JP4940685B2 - 紙用柔軟剤およびそれを用いた紙の製造方法 - Google Patents

紙用柔軟剤およびそれを用いた紙の製造方法 Download PDF

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本発明は、紙用柔軟剤およびそれを用いた紙の製造方法に関する。より詳細には、紙力を低下させずに、紙に優れた柔軟性を付与し得る紙用柔軟剤およびそれを用いた紙の製造方法に関する。
近年、製紙産業においては、書籍などの印刷物をめくりやすくするために、しなやかさを有する印刷用紙、すなわち優れた柔軟性を有する印刷用紙が求められている。さらに、ティッシュペーパー、トイレットペーパーなどの衛生紙においても、使い心地のよいしなやかな紙が求められており、従来、多くの柔軟剤、柔軟性を有する紙の製造方法が開発されている。
特許文献1には、ジ長鎖アルキル型4級アンモニウム塩をパルプスラリーに添加する柔軟化薄葉紙の製造方法が開示され、特許文献2には、ジ長鎖アルキル型4級アンモニウム塩、グリセリン、および水または炭素数が4以下のアルコールからなる紙用柔軟剤組成物が開示され、そして特許文献3には、長鎖アルキル型4級アンモニウム塩、炭素数が8〜24の不飽和脂肪酸、および脂肪酸とペンタエリスリトールとのエステル化物からなる紙用柔軟剤が開示されている。しかし、これらの方法および柔軟剤では、紙にある程度の柔軟性を付与し得るものの、紙力が大きく低下する。
紙力低下の問題を解決するために、特許文献4には、水溶性の熱反応型ウレタン樹脂を必須成分として含有する紙の柔軟剤が開示され、そして特許文献5にはポリアルキレンイミンにアルキレンオキサイドおよび高級脂肪酸を反応させて得られる化合物を含有する紙用改質剤が開示されている。しかし、これらの柔軟剤および紙用改質剤では、紙に十分な柔軟性を付与することができない。特許文献6には、アミノアンモニウム塩からなる紙用柔軟剤が開示されている。しかしこの柔軟剤では、十分な紙力を付与することができない。
したがって、紙力を低下させずに、紙に柔軟性を付与し得る紙用柔軟剤は得られていない。
特開昭63−165597号公報 特開平4−100995号公報 特開平7−189171号公報 特開平6−257098号公報 特開2005−82949号公報 特開2001−355197号公報
本発明の目的は、紙力を低下させずに、紙に優れた柔軟性を付与し得る紙用柔軟剤を提供することにある。本発明の他の目的は、この紙用柔軟剤を用いて紙を効率よく製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、特定のジアミドジアミン化合物(a)またはその塩からなる紙用柔軟剤が、上記目的を達成できることを見出した。さらにこの紙用柔軟剤を用いた紙の製造方法を得るに至った。
本発明の紙用柔軟剤は、以下の一般式(1)で表されるジアミドジアミン化合物(a)またはその塩からなる:
(Aは炭素数が4〜12のジカルボン酸の残基であり、R、R、R、およびRはそれぞれ炭素数が1〜4のアルキル基であり、そしてRおよびRはそれぞれ炭素数が2〜4のアルキレン基である)。
本発明の紙用柔軟剤はまた、ジアミドジアミン化合物(a)またはその塩と、アミドアミン化合物(b)またはその塩とからなる紙用柔軟剤であって、該アミドアミン化合物(b)は、以下の一般式(2):
(RCOは炭素数が10〜24のアシル基であり、Rは炭素数が2〜4のアルキレン基であり、そしてRおよびR10はそれぞれ炭素数が1〜4のアルキル基である)で表されるアミドアミン化合物であり、そして該ジアミドジアミン化合物(a)またはその塩が40質量%以上の割合でなる。
さらに、本発明の紙の製造方法は、パルプ100質量部に対して、上記紙用柔軟剤を、上記ジアミドジアミン化合物(a)またはその塩の量が0.03〜8質量部となるように添加する工程を包含する。
本発明の紙用柔軟剤は、紙力を低下させずに、紙に優れた柔軟性を付与し得る。したがって、この柔軟剤を用いることによって、紙力を維持し、かつ優れた柔軟性を有する紙を得ることができる。
本発明の紙用柔軟剤は、ジアミドジアミン化合物(a)またはその塩(以下、a成分という場合がある)からなる。あるいは、本発明の紙用柔軟剤は、上記ジアミドジアミン化合物(a)またはその塩と、アミドアミン化合物(b)またはその塩(以下、b成分という場合がある)からなる。以下、各成分、紙用柔軟剤、およびそれを用いた紙の製造方法について説明する。
(ジアミドジアミン化合物(a):a成分)
本発明に用いられるジアミドジアミン化合物(a)は、以下の一般式(1)で表される。
