるという利点がある。
こうしてグレー階調特性f(Gr)が設定されると、図11のステップS320〜S350において、ベース3D−LUT510(図3(B))の複数の入力格子点に対するL*a*b*値とインク量Ijとが順次決定される。
図13(A)〜(D)は、図11のステップS320〜S350の処理内容を示す説明図である。まず、ステップS320では、点PWのL*a*b*値とインク量Ijとが決定される(図13(A))。点PWは、(R,G,B)=(255,255,255)に対応する紙白点である。ベース3D−LUT510の作成時には、点PWのインク量Ijはすべてゼロに設定される。また、点PWのL*a*b*値は、例えば、Ij=0 (j=1〜8)をフォワードモデルコンバータ300に入力して得られた値が使用される。この紙白点PWのL*a*b*値は、印刷媒体固有の値である。従って、ステップS320では図8に示すスムージング処理は実行されない。
ステップS330では、点PKのL*a*b*値とインク量とが決定される(図13(B))。点PKは、(R,G,B)=(0,0,0)に対応する紙黒点である。点PKの決定時には、インク量Ijの初期値としてグレー階調特性f(Gr)のGr=255の値が使用される。図12(B)の例では、Gr=255のとき、I4=180, I7=I8=0である。点PKのL*a*b*値とインク量の決定時には、図8のステップT120〜T150のうちのステップT120,T150が実行されず、ステップT130,T140のみが実行される。
点PKに関するインク量の探索(ステップT130)では、例えば、以下の最適化条件が使用される。
(最適化条件1)下記(14)式の目的関数Eを最小とする
(最適化条件2)すべてのインクを使用可能
Figure 0004941152
ここで、L*FM(Ij)は、インク量Ijをフォワードモデルコンバータ300で変換して得られたL*a*b*値のうちのL*値である。この(14)式は、上記(10)式の右辺に+L*FM(Ij)の項を追加したものである。このような目的関数Eを用いると、L*FM(Ij)値がなるべく小さくなるように、すなわち、点PKがより暗くなるようにインク量Ijが最適化される。なお、無彩色インクのインク量は、グレー階調特性f(Gr)のGr=255で与えられるインク量I4, I7, I8をそのまま使用してもよい。この場合には、インク量の探索時に有彩色インクのインク量のみが調整される。
なお、点PKに関するインク量探索における目的関数Eとしては、上記(14)式の代わりに下記(15)式で与えられるものを使用してもよい。
Figure 0004941152
ここで、a*FM(Ij)、 b*FM(Ij)は、インク量Ijをフォワードモデルコンバータ300で変換して得られたL*a*b*値のうちのa*値とb*値である。これらの最後の2項を追加すれば、インク量Ijとして、a*値とb*値が0に近いものが探索される。
こうして点PWと点PKとが決定されると、図11のステップS340において、PW−PK線上の他の色点のL*a*b*値とインク量とが決定される。これらの色点の入力格子点座標は、例えば(R,G,B)=(32,32,32), (64,64,64),…,(224,224,224)のような等間隔な格子点座標である。図13(C)の左側は、L*a*b*空間におけるPW−PK線上の各色点の初期位置を示しており、右側はスムージング処理後の位置を示している。両端の点PW,PKは、ステップS320,S330で決定されているので、ステップS340では点PW,PKの位置は拘束されている。他の色点の初期位置は、グレー階調特性f(Gr)を用いて設定することが可能である。すなわち、これらの色点の初期のインク量として、グレー階調値Grに(255-R)を代入した値、すなわち、Gr=223, 191,…,31におけるグレー階調特性f(Gr)のインク量が採用される。
ステップS340におけるスムージング処理は、図8のフローチャートに従って行われ、この際、インク量の探索では以下の最適化条件が使用される。
(最適化条件1)下記(16)式の目的関数Eを最小とする
(最適化条件2)すべてのインクを使用可能
Figure 0004941152
ここで、LABFM(Ij(f(Gr)))の引数Ij(f(Gr))は、インク量Ijの探索のパラメータとして、グレー階調特性f(Gr)も考慮にいれることを表している。具体的には、最適化処理時の探索のパラメータとしては、8種類のインク量Ij (j=1〜8)とグレー階調値Grの9つのパラメータが利用される。この場合に、3種類の無彩色インクK,Lk,LLkのインク量I4, I7, I8については、それ自身の値を変更したときのインク量の変化と、グレー階調値Grを変更したときのインク量の変化との両方を考慮する。すなわち、これらの3種類の無彩色インクK,Lk,LLkのインク量I4, I7, I8は、以下の(17)式に従って決定される。
Figure 0004941152
ここで、Ij-gray(f(Gr))はグレー階調特性f(Gr)に応じて決定される各無彩色インクのインク量、Ij-gray(0)はその初期値、ΔIj-grayは無彩色インク自身の値を変更したときのインク量の変化、ΔIj-gray(Δf(Gr))はグレー階調値Grを変更したときの無彩色インク量の変化である。
上記(17)式によるインク量の算出方法の具体例は以下の通りである。まず、図12(B)のグレー階調特性において、Gr=192の点におけるインク量I4=32, I7=70, I8=0を初期値としたとき、淡ブラックインクLkのインク量I7-gray(f(Gr))の変化は例えば以下の通りになる。まず、淡ブラックインクLk自身が探索のパラメータとなってその値が2だけ増加すると、淡ブラックインクLkのインク量I7-gray(f(Gr))は、初期値I7=70から2増加して72となる。その後、グレー階調値Grが探索のパラメータとなり、その値が2だけ増加すると、グレー階調値Grが192から194に増加した場合の各インクの変化量がグレー階調特性f(Gr)から算出される。具体的には、各無彩色インクの変化量は、ΔI4-gray(Δf(Gr)=+2)=2,ΔI7-gray(Δf(Gr)=+2)=-4,ΔI8-gray(Δf(Gr)=+2)=0と決定される。従って、淡ブラックインクLkのインク量I7-gray(f(Gr))は、72から4だけ減小して68となる。このように、グレー階調値Grを探索のパラメータとしてインク量の最適化を行うようにすれば、グレー階調特性f(Gr)に従った変化量で各無彩色インクのインク量を同時に変化させることができる。すなわち、図12(B)から理解できるように、グレー階調特性では、グレー階調値Grが増加するとき(明度が低下するとき)に、1つの無彩色インクを増加させて他の無彩色インクを減小させることが好ましい場合が多い。グレー階調値Grを探索のパラメータとして用いない場合には、個々の無彩色インクを個別に増減させてしまうので、このようなグレー階調特性f(Gr)の傾向を反映することが困難である。一方、グレー階調特性Grを探索のパラメータとして利用すれば、グレー階調特性f(Gr)に従った変化量で各無彩色インクのインク量が同時に変化するので、グレー階調特性f(Gr)の傾向を反映することが可能となる。
