JP4710592B2 - 紙用柔軟剤およびそれを用いた紙の製造方法 - Google Patents

紙用柔軟剤およびそれを用いた紙の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、紙用柔軟剤およびそれを用いた紙の製造方法に関する。より詳細には、紙の紙力およびサイズ性を低減させずに、紙に優れた柔軟性および吸油性を付与することが可能な紙用柔軟剤およびそれを用いた紙の製造方法に関する。
近年、紙は、環境問題の観点から、原料中の再生紙の割合を増やして製造される傾向にある。しかし、この場合、紙に十分な柔軟性を与えることが困難になるなどの問題がある。他方、製紙業および印刷業においては、生産性を高めるために、製紙工程および印刷工程の高速化が図られている。そのため、吸油性、サイズ性、および紙力強度に優れた紙が求められている。
上記の課題を解決するために種々の方法が提案されている(例えば、特許文献1〜4)。特許文献1には、でんぷんなどの高分子化合物およびスチレン・ブタジエン共重合体を含有するバインダーを使用して、紙の印刷適正(吸油性)を向上させる方法が開示されている。特許文献2には、分子量が100万〜1000万の分岐架橋構造を有するアクリルアミド系共重合体のホフマン分解反応物をパルプ懸濁液に添加することによって、紙の紙力強度を向上させる方法が開示されている。特許文献3には、アニオン基を有するアクリルアミド系重合体と、疎水性ビニルモノマーとの共重合体を使用することによって、紙の印刷適正(吸油性)およびサイズ性を向上させる方法が開示されている。特許文献4には、デンプンと(メタ)アクリルアミドとをグラフト共重合させた添加剤を使用することによって、紙力を低下させることなく、紙の柔軟性を向上させる方法が開示されている。
しかし、上記方法は、紙の柔軟性および吸油性のいずれかについて、ある程度改善されるものの十分とはいえない。さらに、上記方法に使用される添加剤を組み合わせても、紙の柔軟性および吸油性を改善することは困難であり、組み合わせによっては、紙の紙力およびサイズ性を低下させる場合もある。
そこで、柔軟性、吸油性、紙力、およびサイズ性に優れた紙を提供することが可能な紙用柔軟剤が求められている。
特開平5−263394号公報 特開2003−301398号公報 特開平8−158292号公報 特開平11−302992号公報
本発明の目的は、紙の紙力およびサイズ性を低減させずに、紙に優れた柔軟性および吸油性を付与することが可能な紙用柔軟剤を提供することにある。本発明の他の目的は、上記紙用柔軟剤を用いて紙を効率よく製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、特定のアミドアミン化合物と尿素との縮合物およびアクリルアミド系高分子を特定の割合で組み合わせることによって、上記目的を達成できる紙用柔軟剤が得られることを見出した。さらにこの紙用柔軟剤を用いた紙の製造方法を得るに至った。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
本発明の紙用柔軟剤は、アミドアミン化合物と尿素との縮合物(A)および重量平均分子量が10万〜300万のアクリルアミド系高分子(B)からなる紙用柔軟剤であって、該縮合物(A)と該アクリルアミド系高分子(B)との質量比が60:40〜99:1であり、該縮合物(A)を構成するアミドアミン化合物が、以下の式(1):
Figure 0004710592
(Rは炭素数が1〜4のアルキレン基であり、RおよびRはそれぞれ水素原子または炭素数が1〜3のアルキル基であり、Rは水素原子または炭素数が1〜24のアルキル基もしくはアルケニル基であり、そしてnは1〜4であり、ただしn=1のとき、Rは水素原子である)で表されるポリアミン化合物(1)と、炭素数が10〜24の混合カルボン酸であって、飽和カルボン酸と不飽和カルボン酸との質量比が35:65〜99:1でなるカルボン酸とを、該ポリアミン化合物(1)のアミノ基1モルに対して、該混合カルボン酸のカルボキシル基が0.3〜0.8モル当量となるような割合で反応させて得られ、そして該縮合物(A)の尿素縮合率が10〜50%である。
本発明の紙用柔軟剤はまた、アミドアミン化合物と尿素との縮合物(A)、重量平均分子量が10万〜300万のアクリルアミド系高分子(B)、および炭素数が8〜24の飽和または不飽和カルボン酸からなるアルキルケテンダイマー(C)からなる紙用柔軟剤であって、該縮合物(A)と該アクリルアミド系高分子(B)との質量比が60:40〜99:1であり、かつ、該縮合物(A)および該アクリルアミド系高分子(B)の合計量と、該アルキルケテンダイマー(C)との質量比が65:35〜99:1であり、該縮合物(A)を構成するアミドアミン化合物が、以下の式(1):