ここで、Aは炭素数が4〜12のジカルボン酸の残基であり、R、R、R、およびRはそれぞれ炭素数が1〜4のアルキル基であり、そしてRおよびRはそれぞれ炭素数が2〜4のアルキレン基である。
上記一般式(1)において、Aは炭素数が4〜12のジカルボン酸の残基であり、このようなジカルボン酸としては、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、およびテレフタル酸が挙げられる。これらの中で、炭素数が6〜10のジカルボン酸が好ましい。炭素数が12を超える場合、このようなジアミドジアミン化合物からなる紙用柔軟剤は、紙に柔軟性を付与するものの、得られるジアミドジアミン化合物の融点が高くなり、取り扱いが困難になる場合がある。
上記一般式(1)において、R、R、R、およびRの炭素数が1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基などが挙げられる。これらの中で、メチル基およびエチル基が好ましい。炭素数が4を超える場合、このようなジアミドジアミン化合物からなる紙用柔軟剤は、紙に柔軟性を付与するものの、得られるジアミドジアミン化合物の融点が高くなり、取り扱いが困難になる場合がある。
上記一般式(1)において、RおよびRの炭素数が2〜4のアルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基などが挙げられる。これらの中で、プロピレン基が好ましい。
上記ジアミドジアミン化合物(a)は、ジアルキルアミノアルキレンアミンと上記ジカルボン酸とを反応させて得られる。この反応は、通常の縮合反応によって行われる。
上記ジアミドジアミン化合物(a)は、そのまま紙用柔軟剤として使用してもよく、無機酸または有機酸で中和して塩として使用してもよい。塩にすることによって、取り扱いが容易になる点で好ましい。酸としては、例えば、塩酸、硫酸、炭酸、硝酸、リン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、グリコール酸、乳酸、グルコン酸、サリチル酸、ヒドロキシ吉草酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、タウリン、スルファミン酸などが挙げられる。これらの中でも、ギ酸、酢酸、グリコール酸、乳酸、およびグルコン酸である。これらの酸の使用量は、紙用柔軟剤を使用する条件によって適宜設定され得るが、得られるジアミドジアミン化合物(a)のアミン価を測定し、アミン価に対して当量となるように用いられることが好ましい。
(アミドアミン化合物(b):b成分)
本発明において、アミドアミン化合物(b)は、さらに紙にボリューム感を付与する目的で用いられる。本発明に用いられるアミドアミン化合物(b)は、以下の一般式(2)で表される。
ここで、RCOは炭素数が10〜24のアシル基であり、Rは炭素数が2〜4のアルキレン基であり、そしてRおよびR10はそれぞれ炭素数が1〜4のアルキル基である。
上記一般式(2)において、RCOは炭素数が10〜24のカルボン酸由来のアシル基であり、このようなカルボン酸としては、例えば、カプリン酸、ラウリン酸、リンデル酸、ミリスチン酸、ミリストレイン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エライジン酸、アラキン酸、エイコセン酸、ベヘン酸、エルカ酸、リグノセリン酸、セラコレン酸などが挙げられる。これらのカルボン酸は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記一般式(2)において、Rの炭素数が2〜4のアルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基などが挙げられる。これらの中で、プロピレン基が好ましい。
上記一般式(2)において、RおよびR10の炭素数が1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基などが挙げられる。これらの中で、メチル基およびエチル基が好ましい。
上記アミドアミン化合物(b)は、ジアルキルアミノアルキレンアミンと上記カルボン酸とを反応させて得られる。この反応は、通常の縮合反応によって行われる。
上記アミドアミン化合物(b)は、そのまま使用してもよく、無機酸または有機酸で中和して塩として使用してもよい。塩にすることによって、取り扱いが容易になる点で好ましい。酸としては、上述のジアミドジアミン化合物(a)を塩にする場合に用いる酸が使用され得る。これらの酸の使用量は、紙用柔軟剤を使用する条件によって適宜設定され得るが、得られるアミドアミン化合物(b)のアミン価を測定し、アミン価に対して当量となるように用いられることが好ましい。