なお、上記(16)式は、右辺第1項における探索のパラメータとして、8種類のインクのインク量とグレー階調値Grの9個のパラメータが使用される点のみが(10)式と異なっている。なお、このスムージング処理では、有彩色インクを含むすべてのインクを使用可能とすることが好ましい。有彩色インクを利用すれば、図13(C)の右側に示すように、点PW,PKを結ぶ直線上に沿って複数の色点がほぼ並ぶような分布が得られる。
なお、L*a*b*空間における点PW,PKは、RGB表色系における(R,G,B)=(255,255,255)の点と(R,G,B)=(0,0,0)の点に相当する。従って、L*a*b*空間におけるPW−PK線は、RGB表色系のグレー階調に相当する直線であることが理解できる。上述したステップS340の処理では、RGB表色系のグレー階調に相当する直線上の色点に関して、グレー階調特性を用いて初期値を設定するとともに、その初期値を修正することによってベースLUT510に登録すべきインク量とを決定している。従って、PW−PK線上の色点に関する無彩色インクのインク量をグレー階調特性に近似したものとすることができる。
ところで、PW−PK線上の色点の決定時にグレー階調特性を利用しない場合には、以下のような問題が生じる可能性がある。すなわち、本実施例では、インク量の探索に利用する目的関数Eとして、(10)式や(16)式で与えられるものを使用している。この目的関数Eに含まれる画質評価指数GI, CII, TIのうち、例えば粒状性評価指数GIは、無彩色インクを使用する場合に比べてコンポジットブラックを使用する方が小さくなる傾向がある。従って、グレー階調特性を利用しないでインク量の探索を行うと、PW−PK線上の色点として、無彩色インクをあまり用いずにコンポジットブラックが多用されてしまうという結果が生じ得る。これでは、無彩色インクの活用、特に、複数の濃度の異なる無彩色インクの活用が不十分となるという問題がある。一方、上述のように、グレー階調特性を利用してインク量の探索を行うようにすれば、探索されるインク量が、グレー階調特性から得られる初期インク量を修正したものとなるので、最終的な無彩色インクのインク量をグレー階調特性に近似したものとすることが可能である。
なお、ステップS340においてスムージング処理を省略し、グレー階調特性から得られる初期のインク量そのものをPW−PK線上の色点のインク量として利用してもよい。但し、スムージング処理を行えば、L*a*b*空間においてより平滑な色点分布を得ることができるという利点がある。
こうしてPW−PK線上の色点のL*a*b*値とインク量が決定されると、図11のステップS350において、残りの他の色点に関するL*a*b*値とインク量とが決定される。図13(D)は、ステップS350におけるスムージング処理の様子を示している。なお、ステップS350で処理対象となる色点は、ベース3D−LUT510の複数の入力格子点のうちで、PW−PK線上に無い他のすべての色点である。スムージング処理は、図8のフローチャートに従って行われる。
なお、ステップS350におけるスムージング処理では、3次元色立体CSの外殻面上に存在する色点は、なるべく色立体CSの中心からの距離がより大きくなるようにインク量の探索を行うことが好ましい。この理由は、これによって再現可能な色域が広がるからである。ここで、「外殻面」とは、3次元色立体CSの6つの表面を意味している。色域を広げるために、例えば、8つの頂点のうちの紙白点PWと紙黒点PK,を除く他の6つの頂点PC,PM,PY,PR,PG,PBについては、インク量探索の目的関数Eとして、以下の(18)式で与えられるものを利用することができる。
Figure 0004941152
ここで、C*FM(Ij)は、インク量Ijをフォワードモデルコンバータ300で変換して得られたL*a*b*値から算出された彩度値である。この目的関数Eによれば、彩度C*FM(Ij)がより大きくなるように各頂点PC,PM,PY,PR,PG,PBのインク量が探索される。従って、色立体CS(すなわち色域)がより大きくなるように、インク量が決定される。なお、6つの頂点PC,PB,PM,PR,PY,PGを順次結ぶ直線で構成される閉多角形は、色立体CSの「赤道」とも呼ばれる。
以上のように、第1実施例では、グレー階調特性(図12(B))を設定しておき、グレー直線(PW−PK線)上の色点の位置をグレー階調特性に応じて決定したので、グレー直線上の複数の色点における無彩色インクのインク量を、グレー階調特性に近似したものとすることができる。従って、グレー線上において、コンポジットブラックが多く利用されてしまい、無彩色インクを活用できないという問題を回避することが可能である。
E.第2実施例(4D−LUT作成):
図14は、第2実施例としてのベース4D―LUT作成時のスムージング処理手順を示すフローチャートである。この処理手順は、図11のステップS320〜S350を、それぞれ若干異なるステップS321〜S351に置き換えたものであり、ステップS310におけるグレー階調特性の作成処理は第1実施例と同じである。
図15(A)〜(C)は、図14のステップS321〜S341の処理内容を示している。ステップS321では、グレー階調特性f(Gr)に基づいて、各Kレイヤ上の点PWのL*a*b*値とインク量とが決定される。「Kレイヤ」とは、K値が一定でC,M,Y値が可変である入力値に対応する3次元色立体CSを意味している。図15(A)に示す複数の色立体CSは、4D−LUTに対応する複数の3次元色立体CS(図5(C)の右端参照)を互いに重ならないようにずらせて配置して描いたものである。各色立体CSの点PWを結ぶ直線は、ベース4D−LUT520(図5(B))の入力表色系におけるK軸に相当する。ステップS321の処理では、まず、各Kレイヤの点PWのインク量の初期値が、グレー階調特性f(Gr)を参照して決定される。この参照は、グレー階調値GrにK値を代入することによって行われる。ステップS321の処理では、この初期値から図8の手順に従ってスムージング処理が実行される。