Figure 0004710592
(Rは炭素数が1〜4のアルキレン基であり、RおよびRはそれぞれ水素原子または炭素数が1〜3のアルキル基であり、Rは水素原子または炭素数が1〜24のアルキル基もしくはアルケニル基であり、そしてnは1〜4であり、ただしn=1のとき、Rは水素原子である)で表されるポリアミン化合物(1)と、炭素数が10〜24の混合カルボン酸であって、飽和カルボン酸と不飽和カルボン酸との質量比が35:65〜99:1でなるカルボン酸とを、該ポリアミン化合物(1)のアミノ基1モルに対して、該混合カルボン酸のカルボキシル基が0.3〜0.8モル当量となるような割合で反応させて得られ、そして該縮合物(A)の尿素縮合率が10〜50%である。
本発明の紙の製造方法は、パルプ100質量部に対して、上記紙用柔軟剤を、上記縮合物(A)と上記アクリルアミド系高分子(B)との合計量が0.03〜8質量部となるように添加する工程を包含する。
本発明の紙用柔軟剤は、紙の紙力およびサイズ性を低減させずに、紙に優れた柔軟性および吸油性を付与することができる。したがって、この紙用柔軟剤を用いることによって、紙力を維持し、かつ柔軟性に優れた紙が得られる。さらに得られる紙は、サイズ性および吸油性に優れているため、印刷適正も良好である。
本発明の紙用柔軟剤は、アミドアミン化合物と尿素との縮合物(A)(以下、A成分という場合がある)および重量平均分子量が10万〜300万のアクリルアミド系高分子(B)(以下、B成分という場合がある)からなる。あるいは、本発明の紙用柔軟剤は、上記アミドアミン化合物と尿素との縮合物(A)、上記アクリルアミド系高分子(B)、およびアルキルケテンダイマー(C)(以下、C成分という場合がある)からなる。以下、各成分、紙用柔軟剤、およびそれを用いた紙の製造方法について説明する。
(縮合物(A);A成分)
縮合物(A)は、アミドアミン化合物と尿素とを縮合反応して得られるものである。
以下、まず縮合物(A)の調製方法について説明し、次いで縮合物の尿素縮合率について説明する。この縮合物は、上述のように、アミドアミン化合物と尿素とを縮合することによって得られるが、本発明においては、特にこの原料であるアミドアミン化合物において、特定のポリアミン化合物と特定の混合カルボン酸とを特定の割合で反応させる点が特徴の1つである。
(1)アミドアミン化合物
上記アミドアミン化合物の製造に用いられるポリアミン化合物(1)は、以下の一般式(1):
Figure 0004710592
(Rは炭素数が1〜4のアルキレン基であり、RおよびRはそれぞれ水素原子または炭素数が1〜3のアルキル基であり、Rは水素原子または炭素数が1〜24のアルキル基もしくはアルケニル基であり、そしてnは1〜4であり、ただしn=1のとき、Rは水素原子である)で表される。
上記一般式(1)において、Rの炭素数が1〜4のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、ブチレン基、テトラメチレン基などが挙げられる。
上記一般式(1)において、RおよびRの炭素数が1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基などが挙げられる。
上記一般式(1)において、Rの炭素数が1〜24のアルキル基またはアルケニル基としては、例えば、上述のRおよびRの炭素数が1〜3のアルキル基の他、さらに、ブチル基、イソブチル基、第二ブチル基、第三ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、ヘプチル基、イソへプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、テトラデセニル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、イソヘキサデシル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、オクタデセニル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基などが挙げられる。これらは単独でも、2種以上の混合物であってもよい。例えば、ヤシ油アルキル基、パーム油アルキル基、牛脂アルキル基、豚脂アルキル基、大豆油アルキル基、なたね油アルキル基、トール油アルキル基などの混合アルキル基などでもよい。炭素数が24を超える場合、このようなアミドアミン化合物を用いた紙用柔軟剤は、紙に柔軟性および吸油性を付与する効果を有するものの、得られるアミドアミン化合物の融点が高くなり、取り扱いが困難になる場合がある。