(紙用柔軟剤)
本発明の紙用柔軟剤は、上記ジアミドジアミン化合物(a)またはその塩(a成分)からなる。あるいは、上記a成分と、上記アミドアミン化合物(b)またはその塩(b成分)とからなる。
本発明の紙用柔軟剤がa成分とb成分とからなる場合、a成分が40質量%以上でなる。a成分が40質量%以上でなる紙用柔軟剤は、紙にボリューム感を付与し、より柔軟性に優れる紙が得られる。また、a成分とb成分との質量比は、好ましくは40/60〜99.9/0.1であり、より好ましくは50/50〜85/15である。
(紙の製造方法)
本発明の紙の製造方法は、紙の製造において、上記紙用柔軟剤を使用することを特徴とする。紙用柔軟剤は、パルプ100質量部に対して、上記ジアミドジアミン化合物(a)またはその塩の量が0.03〜8質量部、好ましくは0.1〜4質量部となるように添加する。上記ジアミドジアミン化合物(a)またはその塩の量が0.03質量部未満の場合、柔軟性の向上効果が小さい場合がある。上記ジアミドジアミン化合物(a)またはその塩の量が8質量部を超える場合、使用量に見合った柔軟性の向上効果が得られず、むしろ紙のコストアップにつながり経済的に不利となる。
上記パルプ(原料パルプ)としては、例えば化学パルプ(針葉樹もしくは広葉樹の晒しまたは未晒しクラフトパルプなど)、機械パルプ(グランドパルプ、サーモメカニカルパルプ、ケミサーモメカニカルパルプなど)、脱墨パルプ(新聞、雑誌古紙など)などが用いられる。これらは単独で、または混合して用いることができる。
本発明の紙用柔軟剤は、紙の製造における種々の工程において利用され得る。すなわち、抄紙工程のいずれの段階においても抄紙系に添加され得(内部添加法)、さらに抄紙工程により得られたパルプシートの表面に付与することも可能である(外部添加法)。例えば、抄紙工程におけるミキシングチェスト、マシンチェスト、種箱などの工程でパルプスラリーに添加する内部添加法、あるいは、抄紙により得られたパルプシート表面に塗工するサイズプレス、ゲートロール、スプレーなどの外部添加法が採用される。
特に、内部添加法が好適に採用される。例えば、パルプと水とを含む混合物(例えば、パルプスラリー)に上記紙用柔軟剤を添加し、通常の方法により抄造を行なうことにより紙が得られる。
本発明の紙の製造方法においては、一般に紙の抄造に用いられる長網抄紙機、ツインワイヤー機、ヤンキー機などの抄紙機を使用することができる。
本発明を実施例および比較例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
(合成例1:ジアミドジアミン化合物(a)の合成)
(合成例1.1)
撹拌機、冷却管、温度計、および窒素導入管を備えた500mL容量の4つ口フラスコに、表1に記載のアミン(ジメチルアミノプロピルアミン)204.4g(2モル)およびアジピン酸146.1g(1モル)を仕込んだ。次いで、窒素雰囲気下、撹拌しながら180〜190℃まで昇温し、生成する水を系外へ除去しながら15時間反応を行い、アミン価が342のジアミドジアミン化合物a−1を得た。
(合成例1.2〜1.4)
表1に記載のアミン(2モル)およびジカルボン酸(1モル)を用いたこと以外は、合成例1.1と同様の手順で、ジアミドジアミン化合物a−2〜a−4をそれぞれ得た。
(比較合成例1.1)
表1に記載のアミン(2モル)およびジカルボン酸(1モル)を用いたこと以外は、合成例1.1と同様の手順で、ジアミドジアミン化合物a’−1を得た。
(合成例2:アミドアミン化合物(b)の合成)
(合成例2.1)
撹拌機、冷却管、温度計、および窒素導入管を備えた500mL容量の4つ口フラスコに、表2に記載のアミン(ジエチルアミノエチルアミン)104.4g(0.9モル)およびカルボン酸(ステアリン酸)258.7g(0.9モル)を仕込んだ。次いで、窒素雰囲気下、撹拌しながら120〜130℃まで昇温し、生成する水を系外へ除去しながら15時間反応を行い、アミン価が151のアミドアミン化合物b−1を得た。
(合成例2.2〜2.4)
表2に記載のアミン(0.9モル)およびカルボン酸(0.9モル)を用いたこと以外は、合成例2.1と同様の手順で、アミドアミン化合物b−2〜b−4をそれぞれ得た。
(実施例1:紙用柔軟剤の分散液の調製および紙用柔軟剤の評価)
1.紙用柔軟剤の分散液の調製