ステップS321におけるインク量探索では、例えば以下の最適化条件が使用される。
(最適化条件1)下記(19)式の目的関数Eを最小とする
(最適化条件2)すべてのインクを使用可能
Figure 0004941152
この(19)式は、前述した(16)式と同じものである。(19)式の右辺第1項は、上述した(16)式及び(17)式でも説明したように、インク量Ijの探索のパラメータとして、8種類のインクのインク量とグレー階調値Grの9つのパラメータが利用されることを示している。
図16(A),(B)は、ステップS321のスムージング処理の内容を示している。すなわち、このスムージング処理では、図16(A)のグレー階調特性f(Gr)を初期値として、図16(B)に示すインク量特性が得られる。なお、図16(B)の横軸はK値であり、グレー階調値Grでは無いことに注意を要する。図16(B)に示す特性は、3種類の無彩色インクK,Lk,LLkのインク量がグレー階調特性f(Gr)から変化している点と、有彩色インクが追加されている点と、の2点でグレー階調特性f(Gr)と異なっている。なお、K=0及びK=255でのインク量は、グレー階調特性f(Gr)におけるGr=0及びGr=255でのインク量と同じものに維持されている。すなわち、K=0のレイヤにおける点PWは、インクが全く吐出されない紙白点なので、すべてのインク量がゼロに維持されている。また、K=255のレイヤにおける点PWでは、濃ブラックインクKのみが使用されており、そのインク量I4はグレー階調特性f(Gr)のGr=255の値と同じに維持されている。
ところで、各Kレイヤの点PWを結んだ直線は、CMYK表色系におけるK軸に相当しており、K軸は、CMYK表色系のグレー階調に相当する直線である。従って、ステップS321では、CMYK表色系のグレー階調に相当するK軸上の色点に関して、グレー階調特性を用いて初期値を設定するとともに、その初期値を修正することによってベースLUT520に登録すべきインク量とを決定していることが理解できる。この結果、K軸上の色点に関する無彩色インクのインク量を、グレー階調特性に近似したものとすることができる。この効果は、ベース3D−LUT510作成時におけるステップS340において、PW−PK線上の色点の決定時にグレー階調特性を利用した場合の利点とほぼ同じものである。なお、ベース4D−LUT520では、入力表色系であるCMYK表色系のK軸そのものがグレー階調値Grに近いものである。従って、ベース3D−LUTテーブルの作成時のようにPW−PK線上の色点の決定時にグレー階調特性を利用するよりも、K軸上の色点の決定時にグレー階調特性を利用する方が好ましい。
なお、ステップS321の処理の結果、図16(B)に示したようなK値とインク量との関係が得られることは前述した通りである。無彩色インクK,Lk,LLkのインク量に関しては、ここで得られたK値に従って決められたインク量が、点PW以外の他の色点にも適用される。換言すれば、図14のステップS331〜S351のスムージング処理においては、無彩色インクK,Lk,LLkのインク量は、K値から図16(B)の関係を参照して得られる値がそのまま用いられ、有彩色インクのインク量のみが調整される。こうすれば、各Kレイヤにおいて、ステップS321で決定された好ましい無彩色インク量をそのまま維持しつつ、有彩色インクのインク量を調整することによって、好ましい色点分布を得ることが可能である。
ステップS321で使用される目的関数Eとしては、上記(19)式の代わりに下記(20)式で与えられるものとを使用してもよい。
Figure 0004941152
ここで、 a*FM, b*FMはインク量Ijをフォワードモデルコンバータ300で変換して得られたa*値、b*値である。また、 a*sp, b*spは、インク量Ijをフォワードモデルコンバータ300で変換して得られたL*値に対する望ましいa*値、b*値である。換言すれば、a*sp, b*spは、点PWが辿るべき所望のL*a*b*特性を表している。この特性を表す a*sp, b*sp値は、例えば、いくつかのL*値に対するa*sp値と b*sp値とが登録された初期値テーブルとしてユーザがステップS200(図2)で指定することができる。このとき、初期値テーブルに登録されていない他のL*値に対するa*sp値と b*sp値は、補間によって求めることが可能である。
なお、ステップS321において、スムージング処理を行わずに、グレー階調特性f(Gr)そのものを各PW点のインク量として採用することも可能である。この説明からも理解できるように、ベース4D−LUT520の作成時には、各KレイヤのPW点のインク量をグレー階調特性に基づいて決定することが可能であり、その決定方法として種々の方法を採用可能である。
図14のステップS331では、グレー階調特性f(Gr)を利用して、各Kレイヤ上の点PKのL*a*b*値とインク量とが決定される(図15(B))。点PKの決定時には、インク量Ijの初期値として、ステップS321で得られた値がそのまま使用される。また、点PKのL*a*b*値とインク量の決定時には、図8のステップT120〜T150のうちのステップT120,T150が実行されず、ステップT130,T140のみが実行される。この処理は、ベース3D−LUT作成時のステップS330の処理とほぼ同じである。また、点PKに関するインク量探索では、ベース3D−LUT作成時におけるステップS330と同じ最適化条件を使用可能である。すなわち、目的関数Eとしては、上記(14)式や(15)式で与えられるものを利用可能である。但し、上述したように、ベース4D−LUTの作成時には、各Kレイヤにおける無彩色インクのインク量は、ステップS321で決定された値がそのまま用いられるので、有彩色インクのインク量のみが調整される。
図14のステップS341では、各Kレイヤ上のPW−PK線上の他の色点のL*a*b*値とインク量とが決定される(図15(C))。この処理も、ベース3D−LUT作成時のステップS340の処理とほぼ同じである。但し、インク量が調整されるのは、有彩色インクのインク量のみである。また、PW−PK線上の各色点のインク量の初期値は、点PWと点PKにおけるインク量を内挿することによって設定される。ステップS351では、残りの他の色点に関するL*a*b*値とインク量とが決定される。この処理も、ベース3D−LUT作成時のステップS350の処理とほぼ同じである。
このように、第2実施例では、グレー直線に相当するK軸上の色点のインク量をグレー階調特性に応じて決定したので、K軸上において、無彩色インクのインク量をグレー階調特性に近似したものとすることができる。従って、K軸上において、コンポジットブラックが多く利用されてしまい、無彩色インクを活用できないという問題を回避することが可能である。