上記アミドアミン化合物の製造に用いられる混合カルボン酸は、炭素数が10〜24、好ましくは炭素数14〜18の混合カルボン酸であって、飽和カルボン酸と不飽和カルボン酸との質量比が35:65〜99:1、好ましくは60:40〜90:10でなる。
上記混合カルボン酸中に炭素数が10未満のカルボン酸を含む場合、得られる紙用柔軟剤の柔軟性向上効果および吸油性向上効果が不十分となる。さらに、紙のサイズ性および紙力を低下させる。炭素数が24を超えるカルボン酸を含む場合、このようなアミドアミン化合物を用いた紙用柔軟剤は、紙に柔軟性および吸油性を付与する効果を有するものの、得られるアミドアミン化合物の融点が高くなり、取り扱いが困難になる場合がある。さらに、混合カルボン酸中の飽和カルボン酸と不飽和カルボン酸との質量比が35:65〜99:1の範囲を外れる場合、例えば、不飽和カルボン酸の質量比が1未満の場合は、得られる紙用柔軟剤の柔軟性向上効果が不十分となる。不飽和カルボン酸の質量比が65を超える場合は、得られる紙用柔軟剤の吸油性向上効果が不十分となり、さらにサイズ性を著しく低下させる。
炭素数が10〜24の混合カルボン酸としては、具体的には、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、テトラコサン酸などの飽和カルボン酸の少なくとも1種と、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エルカ酸などの不飽和カルボン酸の少なくとも1種との混合カルボン酸が挙げられる。
上記アミドアミン化合物は、上記ポリアミン化合物(1)と上記混合カルボン酸とを、該ポリアミン化合物(1)のアミノ基1モルに対して、該混合カルボン酸のカルボキシル基が0.3〜0.8モル当量、好ましくは0.4〜0.7モル当量となるような割合で反応させて得られる。0.3モル当量未満の場合、得られる紙用柔軟剤の柔軟性向上効果が不十分となる。0.8モル当量を超える場合は、得られる紙用柔軟剤の吸油性向上効果が不十分となり、この柔軟剤により紙を製造しても、紙のサイズ性が低下する。上記アミドアミン化合物を得るための反応は、例えば、反応器中に上記ポリアミン化合物(1)と上記混合カルボン酸とを仕込み、窒素雰囲気下、撹拌しながら昇温し、生成する水を除去しながら数時間保持することによって行われる。
(2)尿素
上記縮合物(A)の原料である尿素は、市販品を適宜用いることができる。
(3)縮合反応(縮合物(A)の調製)
上記縮合物(A)は、上記アミドアミン化合物と上記尿素とを反応させて得られる。この縮合物(A)の調製は、通常の縮合反応によって行われる。
上記縮合物(A)の尿素縮合率は、10〜50%、好ましくは10〜35%である。尿素縮合率が10%未満の場合、得られる紙のサイズ性および吸油性が低下する。尿素縮合率が50%を超える場合、取り扱いが困難になるとともに、得られる紙用柔軟剤の柔軟性向上効果および吸油性向上効果が不十分となる。さらに、紙のサイズ性および紙力を低下させる。
本明細書において、尿素縮合率とは、以下の式で表される。
Figure 0004710592
上記縮合物(A)は、紙用柔軟剤の分散液の調製を容易にするために、未反応のアミン部分を、無機酸あるいは有機酸と反応させることによって塩にしておくことが好ましい。無機酸としては、塩酸、硫酸、炭酸、硝酸、リン酸などが挙げられる。有機酸としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、オクチル酸、酪酸、シュウ酸、マロン酸、イタコン酸、アジピン酸、コハク酸、セバシン酸、クエン酸、ヒドロキシ安息香酸、リンゴ酸、ヒドロキシマロン酸、乳酸、グルコン酸、サリチル酸、ヒドロキシ吉草酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、タウリン、スルファミン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸などが挙げられる。これらの中では有機酸が好ましく、その中でも蟻酸、酢酸、およびプロピオン酸が特に好ましい。この酸による反応は、紙用柔軟剤を調製する際に行ってもよい。
(アクリルアミド系高分子(B);B成分)
アクリルアミド系高分子(B)は、重量平均分子量が10万〜300万、好ましくは30万〜270万、より好ましくは100万〜200万のアクリルアミド系高分子が用いられる。重量平均分子量が10万未満の場合、得られる紙用柔軟剤の吸油性向上効果が不十分となる。重量平均分子量が300万を超える場合、得られる紙用柔軟剤は、吸油性を付与する効果を有するものの、取り扱いが困難になる。