200mLのビーカーに、157.8gのイオン交換水、0.6gの酢酸(ジアミドジアミン化合物a−1のアミン価に対して1当量に相当)、および1.6gのジアミドジアミン化合物a−1を仕込み、70℃で30分間撹拌し、紙用柔軟剤の分散液を調製した(分散液Iとする)。この分散液Iには、ジアミドジアミン化合物a−1の塩が1.4質量%含有されている。
2.紙用柔軟剤の評価
上記で得られた紙用柔軟剤の分散液Iを用いて、以下のようにして手すきシートを製造した。そして、得られた手すきシートについて、(1)柔軟性(曲げ剛度)、(2)ボリューム感、および(3)紙力を評価した。
2−1.手すきシートの調製
フリーネスが400mLであるLBKP(広葉樹晒パルプ)を、離解機(熊谷理研株式会社製)を用いて離解し、パルプを1質量%含有するパルプスラリーを調製した。このパルプスラリー400g(パルプ量4g)を500mL容量のビーカーに入れ、上記紙用柔軟剤の分散液Iを4g(パルプ100質量部に対してジアミドジアミン化合物a−1の量が1.4質量部)を添加した。次いで、径4.5cmのタービン羽根により、250rpmにて1分間撹拌した。撹拌後、105gのパルプスラリーを用いて、TAPPIスタンダードシートマシン(安田精機株式会社製)により抄紙した。抄紙後、油圧プレス機(安田精機株式会社製)を用いて0.35Mpaで5分間プレスし、ドラム式ドライヤー(安田精機株式会社製)により105℃で2分間乾燥し、坪量約50g/mの手すきシートを3枚製造した。この手すきシートを、さらに温度23℃および湿度50%の恒温恒湿室に17時間保管して調湿した。
2−2.評価
(1)柔軟性の評価(曲げ剛度)
純曲げ試験機(KES−FB2、カトーテック株式会社製)を用いて、3枚の手すきシートの直径155mm部分の曲げ剛度を、縦方向および横方向についてそれぞれ測定してその平均値を求めた。得られた平均値を以下の基準で評価した。結果を表3に示す。
(評価基準)
曲げ剛度が4.41×10−5N・m/m未満:柔軟性が良好である(○)
曲げ剛度が4.41×10−5N・m/m以上:柔軟性が不十分である(×)
(2)ボリューム感の評価
手すきシートの坪量をJIS P8124に準じて測定した。さらに厚みをJIS式紙圧測定機MEI−10(シチズン時計株式会社製)を用いて、手すきシート1枚につき10点ずつ測定し、10点の厚みの平均を手すきシートの厚みとした。得られた坪量および厚みの測定値を用いて以下の式からシート容量を求めた。次いで、紙用柔軟剤未使用の手すきシート(後述の比較例1)のシート容量Vを同様の手順で求めた。VおよびVを用いて以下の式から比容量を計算し、3枚の平均を求めて、以下の基準で評価した。結果を表3に示す。
シート容量V(cm/g)=厚み(μm)/坪量(g/m
比容量(%)=V/V×100
(評価基準)
比容量が105%以上 :ボリューム感が非常に良好である(◎)
比容量が100%以上105%未満:ボリューム感が良好である(○)
比容量が100%未満 :ボリューム感が不十分である(×)
(3)紙力の評価
手すきシートを15×120mmに裁断し、引張圧縮試験機SV−201−0−SH(株式会社今田製作所製)を用いて、紙を引き離すときの引張り強さを測定した。そして、JIS P8113に準じて以下の式から裂断長を求め、以下の基準で評価した。結果を表3に示す。
(評価基準)
裂断長が4.3km以上:紙力が十分である(○)
裂断長が4.3km未満:紙力が不十分である(×)
(実施例2〜4)
表3に記載のジアミドジアミン化合物(a)および酸(ジアミドジアミン化合物(a)のアミン価に対して1当量に相当)を用いて、実施例1と同様の手順で、それぞれ紙用柔軟剤の分散液II〜IVを得た。これらの分散液II〜IVに含有されるジアミドジアミン化合物(a)の塩の量を表3に示す。次いで、分散液II〜IVを用いて、実施例1と同様の手順で手すきシートを製造し、得られた手すきシートの評価を行った。結果を表3に示す。
(実施例5)
200mLのビーカーに、157.9gのイオン交換水、0.5gの酢酸(ジアミドジアミン化合物a−1とアミドアミン化合物b−1との総アミン価に対して1当量に相当)1.3gのジアミドジアミン化合物a−1、および0.3gのアミドアミン化合物b−1(ジアミドジアミン化合物a−1の塩とアミドアミン化合物b−1の塩との質量比は、85/15)を仕込み、70℃で30分間撹拌し、紙用柔軟剤の分散液を調製した(分散液Vとする)。この分散液Vには、ジアミドジアミン化合物a−1の塩が1.1質量%含有されている。次いで、分散液Vを用いて、実施例1と同様の手順で手すきシートを製造し、得られた手すきシートの評価を行った。結果を表3に示す。
(実施例6〜8)