F.第3実施例(3D−LUT作成):
図17は、第3実施例としてのベース3D―LUT作成時のスムージング処理手順を示すフローチャートである。この手順は、第1実施例の図11の手順のステップS340、S350を、ステップS410〜S450で置き換えたものであり、ステップS310〜S330は図11と同じである。すなわち、第3実施例では、点PW,PK以外の色点の処理方法が第1実施例と異なっている。
図18(A)〜(D)は、図17のステップS410〜S440の処理内容を示している。ステップS410では、色立体CSの赤道EQ上の色点に関するL*a*b*値とインク量とが決定される。図18(A)に太線で示されているように、赤道EQは、6つの頂点PC,PB,PM,PR,PY,PGを順次結ぶ直線で構成される閉多角形である。スムージング処理は、図8の手順に従って実行される。
ステップS410におけるインク量探索では、例えば以下の最適化条件が使用される。
(最適化条件1)下記(21)式の目的関数Eを最小とする
(最適化条件2)すべてのインクを使用可能
Figure 0004941152
この(21)式は、前述した(18)式と同じものである。この目的関数Eを利用すれば、彩度がより大きくなるように各頂点PC,PM,PY,PR,PG,PBのインク量が探索されるので、色立体CS(色域)がより大きくなるようにインク量が決定される。
図17のステップS420では、1次色である複数の色点のL*a*b*値とインク量とが決定される。図18(B)に太線で示されているように、1次色とは、3本の直線PW−PC,PW−PM,PW−PY上に存在する色点である。但し、頂点PW,PC,PM,PYは、ステップS320,S330,S410で決定済みなので、ステップS420ではこれら以外の色点が図8に示した手順に従って処理される。ステップS420におけるインク量探索では、例えば以下の最適化条件が使用される。
(最適化条件1)上記(10)式の目的関数Eを最小とする
(最適化条件2)各1次色線上においては同一色相のインクのみを使用可能
この最適化条件2は、シアンの1次色を表す直線PW−PC上の色点は、シアンインクC,Lcのみが使用可能であることを意味する。同様に、マゼンタの1次色を表す直線PW−PM上ではマゼンタインクM,Lmのみが使用可能であり、イエローの1次色を表す直線PW−PY上ではイエローインクYのみが使用可能である。このように使用可能なインクを制限すれば、少ない種類のインクで所望の1次色を再現することが可能である。
ステップS430では、2次色である複数の色点のL*a*b*値とインク量とが決定される。図18(C)に太線で示されているように、2次色とは、3本の直線PK−PR,PK−PG,PK−PB上に存在する色点である。但し、頂点PK,PR,PG,PBは、ステップS320,S330,S410で決定済みなので、ステップS430ではこれら以外の色点が、図8に示した手順に従って処理される。ステップS430におけるインク量探索では、例えば以下の最適化条件が使用される。
(最適化条件1)上記(10)式の目的関数Eを最小とする
(最適化条件2)すべてのインクを使用可能
ステップS440では、色立体の外殻面上にある複数の色点のL*a*b*値とインク量とが決定される。図18(D)において2重丸で示した頂点と、黒丸で示した色点(1次色点及び2次色点)は、ステップS430までの処理で決定済みである。従って、ステップS440ではこれら以外の色点が、図8に示した手順に従って処理される。ステップS440におけるインク量探索では、例えば以下の最適化条件が使用される。
(最適化条件1)上記(10)式の目的関数Eを最小とする
(最適化条件2)すべてのインクを使用可能
こうして、外殻面上のすべての色点についてL*a*b*値とインク量とが決定されると、ステップS450において、色立体CSの内部に存在する複数の色点のL*a*b*値とインク量とが決定される。
図19は、ステップS450の詳細手順を示すフローチャートである。図20は、図19のステップS510〜S530の処理内容を示している。ステップS510では、複数の色点の初期設定が行われる。図20(A)は、L*a*b*空間の色立体をL*−b*平面で切断した断面を示している。2重丸で示した頂点と黒丸で示した色点は外殻面上にあるので、ステップS440までの処理で決定済みである。従って、ステップS450では、白丸で示す他の色点の位置が初期設定される。この初期設定のインク量は、上記(2)式及び(3)式に従って決定される。但し、PW−PK線上の各色点の初期インク量は、グレー階調特性f(Gr)を用いて設定される。すなわち、PW−PK線上の色点の入力格子点座標はR=G=Bなので、その初期インク量は、グレー階調値Grに(255-R)を代入した値、例えば、Gr=223, 191,…,31におけるグレー階調特性f(Gr)のインク量に設定される。この初期位置の設定方法は、第1実施例におけるステップS340(図13(C))で説明したものと同じである。
図19のステップS520では、上述した力学モデル(図7)に従ってL*a*b*空間の各色点を移動させ、これによってターゲットL*a*b*値LABtを決定する。ステップS520における色点の移動後の処理は、PW−PK線上の色点と、その他の色点とで異なっている。すなわち、PW−PK線上の色点については、ステップS530〜S550においてインク量の最適値が探索される。一方、他の色点については、インク量の探索を行うことなく、後述するステップS560が実行される。このように処理を分ける理由については後述する。
ステップS530では、PW−PK線上の各色点について、ターゲット値LABtのa*値とb*値とが、次の(22)式及び(23)式に従ってそれぞれ修正される。
Figure 0004941152
Figure 0004941152
ここで、(22)式のa*tは修正後のターゲットa*値、L*tはステップS520で得られたターゲットL*値、L*PK, 及びa*PKは紙黒点PKのL*値及びa*値、L*PW,a*PWは紙白点PWのL*値及びa*値である。換言すれば、PW−PK線上の各色点の修正後のターゲット値LABtのa*値としては、紙白点PWと紙黒点PKのa*値を直線補間した値が使用される。(23)式のb*値についても同様である。このようにa*値とb*値を修正すれば、図20(B)に示すように、PW−PK線上の複数の色点がL*a*b*空間において一直線上に整列したものとなる。従って、PW−PK線上の複数の色点として、安定した無彩色を再現するインク量を求めることが可能になる。但し、ステップS530の処理は省略可能である。