上記アクリルアミド系高分子としては、例えば、アニオン性ポリアクリルアミド、カチオン性ポリアクリルアミド、両性ポリアクリルアミドなどが挙げられる。好ましくは、カチオン性ポリアクリルアミドおよび両性ポリアクリルアミドである。
アニオン性ポリアクリルアミドとしては、アクリルアミドとアニオン性モノマー(アクリル酸またはメタクリル酸など)との共重合体、ポリアクリルアミドの部分加水分解物などが挙げられる。
カチオン性ポリアクリルアミドとしては、ポリアクリルアミドのマンニッヒ変性物、ホフマン分解物、あるいはアクリルアミドとカチオン性モノマー(ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジアリルジエチルアンモニウムクロライド、メタアクロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムメチルサルフェート、メタアクロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムメチルクロライド、メタアクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライドなど)との共重合体が挙げられる。
両性ポリアクリルアミドとしては、アクリルアミドと上記アニオン性モノマーおよびカチオン性モノマーとの共重合体、アクリルアミドと上記アニオン性モノマーとの共重合体のマンニッヒ変性物またはホフマン分解物などが挙げられる。
(アルキルケテンダイマー(C);C成分)
アルキルケテンダイマー(C)は、紙に更なるサイズ性(耐水性)を付与するために使用される。アルキルケテンダイマー(C)は、例えば、カルボン酸をリン法あるいはホスゲン法によってカルボン酸の塩化物とし、その後、3級アミンを触媒として脱塩酸することにより得られる。
上記アルキルケテンダイマー(C)の原料となるカルボン酸としては、炭素数が8〜24、好ましくは12〜24、より好ましくは14〜18の飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸が挙げられる。特に好ましくは、炭素数が14〜18の飽和脂肪酸である。カルボン酸の炭素数が8未満の場合は、サイズ性のさらなる向上効果が望めない場合があり、24を超える場合は、得られる紙用柔軟剤の取り扱いが困難になる場合がある。
飽和カルボン酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、テトラコサン酸などが挙げられる。不飽和カルボン酸としては、パルミトレイン酸、オレイン酸、エルカ酸などが挙げられる。これらのカルボン酸は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(紙用柔軟剤)
本発明の紙用柔軟剤は、上記アミドアミン化合物と尿素との縮合物(A成分)および上記重量平均分子量が10万〜300万のアクリルアミド系高分子(B成分)からなる。あるいは、上記A成分、B成分、およびアルキルケテンダイマー(C成分)からなる。
本発明の紙用柔軟剤において、A成分とB成分との質量比は60:40〜99:1、好ましくは70:30〜85:15である。アクリルアミド系高分子(B)の割合が1質量部未満の場合は、紙用柔軟剤の吸油性向上効果が不十分となる。40質量部を超える場合は、得られる紙用柔軟剤の作業性が低下するとともに、紙用柔軟剤の柔軟性向上効果が不十分となる。
本発明の紙用柔軟剤が、A成分、B成分、およびC成分からなる場合、上記A成分および上記B成分の合計量と上記C成分との質量比は65:35〜99:1、好ましくは70:30〜98:2である。
上記アルキルケテンダイマー(C)は、上記縮合物(A)および上記アクリルアミド系高分子(B)とともに同時に混合してもよく、上記縮合物(A)および上記アクリルアミド系高分子(B)を混合した後に添加してもよい。いずれも同等の効果を得ることができる。
本発明の紙用柔軟剤は、水などの溶媒に分散した分散液として使用することが好ましい。分散液の調製は、分散剤、保護コロイドなどの添加剤を用いて混合した後、高圧ホモジナイザーなどの乳化機を使用して行われる。
(紙の製造方法)