表3に記載の質量比でジアミドジアミン化合物(a)およびアミドアミン化合物(b)を仕込み、さらに酸(ジアミドジアミン化合物(a)とアミドアミン化合物(b)との総アミン価に対して1当量に相当)を添加して、実施例1と同様の手順で、それぞれ紙用柔軟剤の分散液VI〜VIIIを得た。これらの分散液VI〜VIIIに含有されるジアミドジアミン化合物(a)の塩の量を表3に示す。次いで、分散液VI〜VIIIを用いて、実施例1と同様の手順で手すきシートを製造し、得られた手すきシートの評価を行った。結果を表3に示す。
(比較例1)
実施例1において、紙用柔軟剤を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様の手順で手すきシートを製造し、得られた手すきシートの評価を行った。結果を表3に示す。
(比較例2)
実施例1で用いた紙用柔軟剤の分散液Iの代わりに、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライドの1質量%水溶液を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順で手すきシートを製造し、得られた手すきシートの評価を行った。結果を表3に示す。
(比較例3)
実施例1で用いた紙用柔軟剤の分散液Iの代わりに、エチレンビスステアリン酸アミドの1質量%エタノール溶液を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順で手すきシートを製造し、得られた手すきシートの評価を行った。結果を表3に示す。
(比較例4)
実施例1で用いた紙用柔軟剤の分散液Iの代わりに、紙用柔軟剤の分散液IXを用いたこと以外は、実施例1と同様の手順で手すきシートを製造し、得られた手すきシートの評価を行った。結果を表3に示す。
表3に示すように、実施例1〜4のジアミドジアミン化合物(a)の塩からなる紙用柔軟剤の分散液I〜IVを用いた場合は、いずれの紙(手すきシート)も、紙力を維持しつつ、優れた柔軟性を有することがわかる。さらに、実施例5〜8のジアミドジアミン化合物(a)の塩およびアミドアミン化合物(b)の塩からなる紙用柔軟剤の分散液V〜VIIIを用いた場合は、得られた手すきシートにボリューム感を付与しており、より優れた柔軟性を付与していることがわかる。
これに対して、比較例1では、紙用柔軟剤を用いていないため、柔軟性に優れた紙が得られなかった。比較例2では、ジアミドジアミン化合物(a)の塩の代わりにジステアリルジメチルアンモニウムクロライドを用いたため、十分な紙力を有する紙が得られなかった。比較例3では、ジアミドジアミン化合物(a)の塩の代わりにジアミドジアミン化合物(a)と異なるジアミド化合物(エチレンビスステアリン酸アミド)を用いたため、柔軟性に優れた紙が得られなかった。比較例4では、ジアミドジアミン化合物(a)の塩の代わりにジエチレントリアミンとセバシン酸とからなるアミドアミン化合物の塩を用いたため、柔軟性に優れた紙が得られなかった。
本発明によれば、紙力を低下させずに、紙に優れた柔軟性を付与し得る紙用柔軟剤が提供される。本発明の紙用柔軟剤を用いると、紙力を維持しつつ、優れた柔軟性を有する紙を得ることができる。本発明の紙用柔軟剤を用いて得られた紙は、製本用紙、新聞用紙、印刷・情報用紙、ダンボール原紙、板紙、ティッシュペーパー、トイレットペーパー、キッチンタオルなど各種分野の紙として広く利用される。

Claims (3)

  1. 以下の一般式(1)で表されるジアミドジアミン化合物(a)またはその塩からなる紙用柔軟剤:

    (Aは炭素数が4〜12のジカルボン酸の残基であり、R、R、R、およびRはそれぞれ炭素数が1〜4のアルキル基であり、そしてRおよびRはそれぞれ炭素数が2〜4のアルキレン基である)。
  2. 請求項1記載のジアミドジアミン化合物(a)またはその塩と、アミドアミン化合物(b)またはその塩とからなる紙用柔軟剤であって、
    該アミドアミン化合物(b)が、以下の一般式(2):

    (RCOは炭素数が10〜24のアシル基であり、Rは炭素数が2〜4のアルキレン基であり、そしてRおよびR10はそれぞれ炭素数が1〜4のアルキル基である)で表されるアミドアミン化合物であり、そして
    該ジアミドジアミン化合物(a)またはその塩が40質量%以上の割合でなる、
    紙用柔軟剤。
  3. パルプ100質量部に対して、請求項1または2に記載の紙用柔軟剤を、前記ジアミドジアミン化合物(a)またはその塩の量が0.03〜8質量部となるように添加する工程を包含する、紙の製造方法。
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