なお、PW−PK線上の複数の色点が辿るべきL*a*b*特性としては、これ以外の任意の特性を設定することも可能である。この場合には、例えば上述した(20)式で与えられる目的関数Eを用いて以下のステップS540におけるインク量の探索が行われる。
図19のステップS540では、PW−PK線上の各色点について最適なインク量が探索される。このインク量探索では、例えば以下の最適化条件が使用される。
(最適化条件1)上記(16)式の目的関数Eを最小とする
(最適化条件2)すべてのインクを使用可能
なお、(16)式は、第1実施例においてPW−PK線上の各色点に対するインク量の探索時に使用されたものである。
ステップS550では、探索されたインク量に対するL*a*b*値が、フォワードモデルコンバータ300によって再計算される。この処理の結果、探索されたインク量によって再現される色の正確なL*a*b*値が得られる。
ステップS560では、外殻面の内部に存在するすべての色点に関して、それらの移動量の平均値(ΔLab)aveが、予め設定された閾値ε以下であるか否かが判定される。そして、移動量の平均値(ΔLab)aveが閾値εよりも大きい場合には、ステップS520に戻りステップS520〜S550のスムージング処理が継続される。一方、移動量の平均値(ΔLab)aveが閾値ε以下の場合には、色点の分布が十分に平滑になっているので、スムージング処理を終了する。
ステップS570では、外殻面の内部に存在する複数の色点のうちでPW−PK線上以外の色点に関してインク量の最適値が探索される。
図21は、ステップS570の詳細手順を示すフローチャートである。ステップS571では、パラメータQを0.9に設定する。このパラメータQの役割については後述する。ステップS572では、パラメータQを用いて、インク量探索用の仮のL*a*b*値LABs(以下、「仮ターゲット値LABs」と呼ぶ)以下の(24)式に従って決定する。
Figure 0004941152
ここで、LAB0は図19のステップS510で設定された初期のL*a*b*値(すなわち色点の移動前のL*a*b*値)、LABtはステップS560で移動が終了した後の色点のL*a*b*値(すなわち、ターゲットL*a*b*値)である。
ステップS573では、仮ターゲット値LABsを用いて以下の最適化条件で各色点のインク量が探索される。
(最適化条件1)下記(25)式の目的関数Eを最小とする
(最適化条件2)すべてのインクを使用可能
Figure 0004941152
この(25)式は、(10)式のターゲット値LABtを仮ターゲット値LABsに置き換えた式である。
こうして、仮ターゲット値LABsに対するインク量が決定されると、ステップS574においてパラメータQが0に到達したか否かが判定される。パラメータQが0に到達していなければ、ステップS575でパラメータQから0.1が減算されて、上述したステップS572〜S574が再度実行される。一方、パラメータQが0に到達すると、ステップS573で得られたインク量が、各色点の最終的なインク量として採用される。
上記(24)式から理解できるように、Q=0に到達すると、仮ターゲット値LABsは、真のターゲット値LABtと等しくなる。従って、図21の処理は、各色点に対するインク量を求める際に、仮ターゲット値LABsを、初期のL*a*b*値LAB0から最終的なターゲットL*a*b値LABsに徐々に近づけていきながら、それぞれの仮ターゲット値LABsに対する最適なインク量をその都度求めてゆく処理であることが理解できる。従って、それぞれの仮ターゲット値LABsに対して得られるインク量は、初期のL*a*b*値LAB0に対するインク量を若干修正したものとなる。このような漸近的な処理を行えば、最終的なターゲット値LABtに対するインク量として、初期のL*a*b*値LAB0に対するインク量に近いものが得られるので、近似した色点同士のインク量の差が過度に大きくなることが防止される。この結果、近似した色を滑らかに再現することが可能となる。また、仮ターゲット値LABs同士の差が小さいので、個々の仮ターゲット値LABsに対するインク量の探索が比較的短時間で済み、全体の処理を高速化できるという利点もある。
なお、図19の処理手順では、PW−PK線上の色点に関してはL*a*b*空間内での色点の移動とインク量の探索とを繰り返し行っており、一方、他の色点については色点の移動が収束した後にインク量の探索が行われている。このように処理を行う理由は以下の通りである。第1に、外殻面内部に存在する色点の数はきわめて多いので、すべての色点について色点の移動とインク量の探索とを繰り返すと、計算量が膨大となり、処理が遅くなるからである。第2に、PW−PK線上の色点に関しては、図20(B)の例のように、望ましいL*a*b特性が存在する場合が多く、このような望ましいL*a*b*特性を実現するようなインク量の探索を行うことが好ましいからである。第3に、PW−PK線上の色点に関して色点の移動とインク量の探索とを繰り返すことによってその位置が早く決まれば、他の色点の移動の収束も早まるからである。但し、図18のようにPW−PK線上の色点と他の色点とを区別して処理する必然性はなく、両者を同じ手順で処理するようにしてもよい。
このように、第3実施例では、ベース3D−LUT510の複数の入力格子点に対応する複数の色点に関して、i)色立体の各頂点PK,PW,PC,PM,PY,PR,PG,PBのL*a*b*値とインク量の決定、ii)色立体の稜線上の色点(1次色及び2次色)のL*a*b*値とインク量の決定、iii)外殻面上の他の色点のL*a*b*値とインク量の決定、iv)外殻面内部の色点のL*a*b*値とインク量の決定、という順に処理が実行されている。従って、個々の処理を比較的短時間で実行することができ、すべての色点の処理を一度に行う場合に比べて、全体としてより短時間で処理を終了することが可能である。また、各処理ステップでのインク量の探索において、それぞれの色点の位置に適した最適化条件を用いたので、望ましい色域を滑らかに実現するような色点分布を得ることが可能である。また、グレー階調特性を用いてグレー直線(PW−PK線)上の色点のL*a*b*値とインク量を決定しているので、グレー階調特性に近似したインク量でグレー階調を再現するベース3D−LUT510を得ることが可能である。
なお、上記i)〜iii)の処理(すなわち、外殻面上のすべての色点の処理)を同時に実行し、その後、外殻面内部の色点の処理を実行するようにしてもよい。但し、外殻面上の色点の処理を上記i)〜iii)のように順番に行うようにすれば、より好ましい色点分布を得ることが可能である。