本発明の紙の製造方法は、紙の製造において、上記紙用柔軟剤を使用することを特徴とする。紙用柔軟剤は、パルプ100質量部に対して、上記縮合物(A)と上記アクリルアミド系高分子(B)との合計量が0.03〜8質量部、好ましくは0.1〜4質量部となるように添加する。上記縮合物(A)と上記アクリルアミド系高分子(B)との合計量が0.03質量部未満の場合、紙に十分な柔軟性を付与することができない。上記縮合物(A)と上記アクリルアミド系高分子(B)との合計量が8質量部を超える場合、使用量に見合った柔軟性および吸油性の向上効果が得られず、むしろ紙のコストアップにつながり、経済的に不利となる。
上記パルプ(原料パルプ)としては、例えば化学パルプ(針葉樹若しくは広葉樹の晒しまたは未晒しクラフトパルプなど)、機械パルプ(グランドパルプ、サーモメカニカルパルプ、ケミサーモメカニカルパルプなど)、脱墨パルプ(新聞、雑誌古紙など)などが用いられる。これらは単独で、または混合して用いることができる。
本発明の紙用柔軟剤は、紙の製造における種々の工程において利用され得る。すなわち、抄紙工程のいずれの段階においても抄紙系に添加され得(内部添加法)、さらに抄紙工程により得られたパルプシートの表面に付与することも可能である(外部添加法)。例えば、抄紙工程におけるミキシングチェスト、マシンチェスト、種箱などの工程でパルプスラリーに添加する内部添加法、あるいは、抄紙により得られたパルプシート表面に塗工するサイズプレス、ゲートロール、スプレーなどの外部添加法が採用される。
特に、内部添加法が好適に採用される。例えば、パルプと水とを含む混合物(例えば、パルプスラリー)に上記紙用添加剤を添加し、通常の方法により抄造を行なうことにより紙が得られる。
本発明の紙の製造方法においては、一般に紙の抄造に用いられる長網抄紙機、ツインワイヤー機、ヤンキー機などの抄紙機を使用することができる。
本発明の紙の製造方法によって製造される紙としては、例えば、新聞用紙、印刷用紙、記録用紙、包装用紙、板紙、ライナー、中芯などの段ボール用紙、壁紙、襖紙原紙や裏打ち紙などの紙製品、トイレットペーパー、ティッシュペーパーなどの衛生紙が挙げられる。
本発明を実施例および比較例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
(合成例1:縮合物の合成)
攪拌機、冷却管、温度計、および窒素導入管を備えた1L容量の4つ口フラスコに、表1に示すポリアミン化合物105.5g(1モル)および混合カルボン酸(ステアリン酸とオレイン酸とを65:35の質量比で混合)540.2g(1.9モル)を仕込み、窒素雰囲気下、撹拌しながら180〜190℃まで昇温し、生成する水を系外へ除去しながら3時間反応を行い、全アミン価が103.9、70℃における粘度が128cpsのアミドアミン化合物を得た。このアミドアミン化合物を100℃まで放冷した後、さらに尿素16.7g(0.28モル)を仕込み、窒素雰囲気下、160〜170℃にて撹拌し、アンモニアを系外へ除去しながら3時間反応させ、全アミン価が65.8、尿素縮合率が36.7%の縮合物を得た(縮合物A−1とする)。
(合成例2〜10:縮合物の合成)
表1に記載のポリアミン化合物および混合カルボン酸を表1に記載のモル比で用いたこと以外は、合成例1と同様に操作して、アミドアミン化合物をそれぞれ得た。さらに各アミドアミン化合物に対して、尿素を表1に記載のモル比で反応させたこと以外は、合成例1と同様に操作して縮合物を得た(それぞれ縮合物A−2〜A−10とする)。これらの縮合物の尿素縮合率を表1にまとめて示す。
Figure 0004710592
表1に示すような合成例1〜10の縮合物A−1〜A−10が得られた。これらの中で、合成例6〜10の縮合物A−6〜A−10は、以下の点で本発明の縮合物の条件を満たしていない。すなわち合成例6の縮合物A−6は、混合カルボン酸の炭素数が小さく(カプロン酸)、アミドアミン化合物中のアミノ基に対するカルボキシル基の割合が高い。合成例7の縮合物A−7は、混合カルボン酸において、飽和カルボン酸の割合が不飽和カルボン酸に比べて低い。合成例8の縮合物A−8は、アミドアミン化合物中のアミノ基に対するカルボキシル基の割合が高い。合成例9の縮合物A−9は、ポリアミン化合物中のRの炭素数が大きかった。合成例10の縮合物A−10は、アミドアミン化合物中のアミノ基に対するカルボキシル基の割合および尿素縮合率が高い。
(合成例11:カチオン性ポリアクリルアミドの合成)
攪拌機、還流冷却管、温度計、窒素ガス導入管、および滴下口を備えた1L容量の5つ口フラスコ(以下、反応容器という)に、純水328.5gを仕込み、窒素ガスを吹き込みながら、内温を80℃に調整した。これとは別に、50%アクリルアミド373.9gと、メタリルスルホン酸ナトリウム2.5gと、純水62.5gとを混合溶解し、35%塩酸でpHを4.2に調整した溶液1を調製した。また、純分84%の4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸0.48gを純水64.0gで溶解した溶液2を調製した。これらの溶液1および2をそれぞれ上記反応容器中に3時間かけて均等滴下した。この間、内温を80℃に保った。滴下終了後、さらに80℃にて2時間重合した。