G.第4実施例(4D−LUT作成):
図22は、第4実施例としてのベース4D―LUT作成時のスムージング処理手順を示すフローチャートである。この手順は、第3実施例の図17のステップS320,S330,S420〜S450を、それぞれ若干異なるステップS321,S331,S421〜S451に置き換えたものである。なお、ステップS321,S331は第2実施例(図14)と同じである。
図23(A)〜(D)は、図22のステップS411〜S441の処理内容を示している。ベース4D−LUT520とベース3D−LUT510との間の最も大きな差異は、ベース4D−LUT520では4次元の複数の入力格子点に対応するL*a*b*空間の色立体CSが複数個存在することである。従って、ステップS411〜S441の処理においては、図23(A)〜(D)に示されているように、処理対象となる色点が複数の3次元色立体CS上に存在する。そこで、これらのスムージング処理では、複数の色立体CS上に存在する複数の色点の全体に対して力学モデルを適用する。ステップS411〜S441の他の処理内容は、第3実施例におけるステップS410〜S440の処理内容とほぼ同様なのでここでは説明を省略する。また、ステップS451の処理も前述した図19〜図21で説明したステップS450の処理とほぼ同様に行われる。但し、ベース4D−LUT520用のスムージング処理では、上述した第2実施例と同様に、ステップS321で決定された各Kレイヤの無彩色インクのインク量がその後の各ステップでの処理でそのまま維持されて、有彩色インクのインク量のみが調整される。また、各KレイヤのPW−PK線上の各色点のインク量の初期値は、第2実施例のステップS341の処理(図15(C))と同様に、点PWと点PKにおけるインク量を内挿することによって設定される。
このように、第4実施例では、ベース4D−LUTの作成処理を比較的短時間で実行することが可能であり、また、望ましい色域を滑らかに実現するような色点分布を得ることが可能である。また、グレー階調特性を用いてグレー直線(K軸)上の色点のL*a*b*値とインク量を決定しているので、グレー階調特性に近似したインク量でグレー階調を再現するベース4D−LUT520を得ることが可能である。
H.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
H1.変形例1:
上記実施例では、入力表色系の各色成分が互いに等しい入力格子点(例えばR=G=Bの入力格子点)をグレー階調として用いていたが、色成分の一部が他と若干異なっているものをグレー階調として用いても良い。換言すれば、グレー階調としては、入力格子点の各色成分(各入力値)が互いに等しい直線の付近にあるものを使用することができる。
H2.変形例2:
上記実施例では、機器独立表色系としてCIE-L*a*b*表色系を利用していたが、CIE-XYZ表色系やCIE-L*u*v*表色系などの他の任意の機器独立表色系を利用することが可能である。但し、滑らかな色再現を実現するという意味からは、CIE-L*a*b*表色系やCIE-L*u*v*表色系などの均等色空間である機器独立表色系を用いることが好ましい。
H3.変形例3:
上記実施例では、スムージング処理(平滑化処理)として力学モデルを利用した処理を採用していたが、他の種類のスムージング処理を採用してもよい。例えば、隣接する色点同士の間隔を測定し、その平均値になるべく近づくように個々の間隔を調整するスムージング処理を採用することも可能である。
H4.変形例4:
本明細書において「インク」とは、インクジェットプリンタやオフセット印刷等に用いられる液体状インクに限らず、レーザプリンタに用いられるトナーも含む広い意味で使用されている。このような「インク」の広い意味を有する他の用語としては、「色材」や「着色材」、「着色剤」を用いることも可能である。
本発明の一実施例におけるルックアップテーブル作成装置の構成を示すブロック図である。 実施例の全体処理手順を示すフローチャートである。 図2のステップS100〜S300によってベース3D−LUTを作成する場合の処理内容を示す説明図である。 入力表色系であるRGB表色系の色点とL*a*b*表色系の色点との対応関係を示す説明図である。 図2のステップS100〜S300によってベース4D−LUTを作成する場合の処理内容を示す説明図である。 ベースLUTを用いた色補正LUTの作成方法を示す説明図である。 実施例のスムージング処理に利用される力学モデルを示す説明図である。 スムージング処理の典型的な処理手順を示すフローチャートである。 図8のステップT100の詳細手順を示すフローチャートである。 図8のステップS120〜S150の処理内容を示す説明図である。 第1実施例としてのベース3D―LUT作成時のスムージング処理手順を示すフローチャートである。 グレー階調特性の作成処理の内容を示す説明図である。 図11のステップS320〜S350の処理内容を示す説明図である。 第2実施例としてのベース4D―LUT作成時のスムージング処理手順を示すフローチャートである。 図14のステップS321〜S341の処理内容を示す説明図である。 ステップS321のスムージング処理の内容を示す説明図である。 第3実施例としてのベース3D―LUT作成時のスムージング処理手順を示すフローチャートである。 図17のステップS410〜S440の処理内容を示す説明図である。 ステップS450の詳細手順を示すフローチャートである。 図19のステップS510〜S530の処理内容を示す説明図である。 ステップS570の詳細手順を示すフローチャートである。 第4実施例としてのベース4D―LUT作成時のスムージング処理手順を示すフローチャートである。 図22のステップS411〜S441の処理内容を示す説明図である。
符号の説明
100…ベースLUT作成モジュール
110…グレー階調作成モジュール
120…スムージング処理初期値設定モジュール
130…スムージング処理モジュール
132…色点移動モジュール
134…インク量最適化モジュール
136…画質評価指数算出モジュール
140…テーブル作成モジュール
200…色補正LUT作成モジュール
300…フォワードモデルコンバータ
310…分光プリンティングモデルコンバータ
320…色算出部
400…LUT格納部
410…インバースモデル初期LUT
510…ベース3D−LUT
511…逆変換LUT
520…ベース4D−LUT
521…逆変換LUT
610…色補正3D−LUT
620…色補正4D−LUT

Claims (12)

  1. 入力表色系の座標値を、無彩色インクと有彩色インクとを含む複数種類のインクで構成されるインク表色系のインク量に変換するための色変換ルックアップテーブルの作成装置であって、
    前記無彩色インクのみを用いてグレー階調を表現するグレー階調特性を生成するグレー階調特性生成部と、
    前記入力表色系の所定の色点である複数の入力表色系色点のそれぞれに対応付けられた初期値として、前記インク表色系の初期値と、前記入力表色系に対応する機器独立表色系の色点である機器独立表色系色点位置と、を設定する初期値設定部と、
    前記複数の機器独立表色系色点の分布を初期位置から平滑化する処理を実行するとともに、平滑化処理後の前記複数の機器独立表色系色点に対応する前記インク表色系のインク量を決定する平滑化処理部と、
    前記平滑化処理の結果に基づいて、前記入力表色系の座標値を前記インク表色系のインク量に変換するための色変換ルックアップテーブルを作成するテーブル作成部と、
    を備え、
    前記テーブル作成部は、前記グレー階調で表現される色点の集合である入力表色系グレー色点群については、前記グレー階調特性生成部の生成した前記グレー階調特性に基づいた色変換ルックアップテーブルを作成する、ルックアップテーブル作成装置。
  2. 請求項1記載のルックアップテーブル作成装置であって、
    前記インク表色系は、濃度の異なる複数種類の無彩色インクを含み、
    前記グレー階調特性生成部は、前記複数種類の無彩色インクのみを用いてグレー階調を表現するグレー階調特性を生成する、ルックアップテーブル作成装置。
  3. 請求項1又は2記載のルックアップテーブル作成装置であって、さらに、
    前記インク表色系のインク量を機器独立表色系の座標値に変換する表色系変換部を備え、
    前記初期値設定部は、前記複数の入力表色系色点のそれぞれに対応付けられた前記インク表色系の初期値を、前記表色系変換部を利用して前記機器独立表色系の座標値に変換することによって、前記複数の機器独立表色系色点の初期位置を決定する、ルックアップテーブル作成装置。
  4. 請求項3記載のルックアップテーブル作成装置であって、
    前記平滑化処理部は、
    (i)前記入力表色系グレー色点群のグレー階調の値を用いて前記グレー階調特性を参照することによって前記入力表色系グレー色点群に対応する前記無彩色インクのインク量を決定する工程と、
    (ii)前記表色系変換部を利用して前記無彩色インクのインク量を前記機器独立表色系の色点の座標値に変換する工程と、
    (iii)前記無彩色インクのインク量に対応する前記機器独立表色系の色点に関する平滑化を実行することによって前記機器独立表色系グレー色点群の位置を決定するとともに、前記機器独立表色系グレー色点群に対応する前記インク表色系のインク量の最適値を前記表色系変換部を利用して決定する工程と、
    を含む平滑化処理を実行する、ルックアップテーブル作成装置。
  5. 請求項4記載のルックアップテーブル作成装置であって、
    前記平滑化処理部は、前記入力表色系グレー色点群に関する前記局所的な平滑化処理において、前記入力表色系グレー色点群のうちの最も濃度の高い紙黒点に関しては、前記表色系変換部を利用して前記紙黒点に対応する前記機器独立表色系の色点が可能な限り暗くなるように前記局所的な平滑化処理を実行する、ルックアップテーブル作成装置。
  6. 請求項5記載のルックアップテーブル作成装置であって、
    前記入力表色系は、RGB表色系であり、
    前記入力表色系の色空間における前記グレー階調は、前記RGB表色系の3つの入力値であるR値とG値とB値とが互いに等しい直線付近にある、ルックアップテーブル作成装置。
  7. 請求項4記載のルックアップテーブル作成装置であって、
    前記平滑化処理部は、前記入力表色系グレー色点群に関する前記局所的な平滑化処理において、前記入力表色系グレー色点群のうちの最も濃度の高い最高濃度グレー点に関しては、前記グレー階調特性を参照して得られる前記最高濃度グレー点に対応する前記インク表色系のインク量と、当該インク量から前記機器独立表色系変換部による変換で得られる前記機器独立表色系の色点の位置と、を移動しないように拘束しつつ前記局所的な平滑化処理を実行する、ルックアップテーブル作成装置。
  8. 請求項7記載のルックアップテーブル作成装置であって、
    前記入力表色系は、CMYK表色系であり、
    前記入力表色系の色空間における前記グレー階調は、前記CMYK表色系のK軸付近にある、ルックアップテーブル作成装置。
  9. 請求項8記載のルックアップテーブル作成装置であって、
    前記入力表色系は、K値が一定でC値とM値とY値がそれぞれ所定の定義範囲内の値を取るKレイヤを複数含んでおり、
    前記平滑化処理部は、各Kレイヤ上の入力表色系色点のうちで前記入力表色系グレー色点群以外の色点に関しては、前記入力表色系グレー色点群に関する前記局所的な平滑化処理で決定された前記インク表色系のインク量のうちの前記無彩色インクのインク量を固定しつつ前記有彩色インク量の変更を許容して前記平滑化処理を実行する、ルックアップテーブル作成装置。
  10. 請求項1ないし9のいずれかに記載のルックアップテーブル作成装置であって、
    前記平滑化処理部は、
    前記RGB表色系の3次元色立体の外殻面上の色点、又は、前記CMYK表色系においてK値が一定である複数の3次元色立体の外殻面上の色点に関して前記平滑化処理を実行し、
    前記外殻面上の色点に関する前記平滑化処理の後に、前記外殻面上の色点が移動しないように拘束しつつ、前記外殻面の内側に存在する他の色点に関して前記平滑化処理を実行する、ルックアップテーブル作成装置。
  11. 入力表色系の座標値を、無彩色インクと有彩色インクとを含む複数種類のインクで構成されるインク表色系のインク量に変換するための色変換ルックアップテーブルの作成方法であって、
    (a)前記無彩色インクのみを用いてグレー階調を表現するグレー階調特性を生成する工程と、
    (b)前記入力表色系の所定の色点である複数の入力表色系色点のそれぞれに対応付けられた初期値として、前記インク表色系の初期値と、前記入力表色系に対応する機器独立表色系の色点である機器独立表色系色点位置と、を設定する工程と、
    (c)前記複数の機器独立表色系色点の分布を初期位置から平滑化する処理を実行するとともに、平滑化処理後の前記複数の機器独立表色系色点に対応する前記インク表色系のインク量を決定するとともに、前記平滑化処理の結果に基づいて前記入力表色系の座標値を前記インク表色系のインク量に変換するための色変換ルックアップテーブルを作成する工程と、
    を備え、
    前記工程(c)は、前記グレー階調で表現される色点の集合である入力表色系グレー色点群については、前記グレー階調特性生成部の生成した前記グレー階調特性に基づいた色変換ルックアップテーブルを作成する工程を含む、ルックアップテーブル作成方法。
  12. 入力表色系の座標値を、無彩色インクと有彩色インクとを含む複数種類のインクで構成されるインク表色系のインク量に変換するための色変換ルックアップテーブルの作成をコンピュータに行わせるプログラムであって、
    (a)前記コンピュータが、前記無彩色インクのみを用いてグレー階調を表現するグレー階調特性を生成する工程と、
    (b)前記コンピュータが、前記入力表色系の所定の色点である複数の入力表色系色点のそれぞれに対応付けられた初期値として、前記インク表色系の初期値と、前記入力表色系に対応する機器独立表色系の色点である機器独立表色系色点位置と、を設定する工程と、
    (c)前記コンピュータが、前記複数の機器独立表色系色点の分布を初期位置から平滑化する処理を実行するとともに、平滑化処理後の前記複数の機器独立表色系色点に対応する前記インク表色系のインク量を決定するとともに、前記平滑化処理の結果に基づいて前記入力表色系の座標値を前記インク表色系のインク量に変換するための色変換ルックアップテーブルを作成する工程と、
    を前記コンピュータに実行させるプログラムであり、
    前記工程(c)は、前記グレー階調で表現される色点の集合である入力表色系グレー色点群については、前記グレー階調特性生成部の生成した前記グレー階調特性に基づいた色変換ルックアップテーブルを作成する工程を含む、ルックアップテーブル作成プログラム。
JP2007192223A 2007-07-24 2007-07-24 色変換ルックアップテーブル作成装置及び方法、並びに、そのためのプログラム Expired - Fee Related JP4941152B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007192223A JP4941152B2 (ja) 2007-07-24 2007-07-24 色変換ルックアップテーブル作成装置及び方法、並びに、そのためのプログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007192223A JP4941152B2 (ja) 2007-07-24 2007-07-24 色変換ルックアップテーブル作成装置及び方法、並びに、そのためのプログラム