次いで、上記重合中に、50%アクリルアミド19.2gと、メチレンビスアクリルアミド0.4gと、純水37.5gとを混合溶解し、35%塩酸でpHを4.2に調整した溶液3、および純分84%の4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸0.11gを純水64.0gで溶解した溶液4を予め調製した。上記重合後に、これらの溶液3および4をさらに反応容器中に1時間かけて均等滴下した。この間、内温を80℃に保った。滴下終了後、さらに80℃にて2時間かけて重合し、不揮発分20%で、かつ25℃におけるブルックマンフィールド粘度が5800mPa・sの重合体を得た。
得られた重合体をさらに以下のようにしてホフマン分解した。まず、固形分で2.0gの上記重合体を純水で全量が40.0gとなるように希釈した。この溶液を70℃に加熱し、撹拌しながら、12.5%次亜塩素酸ナトリウム溶液と20%水酸化ナトリウム溶液とを1:2の質量比で混合した混合溶液11.2gを添加して30秒間保持した。その後、予め冷却しておいた約5℃の純水152.6gを加え、さらに氷浴中で冷却し、ホフマン分解反応物を得た。得られた重合体のホフマン分解反応物(カチオン性ポリアクリルアミド)の重量平均分子量を、指示薬にトルイジンブルーを用いた1/400N−ポリビニルスルホン酸カリウム水溶液によるコロイド摘定法およびGPC−MALL法により測定したところ、120万であった。
(実施例1:紙用柔軟剤の分散液の調製およびその評価)
1.紙用柔軟剤の分散液の調製
合成例1で得られた縮合物A−1(A成分)、合成例11で得られた重量平均分子量120万のカチオン性ポリアクリルアミド(B成分)、ステアリン酸を原料脂肪酸とするアルキルケテンダイマー(C成分)、酢酸、および水を含有する紙用柔軟剤の分散液を以下のようにして調製した。
まず、200mL容量のビーカー中にイオン交換水90gおよび合成例11で得られたカチオン性ポリアクリルアミド(B成分)を10g加えて、撹拌混合後、10質量%のポリアクリルアミド水溶液を調製した。
これとは別に、1Lのビーカーに、アルキルケテンダイマー140g、予め過硫酸アンモニウムで処理した10質量%カチオンデンプン水溶液105g、およびイオン交換水455gを入れ、80℃に昇温した後、ホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて、5000rpmの条件下、5分間処理し、さらに加圧乳化機(マントンゴーリン、APV GAULIN,INC.社製)を用いて、40MPaの条件下、2回処理して、20質量%のアルキルケテンダイマー分散液を調製した。
次いで、1L容量のビーカーに、イオン交換水628.2g、縮合物(縮合物A−1)70g、酢酸6.0g(縮合物のアミン価に対して1.05倍モル当量に相当)、上記ポリアクリルアミドの10質量%水溶液95g、および上記アルキルケテンダイマーの20質量%分散液21.4gをいれ、80℃に昇温した。次いで、ホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて、5000rpmにて5分間処理し、さらに加圧乳化機(マントンゴーリン、APV GAULIN,INC.社製)を用いて、40MPaにて2回処理して、紙用柔軟剤の分散液を調製した(分散液Iとする)。この分散液I中には、縮合物A−1、合成例11で得られたカチオン性ポリアクリルアミド、およびアルキルケテンダイマーが合計で10.4質量%含有されている。
2.紙用柔軟剤の評価
上記で得られた紙用柔軟剤の分散液Iを用いて、以下のようにして手すきシートを製造し、得られた手すきシートの柔軟性、吸油性、サイズ性、および紙力について評価した。
2−1.手すきシートの製造
フリーネスが250mLであるLBKP(広葉樹晒パルプ)を、離解機(熊谷理研株式会社製)を用いて離解し、パルプを1質量%含有するパルプスラリーを調製した。このパルプスラリー100g(パルプ量1g)を200mL容量のビーカーに入れ、パルプ100質量部に対して、上記紙用柔軟剤の分散液Iを、縮合物A−1、合成例11で得られたカチオン性ポリアクリルアミド、およびアルキルケテンダイマーの合計量が0.5質量部となるように添加し、径4.5cmのタービン羽根により、250rpmにて1分間撹拌した。その後、TAPPIスタンダードシートマシン(安田精機株式会社製)により抄紙し、油圧プレス機(安田精機株式会社製)を用いて、0.35Mpaで5分間プレスした後、ドラム式ドライヤー(安田精機株式会社製)により105℃にて5分間乾燥し、坪量約50g/mの手すきシートを製造した。この手すきシートをさらに温度23℃および湿度50%の恒温恒湿室に17時間保管して調湿した。調湿後の手すきシートの坪量をJIS P8124に準じて測定したところ、60g/mであった。
2−2.評価
得られた手すきシートの柔軟性(曲げ剛度)、吸油性、サイズ性、および紙力について以下の方法で評価した。結果を表3に示す。なお、紙用柔軟剤の分散液の代わりに、水を用いること以外は上記と同様にして得られる手すきシートを対照例として同様に評価した。
(1)柔軟性の評価(曲げ剛度)
手すきシートを温度23℃および湿度50%の恒温恒湿室に48時間保管した後、純曲げ試験機(KES−FB2、カトーテック株式会社製)を用いて、手すきシートの縦方向および横方向の曲げ剛度を測定してその平均値を求めた。得られた平均値を以下の基準で評価した。
(評価基準)
曲げ剛度が4.41×10−5N・m/m未満:柔軟性が良好である(○)
曲げ剛度が4.41×10−5N・m/m以上:柔軟性が不十分である(×)
(2)吸油性の評価
手すきシートを5.5×100mmの紙片に加工した。次いで、軽油と鉱物油とを80:20の質量比で混合した混合油30mLが入った100mL容量のビーカー中に、上記紙片の下端から5mmの部分を浸漬させ、温度23℃および湿度50%の条件下、1分間保持した。そして、液面から紙片に浸透した上端までの距離(mm)を吸油量(試験吸油量とする)として測定した。他方、紙用柔軟剤を添加せずに製造した手すきシート(対照例)を用いた場合の吸油量をブランク吸油量とし、以下の式から吸油量増加率を測定し、以下の基準で評価した。
吸油増加率(%)=(試験吸油量−ブランク吸油量)/(ブランク吸油量)×100
(評価基準)
吸油増加率が10%以上:吸油性が良好である(○)
吸油増加率が10%未満:吸油性が不十分である(×)
(3)サイズ性の評価
JIS P8122に準じて、手すきシートのステキヒトサイズ度を測定し、サイズ性を以下のようにして評価した。◎または○であれば実用上問題はない。
(評価基準)
サイズ度が30秒以上 :サイズ性が非常に良好である(◎)
サイズ度が20秒以上30秒未満:サイズ性が良好である(○)
サイズ度が20秒未満 :サイズ性が不十分である(×)
(4)紙力の評価
手すきシートを15×120mmに裁断し、引張り試験機(株式会社今田製作所製)を用いて引張り強度を測定した。得られた引張り強度および坪量の値を用いて以下の式から、列断長を算出した(試験列断長とする)。他方、紙用柔軟剤を添加せずに製造した手すきシート(対照例)を用いた場合の列断長をブランク列断長とした。試験列断長をブランク列断長と比較して、ブランク列断長に比べて試験列断長が80.0%以上の場合は、紙力が良好であるとし(○)、試験列断長が80.0%未満の場合は、紙力が不十分である(×)として紙力を評価した。
Figure 0004710592
(実施例2〜5)
表2に記載の縮合物(A成分)、ポリアクリルアミド(B成分)、アルキルケテンダイマー(C成分)、酸、および水を表2に記載の割合で用いたこと以外は、実施例1と同様にして、分散液II〜Vを得た。各分散液を用いて実施例1と同様に手すきシートを製造し、評価した。結果を表3に併せて示す。
(比較例1〜5)
表2に記載の縮合物(A成分)、ポリアクリルアミド(B成分)、アルキルケテンダイマー(C成分)、酸、および水を表2に記載の割合で用いたこと以外は、実施例1と同様にして、分散液VI〜Xを得た。各分散液を用いて実施例1と同様に手すきシートを製造し、評価した。結果を表3に併せて示す。
(比較例6)
アルキルケテンダイマー(C成分)および水を表2に記載の割合で用いて、分散液XIを得た。分散液XIを用いて実施例1と同様に手すきシートを製造し、評価した。結果を表3に併せて示す。
Figure 0004710592
Figure 0004710592
表3の結果から、実施例の紙用柔軟剤の分散液I〜Vを用いた場合は、いずれの紙(手すきシート)も、紙力およびサイズ性を維持しつつ、優れた柔軟性および吸油性を有することがわかる。これに対して、比較例の紙用柔軟剤の分散液VI〜XIIを用いた場合、得られる紙は、柔軟性、吸油性、サイズ性、および紙力のいずれかの点で不十分であった。すなわち、比較例1の分散液VIは、用いる縮合物A−6において、アミドアミン化合物を構成するカルボン酸の炭素数が低く、アミドアミン化合物中のアミノ基に対するカルボキシル基の割合が高いため、吸油性に優れた紙が得られず、サイズ性および紙力の点でも劣った。比較例2の分散液VIIは、用いる縮合物A−7において、アミドアミン化合物を構成する混合カルボン酸中の飽和カルボン酸の割合が不飽和カルボン酸に比べて低いため、吸油性に優れた紙が得られず、サイズ性の点でも劣った。比較例3の分散液VIIIは、用いる縮合物A−8において、アミドアミン化合物中のアミノ基に対するカルボキシル基の割合が高く、かつ縮合物A−8とアクリルアミド系高分子との配合比(A:B)が適切でないため、柔軟性に優れた紙が得られなかった。比較例4の分散液IXは、用いる縮合物A−9において、ポリアミン化合物中のRの炭素数が大きく、さらに用いるアクリルアミド系高分子の分子量が高いため、柔軟性に優れた紙が得られなかった。比較例5の分散液Xは、用いる縮合物A−10において、アミドアミン化合物中のアミノ基に対するカルボキシル基の割合および尿素縮合率が高いため、柔軟性および吸油性に優れた紙が得られず、サイズ性および紙力の点でも劣った。
本発明によれば、紙の紙力およびサイズ性を低減させずに、紙に優れた柔軟性および吸油性を付与することが可能な紙用柔軟剤が提供される。この紙用柔軟剤を用いると、紙力を維持しつつ、優れた柔軟性を有する紙を得ることができる。さらに得られた紙はサイズ性および吸油性に優れているため、印刷適正も良好である。得られた紙は、新聞用紙、印刷・情報用紙、ダンボール原紙、板紙、衛生紙などに至るまで各種分野の紙として広く利用される。

Claims (3)

  1. アミドアミン化合物と尿素との縮合物(A)および重量平均分子量が10万〜300万のアクリルアミド系高分子(B)からなる紙用柔軟剤であって、
    該縮合物(A)と該アクリルアミド系高分子(B)との質量比が60:40〜99:1であり、
    該縮合物(A)を構成するアミドアミン化合物が、以下の式(1):
    Figure 0004710592
    (Rは炭素数が1〜4のアルキレン基であり、RおよびRはそれぞれ水素原子または炭素数が1〜3のアルキル基であり、Rは水素原子または炭素数が1〜24のアルキル基もしくはアルケニル基であり、そしてnは1〜4であり、ただしn=1のとき、Rは水素原子である)で表されるポリアミン化合物(1)と、
    炭素数が10〜24の混合カルボン酸であって、飽和カルボン酸と不飽和カルボン酸との質量比が35:65〜99:1でなる混合カルボン酸とを、
    該ポリアミン化合物(1)のアミノ基1モルに対して、該混合カルボン酸のカルボキシル基が0.3〜0.8モル当量となるような割合で反応させて得られ、そして
    該縮合物(A)の尿素縮合率が10〜50%である、
    紙用柔軟剤。
  2. アミドアミン化合物と尿素との縮合物(A)、重量平均分子量が10万〜300万のアクリルアミド系高分子(B)、および炭素数が8〜24の飽和または不飽和カルボン酸からなるアルキルケテンダイマー(C)からなる紙用柔軟剤であって、
    該縮合物(A)と該アクリルアミド系高分子(B)との質量比が60:40〜99:1であり、かつ、該縮合物(A)および該アクリルアミド系高分子(B)の合計量と、該アルキルケテンダイマー(C)との質量比が65:35〜99:1であり、
    該縮合物(A)を構成するアミドアミン化合物が、以下の式(1):
    Figure 0004710592
    (Rは炭素数が1〜4のアルキレン基であり、RおよびRはそれぞれ水素原子または炭素数が1〜3のアルキル基であり、Rは水素原子または炭素数が1〜24のアルキル基もしくはアルケニル基であり、そしてnは1〜4であり、ただしn=1のとき、Rは水素原子である)で表されるポリアミン化合物(1)と、
    炭素数が10〜24の混合カルボン酸であって、飽和カルボン酸と不飽和カルボン酸との質量比が35:65〜99:1でなる混合カルボン酸とを、
    該ポリアミン化合物(1)のアミノ基1モルに対して、該混合カルボン酸のカルボキシル基が0.3〜0.8モル当量となるような割合で反応させて得られ、そして
    該縮合物(A)の尿素縮合率が10〜50%である、
    紙用柔軟剤。
  3. パルプ100質量部に対して、請求項1または2に記載の紙用柔軟剤を、前記縮合物(A)と前記アクリルアミド系高分子(B)との合計量が0.03〜8質量部となるように添加する工程を包含する、紙の製造方法。
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