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2009033239A JP2009033239A (ja) 2009-02-12
JP2009033239A5 JP2009033239A5 (ja) 2010-03-18
JP4941152B2 true JP4941152B2 (ja) 2012-05-30

Family

ID=40403302

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007192223A Expired - Fee Related JP4941152B2 (ja) 2007-07-24 2007-07-24 色変換ルックアップテーブル作成装置及び方法、並びに、そのためのプログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4941152B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5699776B2 (ja) * 2011-04-21 2015-04-15 セイコーエプソン株式会社 プロファイル作成方法、プロファイル作成プログラムおよび印刷装置
JP5699775B2 (ja) * 2011-04-21 2015-04-15 セイコーエプソン株式会社 プロファイル作成方法、プロファイル作成プログラムおよび印刷装置
JP5909887B2 (ja) 2011-06-14 2016-04-27 セイコーエプソン株式会社 画像処理装置、印刷装置、画像処理方法、ルックアップテーブルの生成方法
US10540582B2 (en) 2015-12-18 2020-01-21 Seiko Epson Corporation Method for creating color conversion table
CN108781244B (zh) 2016-03-17 2019-12-17 精工爱普生株式会社 颜色校正表格制作方法、计算机可读存储介质

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5699491A (en) * 1995-06-15 1997-12-16 Canon Information Systems, Inc. Printer driver having gamut-mapped colors
JP2001016476A (ja) * 1999-07-01 2001-01-19 Canon Inc 画像処理装置及びその方法、コンピュータ可読メモリ
JP2003101804A (ja) * 2001-09-25 2003-04-04 Fuji Photo Film Co Ltd 色変換パラメータ決定方法、色変換パラメータ決定装置、および色変換パラメータ決定プログラム
JP3943886B2 (ja) * 2001-10-04 2007-07-11 キヤノン株式会社 テーブル作成方法、テーブル作成装置、記憶媒体及びプログラム
JP4619749B2 (ja) * 2004-11-05 2011-01-26 富士フイルム株式会社 色変換定義作成装置、および色変換定義作成プログラム
JP4492358B2 (ja) * 2005-01-12 2010-06-30 セイコーエプソン株式会社 格子点配置の平滑化
JP4582310B2 (ja) * 2005-02-02 2010-11-17 セイコーエプソン株式会社 プロファイル作成方法、プロファイル作成装置、プロファイル作成プログラム、及び印刷制御装置
JP4561398B2 (ja) * 2005-02-23 2010-10-13 セイコーエプソン株式会社 濃淡インクを使用する印刷のためのルックアップテーブルの生成
JP2006237856A (ja) * 2005-02-23 2006-09-07 Ricoh Co Ltd 画像処理装置、画像処理方法、その方法をコンピュータに実行させるプログラム、および記録媒体
JP4453833B2 (ja) * 2005-05-20 2010-04-21 富士ゼロックス株式会社 色処理装置、色処理方法、色処理プログラム、および、記憶媒体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009033239A (ja) 2009-02-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7864371B2 (en) Image processing apparatus, image processing method, and computer product
JP4247639B2 (ja) 印刷用色変換プロファイルの生成
JP5736884B2 (ja) プロファイル作成方法、プロファイル作成プログラムおよび印刷装置
JP5760521B2 (ja) プロファイル作成方法、プロファイル作成プログラムおよび印刷装置
US20110063632A1 (en) Systems and methods for building a color lookup table for a printer
JP2007516663A (ja) 印刷用色変換プロファイルの生成
JP4235837B2 (ja) 粒状性の予測、プロファイルの作成および印刷装置
JP4941152B2 (ja) 色変換ルックアップテーブル作成装置及び方法、並びに、そのためのプログラム
JP5589520B2 (ja) 色変換プロファイル作成装置、色変換プロファイル作成方法、色変換プロファイル作成プログラムおよび印刷装置
JP3912486B2 (ja) 色処理方法、記憶媒体、色処理装置、色変換装置、および画像形成装置
JP2015142250A (ja) 色変換対応情報作成装置、方法、プログラム、印刷装置の製造システム及び製造方法
JP2010245966A (ja) 色変換プロファイル作成装置、方法、プログラム、および、印刷装置
JP2011223434A (ja) 色変換テーブル作成方法、色変換テーブル作成プログラムおよび印刷装置
JP5943666B2 (ja) 記録方法、画像処理装置及び画像処理方法
JP4924458B2 (ja) 色変換対応情報作成装置及び方法、そのためのプログラム、並びに、印刷装置の製造システム及び方法
JP5682759B2 (ja) ブロンジング指標値算出方法、及びブロンジング指標値算出装置
JP2010221438A (ja) 印刷装置、印刷方法、および、ルックアップテーブル作成方法
JP2001111852A (ja) カラー画像処理方法及びカラー画像処理装置、色変換係数生成方法及び色変換係数生成装置、記憶媒体
JP5903935B2 (ja) プロファイル作成方法、プロファイル作成プログラムおよび印刷装置
JP2012129912A (ja) 印刷装置
JP2012129905A (ja) 色変換プロファイル作成装置、色変換プロファイル作成方法、色変換プロファイル作成プログラム及び印刷装置
JP5699776B2 (ja) プロファイル作成方法、プロファイル作成プログラムおよび印刷装置
JP2012217075A (ja) 印刷装置の製造方法、プロファイル作成方法、印刷方法
JP2011139213A (ja) 印刷制御装置、印刷制御プログラムおよび印刷装置
JP2012124730A (ja) プロファイル作成方法、プロファイル作成装置および印刷装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100202

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100202

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110818

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110830

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111026

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120131

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120213

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4941152

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150309

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees